JP2018155355A - 軸受 - Google Patents

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昭大 岩迫
Akihiro Iwasako
昭大 岩迫
直和 川瀬
Naokazu Kawase
直和 川瀬
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Abstract

【課題】振動や騒音の悪化を抑制しつつ、フリクションを低減することができる軸受を提供する。【解決手段】エンジンEのクランクシャフト4を軸支する軸受1であって、クランクシャフト4の上下両側に配置された一対の下側軸受10及び上側軸受20と、下側軸受10の下側内周面12に凹設され下側軸受10の周方向の中央側から端部側に向かうにつれて深さが大きくなる下側オイルリリーフ15と、上側軸受20の上側内周面22に凹設され上側軸受20の周方向の中央側から端部側に向かうにつれて深さが大きくなる上側オイルリリーフ25と、を備える。一対の下側軸受10及び上側軸受20のうちフリクション感度が高い方のオイルリリーフ量は、フリクション感度が低い方のオイルリリーフ量よりも大きく形成される。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用の軸受に関する。
自動車等の内燃機関では、クランクシャフトやコンロッド等の回転軸を支持するために滑り軸受が使用される場合がある。この種の軸受としては、半円筒形状の2つの半割軸受から構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−163213号公報
内燃機関用の軸受に要求される特性の一つに、低フリクション化がある。軸受のフリクション低減方法としては、油膜厚さを大きくするのが有効である。一般的に、油膜厚さの増加方法としては、オイルクリアランスを広げる方法が考えられる。しかし、オイルクリアランスを広げると、振動や騒音の悪化が問題となる。
本発明は、このような観点から創案されたものであり、振動や騒音の悪化を抑制しつつ、フリクションを低減することができる軸受を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、軸受のオイルリリーフの深さであるオイルリリーフ量を大きくしてフリクションを低減する構造を見出した。更に鋭意研究を進めた結果、オイルリリーフ量が大きいとオイルリーク量が増大することが分かり、また上下の半割軸受においてフリクション感度の違いがあることが分かった。そこで、振動や騒音の悪化を抑制しつつ、軸受のフリクションを低減し、更にオイルリーク量の増大を抑制することができる本発明を完成するに至った。
前記の課題を解決するために、本発明は、内燃機関の回転軸を軸支する軸受であって、前記回転軸の上下両側に配置された一対の半割軸受と、前記半割軸受の内周面にそれぞれ凹設され、前記半割軸受の周方向の中央側から端部側に向かうにつれて深さが大きくなるオイルリリーフと、を備え、一対の前記半割軸受のうちフリクション感度が高い方のオイルリリーフ量は、フリクション感度が低い方のオイルリリーフ量よりも大きく形成されていることを特徴とする。
本発明に係る軸受によれば、振動や騒音の悪化を抑制しつつ、フリクションを低減することができる。また、本発明に係る軸受によれば、オイルリーク量の増大を抑制することができる。
実施形態に係る軸受が適用されたエンジンの主軸受構造を示す概略断面図である。 実施形態に係る軸受を示す正面図である。 オイルリリーフ量と軸受のトータルフリクション値との関係を示すグラフである。 常温時の下側オイルリリーフ量と下側軸受のフリクション値との関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、本発明の軸受をエンジンの主軸受に適用した場合を例にして説明するが、本発明の軸受の用途を限定する趣旨ではない。
図1に示すように、内燃機関であるエンジンEは、シリンダブロック2と、ベアリングキャップ3と、軸受1と、クランクシャフト4と、を主に備えている。
シリンダブロック2は、図示は省略するが、主にシリンダボアとクランクケースとを構成する金属製部材である。シリンダブロック2の内部には、ピストン、コンロッド、クランクシャフト4等が収容される。シリンダブロック2は、クランクシャフト4のクランクジャーナルを支持する隔壁2dを有している。
隔壁2dの下端には、ブロック側凹部2aと、一対のブロック側合わせ面2b,2bとが形成されている。ブロック側凹部2aは、上向きに凸となる半円筒形状を呈する。ブロック側凹部2aは、下側に開口している。ブロック側凹部2aは、軸受孔5の上半部を構成する。ブロック側凹部2aの両側には、上下方向に延びるボルト穴2cが形成されている。ボルト穴2cは、ブロック側合わせ面2bに開口している。ブロック側合わせ面2b,2bは、ブロック側凹部2aの周方向の端部にそれぞれ連続する平坦面である。ブロック側合わせ面2bは、ベアリングキャップ3に対する突き合わせ面となる。
ベアリングキャップ3は、シリンダブロック2の下端に固定される金属製部材である。ベアリングキャップ3の上端には、キャップ側凹部3aと、一対のキャップ側合わせ面3b,3bとが形成されている。キャップ側凹部3aは、下向きに凸となる半円筒形状を呈する。キャップ側凹部3aは、上側に開口している。キャップ側凹部3aは、軸受孔5の下半部を構成する。キャップ側凹部3aとブロック側凹部2aは、上下対称形状であり、同一の半径を有している。キャップ側凹部3aは、ブロック側凹部2aと協働して、単一かつ円筒形状の軸受孔5を形成する。軸受孔5には、軸受1を介して、クランクシャフト4のクランクジャーナルが挿通されている。図示は省略するが、軸受1とクランクシャフト4のクランクジャーナルとの間には、潤滑油が介在している。
キャップ側凹部3aの両側には、ボルト穴2cに対応する位置にボルト孔3cが形成されている。ボルト孔3cは、上下方向に貫通しており、キャップ側合わせ面3bに開口している。ボルト孔3c及びボルト穴2cには、ベアリングキャップ3とシリンダブロック2とを結合するためのボルトBが下方から挿通されている。キャップ側合わせ面3b,3bは、キャップ側凹部3aの周方向の端部にそれぞれ連続する平坦面である。キャップ側合わせ面3bは、シリンダブロック2に対する突き合わせ面となる。
軸受1は、軸受孔5に装着されており、クランクシャフト4のクランクジャーナルを軸支するすべり軸受である。軸受1は、クランクシャフト4の軸線方向に延びる円筒形状を呈する。図示は省略するが、軸受1は、裏金と軸受層とを含んだ複数層構造になっている。軸受1は、内周面の曲率が部分的に異なる一対の半割軸受で構成されている。一対の半割軸受は、クランクシャフト4の上下両側に配置されている。ここで、一対の半割軸受を区別する場合には、下側軸受10、上側軸受20のように称する。本実施形態においては、下側軸受10のフリクション感度が上側軸受20のフリクション感度よりも高いことを前提として以下説明する。なお、下側軸受10及び上側軸受20のどちらのフリクション感度が高くなるかは設置場所等の条件によって異なるが、基本的には下側軸受10のフリクション感度が高い場合が多い。
下側軸受10は、キャップ側凹部3aに嵌合可能な半円筒形状を呈する。下側軸受10は、ベアリングキャップ3に当接する下側外周面11と、クランクシャフト4側に位置する下側内周面12と、一対の下側合わせ面13,13と、を主に備えている。
図2に示す下側外周面11は、第一中心O1を中心とする半径R1の半円形状に形成された円弧面である。下側外周面11の径は、周方向に沿って一定である。
下側内周面12は、下側軸受面14と、一対の下側オイルリリーフ15,15と、一対の下側クラッシュリリーフ16,16と、を備えている。
下側軸受面14は、下側内周面12の周方向中央部において、第一中心O1を中心とする半径R2の円(以下、基準円6と称する。)に沿って延在する円弧形状に形成されている。逆に言うと、基準円6は、下側軸受面14を通る円である。
下側オイルリリーフ15,15は、下側軸受面14の周方向の端部にそれぞれ連続し、下側軸受面14よりも深く凹設された部位である。下側オイルリリーフ15は、基準円6に対して半径方向外側に凹設した部位といえる。下側オイルリリーフ15は、第一中心O1に対して上側に偏心した第二中心O2を中心とする半径R3の円弧形状に形成されている。下側軸受10の周方向中心と上側軸受20の周方向中心を通る上下方向に沿う線を中心線Cとすると、第一中心O1と第二中心O2は中心線C上に位置している。下側オイルリリーフ15の半径R3は、下側軸受面14の半径R2よりも大径である(R3>R2)。半径R2と第一中心O1に対する第二中心O2の偏心量E1との合計値は、半径R3と同等である(R2+E1=R3)。半径R2が描く基準円6と半径R3が描く円(図示省略)は、いずれも下側内周面12の中心部P1を通る。下側オイルリリーフ15の深さ(以下、下側オイルリリーフ量と称する。)は、下側内周面12のうち下側オイルリリーフ15に対応する部位と基準円6との半径方向における差である。下側オイルリリーフ量は、下側軸受10の周方向中央側から端部側に向かうにつれて漸増している。
下側クラッシュリリーフ16は、下側オイルリリーフ15と下側合わせ面13との間に形成されており、下側オイルリリーフ15よりも深く凹設された部位である。下側クラッシュリリーフ16の深さは、下側軸受10の周方向中央側から端部側に向かうにつれて漸増している。下側オイルリリーフ15及び下側クラッシュリリーフ16によって、下側軸受10の肉厚は周方向中央側から端部側に向かうにつれて薄くなっている。
下側合わせ面13,13は、下側軸受10の周方向の端部にそれぞれ形成された平坦面である。下側合わせ面13は、下側外周面11と下側内周面12との周方向の端部同士を繋いでいる。下側合わせ面13は、下側クラッシュリリーフ16に連続している。下側合わせ面13は、上側軸受20に対する突き合わせ面となる。
上側軸受20は、図1に示すように、ブロック側凹部2aに嵌合可能な半円筒形状を呈する。上側軸受20は、シリンダブロック2に当接する上側外周面21と、クランクシャフト4側に位置する上側内周面22と、一対の上側合わせ面23,23と、を主に備えている。
図2に示す上側外周面21は、第一中心O1を中心とする半径R1の半円形状に形成された円弧面である。上側外周面21の径は、周方向に沿って一定であり、下側外周面11の径と同径である。上側外周面21と下側外周面11は、第一中心O1を中心とする同一円周上に位置する。
上側内周面22は、上側軸受面24と、一対の上側オイルリリーフ25,25と、一対の上側クラッシュリリーフ26,26と、を備えている。
上側軸受面24は、上側内周面22の周方向中央部において、第一中心O1を中心とする半径R2の基準円6に沿って延在する円弧形状に形成されている。逆に言うと、基準円6は、上側軸受面24を通る円である。上側軸受面24と下側軸受面14は、第一中心O1を中心とする同一円周上に位置する。
上側オイルリリーフ25,25は、上側軸受面24の周方向の端部にそれぞれ連続し、上側軸受面24よりも深く凹設された部位である。上側オイルリリーフ25は、基準円6に対して半径方向外側に凹設した部位といえる。上側オイルリリーフ25は、第一中心O1に対して下側に偏心した第三中心O3を中心とする半径R4の円弧形状に形成されている。第一中心O1と第三中心O3は、中心線C上に位置している。第一中心O1に対する第二中心O2の偏心量E1と、第一中心O1に対する第三中心O3の偏心量E2は、互いに異なっている。本実施形態では、第一中心O1に対する第二中心O2の偏心量E1は、第一中心O1に対する第三中心O3の偏心量E2よりも大きく形成されている(E1>E2)。上側オイルリリーフ25の半径R4は、上側軸受面24の半径R2よりも大径である(R4>R2)。半径R2と偏心量E2との合計値は、半径R4と同等である(R2+E2=R4)。半径R2が描く基準円6と半径R4が描く円(図示省略)は、いずれも上側内周面22の中心部P2を通る。下側オイルリリーフ15の半径R3は、上側オイルリリーフ25の半径R4よりも大径である(R3>R4)。上側オイルリリーフ25の深さ(以下、上側オイルリリーフ量と称する。)は、上側内周面22のうち上側オイルリリーフ25に対応する部位と基準円6との半径方向における差である。上側オイルリリーフ量は、上側軸受20の周方向中央側から端部側に向かうにつれて漸増している。
上側クラッシュリリーフ26は、上側オイルリリーフ25と上側合わせ面23との間に形成されており、上側オイルリリーフ25よりも深く凹設された部位である。上側クラッシュリリーフ26の深さは、上側軸受20の周方向中央側から端部側に向かうにつれて漸増している。上側オイルリリーフ25及び上側クラッシュリリーフ26によって、上側軸受20の肉厚は周方向中央側から端部側に向かうにつれて薄くなっている。
上側合わせ面23,23は、上側軸受20の周方向の端部にそれぞれ形成された平坦面である。上側合わせ面23は、上側外周面21と上側内周面22との周方向の端部同士を繋いでいる。上側合わせ面23は、上側クラッシュリリーフ26に連続している。上側合わせ面23は、下側軸受10に対する突き合わせ面となる。上側軸受20と下側軸受10は、上側合わせ面23と下側合わせ面13とを互いに突き合わせることで、単一かつ円筒形状の軸受1を形成する。
次に、下側オイルリリーフ量及び上側オイルリリーフ量について更に説明する。
下側合わせ面13から下側に向かって所定の高さH位置における下側オイルリリーフ15の深さを下側オイルリリーフ量t1とする。上側合わせ面23から上側に向かって所定の高さH位置における上側オイルリリーフ25の深さを上側オイルリリーフ量t2とする。本実施形態においては、下側オイルリリーフ量t1が上側オイルリリーフ量t2よりも大きく形成されている。本実施形態では、下側内周面12の曲率(半径R3)と上側内周面22の曲率(半径R4)を変えることで、下側オイルリリーフ量t1>上側オイルリリーフ量t2の関係に設定されている。
下側オイルリリーフ量t1及び上側オイルリリーフ量t2は、t1>t2の関係となることを条件として以下のように設定する。下側オイルリリーフ量t1は、例えば0μm以上30μm以下であり、好ましくは10μm以上30μm以下にするとよい。上側オイルリリーフ量t2は、例えば0μm以上20μm以下であり、好ましくは0μm以上10μm以下にするとよい。高さHは、例えば6mm以上13mm以下であり、好ましくは9.5mmにするとよい。なお、本実施形態では、下側軸受10の中央肉厚T1と上側軸受20の中央肉厚T2が同一寸法に設定されている。
ここで、半径R3から半径R2を引いた値をΔR3とすると、本実施形態の下側軸受10は、下記式(1)を満たすように各寸法が設定されている。
Figure 2018155355
また、半径R4から半径R2を引いた値をΔR4とすると、本実施形態の上側軸受20は、下記式(2)を満たすように各寸法が設定されている。
Figure 2018155355
なお、下側オイルリリーフ量t1を含む下側軸受10の内周面の曲率(内径形状)及び上側オイルリリーフ量t2を含む上側軸受20の内周面の曲率は、シリンダブロック2やベアリングキャップ3に軸受1を組み付けた状態で、最適なフリクション値となるように適宜設定すればよい。
本発明の実施形態に係る軸受1は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
本実施形態によれば、図2に示すように、下側軸受10の下側オイルリリーフ量t1は、上側軸受20の上側オイルリリーフ量t2よりも大きく形成されている。
下側オイルリリーフ量t1を大きくすることで、平均油膜厚さ(クランクシャフト4の1周分の油膜厚さの平均値)が増加するので、軸受1のフリクションを低減することができる。これにより、自動車の燃費を低減することができる。
また、上側軸受20よりもフリクション感度の高い下側軸受10の下側オイルリリーフ量t1のみを大きくすることで、オイルリーク量の増大を抑制しつつ、軸受1のフリクションを効率良く低減することができる。すなわち、本実施形態によれば、オイルリーク量の増大の抑制とフリクション低減との両立を図ることができる。
また、下側オイルリリーフ量t1を大きくすることで油膜厚さ(平均油膜厚さ)を増加するので、オイルクリアランスを広げることで油膜厚さを増加した場合に比べ、振動や騒音の悪化を抑制することができる。
本実施形態によれば、図2に示すように、下側軸受10の下側内周面12の周方向中央部は第一中心O1を中心とした円弧形状に形成され、上側軸受20の上側内周面22の周方向中央部は第一中心O1を中心とした円弧形状に形成されている。また、下側軸受10の下側オイルリリーフ15は第一中心O1に対して上側に偏心した第二中心O2を中心とした円弧形状に形成され、上側軸受20の上側オイルリリーフ25は第一中心O1に対して下側に偏心した第三中心O3を中心とした円弧形状に形成されている。当該偏心により、下側オイルリリーフ量t1を上側オイルリリーフ量t2よりも大きく形成することができる。
本実施形態によれば、図2に示すように、第一中心O1に対する第二中心O2の偏心量E1と、第一中心O1に対する第三中心O3の偏心量E2は、互いに異なっている(E1>E2)。当該偏心量E1,E2により、半径R2が描く基準円6と半径R3が描く円がいずれも下側内周面12の中心部P1を通ることが可能になるとともに、半径R2が描く基準円6と半径R4が描く円がいずれも上側内周面22の中心部P2を通ることが可能になる。
次に、図2及び図3を参照して、オイルリリーフ量を変化させた場合の軸受1のトータルフリクション値及び各半割軸受におけるフリクション感度について説明する。
ここでは、トータルフリクション値を数値解析により計算した。下側軸受10の下側オイルリリーフ量t1のみを変化させた場合(以下、第一ケースと称する。)と、上側軸受20の上側オイルリリーフ量t2のみを変化させた場合(以下、第二ケースと称する。)についてそれぞれ計算を行った。数値解析の条件は、エンジン回転数を2000rpm、半径R1を25mm、高さ(オイルリリーフ位置)Hを9.5mm、中央肉厚T1,T2をそれぞれ2.0mmとした。第一ケースでは、下側オイルリリーフ量t1を5μm〜30μmの範囲で変化させ、上側オイルリリーフ量t2を5μmに固定した。第二ケースでは、上側オイルリリーフ量t2を5μm〜30μmの範囲で変化させ、下側オイルリリーフ量t1を5μmに固定した。
図3は、オイルリリーフ量と軸受1のトータルフリクション値との関係を示すグラフである。折れ線L1は第一ケースを示し、折れ線L2は第二ケースを示す。図3では、オイルリリーフ量を横軸とし、軸受1のトータルフリクション値を縦軸とした。図3に示すように、下側オイルリリーフ量t1又は上側オイルリリーフ量t2を大きくすることで、軸受1のトータルフリクション値が低減することが確認できた。また、下側オイルリリーフ量t1のみを大きくした方が上側オイルリリーフ量t2のみを大きくした場合よりも、軸受1のトータルフリクション値が低減することが確認できた。このことから、本数値解析においては、下側軸受10の方が上側軸受20よりもフリクション感度が高いことが裏付けられた。
次に、図2及び図4を参照して、下側オイルリリーフ量t1を変化させた場合のフリクション感度について更に説明する。
ここでは、メタルテスター試験機を用いて、常温時の下側オイルリリーフ量t1の変化に対するフリクション感度を評価した。本試験では、一対の半割軸受で構成された軸受1と回転軸とをメタルテスター試験機のハウジングに設置し、軸受1により回転軸を軸支した。図示は省略するが、本試験では、駆動モータで回転軸を回転させながら、加振機で軸受1に対して上下荷重を付与した。回転軸の評価軸径は、直径50mmとした。回転軸に対する軸受1の有効接触幅は、16mmとした。半割軸受は、半径R1を25mm、高さ(オイルリリーフ位置)Hを9.5mm、中央肉厚T1,T2をそれぞれ2.0mmとしたものを使用した。
試験条件は、回転軸の回転数を1500rpm、軸受1に付与する静荷重を6kN、オイルクリアランスを28.5μm〜31.5μm、試験部供給油温を79.5℃〜80.5℃とした。常温時の下側オイルリリーフ量t1を5μm〜40μmの範囲で変化させ、常温時の上側オイルリリーフ量t2を5μmに固定した。常温時の下側オイルリリーフ量t1を5μmとしたときのフリクション値を基準値とし、下側オイルリリーフ量t1を変化させた場合のフリクション値と基準値との差を求めた。
図4は、常温時の下側オイルリリーフ量t1と下側軸受10のフリクション値との関係を示すグラフである。図4では、常温時の下側オイルリリーフ量t1を横軸とし、下側オイルリリーフ量t1を変化させた場合のフリクション値と基準値との差を縦軸とした。図4に示すように、下側オイルリリーフ量t1を大きくすることで、下側軸受10のフリクション値が低減することが確認できた。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明をエンジンEの主軸受に適用した場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エンジンEのコンロッド軸受(クランクピンを軸支する軸受)に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、一対の半割軸受のうちフリクション感度が高い下側軸受10の下側オイルリリーフ量t1を、フリクション感度が低い上側軸受20の上側オイルリリーフ量t2よりも大きく形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。下側軸受10及び上側軸受20のどちらのフリクション感度が高くなるかは設置場所等の条件によって異なる。条件に応じて、フリクション感度が高い方のオイルリリーフ量をフリクション感度が低い方のオイルリリーフ量よりも大きく形成すればよい。
E エンジン(内燃機関)
4 クランクシャフト(回転軸)
1 軸受
10 下側軸受
20 上側軸受
12 下側内周面
13 下側合わせ面
14 下側軸受面
15 下側オイルリリーフ
16 下側クラッシュリリーフ
t1 下側オイルリリーフ量
22 上側内周面
23 上側合わせ面
24 上側軸受面
25 上側オイルリリーフ
26 上側クラッシュリリーフ
t2 上側オイルリリーフ量
H 高さ
O1 第一中心
O2 第二中心
O3 第三中心
R1,R3,R4 半径
E1,E2 偏心量

Claims (5)

  1. 内燃機関の回転軸を軸支する軸受であって、
    前記回転軸の上下両側に配置された一対の半割軸受と、
    前記半割軸受の内周面にそれぞれ凹設され、前記半割軸受の周方向の中央側から端部側に向かうにつれて深さが大きくなるオイルリリーフと、
    を備え、
    一対の前記半割軸受のうちフリクション感度が高い方のオイルリリーフ量は、フリクション感度が低い方のオイルリリーフ量よりも大きく形成されていることを特徴とする軸受。
  2. 下側の前記半割軸受のオイルリリーフ量は、上側の前記半割軸受のオイルリリーフ量よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軸受。
  3. 一対の前記半割軸受は、周方向の両端部において、互いに突き合わされる合わせ面をそれぞれ備えており、
    前記合わせ面から下側に向かって所定の高さH位置における下側の前記半割軸受のオイルリリーフ量は、0μm以上30μm以下であり、
    前記合わせ面から上側に向かって所定の高さH位置における上側の前記半割軸受のオイルリリーフ量は、0μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の軸受。
  4. 一対の前記半割軸受の内周面の周方向中央部は、第一中心を中心とした円弧形状に形成されており、
    下側の前記半割軸受の前記オイルリリーフは、前記第一中心に対して上側に偏心した第二中心を中心とした円弧形状に形成されており、
    上側の前記半割軸受の前記オイルリリーフは、前記第一中心に対して下側に偏心した第三中心を中心とした円弧形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の軸受。
  5. 前記第一中心に対する前記第二中心の偏心量と、前記第一中心に対する前記第三中心の偏心量は、互いに異なっていることを特徴とする請求項4に記載の軸受。
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