JP2018154283A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ばね上部材の振動抑制効果を向上できるサスペンション制御装置の提供である。【解決手段】本発明のサスペンション制御装置Cは、車両Vにおけるばね下部材Wとばね上部材Bとの間に懸架ばねSとともに介装されるアクチュエータAを制御する制御器2を備え、ばね下部材Wの振動情報と、懸架ばねSのばね定数と、アクチュエータAの制御指令に対する応答遅れ情報とに基づいて、ばね下部材Wからばね上部材Bに伝達される伝達力を打ち消す制御指令fa_refを求める。【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンション制御装置に関する。
車両が走行中にばね下部材が路面の凹凸を乗り越えると、懸架ばねが伸縮して懸架ばねがばね上部材を支持する支持力が変動するため、ばね上部材が振動する。このばね上部材の振動を抑制するために、車両におけるばね下部材とばね上部材との間に介装されるアクチュエータを介装し、このアクチュエータが発揮する推力を制御して、ばね上部材の振動を抑制するサスペンション制御装置がある。
このようなサスペンション制御装置は、ばね上部材の上下方向速度を検知して、ばね上部材の振動を抑制するスカイフック制御を行うものが知られている。スカイフック制御では、ばね上部材を架空のスカイフックダンパで空中から吊るした状態をアクチュエータが発揮する推力の制御によって疑似的に実現して、ばね上部材の振動を抑制する(たとえば、特許文献1参照)。
また、これから車両が走行する車両の前方の路面の凹凸を予めセンシングしておき、ばね下部材が路面に凹凸を乗り越える際にばね上部材に生じる振動を予測する予見制御を行って、乗心地の更なる向上を図るサスペンション制御装置が開発されている(たとえば、特許文献2参照)。予見制御では、路面の凹凸からこれから起こりうるばね下部材の振動を前もって検知し、ばね下部材の振動がばね上部材へ伝達されないようにアクチュエータの推力を制御して、ばね上部材の振動を抑制する。
特開平7−117447号公報 特開平7−315028号公報
スカイフック制御を行うサスペンション制御装置は、ばね上部材の速度を検知して、アクチュエータでばね上部材の振動を抑制するが、ばね上部材の動きに対してこれを抑制する推力をアクチュエータに発揮させる。そのため、スカイフック制御を行うサスペンション制御装置にあっては、ばね上部材の振動を低減できるものの、振動抑制効果の向上が求められる。
また、予見制御を行うサスペンション制御装置では、路面の凹凸の検知精度がよくないと、ばね下部材からばね上部材に伝わる振動を精度よく予見できない。さらに、アクチュエータの制御指令から出力までの応答遅れがある。よって、予見制御を行うサスペンション制御装置では、ばね下部材からばね上部材に伝わる振動をうまく打ち消せない場合があり、振動抑制効果の向上が求められる。
そこで、本発明は、ばね上部材の振動抑制効果を向上できるサスペンション制御装置の提供を目的としている。
上記した目的を達成するため、本発明のサスペンション制御装置は、車両におけるばね下部材とばね上部材との間に懸架ばねとともに介装されるアクチュエータを制御する制御器を備え、制御器は、ばね下部材の振動情報と、懸架ばねのばね定数と、アクチュエータの制御指令に対する応答遅れ情報とに基づいて、ばね下部材からばね上部材に伝達される伝達力を打ち消す制御指令を求める。このようにサスペンション制御装置が構成されると、アクチュエータの応答遅れを補償しつつばね下部材からばね上部材へ伝わる伝達力を打ち消せる。
また、サスペンション制御装置は、アクチュエータが一次遅れ系である場合、懸架ばねのばね定数をKとし、ばね下部材の変位をXとし、アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における時定数をTとし、ゲインをkとすると、以下の式(1)を演算して制御指令を求めてもよい。このように制御指令を求めると、一次遅れのアクチュエータに適した制御指令を生成できる。
Figure 2018154283
さらに、サスペンション制御装置は、アクチュエータが二次遅れ系である場合、懸架ばねのばね定数をKとし、ばね下部材の変位をXとし、アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における固有角周波数をωとし、アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における減衰率をζとすると、以下の式(2)を演算して制御指令を求めてもよい。このように制御指令を求めると、二次遅れのアクチュエータに適した制御指令を生成できる。
Figure 2018154283
また、サスペンション制御装置は、ばね上部材の振動を抑制するばね上スカイフック制御力を加味して制御指令を求めてもよい。このように制御指令を求めると、アクチュエータがばね下部材からばね上部材へ伝達する伝達力を打ち消すだけでなく、ばね上部材の振動を抑制するばね上スカイフック制御力をも発揮するので、車両における乗心地が向上する。
そして、サスペンション制御装置は、ばね下部材の振動を抑制するばね下スカイフック制御力を加味して制御指令を求めてもよい。このように制御指令を求めると、アクチュエータがばね下部材からばね上部材へ伝達する伝達力を打ち消すだけでなく、ばね下部材の振動を抑制するばね下スカイフック制御力をも発揮するので、車両における乗心地が向上する。
本発明のサスペンション制御装置によれば、ばね上部材の振動抑制効果を向上できる。
一実施の形態におけるサスペンション制御装置を示した図である。 一実施の形態の一変形例のサスペンション制御装置における制御器の制御ブロック図である。 一実施の形態における他の変形例のサスペンション制御装置の構造を示す図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態におけるサスペンション制御装置Cは、車両Vのばね下部材である車輪Wとばね上部材である車体Bとの間に懸架ばねSとともに介装されるアクチュエータAを制御して車体Bの振動を抑制する。
以下、各部について詳細に説明する。図1に示すように、システムである車両Vは、外周にタイヤTiを有する車輪Wと、車体Bと、車輪Wと車体Bとの間に介装されて車体Bを弾性支持する懸架ばねSとで構成されている。
車両Vは、タイヤTiをばね定数Kのばねとし、車輪Wを質量Mのマスとし、懸架ばねSをばね定数Kのばねとし、車体Bを質量Mのマスとする二質点二自由度のばねマスシステムであり、図1に示すばねマスシステムのモデルで表現できる。また、路面変位をXとし、車体Bの上下方向の変位をXとし、車輪Wの上下方向の変位をXとし、図1中で上向きを正としている。
サスペンション制御装置Cは、ばね下部材である車輪Wの振動情報を検知するためのセンサ1とアクチュエータAに与える制御指令fa_refを求める制御器2とを備えている。
サスペンション制御装置Cは、本例では、ばね下部材である車輪Wの振動情報として車輪Wの上下方向の変位Xと速度dX/dtを検知するために、センサ1は、加速度センサとされている。センサ1は、車輪Wの上下方向の加速度d/dtを検出し、制御器2へ入力する。
制御器2は、図1に示すように、センサ1から入力される加速度d/dtを積分して車輪Wの上下方向の速度dX/dtを求める速度演算部21と、加速度d/dtを二階積分して車輪Wの上下方向の変位Xを求める変位演算部22と、ばね下部材である車輪Wの振動情報としての変位Xと速度dX/dtに基づいて制御指令fa_refを生成してアクチュエータAへ入力する制御指令演算部23とを備えている。
このように、制御器2は、車輪Wの上下方向の変位Xと速度dX/dtからアクチュエータAへ与える制御指令fa_refを生成してアクチュエータAへ与える。制御指令fa_refは、アクチュエータAへ伸縮の方向と推力の大きさを指示する指令である。
アクチュエータAは、懸架ばねSに並列されて車体Bと車輪Wとの間に介装されており、たとえば、油圧や空圧を利用したテレスコピック型のシリンダや電動リニアアクチュエータ等とされており、動力源を有している。そして、アクチュエータAは、制御指令fa_refの入力により制御指令通りの方向と大きさの推力を発揮して伸縮し、車体Bおよび車輪Wを上下方向へ加振する。
そして、図1に示すように、路面変位をXとし、車輪Wの上下方向の変位をXとし、車体Bの上下方向の変位をXとし、アクチュエータAの出力である推力をfとし、上向きを正として考えると、ばね上部材である車体Bの上下方向の釣り合いから車体Bの運動方程式は、以下の式(3)のように示せる。
Figure 2018154283
また、ばね下部材である車輪Wの上下方向の釣り合いから車輪Wの運動方程式は、以下の式(4)のように示せる。
Figure 2018154283
さらに、アクチュエータAを一次遅れ系とし、アクチュエータAの制御指令fa_refから出力である推力fまでの応答遅れにおける時定数をTとすると、アクチュエータAの応答に関する微分方程式は、以下の式(5)のように示せる。
Figure 2018154283
式(3)を分解すると以下の式(6)となる。
Figure 2018154283
ここで、路面変位Xの変動(外乱)によって車輪Wが振動するが、車輪Wの振動によって車体Bへ伝達される伝達力を打ち消せば、車体Bへ車輪Wの振動の伝達をキャンセルして絶縁できる。つまり、路面変位Xの変動(外乱)によって動かされる車体Bの変位Xと、アクチュエータAが推力fを発揮して動かされる車体Bの変位Xが全く逆の大きさになれば両者が相殺される。車輪Wの変位Xによって車体Bに作用する伝達力は、車輪Wの変位Xによって懸架ばねSが伸縮して懸架ばねSが発揮するばね力となるから、アクチュエータAの推力fが車輪Wの変位によって懸架ばねSが発揮するばね力Kの符号を反転した値に等しくなればよい。
なお、式(3)では、K(X−X)と推力fの値が異符号で数値が等しい関係となれば、車体Bには加速度が生じないことを示しているように思える。つまり、推力f=−K(X−X)とすればよいようにも思える。ところが、(X−X)は、車体Bと車輪Wの相対変位であり、相対変位の変化は、旋回、制動或いは加速による車体Bの姿勢変化や車体Bへの積載荷重の変化によるものか路面変位に起因するものか判別がつかない。たとえば、ピッチングによって車体Bの前方が沈み込んで懸架ばねSを縮める場合、f=−K(X−X)としてアクチュエータAに推力を発揮させると、車体Bの沈み込みを助長する方向に推力を発揮してしまう。車体Bが浮き上がる場合には、浮き上がりを助長してしまう。このように、車体Bと車輪Wの相対変位をフィードバックする制御では、車体Bの姿勢が安定せず、却って、車体Bの振動が発振してしまうモードが存在する。よって、アクチュエータAの推力fが車輪Wの変位Xによって懸架ばねSが発揮するばね力K・Xを伝達力として、この伝達力を打ち消すように、アクチュエータAの推力fを求めればよい。以上を踏まえると、以下の式(7)が成り立てばよい。
Figure 2018154283
他方、ラプラス演算子をsとして、式(5)の制御指令とアクチュエータAの推力の関係を伝達関数で表現すると、伝達関数は、以下の式(8)で表現される。
Figure 2018154283
この式(8)を式(7)に代入すると、式(9)となる。なお、式(9)中で、kはゲインである。この式(9)は、アクチュエータAの制御指令fa_refの入力から推力fを出力するまでの応答遅れが勘案された式となる。
Figure 2018154283
ラプラス演算子sが乗算される変数は微分されるので、式(9)を展開して整理すると、以下の式(10)が得られる。
Figure 2018154283
式(10)から理解できるように、変位Xに対して位相が進む速度を利用してアクチュエータAの応答遅れを補償できる制御指令fa_refを求める。この式(10)において、アクチュエータAの制御指令fa_refの入力から推力fを出力するまでの応答遅れについて、予め、実機において時定数Tとゲインkに計測すれば足り、車輪Wの変位Xと速度dX/dtをセンサ1で検知する加速度d/dtから得られる。よって、制御指令演算部23は、式(10)を演算すれば制御指令fa_refを求め得る。このように制御指令fa_refを求めてアクチュエータAへ入力するとアクチュエータAは、推力fを発揮して車輪Wからの伝達力を打ち消せるので、路面からの外乱入力による車体Bの振動を相殺して、車体Bの振動を抑制できる。
以上より、本発明のサスペンション制御装置Cによれば、簡単な演算処理でアクチュエータAの応答遅れを補償しつつ外乱の影響を打ち消せるので、外乱入力である路面変位Xの変化による車体Bの振動を効果的に相殺でき、車体Bの振動抑制効果を向上できる。
なお、車輪Wの変位Xに懸架ばねSのばね定数Kを乗じて符号を反転させた−Kをそのまま制御指令fa_refとする場合でも車体Bの振動を抑制できるが、アクチュエータAの応答遅れの補償ができないため、振動抑制効果が劣ってしまう。これに対して、本発明のサスペンション制御装置Cによれば、アクチュエータAの応答遅れを補償しつつ外乱の影響を打ち消す制御力を求めるので、車体Bの振動抑制効果が向上するのである。
なお、アクチュエータAが二次遅れの特性を備えている場合には、固有角周波数をωとし、減衰率をζとすると、ゲインをkとすると、制御指令fa_refから推力fまでの伝達関数は、以下の式(11)のように示される。
Figure 2018154283
この式(11)を式(7)に代入すると、式(12)となる。式(12)は、アクチュエータAの制御指令fa_refの入力から推力fを出力するまでの二次の応答遅れが勘案された式となる。
Figure 2018154283
ラプラス演算子sが乗算される変数は微分され、ラプラス演算子sの二乗が乗算される変数は二階微分となるので、式(12)を展開して整理すると、以下の式(13)が得られる。
Figure 2018154283
式(13)から理解できるように、アクチュエータAが二次の応答遅れ位の特性を備えている場合、一次遅れのアクチュエータAに比較して、変位Xから位相が進んだ速度dX/dtに加えて、更に位相が進んだ加速度d/dtを加味して、制御指令fa_refを求めればよい。つまり、二次遅れのアクチュエータAの場合、制御指令fa_refを求めるために利用するばね下部材である車輪Wの振動情報は、変位X、速度dX/dtおよび加速度d/dtとなる。このようにすれば、アクチュエータAの応答遅れを補償しつつ、路面からの外乱入力による車体Bの振動を相殺して、車体Bの振動を抑制できる。よって、アクチュエータAが高次の応答遅れとなれば、車輪Wの変位Xから位相が次数分進んだ情報を加味すれば、アクチュエータAの応答遅れの特性に対応して車体Bの振動を抑制できる。よって、制御指令fa_refを得るためのばね下部材である車輪Wの振動情報は、アクチュエータAの応答遅れの次数に応じて、前述のように決定すればよい。
前述したところから理解できるように、本発明のサスペンション制御装置Cでは、路面変位を外乱として捉えて、外乱の入力によってシステムである車両Vにおける車体Bに伝達される力(伝達力)を打ち消す制御を実行している。よって、前記制御のみでアクチュエータAを制御する場合、アクチュエータAは、車体Bが振動した場合に振動を減衰させる減衰力を発揮できない。そこで、外乱入力によって前記伝達力を完全に打ち消せず車体Bが振動する場合も考慮して、前記制御に車体Bの振動を抑制するスカイフック制御を併用するとよい。
スカイフック制御を行うには、車体Bの上下方向である車体速度dX/dtを検知して、前記車体速度dX/dtからばね上スカイフック制御力Fbskyを求め、ばね上スカイフック制御力Fbskyを車輪Wの変位Xによる伝達力を打ち消す力−Kに加算して、アクチュエータAの推力fを求めればよい。車体速度dX/dtを検知するには、図2に示すように、車体Bに車体Bの上下方向の加速度を検知する加速度センサ3を設け、制御器2に加速度センサ3で検知した加速度を積分して車体速度dX/dtを得る車速演算部24を設ければよい。また、制御指令演算部23は、車体速度dX/dtにばね上スカイフック減衰係数Cbskyを乗じてばね上スカイフック制御力Fbsky(Fbsky=CbskydX/dt)を求め、ばね上スカイフック制御力Fbskyと車輪Wの変位Xによる伝達力を打ち消す力−Kとを加算して、アクチュエータAの推力fを求めればよい。このようにして、求めた推力fを式(8)に代入して展開すると、以下の式(14)が得られる。
Figure 2018154283
式(14)を用いて制御指令fa_refを求めれば、アクチュエータAは、伝達力を打ち消す力に加えてばね上スカイフック制御力Fbskyも発揮するので、車体Bが振動しても車体Bが制振されて車両における乗心地が向上する。
スカイフック制御は、ばね下部材である車輪Wの制振に適用されてもよい。この場合には、車輪Wの上下方向の速度dX/dtにばね下スカイフック減衰係数Cwskyを乗じてばね下スカイフック制御力Fwsky(Fwsky=CwskydX/dt)を得て、車輪Wの変位Xによる伝達力を打ち消す力−Kに加算して、アクチュエータAの推力fを求めればよい。このようにして、求めた推力fを式(8)に代入して展開すると、以下の式(15)が得られる。
Figure 2018154283
式(15)を用いて制御指令fa_refを求めれば、アクチュエータAは、伝達力を打ち消す力に加えてばね下スカイフック制御力Fwskyも発揮するので、車輪Wの振動を抑制できるので、車体Bにおける振動も抑制されて車両における乗心地が向上する。なお、車輪Wの制振にスカイフック制御を利用する場合、図1に示したサスペンション制御装置Cの構成を変更せずに適用可能である。
なお、車体Bと車輪Wの双方の制振にスカイフック制御を適用する場合には、式(14)の右辺に式(15)の右辺の第三項と第四項を加算して制御指令を求めればよい。
また、図3に示すように、車輪Wの振動を抑制するダイナミックダンパDを設けると、車輪Wの振動の抑制も可能となる。ダイナミックダンパDは、車輪Wにばね4とばね4に弾性支持される錘5とで構成されており、タイヤTiと懸架ばねSによって弾性支持される車輪Wの固有周波数にばね4と錘5とでなるばねマスシステムの固有周波数を一致させてある。このように、車輪Wの固有振動数にダイナミックダンパDの固有振動数を一致させると車輪Wの振動を抑制できる。このように伝達力を打ち消す制御に加えてダイナミックダンパDを併用すれば、車輪Wが振動しても、この振動を低減でき、車体Bの振動も効果的に抑制できる。また、ダイナミックダンパDは、車輪Wの振動を抑制できればよいので、回転慣性を利用したものでもよい。さらに、ダイナミックダンパDは、図3の破線で示すように、錘5と車輪Wとの間に減衰力を発揮するダンパ6を並列して構成されてもよい。ダンパ6を設ける場合、車輪Wの固有振動数とダイナミックダンパDの固有振動数がずれても、振動抑制が全くできなくなる事態とならず、ある程度、車輪Wの振動を抑制できる利点がある。また、車輪Wの制振にあたっては、特開2003−191702、特開2003−191703或いは特開2003−200702に開示されているようなサスペンション内蔵ホイールを用いてもよい。なお、ダイナミックダンパDやサスペンション内臓ホイールは、スカイフック制御に干渉しないので、伝達力を打ち消す制御とともに両者を併用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
A・・・アクチュエータ、B・・・車体(ばね上部材)、C・・・サスペンション制御装置、S・・・懸架ばね、V・・・車両、W・・・車輪(ばね下部材)、2・・・制御器

Claims (5)

  1. 車両におけるばね下部材とばね上部材との間に懸架ばねとともに介装されるアクチュエータを制御する制御器を備え、
    前記制御器は、前記ばね下部材の振動情報と、前記懸架ばねのばね定数と、前記アクチュエータの制御指令に対する応答遅れ情報とに基づいて、前記ばね下部材から前記ばね上部材に伝達される伝達力を打ち消す制御指令を求める
    ことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記制御器は、前記アクチュエータが一次遅れ系である場合、前記懸架ばねのばね定数をKとし、前記ばね下部材の変位をXとし、前記アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における時定数をTとし、ゲインをkとすると、以下の式(16)を演算して前記制御指令を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
    Figure 2018154283
  3. 前記制御器は、前記アクチュエータが二次遅れ系である場合、前記懸架ばねのばね定数をKとし、前記ばね下部材の変位をXとし、前記アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における固有角周波数をωとし、前記アクチュエータの制御指令から出力までの伝達関数における減衰率をζとすると、以下の式(17)を演算して前記制御指令を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
    Figure 2018154283
  4. 前記制御器は、スカイフック制御に基づいて前記ばね上部材の振動を抑制するばね上スカイフック制御力を求め、前記ばね下部材の振動情報、前記懸架ばねのばね定数、前記アクチュエータの制御指令に対する応答遅れ情報および前記ばね上スカイフック制御力と基づいて前記制御指令を求める
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサスペンション制御装置。
  5. 前記制御器は、スカイフック制御に基づいて前記ばね下部材の振動を抑制するばね下スカイフック制御力を求め、前記ばね下部材の振動情報、前記懸架ばねのばね定数、前記アクチュエータの制御指令に対する応答遅れ情報および前記ばね下スカイフック制御力と基づいて前記制御指令を求める
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のサスペンション制御装置。
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