以下、購買データを提供した消費者(顧客)に、第三者によって当該消費者が特定されることなくベネフィットを与えることができるデータ処理システムの実施形態について、図面を用いて説明する。
本実施形態のデータ処理システムは、会員登録制の所定のサービスに会員登録した消費者が、同サービスに加盟している小売店(販売店)で商品を購入した場合に蓄積される取引単位の購買データを、他の事業者からの依頼に応じて当該事業者へ提供する。そしてデータ処理システムは、購買データを提供した消費者に対し、ベネフィットとしてサービスポイントを付与する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態におけるデータ処理システム1の概略構成を示すブロック図を示す。データ処理システム1は、センタサーバ11と、情報端末12と、ネットワーク13とを含む。情報端末12は、会員登録制の所定のサービスに会員登録した消費者がそれぞれ使用する。情報端末12は、消費者の情報端末装置として機能する。各情報端末12は、無線通信を利用してネットワーク13に接続される。ネットワーク13は、センタサーバ11と各情報端末12とを、双方向通信自在に接続する。ネットワーク13は、例えばインターネットである。
センタサーバ11は、データ処理システム1の中枢を担うコンピュータシステムであり、データセンタ等に設置される。センタサーバ11は、クラウドコンピューティングの環境下に構築されてもよい。センタサーバ11は、データ処理装置として機能する。センタサーバ11は、ネットワーク2を介して複数のPOS端末3と接続する。POS端末3は、所定のサービスに加盟している小売店に設置される。POS端末3は、図示しない小売店のサーバを介してネットワーク2に接続されていてもよい。ネットワーク2は、例えばイントラネットである。ネットワーク2は、インターネットでもよい。
POS端末3は、消費者によって購入された商品の販売データを登録処理する。そしてPOS端末3は、登録処理した商品の販売データを基に、取引単位の購買データを生成する。なお、小売店のサーバやセンタサーバ11が、POS端末3が登録処理した商品の販売データに基づいて、購買データを生成してもよい。購買データは、消費者によって購入された商品の商品コード、分類コード、商品名、価格、点数、金額等の購買商品データを含む。また購買データは、店舗名、取引日時、取引金額等の取引識別データも含む。因みに、商品コードは、商品固有のコードであり、商品毎に一意の商品コードが設定される。分類コードは、商品の分類を識別するコードである。商品の分類は、例えば肉類、鮮魚、野菜、果物、乳製品、生活雑貨等のように大まかな分類でもよいし、例えば肉類については牛肉、豚肉、鶏肉等の細かな分類でもよい。分類毎に一意の分類コードが設定される。
またPOS端末3は、ユーザIDの読取装置を備える。ユーザIDは、所定のサービスに会員登録した消費者を識別する固有の識別情報である。ユーザIDは、例えば消費者が所定のサービスに会員登録する際に、消費者に提供される会員カードにバーコードの形態で印刷される。この場合、バーコードスキャナがユーザIDの読取装置となる。ユーザIDは、例えば消費者が所定のサービスに会員登録する際に、消費者に提供されるICカード(会員カード)のメモリチップに記憶される。この場合、ICカードリーダがユーザIDの読取装置となる。なお、ユーザIDを保持する媒体とその読取装置とは、上記のものに限定されるものではない。
センタサーバ11には、ネットワーク13を介して複数の事業者システム4が接続される。各事業者システム4は、第三者である事業者毎に構築されたコンピュータシステムを示す。事業者システム4は、ネットワーク13を介してセンタサーバ11に購買データの提供を依頼する機能と、ネットワーク13を介して情報端末12から提供される購買データを受信する機能と、購買データを提供した消費者にベネフィットを付与するために、消費者から購買データを取得したことをセンタサーバ11に通知する機能とを有する。
センタサーバ11は、消費者データベース51、購買データベース52及び事業者データベース53を有する。消費者データベース51は、所定のサービスに会員登録した各消費者に関するデータのレコードを記憶する。購買データベース52は、取引単位で生成される購買データのレコードを記憶する。事業者データベース53は、購買データの提供を要求する各事業者に関するデータのレコードを記憶する。
図2は、消費者データベース51に記憶されるレコードR1の主要なデータ構造を示す模式図を示す。レコードR1は、ユーザID、端末アドレス、ポイント、シリアルNo.、作成日等のデータ項目を含む。ユーザIDは、消費者を識別する第1識別情報であり、例えば、会員番号等であってよい。端末アドレスは、当該消費者が所有する情報端末12の宛先を示す第1宛先情報である。端末アドレスは、センタサーバ11が、ユーザIDで特定される消費者の情報端末12、あるいは、情報端末12にインストールされている後述のアプリケーションソフトウェア(購買データ提供プログラム)に対して通知、あるいはデータ通信を行うために必要な情報である。端末アドレスは、例えば、情報端末12に設定されたネットワーク13上の通信アドレス、情報端末12にインストールされたアプリケーションに関連付けられる固有のID(アプリケーションID)、デバイス情報、あるいはメールアドレス等を含む。端末アドレスは、例えば、情報端末12に所定のアプリケーションソフトウェアがインストールされた後、当該アプリケーションソフトウェアの初回の起動時にセンタサーバ11に登録される。また、端末アドレスとしてアプリケーションIDを用いる場合、アプリケーションIDは、ユーザIDを用いてもよいし、異なるIDを用いてもよい。センタサーバ11は、端末アドレスを用いることで、その端末アドレスに関連する情報端末12と、ネットワーク13を介してデータ通信を行う。
ポイントは、対応するユーザIDで特定される消費者に対し、購買データを提供したことに対するベネフィットとして付与されたサービスポイントの合計の残量である。すなわち、レコードR1のポイントは、付与されたサービスポイントの合計値から、消費者が使用したポイントを引いた値を示す。ポイントは、店舗等で消費者が商品等を購入する際に利用することができる。
シリアルNo.は、ランダムな番号列であり、購買データを複数の事業者に提供する消費者に対し、期間を定めて設定される。すなわちシリアルNo.は、ユーザIDで特定される消費者を識別する一時的な第2識別情報である。作成日は、シリアルNo.が作成された日付である。シリアルNo.と作成日とは一対をなす。消費者は、自らの購買データを複数の事業者に提供することができる。このためレコードRは、複数対のシリアルNo.と作成日とを含むことが可能である。
図3は、購買データベース52に記憶されるレコードR2の主要なデータ構造を示す模式図を示す。レコードR2は、ユーザIDと、購買データとを関連付けて記憶する。購買データは、取引識別データと、購買商品データとを含む。購買商品データは対応するユーザIDで識別される消費者が購入した商品の数だけレコードR2に含まれる。各POS端末3で生成された取引識別データ及び購買商品データは、そのPOS端末3で読み取られたユーザIDとともに、ネットワーク2を介してセンタサーバ11に送信され、購買データベース52に保存される。購買データベース52に保存されたレコードR2は、例えば、一定期間が経過すると削除される。この場合、購買データベース52は、最新の一定期間内に販売店で商品を購入した消費者の購買データ(取引識別データ、購買商品データ)を保存する。なお、購買データの保存期間は特に限定されるものではない。
図4は、事業者データベース53に記憶されるレコードR3の主要なデータ構造を示す模式図を示す。レコードR3は、事業者ID、事業者名、転送先アドレス等のデータ項目を含む。事業者IDは、事業者毎に設定された一意のコードである。事業者名は、当該事業者IDで特定される事業者の名称である。事業者ID及び事業者名は、は、購買データの提供を要求する要求者を識別する第3識別情報である。第3識別情報は、事業者ID又は事業者名のいずれか一方であってもよい。転送先アドレスは、当該事業者IDで特定される事業者の事業者システム4の宛先を示す第2宛先情報である。転送先アドレスは、センタサーバ11が、購買データを要求する事業者システム4を特定するために必要な情報である。また転送先アドレスは、情報端末12が事業者システム4に購買データを転送するために必要な情報である。転送先アドレスは、例えば、事業者システム4に設定されたネットワーク13上の通信アドレス、事業者システム4にインストールされたアプリケーションに関連付けられる固有のID(アプリケーションID)、デバイス情報、あるいはメールアドレス等を含む。
このように本実施の形態では、消費者データベース51と購買データベース52とによって第1記憶部が形成される。第1記憶部は、レコードR1及びレコードR2を1つのレコードとして、ユーザID、端末アドレス及び購買データを関連付けて記憶してもよい。また本実施形態では、事業者データベース53によって第2記憶部が形成される。また本実施形態では、消費者データベース51によって第3記憶部が形成される。なお、第3記憶部は、ユーザID(第1識別情報)及び端末アドレス(第1宛先情報)の両方とシリアルNoとを関連付けて記憶しなくてもよい。いずれか一方とシリアルNoとを関連付けて記憶してもよい。
図5は、情報端末12の要部構成を表すブロック図を示す。情報端末12は、コントローラと、このコントローラに接続された各ユニットとを備える。コントローラは、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)からなるプロセッサ121と、メインメモリ122とを備える。情報端末12は、補助記憶デバイス123、タッチパネル124、無線ユニット125、システム伝送路126を有する。システム伝送路126は、アドレスバス、データバス等を含む。情報端末12は、プロセッサ121と上記の各構成要素とを、システム伝送路126で接続することによって、コンピュータとして機能する。情報端末12は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、あるいはタブレット端末等を含む。
プロセッサ121は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ121は、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアに従って、情報端末12としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ122は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ122は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ122は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアを記憶する。メインメモリ122は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ121によってデータが適宜書き換えられるワークエリア等として使用する。
補助記憶デバイス123は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス123として使用される。
タッチパネル124は、情報端末12のユーザインターフェースである。タッチパネル124は、情報端末12の入力デバイス及び表示デバイスとして機能する。なお、入力デバイス及び表示デバイスはタッチパネル124に限定されるものではない。例えば入力デバイスとしてキーボードを備え、表示デバイスとしてディスプレイを備えた情報端末であってもよい。
無線ユニット(通信I/F)125は、ネットワーク13上にある基地局との間で所定の通信プロトコルに従い無線でデータ通信を行う。無線ユニット125は、例えば、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3等を含む。無線ユニット125は、第2通信部として機能する。
情報端末12は、購買データを第三者の事業者へ提供するためのアプリケーションソフトウェア、いわゆる購買データ提供プログラムを、補助記憶デバイス123にインストールしている。この購買データ提供プログラムによる情報端末12の動作については、後述する。
図6は、センタサーバ11の要部構成を表すブロック図を示す。センタサーバ11は、コントローラと、コントローラに接続された各ユニットを備える。コントローラは、CPU又はMPUからなるプロセッサ111と、メインメモリ112とを備える。センタサーバ11は、補助記憶デバイス113、時計114、第1の通信インターフェース(I/F)115、第2の通信インターフェース(I/F)、システム伝送路117を有する。システム伝送路117は、アドレスバス、データバス等を含む。センタサーバ11は、プロセッサ111と、上記の各構成要素とを、システム伝送路117で接続することによって、コンピュータとして機能する。
プロセッサ111、メインメモリ112及び補助記憶デバイス113は、前述した情報端末12のプロセッサ121、メインメモリ122及び補助記憶デバイス123と同様である。すなわちプロセッサ111は、上記コンピュータの中枢部分に相当し、メインメモリ112は、上記コンピュータの主記憶部分に相当し、補助記憶デバイス113は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。
時計114は、現在の日付及び時刻を計時する。第1の通信I/F115は、ネットワーク2を介して接続されるPOS端末3と通信を行うインターフェースである。第2の通信I/F116は、ネットワーク13を介して接続される情報端末12又は事業者システム4と通信を行うインターフェースである。第1の通信I/F115及び第2の通信I/F116は、無線又は有線の規格として、例えば、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.15、IEEE802.11、IEEE802.3、IEEE1284等を含む。第2の通信I/F116は、第1通信部として機能する。
センタサーバ11は、購買データを第三者に提供するための処理の一部を実行するアプリケーションソフトウェア、いわゆる購買データ処理プログラムを、メインメモリ112又は補助記憶デバイス113にインストールしている。そこで次に、この購買データ処理プログラムによるセンタサーバ11の動作について説明する。
図7は、購買データ処理プログラムに従ったプロセッサ111の主要な処理手順を示す流れ図を示す。なお、図7に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
はじめにプロセッサ111は、購買データを要求する第1要求コマンドを受信したか否かを判断する(Act1)。第三者である事業者システム4において、購買データの提供を受ける必要が生じた場合、事業者システム4は、センタサーバ11に第1要求コマンドを送信する。第1要求コマンドは、消費者の購買データの提供を要求する第1データである。第1要求コマンドは、当該事業者システム4の事業者を特定する第3識別情報、すなわち事業者ID及び事業者名のうちの少なくともいずれかを含む。事業者システム4から送信された第1要求コマンドは、ネットワーク13を介してセンタサーバ11で受信される。
プロセッサ111は、第2の通信I/F116を介して第1要求コマンドを受信した場合(Act1,YES)、その第1要求コマンドに含まれる事業者ID又は事業者名に基づき事業者データベース53を検索して、例えば、第1要求コマンドに含まれる事業者IDがセットされたレコードR3を読み込む。そしてプロセッサ111は、そのレコードR3からデータ(事業者名、転送先アドレス等)を読出し、メインメモリ112の所定エリアに記憶させる。一方、事業者データベース53の情報から、第1要求コマンドに含まれる事業者ID又は事業者名のいずれも見つからなかった場合、プロセッサ111は、当該第1要求コマンドが新規の事業者によるものであると判断する。プロセッサ111は、当該第1要求コマンドに含まれる事業者ID、事業者名、転送先アドレスを抽出し、事業者データベース53に登録する。プロセッサ111は、さらに第1要求コマンドに含まれる事業者ID、事業者名、転送先アドレスをメインメモリ112の所定エリアに記憶させる(Act2)。
プロセッサ111は、消費者データベース51を検索してレコードR1を順次読み込む。そしてプロセッサ111は、レコードR1を読み込む毎に、そのレコードR1の端末アドレス(第1宛先情報)に基づいて依頼通知コマンドを送信するように第2の通信I/F116を制御する(Act3)。この制御により、第2の通信I/F116は、各レコードR1の端末アドレスをそれぞれ宛先とする依頼通知コマンドをネットワーク13を介して送信する。依頼通知コマンドは、第三者である他の事業者による消費者の購買データの提供の要求に対し、消費者が当該事業者に自身の購買データを提供することについて承認するか、否認するかを確認するための確認データである。依頼通知コマンドは、消費者の購買データの提供を要求する事業者を示す識別情報として、例えば、メインメモリ112に記憶された事業者名を含む。依頼通知コマンドは、さらに購買データの提供先として、事業者の転送先アドレスを含んでもよい。
上記依頼通知コマンドは、端末アドレスに対応する情報端末12で受信される。依頼通知コマンドを受信した情報端末12では、図8の流れ図に示す手順の処理が実行される。この処理は、購買データ提供プログラムに基づいて実行される。なお、図8に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
情報端末12のプロセッサ121は、依頼通知コマンドの有無を判断する(Act21)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して依頼通知コマンドの受信を検知した場合(Act21,YES)、受信した依頼通知コマンドに基づいて、消費者自身の購買データの転送要求に対する認否を問い合わせる画像SC1(図9を参照)をタッチパネル124に表示させる(Act22)。
図9は、画像SC1の一表示例である。画像SC1は、購買データの転送要求を承認するか、あるいは否認するかを問い合わせるメッセージM1と、承認するときに消費者が選択する「する」ボタンB1と、否認するときに消費者が選択する「しない」ボタンB2と、を含む。メッセージM1の{XXXX}の部分には、依頼通知コマンドに含まれる事業者名が表示される。
画像SC1を確認した消費者は、依頼元である事業者名の事業者に購買データを提供するか否かを決定する。そして提供する場合には「する」ボタンB1を入力し、提供しない場合には「しない」ボタンB2を入力する。
プロセッサ121は、消費者による承認又は否認の入力を待ち受ける(Act23)。プロセッサ121は、「しない」ボタンB2が入力されたと判断した場合(Act23,NO)、購買データの提供の要求に対して否認を示す否認データを含む応答コマンドをセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act38)。この制御により無線ユニット125は、依頼通知コマンドに送信元アドレスとして含まれるセンタサーバ11の通信アドレスを宛先とする応答コマンドを送信する。
一方、プロセッサ121は、「する」ボタンB1が入力されたと判断した場合(Act23,YES)、購買データの提供の要求に対して承認を示す承認データを含む応答コマンドをセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act24)。この制御により無線ユニット125は、依頼通知コマンドに送信元アドレスとして含まれるセンタサーバ11の通信アドレスを宛先とする応答コマンドを送信する。
Act3において、依頼通知コマンドの送信を制御したセンタサーバ11のプロセッサ111は、依頼通知コマンドを送信した情報端末12から応答コマンドを受信した否かを判断する(Act4)。プロセッサ111は、第2の通信I/F116を介して情報端末12からの応答コマンドを受信する毎に(Act4,YES)、以下の処理を繰り返し実行する。
すなわちプロセッサ111は、承認データを含む応答コマンドを受信したのか否認データを含む応答コマンドを受信したのかを確認する(Act5)。プロセッサ111は、否認データを受信したと判断した場合(Act5,NO)、否認データを回答した情報端末12に対する処理を終了する。
プロセッサ111は、承認データを受信したと判断した場合には(Act5,YES)、購買履歴リストの表示データを作成する(Act6)。すなわちプロセッサ111は、承認データに送信元アドレスとして含まれる情報端末12の端末アドレスに基づいて、購買データベース52の購買データを抽出する。例えば、プロセッサ111は、端末アドレスに関連するユーザIDに基づいて、購買データベース52を検索する。プロセッサ111は、検索対象のユーザIDが関連付けられた購買データを全て抽出し、抽出した購買データの取引識別データを例えば取引日時の順に並べて購買履歴リストの表示データを作成する。なお、購買データが情報端末12の端末アドレスに関連付けられて保存されている場合には、プロセッサ111は、端末アドレスに基づいて、関連付けられた購買データを抽出してもよい。
プロセッサ111は、購買履歴リストの表示データが作成されたことを通知するように第2の通信I/F116を制御する(Act7)。この制御により、第2の通信I/F116は、承認データに送信元アドレスとして含まれる情報端末12の端末アドレスに基づいて、購買履歴リストの通知コマンドをネットワーク13を介して送信する。この通知コマンドには、Act6の処理で作成された購買履歴リストの表示データに関連付けられた情報が含まれる。情報は、例えば購買履歴リストの表示データのリソース場所を特定するURL(Uniform Resource Locator)である。上記購買履歴リストの通知コマンドは、通知コマンドの宛先である端末アドレスに対応する情報端末12で受信される。なお、プロセッサ111は、購買履歴リストの表示データを情報端末12に送信するように第2の通信I/F116を制御してもよい。
Act24において、承認応答の送信を制御した情報端末12のプロセッサ121は、購買履歴リストの表示データの通知コマンドを待ち受ける(Act25)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して購買履歴リストの表示データの通知コマンドを受信した場合(Act25,YES)、その通知コマンドに含まれる情報に関連付けられた購買履歴リストの画像SC2(図10を参照)をタッチパネル124に表示させる(Act26)。
図10は、画像SC2の一表示例である。画像SC2には、取引識別データの店舗名、取引日時、取引金額からなる購買履歴リストLSTが表示される。また、購買履歴リストLSTの各行に対応付けて、チェックボックスCB1〜CB5と、詳細ボタンB31〜B35とが表示される。さらに、送信ボタンB4が表示される。
画像SC2を確認した消費者は、取引識別データ毎に、そのデータで特定される購買データを事業者に提供してよいか否かを決定する。そして提供してよいデータについては、チェックボックスCB1〜CB5を選択してチェックを入れる。そして消費者は、送信ボタンB4を入力する。提供してよいか決定できない取引識別データが有るときは、消費者はその取引識別データに対応付けられた詳細ボタンB31〜B35を入力する。
タッチパネル124に画像SC2を表示させたプロセッサ121は、送信ボタンB4が入力されたか否かを確認する(Act27)。プロセッサ121は、送信ボタンB4が入力されていない場合(Act27,NO)、詳細ボタンB31〜B35が入力されたか否かを確認する(Act28)。プロセッサ121は、詳細ボタンB31〜B35が入力されていない場合(Act28,NO)、Act27に戻る。ここにプロセッサ121は、Act27及びAct28において、送信ボタンB4が入力されるか詳細ボタンB31〜B35が入力されるのを待ち受ける。
この待ち受け状態において、プロセッサ121は、詳細ボタンB31〜B35が入力されたことを検知した場合(Act28,YES)、その詳細ボタンB31〜B35が対応付けられた取引識別データで識別される購買データの詳細要求をセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act29)。この制御により無線ユニット125は、センタサーバ11の通信アドレスを送信先とする詳細要求コマンドを送信する。詳細要求コマンドには、入力された詳細ボタンB31〜B35に関連付けられた取引識別データが含まれる。
Act7において、購買履歴リストの通知コマンドを情報端末12に送信したセンタサーバ11のプロセッサ111は、通知先の情報端末12からの応答コマンドを待ち受ける(Act8)。プロセッサ111は、第2の通信I/F116を介して情報端末12からの応答コマンドを受信した場合(Act8,YES)、その応答コマンドが詳細要求コマンドであるか否かを確認する(Act9)。プロセッサ111は、応答コマンドが詳細要求コマンドである場合(Act9,YES)、購買データの表示データを作成する(Act10)。すなわちプロセッサ111は、詳細応答コマンドに含まれる取引識別データで購買データベース52を検索し、取引識別データが一致するレコードR2を取得する。そしてプロセッサ111は、そのレコードR2の購買データに基づいて、購買データの表示データを作成する。
プロセッサ111は、購買データの表示データが作成されたことを通知するように第2の通信I/F116を制御する(Act11)。この制御により、第2の通信I/F116は、詳細要求コマンドに送信元アドレスとして設定されていた情報端末12の端末アドレスに基づいて、購買データの表示データの通知コマンドをネットワーク13を介して送信する。この通知コマンドには、Act10の処理で作成された購買データの表示データに関連付けられた情報が含まれる。情報は、例えば購買データの表示データのリソース場所を特定するURLである。購買データの表示データを通知したプロセッサ111は、Act8に戻る。すなわちプロセッサ111は、情報端末12からの次の応答コマンドを待ち受ける。なお、プロセッサ111は、Act11において、購買データの表示データを情報端末12に送信するように第2の通信I/F116を制御してもよい。
Act29において、詳細要求コマンドを送信した情報端末12のプロセッサ121は、購買データの表示データの通知コマンドを待ち受ける(Act30)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して購買データの表示データの通知コマンドを受信した場合(Act30,YES)、その通知コマンドに含まれる情報に関連付けられた購買データの画像SC3(図11を参照)をタッチパネル124に表示させる(Act31)。
図11は、画像SC3の一表示例である。画像SC3には、購買データに含まれる取引識別データの店舗名、取引日時、取引金額と、同購買データに含まれる購買商品データの商品名、価格及び点数が表示される。また、確認ボタンB5が表示される。
画像SC3から購買データの詳細な内容を確認した消費者は、確認ボタンB5を入力する。
プロセッサ121は、確認ボタンB5が入力されるのを待ち受ける(Act32)。プロセッサ121は、確認ボタンB5が入力されたことを検知した場合(Act32,YES)、Act26に戻る。すなわちプロセッサ121は、購買履歴リストの画像SC2をタッチパネル124に再度表示させる。
一方、購買履歴リストの画像SC2を確認し、事業者に提供してよいと決定した購買データのチェックボックスCB1〜CB5にチェックを入れた消費者は、送信ボタンB4を入力する。
プロセッサ121は、Act27及びAct28の待ち受け状態において、送信ボタンB4が入力されたことを検知した場合(Act27,YES)、事業者に提供することが許可された購買データの有無を確認する(Act33)。具体的にはプロセッサ121は、いずれかのチェックボックスCB1〜CB5にチェックが入っているか否かを確認する。全てのチェックボックスCB1〜CB5にチェックが入っていない場合、事業者に提供することが許可された購買データはない。この場合(Act33,NO)、プロセッサ121は、否認データを含む応答コマンドをセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act38)。この制御により無線ユニット125は、購買取引リストの画像の通知コマンドに送信元アドレスとして設定されていたセンタサーバ11の通信アドレスを送信先とする応答コマンドを送信する。
これに対し、少なくとも1つのチェックボックスCB1〜CB5にチェックが入っている場合、そのチェックボックスCB1〜CB5に関連付けられた取引識別データを含む購買データを事業者に提供することが許可されている。この場合(Act33,YES)、プロセッサ121は、購買データの要求応答をセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act34)。この制御により無線ユニット125は、センタサーバ11の通信アドレスを送信先とする購買データの要求応答コマンドを送信する。この要求応答コマンドには、チェックが入っているチェックボックスCB1〜CB5に関連付けられた取引識別データが含まれる。
Act9において、プロセッサ111は、情報端末12からの応答コマンドが詳細要求コマンドでないとき(Act9,NO)、購買データの要求応答コマンドであるか否かを確認する(Act12)。プロセッサ111は、購買データの要求応答コマンドでもない場合、すなわち否認データを含む応答コマンドの場合には(Act12,NO)、コマンド送信先の情報端末12に対する処理を終了する。
一方、プロセッサ111は、購買データの要求応答コマンドである場合には(Act12,YES)、その要求応答コマンドに含まれる消費者によって選択された全ての取引識別データに基づいて購買データベース52を検索する。そしてプロセッサ111は、同じ取引識別データが含まれるレコードR2を抽出し、そのレコードの購買データ、すなわち取引識別データと購買商品データとを取得する(Act13)。
またプロセッサ111は、ランダムな所定桁数のシリアルNo.(第2識別情報)を生成し、消費者データベース51に記憶させる(Act14)。具体的にはプロセッサ111は、乱数発生プログラムを動作させて所定数の数字を順に発生させ、シリアルNo.とする。センタサーバ11がハードフェアの乱数発生器を備えており、この乱数発生器から発生される乱数をシリアルNo.としてもよい。プロセッサ111は、生成したシリアルNo.を、時計114で計時されている現在の日付、つまりは作成日のデータとともに対データとする。そしてプロセッサ111は、購買データの要求応答コマンドに送信元アドレスとして設定されていた情報端末12の端末アドレスで消費者データベース51を検索し、同一の端末アドレスを含むレコードR1に、シリアルNo.と日付(作成日)との対データを追加する。なおプロセッサ111は、端末アドレスとしてユーザIDが用いられている場合、あるいは、要求応答コマンドがユーザIDを含む場合、そのユーザIDで消費者データベース51を検索し、同一のユーザIDを含むレコードR1に、シリアルNo.と日付(作成日)との対データを追加すればよい。
プロセッサ111は、メインメモリ122に記憶した転送先アドレスを取得する(Act15)。そしてプロセッサ111は、購買データベース52から取得した購買データと転送先アドレスとを、Act14で生成したシリアルNo.とともに要求応答コマンドの送信元である情報端末12宛に送信するように第2の通信I/F116を制御する(Act16)。この制御により、第2の通信I/F116は、要求応答コマンドの送信元である情報端末12とネットワークを介して回線を接続し、購買データと転送先アドレスとシリアルNo.とを当該情報端末12に送信(ダウンロード)する。なお、購買データの提供先としての事業者の転送先アドレスは、Act3の依頼通知コマンド、あるいは、Act7、Act11の通知コマンド、Act15の購買データの少なくともいずれかとともに、情報端末12へ送信されていればよい。
Act16の処理を終えることにより、プロセッサ111は、購買データ処理プログラムに従った処理を終了する。
Act34において、購買データの要求応答コマンドを送信した情報端末12のプロセッサ121は、購買データを受信するのを待ち受ける(Act35)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して購買データを受信した場合(Act35,YES)、その購買データとともに受信した転送先アドレスとシリアルNo.とを取得する(Act36)。そしてプロセッサ121は、その転送先アドレスで識別される事業者システム4に、購買データとシリアルNo.とを転送するように無線ユニット125を制御する(Act37)。すなわちプロセッサ121は、転送先アドレスに基づいて、購買データとシリアルNo.とを送信するように無線ユニット125を制御する。この制御により、購買データは、シリアルNo.とともに、情報端末12からネットワーク13を介して転送先アドレスを宛先情報とする事業者システム4に送信される。このとき、プロセッサ121は、ユーザIDを事業者システム4へ送信しない。Act37の処理を終えることにより、プロセッサ121は、購買データ提供プログラムに従った処理を終了する。
さて、センタサーバ11は、上述した購買データ処理プログラムとは別に、購買データを提供した消費者にベネフィットを提供するための処理を実行するアプリケーションソフトウェア、いわゆるベネフィット処理プログラムを、メインメモリ112又は補助記憶デバイス113にインストールしている。そこで次に、このベネフィット処理プログラムによるセンタサーバ11の動作について説明する。
図12は、ベネフィット処理プログラムに従ったプロセッサ111の主要な処理手順を示す流れ図を示す。なお、図12に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であるならば、その処理手順及び処理内容は特に限定されるものではない。
はじめにプロセッサ111は、ベネフィットを付与するための第2要求コマンドを受信したか否かを判断する(Act41)。プロセッサ111は、第2要求コマンドを受信していない場合(Act41,NO)、時計114で計時されている日付が翌日に更新されたか否かを判断する(Act42)。プロセッサ111は、日付が翌日に更新されていない場合(Act42,NO)、Act41に戻る。ここにプロセッサ121は、Act41及びAct42において、第2要求コマンドを受信するか日付が更新されるのを待ち受ける。
第三者である事業者システム4が消費者から購買データの提供を受けた場合に、当該購買データを提供した消費者にベネフィットを付与するために、事業者システム4は、センタサーバ11に第2要求コマンドを送信する。第2要求コマンドは、購買データを提供した消費者に対し、ベネフィット、例えばポイントをの付与するようにセンタサーバ11に通知するためのデータ(第2データ)である。第2要求コマンドは、シリアルNo.を含む。シリアルNo.は、購買データとともに情報端末12から転送された第2識別情報である。第2要求コマンドは、当該事業者システム4の事業者を特定する事業者ID及び事業者名のうちの少なくともいずれかを含んでいてもよい。事業者システム4から送信された第2要求コマンドは、ネットワーク13を介してセンタサーバ11で受信される。
プロセッサ111は、第2の通信I/F116を介して第2要求コマンドの受信を検知した場合(Act41,YES)、第2要求コマンドに含まれるシリアルNo.を取得する(Act43)。プロセッサ111は、取得したシリアルNo.で消費者データベース51を検索する(Act44)。プロセッサ111は、同一のシリアルNo.を含むレコードR1の有無を判断する(Act45)。
プロセッサ111は、取得したシリアルNo.と同一のシリアルNo.を含むレコードR1を消費者データベース51から検出できなかった場合(Act45,NO)、ベネフィットの要求コマンドに対する処理を終了する。
プロセッサ111は、取得したシリアルNo.と同一のシリアルNo.を含むレコードR1を消費者データベース51から検出できた場合(Act45,YES)、検出したレコードR1のポイントデータに、所定のサービスポイントを加算する(Act46)。センタサーバ11は、消費者に付与するサービスポイントを事前に設定した設定データを、補助記憶デバイス113に格納する。サービスポイントは、例えばデフォルトを1ポイントとする。また、消費者に付与するサービスポイントは、購買データを要求する事業者毎に設定されてもよい。例えば、事業者データベース53のレコードR3は、事業者ID、事業者名、転送先アドレスのいずれかと関連付けて、購買データを提供した消費者に付与するサービスポイントの値を記憶してもよい。あるいは、第2要求コマンドが、第三者が設定したサービスポイントを含んでもよい。第2要求コマンドが、サービスポイントの値を含む場合、プロセッサ111は、そのサービスポイントを加算してもよい。プロセッサ111は、レコードR1から、当該シリアルNo.とそのシリアルNo.と対データをなす作成日のデータとを削除する(Act47)。以上で、プロセッサ111は、第2要求コマンドに対する処理を終了する。
一方、プロセッサ111は、日付が更新されたことを検知した場合(Act42,YES)、時計114から更新後(現在)の日付を取得する(Act48)。またプロセッサ111は、消費者データベース51からレコードR51を順番に抽出する(Act49)。そしてプロセッサ111は、レコードR51を抽出する毎に、そのレコードR51にシリアルNo.と作成日との対データが含まれているか否かを確認する(Act50)。
プロセッサ111は、レコードR51にシリアルNo.と作成日との対データが含まれている場合(Act50,YES)、その対データの作成日から更新後の日付までの期間dを算出する(Act51)。プロセッサ111は、期間dが予め設定された所定期間Dを超えるか否かを確認する(Act52)。所定期間Dは、購買データの転送を受けた事業者から第2要求コマンドを受け取るのを待つために設けた猶予期間である。所定期間Dは、例えば、日数や時間である。プロセッサ111は、期間dが所定期間Dを超える場合(Act52,YES)、レコードR51からそのシリアルNo.と作成日との対データを削除する(Act53)。なお、プロセッサ111は、レコードR51にシリアルNo.と作成日との対データが複数含まれている場合、各々の対データについて、Act51乃至Act53の処理を実行する。
プロセッサ111は、消費者データベース51に次のレコードR51が存在するか否かを確認する(Act54)。なおプロセッサ111は、Act52において期間dが所定期間Dを超えない場合(Act52,NO)、あるいはAct50においてレコードR51にシリアルNo.と作成日との対データが含まれていない場合も(Act50,NO)、同様にAct54の処理へと進む(Act54)。プロセッサ111は、次のレコードが存在する場合(Act54,YES)、Act49に戻る。そしてプロセッサ111は、Act49乃至Act54の処理を再度実行する。
プロセッサ111は、消費者データベース51に次のレコードR51が存在しない場合(Act54,NO)、日付更新に対する処理を終了する。
このように、センタサーバ11のプロセッサ111は、事業者システム4から購買データの要求コマンドを受信した場合、各消費者の情報端末12に依頼通知コマンドを送信する。情報端末12のプロセッサ121は、センタサーバ11から依頼通知コマンドを受信した場合、購買データの転送要求に対する認否を問い合わせる画像SC1をタッチパネル124に表示させる。ここで、情報端末12の消費者が、購買データの転送を承認する操作を行った場合、プロセッサ121は、センタサーバ11に承認データを含む応答コマンドを送信する。
センタサーバ11のプロセッサ111は、情報端末12から承認データを含む応答コマンドを受信した場合、その情報端末12のユーザである消費者の購買データを購買データベース52から取得する。またプロセッサ111は、ランダムな所定桁数のシリアルNo.を生成する。さらにプロセッサ111は、要求コマンドを送信した事業者システムの転送先アドレスを取得する。そしてプロセッサ111は、応答コマンドを送信した情報端末12に、購買データと転送先アドレスとシリアルNo.とを送信する。
情報端末12のプロセッサ121は、センタサーバ11から購買データと転送先アドレスとシリアルNo.とを受信した場合、転送先アドレスで特定される事業者システム4に、当該購買データをシリアルNo.とともに転送する。
したがって、センタサーバ11に購買データを要求する第1要求コマンドを送信した事業者システム4では、消費者が承認した購買データを当該消費者の情報端末12を介して取得することができる。
また事業者システム4は、購買データとともにシリアルNo.を受信する。そして事業者システム4は、消費者にベネフィットを付与するための第2要求コマンドをセンタサーバ11に送信する場合、当該第2要求コマンドにシリアルNo.を含める。シリアルNo.は、センタサーバ11が生成したランダムな数字列である。シリアルNo.は、購買データとともに情報端末12を介して事業者システム4へ提供される。
一方、センタサーバ11は、シリアルNo.を、購買データの転送を承認した消費者のユーザID及び端末アドレスの少なくともいずれかと関連付けて記憶する。そして、センタサーバ11のプロセッサ111は、事業者システム4から第2要求コマンドを受信した場合、第2要求コマンドに含まれるシリアルNo.に関連付けられたユーザIDのポイントデータに所定のサービスポイントを加算する。すなわち、購買データを提供した消費者にベネフィットが付与される。
ところで本実施形態では、購買データを提供した消費者を識別するデータとしてシリアルNo.が用いられる。シリアルNo.は、情報端末12から事業者システム4に購買データを転送する場合に作成され、その後、遅くとも所定期間Dを経過すると削除される一時的なものである。しかも、シリアルNo.には規則性が全くない。したがって、たとえ第三者がシリアルNo.を知ることができたとしても、そのシリアルNo.から購買データを転送した消費者を特定することはできない。
このように本実施形態によれば、購買データを提供した消費者に、第三者によって当該消費者が特定されることなくベネフィットを与えることができるデータ処理システム1、及びこのシステムのセンタサーバ11並びに情報端末12を提供することができる。
本実施の形態では、Act12で要求応答コマンドが受信された場合に、シリアルNo.が生成される例を示したが、これに限定されるものではない。シリアルNo.は消費者の情報端末12からの指示に基づいて生成されてもよい。シリアルNo.は、例えば、Act1で第1の要求コマンドを受信した場合、又は、Act5で承認データを受信した場合に生成されてもよい。また、生成されたシリアルNo.は、Act3の依頼通知コマンド、あるいはAct7、Act11の通知コマンド、Act15の購買データのいずれかとともに、情報端末12へ送信されていればよい。
なお、第1の実施形態では、センタサーバ11がシリアルNo.を生成する例を説明したが、これに限定されるものではない。シリアルNo.を他の機器、例えば情報端末12で生成してもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、シリアルNo.を情報端末12で生成するようにしたデータ処理システム1を例示する。
なお、第2の実施形態において、データ処理システム1のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。また、ベネフィット処理プログラムに従ったセンタサーバ11のプロセッサ111の処理手順も第1の実施形態と同様である。一方、購買データ処理プログラムに従ったセンタサーバ11のプロセッサ111の処理手順は、Act14以降の処理の一部が第1の実施形態と異なる。また、データ提供プログラムに従った情報端末12のプロセッサ121の処理手順は、Act33において、“YES”と判定された後の処理の一部が第1実施形態と異なる。したがって、以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、その詳しい説明については省略する。
図13は、データ提供プログラムに従った情報端末12のプロセッサ121の処理手順のうち、Act33で“YES”と判定された後の処理手順を示す流れ図である。すなわちプロセッサ121は、Act27及びAct28の待ち受け状態において、送信ボタンB4が入力されたことを検知した場合(Act27,YES)、事業者に提供することが許可された購買データの有無を確認する(Act33)。そしてプロセッサ121は、少なくとも1つのチェックボックスCB1〜CB5にチェックが入っている場合(Act33,YES)、ランダムな所定桁数のシリアルNo.(第2識別情報)を生成する(Act61)。具体的にはプロセッサ121は、乱数発生プログラムを動作させて所定数の数字を順に発生させ、シリアルNo.とする。情報端末12がハードフェアの乱数発生器を備えており、この乱数発生器から発生される乱数をシリアルNo.としてもよい。
プロセッサ121は、シリアルNo.とともに購買データの要求応答をセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act62)。この制御により無線ユニット125は、センタサーバ11の通信アドレスを送信先とする購買データの要求応答コマンドを送信する。この要求応答コマンドは、チェックが入っているチェックボックスCB1〜CB5に関連付けられた取引識別データとシリアルNo.とを含む。
図7のAct12において、購買データの要求応答コマンドを受信したセンタサーバ11のプロセッサ111は、当該要求応答コマンドに含まれる消費者によって選択された全ての取引識別データに基づいて購買データベース52を検索する。そしてプロセッサ111は、同じ取引識別データが含まれるレコードR2を抽出し、そのレコードの購買データ、すなわち取引識別データと購買商品データとを取得する(Act13)。またプロセッサ111は、当該要求応答コマンドに含まれるシリアルNo.を、時計114で計時されている現在の日付、つまりは作成日のデータとともに対データとする。そしてプロセッサ111は、購買データの要求応答コマンドに送信元アドレスとして設定されていた情報端末12の端末アドレスで消費者データベース51を検索し、同一の端末アドレスを含むレコードR1に、シリアルNo.と日付(作成日)との対データを追加する(Act14)。
プロセッサ111は、メインメモリ122に記憶した転送先アドレスを取得する(Act15)。そしてプロセッサ111は、購買データベース52から取得した購買データと転送先アドレスとを、Act14で取得したシリアルNo.とともに要求応答コマンドの送信元である情報端末12宛に送信するように第2の通信I/F116を制御する(Act16)。この制御により、第2の通信I/F116は、要求応答コマンドの送信元である情報端末12とネットワークを介して回線を接続し、購買データベース52から取得した購買データと転送先アドレスとシリアルNo.とを当該情報端末12に送信(ダウンロード)する。
Act62において、購買データの要求応答コマンドを送信した情報端末12のプロセッサ121は、購買データを受信するのを待ち受ける(Act63)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して購買データを受信した場合(Act63,YES)、第1の実施形態のAct36及びAct37と同様の処理を実行する。すなわちプロセッサ121は、購買データとともに受信した転送先アドレスとシリアルNo.とを取得する(Act36)。そしてプロセッサ121は、その転送先アドレスで識別される事業者システム4に、購買データとシリアルNo.とを転送するように無線ユニット125を制御する(Act37)。なお、情報端末12が生成したシリアルNo.を保持する場合、プロセッサ111は、情報端末12から取得したシリアルNo.を情報端末12へ送信しなくてよい。この場合、プロセッサ121は、情報端末12で保持するシリアルNo.を購買データとともに事業者システム4に転送すればよい。
このように動作する第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏し得る。また第2の実施形態では、センタサーバ11が一時的な識別情報であるシリアルNo.を生成しないので、センタサーバ11の負荷を軽減できる効果を奏する。
[第3の実施形態]
第1及び第2の実施形態では、第1識別情報(ユーザID)及び第1宛先情報(端末アドレス)のいずれかと関連付けられた一時的な第2識別情報(シリアルNo.)を記憶する第3記憶部として消費者データベース51を例示した。第3の実施形態は、第3記憶部を他の形態としたデータ処理システム1を例示する。
なお、第3の実施形態において、データ処理システム1のハードウェア構成は第1の実施形態と共通である。また、購買データ処理プログラムに従ったセンタサーバ11のプロセッサ111の処理手順は、Act14の処理を省略したものと同じとなる。一方、データ提供プログラムに従った情報端末12のプロセッサ121の処理手順は、Act33において、“YES”と判定された後の処理の一部が第1実施形態と異なる。また、ベネフィット処理プログラムに従ったセンタサーバ11のプロセッサ111の処理手順も、第1実施形態と一部が異なる。したがって、以下の第3の実施形態の説明において、第1の実施形態と共通する部分には同一符号を付し、その詳しい説明については省略する。
図14は、データ提供プログラムに従った情報端末12のプロセッサ121の処理手順のうち、Act33で“YES”と判定された後の処理手順を示す流れ図である。すなわちプロセッサ121は、Act27及びAct28の待ち受け状態において、送信ボタンB4が入力されたことを検知した場合(Act27,YES)、事業者に提供することが許可された購買データの有無を確認する(Act33)。そしてプロセッサ121は、少なくとも1つのチェックボックスCB1〜CB5にチェックが入っている場合(Act33,YES)、ランダムな所定桁数のシリアルNo.(第2識別情報)を生成する(Act71)。具体的にはプロセッサ121は、乱数発生プログラムを動作させて所定数の数字を順に発生させ、シリアルNo.とする。情報端末12がハードフェアの乱数発生器を備えており、この乱数発生器から発生される乱数をシリアルNo.としてもよい。
プロセッサ121は、購買データの要求応答をセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act72)。この制御により無線ユニット125は、センタサーバ11の通信アドレスを送信先とする購買データの要求応答コマンドを送信する。この要求応答コマンドには、チェックが入っているチェックボックスCB1〜CB5に関連付けられた取引識別データが含まれる。しかし第3の実施形態では、要求応答コマンドにシリアルNo.を含めない。
図7のAct12において、購買データの要求応答コマンドを受信したセンタサーバ11のプロセッサ111は、当該要求応答コマンドに含まれる消費者によって選択された全ての取引識別データに基づいて購買データベース52を検索する。そしてプロセッサ111は、同じ取引識別データが含まれるレコードR2を抽出し、そのレコードの購買データ、すなわち取引識別データと購買商品データとを取得する(Act13)。
プロセッサ111は、メインメモリ122に記憶した転送先アドレスを取得する(Act15)。そしてプロセッサ111は、購買データベース52から取得した購買データと転送先アドレスとを、要求応答コマンドの送信元である情報端末12宛に送信するように第2の通信I/F116を制御する(Act16)。この制御により、第2の通信I/F116は、要求応答コマンドの送信元である情報端末12とネットワークを介して回線を接続し、購買データベース52から取得した購買データと転送先アドレスとを当該情報端末12に送信(ダウンロード)する。
Act72において、購買データの要求応答コマンドを送信した情報端末12のプロセッサ121は、購買データを受信するのを待ち受ける(Act73)。プロセッサ121は、無線ユニット125を介して購買データを受信した場合(Act73,YES)、購買データとともに受信した転送先アドレスを取得する(Act74)。またプロセッサ121は、図15に示すように、ユーザIDとシリアルNo.と転送先アドレスと作成日とを記憶可能なデータテーブルTを作成する。そしてプロセッサ121は、メインメモリ112に記憶されているユーザIDと、Act71において生成したシリアルNo.と、Act74において取得した転送先アドレスとをデータテーブルTにセットする(Act75)。なお、情報端末12が、現在の日時を計時する時計を有している場合には、その時計で計時されている日付を作成日としてデータテーブルTにセットしてもよい。
プロセッサ121は、転送先アドレスで識別される事業者システム4に、購買データとシリアルNo.とを転送するように無線ユニット125を制御する(Act76)。またプロセッサ121は、データテーブルTをセンタサーバ11に送信するように無線ユニット125を制御する(Act77)。この制御により、購買データは、シリアルNo.とともに、情報端末12からネットワーク13を介して転送先アドレスを宛先情報とする事業者システム4に送信される。またデータテーブルTは、情報端末12からネットワーク13を介してセンタサーバ11に送信される。
第2の通信I/F116を介してデータテーブルTを受信したセンタサーバ11のプロセッサ111は、そのデータテーブルTを補助記憶デバイス123に保存する。このときプロセッサ111は、データテーブルTに作成日がセットされていない場合、時計114で計時されている日付を作成日としてデータテーブルTにセットする。
このように第3の実施形態では、データテーブルTが第3記憶部として機能する。
図16は、ベネフィット処理プログラムに従ったプロセッサ111の主要な処理手順を示す流れ図を示す。なお、図12と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
すなわちプロセッサ111は、第2の通信I/F116を介して購買データを提供した消費者にベネフィットを付与するための第2要求コマンドの受信を検知した場合(Act41,YES)、第2要求コマンドに含まれるシリアルNo.と転送先アドレスとを取得する(Act81)。プロセッサ111は、そのシリアルNo.と転送先アドレスとで、補助記憶デバイス123に保存されているデータテーブルTを検索する(Act82)。プロセッサ111は、同一のシリアルNo.と転送先アドレスとを含むデータテーブルTの有無を判断する(Act83)。
プロセッサ111は、取得したシリアルNo.および転送先アドレスと、同一のシリアルNo.と、転送先アドレスと、を含むデータテーブルTを検出できなかった場合(Act83,NO)、ベネフィットの要求コマンドに対する処理を終了する。
プロセッサ111は、同一のシリアルNo.と転送先アドレスとを含むデータテーブルTを検出できた場合(Act83,YES)、そのデータテーブルTからユーザIDを取得する。そしてプロセッサ111は、そのユーザIDで消費者データベース51を検索して、当該ユーザIDがセットされたレコードR1を検出する(Act84)。
プロセッサ111は、当該ユーザIDがセットされたレコードR1のポイントデータに、所定のサービスポイントを加算する(Act85)。サービスポイントは、例えばデフォルトを1ポイントとする。要求コマンドに第三者が設定したサービスポイントが含まれている場合、そのサービスポイントを加算してもよい。プロセッサ111は、補助記憶デバイス123から同一のシリアルNo.と転送先アドレスとを含むデータテーブルTを削除する(Act86)。以上で、プロセッサ111は、ベネフィットの要求コマンドに対する処理を終了する。
一方、プロセッサ111は、日付が更新されたことを検知した場合(Act42,YES)、時計114から更新後の日付を取得する(Act91)。またプロセッサ111は、補助記憶デバイス113からデータテーブルTを順番に抽出する(Act92)。そしてプロセッサ111は、そのデータテーブルTの作成日から更新後の日付までの期間dを算出する(Act93)。プロセッサ111は、期間dが予め設定された所定期間(例えば、日数)Dを超えるか否かを確認する(Act94)。プロセッサ111は、期間dが所定期間Dを超える場合(Act94,YES)、そのデータテーブルTを補助記憶デバイス113から削除する(Act95)。
プロセッサ111は、データテーブルTを削除したか、期間dが所定期間Dを超えない場合(Act92,NO)、補助記憶デバイス113に次のデータテーブルTが存在するか否かを確認する(Act96)。プロセッサ111は、次のデータテーブルTが存在する場合(Act96,YES)、Act92に戻る。そしてプロセッサ111は、Act92乃至Act96の処理を再度実行する。
プロセッサ111は、補助記憶デバイス113に次のデータテーブルTが存在しない場合(Act96,NO)、日付更新に対する処理を終了する。
このように動作する第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏し得る。また第3の実施形態では、消費者データベース51において、レコードR1毎にシリアルNo.と作成日との対データを記憶するための容量を必要としない。したがって、消費者データベース51の記憶容量を節約することができる。またセンタサーバ11は、各情報端末12から受信したデータテーブルTを補助記憶デバイス113に保存し、適宜削除する。したがって、消費者データベース51を検索して該当するレコードR1にシリアルNo.と作成日との対データを追加したり削除したりする第1又は第2の実施形態と比較して、プロセッサ111の処理負荷も軽減される。
以下、実施形態の変形例について説明する。
各実施形態では、購買データを提供した消費者へのベネフィットとしてサービスポイントの付与を例示したが、ベネフィットの種類は特に限定されるものではない。例えば購買データの提供を受けた事業者が関係する施設の利用割引券の発行、製品の提供等であってもよい。
第1又は第2実施形態では、ベネフィット処理プログラムに従ったプロセッサ111の処理において、消費者データベース51から該当するレコードR1を検出できた場合、そのレコードR1のポイントデータにサービスポイントを加算した後に、そのレコードR1から該当するシリアルNo.と作成日との対データを削除した。対データは作成日からの経過日数dが所定期間Dを経過することで自動的に削除されるので、サービスポイントを加算した後に削除しなくてもよい。第3の実施形態において、データテーブルTを削除する処理についても同様であり、必ずしも削除しなくてよい。
またプロセッサ111は、レコードR1のポイントデータにサービスポイントを加算した後に、そのレコードR1の端末アドレスに宛てて、事業者によりベネフィットが付与されたことを通知するメッセージを送信する。メッセージは、端末アドレスが設定された情報端末12、つまりは購買データを提供した消費者の情報端末12に出力されるので、メッセージを確認した消費者は、センタサーバ11に宛てて、シリアルNo.の削除を通知する。この通知を受けたセンタサーバ11のプロセッサ111は、レコードR1からシリアルNo.と作成日との対データを削除する。このような構成を採用してもよい。またこの場合、プロセッサ111は、削除の通知を受けてすぐに対データを削除するのでなく、所定の期間を空けて削除してもよい。所定の期間を設けることにより、事業者システム4からサービスポイントの修正依頼があった場合にその修正を反映させることができる。
各実施形態では、消費者が承認した購買データを、その消費者が使用する情報端末12を介して購買データを要求した事業者システム4に転送した。購買データの転送手順は特に限定されるものではない。例えば、消費者が承認した購買データを、センタサーバ11が事業者システム4に転送してもよい。また、第3の実施形態では、情報端末12から購買データが転送されるときに情報端末12のプロセッサ121がデータテーブルTを作成する。そこで、センタサーバ11が情報端末12にその情報端末12を使用する消費者の購買データを一斉にダウンロードし、その中から消費者が選択した購買データを事業者システム4に転送する。このような手順を採用したとしても、データテーブルTのシリアルNo.は、事業者システム4に通知される。またデータテーブルTは、センタサーバ11に送信される。したがって、第3の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
各実施形態において、図9乃至図11を用いて説明した画像SC1,SC2,SC3は、あくまでも一例である。同様の機能を有する画像であれば、そのレイアウト等は問わない。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。