JP2018154674A - ポリエーテル化合物の製造方法 - Google Patents

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妙子 中野
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忠 氣仙
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吉田  幸生
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Abstract

【課題】高分子量のポリエーテル化合物を製造する。
【解決手段】有機アルミニウム(A)とオニウム塩(B)とを、成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となるように用いてオキシラン単量体を重合させる工程を有する、ポリエーテル化合物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子量のポリエーテル化合物を製造する方法、当該ポリエーテル化合物を含む粘度指数向上剤の製造方法及び潤滑油組成物の製造方法に関する。
ポリアルキレングリコール類等(以下、単に「PAG」ともいう。)のポリエーテル化合物は、エラストマー、接着剤、シーラント等のポリウレタン製品や、機能性油剤の原料として広く用いられている。PAGは、例えば、各種アルコール等の活性水素原子を有する開始剤に、エチレンオキシド及びプロピレンオキシド等のオキシラン単量体を付加重合させて製造される。
PAGを製造するための触媒としては、アルカリ金属アルコキシド触媒、複合金属シアン化物錯体等が一般的に使用されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これら触媒を使用した場合には、副反応により不飽和アルコールが生成され、そのアルコールが開始剤となるため、高分子量のPAGを製造することは一般的に困難なことが多い。
そこで、従来、種々の方法でPAG等のポリエーテル化合物の分子量を高くすることが検討されている。例えば、特許文献2では、短時間の反応で高分子量のPAGを得るために、アルカリ金属アルコキシド触媒、及びアルミニウムオルガニル存在下でオキシランを重合するとともに、その重合の際に、クラウンエーテル及びクリプタンドを併用しないようにすることが開示されている。
また、特許文献3には、高い分子量と狭い分子量分布を兼ね備えた、オキシラン単量体単位を含む重合体を得るために、トリアルキルアルミニウム及びオニウム塩開始剤を用いる方法が開示されている。
特開平3−195727号公報 特表2007−533783号公報 特開2013−57088号公報
近年、各種分野においてPAG等のポリエーテル化合物を、より高い分子量とすることが望まれつつある。例えば、潤滑油分野においては、PAGを粘度指数向上剤として用いることが検討されているが、粘度指数をより向上させるために、より高い分子量のものが望まれている。しかし、特許文献2及び3では、重量平均分子量(Mw)が10万未満のPAGが開示されるのみであり、高性能の粘度指数向上剤とするためには、更なる高分子量化が望まれる。
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、高分子量のポリエーテル化合物を製造することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、有機アルミニウム(A)(以下、単に「成分(A)」ともいう。)及びオニウム塩(B)(以下、単に「成分(B)」ともいう。)を特定の量比〔A/B〕を満たすように用いてオキシラン単量体を重合させ、PAG等のポリエーテル化合物を製造することで、高分子量のポリエーテル化合物を得られることを見出し、以下の本発明を完成させた。
[1] 有機アルミニウム(A)とオニウム塩(B)とを、
成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となるように用いてオキシラン単量体を重合させる工程を有する、ポリエーテル化合物の製造方法。
[2] 上記[1]に記載の製造方法で得たポリエーテル化合物を、基油で希釈する工程を有する、粘度指数向上剤の製造方法。
[3] 上記[1]に記載の製造方法で得たポリエーテル化合物を、潤滑油基油に配合する工程を有する、潤滑油組成物の製造方法。
高分子量のポリエーテル化合物を製造することが可能になる。
以下、本発明について、実施形態を用いて説明する。
[ポリエーテル化合物の製造方法]
本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物の製造方法は、有機アルミニウム(A)とオニウム塩(B)とを、成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となるように用いてオキシラン単量体を重合させる工程を有する、ポリエーテル化合物を製造する方法である。
<成分(A):有機アルミニウム(A)>
前記有機アルミニウム(A)としては、好ましくはトリアルキルアルミニウムであり、より好ましくはアルキル基の炭素数が1以上18以下のトリアルキルアルミニウム、更に好ましくはアルキル基の炭素数が1以上8以下のトリアルキルアルミニウム、より好ましくはアルキル基の炭素数が2以上6以下のトリアルキルアルミニウムである。
成分(A)は、前記製造方法における重合反応で、触媒となるものである。
成分(A)中のアルキル基は、分岐であってもよいし、直鎖であってもよい。また、1分子中に含まれるアルキル基は互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
成分(A)としては、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが挙げられ、より好ましくはトリイソブチルアルミニウムである。
成分(A)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、当該トリアルキルアルミニウムは、ヘキサン、トルエン等の溶剤で希釈されているものを使用してもよい。
成分(A)の使用量は、成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となるように用いる。
当該比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下であると、高分子量のポリエーテル化合物を製造することが可能になる。
このような観点から、当該比〔A/B〕は、モル比で好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上であり、そして、好ましくは50以下、より好ましくは40以下、更に好ましくは30以下である。
また、前記製造方法で、重合を10℃以上40℃以下の条件下、好ましくは20℃以上30℃以下の条件下で前記オキシラン単量体の重合反応を行なう場合、更に高分子量のポリエーテル化合物を得る観点から、当該比〔A/B〕は、好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上であり、そして好ましくは30以下、より好ましくは25以下、更に好ましくは20以下である。
<成分(B):オニウム塩(B)>
前記オニウム塩(B)は、前記製造方法における重合反応で、重合開始剤となるものである。成分(B)としては、例えば、ハロゲン非含有オニウム塩及びハロゲン含有オニウム塩が挙げられ、好ましくはハロゲン非含有オニウム塩である。
(ハロゲン非含有オニウム塩)
前記ハロゲン非含有オニウム塩は、オニウム塩中にハロゲン原子を有さないオニウム塩である。前記製造方法で、ハロゲン非含有オニウム塩を用いる場合、重合開始剤となるオニウム塩がハロゲン原子を有さないため、得られるポリエーテル化合物は重合開始末端にハロゲン原子を含有しない。したがって、よりハロゲン含有量の少ないポリエーテル化合物を得る場合には好ましい。
前記ハロゲン非含有オニウム塩としては、例えば、ハロゲン非含有アンモニウム塩が挙げられ、好ましくは、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
一般式(1)中、Rは、結合部を1個以上4個以下有する直鎖又は分岐の炭素数1以上6以下の飽和炭化水素基、Rは直鎖又は分岐の炭素数4以上8以下のアルキル基、nは1以上4以下の整数である。
ここで、一般式(1)で表される化合物としては、nが1以上2以下の整数であるとともに、Rが結合部を1個以上2個以下有することが好ましく、nが1であるとともに、Rが直鎖又は分岐の炭素数1以上6以下のアルキル基であることがより好ましい。
また、Rの炭素数としては、1以上5以下が好ましく、1以上4以下がより好ましい。Rの炭素数としては、4以上6以下が好ましく、4がより好ましい。
なお、一般式(1)のオニウム塩を使用する場合、得られるポリエーテル化合物において、R1(−Oが重合開始末端となる。
としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、メチルペンチル基、イソへキシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールから水酸基を除いた残基;で例示される、結合部を2個以上4個以下有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素基が挙げられる。
また、Rとしては、例えば、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、メチルペンチル基、イソへキシル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられ、好ましくは直鎖又は分岐のブチル基、直鎖又は分岐のオクチル基等が挙げられる。
なお、複数存在するRは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。複数存在するRは、好ましくは互いに同一である。
ハロゲン非含有オニウム塩は、例えば、アルカリ金属アルコキシドと第4級アンモニウム塩を反応させて合成する。
アルカリ金属アルコキシドは、アルコールをアルカリ金属の水素化物でアルコキシ化することにより得られる。使用するアルコールのアルキル基は、Rの炭素数に応じて変更されるものであり、炭素数1以上6以下のものが使用される。アルキル基は、直鎖でも分岐構造でもよい。
アルコールとしては、1価以上4価以下のアルコールが使用され、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
(ハロゲン含有オニウム塩)
前記ハロゲン含有オニウム塩としては、例えば、ハロゲン含有アンモニウム塩が挙げられ、好ましくは、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
一般式(2)中、Xはハロゲン原子を示し、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上8以下のアルキル基を示す。
一般式(2)中、Xが示すハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が挙げられ、好ましくは塩素原子又は臭素原子、より好ましくは塩素原子である。
〜Rが示す炭素数1以上8以下のアルキル基としては、それぞれ独立に、より好ましくは炭素数1以上5以下、更に好ましくは炭素数1以上4以下である。また、当該アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状のいずれでもよく、好ましくは直鎖状である。
当該炭素数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、メチルペンチル基、イソへキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。
一般式(2)中、複数のR〜Rが互いに同一であることが好ましい。
当該ハロゲン含有オニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド等が挙げられ、好ましくは、これらからなる群より選ばれる少なくとも1種、より好ましくはテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、及びテトラブチルアンモニウムクロリドからなる群より選ばれる少なくとも1種、更に好ましくはテトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミドである。
成分(B)は、所望するポリエーテル化合物の分子量に応じて使用量を変更すればよいが、反応系内の全単量体に対して、好ましくは0.005モル%以上0.150モル%以下、より好ましくは0.010モル%以上0.100モル%以下、更に好ましくは0.010モル%以上0.060モル%以下、より更に好ましくは0.010モル%以上0.030モル%以下である。オニウム塩の使用量を、これら下限値以上とすることで、オニウム塩を開始剤として適切に重合反応を進行させることが可能になる。また、これら上限値以下とすることで、得られるポリエーテル化合物の分子量が十分に高くなる。
なお、成分(B)として、前記ハロゲン含有オニウム塩を用いる場合、当該ハロゲン含有オニウム塩は、所望する分子量に応じて使用量を変更すればよいが、反応系内の全単量体と当該ハロゲン含有オニウム塩との合計量に対して、好ましくは0.0002質量%(2質量ppm)以上1.0000質量%(10,000質量ppm)以下、より好ましくは0.0010質量%(10質量ppm)以上0.5000質量%(5,000質量ppm)以下、更に好ましくは0.0020質量%(20質量ppm)以上0.2000質量%(2,000質量ppm)以下、より更に好ましくは0.0040質量%(40質量ppm)以上0.1500質量%(1,500質量ppm)以下である。当該ハロゲン含有オニウム塩の使用量を、これら下限値以上とすることで、当該ハロゲン含有オニウム塩を開始剤として適切に重合反応を進行させることが可能になる。また、これら上限値以下とすることで、得られるポリエーテル化合物の分子量が十分に高くなる。
成分(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<オキシラン単量体>
前記オキシラン単量体とは、炭素2原子、酸素1原子からなる複素3員環(以下、「3員環エーテル構造」ともいう。)を有する化合物である。オキシラン単量体としては、好ましくは、分子内にハロゲン原子を有しないものが使用される。
オキシラン単量体としては、例えば、エチレンオキシド、鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキレンオキシド、鎖状又は分岐状のアルケニル基を有するアルキレンオキシド、脂環式エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、芳香族エポキシドが挙げられる。
鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキレンオキシドは、アルキル基が3員環エーテル構造の炭素原子上に結合している化合物であれば特に限定されないが、例えば、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシイソブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン、1,2−エポキシヘンイコサン、1,2−エポキシドコサン、1,2−エポキシトリコサン、1,2−エポキシテトラコサン、1,2−エポキシペンタコサン等の炭素数3以上27以下の鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキレンオキシドが挙げられる。
鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキレンオキシドとしては、好ましくは炭素数3以上12以下、より好ましくは炭素数3又は4のものである。
鎖状又は分岐状のアルケニル基を有するアルキレンオキシドは、アルケニル基が3員環エーテル構造の炭素原子上に結合している化合物であれば特に限定されないが、例えば、2−ビニルオキシラン、2−アリルオキシラン、2−イソプロペニルオキシラン、2−(3−ブテニルオキシラン)、2−(5−ヘキセニルオキシラン)、2−(7−オクテニルオキシラン)等が挙げられる。
なお、鎖状又は分岐状のアルキル基及びアルケニル基を有するアルキレンオキシドであってもよく、例えば、2−メチル−2−イソプロペニルオキシラン、2−メチル−2−アリルオキシラン等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、シクロアルキル基が3員環エーテル構造の炭素原子上に結合している化合物が挙げられ、例えば、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロへプタン、1,2−エポキシシクロオクタン、1,2−エポキシシクロノナン、1,2−エポキシシクロデカン、1,2−エポキシシクロウンデカン、1,2−エポキシシクロドデカン等の炭素数5以上12以下の脂環式エポキシドが挙げられる。
また、アルキルグリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等が挙げられ、芳香族エポキシドとしては、スチレンオキシド、フェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記した中では、好ましくはエチレンオキシド及び鎖状又は分岐状のアルキル基を有するアルキレンオキシドからなる群より選ばれる1種以上、より好ましくはエチレンオキシド及び鎖状のアルキル基を有するアルキレンオキシドからなる群より選ばれる1種以上、更に好ましくはエチレンオキシド及び炭素数3又は4の鎖状のアルキル基を有するアルキレンオキシドからなる群より選ばれる1種以上である。
エチレンオキシド及び炭素数3又は4の鎖状のアルキル基を有するアルキレンオキシドからなる群より選ばれる1種以上を使用することで、ポリエーテル化合物は、従来一般に使用されるPAGと同様の構造となり、様々な分野で好適に使用されるようになる。例えば、潤滑油分野では、粘度指数向上剤として好適に使用される。
上記した中では、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシイソブタン、及び2,3−エポキシブタンからなる群より選ばれる1種以上、より好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び1,2−エポキシブタンからなる群より選ばれる1種以上、更に好ましくはプロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン又はそれらの混合物、より更に好ましくはプロピレンオキシドである。
また、当該オキシラン単量体としては、ハロゲン原子を有するオキシラン単量体であってもよい。
当該ハロゲン原子を有するオキシラン単量体としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子と3員環エーテル構造とを含有する化合物であれば特に限定されず、例えば、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン等のエピハロヒドリン;p−クロロスチレンオキシド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、テトラフルオロエチレンオキシド、ヘキサフルオロプロピレンオキシド、パーフルオロフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、エピハロヒドリンが好ましく、エピクロロヒドリンがより好ましい。
前記ポリエーテル化合物の合成は、成分(A)及び成分(B)の存在下、オキシラン単量体を開環重合することで行う。重合反応は、通常、これら原料を反応系内で混合することで行う。
原料の混合は、例えば、反応系内に先に仕込んだ有機アルミニウム(A)に、オキシラン単量体に溶解させたオニウム塩(B)を添加し、その後、更にオキシラン単量体を添加して行うことが好ましい。
そして、反応系内に後述する溶媒を仕込んだ後、更に、有機アルミニウム(A)を仕込み、当該溶媒と有機アルミニウム(A)との混合物に対し、先にオキシラン単量体に溶解させたオニウム塩(B)を添加し、その後、更にオキシラン単量体を添加して行うことがより好ましく、当該後から添加するオキシラン単量体は、反応系の反応温度が所望の温度に維持されるように添加速度を調整して添加するのが更に好ましい。
また、反応系内に先に仕込んだ有機アルミニウム(A)、及びオニウム塩(B)の混合物に、オキシラン単量体を添加して行ってもよいし、オニウム塩(B)及びオキシラン単量体の混合物に、有機アルミニウム(A)を添加して行ってもよい。
<ポリエーテル化合物の製造時に用いる溶媒>
当該重合反応は、特に限定されないが、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒の存在下で行うことで、重合を制御しやすくなり、高分子量のポリエーテル化合物が製造しやすくなる。
当該溶媒としては、原料に対して不活性なものであれば特に限定されないが、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素系溶媒;イソオクタン等の分岐鎖状飽和炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水素系溶媒;等の飽和炭化水素系溶媒、また、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;モノエーテル、ジエーテル、トリエーテル、テトラエーテル、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコール類等のエーテル系溶媒;が挙げられる。
ここで、モノエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1以上12以下であるジアルキルエーテル等が例示される。また、ジエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1以上12以下であるジアルキルジエーテルが用いられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルカンジオールのジアルキルエーテルが挙げられる。トリエーテル及びテトラエーテルとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価又は4価アルコールのアルキルエーテルが挙げられる。
これらの溶媒の中では、より高分子量のポリエーテル化合物を製造しやすくなる観点から、飽和炭化水素系溶媒を用いることが好ましい。
これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、当該「溶媒」とは、前記オキシラン単量体を重合してポリエーテル化合物を合成するために反応系に添加される溶媒のことをいう。例えば、触媒(成分(A))及び重合開始剤(成分(B))等の前記オキシラン単量体以外の添加剤に予め含まれている溶剤又はこれら添加剤の取り扱い上の観点から、これら添加剤を含有する溶剤等は、ここでいう「溶媒」には含まないものとする。
当該溶媒は、溶媒1Lに対する単量体のモル量が、好ましくは0.10モル/L以上10.00モル/L以下、より好ましくは1.00モル/L以上8.00モル/L以下、更に好ましくは1.00モル/L以上4.00モル/L以下となるように反応系に添加される。当該溶媒1Lに対する単量体のモル量がこれらの上限値以下とすることで、高分子量のポリエーテル化合物を製造しやすくなる。また、当該溶媒1Lに対する単量体のモル量がこれらの下限値以上とすることで、反応容器のサイズが必要以上に大きくなることが防止される。
また、当該溶媒の反応系での使用量としては、高分子量のポリエーテル化合物を更に製造しやすくする観点からは、溶媒1Lに対する前記オキシラン単量体のモル量が、好ましくは0.50モル/L以上、より好ましくは1.00モル/L以上、更に好ましくは2.00モル/L以上、より更に好ましくは2.50モル/L以上であり、そして、好ましくは8.00モル/L以下、より好ましくは6.00モル/L以下、更に好ましくは5.00モル/L以下、より更に好ましくは4.50モル/L以下である。
オキシラン単量体の重合反応を行う条件は、用いる原料の種類、目的とする分子量等に応じて適宜設定することができる。重合反応時の圧力は、通常、大気圧下である。
また、前記オキシラン単量体を重合する時の温度は、例えば、−30℃以上100℃以下で行なうことができるが、例えば、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であるようなより高分子量のポリエーテル化合物を得る観点からは、好ましくは−30℃以上、より好ましくは−20℃以上、更に好ましくは−15℃以上であり、そして、好ましくは30℃以下、より好ましくは10℃以下、更に好ましくは0℃以下である。
ここで、これまで、室温程度の温和な条件下では、例えば、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であるような更に高分子量のポリエーテル化合物を得ることが難しかった。しかしながら、前記本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物の製造方法では、室温程度の温和な条件下でも、高分子量のポリエーテル化合物を得ることが可能になる。そして、重合反応を行なう際の作業性及び安全性の観点、並びに工業化の観点からも、より温和な条件下でオキシラン化合物を重合して、高分子量のポリエーテル化合物を得ることが好ましい。
したがって、このような温和な条件下で高分子量のポリエーテル化合物を得る観点からは、前記製造方法において、前記オキシラン単量体を重合する時の温度は、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上、更に好ましくは0℃以上、より更に好ましくは5℃以上、より更に好ましくは10℃以上であり、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下、更に好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下である。
また、重合時間は、好ましくは0.5時間以上24時間以下、より好ましくは1時間以上15時間以下、更に好ましくは2時間以上10時間以下である。
前記重合反応は、例えば、水、アルコール、酸性物質、塩基性物質又はこれらの混合物等を添加し、触媒(成分(A))を失活させて停止してもよい。
また、重合反応終了後、回収工程で、ろ過、減圧留去等の常法により、不純物、揮発成分を取り除いてポリエーテル化合物を回収すればよい。
触媒(成分(A))は、吸着剤を用いた加圧ろ過によって取り除いてもよいし、吸着剤を用いることなく、高温のアルカリ水で洗浄した後に純水で洗浄することによって取り除いてもよい。
更に、得られるポリエーテル化合物の末端は、水酸基となるものであるが、その末端水酸基は変性剤により官能基を導入してもよい。例えば、ポリエーテル化合物の末端は、水酸基をエステル化、又はエーテル化等することで、炭素数1以上10以下の炭化水素基又は炭素数1以上10以下の酸素含有炭化水素基等を導入してもよい。なお、炭化水素基としてはアルキル基が挙げられ、酸素含有炭化水素基としてはアシル基が挙げられるが、これら炭化水素基及び酸素含有炭化水素基の詳細は、後述するRと同様である。
本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物の製造方法では、高分子量のポリエーテル化合物を得ることが可能であり、更には、前述した温和な条件下でも、高分子量のポリエーテル化合物を得ることが可能である。例えば、重量平均分子量(Mw)が100,000以上であるポリエーテル化合物を製造可能である。
重量平均分子量(Mw)を100,000以上とすることで、ポリエーテル化合物は、様々な分野で有用となり、例えば、潤滑油分野では、粘度指数を向上させる粘度指数向上剤として好適に使用され、冷凍機油組成物用の粘度指数向上剤としてより好適に使用される。
前記製造方法で得られるポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)としては、得られるポリエーテル化合物の効果を有効に発現させる観点から、好ましくは100,000以上、より好ましくは200,000以上、更に好ましくは300,000以上である。
また、得られるポリエーテル化合物の取り扱い性、製造の容易性の観点から、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは600,000以下、更に好ましくは550,000以下である。
なお、当該重量平均分子量(Mw)の値は、後述する実施例に記載の方法を用いて測定される値である。
[ポリエーテル化合物]
本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物は、下記一般式(3)又は(4)で表される化合物であって、重量平均分子量(Mw)が100,000以上好ましくは1,000,000以下となるものである。
一般式(3)中、R及びnは、それぞれ、一般式(1)中の前記R及びnと同様であり、その好適な態様も同様である。また、ROはオキシラン単量体由来の構成単位、mは、当該ポリエーテル化合物の重量平均分子量が100,000以上となる値であり、そして、好ましくは1,000,000以下となる値である。Rは、水素原子、炭素数1以上10以下の炭化水素基、又は炭素数1以上10以下の酸素含有炭化水素基である。複数存在するROは、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、nが2以上の場合、複数存在するRは互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
一般式(4)中、X、RO、及びRは、それぞれ、一般式(2)中の前記X、並びに一般式(3)中の前記RO及びRと同様であり、その好適な態様も同様である。rは、当該ポリエーテル化合物の重量平均分子量が100,000以上となる値であり、そして、好ましくは1,000,000以下となる値である。複数存在するROは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
一般式(3)及び(4)におけるオキシラン単量体の化合物の例は、前記製造方法の欄で前述したとおりである。一般式(3)及び(4)におけるRとしては、例えば、炭素数2以上27以下の2価の炭化水素基、又は酸素原子を有する炭素数2以上27以下の2価の炭化水素基が挙げられる。これらは、1分子中において単独で使用されてもよいし、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
オキシラン単量体としては、上記のように、エチレンオキシド、及び鎖状のアルキル基を有するアルキレンオキシドが好ましい。したがって、一般式(3)及び(4)において、ROは、好ましくは、−CR CR O−(ただし、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は鎖状のアルキル基を表す。)の構造を有し、かつ合計炭素数が2以上27以下の2価の基であり、当該合計炭素数は、より好ましくは2以上20以下、更に好ましくは2以上12以下、より更に好ましくは2以上4以下である。
なお、より好ましいROの態様としては、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(CHCH)O−、−CHC(CHO−、−CH(CH)CH(CH)O−が挙げられる。これらの中では、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(CHCH)O−が更に好ましい。ROの合計炭素数が、2以上4以下となることで前述したように、ポリエーテル化合物が、様々な分野で好適に使用されやすくなり、例えば、潤滑油分野では、粘度指数向上剤として好適に使用され、冷凍機油組成物に用いる粘度指数向上剤としてより好適に使用される。
における炭素数1以上10以下の炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。該炭化水素基はアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、分岐又は直鎖のブチル基、分岐又は直鎖のペンチル基、分岐又は直鎖のヘキシル基、分岐又は直鎖のヘプチル基、分岐又は直鎖のオクチル基、分岐又は直鎖のノニル基、分岐又は直鎖のデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
における炭素数1以上10以下の酸素含有炭化水素基としては、炭素数2以上10以下のアシル基、エーテル結合を有する鎖状の脂肪族基、エーテル結合を有する環状の脂肪族基(例えば、テトラヒドロフルフリル基)等が挙げられる。炭素数2以上10以下のアシル基が有する炭化水素基部分は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。該アシル基の炭化水素基部分は、アルキル基が好ましく、例えば、前述のRとして選択し得るアルキル基のうち炭素数1以上9以下のものが挙げられる。
は、前記した中では、好ましくは水素原子又はアルキル基、より好ましくは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基、更に好ましくは水素原子又はメチル基若しくはエチル基、より更に好ましくは水素原子である。
1分子中にRが複数ある場合、各分子においてRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、前記一般式(4)で表されるポリエーテル化合物は、より好ましくは以下の一般式(5)で表されるポリエーテル化合物である。
一般式(5)中、X、R及びrは、それぞれ、一般式(4)中の前記X、R及びrと同様であり、その好適な態様も同様である。R10は単結合又はメチレン基を示し、R11は水素原子、塩素原子又は炭素数1以上24以下のアルキル基を示す。Yは単結合又は酸素原子を示す。
複数のR10は互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。複数のR11は互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。複数のYは互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
10は、好ましくは単結合である。
11は、好ましくは水素原子、又は前記炭素数1以上24以下のアルキル基である。当該アルキル基の炭素数は、好ましくは炭素数1以上15以下、より好ましくは炭素数1以上5以下、更に好ましくは炭素数1以上3以下である。また、当該アルキル基は直鎖状、分岐状、又は環状のいずれでもよく、好ましくは直鎖状である。
前記炭素数1以上24以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、メチルペンチル基、イソへキシル基、ペンチルヘキシル基、ブチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中では、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくはメチル基である。
Yは、好ましくは単結合である。また、Yは複数存在するが、複数のYは互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
なお、R10及びYが共に単結合である場合とは、R11が一般式(5)で表されるポリエーテル化合物の主鎖中の炭素原子に直接結合することを表す。
一般式(5)中、好ましくは複数のR10が互いに同一であり、複数のR11が互いに同一であり、複数のYが互いに同一である。
従来、例えば、−10℃以上のような前述した比較的温和な条件下でオキシラン単量体を重合する場合、一般式(3)、(4)又は(5)で示される分子構造のポリエーテル化合物として、重量平均分子量(Mw)が100,000以上の高分子を得ることが困難であったが、前述の本発明の一実施形態に係る製造方法によれば、製造することが可能になる。
当該ポリエーテル化合物は、好ましくは前記ポリエーテル化合物の製造方法により得られるものである。
重量平均分子量(Mw)が100,000以上の一般式(3)、(4)又は(5)で示される構造を有するポリエーテル化合物は、分子量が高いことで様々な特性を有する。例えば、当該高分子量のポリエーテル化合物は、潤滑油組成物に配合することで、潤滑油組成物の粘度指数を向上させることができるが、重量平均分子量(Mw)を100,000以上とすることで、粘度指数をより高くすることが可能になる。
ポリエーテル化合物は、その重量平均分子量(Mw)が、好ましくは150,000以上、より好ましくは200,000以上、より好ましくは300,000以上である。ポリエーテル化合物は、このように分子量を極めて高くすることで、高分子にしたときに得られる様々な特性をより発揮しやすくなる。例えば、粘度指数向上剤として使用する場合には、粘度指数を更に高くすることが可能である。
また、ポリエーテル化合物は、その重量平均分子量(Mw)が1,000,000以下であると、その製造や取り扱い性がより容易になるため好ましい。取り扱い性の例としは、後述する潤滑油基油又は粘度指数向上剤が含有する希釈用の基油等に対する溶解性の良否といった観点が挙げられる。当該ポリエーテル化合物の製造や取り扱い性の観点からは、ポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは600,000以下、より更に好ましくは550,000以下である。
また、当該ポリエーテル化合物は、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が、好ましくは10.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.5以下である。
また、その下限値は特に制限はないが、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.4以上、より更に好ましくは1.5以上である。
当該重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、実施例に記載の方法で測定することができる。
したがって、一般式(3)中のm、一般式(4)及び(5)中のrは、それぞれ独立に、ポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)が100,000以上となる整数を示し、好ましくはポリエーテル化合物の重量平均分子量(Mw)が150,000以上、より好ましくは200,000以上、更に好ましくは300,000以上となる整数であり、そして、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは600,000以下、より更に好ましくは550,000以下となる整数である。
なお、一般式(3)で表されるポリエーテル化合物は、好ましくは、重合開始剤として、一般式(1)で表されるハロゲン非含有オニウム塩を用い、前記ポリエーテル化合物の製造方法により得られるものである。
また、一般式(4)又は(5)で表されるポリエーテル化合物は、好ましくは、重合開始剤として、一般式(2)で表されるハロゲン含有オニウム塩を用い、前記ポリエーテル化合物の製造方法により得られるものである。
一般式(4)又は(5)で表されるポリエーテル化合物の場合、燃焼イオンクロマトグラフで測定されるポリマー分子中のハロゲン原子含有量が、好ましくは0.1000質量%(1,000質量ppm)以下、より好ましくは0.0300質量%(300質量ppm)以下、更に好ましくは0.0100質量%(100質量ppm)以下であり、そして、好ましくは0.0001質量%(1質量ppm)以上、より好ましくは0.0010質量%(10質量ppm)以上、更に好ましくは0.0050質量%(50質量ppm)以上である。
また、一般式(4)又は(5)で表されるポリエーテル化合物の場合、分子末端にのみ、ハロゲン原子を有するポリエーテル化合物であることが好ましい。分子内部のハロゲン(2級や3級)に比べて、末端ハロゲン(1級)は脱離しにくく、酸が発生する恐れを低減できる。また、その酸によりポリマーが分解する恐れも低減できる。
なお、前記ポリマー分子中のハロゲン原子(塩素原子)の含有量は、例えば、下記装置及び条件で燃焼イオンクロマトグラフ法により測定できる。
(1)試料燃焼
・装置:製品名「AQF−100」、株式会社三菱化学アナリテック製
・燃焼条件
燃焼炉設定温度:前段800℃、後段1,000℃
ガス流量:燃焼管外管より、酸素=400mL/分
燃焼管内管より、アルゴン又は酸素=200mL/分
加湿用超純水供給量:0.1mL/分
(2)イオンクロマトグラフ
・装置:製品名「DX−120」、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製
・カラム:「Dionex(登録商標) IonPac(登録商標) AG12A」及び「Dionex(登録商標) IonPac(登録商標) AS12A」、いずれもサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製
[潤滑油組成物]
本発明の一実施形態に係る潤滑油組成物は、潤滑油基油と、前記ポリエーテル化合物を含むものであり、好ましくは潤滑油基油と、前記製造方法により得られるポリエーテル化合物を含むものである。当該潤滑油組成物は、前述のように分子量の高いポリエーテル化合物を含有することで、粘度指数が向上する。
当該潤滑油組成物において、ポリエーテル化合物は、通常0.01質量%以上50質量%以下、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下で含有される。
前記潤滑油基油としては、一般に潤滑油の基油として用いられるものであればよく、特に制限はないが、鉱油、合成油、又はこれらの混合物が挙げられ、含酸素基油が好ましい。該含酸素基油としては、脂肪族系モノエステル、脂肪族系ジエステル、脂肪族系トリエステル、ポリオールエステル(POE)、脂肪族系モノエーテル、脂肪族系ジエーテル、脂肪族系トリエーテル、脂肪族系テトラエーテル、脂肪族系ポリビニルエーテル(PVE)等が挙げられる。
当該潤滑油基油は、特に制限はないが、通常、100℃における動粘度が0.5mm/s以上50mm/s以下の範囲にあり、1mm/s以上25mm/s以下の範囲にあるものが好ましい。なお、動粘度はJIS K2283−2000に準じ、ガラス製毛管式粘度計を用いて測定したものである。
当該潤滑油組成物は、ポリエーテル化合物の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、油性剤、極圧剤、清浄分散剤、前記ポリエーテル化合物以外の粘度指数向上剤、防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤等の添加剤を含有してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、当該潤滑油組成物は、用途によっては、前記ポリエーテル化合物以外の添加剤を配合せず、前記潤滑油基油と前記ポリエーテル化合物からなるものであってもよい。
当該潤滑油組成物は、冷凍機油として使用されることが好ましい。すなわち、当該潤滑油組成物は、冷媒とともに冷凍機内部に充填して使用され、例えば、冷凍機に設けられた圧縮機等の摺動部分を潤滑するために好適に使用されるものである。
また、当該潤滑油組成物は、冷凍機以外にも、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関、変速機、ショックアブソーバー、各種歯車構造、各種軸受機構、その他の各種の工業用装置等において使用されてもよい。
[潤滑油組成物の製造方法]
前記潤滑油組成物は、前記潤滑油基油に、前記ポリエーテル化合物、及びその他必要に応じて使用される前記各種添加剤を配合して製造されるものであり、好ましくは前記潤滑油基油に、前記製造方法で得たポリエーテル化合物、及びその他必要に応じて使用される前記各種添加剤を配合して製造されるものである。
すなわち、本発明の一実施形態に係る潤滑油組成物の製造方法としては、前記ポリエーテル化合物を、潤滑油基油に配合する工程を有する製造方法であり、好ましくは前記製造方法で得たポリエーテル化合物を、潤滑油基油に配合する工程を有する製造方法である。そして、前述のとおり、当該製造方法で得られる潤滑油組成物は、冷凍機に使用される冷凍機油組成物であることが好ましい。
[粘度指数向上剤]
前記ポリエーテル化合物は、前述のように、好ましくは潤滑油組成物の粘度指数を向上する添加剤として使用されるものであり、冷凍機油用の粘度指数向上剤として用いることがより好ましい。当該粘度指数向上剤は、前記ポリエーテル化合物単体からなるものであってもよいが、前記ポリエーテル化合物に加えて他の成分を含有していてもよい。例えば、粘度指数向上剤は、前記ポリエーテル化合物に加えて、前記ポリエーテル化合物を希釈するための基油等を含有していてもよい。当該基油としては、前記潤滑油基油で列挙した各種の基油を使用可能である。
[粘度指数向上剤の製造方法]
すなわち、本発明の一実施形態に係る粘度指数向上剤の製造方法としては、前記ポリエーテル化合物を、基油で希釈する工程を有する製造方法であり、好ましくは前記製造方法で得たポリエーテル化合物を、基油で希釈する工程を有する製造方法である。そして、前述のとおり、当該製造方法で得られる粘度指数向上剤は、潤滑油組成物に好適に使用されるものであり、冷凍機油組成物により好適に使用されるものである。
また、前記ポリエーテル化合物は、潤滑油用途以外にも様々な用途で使用可能であり、エラストマー、樹脂、ゴム等を構成するウレタン等の高分子材料の原料として使用することが可能である。ウレタンは例えばシーラント、接着剤等に使用される。
以下に、本発明を、実施例により、更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、ポリエーテル化合物の下記物性の測定は、以下に示す要領に従って行なった。
[重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)]
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、カラムとして東ソー株式会社製TSKgel SuperMultiporeHZ−M2本を用い、テトラヒドロフランを溶離液として、検出器に屈折率検出器を用いて測定を行い、ポリスチレンを標準試料として重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を求めた。
分子量分布(Mw/Mn)は、得られた重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の値を用いて算出した。
[実施例1]
1Lの4つ口セパラブルフラスコに、温度計、撹拌翼(4枚傾斜パドル)、並びに20mL及び100mLの滴下漏斗を取り付け、当該セパラブルフラスコ内を窒素で置換した。
窒素雰囲気下、溶媒としてn−ヘプタン(和光純薬工業社製、商品名「超脱水ヘプタン」)を500mL当該セパラブルフラスコに仕込んだ。
冷媒温度を15℃以上18℃以下に制御した恒温槽に、当該セパラブルフラスコを漬け、撹拌翼をスリーワンモーターに接続して200rpmの回転速度で撹拌した。
次いで、触媒としてトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(和光純薬工業社製、「1.0mol/Lトリイソブチルアルミニウム トルエン溶液」)を4.2mL(成分(A)であるトリイソブチルアルミニウム換算で4.2mmol)当該セパラブルフラスコ内に仕込んだ。
次に、グローブボックス内(露点−70℃以下、酸素1ppm以下)で、三方コックを付けた20mLの2口ナシ型フラスコに、重合開始剤としてテトラブチルアンモニウムメトキシド(成分(B))を75.6mg(0.2765mmol)仕込んだ。当該ナシ型フラスコをグローブボックスから出した後、窒素雰囲気下で、プロピレンオキシドを10mL(0.143mol)添加して、溶解させて、テトラブチルアンモニウムメトキシドのプロピレンオキシド溶液を調製した。
続いて、当該テトラブチルアンモニウムメトキシドのプロピレンオキシド溶液を、前記セパラブルフラスコに備えた20mL滴下漏斗に仕込み、もう一方の100mL滴下漏斗にはプロピレンオキシド90mL(1.287mol)を仕込んだ。
内温を20℃に制御した当該セパラブルフラスコに、最初に、前記20mL滴下漏斗中のテトラブチルアンモニウムメトキシドのプロピレンオキシド溶液を、10分間かけて滴下した。
テトラブチルアンモニウムメトキシドのプロピレンオキシド溶液の滴下が終了した後、前記100mL滴下漏斗中のプロピレンオキシド90mLを、当該セパラブルフラスコ内の温度を20℃に制御したまま、3時間かけてゆっくりと滴下した。
前記100mL滴下漏斗中のプロピレンオキシド90mLの滴下を終了した後、同温度で2時間待ち、エタノールを2mL、5wt%水酸化ナトリウム水溶液を2mL加えて、触媒を失活させ、重合反応を終了させた。
重合反応を終了した当該セパラブルフラスコに、更にトルエン200mL、「セライト」(登録商標、Imerys Minerals California, Inc.製)20gを添加し、加圧ろ過器(窒素圧0.3MPa)を用いて粗生成物をろ過した。
ろ液に、酸化防止剤(4,4’−メチレン−ビス(2,6-ジ−tert−ブチルフェノール))を30mg添加し、テフロン(登録商標)製のバッドを用いて真空乾燥器にて濃縮(真空度1Torr以下、温度120℃)して、ポリエーテル化合物1を得た。
[実施例2]
実施例1において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを4.2mmol用いる代わりに0.83mmol用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してポリエーテル化合物2を得た。
[実施例3]
実施例1において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを4.2mmol用いる代わりに8.3mmol用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してポリエーテル化合物3を得た。
[実施例4]
実施例1において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを4.2mmol用いる代わりに2.1mmol用いたこと以外は、実施例1と同様に操作してポリエーテル化合物4を得た。
[実施例5]
実施例4において、溶媒であるn−ヘプタンを500mL用いる代わりに300mL用いたこと以外は、実施例4と同様に操作してポリエーテル化合物5を得た。
[実施例6]
実施例4において、溶媒であるn−ヘプタンを500mL用いる代わりに700mL用いたこと以外は、実施例4と同様に操作してポリエーテル化合物6を得た。
[実施例7]
実施例4において、恒温層の冷媒温度を25℃以上28℃以下に制御し、プロピレンオキシドの重合反応を行う際のセパラブルフラスコの内温を20℃に制御する代わりに、30℃に制御したこと以外は、実施例4と同様に操作してポリエーテル化合物7を得た。
[実施例8]
実施例7において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを2.1mmol用いる代わりに4.2mmol用いたこと以外は、実施例7と同様に操作してポリエーテル化合物8を得た。
[実施例9]
実施例7において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを2.1mmol用いる代わりに8.3mmol用いたこと以外は、実施例7と同様に操作してポリエーテル化合物9を得た。
[実施例10]
実施例4において、恒温層の冷媒温度を−5℃以上−2℃以下に制御し、プロピレンオキシドの重合反応を行う際のセパラブルフラスコの内温を20℃に制御する代わりに、0℃に制御したこと以外は、実施例4と同様に操作してポリエーテル化合物10を得た。
[実施例11]
実施例10において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを2.1mmol用いる代わりに4.2mmol用いたこと以外は、実施例10と同様に操作してポリエーテル化合物11を得た。
[実施例12]
実施例10において、成分(A)であるトリイソブチルアルミニウムを2.1mmol用いる代わりに8.3mmol用いたこと以外は、実施例10と同様に操作してポリエーテル化合物12を得た。
以上のように、各実施例1〜12では、重合反応を、有機アルミニウム(成分(A))及びオニウム塩(成分(B))の存在下、成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となる条件下で行うことで、高分子量のポリエーテル化合物を製造することができた。
そして、実施例1〜12に示すように、0℃以上30℃以下といった、温和な条件下で、高分子量のポリエーテル化合物を製造できることが確認された。
本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物の製造方法を用いることで、高分子量のポリエーテル化合物を得ることが可能である。更に、当該製造方法を用いる場合、より温和な条件下で高分子量のポリエーテル化合物を得ることが可能となるため、工業的に非常に有益である。
また、本発明の一実施形態に係るポリエーテル化合物及び前記製造方法により得られるポリエーテル化合物は、冷凍機、内燃機関、歯車構造、軸受機構、変速機、ショックアブソーバー等に使用される潤滑油組成物に配合され、例えば、粘度指数向上剤として好適に使用されるものであり、冷凍機油組成物の粘度指数向上剤としてより好適に使用されるものである。また、接着剤、シーラント等を構成するウレタン等の各種原料としても使用可能なものである。

Claims (14)

  1. 有機アルミニウム(A)とオニウム塩(B)とを、
    成分(A)と成分(B)との量比〔A/B〕が、モル比で3以上60以下となるように用いてオキシラン単量体を重合させる工程を有する、ポリエーテル化合物の製造方法。
  2. 前記オキシラン単量体の重合を、−10℃以上40℃以下で行なう、請求項1に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  3. 成分(A)が、トリアルキルアルミニウムである、請求項1又は2に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  4. 成分(B)が、ハロゲン非含有オニウム塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  5. 前記ハロゲン非含有オニウム塩が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項4に記載のポリエーテル化合物の製造方法。

    (一般式(1)中、R1は結合部を1個以上4個以下有する直鎖又は分岐の炭素数1以上6以下の飽和炭化水素基、R2は直鎖又は分岐の炭素数4以上8以下のアルキル基、nは1以上4以下の整数である。)
  6. 一般式(1)中、nが1であるとともに、R1が直鎖又は分岐の炭素数1以上6以下のアルキル基である、請求項5に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  7. 前記ポリエーテル化合物の重量平均分子量が100,000以上1,000,000以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  8. 前記オキシラン単量体が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシイソブタン、及び2,3−エポキシブタンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  9. 前記オキシラン単量体の重合を、溶媒の存在下で行ない、該溶媒1Lに対する前記オキシラン単量体のモル量が、0.10モル/L以上10.00モル/L以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  10. 前記溶媒として、飽和炭化水素系溶媒を用いる、請求項9に記載のポリエーテル化合物の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で得たポリエーテル化合物を、基油で希釈する工程を有する、粘度指数向上剤の製造方法。
  12. 前記粘度指数向上剤が、冷凍機油組成物に用いられる粘度指数向上剤である、請求項11に記載の粘度指数向上剤の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で得たポリエーテル化合物を、潤滑油基油に配合する工程を有する、潤滑油組成物の製造方法。
  14. 前記潤滑油組成物が、冷凍機油組成物である、請求項13に記載の潤滑油組成物の製造方法。
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