JP2018153452A - バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルを使用した生体管腔の病変部位の治療方法 - Google Patents

バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルを使用した生体管腔の病変部位の治療方法 Download PDF

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明彦 垂永
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Abstract

【課題】バルーンの拡張圧を病変部位に適応する際に、バルーンの軸方向への位置ずれを好適に防止できるバルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルを使用した治療方法を提供することである。【解決手段】バルーンカテーテルは、内管シャフト40と、内管シャフトの外周面側に配置された第1外管シャフトと、第1外管シャフトの外周面側に配置された第2外管シャフトと、を有する。第2外管シャフトは、第1外管シャフトとの間に流体が移動可能な第2流路を形成する。バルーンカテーテルは、内側バルーン70と、内側バルーンを覆う外側バルーン80と、を有する。外側バルーンは、第2流路への流体の注入により拡張した状態で、外側バルーンの外表面80S側に突出する凸部100を形成する。凸部は、当該凸部が生体管腔壁に接触した状態で、第2流路の流体が排出されることにより、外側バルーンと生体管腔壁との間に陰圧を発生させる。【選択図】図3

Description

本発明は、バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルを使用して生体管腔の病変部位を治療するための方法に関する。
血管等の生体管腔に形成された病変部位(狭窄部等)を拡張させる手技や病変部位へのステント等の留置に用いられる医療器具としてバルーンカテーテル(医療用長尺体)が知られている。バルーンカテーテルは、シャフトの先端側に固定されたバルーンを備える。
バルーンカテーテルは、イントロデューサー用シースやガイディングカテーテル等を介して穿刺部位から生体管腔に導入され、病変部位に送達される。バルーンカテーテルは、生体管腔を移動させる際、生体管腔における操作性を向上させるため、バルーンの外表面と生体管腔壁との間の摩擦抵抗が小さい方が好ましい。一方、バルーンカテーテルは、生体管腔の病変部位で拡張する際、バルーンの軸方向への位置ずれを抑制するため、バルーンの外表面と生体管腔壁との間の摩擦抵抗が大きい方が好ましい。
例えば、生体管腔における操作性を向上させつつ、病変部位に対するバルーンの位置ずれを抑制するため、バルーンの外表面のうち、一部の摩擦係数を向上させたバルーンカテーテルが知られている(例えば、特許文献1参照)。当該バルーンカテーテルは、バルーンが収縮した状態では、摩擦係数を向上させた部分が外部に露出せず、バルーンが拡張した状態において、摩擦係数を向上させた部分が外部に露出するように構成されている。
特開2005−224635号公報
しかしながら、バルーンの外表面は、バルーンを拡張する際、物理的な構造や作用により、生体管腔壁に固定されていない。そのため、バルーンカテーテルは、バルーンの外表面の摩擦抵抗を向上しても、拡張時のバルーンの外径の増加に伴い、バルーンの外表面と生体管腔壁との間に滑りが生じ、バルーンの軸方向への位置ずれが生じる可能性がある。また、バルーンカテーテルは、医師等の術者がバルーンを拡張する際、バルーンの外表面と生体管腔壁との間には血液等の水分が存在する。そのため、バルーンカテーテルは、バルーンの外表面が生体管腔壁に接触する前に、生体管腔壁とバルーンの外表面との間に存在する水分により、バルーンの外表面と生体管腔壁との間に滑りが生じ、バルーンの軸方向への位置ずれが生じる可能性がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、バルーンの拡張圧を病変部位に適応する際に、バルーンの軸方向への位置ずれを好適に防止できるバルーンカテーテルおよび生体管腔の病変部位を治療するための方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のバルーンカテーテルは、ガイドワイヤが挿通可能な内管シャフトと、前記内管シャフトの外周面側に配置された第1外管シャフトと、前記第1外管シャフトの外周面側に配置された第2外管シャフトと、を有する。第1外管シャフトは、内管シャフトとの間に流体が移動可能な第1空間を形成する。第2外管シャフトは、第1外管シャフトとの間に流体が移動可能な第2空間を形成する。本発明のバルーンカテーテルは、前記内管シャフトの先端側と前記第1外管シャフトの先端側に固定された内側バルーンと、前記内管シャフトの先端側と前記第2外管シャフトの先端側に固定され、かつ、前記内側バルーンを覆う外側バルーンと、をさらに有する。前記外側バルーンは、前記第2空間への流体の注入により拡張した状態で、前記外側バルーンの外表面側に突出する凸部を形成する。前記凸部は、当該凸部が生体管腔壁に接触した状態で、前記第2空間の流体が排出されることにより、前記外側バルーンと前記生体管腔壁との間に陰圧を発生させる。
上記目的を達成するための生体管腔の病変部位を治療するための方法は、ガイドワイヤが挿通可能な内管シャフトと、前記内管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記内管シャフトとの間に流体が移動可能な第1空間を形成する第1外管シャフトと、前記第1外管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記第1外管シャフトとの間に流体が移動可能な第2空間を形成する第2外管シャフトと、前記内管シャフトの先端側と前記第1外管シャフトの先端側に固定された内側バルーンと、前記内管シャフトの先端側と前記第2外管シャフトの先端側に固定され、かつ、前記内側バルーンを覆う外側バルーンと、を有するバルーンカテーテルを生体管腔に挿入し、外側バルーンを前記生体管腔の病変部位に配置する。そして、前記病変部位に前記外側バルーンを配置した状態で、前記第2空間に流体を注入することにより、前記外側バルーンを周方向に拡張させつつ、前記外側バルーンの外表面側に突出する凸部を形成する。さらに、外側バルーンが拡張した状態で、前記外側バルーンの前記凸部が前記病変部位と接触するように前記内側バルーンを周方向に拡張し、前記凸部が前記病変部位と接触し、かつ、前記内側バルーンが拡張した状態で、前記外側バルーンを収縮させることにより、前記凸部と前記病変部位との間に陰圧を発生させ、前記外側バルーンを前記病変部位に吸着させる。そして、内側バルーンが拡張した状態、かつ、前記外側バルーンが前記病変部位に吸着した状態で、前記内側バルーンを更に周方向に拡張させることにより、前記病変部位に前記外側バルーンを介して前記内側バルーンの拡張力を適応させる。
本発明に係るバルーンカテーテルおよび生体管腔の病変部位を治療するための方法によれば、バルーンカテーテルは、第2空間への流体の注入により拡張した状態で、外側バルーンの外表面側に突出する凸部を形成する。そして、凸部は、当該凸部が生体管腔壁に接触した状態で、第2空間の流体が排出されることにより、外側バルーンと生体管腔壁との間に陰圧を発生させる。これにより、術者は、内側バルーンを拡張し、外側バルーンを介して内側バルーンによる拡張力を病変部位に適応する前に、生体管腔壁に外側バルーンの凸部を吸着させることができる。そのため、術者は、外側バルーンを介して内側バルーンによる拡張力を病変部位に適応する際、生体管腔壁に凸部を吸着することにより、バルーンと病変部位の位置関係の変化を軽減できる。従って、本発明に係るバルーンカテーテルおよび生体管腔の病変部位を治療するための方法によれば、バルーンの拡張圧を病変部位に適応する際に、バルーンの軸方向への位置ずれを防止できる。
図1(A)は、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルを示す図であり、図1(B)は、図1(A)において破線部1Bで示す部分の拡大図であり、図1(C)は、図1(A)において破線部1Cで示す部分の拡大断面図である。 図2(A)は、図1(B)の2A−2A線に沿う断面図であり、図2(B)は、図1(B)の2B−2B線に沿う断面図である。 図3(A)は、図1(B)の3A−3A線に沿う断面図であり、図3(B)は、図3(A)の破線部3Bで示す部分の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーンを狭窄部に配置する様子を示す図である。 図5(A)は、本発明の実施形態に係るバルーンカテーテルのバルーンを狭窄部に配置する様子を示す断面図であり、図5(B)は、同バルーンカテーテルの外側バルーンの外表面に凸部を形成する様子を示す断面図であり、図5(C)は、同バルーンカテーテルの外側バルーンの外表面に凸部を形成した状態において内側バルーンを拡張する様子を示す断面図であり、図5(D)は、同バルーンカテーテルの外側バルーンと生体管腔壁との間に陰圧を発生させる様子を示す断面図である。 図5(D)の破線部6で示す部分の拡大断面図である。 変形例に係るバルーンカテーテルを示す図3(A)に対応する拡大断面図である。 別の変形例に係るバルーンカテーテルを示す図3(A)に対応する拡大断面図である。
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1〜3は、実施形態に係るバルーンカテーテル1の各部の構成を示す図である。
本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、シャフト10を生体管腔Vに挿通させ、シャフト10の先端側に配置されたバルーン20を病変部位N(狭窄部等)において拡張させることにより、病変部位Nを押し広げて治療する医療器具として構成している。なお、病変部位Nは、生体管腔壁Vwに囲まれた生体管腔Vが狭い箇所である。
バルーンカテーテル1は、例えば、冠動脈の狭窄部を広げるために使用されるPTCA拡張用バルーンカテーテルとして構成することができる。ただし、バルーンカテーテル1は、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官内に形成された狭窄部の治療および改善を目的として使用されるものとして構成することもできる。
図1〜3を参照して、バルーンカテーテル1の各部の構成について説明する。
図1(A)、(B)および(C)を参照して、バルーンカテーテル1は、長尺状のシャフト10と、シャフト10の先端側に配置されたバルーン20と、シャフト10の基端側に配置されたハブ30と、を有する。
本明細書では、バルーンカテーテル1において生体管腔Vに挿入する側(バルーンが配置された側)を先端側と称し、先端側と反対側に位置する手元での操作がなされる側(ハブが配置された側)を基端側と称し、バルーンが延伸する方向をバルーンの軸方向と称する。また、実施形態の説明において、先端部とは、先端(最先端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味し、基端部とは、基端(最基端)およびその周辺を含む一定の範囲を意味する。
図2(A)および(B)を参照して、シャフト10は、ガイドワイヤWが挿通可能なガイドワイヤルーメンLを有する。バルーンカテーテル1は、ガイドワイヤルーメンLがシャフト10の先端から基端にわたって延びている、いわゆるオーバーザワイヤタイプ型のバルーンカテーテルとして構成されている。
シャフト10は、ガイドワイヤWが挿通可能に構成された内管シャフト40と、内管シャフト40の外周面40S側に配置された第1外管シャフト50と、第1外管シャフト50の外周面50S側に配置された第2外管シャフト60と、を有する。
内管シャフト40は、ガイドワイヤルーメンLを形成する内腔41を有する。内管シャフト40の内腔41は、内管シャフト40の基端側がハブ30に接続した状態において、後述するハブ30の通路31と連通している(図1(C)参照)。
第1外管シャフト50は、内管シャフト40との間に流体が移動可能な第1流路51(第1空間に相当)を形成する。第2外管シャフト60は、第1外管シャフト50との間に流体が移動可能な第2流路61(第2空間に相当)を形成する。
第1流路51は、第1外管シャフト50の先端側において、後述する内側バルーン70の第1内腔71に連通している。第2流路61は、第2外管シャフト60の先端側において、後述する外側バルーン80の第2内腔81に連通している。
第1流路51は、第1外管シャフト50の基端側において、後述するハブ30の第1ポート35の内腔35aに連通している(図1(C)参照)。第2流路61は、第2外管シャフト60の基端側において、後述するハブ30の第2ポート36の内腔36aに連通している(図1(C)参照)。
バルーン20は、内側バルーン70と、内側バルーン70を覆う外側バルーン80と、を有する。内側バルーン70は、内管シャフト40の先端側と第1外管シャフト50の先端側に固定されている。外側バルーン80は、内管シャフト40の先端側と第2外管シャフト60の先端側に固定されている。外側バルーン80は、内側バルーン70を介して、内管シャフト40の先端側に固定されている。
内側バルーン70は、シャフト10に接続された状態において第1流路51に連通する第1内腔71(第1空間に相当)を有する。内側バルーン70は、第1流路51に注入された流体(例えば、造影剤や生理食塩水)が第1内腔71に流入することにより拡張する。また、内側バルーン70は、拡張した状態において、第1流路51を介して第1内腔71から流体が排出されることにより収縮する。
外側バルーン80は、シャフト10に接続された状態において第2流路61に連通する第2内腔81(第2空間に相当)を有する。外側バルーン80は、第2流路61に注入された流体(例えば、造影剤や生理食塩水)が第2内腔81に流入することにより拡張する。また、外側バルーン80は、拡張した状態において、第2流路61を介して第2内腔81から流体が排出されることにより収縮する。
外側バルーン80は、先端および基端を有する第1中間領域85と、第1中間領域85の先端から内管シャフト40に向かって傾斜する第1先端側傾斜部86と、第1中間領域85の基端から第2外管シャフト60に向かって傾斜する第1基端側傾斜部87と、を有する。
内側バルーン70は、先端および基端を有する第2中間領域75と、第2中間領域75の先端から内管シャフト40に向かって傾斜する第2先端側傾斜部76と、第2中間領域75の基端から第2外管シャフト60に向かって傾斜する第2基端側傾斜部77と、を有する。
内管シャフト40は、先端側に先端チップ45を備えている。先端チップ45は、先端側に向けて外径が小さくなるテーパー形状を備えている。先端チップ45の内部には、先端チップ45を軸方向に貫通する貫通孔46を形成している。そのため、貫通孔46は、ガイドワイヤルーメンLの一部を形成する。
先端チップ45は、例えば、熱収縮性を備える柔軟な樹脂製の部材で構成することが可能である。ただし、先端チップ45の材質は、内管シャフト40に対して固定することが可能であれば特に限定されない。
内管シャフト40は、先端側に先端チップ45を備えることにより、バルーンカテーテル1の先端が生体器官(血管の内壁等)に接触した際に、生体器官に損傷等が生じるのを好適に防止することができる。
内管シャフト40には、バルーン20の位置を示すX線造影マーカーCが設けられている。X線造影マーカーCは、第1先端側傾斜部86と第1中間領域85との境界部及び第1中間領域85と第1基端側傾斜部87との境界部を示す位置に配置される。
X線造影マーカーCは、内管シャフト40において第1先端側傾斜部86に対応する位置に配置された先端側マーカーC1と、内管シャフト40において第1基端側傾斜部87に対応する位置に配置された基端側マーカーC2と、を有する。先端側マーカーC1の基端側の端面は、第1先端側傾斜部86と第1中間領域85との境界部に配置されている。また、基端側マーカーC2の先端側の端面は、第1中間領域85と第1基端側傾斜部87との境界部に配置されている。
X線造影マーカーCは、例えば、白金、金、銀、イリジウム、チタン、タングステン等の金属、またはこれらの合金等により構成することができる。
図1(C)を参照して、ハブ30は、内管シャフト40の基端側がハブ30に接続された状態において、内管シャフト40の内腔41に連通する通路31を有する。ガイドワイヤWは、内管シャフト40とハブ30が接続された状態において、通路31を介して、内管シャフト40の内腔41に挿入される。
ハブ30は、第1ポート35と、第2ポート36と、を有する。第1ポート35は、シャフト10の基端側がハブ30に接続された状態において、第1流路51に連通する内腔35aを有する。第2ポート36は、シャフト10の基端側がハブ30に接続された状態において、第2流路61に連通する内腔36aを有する。第1流路51への流体の注入・排出は、第1ポート35を介して行われる。また、第2流路61への流体の注入・排出は、第2ポート36を介して行われる。
第1ポート35は、第1流路51に対して流体(加圧媒体)を供給・排出するためのインデフレーター等の供給装置(図示省略)と液密・気密に接続可能に構成されている。同様に、第2ポート36は、第2流路61に対して流体(加圧媒体)を供給・排出するためのインデフレーター等の供給装置(図示省略)と液密・気密に接続可能に構成されている
第1ポート35および第2ポート36は、例えば、流体を供給・排出するためのチューブ等が接続・分離可能に構成された公知のルアーテーパー等によって構成することができる。
内側バルーン70および外側バルーン80について詳説する。
図2(A)および(B)を参照して、外側バルーン80は、第2流路61への流体の注入により拡張した状態で、外側バルーン80の外表面80S側に突出する凸部100を形成する。凸部100は、外側バルーン80の外表面80Sに形成された状態で第2流路61の流体が排出されることにより、外側バルーン80と生体管腔壁Vwとの間に陰圧を発生させる(図5(D)および図6参照)。
凸部100は、第2流路61への流体の注入により外側バルーン80が拡張した状態において、外側バルーン80の外表面80Sから、外側バルーン80の放射方向に突出している。凸部100の突出量は、バルーンカテーテル1により治療を行う病変部位Nの形状等に応じて適宜設定できる。凸部100は、平面視において、略矩形形状を備える(図1(B)参照)。
凸部100は、外側バルーン80の第1中間領域85に形成される。凸部100は、第1中間領域85において、外側バルーン80の軸方向の異なる箇所に配置された第1凸部101と第2凸部102とを有する。第1凸部101は、第1中間領域85の先端部85aに配置される(図1(B)参照)。第2凸部102は、第1中間領域85の基端部85bに配置される(図1(B)参照)。
内側バルーン70の第2中間領域75は、内側バルーン70および外側バルーン80が拡張した状態において、第1凸部101および第2凸部102の間に対応する位置に配置される。具体的には、第2中間領域75は、内側バルーン70の軸方向において、第1凸部101の先端と第2凸部102の基端との間に延びている。
図3(A)を参照して、凸部100は、上部領域110と、上部領域110よりも内側バルーン70側に形成された底部領域120と、を有する。凸部100は、外側バルーン80が第2流路61への流体の注入により拡張した状態、かつ、凸部100が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61の流体が排出されることにより、上部領域110と生体管腔壁Vwとの間に減圧空間Srを形成する(図6参照)。
上部領域110は、凸部100の放射方向側に配置され、凸部100の放射方向側の端部を形成する。底部領域120は、上部領域110の縁部から、外側バルーン80の外表面80Sへと延びている。
上部領域110は、外側バルーン80の放射方向に対して略直交な面に沿って延びている。底部領域120は、上部領域110が延びている方向に対して略直交な方向に延びている。
凸部100は、外側バルーン80が拡張した状態で、第2流路61の流体が流入する内部空間130を有する。内部空間130は、上部領域110と底部領域120によって囲まれている。
外側バルーン80は、内部空間130と第2内腔81の間に連通路140を有する。連通路140は、外側バルーン80の放射方向に沿って、内部空間130と第2内腔81を繋ぐように配置される。連通路140は、外側バルーン80の平面視において、凸部100が配置されている領域内をバルーン20の軸方向に沿って延びている(図1(B)参照)。
第2流路61に注入された流体は、外側バルーン80を拡張する際、第2内腔81および連通路140を介して内部空間130に流入する。これにより、バルーン20の外表面80S側に突出する凸部100が形成される。また、内部空間130に流入した流体は、外側バルーン80を収縮する際、連通路140および第2内腔81を介して、第2流路61に排出される。これにより、バルーン20の外表面80Sに形成された凸部100が収縮する。
上部領域110は、外側バルーン80の外表面80S側に突出した凸部100が形成された際に、生体管腔壁Vwと対向する(図6参照)。上部領域110は、凸部100が外側バルーン80の外表面80S側に形成された状態で第2流路61の流体が排出されることにより、外側バルーン80の第2内腔81側に向かって凹む(図5(D)および図6参照)。
第1凸部101は、外側バルーン80の周方向において複数配置されている。第1凸部101は、外側バルーン80の周方向において等間隔に離間して3つ配置されている(図1(B)および図3(A)において、符号101A、101Bおよび101Cで示す)。
第2凸部102は、外側バルーン80の周方向において複数配置されている。第2凸部102は、外側バルーン80の周方向において等間隔に離間して3つ配置されている(図1(B)において、符号102A、102Bおよび102Cで示す)。
図3(B)を参照して、凸部100は、外側バルーン80の外表面80S側に凸部100が形成された際に、生体管腔壁Vwと対向する部分が薄肉になっている。具体的には、凸部100において、上部領域110の肉厚T1は、底部領域120の肉厚T2よりも薄くなっている。上部領域110の肉厚T1および底部領域120の肉厚T2は、上部領域110の肉厚T1が底部領域120の肉厚T2よりも薄い限りにおいて特に限定されないが、例えば、上部領域110の肉厚T1を0.015mm程度とし、底部領域120の肉厚T2を0.03mm程度とし得る。なお、上部領域110は、肉厚T1が底部領域120の肉厚T2よりも薄く、かつ、外側バルーン80の放射方向に対して略直交な面に沿って延びていることが好ましい。これにより、凸部100の上部領域110は、外側バルーン80が収縮される際、上部領域110と底部領域120の剛性差により、上部領域110の内部空間130に面する部分の縁部が変形しやすいため、内部空間130に向かってより円滑に凹ませることができる。
上部領域110の長さH1(図3の実施形態では、肉厚T1に等しい)は、内管シャフト40の軸方向に垂直な断面において、底部領域120の長さH2よりも短い。底部領域120の長さH2は、上部領域110の長さ(肉厚T1)よりも長い限りにおいて特に限定されないが、例えば、0.06mm程度とし得る。なお、上部領域の長さとは、内管シャフト40の軸方向に垂直な断面において、上部領域110の最も放射方向側に位置する部分から底部領域120までの内管シャフト40の軸方向に垂直な距離をいう。
内部空間130の幅D1は、第2流路61への流体の注入により外側バルーン80が拡張した状態で、内管シャフト40の軸方向に垂直な断面において、連通路140の幅D2より長い。内部空間130の幅D1および連通路140の幅D2は、内部空間130の幅D1が連通路140の幅D2よりも大きい限りにおいて特に限定されないが、例えば、内部空間130の幅D1を1.0mm程度とし、連通路140の幅D2を0.1mmとし得る。
内側バルーン70は、外側バルーン80よりも硬い材料で構成される。内側バルーン70の構成材料と外側バルーン80の構成材料の硬さ(柔軟性)の大小関係は、ショア硬度(JIS 6253に準拠)を基準にして規定することができる。
内側バルーン70および外側バルーン80の構成材料は、内側バルーン70の構成材料が外側バルーン80の構成材料よりも硬い限り、特に限定されない。例えば、内側バルーン70の構成材料は、外側バルーン80の構成材料と異なる材料で形成されてもよいし、外側バルーン80の構成材料と同じ材料で形成されていてもよい。なお、内側バルーン70と外側バルーン80を同じ材料で形成する場合、内側バルーン70または外側バルーン80は、内側バルーン70の構成材料が外側バルーン80の構成材料よりも硬くなるように添加剤等で硬度を調整する。
内側バルーン70および外側バルーン80を構成する材料として、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料を用いることができる。
内側バルーン70は、例えば、二軸延伸ブロー成形により、内側バルーン70を構成する材料からなるパリソンを所定のバルーン形状へと加工することによって形成できる。
外側バルーン80は、同様に、例えば、二軸延伸ブロー成形により、外側バルーン80を構成する材料からなるパリソンを所定のバルーン形状へと加工することによって形成できる。なお、上述した方法により外側バルーン80を形成する場合、外側バルーン80のパリソンには、連通路140を形成する開口部や凸部100に対応する箇所が設けられる。
次に、図4および図5を参照して、本実施形態に係るバルーンカテーテル1を使用した生体管腔Vの病変部位Nを治療するための方法について説明する。
本実施形態に係るバルーンカテーテル1を使用した治療方法は、バルーンカテーテル1を生体管腔Vに挿入するステップと、外側バルーン80を生体管腔Vの病変部位Nに配置するステップと、外側バルーン80の外表面80S側に凸部100を形成するステップと、内側バルーン70を拡張させるステップと、病変部位Nに凸部100を吸着させるステップと、病変部位Nに外側バルーン80を介して内側バルーン70の拡張力を適応させるステップと、を有する。
バルーンカテーテル1を生体管腔Vに挿入するステップでは、術者は、ガイドワイヤWを生体管腔Vに挿入し、ガイドワイヤWの先端側を病変部位Nに通過させ、ガイドワイヤWに沿ってバルーンカテーテル1を生体管腔Vに挿入する。
図4および図5(A)を参照して、外側バルーン80を生体管腔Vの病変部位Nに配置するステップでは、術者は、生体管腔Vに挿入されたバルーンカテーテル1を病変部位Nに送達させ、バルーン20のX線造影マーカーCを確認しつつ、外側バルーン80の第1中間領域85を生体管腔Vの病変部位Nに配置する。
図5(B)を参照して、外側バルーン80の外表面80S側に凸部100を形成するステップでは、術者は、病変部位Nに外側バルーン80を配置した状態で、第2流路61に流体を注入することにより、外側バルーン80を周方向に拡張させる。これにより、外側バルーン80の外表面80S側に突出した凸部100が形成される。第2流路61への流体の注入は、ハブ30の第2ポート36を介して行う。
図5(C)を参照して、内側バルーン70を拡張させるステップでは、術者は、外側バルーン80が拡張した状態で、外側バルーン80の凸部100が病変部位Nと接触するように内側バルーン70を周方向に拡張させる。外側バルーン80が拡張した状態は、第2流路61から流体が流出入しないようにすることによって維持できる。内側バルーン70を周方向に拡張させる際には、第1流路51に流体を注入する。第1流路51への流体の注入は、ハブ30の第1ポート35を介して行う。
なお、術者は、外側バルーン80の第1凸部101と第2凸部102との間に病変部位Nが配置されるように、X線造影マーカーCにより、バルーン20の位置決めを行う。その後、術者は、外側バルーン80の第1凸部101と第2凸部102との間に病変部位Nが配置された状態で、内側バルーン70を拡張させる。
図5(D)および図6を参照して、術者は、病変部位Nに凸部100を吸着させるステップでは、凸部100が病変部位Nと接触し、かつ、内側バルーン70が拡張した状態で、外側バルーン80を収縮させる。そして、凸部100と病変部位Nとの間に陰圧を発生させる。外側バルーン80を収縮する際には、術者は、ハブ30の第2ポート36を介して第2流路61から流体を排出する。
病変部位Nに外側バルーン80を介して内側バルーン70の拡張力を適応させるステップでは、術者は、内側バルーン70が拡張した状態、かつ、外側バルーン80が病変部位Nに吸着した状態で、内側バルーン70を更に周方向に拡張させ、病変部位Nに外側バルーン80を介して内側バルーン70の拡張力を適応させる。病変部位Nは、内側バルーン70の拡張力によって拡張される。外側バルーン80が病変部位Nに吸着した状態は、第2流路61から流体が流出入しないようにすることによって維持できる。
バルーンカテーテル1による治療が完了した後は、第2流路61に流体を注入することにより、外側バルーン80を周方向に拡張させ、凸部100と治療後の病変部位Nとの間に発生した陰圧を解除する。そして、凸部100と治療後の病変部位Nとの間に陰圧が発生しないように内側バルーン70を収縮させつつ、又は、内側バルーン70を収縮させた後、外側バルーン80を収縮させる。そして、内側バルーン70及び外側バルーン80が収縮した状態で、バルーンカテーテル1を生体管腔Vから抜去する。
本実施形態に係るバルーンカテーテル1およびバルーンカテーテル1を使用した治療方法によれば、バルーンカテーテル1は、内側バルーン70と、内側バルーン70を覆う外側バルーン80と、を有する。外側バルーン80は、第2空間への流体の注入により拡張した状態で、外側バルーン80の外表面80S側に突出した凸部100を形成する。そして、凸部100は、当該凸部100が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61の流体が排出されることにより、外側バルーン80と生体管腔壁Vwとの間に陰圧を発生させる。これにより、術者は、内側バルーン70を拡張し、外側バルーン80を介して内側バルーン70による拡張力を病変部位Nに適応する前に、生体管腔壁Vwに外側バルーン80の凸部100を吸着させることができる。そのため、術者は、外側バルーン80を介して内側バルーン70による拡張力を病変部位Nに適応する際、生体管腔壁Vwに凸部100を吸着することにより、バルーン20と病変部位Nの位置関係の変化を軽減できる。従って、バルーンカテーテル1およびバルーンカテーテル1を使用した治療方法によれば、バルーン20の拡張圧を病変部位Nに適応する際に、バルーン20の軸方向への位置ずれを防止できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、凸部100は、上部領域110と底部領域120を有し、上部領域110の肉厚T1は、底部領域120の肉厚T2よりも薄い。これにより、バルーンカテーテル1は、上部領域110の剛性と底部領域120の剛性との間の差が大きくなるため、外側バルーン80の内腔81(第2空間)の圧力が変化したときに、底部領域120の変形を抑制しつつ、上部領域110を大きく変化させることができる。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80が拡張し、凸部100の上部領域110が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61から流体が排出されることにより、上部領域110を外側バルーン80の内腔81(第2空間)側に大きく凹ませ、生体管腔壁Vwと凸部100との間に短時間で大きな陰圧を発生させることができる。従って、バルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張圧を病変部位Nに適応する際に、バルーン20の軸方向への位置ずれをより確実に防止できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、上部領域110の長さH1は、内管シャフト40の軸方向に垂直な断面において、底部領域120の長さH2よりも短い。これにより、バルーンカテーテル1は、上部領域110の長さよりも底部領域120の長さが短いため、外側バルーン80の内腔81(第2空間)の圧力が変化したときに、上部領域110を底部領域120側の空間により大きく変形させることができる。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80が拡張し、凸部100の上部領域110が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61から流体が排出されることにより、底部領域120側に確保された空間に上部領域110をより大きく凹ませ、生体管腔壁Vwと凸部100との間に効率的に陰圧を発生させることができる。従って、バルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張圧を病変部位Nに適応する際に、バルーン20の軸方向への位置ずれをさらに確実に防止できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、内部空間130の幅D1は、外側バルーン80が第2流路61への流体の注入により拡張した状態で、内管シャフト40の軸方向に垂直な断面において、連通路140の幅D2よりも長い。これにより、バルーンカテーテル1は、拡張した外側バルーン80を収縮する際、連通路140の幅D2が内部空間130の幅D1よりも短いため、内部空間130から連通路140を介して外側バルーン80の内腔81(第2空間)側に流れる流体の力が連通路140で分散されず、上部領域110を底部領域120側により効率的に凹ませることができる。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80が拡張し、凸部100の上部領域110が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61から流体を排出させることにより、上部領域110を外側バルーン80の内腔81(第2空間)側に大きく凹ませ、生体管腔壁Vwと凸部100との間により効率的に陰圧を発生させることができる。従って、バルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張圧を病変部位Nに適応する際に、バルーン20の軸方向への位置ずれをさらに確実に防止できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、内側バルーン70は、外側バルーン80よりも硬い材料で構成される。これにより、術者は、病変部位Nに内側バルーン70による拡張力を適応する際、内側バルーン70の拡張圧を、外側バルーン80を介して、病変部位Nに対してより確実に適応できる。そのため、術者は、バルーンカテーテル1を使用した手技を、より好適に行うことができる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、凸部100は、第1中間領域85に形成される。第1中間領域85は、外側バルーン80が拡張した際、第1先端側傾斜部86及び第1基端側傾斜部87の間に配置され、生体管腔壁Vwに接触する最大外径部を形成する領域である。そのため、凸部100は、第1中間領域85に配置されることにより、外側バルーン80が拡張した際に生体管腔壁Vwに確実に接触させることができる。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80が拡張し、凸部100の上部領域110が生体管腔壁Vwに接触した状態で、第2流路61から流体が排出されることにより、生体管腔壁Vwと凸部100との間にさらに確実に陰圧を発生させることができる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、第1中間領域85は、外側バルーン80の軸方向の異なる箇所に第1凸部101と第2凸部102とを有する。これにより、バルーンカテーテル1は、第1凸部101と第2凸部102とを生体管腔壁Vwに吸着させることにより、バルーン20を生体管腔壁Vwにより強固に固定できる。さらに、第2中間領域75は、内側バルーン70および外側バルーン80が拡張した状態において、第1凸部101と第2凸部102との間に対応する位置に配置される。これにより、バルーンカテーテル1は、内側バルーン70が拡張した際、第2先端側傾斜部76及び第2基端側傾斜部77の間に配置され、内側バルーン70の最大外径部を形成する第2中間領域75が生体管腔壁Vwに吸着させた第1凸部101と第2凸部102との間に配置される。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80を介して内側バルーン70の拡張圧を病変部位Nに確実に適応できる。そのため、バルーンカテーテル1は、バルーン20の軸方向への位置ずれをさらに確実に防止しつつ、バルーン20の拡張圧を病変部位Nにさらに確実に適応できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、第1凸部101は、第1中間領域85の先端部85aに配置され、第2凸部102は、第1中間領域85の基端部85bに配置される。これにより、バルーンカテーテル1は、生体管腔壁Vwに接触し、外側バルーン80の最大外径部を形成する第1中間領域85の先端部85a及び基端部85bに第1凸部101及び第2凸部102を備える。そのため、バルーンカテーテル1は、第1凸部101及び第2凸部102により、生体管腔壁Vwと接触する第1中間領域85の両端部85a、85bを、病変部位Nを形成する生体管腔壁Vwにさらに安定的に固定することができる。また、内側バルーン70の第2中間領域75が第1凸部101と第2凸部102との間に対応する位置に配置される場合、バルーンカテーテル1は、第1凸部101と第2凸部102との間の距離を長く確保できるため、内側バルーン70による拡張圧を病変部位Nに確実に適応できる範囲を広く確保することができる。従って、バルーンカテーテル1は、バルーン20の拡張圧を病変部位Nに適応する際に、バルーン20による拡張圧を病変部位Nに確実に適応できる範囲を広く確保できるとともに、バルーン20の軸方向への位置ずれをさらに確実に防止できる。
また、本実施形態に係るバルーンカテーテル1によれば、凸部100の上部領域110は、上部領域110の肉厚T1が底部領域120の肉厚T2よりも薄く、かつ、外側バルーン80の放射方向に対して略直交な面に沿って延びている。これにより、上部領域110は、拡張した外側バルーン80を収縮する際、上部領域110が外側バルーン80の放射方向側で曲面を形成する場合(例えば、図7を参照して後述する変形例1の形態)と比較し、凸部100の底部領域120の放射方向側を生体管腔壁Vwに押しつけつつ、凸部100の上部領域110を生体管腔壁Vwに密着させることができるため、生体管腔壁Vwと上部領域110との間に減圧空間Srをより確実に形成できる。また、凸部100の上部領域110は、外側バルーン80が収縮される際、上部領域110と底部領域120の剛性差により、上部領域110の内部空間130に面する部分の縁部が変形しやすいため、内部空間130に向かってより円滑に凹ませることができる。そのため、バルーンカテーテル1は、外側バルーン80と生体管腔壁Vwとの間に、さらに確実かつ強固に陰圧を発生させることができる。
(変形例1)
上述した実施形態では、凸部100の上部領域110は、外側バルーン80の放射方向に対して略直交な面に沿って延びていた。しかしながら、凸部の上部領域の形状は、凸部が生体管腔壁に接触した状態で、第2流路の流体が排出されることにより、外側バルーンと生体管腔壁との間に陰圧を発生させる限りにおいて特に限定されない。
例えば、図7に示すように、凸部200の上部領域210は、外側バルーン80の放射方向側の端部が曲面を形成していてもよい。本変形例に係るバルーンカテーテルによっても、生体管腔内においてバルーンを拡張させる際に、バルーンの軸方向への位置ずれを防止できる。
(変形例2)
また、上述した実施形態では、外側バルーン80は、連通路140を備えた。しかしながら、図8に示すように、外側バルーン280は、連通路を備えていなくてもよい。本変形例に係るバルーンカテーテルによっても、生体管腔内においてバルーンを拡張させる際に、バルーンの軸方向への位置ずれを防止できる。
以上、実施形態およびその変形例を通じてバルーンカテーテルを説明したが、本発明は実施形態およびその変形例において説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態およびその変形例では、凸部は、外側バルーンの周方向において、3つ配置されていた。しかしながら、凸部の個数は特に限定されず、外側バルーンの周方向において、1つ、2つあるいは4つ以上であってもよい。
また、凸部は、第1中間領域において、外側バルーンの軸方向の異なる箇所に配置された第1凸部と第2凸部とを有した。しかしながら、凸部は、第1中間領域において、外側バルーンの軸方向に沿って、1つまたは3つ以上配置されていてもよい。
さらに、凸部は、第1中間領域に配置された。しかしながら、凸部は、第1傾斜領域部および/または第2傾斜部に配置されていてもよい。
1 バルーンカテーテル、
40 内管シャフト、
40S 内管シャフトの外周面、
50 第1外管シャフト、
50S 第1外管シャフトの外周面、
51 第1流路(第1空間)、
60 第2外管シャフト、
61 第2流路(第2空間)、
70 内側バルーン、
71 第1内腔(第1空間)、
75 第2中間領域、
76 第2先端側傾斜部、
77 第2基端側傾斜部、
80、280 外側バルーン、
80S 外側バルーンの外表面、
81 第2内腔(第2空間)、
85 第1中間領域、
86 第1先端側傾斜部、
87 第1基端側傾斜部、
100、200 凸部、
101 第1凸部、
102 第2凸部、
110、210 凸部の上部領域、
120 凸部の底部領域、
130 内部空間、
140 連通路、
D1 内部空間の幅、
D2 連通路の幅、
N 病変部位、
S 生体管腔壁、
T1 上部領域の肉厚、
T2 底部領域の肉厚、
V 生体管腔。

Claims (9)

  1. ガイドワイヤが挿通可能な内管シャフトと、
    前記内管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記内管シャフトとの間に流体が移動可能な第1空間を形成する第1外管シャフトと、
    前記第1外管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記第1外管シャフトとの間に流体が移動可能な第2空間を形成する第2外管シャフトと、
    前記内管シャフトの先端側と前記第1外管シャフトの先端側に固定された内側バルーンと、
    前記内管シャフトの先端側と前記第2外管シャフトの先端側に固定され、かつ、前記内側バルーンを覆う外側バルーンと、を有し、
    前記外側バルーンは、前記第2空間への流体の注入により拡張した状態で、前記外側バルーンの外表面側に突出する凸部を形成し、
    前記凸部は、当該凸部が生体管腔壁に接触した状態で、前記第2空間の流体が排出されることにより、前記外側バルーンと前記生体管腔壁との間に陰圧を発生させる、バルーンカテーテル。
  2. 前記凸部は、上部領域と、前記上部領域よりも前記内側バルーン側に形成された底部領域と、を有し、
    前記上部領域は、前記底部領域よりも肉厚が薄く、
    前記凸部は、前記外側バルーンが前記第2空間への流体の注入により拡張した状態、かつ、前記凸部が前記生体管腔壁に接触した状態で、前記第2空間の流体が排出されることにより、前記上部領域と前記生体管腔壁との間に減圧空間を形成する、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記上部領域の長さは、前記内管シャフトの軸方向に垂直な断面において、前記底部領域の長さよりも短い、請求項2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記凸部は、前記外側バルーンが拡張した状態で、前記第2空間の流体が流入する内部空間を有し、
    前記外側バルーンは、前記内部空間と前記第2空間との間に連通路を有し、
    前記内部空間の幅は、前記外側バルーンが拡張した状態で、前記内管シャフトの軸方向に垂直な断面において、前記連通路の幅よりも長い、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  5. 前記内側バルーンは、前記外側バルーンよりも硬い材料で構成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  6. 前記外側バルーンは、先端及び基端を有する第1中間領域と、前記第1中間領域の先端から前記内管シャフトに向かって傾斜する第1先端側傾斜部と、前記第1中間領域の基端から前記第2外管シャフトに向かって傾斜する第1基端側傾斜部と、を有し、
    前記凸部は、前記第1中間領域に形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  7. 前記内側バルーンは、先端及び基端を有する第2中間領域と、前記第2中間領域の先端から前記内管シャフトに向かって傾斜する第2先端側傾斜部と、前記第2中間領域の基端から前記第2外管シャフトに向かって傾斜する第2基端側傾斜部と、を有し、
    前記凸部は、前記第1中間領域において、前記外側バルーンの軸方向の異なる箇所に配置された第1凸部と第2凸部とを有し、
    前記第2中間領域は、前記内側バルーンおよび前記外側バルーンが拡張した状態において、前記第1凸部と前記第2凸部との間に対応する位置に配置される、請求項6に記載のバルーンカテーテル。
  8. 前記第1凸部は、前記第1中間領域の先端部に配置され、
    前記第2凸部は、前記第1中間領域の基端部に配置される、請求項7に記載のバルーンカテーテル。
  9. ガイドワイヤが挿通可能な内管シャフトと、前記内管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記内管シャフトとの間に流体が移動可能な第1空間を形成する第1外管シャフトと、前記第1外管シャフトの外周面側に配置され、かつ、前記第1外管シャフトとの間に流体が移動可能な第2空間を形成する第2外管シャフトと、前記内管シャフトの先端側と前記第1外管シャフトの先端側に固定された内側バルーンと、前記内管シャフトの先端側と前記第2外管シャフトの先端側に固定され、かつ、前記内側バルーンを覆う外側バルーンと、を有するバルーンカテーテルを生体管腔に挿入し、
    前記外側バルーンを前記生体管腔の病変部位に配置し、
    前記病変部位に前記外側バルーンを配置した状態で、前記第2空間に流体を注入することにより、前記外側バルーンを周方向に拡張させつつ、前記外側バルーンの外表面に凸部を形成し、
    前記外側バルーンが拡張した状態で、前記外側バルーンの前記凸部が前記病変部位と接触するように前記内側バルーンを周方向に拡張し、
    前記凸部が前記病変部位と接触し、かつ、前記内側バルーンが拡張した状態で、前記外側バルーンを収縮させることにより、前記凸部と前記病変部位との間に陰圧を発生させ、前記外側バルーンを前記病変部位に吸着させ、
    前記内側バルーンが拡張した状態、かつ、前記外側バルーンが前記病変部位に吸着した状態で、前記内側バルーンを更に周方向に拡張させることにより、前記病変部位に前記外側バルーンを介して前記内側バルーンの拡張力を適応させる、前記生体管腔の前記病変部位を治療するための方法。
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