JP2018154739A - 水系インクジェットインク組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
界面活性剤をさらに含み、該界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含み、有機溶剤Aとして、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)と、分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)と、を含有する。
本実施形態の水系インクジェットインク組成物は、X線回析スペクトルの最大もしくはそれに順ずるピークの半値幅が0.7°以下であり長軸/短軸の長さ比の平均値が1.7以下である顔料と、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)、及び分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の標準沸点が225℃以上である有機溶剤Aと、を含有する。
本実施形態で用いる顔料は、X線回析スペクトルの最大もしくはそれに順ずるピークの半値幅が0.7°以下であり長軸/短軸の長さ比の平均値が1.7以下である。
このような結晶性が高い顔料は針状等の形状をしている傾向がある。このような顔料は、その粒子(一次粒子)が、長軸/短軸の平均値が1より大きい形状を有する傾向がある。一次粒子は単一の粒からなる粒子であり、二次粒子は一次粒子が複数個集まって形成された粒子である。
顔料の長軸/短軸の長さ比は、例えば、走査型電子顕微鏡を使用して顔料粒子を撮影し、顔料の一次粒子の短軸と長軸を測定し、短軸に対する長軸の比(長軸/短軸)を算出することで求めることができる。そして、同じ操作を、任意に選択した100個程度の顔料の一次粒子について算出し、それらの平均値を、各顔料の長軸/短軸の長さ比の平均値とする。顔料の長軸/短軸の長さ比は、上記の方法に限らず、顔料の一次粒子の短軸と長軸の比が測定できる方法で測定すればよい。透過型電子顕微鏡を用いてインク組成物や顔料分散液に含む状態の顔料の一次粒子の長軸/短軸の長さ比を測定することも可能である。
本実施形態の顔料は、水などの分散媒に分散した顔料分散体としてインク組成物に含んでいても良い。顔料分散体は前述の顔料を調整して得た粒子を分散工程により分散媒中に分散した粒子である。
有機溶剤Aは、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)、及び分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種で標準沸点が225℃以上である。
本実施形態で用いる前述の結晶性の高い顔料は、顔料の内部に存在する隙間に空気が残りやすく、これが気泡核となってインクに気泡の発生を促進する傾向があると推測するが、インク組成物が有機溶剤Aを含む場合、有機溶剤Aが顔料に浸透し顔料に残る空気を除去し、このため吐出安定性が優れたものとなると推測する。
また、インク組成物が有機溶剤Aを含む場合、インクの表面張力を低下させインクジェットヘッドからの吐出をしやすくする点で好ましい。
分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)としては、特に限定されないが、例えば、2−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、3−エチル−1,3−ブタンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−エチル−2,4−ペンタンジオール、3−エチル−1,3−ヘキサンジオールが挙げられる。このなかでも、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールが好ましい。
上述のアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ブチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジブチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、トリブチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルのようなアルキレングリコールモノアルキルエーテル;エチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、ブチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、ジブチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテル、トリブチレングリコール−ジエチルヘキシルエーテルのようなアルキレングリコールジアルキルエーテルが挙げられる。このなかでも、アルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテルがより好ましい。
有機溶剤Aの中でも、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)は、上述のアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)と比べて水への溶解性が高く、インクに比較的多く含有させることができ、インクの表面張力を低下させやすい点で好ましい。また、上述のアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)は、吐出安定性が特に優れる点で好ましい。
インク組成物が、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)と上述のアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)とを共に含む場合、吐出安定性を十分に優れたものにし、インクの保湿性や、記録媒体への浸透性や、保存安定性なども優れたものにできる点で好ましい。
インク組成物が分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)を含む場合、その含有量はインクに対して0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜13質量%がさらに好ましい。
インク組成物が上述のアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)を含む場合、その含有量はインクに対して0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.3〜1質量%がさらに好ましい。
有機溶剤Bとしては、前述の分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)や分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)であって標準沸点が225℃未満のものや、前述の分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)や分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)以外のものであって標準沸点が225℃未満のものがあげられる。
有機溶剤Cとしては、グリセリンなどトリオール以上のポリオール化合物や、アルキレングリコール類やアルカンジオール類などのジオール化合物、グリコールモノエーテル類やグリコールジエーテル類などのグリコールエーテル化合物、など(ただし有機溶剤A以外のもの)が挙げられる。
本実施形態で用いる水系インクジェットインク組成物は、さらに水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。
本実施形態で用いる水系インクジェットインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。当該界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。
本実施形態で用いる水系インクジェットインク組成物は、pH調整剤を含むことが好ましい。pH調整剤は、インクのpH値の調整を容易にすることができる。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。pH調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。pH調整剤の標準沸点は、50℃以上が好ましく、100℃以上がさらに好ましく、200℃以上がより好ましい。上限は限るのもではないが、400℃以下が好ましい。pH調整剤の標準沸点が上記範囲の場合、VOC放散量が一層低減する点で好ましい。
本実施形態の水系インクジェットインク組成物を用いたインクジェット記録方法は、上記水系インクジェットインク組成物を、ヘッドのノズルから吐出し、被記録媒体に付与させる工程を有し、適宜乾燥工程等を有していてもよい。
本実施形態に係るインク組成物は、吸収性被記録媒体、低吸収性被記録媒体、及び非吸収性被記録媒体に対して広く用いることができる。
図1に、本実施形態に用い得る記録装置の構成の一例を示すブロック図を示す。コンピューター130にはプリンタドライバーがインストールされており、プリンタ1に画像を記録させるため、当該画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。プリンタ1は、「記録装置」に相当する。プリンタ1は、インク供給ユニット10、搬送ユニット20、ヘッドユニット30、乾燥ユニット40、メンテナンスユニット50、検出器群110、メモリー123、インターフェース121、及びコントローラー120を有する。コントローラー120は、CPU122とユニット制御回路124とを有する。外部装置であるコンピューター130から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラー120によって各ユニットを制御して、種々の記録条件を制御し、印刷データに従い、被記録媒体上に画像を記録する。プリンタ1内の状況は検出器群110によって監視されており、検出器群110は、検出結果をコントローラー120に出力する。コントローラー120は、検出器群110から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御し、インターフェース121を介して入力した印刷データをメモリー123に記憶する。メモリー123には、各ユニットを制御するための制御情報も記憶されている。乾燥ユニット40は、ヒーターや送風手段などを備え、被記録媒体に付着したインクなどの組成物を乾燥させるものである。
下記の実施例、比較例、及び参考例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
Pigment Yellow 74 (表1A)
Pigment Yellow 74 (表1B)
Pigment Yellow 74 (表1C)
Pigment Yellow 74 (表1D)
Pigment Yellow 155(商品名:Ink Jet Yellow 4 G、Clariant社製)
〔有機溶剤A〕
3−メチル−1,5−ペンタンジオール(標準沸点:250℃)(東京化成工業社製)
エチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(標準沸点:229℃)(日本乳化剤社製)
ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(標準沸点:272℃)(東京化成工業社製)
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(標準沸点:244℃)日本乳化剤社製)
〔その他の有機溶剤〕
グリセリン(標準沸点:290℃)(東京化成工業社製)
トリエチレングリコール(標準沸点:287℃)(東京化成工業社製)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(標準沸点:271℃)(東京化成工業社製)
1,2−ヘキサンジオール(標準沸点:223℃)(東京化成工業社製)
1,2−ブタンジオール(標準沸点:193℃)(東京化成工業社製)
1,7−ヘプタンジオール(標準沸点:262℃)(東京化成工業社製)
〔pH調整剤〕
トリエチルアミン(標準沸点:90℃)(東京化成工業社製)
トリエタノールアミン(標準沸点:335℃)(東京化成工業社製)
〔界面活性剤〕
アセチレンジオール系界面活性剤:オルフィンE1010(日新化学工業社製)
シリコン系界面活性剤:BYK348(ビッグケミー・ジャパン社製)
2−メトキシ−4−ニトロアニリンを常法に従いジアゾ化し、2−メトキシアセトアセトアニライドとカップリング及び熟成して得られる乾燥顔料(PY−74)120部、塩化ナトリウム600部及びジエチレングリコール165部を加圧蓋を装着するニーダーに仕込み、均一に湿潤された塊ができるまで予備混練をし、次いで加圧蓋を下げて圧力6Kg/cm2で内容物を押さえ込みながら混練摩砕を開始した。内容物温度が40〜45℃になるように冷却温度・冷媒量を管理しながら4時間混練摩砕処理を行った。
2−メトキシ−4−ニトロアニリンを常法に従いジアゾ化し、2−メトキシアセトアセトアニライド及びこれの3%アセトアセト−4−スルファニル酸カリウム塩を加えたものとカップリング及び熟成して得られた乾燥顔料を実施例1と同様ニーダーで処理し、黄色の顔料粉末を得た。顔料の平均粒子径は長軸が96nm、短軸が80nm、11.7°のピークの半値幅は0.424°であった。結晶粒子の長軸と短軸の長さ比の平均値は1.2であった。
2−メトキシ−4−ニトロアニリンを常法に従いジアゾ化し、2−メトキシアセトアセトアニライドとカップリングして得られた顔料スラリーを2つに分け、その一方を90℃まで昇温し、更に90℃で1時間熟成すると黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、熱風乾燥機で90℃で24時間乾燥し、黄色の顔料粉末を得た。顔料は針状の結晶粒子であり、結晶粒子から求めた長軸と短軸の長さ比の平均値は3.2であった。平均粒子径は、長軸が280nm、短軸が90nm、11.7°の半値幅は0.375°であった。
比較例1で得られたアゾ顔料のスラリーの残り半分を70℃まで昇温し、更に70℃で1時間熟成すると黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、熱風乾燥機で70℃で24時間乾燥し、黄色の顔料粉末を得た。顔料は棒状の結晶粒子であり、結晶粒子から求めた長軸と短軸の長さ比の平均値は1.3であった。平均粒子径は、長軸が65nm、短軸が50nm、11.5°のピークの半値幅は0.863であった。
走査型電子顕微鏡(商品名「JSM−7800FPRIME」日本電子株式会社製)を使用して顔料粒子を撮影した。そして、顔料の一次粒子の短軸と長軸を測定し、短軸に対する長軸の比(長軸/短軸)を算出した。任意に選択した100個程度の顔料の一次粒子について算出した「長軸/短軸」の平均値を、各顔料の長軸/短軸の長さ比の平均値とした。
各顔料粉末のCu−Kα線に対するX線回折スペクトルの11.8°のピークから半値幅を求めた。
上述の調製により得た顔料とスチレンと、アクリル酸とアクリレート系モノマーの共重合体である樹脂分散剤(表2中には記載しない)とを、3:1の質量比で水に混合させ、ボールミルにより1時間撹拌して顔料分散液を得た。次に、顔料分散液と残りの各材料を下記の表2に示す組成で混合し、十分に撹拌し、各インク組成物を得た。なお、下記の表1中、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
各インク組成物の表面張力は、表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した。
インクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型式「SC−T7250」)を用い、各インク組成物をヘッドに充填して記録を行った。被記録媒体としてはインクジェット写真用紙(光沢)(セイコーエプソン社製)を用いた。
後述の屋内耐光性評価に用いる記録物の作成には、表2の各例のインクの他に下記の表3に示すブラックインク、シアンインク、マゼンタインクを用いて記録をおこなった。ブラックインク、シアンインク、マゼンタインクは、顔料及びその他の成分として表3のものを用いたこと以外は、実施例のインク組成物と同様にして調整した。
JEITA CP3901Bに準拠し評価した。印刷メディアは、写真用紙 光沢(セイコーエプソン社製)測色は分光光度計(グレタグ社製、「グレタグマクベスSPM50」)を用いて行った。下記評価基準に基づき各インク組成物の耐光性を評価した。
(評価基準)
1: 屋内耐光性60年以上
2: 屋内耐光性40年以上60年未満
3: 屋内耐光性40未満
写真用紙 光沢(セイコーエプソン社製)に最大解像度1440×720dpiの混色階調パターンを記録して記録物を得た。パターンは、表2に示すインク組成物と表3に示すシアンインクを用いて、記録媒体への2つのインク組成物の付着量比(質量比)を1:1で固定し、最大のインク付着量を100%とし、その5%(質量)の付着量まで、5%の間隔で付着量を順次減らした階調パターンとした。最大のインク付着量は10mg/inch2とした。
次いで、C*を測定した。具体的には、分光光度計(グレタグ社製、「グレタグマクベスSPM50」)を用いてパターンWP測色し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系の座標を求めた。その際の条件は、光源D50、光源フィルターなしで、視野角は2°とし、白色標準は絶対白とした。得られた値から、パターンの彩度C*を下記式により求めた。
C*=((a*)2+(b*)2)1/2
(評価基準)
1: C*の最大値が81以上
2: C*の最大値が79以上81未満
3: C*の最大値が79未満
記録試験で用いた記録装置を用いて30分の連続印刷を行い、360個のノズル中の着弾位置ズレや不吐出の発生したノズル数を数え、下記評価基準に基づき各インク組成物の吐出安定性を評価した。
(評価基準)
1: 着弾位置ズレ又は不吐出の発生したノズル数が1個以内
2: 着弾位置ズレ又は不吐出の発生したノズル数が2個以上5個以下
3: 着弾位置ズレ又は不吐出の発生したノズル数が6個以上
記録試験で用いた記録装置で記録を行い、記録中に、公益財団法人日本環境協会 エコマーク商品類型No.155 認定基準書「複写機・プリンタなどの画像機器(Version1.2)」に従ってVOC放散量を測定し、下記評価基準に基づき各インク組成物のVOC放散量を評価した。
(評価基準)
1: VOC放散量が18mg/h未満。
2: VOC放散量が18mg/h以上、25mg/h未満。
3: VOC放散量が25mg/h以上。
さらに、低沸点の1,2−ヘキサンジオールに代えて、比較的に高沸点のトリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いる比較例2及び1,7へプタンジオールを用いる比較例6においては、VOC放散量には優れるが、吐出安定性の観点から問題があることがわかる。
さらに、グリセリンとトリエチレングリコール以外の溶剤を用いない比較例7においては、吐出安定性の観点から問題があることがわかる。
また、1,2−へプタンジオールを用いた比較例8からは、結晶性が高くない顔料を用いた場合には、吐出安定性の問題が生じないことがわかる。
Claims (11)
- X線回析スペクトルの最大もしくはそれに順ずるピークの半値幅が0.7°以下であり長軸/短軸の長さ比の平均値が1.7以下である顔料と、
分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)と分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)とからなる群より選ばれる1種以上の標準沸点が225℃以上である有機溶剤Aと、を含有する、水系インクジェットインク組成物。 - 前記顔料が、アゾ系顔料である、請求項1に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 前記有機溶剤Aが、245℃以上の標準沸点を有する有機溶剤を含む、請求項1又は2に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 225℃未満の標準沸点を有する有機溶剤の含有量が、インク組成物の総量に対して、1質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 前記有機溶剤Aの含有量が、インク組成物の総量に対して、0.5〜20質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 前記顔料の含有量が、インク組成物の総量に対して、0.5〜15質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 前記有機溶剤Aが、炭素数5〜15の有機溶剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 280℃超過の標準沸点を有する有機溶剤であって、有機溶剤A以外の有機溶剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 表面張力が34mN/m以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
- 界面活性剤をさらに含み、
該界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。 - 前記有機溶剤Aとして、分枝構造のアルキル骨格からなるアルカンジオール類(1)と、分枝構造のアルキル骨格を含むアルキレングリコールと分枝構造のアルキル基のエーテルの少なくとも何れかにより構成されるアルキレングリコールアルキルエーテル類(2)と、を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の水系インクジェットインク組成物。
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