しかし、特許文献2等の技術では、目的地を設定しないものの、ユーザーの希望する時間や距離など観光ルートの生成条件については、これを設定する必要があり、やはり設定作業が面倒であった。特に、初めて来た観光地では、ユーザーは、そのエリアに含まれる観光スポットを知らないというだけではなく、エリアの規模等も分からない。
そのため、観光ルートの生成条件の設定に際して、ユーザーは設定に迷うことがあり、結局はガイドブック等に頼らざるを得なくなる。したがって、観光ルート生成条件の設定作業の負担は、観光スポットの設定作業の負担と大差がないと感じるユーザーも多い。しかも、特許文献2等の技術では、観光ルートの生成処理に時間がかかることは否めず、使い勝手が悪いといった課題が指摘されている。
本発明は、上記の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、例えば、観光スポットの設定作業はもとより、観光ルートの生成条件の設定作業さえも省いて、簡単且つ迅速に観光ルートの情報を表示することが可能なシステム及びプログラムを提供することにある。
上述した目的を達成するために、本発明に係るシステムは、次のようなものとする。
(1)複数の観光ルート情報を取得して表示手段に表示させる制御を行うシステムにおいて、前記観光ルート情報は観光にかかる所要時間ごとにグループ化しており、前記所要時間を表示手段に表示させ、ユーザーから前記所要時間の選択を受け付けると、当該所要時間に属する前記観光ルート情報を前記表示手段に表示させる制御を行う制御手段を有するものとした。
このようにすれば、観光にかかる所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得するので、例えば本システムで観光ルートを探索等して観光ルートを生成する必要がなくなる。観光にかかる所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報は、例えば、いわば定食のメニューのように、予め複数の箇所について、予め観光にかかる所要時間ごとにグループ化して構成するとよい。
観光にかかる所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得できる構成であればよいが、特に予め観光にかかる所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報を記憶しておき、その記憶された観光にかかる所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得する構成とするとよい。この取得は例えば所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報をサーバの記憶手段に記憶しておき、例えばネットワークを介してサーバの記憶手段から取得する構成としてもよいが、車載電子機器内に所要時間ごとにグループ化した観光ルート情報を記憶する記憶手段を設け、この車載電子機器内の記憶手段から取得する構成とするとよい。
観光ルート情報の表示態様は、例えば、複数の観光スポットを結んだ経路の全体又は一部とするとよい。観光ルート情報を、観光スポットを辿る経路として表示することで、観光ルートを空間的あるいは地理的に理解することができる。また、経路上にユーザーの現在地を含めるようにするとよい。ユーザーの現在地を観光ルート情報の経路に含めることで、現在地から目的地となる観光スポットまでのルートが明確になる。
これに限らず、観光ルート情報の表示態様は、概念的にルートを想起させる情報であればよく、例えば、観光スポットの名称を示す文字情報をリスト表示としてもよい。このようなリスト表示では、例えば、各観光スポットの名称を示す文字情報を、矢印や棒線などで繋いだり、各観光スポットに数字などを付けたりして、観光スポットを巡る順番を提示するようにしてもよい。
ユーザーによる選択の受け付けは、その選択項目が上記の所要時間であるにせよ、また下記の滞在時間あるいはジャンルであるにせよ、例えば、電子機器に設けられたボタン、表示手段に設けられたタッチパネル、又はリモコンによって行うとよい。選択項目を選択するときの表示に関しては、例えば、複数種類の選択項目を同時に同一の表示手段に表示するとよい。この場合、ユーザーの選択時に際して、複数の項目を見ながら選択することができるので、操作性を高めることができる。
また、例えば、選択項目を1つだけ表示して、次候補を表示するための操作部を設けるようにしてもよい。このような表示では、選択項目の表示を1つにすることで、その表示領域を大きく取ることができ、表示が見やすくなる。さらに、例えば、選択項目と観光ルート情報とを別の表示画面に表示するようにしてもよく、これによりユーザーは、選択項目と、それに対応する観光ルート情報とを、同時に把握することができる。
本システムは、例えば車載用システムとするとよい。このとき、制御手段は例えば、その全てを車両内あるいは車両外に設けるようにしてもよいし、制御手段の一部を車両内に設け、その一部以外の部分を車両外に設けるようにしてもよい。また、制御手段は例えば、1つの制御部で実現してもよいし、複数の制御部で実現してもよい。さらに表示手段は、例えば車両の搭乗者が視覚的に認識できる表示ができるものとするとよい。例えば、種々の車載用システムに適用させる観点から、表示手段を、表示画面とするとよい。
(2)前記観光ルート情報は、前記観光スポットでの滞在時間ごとにグループ化しており、前記制御手段は、前記滞在時間を表示手段に表示させ、ユーザーから前記滞在時間の選択を受け付けると、当該滞在時間に属する前記観光ルート情報を前記表示手段に表示させる制御を行うようにするとよい。
このようにすれば、観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得するので、観光ルート情報の選択に際して、この観光ルート情報に含まれる観光スポットでの滞在時間を、ユーザーに認識させることができる。このため、ユーザーは自身の都合等を考慮した上で、観光ルート情報を選択することが可能となる。また、観光スポットでの滞在時間を、ユーザーに認識させたことで、ユーザーは、実際に観光ルート情報に従って観光を行う場合に、精神的にゆとりを持って観光スポットを観光することができる。
観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得できる構成であればよいが、特に予め観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報を記憶しておき、その記憶された観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得する構成とするとよい。この取得は例えば観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報をサーバの記憶手段に記憶しておき、例えばネットワークを介してサーバの記憶手段から取得する構成としてもよいが、例えば、車載電子機器内に観光スポットの滞在時間ごとにグループ化した観光ルート情報を記憶する記憶手段を設け、この車載電子機器内の記憶手段から取得する構成とするとよい。
(3)前記観光ルート情報は、観光内容のジャンルごとにグループ化しており、前記制御手段は、前記ジャンルを表示手段に表示させ、ユーザーから前記ジャンルの選択を受け付けると、当該ジャンルに属する前記観光ルート情報を前記表示手段に表示させる制御を行うようにするとよい。
このようにすれば、観光スポットのジャンルごとにグループ化した観光ルート情報を取得するので、観光ルート情報の選択に際して、その情報のジャンルをユーザーに認識させることができる。このため、ユーザーは自身の好み等に応じて、観光ルート情報を選択することが可能となる。
観光スポットのジャンルは、例えば、複数のジャンルを階層構造としてもよく、上位の階層のジャンルとしては、例えば神社・仏閣、美術館・博物館、レストラン・食堂などがあり、レストラン・食堂の下位の階層としては、例えばそば屋などがある。これらジャンルを示す情報は、ジャンル名を含む文字情報や、ジャンルを代表的するような画像情報であるとよい。
(4)前記制御手段は、前記所要時間と、前記滞在時間及び前記ジャンルの少なくとも一方を切り換えて表示するようにするとよい。
所要時間と、滞在時間及びジャンルの少なくとも一方とを切り換えて表示することで、これらの項目を順次選択させることができ、ユーザーが望む観光ルート情報を段階的に絞り込んで表示することができる。また、所要時間、滞在時間及びジャンルを順番に表示することで、各項目の表示領域を大きくすることができ、所要時間、滞在時間及びジャンルの表示が見やすくなる。
所要時間と、滞在時間と、ジャンルの表示の切り換えの順番は、ユーザーが自由に選べるようにして、所要時間と、滞在時間と、ジャンルの中でのユーザーの優先度を反映させつつ観光ルート情報を表示するようにしてもよい。また、ユーザーによる選択操作の負担を軽減するために、予め決められた順番で表示の切り換えを自動的に行うようにしてもよい。
(5)前記観光ルート情報は、ユーザーによる書き換えを受け付けない構成とするようにするとよい。
観光ルート情報はユーザーによる書き換えを受け付けないので、ユーザーは観光ルート情報を編集する作業をいっさい行う必要がなく、時間あるいはジャンルの選択というシンプルな選択作業を行うだけで済む。このため、観光ルート情報を迅速に表示することが可能であり、観光エリアの主要な観光スポットさえ訪れることができれば満足であるユーザーのユーズを満たすことができる。
また、本発明は、例えば、以下の(6)〜(17)のように構成してもよい。
(6)観光ルートを表示手段に表示させる制御を行うシステムにおいて、前記観光ルートの要約情報を前記表示手段に表示させる制御を行う制御手段を有することを特徴とするシステム。
観光ルートとは、例えば、観光スポットを含む経路のことであるが、ユーザーがせっかく観光地に来ても、観光スポットを詳しく知らないことがある。このような状況で、ユーザーがガイドブックなどを参照しながら観光スポットを設定しなければならないとすると、ユーザーへの負担が大きく、不便である。また、観光スポットを詳しく知らないユーザーが、観光ルートを表示するシステムを利用しようとしても、観光スポットを知らないが故に、観光ルートを表示しようという気が起きず、使い勝手が悪い。
そこで、本システムでは、観光ルートの要約情報を表示することで、ユーザーに要約情報を認識させる。これにより、ユーザーに、要約情報の観点から観光ルートを意識させ、観光ルートに対するユーザーの興味や関心を喚起して、ユーザーに観光ルートの表示を利用させ易くする。
観光ルートの要約情報は、言ってみれば、食堂のメニューにおける「○○定食」の「○○」の部分のようなものであり、例えば、観光ルートの内容をある観点から抜粋して端的に表した情報であるとよい。
観光ルートの要約情報は、例えば、観光ルートを含む地域特性をユーザーにイメージさせ易いものであるとよい。地域特性の表示態様としては、例えば、地域特性を表す一般的な名称であればよく、例えば、「市街地コース」や「海コース」という文字の表示や、地域特性を表す代表的な画像などであるとよい。
また、観光ルートの要約情報は、例えば、観光ルートの推奨度合をユーザーにイメージさせ易いものであるとよい。観光ルートの推奨度合は、例えば、客観的又は主観的な指標を基準として設定されたものとするとよい。観光ルートの推奨度合を表す表示態様としては、例えば「絶対行くべき」や「一度は行きたい」といったキャッチフレーズ的なメッセージの表示や、例えば観光ルートの推奨度合を表す記号、例えば「◎、○、△」や、「A、B、C」、「☆」の数等とするとよい。
また、観光ルートの要約情報は、例えば、ユーザーの判断材料になり得る情報であってもよい。例えば、観光スポットの入場料など観光ルートで必要となる合計金額などとするとよく、そのような情報の表示態様としては、例えば数値であるとよい。
表示手段とは、例えば、ユーザーが視覚的に認識可能な表示ができるものとするとよい。例えば、種々のシステムに適用させる観点から、表示手段を表示画面とするとよい。
システムは、例えば車載用システムとするとよい。制御手段は例えば、その全てを車両内あるいは車両外に設けるようにしてもよいし、制御手段の一部を車両内に設け、その一部以外の部分を車両外に設けるようにしてもよい。また、制御手段は例えば、1つの制御部で実現してもよいし、複数の制御部で実現してもよい。
(7)前記観光ルートを予め設定したことを特徴とする(6)記載のシステム。
ルートに組み込まれる観光スポットがユーザーの希望通りではなくても、観光ルートを予め設定しておくことで、観光ルートの設定作業からユーザーを解放して、多数のユーザーに満足感を与えることができる。
観光ルートの設定は、例えば、観光ルートを含む地域の中で一般に観光スポットとして認識されている地点を、少なくとも1つ含んだ経路を、観光ルートとして設定するとよい。観光ルートの設定は、例えば固定されたルートであって、ユーザーからの編集を受け付けないようにしてもよい。観光ルートの編集作業をユーザーから受け付けないようにすることで、ユーザーに面倒な編集作業に強いることがなく、ユーザーに観光ルートの表示を利用させ易くする。
(8)前記制御手段は、前記観光ルートの要約情報として、前記観光ルートの所要時間又は所要時間に関する時間情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)または(7)に記載のシステム。
観光ルートの要約情報として観光ルートの所要時間を表示することで、所要時間の観点から観光ルートの内容をユーザーに意識させることにより、ユーザーが希望する所要時間を持つ観光ルートの表示をユーザーに促す。ユーザーは、自身の希望する所要時間を持つ観光ルートの表示を見ることで、所定の所要時間以内に観光ルートを辿ることができる。
所定の所要時間以内に何らかの観光ルートを辿ることができれば、十分満足であるというユーザーも多いので、所定の所要時間以内に観光ルートを辿ることに寄与することにより、多くのユーザーに高い満足感を与えることができる。観光ルートの所要時間は、観光スポットに詳しくないユーザーにとって、観光ルートを表示するときの判断材料としては特に有効である。
また、観光ルートの要約情報として観光ルートの所要時間を表示することで、ユーザーに、表示された所要時間を意識させるので、所要時間の設定操作をユーザーに実施させることがなく、面倒な設定操作が省略することができる。また、ユーザーに観光ルートの所要時間を意識させながら観光ルートを辿らせることができるので、観光ルートの途中でユーザーをせかせたり、あわてさせたりすることがなく、観光ルートを進む時の安全性が向上する。
観光ルートの所要時間は、例えば、観光ルート上の観光スポットでの滞在時間を含めたものであってもよい。また、観光ルートの所要時間は、例えば、所定の範囲を持つ所要時間帯ごとにグループ化してもよい。観光ルートの所要時間を所要時間帯ごとにグループ化することで、ユーザーに、所要時間を例えば秒といった細かい単位まで気にさせることがない。したがって、ユーザーに対し、観光ルートの所要時間を大まかに把握させることができ、良好な使用感を与えることができる。
グループ化された観光ルートの所要時間帯には、例えば、日単位や時間単位があり、時間単位としては例えば「3時間」、「5時間」、「7時間」などがある。例えば、観光ルートの所要時間帯を「3時間」とすれば、観光地に着いてからホテルにチェックインするまでの時間に観光を希望する場合や、ホテルをチェックアウトしてから次の目的地に向かうまでの時間に観光を希望する場合などに好適である。また、「5時間」とすれば、ユーザーが半日程度の観光を希望する場合などに好適であり、「7時間」とすれば、ユーザーが日中1日の観光を希望する場合などに好適である。
また、観光ルートの所要時間に関する時間情報としては、例えば、観光ルートの周遊が開始されてからの経過時間であってもよいし、例えば、所要時間が終了するまでの残り時間であってもよい。このような時間情報を表示することで、ユーザーに、所要時間の経過時間あるいは残り時間を意識させることができる。これにより、ユーザーによる観光ルートの周遊スピードの調整に寄与することができ、ユーザーに観光ルートを効率良く周遊させることができる。
さらに、観光ルートの所要時間に関する時間情報としては、例えば、観光ルートの所要時間が終了したことを示す情報でもよい。所要時間の終了情報を表示することによって、仮に観光ルートの周遊が終了する前に所要時間が終了したとき、観光ルートの周遊を続けるか、あるいは周遊を中断するかという判断をユーザーに促す。
なお、所要時間、所要時間の経過時間や残り時間の表示態様は、例えば、アナログ時間表示であってもデジタル時間表示であってもよく、表示・非表示も選択宜可能である。
(9)前記制御手段は、前記観光ルートの要約情報として、前記観光ルート上の観光スポットでの滞在時間又は滞在時間に関する時間情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルートの要約情報として観光スポットでの滞在時間を表示することで、滞在時間の観点から観光ルートの内容をユーザーに意識させることにより、所定の滞在時間を持つ観光ルートの表示をユーザーに促す。ユーザーは、自身の希望する滞在時間を持つ観光ルートの表示を見ることで、希望の滞在時間を観光スポットで過ごしつつ、観光ルートを辿ることができる。特定の観光スポットである程度の滞在時間を過ごせば満足であるというユーザーも多いので、所定の滞在時間を持つ観光ルートを辿ることに寄与することにより、多くのユーザーに満足感を与えることができる。また、ユーザーに、表示された滞在時間を意識させるだけで、観光スポットでの滞在時間を設定する操作を不要とし、作業性が向上する。
観光スポットの滞在時間は、例えば、所定の範囲を持つ滞在時間帯ごとにグループ化して表示してもよい。観光スポットの滞在時間帯ごとに表示することで、ユーザーに、滞在時間を例えば秒といった細かい単位まで気にさせることがなく、観光スポットの滞在時間をユーザーに大まかに把握させて、使用感の向上を図ることができる。
観光スポットの滞在時間帯としては、例えば「30分」、「1時間」、「1時間半」などがある。例えば、観光スポットの滞在時間帯を「30分」とすれば、観光スポットで行きたい場所を絞る場合などに好適である。また、「1時間」とすれば、観光スポットで行きたい場所が複数ある場合などに好適であり、「1時間半」とすれば、観光スポットで食事を済ませる場合などに好適である。
また、観光スポットの滞在時間に関する情報としては、例えば、滞在が開始されてからの経過時間であってもよいし、滞在時間が終了するまでの残り時間であってもよい。このような時間情報を表示することで、ユーザーに、滞在時間の経過時間あるいは残り時間を意識させることで、ユーザーに観光スポットでの観光時間の調整を促す。これにより、効率の良い観光スポットでの観光を実現させることができる。
さらに、観光スポットの滞在時間に関する情報としては、例えば、観光スポットの滞在時間が終了したことを示す滞在時間の終了情報でもよい。滞在時間の終了情報を表示することによって、観光スポットを見終わる前に滞在時間が終了したとき、観光スポットの観光を続けるか、あるいは観光を中断するかという判断をユーザーに促すことができる。
なお、滞在時間、滞在時間の経過時間や残り時間の表示態様は、例えば、アナログ時間表示であってもデジタル時間表示であってもよく、表示・非表示も選択宜可能である。
(10)前記制御手段は、前記観光ルートの要約情報として、前記観光ルートに含まれる観光スポットのジャンルを示す情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(9)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルートに含まれる観光スポットのジャンルを示す情報を表示することで、ジャンルの観点から観光ルートの内容をユーザーに意識させることにより、所定のジャンルを持つ観光ルートの表示をユーザーに促す。ユーザーに対し、ユーザー自身の希望するジャンルを持つ観光ルートを表示することで、好みに合ったジャンルの観光ルートを辿らせて、ユーザーに高い満足感を与えることができる。
観光スポットのジャンルは、例えば、階層構造であってもよく、上位の階層のジャンルとしては、例えば神社・仏閣、美術館・博物館、レストラン・食堂などがあり、レストラン・食堂の下位の階層としては、例えばそば屋などがある。これらジャンルを示す情報は、例えば、ジャンル名を含む文字情報や、ジャンルを一般的に代表的するような画像情報であるとよい。
(11)前記要約情報は、ユーザーからの編集を受け付けないように構成したことを特徴とする(6)〜(10)のいずれか1項に記載のシステム。
要約情報をユーザーからの編集作業を受け付けないように構成したことで、ユーザーに、
面倒な編集作業を強いる必要がなく、要約情報を表示するというシンプルな作業だけで済む。したがって、作業性が大きく向上する。
編集作業を不可とする要約情報は1つでも複数でもよい。すなわち、観光スポットの滞在時間は、昼食を食べたり、気に入ったスポットで長居をしたりすれば、当然、滞在時間の残り時間は短くなる。このような時間の過ごし方はユーザー自身が分かることなので、観光スポットでの滞在時間はあくまでも目安として捉えて、要約情報を固定してもよい。
例えば、編集できない固定した観光ルートの要約情報として、観光ルートの所要時間帯と観光スポットの滞在時間帯を設定する場合、例えば、観光ルートの所要時間帯が「3時間」であれば、観光スポットの滞在時間帯を「30分」と固定し、観光ルートの所要時間帯が「5時間」であれば、観光スポットの滞在時間帯を「1時間」と固定し、観光ルートの所要時間帯が「7時間」であれば、観光スポットの滞在時間帯を「1時間半」と固定するとよい。この場合、滞在時間の選択作業を省くことができる。また、所要時間帯の長さと滞在時間帯の長さとを対応させることで、両者のバランスが取れた観光ルートの周遊が可能となる。
(12)入力を受け付ける入力受付手段を有し、前記制御手段は、前記入力受付手段からの入力に応じた前記要約情報又は前記観光ルートを前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(11)のいずれか1項に記載のシステム。
入力受付手段が入力を受け付け、入力に応じた要約情報又は観光ルートを表示するので、要約情報又は観光ルートの表示が容易となる。
また、例えば、入力受付手段が受け付ける入力が要約情報であるとき、段階的に複数の要約情報の入力を受け付けることで、複数の要約情報に該当する観光ルートを表示する。例えば、入力受付手段がユーザーから観光ルートの所要時間として「3時間」を受け付け、さらに、観光スポットの滞在時間として「1時間」を受け付けると、これらの要約情報を満たす観光ルート、すなわち所要時間が「3時間」で滞在時間が「1時間」である観光ルートを表示する。
入力受付手段は、例えば、要約情報や観光ルートの選択するための情報を受け付けるとよい。入力は、例えば、電子機器に設けられたボタン、表示手段に設けられたタッチパネル、又はリモコンによって行うとよい。また、入力は、例えば、要約約情報を直接、文字や英数字で入力しても良いし、例えば、要約情報が表示された領域をタッチするようにしてもよい。
(13)前記制御手段は、複数種類の前記要約情報の表示を切り換えて前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(12)のいずれか1項に記載のシステム。
複数種類の要約情報を切り換えて表示することで、表示手段の中で要約情報の表示領域が占める割合が大きくなり、要約情報が見やすくなる。
要約情報の切り換えは、例えば、複数種類の要約情報を同時に同一の表示手段に表示し、ユーザーから要約情報の種類の選択を受け付けて要約情報の表示を切り換えるようにしてもよく、これによりユーザーの選択自由度を高めるようにしてもよい。また、例えば、要約情報の種類が表示される順番は固定とし、ユーザーから要約情報の種類の選択を受け付けると、次の要約情報の表示に自動的に切り換わるようにしてもよく、これにより作業性の向上を図ることができる。
(14)前記制御手段は、前記観光ルートが存在することを前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(13)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルートが存在することを表示することによって、ユーザーに、観光ルートの存在を意識させることができ、観光ルートに興味を向けさせることができる。これにより、ユーザーに、観光ルートの表示をより利用させ易くする。
観光ルートの存在を示す表示としては、例えば、「観光案内」といった文字を含む表示であるとよい。例えば、「観光案内」の表示が点滅あるいは点灯していれば、観光ルートが存在することを示し、「観光案内」の表示が消えている状態では、観光ルートが存在しないことを示すようにしてもよい。
また、観光ルートの存在を示す表示の表示タイミングは、例えば、ユーザーからの問い合わせ操作によって、観光ルートの存在を表示するようにしてもよいし、例えば、現在地の検知処理と合わせて、観光ルートの存在する地点に現在地が所定以上近づいた時、あるいは観光ルート上に現在地が達した時に、観光ルートの存在を表示するようにしてもよい。
(15)前記制御手段は、予め設定された主要スポットを含む前記観光ルートを、前記主要スポットを含まない前記観光ルートよりも優先して前記表示手段に表示させることを特徴とする(6)〜(14)のいずれか1項に記載のシステム。
予め設定された主要スポットとは、例えば、観光地において認知度の高い施設や場所である。また、主要スポットは例えば、観光ルート上に1つであってもよいし、複数であってもよい。主要スポットの表示態様としては、主要スポットの名称を含む文字情報や位置情報、主要スポットの画像情報などがよい。
このような主要スポットを含む観光ルートを、主要スポットを含まない観光ルートよりも優先して表示することで、ユーザーが観光ルートについての予備的な知識が少なくても、ユーザーに認知度の高い主要スポットを持つ観光ルートを気づかせる可能性が高くなる。したがって、ユーザーに高い満足度を与えることができる。
(16)現在地を検出する現在地検出手段を有し、前記現在地が予め設定された主要スポットであるとき、当該主要スポットを除いて観光ルートを表示することを特徴とする(6)〜(15)のいずれか1項に記載のシステム。
既に到着している現在地が主要スポットであれば、その主要スポットへ向かうルートを表示することは不要なので、その主要スポットを除いた観光ルートを表示することで、観光ルートの表示効率を高めることができる。
(17)前記観光ルートを案内する観光ルート案内制御手段、を有することを特徴とする(6)〜(16)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルートの案内を実施することで、観光ルートをスムーズに周遊させることができる。観光ルートの案内は、例えば、観光ルートの全行程を表示しながら、案内を行ってもよい。このように観光ルートの全行程を表示することで、観光ルートをどこまで進んだのかがユーザーに把握させることができる。
また、観光ルートの案内は、例えば、観光ルート上の1つの観光スポットから次の観光スポットまでの行程だけを案内し、その行程の終点である観光スポットに到着した時点で、その観光スポットから次の観光スポットまでの行程を案内するようにしてもよい。このように観光ルートの部分的に行程を表示することで、観光ルートの一部を大きく表示して良好な視認性が得られる。
さらに、本発明は、例えば、以下の(18)〜(28)のように構成してもよい。
(18)前記所要時間を5つ以下の時間帯に分け、前記制御手段は前記時間帯を表示することを特徴とする(1)〜(17)のいずれか1項に記載のシステム。
観光にかかる所要時間を5つ以下の時間帯にして表示することで、選択肢の数を5つ以下に絞るので、ユーザーは希望する所要時間の時間帯を容易に選択することができる。時間帯の表示数は望ましくは2乃至3であって、これによりユーザーによる選択操作を迅速に実施させることが可能となる。
(19)前記所要時間の時間帯を2時間ごとに設定することを特徴とする(1)〜(18)のいずれか1項に記載のシステム。
所要時間の時間帯は、下記の実施形態では、3時間、5時間、7時間というように設定しており、次のような場合に好適である。すなわち、所要時間帯を「3時間」とした観光ルート情報を表示すれば、観光地に着いてからホテルにチェックインするまでの時間に観光を希望する場合や、ホテルをチェックアウトしてからの空き時間に観光を希望する場合などに好適である。
また、「5時間」とした観光ルート情報を表示すれば、ユーザーが半日程度の観光を希望する場合などに好適であり、「7時間」とした観光ルート情報を表示すれば、ユーザーが日中1日の観光を希望する場合などに好適である。このように所要時間の時間帯を2時間ごとに設定することで、観光に使う時間配分をユーザーに示唆することができる。
(20)前記滞在時間を5つ以下の時間帯に分け、前記制御手段は前記時間帯を表示することを特徴とする(1)〜(19)のいずれか1項に記載のシステム。
観光スポットでの滞在時間を5つ以下の時間帯にして表示することで選択肢の数を絞っている。このため、ユーザーは希望する時間帯を容易に選択することができる。滞在時間帯の表示数は望ましくは2乃至3であって、これによりユーザーによる選択操作を迅速に実施させることが可能となる。
(21)前記滞在時間の時間帯を30分ごとに設定することを特徴とする(1)〜(20)のいずれか1項に記載のシステム。
滞在時間の時間帯を30分ごとに設定することで、観光スポットでの滞在時間をユーザーにおおまかに意識させることができる。例えば滞在時間帯を、30分、1時間、1時間半というように設定すると、次のような場合に好適である。
すなわち、滞在時間帯を「30分」とした観光ルート情報を表示すれば、見学ポイントなどを少なくした短時間の滞在をユーザーが希望する場合に好適である。また、「1時間」とした観光ルート情報を表示すれば、見学などにある程度の時間をユーザーが取りたい場合に好適である。「1時間半」とした観光ルート情報を表示すれば、食事を含めた長時間の滞在をユーザーが希望する場合に好適である。
(22)前記観光スポットでの滞在時間を前記所要時間に応じて固定化することを特徴とする(1)〜(21)のいずれか1項に記載のシステム。
観光スポットの滞在時間は、昼食を食べたり、気に入ったスポットで長居をしたりすれば、当然、滞在時間の残り時間は短くなる。このような観光スポットでの時間の過ごし方はユーザー自身が分かることである。そこで、観光スポットでの滞在時間はあくまでも目安として捉え、観光スポットでの滞在時間を所要時間に応じて固定化することで、「滞在時間の選択」という操作を省くことができる。
観光スポットの滞在時間を所要時間に応じて固定化する場合、例えば、所要時間が「3時間」であれば滞在時間を「30分」、所要時間が「5時間」であれば滞在時間を「1時間」、所要時間帯が「7時間」であれば滞在時間を「1時間半」と固定するとよい。この場合、所要時間の長さと滞在時間の長さとが比例しており、所要時間と滞在時間とのバランスが良い観光が可能となる。
(23)前記制御手段は、前記所要時間の選択を受け付けた後、前記所要時間の表示を前記観光ルート情報の表示に切り換えることを特徴とする(1)〜(22)のいずれか1項に記載のシステム。
所要時間の選択を受け付けた後に、観光ルート情報に切り換えて表示することで、所要時間及び観光ルート情報の表示領域を大きくすることができ、所要時間及び観光ルート情報を見やすくすることができる。
(24)現在地を検出する現在地検出手段を有し、前記現在地が前記観光ルート情報に含まれる観光スポットに該当するとき、当該観光スポットを除いた観光ルート情報を表示することを特徴とする(1)〜(23)のいずれか1項に記載のシステム。
ユーザーが既に到着している現在地が観光スポットであれば、その観光スポットへと向かう観光ルート情報をユーザーが採用する可能性は低い。そのため、現在地が観光ルート情報に含まれる観光スポットに該当した場合は、このような観光スポットを除いた観光ルート情報を表示する。これにより、観光ルート情報の表示効率を高めることができる。
(25)前記観光ルート情報が示す観光ルートの経路案内制御を行うことを特徴とする(1)〜(24)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルートの経路案内制御を行うことで、スムーズな観光が可能である。例えば、観光ルートの全行程を表示しながら、経路案内を行うようにしてもよい。観光ルートの全行程を表示することで、観光ルートをどこまで進んだのかを、ユーザーに容易に把握させることができる。
また、例えば、観光ルート上の1つの観光スポットから次の観光スポットまでの行程だけを案内し、その行程の終点である観光スポットに到着した時点で、その観光スポットから次の観光スポットまでの行程を案内するようにしてもよい。このように観光ルートの部分的に行程を表示することで、観光ルートの一部を大きく表示して良好な視認性が得られる。
(26)前記制御手段は、前記観光ルート情報が存在することを表示することを特徴とする(1)〜(25)のいずれか1項に記載のシステム。
観光ルート情報が存在することを表示することによって、ユーザーに、観光ルート情報の存在を意識させることができ、観光ルート情報に興味を向けさせることができる。これにより、ユーザーに、観光ルート情報の表示を利用させ易くする。
観光ルート情報の存在を示す表示としては、例えば、「観光案内」といった文字を含む表示であるとよい。例えば、「観光案内」の表示が点滅あるいは点灯していれば、観光ルート情報が存在することを示し、「観光案内」の表示が消えている状態では、観光ルート情報が存在しないことを示すようにしてもよい。
また、観光ルート情報の存在を示す表示の表示タイミングは、例えば、ユーザーからの問い合わせ操作によって、観光ルート情報の存在を表示するようにしてもよいし、例えば、現在地の検知処理と合わせて、観光ルート情報の存在する地点に現在地が所定以上近づいた時、あるいは観光ルート情報上に現在地が達した時に、観光ルート情報の存在を表示するようにしてもよい。
(27)前記観光ルート情報は、表示に関する優先度が設定された観光スポットを含み、前記制御手段は、前記優先度に基づいて前記観光ルート情報を表示することを特徴とする(1)〜(26)のいずれか1項に記載のシステム。
観光スポットにおいて表示に関する優先度を予め設定しておき、優先度の高い観光スポットを含む観光ルート情報を、優先度の低い観光スポットを含む観光ルート情報よりも優先して表示する。優先度の高い観光スポットとは、例えば、観光エリアにおいて有名な観光スポットである。これにより、ユーザーは、観光エリアの予備的な知識が少なくても、有名な観光スポットを観光することができ、高い満足度を得ることができる。
(28)本発明のプログラムは、上記の(1)〜(27)のいずれかに記載のシステムにおける前記制御手段としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成するとよい。
本発明によれば、例えば、観光スポットや観光ルートの生成条件に関する設定作業を省き、観光ルートを生成する必要がないので、簡単且つ迅速に観光ルートの情報を表示可能であり、使用感が向上する。
[電子機器の構成]
図1、図2は、本発明のシステムを構成する電子機器として好適な一実施形態であるレーダー探知機1を示している。図1(a)は、レーダー探知機1の前面(車両後方(運転者側)に向く面)側の斜視図、図1(b)は背面側の斜視図である。図2は、レーダー探知機1のブロック図である。
レーダー探知機1は、薄型矩形状のケース本体2を備え、そのケース本体2の背面側下方に取り付けられたブラケット3を用いて車両のダッシュボード上等に貼り付けて固定される。
ケース本体2の前面(車両後方(運転者側)に向く面)には、表示器5を備える。表示器5は、3.2インチのカラーTFT液晶ディスプレイで構成する。この表示器5上には、表示器5のどの部分がタッチされたかを検出するタッチパネル6を備える。また、ケース本体2の前面の右サイドには音量調整ボタン7が配置され、同左サイドには各種の作業用ボタン8が配置される。
ケース本体2の右側面には、着脱可能な記録媒体としてのメモリカード11を装着するためのカード挿入口9を備え、ケース本体2内のカード挿入口9の内側にメモリカードリーダ10が内蔵される。このカード挿入口9からメモリカード11を挿入することで、そのメモリカード11はメモリカードリーダ10に装着される。メモリカードリーダ10は、装着されたメモリカード11に格納されたデータを内部に取り込む。より具体的には、メモリカード11に格納されたデータは、新規な警報対象(ターゲット)の情報(経度・緯度等の位置情報、種別情報等)などの更新情報があり、その更新情報が制御部18の制御により装置に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)され、データ更新がされる。
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。なお、データベース19には、出荷時に地図データ並びに一定の警報対象に関する情報が登録されており、その後に追加された警報対象についてのデータ等が上記のようにしてデータ更新される。
ケース本体2の背面側中央上方の内部にGPS受信器13を配置し、さらにその横にマイクロ波受信器14、無線受信器15を配置する。GPS受信器13は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、現在位置(経度・緯度)情報を出力する。マイクロ波受信器14は、速度測定装置から出射される所定周波数のマイクロ波を受信する。無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。ケース本体2内の下方には、スピーカ16も内蔵している。スピーカ16のスピーカ口は、ケース本体2の底面に設けている。
ケース本体2の側面側下方には、DCジャック12を配置する。このDCジャック12は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続されて電源供給を受け得るようにする。
ケース本体2の前面には、上記の表示器5に加えて、ランプ31、リモコン受信器32、赤外線通信機34を配置している(図1では省略)。ランプ31は、警報の種類・緊急度に応じて、種々の色で光って警告する。リモコン受信器32は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)33とデータ通信をし、本装置に対する各種の設定を行なう。赤外線通信機34は、携帯電話機35等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間で、データの送受を行なう。
また、ケース本体2内には、地磁気センサ36、加速度センサ37を備える。地磁気センサ36は、地磁気を検出して北方向が進行方向に対してどの方向にあるかを検出するセンサである。加速度センサ37は、車両の前後、左右、上下の加速度を検出するセンサである。
また、本実施形態のレーダー探知機1は、車両に実装されているOBD−II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「OBD−II」を「OBD2」と記す)コネクタに接続する接続ケーブル22を備えている。この接続ケーブル22の先端には、車両のOBD2コネクタに着脱自在に装着できるコネクタ端子23が取り付けられている。OBD2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。
接続ケーブル22の他端には、レーダー探知機1のケース本体2の側面に設けたソケット口24と接続するためのコネクタ端子25が設けられており、レーダー探知機1に対しても接続ケーブル22を着脱できるようにしている。もちろん、接続ケーブル22をレーダー探知機1に直接接続するようにしてもよい。
接続ケーブル22に取り付けられたコネクタ端子23と、車両本体側のOBD2コネクタとを連結することで、制御部18は、各種の車両情報を0.5秒おきに取得する。この車両情報としては、例えば、車速、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル度、点火時期、残り燃料の割合、インテークマニホールドの圧力、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)、エンジンに吸気される空気の温度(吸気温度)、車外の気温(外気温度)、燃料タンクの残り燃料の量(残燃料量)、燃料流量、瞬間燃費、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ブレーキ開度、ハンドルの回転操舵角情報等がある。
制御部18は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるコンピュータであり、上述した各部と接続され、各種の入力機器(タッチパネル6、GPS受信器13、マイクロ波受信器14、無線受信器15等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示器5,スピーカ16等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。例えば音声の出力は、音声のPCMデータを、不揮発性メモリであるEEPROM上に記憶しており、制御部18はこのPCMデータを再生してスピーカ16から音声を出力する。
[電子機器の基本機能]
本実施形態のレーダー探知機1における機能は、制御部18であるコンピュータが実行するプログラムとして、制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18が有するコンピュータが実行することで実現する。制御部18が有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、GPSログ機能、待ち受け画面表示機能、マップ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、ナビゲーション機能などがある。
[GPSログ機能]
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器13によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶する機能である。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する。
[待ち受け画面表示機能]
待ち受け画面表示機能は、所定の待ち受け画面を表示器5に表示する機能である。図3(a)は、待ち受け画面の一例を示しており、ここではGPS受信器13によって検出した自車両の速度、緯度、経度、高度を示している。
[マップ表示機能]
マップ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器13によって検出した現在位置に基づき、データベース19にアクセスし、そこに記憶されている地図データを読み出して表示する機能である。また、マップ表示機能は、現在位置の周囲の警報対象をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、周囲に警報対象が存在する場合に地図上の該当する位置にその警報対象を示す情報(ターゲットアイコン112等)を重ねて表示する機能も備える。具体的な表示態様は、以下の通りである。
制御部18は、表示器5のほぼ全面のメイン表示領域R1に、車両の進行方向が常に上を向くように地図を表示する。制御部18は、メイン表示領域R1の下側中央が現在の自車位置になるように地図を表示するとともに、当該位置に自車アイコン111を表示する。
制御部18は、メイン表示領域R1の上方側に設定されたステータスエリアR2に、ステータス情報を表示する。ステータスエリアR2に表示するステータス情報は、左から順に、現在時刻121(図では、「15:10」),GPS電波受信レベル表示アイコン122(図では、長さの異なる3本の直線が平行に起立した最大受信レベル),駐車禁止エリアアイコン123(駐車最重点エリア,駐車重点エリア内のときに表示),レーダーの受信感度を示す受信感度モード表示アイコン124(図では、最高感度の「SE」)、車両速度125(図では「30km/h」)、方位磁針126となっている。ステータスエリアR2は、透明な領域とし、メイン表示領域R1のレイアよりも上のレイアを用いて配置する。これにより、ステータスエリアR2内でも、ステータス情報が表示されていない場所では、下側に位置する地図が視認できる。
制御部18は、メイン表示領域R1の左サイドに設定されるスケール表示領域R3に、現在のスケール情報(縮尺)を表示する。スケールは、自車位置を0mとし、その自車位置からメイン領域R1の上下方向の中間位置までの距離(図では「500」)と、上方位置までの距離(図では「1000」)を表示する。単位は、「m」である。制御部18は、メイン表示領域R1が2回連続してタッチされたことを検知すると、メイン表示領域R1内の所定位置(スケール表示領域R3に添う位置)に地図スケール変更ボタンを表示し(図示省略)、その地図スケール変更ボタンに対するタッチに応じて地図スケールを変更する。つまり、制御部18は、変更した地図スケールの縮尺に合わせてメイン表示領域R1に表示する地図の縮尺を変更すると共に、スケール表示領域R3に表示するスケール情報も変更する。
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中に、表示器5への1回のタッチを検知した制御部18は、メニュー画面を表示する。そのメニュー画面中に用意された画面切り替えボタンがタッチされたことを検知した制御部18は、図3(b)に示すようなマップ表示機能に切り替える。同様にマップ表示機能実行中に表示器5への1回のタッチを検知した制御部18は、メニュー画面を表示する。そのメニュー画面中に用意された画面切り替えボタンがタッチされたことを検知した制御部18は、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
制御部18は、待ち受け画面表示機能、マップ表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能、ナビゲーション機能等の各機能を実現する処理を実行し、当該機能の処理終了時には元の待受機能の処理に戻る。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能、ナビゲーション機能の順に設定している。
[GPS警報機能]
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された警報対象の緯度経度とGPS受信器13によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離になった場合に、表示器5に図4(a)に示すような警報画面であるGPS警報表示130(警報対象の模式図・残り距離等)をし、スピーカ16からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
こうした警報対象としては、居眠り運転事故地点、速度測定装置(レーダー式、ループコイル式、Hシステム、LHシステム、光電管式、移動式等)、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内 ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示器5に表示する模式図または写真のデータと音声データとを対応付けてデータベース19に記憶している。
図4(a)は、レーダー波警報機能の表示例を示している。このレーダー波警報機能は、マイクロ波受信器14によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示器5に対して警報画面であるGPS警報表示131を表示するとともに、スピーカ16から警報音を出力する警報機能である。例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器14によって検出された場合に、図4(b)に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示器5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ16から出力する。表示する距離は、例えば、電界強度から推定した距離とするとよい。
[無線警報機能]
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示器5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ16からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。
[ナビゲーション機能]
ナビゲーション機能は、ユーザーが設定した目的地までの経路を生成して、この経路を案内する機能である。ナビゲーション機能において、GPS受信器13はGPS衛星からGPS信号を受信し、受信信号を現在地検出用のデータの1つとして制御部18に送る。制御部18は、GPS受信器13からGPS信号を受け取ることで現在地を検出する。
制御部18は、データベース19に格納した地図情報を読み出し、現在地周辺の地図及び現在地を示すマークを表示器5の表示画面に表示する。また、ユーザーが、タッチパネル6に表示した目的地設定ボタンに触れるなどして目的地の設定操作を行うと、制御部18はデータベース19に格納した道路ネットワーク情報を利用し、所定の演算を行って現在地から目的地までのルートを生成する。さらに、制御部18は表示器5及びスピーカ16を利用して、このルートの案内を行う。レーダー探知機1はナビゲーション機能を持つことから、カーナビ装置として機能する。
[観光案内機能]
本実施形態のレーダー探知機1は、上記のような基本機能に加えて、制御部18がプログラムを実行することにより、観光ルートを案内する観光案内機能を実現する。観光案内処理とは、予め定められたスタート地点から、目的地となる複数の観光スポットを、決められた順路に沿って車両を案内する処理である。
制御部18は「観光案内」と表示されたボタン(以下、観光案内ボタンと呼ぶ)を、タッチパネル6上に表示する。ユーザーが観光案内ボタンに触れたと判定すると、制御部18は、観光案内処理を開始する。データベース19は予め設定された観光ルート情報を格納しており、制御部18はデータベース19から観光ルート情報を取得して、観光ルート情報を利用して観光案内処理を行う。
図5を用いて観光ルート情報の内容について説明する。図5に示すように、所定の観光エリア(図5では岡崎市)には複数の観光ルート情報が予め設定され、データベース19に格納されている。観光ルート情報には、観光ルートに対して名付けられるコース名(コースA、コースBなど)、観光スポットの一般的な名称(岡崎城や滝山東照宮など)が含まれる。
また、観光ルート情報には観光ルートの周遊に要する所要時間が含まれる。観光ルートの所要時間とは、観光ルートの周遊に費やすと予想される時間である。本実施形態の観光案内機能では、観光ルートの所要時間の長さに着目し、所要時間をいくつかの所要時間帯にグループ化した上で、観光ルート情報がデータベース19に予め格納されている。
本実施形態では観光ルートの所要時間を2時間ごと3つのグループに分類する。すなわち、観光ルートの所要時間について、2時間以上4時間未満を「3時間」という所要時間帯、4時間以上6時間未満を「5時間」という所要時間帯、6時間以上8時間未満を「7時間」という所要時間帯に、分類する。
観光ルートの所要時間には、観光ルート上の各観光スポットでの観光時間が包含される。各観光スポットでの観光時間とは、ユーザーがその観光スポットに滞在して観光に当てると見込まれる時間である。つまり、所要時間は、{(観光スポットの数×観光時間)+(観光スポット間の移動時間)}となる。
観光時間は、所要時間帯ごとに長さが固定されている。本実施形態では「3時間」の所要時間帯のときに「30分」とし、そこから30分刻みに設定されている。つまり、「5時間」の所要時間帯では観光時間は「60分」、「7時間」の所要時間帯では「90分」と、それぞれ設定されている。
以上のような内容を持つ観光ルート情報は、ユーザーからの編集処理を受け付けないように構成されている。そのため、ユーザーからの入力操作によって、観光ルート上の観光スポット、観光スポットを廻る順番、観光ルートの所要時間等を、任意に変更することができないようになっている。
そもそも、本実施形態は、ユーザー自身による観光ルートの生成作業の面倒さを解消するためのものであり、ユーザーが観光スポットを積極的に設定する意志はないことを前提としている。そこで、本実施形態では、観光ルートを予め設定し、その編集を不可としている。この点について、案内する経路を食事のメニューに喩えるとするならば、本実施形態に係る観光ルートは、食べるものが予めセットされた「定食」のようなものである。
これに対して、ユーザーが行きたい目的地を選んで生成する経路は、ユーザーが食べたいものだけを選ぶ「アラカルト」のようなものである。なお、観光ルート情報はユーザーからの編集処理を受け付けることはないが、先に述べた警報対象(ターゲット)の情報と同様、最新の観光ルート情報を外部からデータベースに取り込み、観光ルート情報のデータ更新を行うことは可能である。
制御部18は、データベース19から所要時間帯ごとに分類された観光ルート情報を取得すると、取得した観光ルート情報の中から、所要時間帯を表す情報だけを、タッチパネル6上に並べて表示するようになっている。具体的には、制御部18は、「3時間」、「5時間」、「7時間」という表示ボタンをタッチパネル6上に表示する。これらの表示ボタンの表示画面が、ユーザーから見て所要時間帯の選択画面となる。
ユーザーがタッチパネル6を利用して所要時間帯を選択すると、制御部18は、所要時間帯の選択を受け付け、受け付けた所要時間帯に属する複数の観光ルートを、タッチパネル6上に並べて表示するようになっている。具体的には、制御部18は、観光ルートのコース名及びそのコースに含まれる観光スポット群をタッチパネル6上に表示する。この観光ルートの表示画面が、ユーザーから見ると、観光ルートの選択画面となる。
タッチパネル6へのタッチ操作によりユーザーが観光ルートを選択すると、制御部18は、観光ルートの選択を受け付け、表示画面を切り替えて、選択された観光ルートの概要や観光スポットに関する情報を、表示器5に表示する。と同時に、制御部18は、観光ルートの案内開始ボタン、表示された観光ルートの前後に存在する前コース選択ボタン及び後コース選択ボタンを、タッチパネル6上に表示する。ユーザーがタッチパネル6を利用して案内開始ボタンをタッチ操作すると、制御部18は、案内開始を受け付け、表示器5による表示出力やスピーカ16からの音声出力を利用して、観光ルートの案内を開始することができる。
[観光案内処理を行う操作]
本実施形態では、観光案内処理を行う操作は、ナビゲーション処理を行う画面から選択される。以下、図6のフローチャート及び図7〜図15の画面表示例を用いて、観光案内処理を具体的に説明する。
図7はマップ表示機能を実施中の画面表示例である。この図7に示すように、制御部18は、マップ表示機能を実施中の画面左側のタッチパネル6上に、ナビゲーション機能を選択するためのナビボタン40を表示する。ユーザーがタッチパネル6上のナビボタン40をタッチ操作すると、制御部18は、表示器5の画面表示を切り替え、任意の地点を検索する地点検索ボタン41、周辺施設を検索する周辺施設ボタン42及び観光案内ボタン43を表示して、ナビゲーション機能の開始画面とする(図8参照)。
[ナビゲーション処理]
ナビゲーション機能の開始画面において、ユーザーがタッチパネル6上に表示された地点検索ボタン41をタッチしたことを検出すると、制御部18は、タッチによって地点検索処理を開始して、現在地から検索地点までの経路を探索する。
また、ユーザーがタッチパネル6上の周辺施設ボタン42をタッチしたことを検出すると、制御部18は、タッチによって周辺施設の検索処理を開始して、現在地から周辺施設までの経路を探索する。制御部18は、このようにして探索した経路の案内を実施することでナビゲーション機能を実現する。
[観光案内処理]
ユーザーがタッチパネル6上の観光案内ボタン43をタッチしたことを検出すると、制御部18は観光案内処理を開始する。まず、制御部18は、観光ルート情報をデータベース19から取得し、その中の所要時間帯に関する情報を、タッチパネル6上に表示する(図6のS11、図9参照)。図9の画面表示例では、所要時間帯として、例えば「3時間」、「5時間」、「7時間」という表示を持つ時間帯表示ボタン44〜46を、タッチパネル6上に表示する。
続いて、ユーザーがタッチパネル6上の時間帯表示ボタン44〜46のいずれかをタッチしたことを検出すると、制御部18はこれを受け付けて所要時間帯を決定し(図6のS12)、ユーザーの希望する所要時間帯に属する観光ルートを、複数表示する(図6のS13)。例えば、図9にて「5時間」の表示ボタン45をタッチしたことを検出すると、図5に示した観光ルート情報の内容をデータベース19から読み出し、所要時間帯が5時間である3つの観光ルートについて、観光ルート情報の内容を表す観光ルート表示ボタン47〜49を、タッチパネル6上に表示する(図10参照)。
これら観光ルート表示ボタン47〜49によって観光ルートが3コース存在することを表示する。制御部18は、観光ルート表示ボタン47〜49の表示領域において、各観光ルートのコース名及びコースに含まれる観光スポットの名称に加えて、各コースの走行距離及び詳細な所要時間を表示する。
ユーザーがタッチパネル6上の観光ルート表示ボタン47〜49のいずれかをタッチしたことを検出すると、制御部18は、ユーザーのタッチ操作を受け付けて観光ルートを決定し(図6のS14)、決定した観光ルートの情報の内容をデータベース19から読み出し、観光ルートの詳細をタッチパネル6上に表示する(図6のS15)。図10において観光ルート表示ボタン47をタッチすると、表示器5の表示画面は、図10の画面表示例から、図11に示した画面表示例に切り替わる。
図11の画面表示例では、制御部18は、目的地1〜3を含む観光ルートのコース概要や、観光スポットに関する情報の内容を、データベース19から読み出し、読み出したコース概要や情報の内容を表示器5の表示画面に表示する。また、図11の画面表示例では、制御部18は、観光ルートの案内開始ボタン50、前コース選択ボタン51及び次コース選択ボタン52をタッチパネル6上に表示する。
図11に示した画面表示例では、ユーザーが次コース選択ボタン52をタッチしたことを検出した場合の例を示しており、このタッチ操作の検出の結果、図12に示したコースBの画面表示に切り替わる。既に述べたように観光ルートにはスタート地点を設定してあるので、観光ルートの案内開始に際して、ユーザーは観光ルートのスタート地点まで車両を走行させる。
このとき、現在地から観光ルートのスタート地点まで、ナビゲーション機能を利用することも可能である。この場合、観光ルートの起点を目的地として設定して経路を探索して、経路案内を受けつつ、そこに向かうようにしてもよい。車両が観光ルートのスタート地点に到着した後、タッチパネル6上の案内開始ボタン51をユーザーがタッチ操作する。
この操作により、制御部18は、観光ルートの案内を開始する(図6のS16、図13参照)。観光ルートの案内は、通常のナビゲーション機能による経路案内と同様である。すなわち、図13に示すように、制御部18は、表示器5の表示画面上に、自車位置及び自車位置周辺の地図情報、最初の目的地1である観光スポットの位置を表示して、現在地から、観光ルート上の最初の目的地1までの経路を案内する。
車両が観光ルートに沿って進み、制御部18が、GPS受信器13等から取得する情報によって、自車が目的地である観光スポットに到達したことを検知し(図6のS17のYes)、そこが観光ルートの最終目的地でないことを確かめてから(図6のS18のNo)、観光スポットに到着した旨のメッセージと、観光スポットでの観光時間を、表示器5の表示画面上に表示する(図6のS19、図14参照)。
ユーザーが観光スポットに向かうために車両から降りる場合、ユーザーがキーオフボタン58をタッチしたことを検出すると、制御部18はこれを受け付けて、ユーザーがキーオフボタン58をタッチした時点からの経過時間すなわち観光案内処理の中断時間の計測を開始する。制御部18は、観光スポットでの観光を終えたユーザーが車両に戻り所定の操作を行ってレーダー探知機1の再スタート操作を行うことを検知すると、観光案内の中断時間の計測を終了し、この中断時間が予め設定された所定時間内か否かを判定する(図6のS20)。ここでの所定時間は、観光スポットでの観光時間(図14では1時間)となる。
前記中断時間が所定時間内であれば(図6のS20のYes)、制御部18は、ユーザーが観光スポットでの観光を予め設定された1時間以内に終えて車両に戻ってきたと判断し、観光案内処理を継続してS17に戻る。前記中断時間が所定時間を超過している場合は(図6のS20のNo)、制御部18は、表示器5の表示画面上に観光案内を継続するか否かをユーザーに確認するメッセージを表示して(例えば、後述する図19に示すような画面を表示することができる)、ユーザーからの入力に基づいて、ユーザーが観光案内を継続するか否かを判断する(図6のS21)。制御部18がユーザーから観光案内を継続しない旨の信号を受け付けると(図6のS21のNo)、観光案内を途中で終了する(図6のS23)。
制御部18がユーザーから観光案内を継続する旨の信号を受け付けると(図6のS21のYes)、制御部18は、表示器5の表示画面上に自車位置周辺の地図情報や、次に向かう目的地2である観光スポットの位置を表示して、観光ルートの案内を継続してS17に戻る。そして、制御部18は自車が次の目的地の観光スポットに到達したことを検知すると、再び到着メッセージと観光時間を表示画面上に表示する。
以上のようして、図6のS18からS21を繰り返し、到着した観光スポットから次の観光スポットまでの観光ルートを、順次案内する。制御部18は、観光ルートにおける最終の観光スポットへ到着した場合(図6のS18のYes)、そこへの到着、観光時間及び観光ルートが終了した旨の表示を行った後(図6のS22)、観光ルートの案内処理を終了する。
観光案内処理の流れをまとめると、「所要時間帯の表示(S11)→所要時間帯の決定(S12)→観光ルートの複数表示(S13)→観光ルートの決定(S14)→観光ルートの詳細表示(S15)→観光ルートの案内開始(S16)→観光スポット到着の表示(S19)→観光案内の中断時間の確認(S20)→観光案内の継続の確認(S21)→最終観光スポット到着及び観光ルート終了の表示(S22)」となる。
[作用効果]
本実施形態によれば、所要時間帯ごとにグループ化した観光ルート情報を取得するので、ユーザーがわざわざ観光スポットを選択して観光ルートを生成する必要がなく、ユーザーを面倒な目的地設定作業から開放することができる。そのため、有名な観光スポットしか知らないユーザーであっても、ガイドブック等を綿密に調べることなく、効率よく観光を行うことが可能である。
上述したように、観光客の中には、食事を注文するときの「アラカルト」のように、いちいち観光スポットを選ぶことよりも、「定食」のように、安定した人気コースを試すだけで十分であるという人も多い。つまり、ガイドブック等を見ながらいちいち観光スポットを選ぶことが面倒であると感じる人たちも多数存在する。このような人たちにとっては、所要時間帯を選ぶだけで観光ルートを提示する本実施形態は、特に便利である。
また、本実施形態では、観光スポット到着時に、当該観光スポットにおける観光時間を目安として表示する。そのため、ユーザーに、観光スポットでの滞在時間を意識させることができ、観光時間のルートを効率良く、周遊させることが可能となる。
ただし、観光ルートの所要時間に含まれる観光時間は、あくまでも目安なので、観光スポットでどれくらいの時間を過ごすのかは、その時の状況によって変わる。つまり、目安とした観光時間通りにユーザーが観光を終えるとは限らず、ユーザーが観光スポットで昼食を食べたり、気に入った場所で長居をしたりすれば、観光時間は長くなるし、反対に、観光スポットが空いていて観光が早く済んでしまえば、観光時間は短くなる。
このような事態は観光スポットに着き、実際に観光をしてみなければ分からないことである。したがって、観光案内処理をスタートする時点で、仮にユーザーが観光時間を選択したとしても、選択した観光時間がそのまま活かされないことも多い。そこで、本実施形態においては、所要時間に含まれる観光時間を選択式とするのではなく、あえて固定式にしている。
すなわち、本実施形態では、観光時間の選択自由度を確保するのではなく、ユーザーが観光時間を選ぶ手間を省いて、選択作業の軽減化を優先させている。しかも、本実施形態に係る観光ルート情報は、ユーザーからの編集を受け付けないので、ユーザーは所要時間帯の選択作業だけで良い。このため、本実施形態によれば、選択作業の軽減化を極力進めることができ、観光ルート情報を迅速に表示することが可能である。
さらに本実施形態においては、観光ルートの所要時間帯として、2時間おきである「3時間」、「5時間」、「7時間」という時間帯を設定している。そのため、ユーザーに、所要時間を秒や分という細かい単位まで気にさせることがなく、観光ルートの所要時間を大まかに把握させて、良好な使用感を与えることができる。
また、これらの所要時間帯は、1日の観光に要する所要時間帯の選択肢として適切である。すなわち、観光ルートの所要時間帯として「3時間」を選択した場合、午前中や、昼食後から夕方にかけて観光する観光ルートに適している。観光ルートの所要時間帯として「5時間」を選択した場合には、1回の食事の時間を含めて観光を行う場合などに好適である。観光ルートの所要時間帯を「7時間」とすれば、ユーザーが日中1日の観光を希望する場合に最適である。
さらに、本実施形態における観光時間は、所要時間帯が「3時間」であれば「30分」、所要時間帯が「5時間」であれば「60分」、所要時間帯が「7時間」であれば「90分」というように、所要時間の長さに比例して固定している。つまり、短い所要時間帯であれば観光時間も少なく、長い所要時間帯であれば観光時間も多くなる。したがって、観光時間と所要時間とのバランスが取れた観光ルートが提供することができる。
また、本実施形態における観光ルートの案内は、観光ルート上の1つの観光スポットから次の観光スポットまでの経路を案内し、その経路の終点である観光スポットに到着した時点で、その観光スポットから次の観光スポットまでの経路を案内する。このため、観光ルートを観光スポットで区切って表示することになり、表示器5の表示画面に観光ルートの一部を大きく表示することができ、良好な視認性を得ることができる。
また、本実施形態では、図10の表示画面のように、観光ルートを複数表示し、そのあと、図11の表示画面に切り替えてから、観光案内を開始する。このため、ユーザーに対して観光ルートの内容を、ある程度の時間をかけて検討させることができる。したがって、本実施形態によれば、ユーザーに対して、ユーザーの希望する観光案内を的確に与えることができる。
[他の実施形態]
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、次のような他の実施形態も包含する。
(1)観光時間を選択する実施形態
上記の実施形態では、観光案内機能を実現するとき、各観光スポットにおける観光時間を固定式としたが、これを選択式としてもよい。このとき、例えば、観光ルート情報を観光スポットでの滞在時間である観光時間ごとに、グループ化して表示し、ユーザーからの選択を受け付けるようにしてもよい。
この実施形態では、制御部18は、観光時間を表示器5に表示させ、ユーザーから観光時間の選択を受け付けると、当該滞在時間に属する観光ルート情報を表示器5に表示させる制御を行う。例えば、図15に示すように、ユーザーの希望する所要時間帯を受け付ける画面において、「観光時間を選択」と表示された観光時間選択ボタン53をタッチパネル6上に表示する。
そして、ユーザーが観光時間選択ボタン53をタッチ操作したことを検出すると、制御部18はこれを受け付けて、観光時間を複数表示した画面を別画面で開き、タッチパネル6上に「30分」、「60分」、「90分」という表示を持つ観光時間表示ボタン54〜56を表示する(図16参照)。
続いてユーザーのタッチ操作により、制御部18は、所要時間帯及び観光時間の選択をそれぞれ受け付け(図16では、所要時間帯が「5時間」、観光時間が「30分」を、それぞれ選択)、制御部18は2つの選択条件に同時に該当する観光ルート(つまり所要時間帯が「5時間」で、且つ各観光スポットでの観光時間が「30分」の観光ルート)をタッチパネル6上に表示することができる。
以上の実施形態では、観光時間ごとにグループ化した観光ルート情報を取得するので、観光ルートの選択に際して、観光時間を判断材料としてユーザーに提供することができる。このため、ユーザーは自身の都合を考慮し、観光時間に基づいて観光ルート情報を選択することが可能となる。
このような実施形態においては、観光スポットでの観光時間をユーザーに強く印象づけることができるので、ユーザーは、自分自身が決めた観光スポットでの時間を、有効に利用することが可能である。このため、ユーザーは、他人が決めた観光時間にせかされたり、縛られたりすることなく、精神的にゆとりを持って観光スポットを楽しむことができる。
また、上記の実施形態によれば、ユーザーのニーズに合わせて、観光時間だけではなく、観光ルート自体の選択肢も拡げることが可能である。つまり、観光スポットをゆっくり見て回りたいユーザーであれば、観光時間を長くして、訪れる観光スポットの数は少なく抑えることが可能である。反対に、観光スポットをできるだけ多く回りたいユーザーであれば、観光時間を短くして訪れる観光スポットの数を多くすることが可能である。
また、本実施形態では、観光スポットに滞在する観光時間を「30分」単位として提示することで、ユーザーのニーズに適切に対応することが可能である。例えば観光時間を「30分」とした観光ルート情報を表示することで、観光スポットにおける見学ポイントを少なくして短時間の滞在をユーザーが希望する場合に好適である。
また、観光時間を「60分」とした観光ルート情報を表示すれば、見学などにある程度の時間をユーザーが取りたい場合に好適である。さらに、観光時間を「90分」とした観光ルート情報を表示すれば、観光スポットでの食事等を含めた長時間の滞在をユーザーが希望する場合等に好適である。
以上の実施形態は、観光スポットでの滞在時間である観光時間に着目し、観光時間に関する選択肢を設定して観光ルートを選択するが、観光スポットをいちいち調べて観光ルートを生成していない点では、先に述べた実施形態と同一である。したがって、簡単な作業でユーザーの嗜好にあった観光ルートを選ぶことができ、高い使用感を発揮することができる。
(2)観光ルートのジャンルを選択する実施形態
また、本発明は、観光ルートにジャンルを設定しておき、これをユーザーが選択するようにした実施形態も包含する。この実施形態では、観光ルート情報を、観光内容のジャンルごとにグループ化し、制御部18は、観光ルートのジャンルをタッチパネル6上に表示させ、ユーザーからジャンルの選択を受け付けると、受け付けたジャンルに属する観光ルート情報を表示器5に表示させる制御を行う。
観光ルートのジャンルは、例えば観光ルートに含まれる観光スポットの施設の種類によって決めるようにしてもよい。すなちわ、観光スポットが「神社・仏閣」であれば、観光ルートのジャンルが「神社・仏閣」、観光スポットが「美術館・博物館」であれば、観光ルートのジャンルが「美術館・博物館」等となる。図17の画面表示例は、「神社・仏閣」、「美術館・博物館」、「レストラン・食堂」、「絶景スポット」といったジャンルが表示された例である。なお、ジャンルの表示態様については、その内容を表現できるものであれば、文字情報や記号情報に限らず、例えば画像情報であってもよい。
観光ルートに含まれる全ての観光スポットが同一ジャンルである必要はない。例えば、全観光スポット中の過半数程度の観光スポットが同一ジャンルであれば、そのジャンルの観光ルートと定義するようにしてもよい。例えば、3箇所の観光スポットを周遊する観光ルートにおいて、2つの観光スポットが同一であれば、その観光スポットのジャンルを、観光ルート自体のジャンルとして設定してもよい。
また、ジャンルを階層構造として、ジャンルを上位から下位に向かって段階的に表示してもよい。例えば、「レストラン・食堂」の下位ジャンルに「そば屋」や「ご当地グルメ」等を設けても良い。この場合、ユーザーのタッチ操作により「レストラン・食堂」が選択されると、画面表示が切り替わって、その下位ジャンルである「そば屋」や「ご当地グルメ」等が表示器5に表示されることになる(図18参照)。
あるいは、神社・仏閣」の上位ジャンルに「名所」を設け、この「名所」の下位ジャンルに、「神社・仏閣」と並列に、例えば「史跡・城」を設けても良い。また例えば、「美術館・博物館」の上位ジャンルに「文化施設」を設け、その下位ジャンルに例えば、「美術館・博物館」と並列に「コンサートホール・劇場」等を設けるようにしてもよい。このような実施形態では、ジャンルごとに観光ルート情報をグループ化するので、ユーザーは自身の好み等に応じた観光ルート情報を選択することが可能となる。
なお、本実施形態は、ジャンルの数や階層の数、あるいは、所要時間帯や観光時間のグループ数などに関しては適宜選択可能であるが、本発明の目的の一つは観光ルートの選択作業の軽減化にある。そのため、これらの数はあまり多くならない方が望ましく、5以下、できれば2〜3程度が適切である。
(3)観光ルート情報の選択肢を切り換えて表示する実施形態
制御部18は観光ルート情報の選択肢として、所要時間、観光時間及びジャンルを切り換えながら、表示器5に表示するようにしてもよい。この実施形態では、所要時間や観光時間、さらにはジャンルから、観光ルートを絞り込むことができる。また、このような実施形態では、所要時間、観光時間及びジャンルを任意の順番で交互に表示することも可能である。このため、各項目の表示領域を大きくすることができ、所要時間、観光時間及びジャンルの表示が見やすくなるといったメリットもある。
所要時間と、観光時間と、ジャンルの表示の切り換えの順番は、ユーザーが自由に選べるようにして、所要時間と、観光時間と、ジャンルの中で、ユーザーの優先度を反映させつつ、観光ルートを選択していくようにしてもよい。また、ユーザーによる選択操作の負担を軽減するために、予め決められた順番で、所要時間と、観光時間と、ジャンルの表示切り換えを自動的に行うようにしてもよい。
(4)観光ルートの表示を制限する実施形態
ところで、ユーザーが既に有名な観光スポットに到着しているのであれば、ユーザーはその観光スポットに向かうことはあり得ない。そのため、GPSログ機能によって車両の現在地が観光スポットであると検知された場合、現在地からその観光スポットに向かう観光ルートの表示は不必要である。したがって、現在地が観光スポットであるとき、当該観光スポットを目的地とした観光ルートの表示は除くようにした実施形態も提案することができる。このような実施形態によれば、観光ルートの表示効率を高めることができる。
(5)観光ルート情報の要約情報を表示する実施形態
さらに、本発明は、観光ルートの所要時間ではなく、観光ルートの要約情報を、表示器5に表示させる制御を行うようにした実施形態も包含する。上記のジャンルが具体的な施設に基づいて決められたものであるとするならば、観光ルートの要約情報とは、観光ルートのイメージや印象に基づいて決められたものであって、少ない表示量で端的に観光ルートの全体像を喚起させるものである。
観光ルートの要約情報としては、例えば、「市街地コース」や「海コース」といった観光ルートの地域的な特性を表したものでもよく、具体的な表示形態としては文字情報に限らず、例えば画像情報であってもよい。また観光ルートの要約情報としては、例えば、観光ルートの推奨度合や、観光ルートに係る費用等が好適である。
観光ルートの推奨度合とは、例えば、推奨度合を基準として設定されたものであって、その表示態様としては、例えば「絶対行くべき」や「必見」、あるいは「一度は行きたい」といったキャッチフレーズ的なメッセージの表示、観光ルートの推奨度合を表す記号、例えば「◎、○、△」や、「A、B、C」、「☆」の数等が好適である。また、観光ルートに係る費用とは、例えば、観光スポットの入場料など観光ルートで必要となる合計金額であってもよいし、あるいはクーポン等が利用可能であることを示す情報等であってもよい。
(6)時間の表示態様が異なる実施形態
観光ルートの所要時間の表示態様としては、観光案内処理を開始してからの経過時間あるいは残り時間を表示するようにしてもよい。この実施形態では、観光ルートを周遊中のユーザーに観光案内の経過時間や残り時間を報知するので、観光ルートを効率よく周遊することが可能である。
また、観光スポットでの観光時間の表示態様として、観光スポットに到着してからの経過時間あるいは観光時間が終了するまでの残り時間を表示するようにしてもよい。以上の実施形態では、観光スポットを見て回るユーザーに対し、観光時間の経過時間や残り時間を認識させることができる。したがって、観光スポットでの観光を効率よく観光をするために有効である。
時間に関する表示態様は、例えば、アナログ時間表示であってもデジタル時間表示であってもよく、表示・非表示も選択宜可能である。また、時間の表示態様については、数字に限らず、時間の長さを表現できるものであれば、例えば、文字情報や画像情報であってもよい。
さらに、観光ルートの所要時間に関する表示態様としては、例えば、観光案内の途中に観光ルートの所要時間が終了したことを示すようにしてもよい。例えば、図19に示すように、制御部18は、観光ルートの周遊が終了する前に所要時間が終了したとき、観光ルートの周遊を続けるか、あるいは観光ルートの周遊を途中終了するかという画面を表示することができる。このような実施形態によれば、ユーザーに観光を継続するか否かの判断を促すことが可能である。
(7)本実施形態に係る機器が車両から取り外し可能である実施形態
レーダー探知機1をブラケット3に対して着脱自在とすることにより、本実施形態を車両から取り外し可能な機器としてもよい。このような実施形態では、車両から降りたユーザーが観光スポットの領域内まで携帯していくことも可能である。
したがって、観光スポットを回りながら、観光時間の経過時間や残り時間をユーザーに知らせることができる。さらにこれの表示に留まらず、観光スポット内で詳しい観光案内を表示することが可能である。そのため、観光スポットの敷地が広いテーマパーク等では特に有効である。
(8)観光案内ボタンの表示態様が異なる実施形態
制御部18は、観光案内ボタン43の表示される大きさや形状、表示タイミングを変えてもよく、例えばマップ表示機能を実施中の画面に表示してもよい。このとき、制御部18は、例えば、自車位置が予め設定された観光エリア内に侵入したことを検知すると、観光案内ボタン43を点滅や点灯させて表示器5に表示させるようにしてもよい(図20参照)。この実施形態によれば、観光案内ボタン43の点滅や点灯によって観光ルートが存在することをユーザーに意識させることができる。したがって、観光ルートにユーザーの興味を向けさせることができる。
また、現在地の検知処理と合わせて、観光ルートの存在する地点に現在地が所定以上近づいた時、あるいは観光ルート上に現在地が達した時に、自動的に観光案内ボタン43を表示するようにしてもよい。これらの実施形態によれば、観光案内を利用させ易くすることが可能となり、利便性がより向上する。
さらに観光案内ボタン43の表示タイミングは、例えば、ユーザーからの問い合わせ操作に基づいてタッチパネル6に表示するようにしてもよい。この場合、ユーザーは自らの意志で観光案内ボタン43を表示させるので、ユーザーは観光を伴うドライブであることを意識することができ、ユーザーに観光が始まる楽しさを与えることができる。
また、現在地付近に観光ルートが存在しない場合は、観光案内ボタン43を非表示と設定してもよい。この実施形態では、ユーザーは、ナビゲーション機能の開始画面から観光案内ボタン43を操作して、その観光ルートの有無を確かめる必要がない。したがって、ユーザーが観光ルートの存在を期待して観光案内ボタン43に対する操作を開始した後、観光ルートが無かったという無駄な操作を回避することができる。
(9)観光案内の開始タイミングが異なる実施形態
制御部18が観光案内を開始するタイミングとしては、上記のように、図10の表示画面から図11の表示画面に切り替えてからでなく、図10の観光ルート表示ボタン47〜49を、例えば長押しする操作を実施することなどによって、観光案内を開始するようにしてもよい。このような実施形態によれば、タッチパネル6に対するタッチ回数を削減することができ、ユーザーにストレスを与えることになく、すばやく観光案内を実施することが可能である。
(10)観光スポットに優先度が設定された実施形態
観光スポットにおいて表示に関する優先度を予め設定しておき、制御部18は、優先度の高い観光スポットを含む観光ルート情報を、優先度の低い観光スポットを含む観光ルート情報よりも優先して表示するようにしてもよい。
優先度の高い観光スポットとは、例えば、観光エリアにおいて極めて有名である主要な観光スポットである。これにより、ユーザーは、観光エリアの予備的な知識が少なくても、誰もが知る観光スポットを観光することができ、高い満足度を得ることができる。優先度の高い観光スポットは、観光ルート上に1つであってもよいし複数であってもよい。
(11)観光ルートの好感度を表示する実施形態
制御部18は、過去に利用された観光ルートに関する利用者の好感度を取得して、これを表示器5に表示するようにしてもよい。制御部18は、好感度の表示態様として、例えば「いいね!」ボタン57を表示し、その下方に、この観光ルートに対して「いいね!」ボタン57を押したユーザー数が表示する(図21参照)。
このような実施形態によれば、ユーザーは表示された好感度を見て、観光ルートを選択する時の参考とすることができる。したがって、車両がレンタカーである場合には特に好適である。好感度の取得はネット経由であってもよいし、データベース19に蓄積されるようにしてもよい。
(12)観光ルートの表示だけを行い、観光ルートのナビゲーションを実施しない実施形態
制御部18は、観光ルートの表示だけを行い、観光ルートのナビゲーションについては不実施としてもよい。この実施形態では、観光ルートを案内するための情報が不要なので、データベース19に格納するデータ量を大幅に少なくすることができ、観光ルートを迅速にユーザーに提示することが可能である。
(13)観光ルートの所要時間を算出するための演算方法は適宜選択可能であり、所要時間帯についても自由にグループ化することができる。観光スポットでの滞在時間である観光時間は、過去のデータを蓄積して算出するが、季節などにより混雑状況が変動する場合は、そのようなパラメータも加味することができる。
(14)観光ルートを選ぶ時の画面表示としては、コース名を並べて表示するといった文字情報に頼るものだけではなく、そのコースの特性が直感的にユーザーに把握できるような画像情報を利用したものであってもよい。例えば、観光ルートが「定食」メニューのようなものであることがユーザーに理解できるように、観光スポットを料理に見立てて、複数の料理を並べて表示するようにしてもよい。
(15)観光案内を実施するときの観光ルートの表示は、観光ルート上の1つの観光スポットから次の観光スポットまでを表示するようにしてもよい。このように観光ルートを部分的に表示することで、観光ルートの一部を大きく表示して良好な視認性を得ることができる。また、観光ルートの全行程を表示しながら、観光ルート案内を行うようにしてもよい。観光ルートの全行程を表示することで、観光ルートをどこまで進んだのかを、ユーザーに容易に把握させることができる。
(16)観光ルートに含まれる観光スポットの表示態様としては、例えば、観光スポットの名称を含む文字情報や位置情報、観光スポットの画像情報などがよい。また、表示器5に表示される各種の表示ボタンの表示態様は、適宜変更可能であり、例えば観光案内ボタンはスタートボタン等としてもよい。
(17)表示器の画面サイズ、各種の時間設定なども本発明の効果を奏する範囲で任意のものとすることができる。また、制御部には、各機能や警報の優先順位をリモコン等からのユーザーからの指示に基づいて設定する機能を設け、この設定された優先順位で制御部が処理を行うように構成してもよい。
(18)さらに、上述した実施形態では、装置内に各種の情報を記憶したデータベースを備え、制御部は係るデータベースにアクセスして必要な情報を読み出し、各種の処理をしたが、本発明はこれに限ることはない。例えば、データベースに登録する情報の一部または全部をサーバに登録しておくこともできる。そして、レーダー探知機その他の電子機器・装置は、係るサーバと通信する機能を備え、制御部は、適宜サーバにアクセスし、必要な情報を取得して処理を実行するシステムとしてもよい。さらには、制御部の機能の少なくとも一部をサーバにおき、当該機能をサーバで実行し、ユーザーが持つ電子機器は、その実行結果を取得するようなシステムとしてもよい。
(19)上述した実施形態の制御システムとしての機能は制御部に備えるコンピュータに実現させるためのプログラムとして構成されているが、これに限らずプログラムは複数のコンピュータに分散配置し、分散処理するようにしてもよい。