JP2018155767A - 心不全の治療選択におけるバイオマーカー - Google Patents
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Abstract
Description
、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、ガレクチン−3(Galectin-3)(Gal3)、可溶性ST2(sST2)、PlGF、sFlt−1、P1NP、シスタチンC(Cystatin C)、プレアルブミン(Prealbumin)、およびトランスフェリン(Transferrin)からなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定することに基づく。さらに、本方法は、こうして決定した量を基準量と比較する工程を含む。さらに本発明は、本発明の方法を実施するために適合させたキットおよびデバイスを想定する。本発明はまた、本明細書に開示する少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するためのシステム、および本明細書に開示する方法を実施する際に使用する試薬およびキットに関する。
the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failureに記載されている(European Heart Journal (2008) 29, 2388-2442)。得られる治療選択肢はHFを伴なう患者の罹病率および死亡率を低下させることができるが、これらの治療を受けるのに適格な患者の相対数は依然として不満足なほど低い(O'Donoghue M. & Braunwald E., Nat. Rev. Cardiol. 2010; 7: 13-20)。さらに、治療に適格な患者において、治療は主に原疾患ならびにHFの徴候および症状により、薬物の最大忍容性にまでガイドおよび調整されてきた(たとえば、NYHAステージ、ACC/AHAステージ、またはうっ血スコアにより)。
NP/NT−proBNPガイドによるHF療法は、治療強化が必要な患者を同定でき、そのような強化のタイミングを指示することができる。しかし、BNP/NT−proBNPガイドによるHF療法は、患者に有益な可能性がある薬物の種類は指示しない。
IGFBP系は細胞の増殖および分化において重要な役割を果たす。IGF結合タンパク質7(=IGFBP−7)は、内皮細胞、血管平滑筋細胞、線維芽細胞、および上皮細胞により分泌されることが知られている30−kDaのモジュール状の糖タンパク質である(Ono, Y., et al., Biochem Biophys Res Comm 202 (1994) 1490-1496)。その文献では、この分子はFSTL2;IBP 7;IGF結合タンパク質関連タンパク質I;IGFBP 7;IGFBP 7v;IGFBP rP1;IGFBP7;IGFBPRP1;インスリン様増殖因子結合タンパク質7;インスリン様増殖因子結合タンパク質7前駆体;MAC25;MAC25タンパク質;PGI2刺激因子;およびPSFまたはプロスタサイクリン刺激因子とも呼ばれている。低レベルのIGFB−7はランダムなヒト血清中に検出され、血清レベルの増大はインスリン抵抗性と関連することが認められた(Lopez-Bermejo, A., et al., J. Clinical Endocrinology and Metabolism 88 (2003) 3401-3408, Lopez-Bermejo, A., et al., Diabetes 55 (2006) 2333-2339)。
それにはさらに、HFに罹患している患者のための治療計画を選択するのにマーカーIGFBP−7を使用できることが開示されている。さらに、HF患者の経過観察に際してIGFBP−7レベル増大は有効なHF治療についての陽性指標であると主張されている。
ンアンタゴニストなどの医薬を用いる薬物ベースの治療に適格な被検体を同定する、GDF−15検出ベースの方法が開示されている。好ましくは、さらにTnTまたはNTproBNPの検出がなされている。さらに、好ましくは基準量(好ましくは1200pg/ml)より多いGDF−15の量は心不全治療に適格な被検体の指標である。しかし、その文書にはどの薬物治療を考慮すべきか、あるいは投薬調整または治療強化を考慮すべきかどうかは開示されていない。
多機能性成分である。ミメカンは、コラーゲン原線維形成、すなわち発生、組織修復および転移に際して必須であるプロセスの調節に関与することが示された(Tasheva et al., Mol. Vis. 8 (2002) 407-415)。それは骨形成に際してTGF−ベータ−1またはTGF−ベータ−2との組合わせで役割を果たす。ラットおよびヒトの心臓組織におけるトランスクリプトーム解析により、拡張性心筋障害におけるミメカンと左心室質量および細胞外リモデリングとの高い相関性が明らかになった(Petretto, E. et al., Nature Genetics 40 (2008) 546-552)。
使用することが開示されている。それはさらに、マーカーであるミメカンをHFに罹患している患者のための治療計画の選択に使用することに関する。さらに、それにはHF患者の経過観察に際してミメカンのレベル増大は有効なHF治療についての陽性指標であることが開示されている。しかし、その文書には、どの薬物治療を考慮すべきか、あるいは投薬調整または治療強化を考慮すべきかどうかは開示されていない。
277-285)。コラーゲンは、組織構造統合性の維持に主要な役割を果たす超分子凝集体を
形成する特徴的な三重らせん立体構造をもつ、細胞外マトリックスタンパク質のファミリーを表わす。過度のコラーゲン沈着は線維症をもたらして、周囲組織の正常な機能を攪乱する。エンドスタチンは、種々のタンパク質分解酵素の作用によりコラーゲンXVIIIのアルファ1鎖から放出される(Ortega, N. and Werb, Z., Journal of Cell Science 115 (2002) 4201-4214)。エンドスタチンは血管形成および血管増殖の強力な阻害剤である。しかし、その文献には、どの薬物治療を考慮すべきか、あるいは投薬調整または治療強化を考慮すべきかどうかは開示されていない。
れている。それはさらに、マーカーであるエンドスタチンをHFに罹患している患者のための治療計画の選択に使用することに関する。さらに、HF患者の経過観察に際してエンドスタチンのレベル増大は有効なHF治療についての陽性指標であると主張されている。
MIC−1)として同定され、後に胎盤性トランスフォーミング増殖因子−βとも命名された(Bootcov 1997, Proc Natl Acad Sci 94:11514-11519; Tan 2000, Proc Natl Acad Sci 97:109-114)。GDF−15は心血管事象の強力な予測子および心血管合併症の指標として記載された(Brown, D. A. et al., 2002 The Lancet, 359: 2159-2163; US2003/0232385; Kempf 2006, Circ Res 98: 351-360)。Kempfらは、GDF−15の循環レベルがCHFの重症度に関係があり、慢性心不全を伴なう患者において死亡のリスクを予測することを示した(Clinical Chemistry 53:2; 284-291 (2007); Am Coll Cardiol, 2007; 50:1054-1060)。
ノラクトンのようなアルドステロンアンタゴニストの投与を受けている心不全患者における治療モニタリングおよび治療適合のための方法が開示されている。その文書にはさらに、トロポニンT、NT−proBNPおよびGDF15の検出により心不全患者における治療のモニタリングまたは適合が可能になることが開示されている。
ステオポンチン(OPN)、GDF−15、CRPの決定により、心筋梗塞後の被検体のリモデリングプロセスでどの治療または併用治療を適用すべきであるかを診断する方法が開示されている。それには≧500pg/mlのオステオポンチンレベルがACE阻害薬、アンギオテンシン受容体アンタゴニスト、およびアルドステロンアンタゴニストの指標として記載されている。
スの検出をベースとする、肥大性心筋障害に罹患している患者における臨床悪化を予測するためのリスク予測が開示されている。評価された患者の多くは心不全に罹患していた。肥大性心筋障害を伴なう患者をモニタリングするために、それら2種類のマーカーの組合わせ測定が有用な可能性があると推論されている。
Mentz et al. 2011 (Circ J, 75(9):2031-7)には、NTproBNP検出をベースとする、心不全患者における治療のガイダンスおよびモニタリングのための方法が開示され、その際、治療は利尿薬、ACE阻害薬、ベータ遮断薬、スピロノラクトン、ナイトレートまたはジゴキシンによる治療から選択される。
ースとする、心不全患者における治療のガイダンスおよびモニタリングのための方法を概説している。それは、心不全治療をガイドするためにBNPをトロポニンと組み合わせる可能性についても述べている。
ることであるとみることができる。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した少なくとも1種類のバイオマーカーの量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、ミメカン、オステオポンチン、エンドスタチン、sFlt−1(可溶性fms様チロシンキナーゼ1)、PlGF(胎盤性増殖因子)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、GDF−15(増殖分化因子15)、sST2(可溶性ST2)、Gal3(ガレクチン−3)、P1NP(プロコラーゲン1型N末端プロペプチド)、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること。
ーのうち1種類のみの量を決定する。しかし、2種類以上の組合わせのバイオマーカーの量を決定することも考慮する。好ましい組合わせは、s−Flt−1とIGFBP7;s−Flt−1と心臓トロポニン;s−Flt−1とGal−3;心臓トロポニンとGal−3;心臓トロポニンとIGFBP7;IGPBP7とGal−3;およびこれらのマーカーとBNPタイプペプチドの組合わせである。特に好ましい組合わせは、IGFBP7とミメカンである。さらなる好ましい組合わせは、PlGFとsFlt−1の組合わせである。さらに、PlGFの量−対−sFlt−1の量(またはsFlt−1−対−PlGFの量)の比を計算することを想定する。この場合、計算した比を基準比と比較する。
アルドステロンアンタゴニストの投与に(すなわち、初回投与または強化、特に、より高い用量での投与に)適格な被検体を同定するための、下記を含む方法を考慮する:
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、IGFBP7、エンドスタチン、尿酸、BNPタイプのペプチド、心臓トロポニン、sFlt−1、PlGF、sST−2、Gal−3およびシスタチンCからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記アルドステロンの投与に適格な被検体を同定すること。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、PlGFおよびsFlt−1の量を決定すること;
a1)PlGFの量−対−sFlt−1の量(またはその逆)の比を計算すること;
b)ステップa1)で計算した比を基準比と比較し、それにより前記アルドステロンの投与に適格な被検体を同定すること。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、IGFBP7、GDF−15、エンドスタチン、ミメカン、BNPタイプのペプチド、心臓トロポニン、オステオポンチン、sFlt−1およびP1NPからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それによりベータ遮断薬の投与に適格な被検体を同定すること。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、オステオポンチン、GDF−15、BNPタイプのペプチド、sFlt−1、心臓トロポニン、Gal−3、尿酸およびIGFBP7からなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それによりレニン−アンギオテンシンの投与に適格な被検体を同定すること。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、IGFBP7、心臓トロポニン、エンドスタチン、ミメカン、BNPタイプのペプチド、尿酸、オステオポンチン、Gal−3、プレアルブミンおよびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それにより利尿薬の投与に適格な被検体を同定すること。
により測定される。バイオマーカーが尿酸である場合、前記バイオマーカーのレベルは、前記バイオマーカーを変換できる、たとえば尿酸を酸化できる、酵素または化合物と試料を接触させることにより測定できる。酵素は、尿酸から5−ヒドロキシイソ尿酸への酸化を触媒するウリカーゼ(EC 1.7.3.3)であってもよい。化合物はリンタングステン酸であってもよい。
本発明の方法、使用、キット、システムおよびデバイスの好ましい態様において、バイオマーカーはIGFBP−7であり、医薬はベータ遮断薬である。
他の好ましい態様において、バイオマーカーはオステオポンチンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である。医薬がベータ遮断薬であることも想定される。
他の好ましい態様において、バイオマーカーはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである。バイオマーカーがsFlt−1であり、医薬がレニン−アンギオテンシン系の阻害薬であることも好ましい。さらに、医薬がベータ遮断薬であることも想定される。
他の好ましい態様において、バイオマーカーは心臓トロポニンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である。
他の好ましい態様において、バイオマーカーはシスタチンCであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである。
他の好ましい態様において、バイオマーカーはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である。
前記の本発明方法は、好ましくはエクスビボ法またはインビトロ法である。さらに、本方法は前記に明記した工程に追加した工程を含むことができる。たとえば、さらなる工程は、試料の前処理または本方法により得られた結果の評価に関するものであってもよい。本方法は手動で実施でき、あるいは自動化により支援できる。好ましくは、ステップ(a)および/または(b)の全部または一部を自動化により支援できる;たとえば、ステップ(a)における決定に適したロボット装置およびセンサー装置、あるいはステップ(b)におけるコンピューター実装した比較および/またはその比較に基づく評価。
a)被検体からの試料の一部を、GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、ガレクチン−3(Gal−3)、可溶性ST2(sST2)、PlGF、sFlt−1、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーに対する特異的結合親和性を含むリガンド(または2種類以上のバイオマーカーの量を決定する場合は複数のリガンド)とインビトロで接触させるように構成された分析ユニット;
b)リガンド(単数または複数)と接触させた被検体からの試料の一部からの信号を検出するように構成された分析ユニット;
c)プロセッサーを備え、かつ前記の分析ユニット類と作動可能な状態で連絡した、コンピューティングデバイス;および、
d)プロセッサーが実行できる複数の指令、すなわち実行した際に少なくとも1種類のバイオマーカーの量を計算し、少なくとも1種類のバイオマーカーの量を基準量(または2種類以上のマーカーの量を決定する場合は複数の基準量)と比較し、それにより少なくとも1種類の医薬の投与に適格である被検体を同定するための指令を含む、非一過性の(non-transient)機械可読媒体。
最初の例(i)では、被検体は前記少なくとも1種類の医薬を以前に投与されていないはずである。したがって、前記少なくとも1種類の医薬は試験試料を入手する前には被検体に投与されていないはずである。好ましくは、前記少なくとも1種類の医薬は、試験試料を入手する前の少なくとも3か月間、より好ましくは少なくとも6か月間は、被検体に投与されていない。
い。したがって、前記少なくとも1種類の医薬の用量を増加すべきであるかどうかを評価できる。
8th Edition, Eds. Braunwald, Elsevier Sounders, chapter 24、または ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure (European Heart Journal (2008) 29, 2388-2442)に記載されている。
リン受容体上において、内因性のカテコールアミン類であるエピネフリン(アドレナリン)およびノルエピネフリン(ノルアドレナリン)の作用を遮断する。好ましくは、ベータ遮断薬はセブトロール(cebutolol)、アルプレノロール(alprenolol)、アテノロール(atenolol)、ベタキソロール(betaxolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ブプラノロール(bupranolol)、カラゾロール(carazolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール(celiprolol)、メチプラノロール(metipranolol)、メトプロロール(metoprolol)、ナドロール(nadolol)、ネビボロール(nebivolol)、オキシプレノロール(oxprenolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール(pindolol)、プロプラノロール(propanolol)、ソタロール(sotalol)、タニロロール(tanilolol)、およびチモロール(timolol)からなる群から選択される。最も好ましいベータ遮断薬はアテノロール、カルベジロール、メトプロロール、およびビソプロロールである。
れる。特に好ましいアルドステロンアンタゴニストは、スピロノラクトン(7α−アセチルチオ−3−オキソ−17α−プレグナ−4−エン−21,17−カルボラクトン)またはエプレレノン(eplerenone)である。
好ましくは、ループ利尿薬はそれらの有効性および迅速な作用開始のため用いられる。それらは腎臓の上行性ヘンレ係蹄(ascending loop of Henle)に作用する。好ましくは、
ループ利尿薬はフロセミド(furosemide)、アゾセミド(azosemide)、ブメタニド(bumetani
de)、ピレタニド(piretanide)、トラセミド(torasemide)、エタクリン酸(ethacrynic acid)、エトゾリン(etozolin)の群から選択される。特に、ループ利尿薬はフロセミドである。
シラザプリル(cilazapril)、エナラプリル(enalapril)、ホシノプリル(fosinopril)、リ
シノプリル(lisinopril)、モエキシプリル(moexipril)、ペリンドプリル(perindopril)、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、スピラプリル(spirapril)、およびトランドラプリル(trandolapril)からなる群から選択される。特に好ましいACE阻害薬は、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル、またはトランドラプリルである。
、カンデサルタン、またはテルミサルタンである。
本明細書中で前記に述べたように、検査される被検体は、試験試料を入手した時点で既に前記少なくとも1種類の医薬で治療されていてもよい。したがって、本発明方法を実施することにより、より高い用量、すなわち試験試料を入手する前に投与された前記医薬の用量より高い用量の前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体が同定される。好ましくは、日用量をより高くすべきである。本発明に関して、用量を最高で500%またはそれ以上増加させることが考慮される。好ましくは、試験試料を入手する前に投与された用量より少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、よりさらに好ましくは少なくとも100%、または最も好ましくは少なくとも200%、用量を高くすべきである。
哺乳動物、より好ましくはヒトに関する。本発明に関して、被検体が心不全(HF)に罹患していることを想定する。
NYHA(New York Heart Association)分類法によれば、心不全患者はNYHAクラスI、II、IIIおよびIVに属するものとして分類される。心不全を伴なう患者は、既にその心膜、心筋、冠動脈循環または心臓弁に構造および機能の変化が生じている。患者はその健康を完全には回復できないと予想され、治療処置の必要がある。NYHAクラスIの患者は、心血管疾患の明らかな症状をもたないが、既に機能障害の客観的証拠を備えている。NYHAクラスIIの患者は、身体活動がわずかに制限される。NYHAクラスIIIの患者は、身体活動の顕著な制限を示す。NYHAクラスIVの患者は、不快感なしにいかなる身体活動も行なうことができない。彼らは静止時に心不全の症状を示す。
つのステージA、B、CおよびDが規定される。ステージAおよびBはHFではないが、“実際に”HFを発症する前に患者を早期同定するのに役立つと考えられる。ステージAおよびBの患者は、HFを発症するリスク因子をもつ者と定義するのが最良である。たとえば、冠動脈疾患、高血圧症または糖尿病を伴なう患者であってまだ左心室(LV)機能障害、肥大、または心室の幾何学的変形を呈していない者はステージAとみなされ、これに対し、無症候性ではあるがLV肥大および/またはLV機能障害を呈している患者はステージBと表示されるであろう。次いでステージCは根源となる構造性の心疾患に関連する現在または過去のHFの症状を伴なう患者を表わし(HFを伴なう患者の大部分)、ステージDは真に難治性のHFを伴なう患者を示す。
していない。本明細書中で用いる用語“ACS”は、STEMI(ST-elevation myocardial infarction(ST上昇型心筋梗塞));NSTEMI(non ST-elevation myocardial infarction(非ST上昇型心筋梗塞))および不安定狭心症を含む。検査される被検体がACS歴をもたないことをさらに想定する。特に、被検体は本発明方法の実施前1か月の期間内(より厳密には、試料の入手前1か月の期間内)にACSに罹患していてはならない。
患者において測定された。
えヒトmac25タンパク質は、IGF−Iおよび−IIを特異的に結合する(Oh, Y., et al., J. Biol. Chem. 271 (1996) 20322-20325; Kim, H.S., et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA94 (1997) 12981-12986.)。IGFBP活性は、このタンパク質が放射性標識IGFを結合する能力をウェスタンリガンドブロット法で測定することによっても検出できる。
組織構造統合性の維持に主要な役割を果たす超分子凝集体を形成する特徴的な三重らせんコンホメーションをもつ、細胞外マトリックスタンパク質のファミリーを表わす。過度のコラーゲン沈着は線維症をもたらして、周囲組織の正常な機能を攪乱する。コラーゲンXVIIIは、中央三重らせんドメインに多数の介在配列をもち、主に基底膜にあるC末端にユニークな非三重らせんドメインをもつ、マルチプレキシン(Multiplexin)ファミリー
のコラーゲンのメンバーである。短いイソ形のコラーゲンXVIIIのヒト型アルファ1鎖(SwissProt:P39060)の配列は、たとえばWO2010/124821に開示され
ており、これをそれの開示内容全体について本明細書に援用する。
ミメカンは、ロイシンリッチ反復配列をもつ小プロテオグリカンであり、298個のアミノ酸を含む前駆体である。ミメカンの別名はOGN、オステオグリシン、OG、OIF、SLRR3Aである。
てのSLRPが共有する共通の特徴は、コアタンパク質のC末端側半分にある縦列ロイシンリッチ反復配列(leucine-rich repeat)(LRR)単位である。しかしN末端領域にお
いて、各クラスのSLRPは、保存されたスペーシングを備えたシステインクラスターを含むLRR N−ドメインと呼ばれるユニークドメインをもつ。クラスIII SLRPは6つのカルボキシル側LRRを含み、これにはミメカン、エピフィカン(epiphycan)、
およびオプチシン(opticin)が含まれる。
、ルーメカン(lumecan)およびフィブロモジュリン(fibromodulin)についてのマウスノッ
クアウト体からの機能試験は、SLRP欠損マウスが異常なコラーゲン原線維形成に起因する広範な一連の欠陥を呈することを示し、これはこれらのSLRPがコラーゲンマトリックスの樹立および維持に重要な役割を果たすことを示唆する(Ameye, L. and Young, M.F., Glycobiology 12 (2002) 107R-116R)。クラスIIIミメカンはコラーゲン細線維の異常も引き起こした(Tasheva, E.S. et al., MoI. Vis. 8 (2002) 407-415)。
特定のミメカンポリペプチドのバリアントをも包含する。用語“バリアント”の説明については前記を参照されたい。本発明に関して、ミメカンは、好ましくはWO2011/012268の
記載に従って決定される。
尿酸は被検生物におけるプリン代謝の最終産物である。IUPAC名は7,9−ジヒドロ−3H−プリン−2,6,8−トリオンである。この化合物はしばしばウレート、リチン酸(Lithic acid)、2,6,8−トリオキシプリン、2,6,8−トリヒドロキシプリ
ン、2,6,8−トリオキソプリン、1H−プリン−2,6,8−トリオールとも呼ばれる(化合物の式C5H4N4O3,PubChem CID 1175,CAS番号69−93−2)。
−1金属結合グロブリンとも呼ばれる)は、分子量79570ダルトンをもつ糖タンパク質である。それは、N−グリコシド連結した2つのオリゴ糖鎖を含むポリペプチド鎖からなる。トランスフェリンは鉄結合性輸送タンパク質であり、1つのアニオン(通常はバイカーボネート)の結合に付随して2つのFe3+イオンを結合できる。トランスフェリンの決定には、放射免疫拡散、ネフェメメトリーおよびタービディメトリーを含めた多様な方法を利用できる。トランスフェリンの配列は当技術分野で周知である;たとえば、Schaeffer et al. Gene 56:109-116(1987)、またはUniprot寄託番号P02787、特にバージョン178を参照)。
1、PlGF、P1NP、シスタチンC、またはプレアルブミンである場合、下記を適用する:
直接測定は、ペプチドまたはポリペプチド自体から得られる信号であってその強度が試料中に存在するペプチドの分子数と直接相関する信号に基づいて、ペプチドまたはポリペプチドの量または濃度を測定することに関する。そのような信号 −本明細書中で時には強度信号と呼ぶ− は、たとえばペプチドまたはポリペプチドの特異的な物理的または化学的特性の強度値を測定することによって得ることができる。間接測定には、二次成分(すなわち、そのペプチドまたはポリペプチド自体ではない成分)または生物学的読出し系、たとえば測定可能な細胞応答、リガンド、標識、または酵素反応生成物から得られる信号を測定することが含まれる。
記システムの単一の分析ユニットにより、または互いに作動可能な状態で連絡する2以上の分析ユニットにより実施できる。たとえば、特定の態様によれば、本明細書に開示するシステムは、接触および分離のステップを実施するための第1分析ユニット、ならびに第1分析ユニットに輸送ユニット(たとえば、ロボットアーム)によって作動可能な状態で接続して測定ステップを実施する第2分析ユニットを含むことができる。
本明細書中で用いる用語“量”は、バイオマーカーの絶対量、そのバイオマーカーの相対量または濃度、およびそれらに相関するかまたはそれらから誘導できるいずれかの数値またはパラメーターを包含する。そのような数値またはパラメーターは、それらのペプチドから直接測定により得られるあらゆる特異的な物理的または化学的特性からの強度信号値、たとえば質量スペクトルまたはNMRスペクトルにおける強度値を含む。さらに、本明細書の他の箇所に明記する間接測定により得られるすべての数値またはパラメーター、たとえばペプチドに応答した生物学的読出し系から決定される応答レベル、または特異的に結合したリガンドから得られる強度信号が包含される。前記の量またはパラメーターに相関する数値はあらゆる標準的数学操作によっても得られることを理解すべきである。本発明の好ましい態様によれば、“量”の決定は開示するシステムにより行なわれ、それによればそのシステムの1以上の分析ユニットにより実施される接触および測定の工程に基づいてコンピューティングデバイスが“量”を決定する。
その評価を行なうコンピュータープログラムは、目的とする評価を適切な出力フォーマットで提供するであろう。コンピューター支援による比較のために、決定した量の数値を、データベースに記憶された適切な基準に対応する数値とコンピュータープログラムにより比較することができる。コンピュータープログラムはさらに比較の結果を評価することができ、すなわち目的とする評価を適切な出力フォーマットで自動的に提供する。コンピューター支援による比較のために、決定した量の数値を、データベースに記憶された適切な基準に対応する数値とコンピュータープログラムにより比較することができる。コンピュータープログラムはさらに比較の結果を評価することができ、すなわち目的とする評価を適切な出力フォーマットで自動的に提供する。その結果は、好ましくは、本明細書の他の箇所に述べる少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための補助として採用できる。
に基づいて計算できる。特に、ある事象(またはそうではないこと)を診断することを目的とした方法などの試験の精度は、それの受信者操作特性(receiver-operating characteristics)(ROC)によって最も良く記述できる(特に、Zweig 1993, Clin. Chem. 39:561-577を参照)。ROCグラフは、決定閾値を観察データの全範囲にわたって連続的に変化させることから得られる感度と特異度のすべての対のプロットである。診断方法の臨床性能は、それの精度、すなわちそれが被検体を特定の予後または診断に正確に配属する能力に依存する。ROCプロットは、区別を行なうのに適した全範囲の閾値について感度を1−特異度に対してプロットすることにより、2つの分布間のオーバーラップを指示する。y軸には感度、または真の陽性画分があり、これは真の陽性試験結果の数と偽陰性試験結果の数の積に対する真の陽性試験結果の数の比として定義される。これは、ある疾患または状態の存在下での陽性度とも言われている。それは専ら罹患サブグループから計算される。x軸には偽陽性画分、または1−特異度があり、これは真の陰性結果の数と偽陽性結果の数の積に対する偽陽性結果の数の比として定義される。それは特異度の指数であり、完全に非罹患サブグループから計算される。真の陽性画分と偽陽性画分は2つの異なるサブグループからの試験結果を用いて完全に分離して計算されるので、ROCプロットはそのコホートにおけるその事象の罹病率とは無関係である。ROCプロット上の各点は、特定の決定閾値に対応する感度/−特異度の対を表わす。完全識別を伴なう試験(結果の2つの分布にオーバーラップがない)は、上左隅を通るROCプロットをもち、その際、真の陽性画分は1.0、すなわち100%(完全感度)であり、偽陽性画分は0(完全特異度)である。識別されない試験についての理論的プロット(2グループについての結果が同一分布)は、下左隅から上右隅への45°の対角線である。大部分のプロットはこれら両極端の間にある。ROCプロットが完全に45°の対角線の下側にあれば、これは“陽性度”についての基準を“より大”から“より小”に逆転することによって容易に対処され、あるいはその逆も成り立つ。定性的に、プロットが上左隅に近づくほど、その試験の全般的精度は高くなる。希望する信頼区間に応じて、本明細書に述べる投与に適格な被検体を同定できる閾値を、それぞれ感度と特異度の適正なバランスでROC曲線から導くことができる。したがって、好ましくはそのコホートについて前記のようにROCを確立し、それから閾値量を導くことにより、前記の本発明方法に使用する基準、すなわち本明細書に述べる投与に適格な被検体またはその投与に適格ではない被検体を識別できる閾値を作成できる。診断方法のための希望する感度および特異度に応じて、ROCプロットによって適切な閾値を導くことができる。
少なくとも1種類の医薬がベータ遮断薬であり、かつ少なくとも1種類のバイオマーカーがエンドスタチン、ミメカン、GDF−15、心臓トロポニンおよび/またはBNPタイプのペプチドであれば、好ましくは下記を適用する:
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して減少したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記ベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して増加したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記ベータ遮断薬の投与に適格ではない被検体の指標である。特に、基準量(単数または複数)と比較して減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記ベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標である。
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して減少したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準比と比較して増大した試験試料中のPlGFの量−対−sFlt−1の量の比はそのアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準比と比較して低下した比はそのアルドステロンアンタゴニストの投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して増加したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して増加した試験試料中のバイオマーカ
ー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して減少したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量(単数または複数)と比較して増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標であり、および/または基準量(単数または複数)と比較して減少したバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標である。
好ましくは、基準量と比較して増加した試験試料中のバイオマーカーの量は前記医薬の投与に適格ではない被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加したバイオマーカーの量は前記医薬の投与に適格な被検体の指標である。
少なくとも1種類の医薬がベータ遮断薬であり、かつ少なくとも1種類のバイオマーカ
ーがエンドスタチン、ミメカン、GDF−15、心臓トロポニンおよび/またはBNPタイプのペプチドであれば、好ましくは下記を適用する:
好ましくは、基準量はその少なくとも1種類の医薬の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、ならびに/あるいは基準量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、IGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポンチンについての基準量は、そのベータ遮断薬の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のIGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポンチンの量は、前記ベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標であり、ならびに/あるいは基準量はその少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中のIGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポンチンの量は、前記ベータ遮断薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量は前記少なくとも1種類の医薬(すなわち、アルドステロンアンタゴニスト)の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、これらのバイオマーカー(単数または複数)についての基準量(単数または複数)は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中の両バイオマーカーの量は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量は前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、i)心臓トロポニンについての基準量と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中の心臓トロポニンの量、あるいはii)基準量と比較して本質的に同一および/または減少した試験試料中の両バイオマーカーの量は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量は前記少なくとも1種類の医薬(すなわち、利尿薬)の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、ならびに/あるいは基準量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量(単数または複数)と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のバイオマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
好ましくは、基準量は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格であることが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量と比較して本質的に同一であるかまたは減少した試験試料中のsFlt−1および/またはIGFBP7の量は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量は前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格ではないことが分かっている被検体または被検体グループから導かれ、その際、基準量と比較して本質的に同一であるかまたは増加した試験試料中のsFlt−1および/またはIGFBP7の量は、前記レニン−アンギオテンシン系の阻害薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
・GDF−15:約3000〜約5000ng/mlの範囲内、特に4000ng/ml
・エンドスタチン:約230〜約270ng/mlの範囲内、特に250ng/ml
・ミメカン:約30〜約70ng/mlの範囲内、特に50ng/ml
・IGFBP7:約70〜約130ng/mlの範囲内、特に100ng/ml
・NT−proBNP:約2500〜約3500pg/mlの範囲内、特に約3000pg/ml
・トロポニン:約22〜約30ng/mlの範囲内、特に26ng/ml
・尿酸:約5〜約10ng/mlの範囲内、特に7.3ng/ml
・Gal3(ガレクチン−3):約26〜約38ng/mlの範囲内、特に31.6ng/ml
・オステオポンチン:約80〜約120ng/mlの範囲内、特に100ng/ml
・sST2(可溶性ST2):約30〜約38ng/mlの範囲内、特に34.0ng/ml
・sFLT−1:約85〜約111ng/mlの範囲内、特に98ng/ml
・PlGF:約15〜約31ng/mlの範囲内、特に20.7ng/ml
・P1NP:約29.0ng/ml〜約43.5ng/mlの範囲内、特に36.72ng/ml
・シスタチンC:約1.20mg/l〜約2.3mg/lの範囲内、特に1.76mg/l
・プレアルブミン:約0.11g/l〜約0.27g/lの範囲内、特に0.19g/l
・トランスフェリン:約2.15g/l〜約2.80g/lの範囲内、特に2.48g/l
PlGF−対−sFlt−1の比を計算する場合、基準比は特に約0.17〜約0.29の範囲である。ある態様において、基準比は0.23である。
本発明に関して、ある被検体がある医薬の投与に適格であるかどうかを評価するために2種類以上のバイオマーカーを決定する場合、特に個々のバイオマーカーの決定量を個々のバイオマーカーについての基準量と比較することを想定する。たとえば、バイオマーカーIGFBP7の量はIGFB7についての基準量と比較すべきであり、バイオマーカーミメカンの量はミメカンについての基準量と比較すべきであり、バイオマーカーエンドスタチンの量はエンドスタチンの基準量と比較すべきであり、バイオマーカーsFlt−1の量はsFlt−1の基準量と比較すべきである、など。この場合、診断。さらに、2種類以上のバイオマーカーを決定する場合、本明細書中に述べる個々のバイオマーカーについての診断アルゴリズムを組み合わせるのが好ましい。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、本発明の方法に関して前記に述べた少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した少なくとも1種類のバイオマーカーの量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
c)被検体を少なくとも1種類の医薬の投与に適格であると同定すること;
d)前記少なくとも1種類の医薬をその被検体に投与すること。
本発明の基礎となる研究に関して、単一バイオマーカーの使用により幾つかの医薬クラスの投与に関して決定を行なうのが可能であることが示された。したがって、本発明の方法は特に単一バイオマーカーの使用により被検体が2種類以上の医薬の投与に適格であるかどうかを評価することを想定する。
バイオマーカーがGDF−5である場合、医薬は好ましくは下記のものである:
i.ベータ遮断薬およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬
ii.ベータ遮断薬および利尿薬
iii.レニン−アンギオテンシン系の阻害薬および利尿薬、または
iv.ベータ遮断薬、レニン−アンギオテンシン系の阻害薬、および利尿薬。
バイオマーカーがエンドスタチンである場合、医薬は好ましくは下記のものである:
i.ベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニスト
ii.ベータ遮断薬および利尿薬
iii.アルドステロンアンタゴニストおよび利尿薬、または
iv.ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、および利尿薬。
i.ベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニスト
ii.ベータ遮断薬およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬
iii.アルドステロンアンタゴニストおよびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬、または
iv.ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬。
i.利尿薬およびアルドステロンアンタゴニスト
ii.利尿薬およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬
iii.アルドステロンアンタゴニストおよびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬、または
iv.利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬。
a)心不全に罹患している被検体からの試料においてGDF−15(増殖分化因子15)の量を決定する;および
b)工程a)で決定した量を基準量と比較し、それによりそれらの医薬の投与に適格な被検体を同定する;
その際、それら2または3種類の医薬は下記のものである:
i.ベータ遮断薬およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬
ii.ベータ遮断薬および利尿薬
iii.レニン−アンギオテンシン系の阻害薬および利尿薬、または
iv.ベータ遮断薬、レニン−アンギオテンシン系の阻害薬、および利尿薬。
a)心不全に罹患している被検体からの試料においてIGFBP7の量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それによりそれらの医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
その際、それら2種類の医薬はベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニストである。
a)心不全に罹患している被検体からの試料においてミメカンの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それによりそれらの医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
その際、それら2種類の医薬はベータ遮断薬および利尿薬である。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において心臓トロポニンの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量と比較し、それによりそれらの医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
その際、それら2または3種類の医薬は下記のものである:
i.ベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニスト
ii.ベータ遮断薬およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬、
iii.アルドステロンアンタゴニストおよびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬、または
iv.ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬。
a)心不全に罹患している被検体からの試料においてエンドスタチンの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それによりそれらの医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
その際、それら2または3種類の医薬は下記のものである:
i.ベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニスト
ii.ベータ遮断薬および利尿薬
iii.アルドステロンアンタゴニストおよび利尿薬、または
iv.ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、および利尿薬。
好ましくは、種々の医薬についてステップb)に述べた基準量は、個々のマーカーについて同一であってもよい。したがって、本発明方法のステップa)で決定したバイオマーカーの量を、好ましくは単一の基準量、したがって個々のマーカーについて被検体がその2または3種類の医薬の投与に適格であるか否かを評価できる基準量(すなわち、すべての医薬に適用される基準量)と比較する。同様に好ましくは、種々の医薬に関する個々のバイオマーカーについての基準量は異なってもよい;すなわち、それは医薬特異的であってもよい。したがって、本発明方法のステップa)で決定したバイオマーカーの量を、好ましくは2または3種類の基準量と比較する。したがって、2種類の医薬の投与に適格である被検体を同定する場合、そのバイオマーカーの量を2種類の基準量と比較すべきである。同様に、3種類の医薬の投与に適格である被検体を同定する場合、そのバイオマーカーの量を3種類の基準量と比較すべきである。それら個々の基準量は医薬特異的であろう。したがって、種々の医薬についての個々の基準量(単一マーカーに関して)を適用できる。たとえば、ベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニストの投与に適格である被検体を同定すべき場合、ステップa)で決定したバイオマーカーの量を、i)ベータ遮断薬の投与に適格である被検体を同定するための前記バイオマーカーについての基準量、およびii)アルドステロンアンタゴニストの投与に適格である被検体を同定するためのそのバイオマーカーについての基準量と比較すべきである(これは、たとえばバイオマーカーがIGFBP7である場合に当てはまる)。たとえば、ベータ遮断薬および利尿薬の投与に適格である被検体を同定すべき場合、ステップa)で決定したバイオマーカーの量を、i)ベータ遮断薬の投与に適格である被検体を同定するためのそのバイオマーカーについての基準量、およびii)利尿薬の投与に適格である被検体を同定するためのそのバイオマーカーについての基準量と比較すべきである(これは、バイオマーカーがミメカンである場合に当てはまる)。
好ましくは、基準量(特に、ベータ遮断薬の投与に適格な被検体を同定するための基準量)と比較して減少した試験試料中のバイオマーカーの量は前記ベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加した前記バイオマーカーの量は前記ベータ遮断薬の投与に適格ではない被検体の指標である;これに対し、基準量(特に、アルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体を同定するための基準量)と比較して増加した試験試料中のバイオマーカーの量は前記アルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少した前記バイオマーカーの量は前記アルドステロンアンタゴニストの投与に適格ではない被検体の指標である。
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のマーカーの量を下記により決定する:(i)その少なくとも1種類のマーカーに特異的に結合する検出剤(単数または複数)とと試料を、その検出剤と試料からの少なくとも1種類のマーカーとの複合体を形成させるのに十分な期間、接触させ、(ii)形成された複合体の量を測定し、その際、形成された複合体の量は試料中に存在する少なくとも1種類のマーカーの量に比例し、そして(iii)形成された複合体の量を試料中に存在する少なくとも1種類のマーカーの量を反映する少なくとも1種類のマーカーの量に換算すること;
b)その量を基準と比較すること;および、
c)ステップb)で行なった比較の結果に基づいて、前記少なくとも1種類の医薬の投
与に適格な被検体を同定するための補助を確立すること。
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のマーカーに特異的に結合する検出剤(単数または複数)と試料を、前記検出剤と試料からの少なくとも1種類のマーカーとの複合体を形成させるのに十分な期間、接触させるように構成された分析ユニット;
b)形成された複合体の量を測定するように構成された分析ユニット;その際、形成された複合体の量は試料中に存在する少なくとも1種類のマーカーの量に比例する;
c)プロセッサーを備え、かつ前記の分析ユニット類と作動可能な状態で連絡した、コンピューティングデバイス;および、
d)プロセッサーが実行できる複数の指令、すなわち実行した際に、形成された複合体の量を試料中に存在する少なくとも1種類のマーカーの量を反映する少なくとも1種類のマーカーの量に換算し、前記量を基準量と比較し、前記基準との比較の結果に基づいて、前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定する補助を確立するための指令を含む、非一過性の機械可読媒体。
本発明方法のある観点において、ステップa)で決定した量(単数または複数)を基準と比較する。ある観点において、基準は本明細書の他の箇所に定める基準である。さらに他の観点において、基準は複合体の測定量と元の試料中に存在する量との比例関係を考慮に入れる。したがって、本発明方法のある観点に適用する基準は、用いた検出剤の限界を反映するように採用された人為的基準である。他の観点において、比較を実施する際に、
たとえば決定量と基準の数値を実際に比較する前に、決定量についての正規化および/または補正計算の工程を含めることにより、その関係を考慮に入れることもできる。この場合も、決定量についての正規化および/または補正計算のステップは、用いた検出剤の限界が適正に反映されるように比較ステップを採用する。ある観点において、比較は自動的に、たとえばコンピューターシステムなどにより支援して実施される。
本発明はまた、ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための、心不全に罹患している被検体の試料における、i)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカー、および/またはii)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるバイオマーカーに特異的に結合する検出剤の使用に関する。
異的に結合する検出剤の使用に関する。
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるマーカーに特異的に結合する検出剤(単数または複数)を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している被検体の試料においてこれらのマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)を決定するために適合させたユニット;および、
b)決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それによりベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための分析ユニットであって、基準量(単数または複数)を備えたデータベースおよび比較を実施するためのコンピューター実装されたアルゴリズムを含むユニット。
本発明の好ましい態様は、ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するためのシステムを含む。システムの例には、化学反応もしくは生物反応の結果を検出するために、または化学反応もしくは生物反応の進行をモニターするために用いられる、臨床化学分析計、凝固化学分析計、免疫化学分析計、尿分析計、核酸分析計が含まれる。より具体的には、本明細書に開示する代表的システムに
は、RocheのElecsys(商標)システムおよびCobas(登録商標)eイムノアッセイ分析計、AbbottのArchitect(商標)およびAxsym(商標)分析計、SiemensのCentaur(商標)およびImmulite(商標)分析計、ならびにBeckman CoulterのUniCel(商標)およびAcess(商標)分析計などを含めることができる。
以下に本発明の好ましい態様を開示する。定義および説明を、必要な変更を加えて適用する。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
その際、前記医薬はベータ遮断薬であり、前記バイオマーカーはIGFBP7(IGF結合タンパク質7)またはミメカンである。
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、PlGF、sFlt−1、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;
特に、その際、
i)バイオマーカーはオステオポンチンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
ii)バイオマーカーはエンドスタチンであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
iii)バイオマーカーはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
iv)バイオマーカーはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
v)バイオマーカーは心臓トロポニンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
vi)バイオマーカーはBNPタイプのペプチドであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
vii)バイオマーカーは尿酸であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
viii)バイオマーカーはGDF−15であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
ix)バイオマーカーはsST2であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはベータ遮断薬である;
x)バイオマーカーはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
xi)バイオマーカーはP1NPであり、医薬はベータ遮断薬である;
xii)バイオマーカーはシスタチンCであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
xiii)バイオマーカーはプレアルブミンであり、医薬は利尿薬である;
xiv)バイオマーカーはトランスフェリンであり、医薬は利尿薬である;および/または
xv)バイオマーカーはPlGFおよびsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストであり、その際、PlGFの量−対−sFlt−1の量(またはその逆)の比を計算し、その比を基準量で計算する。
4.被検体がヒトである、態様1〜3のいずれか1つの方法。
6.態様1〜5のいずれか1つの方法:
・バイオマーカーはIGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポ
ンチンであり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはエンドスタチンおよび/またはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
・バイオマーカーは尿酸および/またはGDF−15であり、医薬は利尿薬である;および/または
・バイオマーカーはsFlt−1および/またはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
その際、基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
・バイオマーカーはミメカン、BNPタイプのペプチド、および/またはsST2であり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはオステオポンチン、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、および/またはGDF−15であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;および/または
・バイオマーカーはsST2、シスタチンCおよび/またはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
その際、基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である。
基準量と比較して増加した試験試料中のバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少したバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格ではない被検体の指標である、
態様8および9の方法。
12.i)少なくとも1種類の医薬はアルドステロンアンタゴニストであり、少なくとも1種類のバイオマーカーはGDF−15、IGFBP7、心臓トロポニン、尿酸およびGal3からなる群から選択され、あるいはii)少なくとも1種類の医薬はベータ遮断薬であり、少なくとも1種類のバイオマーカーはエンドスタチン、ミメカン、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、およびsST2からなる群から選択され、あるいはii
i)少なくとも1種類の医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬であり、少なくとも1種類のバイオマーカーは心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、オステオポンチンおよび/または尿酸からなる群から選択される、態様2の方法。
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sFlt−1、PlGF、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるマーカーに特異的に結合する検出剤(単数または複数)を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している被検体の試料においてこれらのマーカー(単数または複数)の量(単数または複数)を決定するために適合させたユニット;および
b)決定した量(単数または複数)を基準量(単数または複数)と比較し、それによりベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための分析ユニットであって、基準量(単数または複数)を備えたデータベースおよび比較を実施するためのコンピューター実装されたアルゴリズムを含むユニット。
実施例1:アッセイ法
以下のマーカーを血漿において決定した:
トロポニンTは、Rocheの電気化学発光ELISAサンドイッチ試験 ElecsysトロポニンT hs(high sensitive(高感度))STAT(Short Turn Around Time
(短いターンアラウンド時間))アッセイを用いて決定された。この試験は、ヒト心臓ト
ロポニンTを特異的に指向する2種類のモノクローナル抗体を用いる。これらの抗体は、288個のアミノ酸からなる心臓トロポニンTタンパク質の中央部分にある2つのエピトープ(アミノ酸位置125−131および136−147)を認識する。このhs−TnTアッセイは、3〜10000pg/mLの範囲のトロポニンTレベルの測定が可能である。
回洗浄した。抗原−抗体複合体の検出のために、ウェルを100μlのABTS溶液(Roche Diagnostics GmbH,ドイツ、マンハイム,カタログNo.11685767)と共にインキュベートし、15分後に405および492nmにおける光学濃度(OD)をELISAリーダーで測定した。
Systemsから(カタログ番号:AF 2660))を、それぞれビオチンおよびジゴキシゲニンとコンジュゲートさせる。ストレプトアビジンでコートした96ウェルマイクロタイタープレートを、100μlのビオチニル化−抗ミメカン ポリクローナル抗体と共に60分間、1×PBS溶液中、0.2μg/mlでインキュベートする。インキュベーション後、プレートを1×PBS+0.02% Tween−20で3回洗浄し、PBS+2% BSA(ウシ血清アルブミン)で45分間ブロックし、次いで再び1×PBS+0.02% Tween−20で3回洗浄する。ウェルを次いで1時間、100μlのそれぞれ標準抗原としての組換えミメカンの系列希釈液、または患者もしくは対照個体からの希釈した血清もしくは血漿試料(1:5,1×PBS+1%BSA中)のいずれかと共にインキュベートする。ミメカンの結合後、プレートを1×PBS+0.02% Tween−20で3回洗浄する。結合したミメカンの特異的検出のために、ウェルを100μlのジゴキシゲニル化−抗ミメカン ポリクローナル抗体と共に45分間、1×PBS+1% BSA中、0.2μg/mlでインキュベートする。その後、プレートを3回洗浄して、結合していない抗体を除去する。次の工程で、ウェルを75mU/mlの抗ジゴキシゲニン−PODコンジュゲート(Roche Diagnostics GmbH,ドイツ、マンハイム,カタログNo.1633716)100μlと共に30分間、1×PBS+1% BSA中でインキュベートする。プレートを続いて前記と同じ洗浄用緩衝液で6回洗浄する。抗原−抗体複合体の検出のために、ウェルを100μlのABTS溶液(Roche Diagnostics GmbH,ドイツ、マンハイム,カタログNo.11685767)と共にインキュベートし、15分後に405および492nmにおける光学濃度(OD)をELISAリーダーで測定する。
PlGFおよびsFlt1は、それぞれPlGFおよびsFlt1に対して特異的な2種類の抗体を用いるELECSYSイムノアッセイを用いて試験された。この試験は、ELECSYS 2010およびcobra e411およびcobra e601を含めた種々のRoche分析計を用いて自動的に実施できる。この試験は、PlGFに関して3pg/mlの感度をもつ。sFlt−1は10〜85,000pg/mlの量である。
TIME−CHF試験からの例:GDF−15、TnT−hs、尿酸、エンドスタチン、IGFBP−7、ミメカン、sST2、ガレクチン−3およびオステオポンチンのレベルを、TIME−CHFランダム化試験からのn=450の患者の試料において決定した(年齢60歳以上;HFのために入院する前の1年以内に、収縮期HF(駆出分画≦45%)、NYHAクラスII以上、および正常上限の2倍以上のNTproBNPレベルを伴なう)。TIME−CHF試験はBNP-Guided vs Symptom-Guided Heart Failure Therapy JAMA, 2009; 301 (4):383-392に記載されている。
これらのバイオマーカーをベースラインおよび6か月後に測定した。次表に示す数値は“転帰不良”患者(死亡、反復入院)の%である。測定したバイオマーカーにより、ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬の用量増加または投与間隔短縮および/または治療への特定の医薬の追加が有益であると予想される患者を同定できるかどうかを分析した。この分析のために、患者を、i)増加した用量の医薬を投与された被検体および/または追加医薬を投与された被検体のグループ、およびii)治療計画を修正しなかった被検体のグループに分けた。さらなる段階で、これら2グループをそれぞれ各バイオマーカーレベル(中央値より下/閾値より上)に基づくグループに分けた。結果を表1に示す。
* 0.1〜0.2
** 0.05〜0.1
*** 0.01〜0.05
**** <0.01
関数型主成分分析(functional principal component analysis)(fPCA)を用いて
データをさらに分析した。fPCAは複雑な薬物投与データのディメンジョナリティー(dimensionality)を低減して、種々の時点(ベースライン以後)でのマーカーレベルと転帰についての相互作用分析を可能にする。この場合、下記のものを表わす3つの主成分を用いた:1)試験中の薬物の全用量レベル(最も重要な成分)、2)試験中に薬物用量を増加または減少させる動向、および3)薬物用量を最初は増加させ、次いで減少させる動向、または最初は減少させ、次いで増加させる動向。ベースラインでの階層化分析(従来の分析)に優るfPCAの利点および補足情報は、それによりベースライン以後の時点でのマーカーと薬物の相互作用が明らかになることである。したがって、追加の相互作用および治療応答予測を評価できる。fPCAの成分を、次いで上記と同じエンドポイントを用いて、中央マーカーレベルでの相互作用および治療応答予測、ならびに転帰について調べた。転帰および相互作用の強さを次表に示す。これらの結果により、これまでに見出された多数の相互作用が確認され、さらなるマーカー−薬物組合わせが示唆される。
に)をもつ患者にはβ−遮断薬またはアルドステロンアンタゴニスト(たとえば、スピロノラクトン)の追加投与または増量が有益ではなく、一方、基準値より上のGDF−15レベル(この試験では>4000pg/mL)をもつ患者にはβ−遮断薬またはアルドステロンアンタゴニストの追加または増量が有益である可能性のあることが示された。第2グループの18か月生存率は改善されたが、第1グループでは生存率は変化しない。
・エンドスタチンが基準量より上であれば、BBを追加し、および/またはそれらの用量を増加すべきである。さらに、アルドステロンアンタゴニストおよび/または利尿薬の増量を避けるべきである。
・IGFBP7が基準量より下であれば、BBを追加し、または増量すべきである。IGFBP7が基準量より上であれば、アルドステロンアンタゴニストを追加または増量すべきである。
・GDF−15が基準量より上であれば、BB、RAS阻害薬およびアルドステロンアンタゴニストを追加または増量すべきである。これに対し、利尿薬を追加すべきではなく、あるいは利尿薬を増量すべきではない。
・基準値より上のNTproBNP(この試験では>3000pg/mL)をもつ患者には利尿薬の増量は有益ではないが、RAS阻害薬およびBBは増量すべきである。基準値より下のNTproBNP(この試験では<3000pg/mL)をもつ患者にはRAS阻害薬の増量は有益ではない。
・オステオポンチンが中央量より上であれば、RAS阻害薬を追加および/または増量すべきである。オステオポンチンが中央量より下であれば、BB化合物を追加および/または増量すべきである。
・sST2が基準量(たとえば中央値)より上であれば、アルドステロンアンタゴニストおよび/またはベータ遮断薬を追加および/または増量すべきである。
・プレアルブミンが基準量(たとえば中央値)より上であれば、利尿薬を追加すべきではなく、用量を減少させるべきであり、あるいは増量すべきではない。
・シスタチンCが基準量(たとえば中央値)より下であれば、アルドステロンアンタゴニストを追加または増量すべきではなく、高い用量を減少させるべきである。
ロンアンタゴニストを追加し、または用量を増加すべきである。
したがって、上記にまとめた診断アルゴリズムを適用することにより、前記の医薬の投与(すなわち、初回投与、またはより高い用量での投与、“増量”)に適格な被検体を同定できる。適切な基準量は本明細書の記載に従って決定できる。をもつ患者
実施例3:個体症例研究
クラスC心不全を伴なう89歳の男性患者は、低用量のクロルタリドン(chlortalidon)(25mg/日)、エナラプリル(enalapril)(5mg/日)、およびメトプロロール(metoprolol)(25mg/日)を投与されている。この患者はNT−proBNPレベルの増大を伴なう心不全進行の徴候を示す。患者は喘息も伴なっており、担当医はBBを増量すべきかどうか迷っている。患者から得た血漿試料においてミメカンを決定する。ミメカン値は80pg/mLより上である。エナラプリル(20mg/日に)およびメトプロロール(100mg/日)の逐次増量により治療を強化する。これに対し、クロルタリドンは増量しない。患者は試験終了まで安定を維持し、転帰良好である(死亡または入院はない)。
5mg/日)を投与されている。患者は10か月間は安定であったが、TVを観ながらポテトチップ1袋を食べ尽くした後に急性心不全のため入院した。計画前来院時に、患者から得た血漿試料においてGDF−15およびcTnThsを測定している。GDF−15値は4000pg/mLより上であり、cTnT−hsは中央値より上である。治療を強化するためにベータ遮断薬であるメトプロロールおよびアルドステロンアンタゴニストであるスピロノラクトンの追加を選択する。患者は、めまいおよび低血圧のためさらに1回だけ入院した。
救急部に到着している。患者から得た血漿試料において尿酸およびGal−3を測定する。尿酸およびGal−3は中央値より下である。担当医はカルベジロールを50mg/日に増量することにより治療を強化する。さらに、スピロノラクトンを25mg/日から開始して追加し、後に50mg/日まで増量する。患者は1か月間は安定を維持したが、次いで浮腫、心房細動、呼吸困難および咳を発症する。病院への途中で患者は突然死のため死亡する。
本発明は、心不全に罹患している患者に有益であると予想される薬物治療の選択方法を提供する。本方法は、治療に対する応答を予測し、および/または適切な治療もしくは治療強化の選択を補助する。先行技術および従来のバイオマーカーガイドによる心不全対処法と比較して、本発明は治療選択および投薬のための多様なマーカーの具体的な目標レベルおよび具体的な指示を提供する。本発明はまた、患者に有益になるように、また逆に患者に有害な可能性のある治療を避けるように、薬物治療の同定および使用を改善する。したがって、本発明は心不全患者における死亡率および罹病率の低下を目的とする。
本発明は、心不全に罹患している患者に有益であると予想される薬物治療の選択方法を提供する。本方法は、治療に対する応答を予測し、および/または適切な治療もしくは治療強化の選択を補助する。先行技術および従来のバイオマーカーガイドによる心不全対処法と比較して、本発明は治療選択および投薬のための多様なマーカーの具体的な目標レベルおよび具体的な指示を提供する。本発明はまた、患者に有益になるように、また逆に患者に有害な可能性のある治療を避けるように、薬物治療の同定および使用を改善する。したがって、本発明は心不全患者における死亡率および罹病率の低下を目的とする。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための方法であって、
a)心不全に罹患している被検体からの試料において少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量を基準量と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;を含み、
前記医薬はベータ遮断薬であり、前記バイオマーカーはIGFBP7(IGF結合タンパク質7)またはミメカンである、前記方法。
[請求項2]
ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための方法であって、
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、PlGF、sFlt−1、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;を含み、
特に、
i)バイオマーカーはオステオポンチンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
ii)バイオマーカーはエンドスタチンであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
iii)バイオマーカーはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
iv)バイオマーカーはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはアルドステロンアンタゴニストである;
v)バイオマーカーは心臓トロポニンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
vi)バイオマーカーはBNPタイプペプチドであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
vii)バイオマーカーは尿酸であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
viii)バイオマーカーはGDF−15であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
ix)バイオマーカーはsST2であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはベータ遮断薬である;
x)バイオマーカーはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
xi)バイオマーカーはP1NPであり、医薬はベータ遮断薬である;
xii)バイオマーカーはシスタチンCであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
xiii)バイオマーカーはプレアルブミンであり、医薬は利尿薬である;
xiv)バイオマーカーはトランスフェリンであり、医薬は利尿薬である;ならびに/あるいは
xv)バイオマーカーはPlGFおよびsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストであり、その際、PlGFの量−対−sFlt−1の量(またはその逆)の比を計算し、その比を基準量で計算する、前記方法。
[請求項3]
投与が、前記少なくとも1種類の医薬の投与開始、またはより高い投与量での前記少なくとも1種類の医薬の投与である、請求項1または2に記載の方法。
[請求項4]
被検体がヒトである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[請求項5]
試料が血液、血清または血漿である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[請求項6]
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
・バイオマーカーはIGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポンチンであり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはエンドスタチンおよび/またはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
・バイオマーカーは尿酸、プレアルブミン、トランスフェリンおよび/またはGDF−15であり、医薬は利尿薬である;および/または、
・バイオマーカーはsFlt−1および/またはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬であり;
基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。
[請求項7]
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
・バイオマーカーはミメカン、BNPタイプペプチド、および/またはsST2であり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはオステオポンチン、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、および/またはGDF−15であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;および/または、
・バイオマーカーはsST2、シスタチンCおよび/またはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストであり;
基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。
[請求項8]
バイオマーカーがIGFBP−7である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、当該方法はベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体を同定するためのものである、前記方法。
[請求項9]
請求項8に記載の方法であって、
ステップa)で決定したIGFBP7の量を、ステップb)で、i)単一の基準量、またはii)ベータ遮断薬の投与に適格な被検体を同定するためのIGFBP7の基準量およびアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体を同定するためのIGFBP7の基準量と比較する、前記方法。
[請求項10]
請求項8および9に記載の方法であって、
基準量と比較して減少した試験試料中のバイオマーカーの量はベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加したバイオマーカーの量はベータ遮断薬の投与に適格ではない被検体の指標であり、
基準量と比較して増加した試験試料中のバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少したバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。
[請求項11]
被検体がACC/AHA分類に従った心不全ステージB、CまたはDに罹患している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
[請求項12]
ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための、心不全に罹患している被検体の試料における、i)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカー、および/またはii)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sFlt−1、PlGF、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるバイオマーカーに特異的に結合する検出剤の使用。
[請求項13]
請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実施するために適合させたデバイスであって、
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sFlt−1、PlGF、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるマーカーに特異的に結合する検出剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している被検体の試料においてマーカーの量を決定するために適合させた前記ユニット;および、
b)決定した量を基準量と比較し、それによりベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための分析ユニットであって、基準量を備えたデータベースおよび比較を実施するためのコンピューター実装されたアルゴリズムを含む前記ユニット;を含む、前記デバイス。
Claims (13)
- 少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための方法であって、
a)心不全に罹患している被検体からの試料において少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および、
b)ステップa)で決定した量を基準量と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;を含み、
前記医薬はベータ遮断薬であり、前記バイオマーカーはIGFBP7(IGF結合タンパク質7)またはミメカンである、前記方法。 - ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための方法であって、
a)心不全に罹患している被検体からの試料において、GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、PlGF、sFlt−1、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカーの量を決定すること;および
b)ステップa)で決定した量を基準量(単数または複数)と比較し、それにより前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定すること;を含み、
特に、
i)バイオマーカーはオステオポンチンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
ii)バイオマーカーはエンドスタチンであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
iii)バイオマーカーはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
iv)バイオマーカーはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはアルドステロンアンタゴニストである;
v)バイオマーカーは心臓トロポニンであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
vi)バイオマーカーはBNPタイプペプチドであり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬および/またはベータ遮断薬である;
vii)バイオマーカーは尿酸であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
viii)バイオマーカーはGDF−15であり、医薬は利尿薬および/またはレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
ix)バイオマーカーはsST2であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストおよび/またはベータ遮断薬である;
x)バイオマーカーはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;
xi)バイオマーカーはP1NPであり、医薬はベータ遮断薬である;
xii)バイオマーカーはシスタチンCであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
xiii)バイオマーカーはプレアルブミンであり、医薬は利尿薬である;
xiv)バイオマーカーはトランスフェリンであり、医薬は利尿薬である;ならびに/あるいは
xv)バイオマーカーはPlGFおよびsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストであり、その際、PlGFの量−対−sFlt−1の量(またはその逆)の
比を計算し、その比を基準量で計算する、前記方法。 - 投与が、前記少なくとも1種類の医薬の投与開始、またはより高い投与量での前記少なくとも1種類の医薬の投与である、請求項1または2に記載の方法。
- 被検体がヒトである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 試料が血液、血清または血漿である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
・バイオマーカーはIGFBP7、P1NP、sFlt−1および/またはオステオポンチンであり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはエンドスタチンおよび/またはsFlt−1であり、医薬はアルドステロンアンタゴニストである;
・バイオマーカーは尿酸、プレアルブミン、トランスフェリンおよび/またはGDF−15であり、医薬は利尿薬である;および/または、
・バイオマーカーはsFlt−1および/またはIGFBP7であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬であり;
基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、
・バイオマーカーはミメカン、BNPタイプペプチド、および/またはsST2であり、医薬はベータ遮断薬である;
・バイオマーカーはオステオポンチン、心臓トロポニン、BNPタイプのペプチド、尿酸、および/またはGDF−15であり、医薬はレニン−アンギオテンシン系の阻害薬である;および/または、
・バイオマーカーはsST2、シスタチンCおよび/またはPlGFであり、医薬はアルドステロンアンタゴニストであり;
基準量と比較して増加した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少した少なくとも1種類のバイオマーカーの量は前記少なくとも1種類の医薬の投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。 - バイオマーカーがIGFBP−7である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、当該方法はベータ遮断薬およびアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体を同定するためのものである、前記方法。
- 請求項8に記載の方法であって、
ステップa)で決定したIGFBP7の量を、ステップb)で、i)単一の基準量、またはii)ベータ遮断薬の投与に適格な被検体を同定するためのIGFBP7の基準量およびアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体を同定するためのIGFBP7の基準量と比較する、前記方法。 - 請求項8および9に記載の方法であって、
基準量と比較して減少した試験試料中のバイオマーカーの量はベータ遮断薬の投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して増加したバイオマーカーの量はベータ遮断薬の投与に適格ではない被検体の指標であり、
基準量と比較して増加した試験試料中のバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格な被検体の指標であり、および/または基準量と比較して減少したバイオマーカーの量はアルドステロンアンタゴニストの投与に適格ではない被検体の指標である、前記方法。 - 被検体がACC/AHA分類に従った心不全ステージB、CまたはDに罹患している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- ベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための、心不全に罹患している被検体の試料における、i)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sST2(可溶性ST2)、sFlt−1、PlGF、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択される少なくとも1種類のバイオマーカー、および/またはii)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sFlt−1、PlGF、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるバイオマーカーに特異的に結合する検出剤の使用。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実施するために適合させたデバイスであって、
a)GDF−15(増殖分化因子15)、エンドスタチン、ミメカン、IGFBP7(IGF結合タンパク質7)、心臓トロポニン、BNPタイプペプチド、尿酸、Gal3(ガレクチン−3)、オステオポンチン、sFlt−1、PlGF、sST2(可溶性ST2)、P1NP、シスタチンC、プレアルブミン、およびトランスフェリンからなる群から選択されるマーカーに特異的に結合する検出剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している被検体の試料においてマーカーの量を決定するために適合させた前記ユニット;および、
b)決定した量を基準量と比較し、それによりベータ遮断薬、アルドステロンアンタゴニスト、利尿薬、およびレニン−アンギオテンシン系の阻害薬からなる群から選択される少なくとも1種類の医薬の投与に適格な被検体を同定するための分析ユニットであって、基準量を備えたデータベースおよび比較を実施するためのコンピューター実装されたアルゴリズムを含む前記ユニット;を含む、前記デバイス。
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