JP2018153119A - W/o型乳化液の製造方法 - Google Patents

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元太郎 那須
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厚憲 内藤
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Abstract

【課題】揮発しやすく水系の香料成分に対する安定なW/O型乳化組成物を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
揮発性が高く水系香料成分を水に溶解させてこれに、ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを含む第一乳化液を調製する工程と、これとは別途に食用油とレシチンを添加して撹拌・混合し、第二乳化液を調製する工程、によって、第一に乳化液と第二乳化液を調製してから、上述の第一乳化液中に前記第二油性液を添加して混合し、撹拌・混合し乳化する。
【選択図】なし

Description

本発明は、揮発性が高く水系の香気性成分を保持した乳化液の製造方法に関するものである。より具体的には当該香料を包含したW/O型乳化液の製造方法に関するものである。
エステル等の比較的に極性の低く非水系の香料をO/W型乳化組成物として形成し、飲料等の水系食品に添加して利用する場合は多い。すなわち、当該香料に対してO/W型(水中油滴エマルジョン)として、当該香料成分を含有させて、清涼飲料やアイスクリーム等の食品に利用する場合がある。
一方、揮発しやすい水系香料の場合、水等に溶解した状態で当該溶液を食品等に利用することが必要となるが、このような水系香料に乳化状態を形成させ、W/O型乳化組成物(油中水滴エマルジョン)とする例は比較的少ない。
例えば、W/O型乳化組成物の例として以下の先行技術においては、油中水型乳化油脂組成物を含有する風味に優れたレトルト食品に関する先行技術が開示されている。
特許第3951720号当該発明の油中水型乳化油脂組成物の水相にはレトルト食品に風味を付与する風味素材が添加される点が記載されている。また、風味素材としてはしょうが、しそ、わさび、シナモン、マスタード等の香辛料、レモン、ユズ等の柑橘類、メープルシロップ、蜂蜜等の糖液、オイスターソース、魚醤、トマトピューレ等の調味料が開示されている。しかし、当該先行技術は、揮発性の高い香料に対象を絞ったものではなく、前述の揮発しやすく、水系の香料成分に対して、乳化状態の安定な特有のW/O型乳化組成物の製造方法が要求されていた。
そこで、本発明者らはこの点を種々検討し、揮発しやすく水系の香料成分に対する安定なW/O型乳化組成物を開発することを課題とした。
本発明者らは、鋭意研究の結果、揮発性が高く水系香料成分を水に溶解させてこれに、
ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを含む第一乳化液を調製する工程、と、
これとは別途に食用油とレシチンを添加して撹拌・混合し、第二乳化液を調製する工程、によって、第一に乳化液と第二乳化液を調製してから、上述の第一乳化液中に前記第二油性液を添加して混合し、撹拌・混合し乳化することによって、揮発性の高い水系香料を含む、乳化液の製造することが可能であることを見出して本発明を完成させたのである。
すなわち、本願第一の発明は、
「1)水系香料、水、ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを含む第一乳化液を調製する工程、
2)食用油とレシチンを含有する第二乳化液を調製する工程、
3)前記第一乳化液中に前記第二油性液を添加し、撹拌・混合する工程
を含む、水系香料成分を含有するW/O型乳化液の製造方法。」、である。
特に、揮発性香料成分としては、トリメチルアミンに好適に利用することができる。すなわち、本願第二の発明は、
「前記水系香料がトリメチルアミンである請求項1に記載のW/O型乳化液の調製方法。」、である。
さらに、前記食用オイルは、キャノーラ油が好適である。
すなわち、本願第三の発明は、
「前記食用オイルがキャノーラ油である請求項1又は2に記載のW/O型乳化液の製造方法。」、である。
さらに、本発明で得られる乳化組成物は、中華麺等に添加することで特有の風味を付与することができる。
すなわち、本願第四の発明は、
「前記乳化液が麺類への添加用である請求項1〜3のいずれかに記載のW/O型乳化液の製造方法。」、である。
以下に、本発明の内容について説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。本発明は以下の構成を有する。
1)水系香料成分、水、ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを含む第一乳化液を調製する工程、
2)食用油とレシチンを含有する第二乳化液を調製する工程、
3)前記第一乳化液中に前記第二油性液を添加して混合し、撹拌・混合し乳化する工程、
を含む、水系香料成分を含有する乳化液の製造方法、に関するものである。
本願の発明の工程は、対象となるトリメチルアミン等の揮発性の高い水系香料成分を含み、安定した水系の第一乳化液を作製しておき、当該第一乳化液を油系の第二乳化液に投入した場合でも乳化の状態を保持できるようにするにしたものである。
また、当該第一水系乳化液には、ショ糖脂肪酸エステルとリゾレシチンを含有させる。また、第二油系乳化液には、食用油脂とレシチンを含有させる。また、リゾレシチンが好適に利用できる。
〇第一調製液(水系)
本発明における第一乳化液は、揮発性を有する水系香料成分を含み、乳化状態を形成させた乳化液である。親水性が高い(HLB値が高い)乳化液に関するものである。
─水系香料─
本発明でいう水系香料とは、揮発性が高く、水に溶解可能な香料をいう。本発明については、当該水系香料について安定した乳化状態を形成させることを目的としている。本発明での揮発性成分としては、トリメチルアミンやピロリジン、ピリジン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア等の揮発性の高く水に溶解可能な成分が挙げられる。
─水─
本発明においては、水に当該揮発性成分を溶解した状態で用いる。水に前述の水系香料成分を混合して、水に溶解させた状態で乳化状態を形成させ利用する。
水系香料成分に対して、水の配合割合は特に限定されないが、概ね水系香料成分を水に溶解さえた状態で、最終的な水系香料成分の濃度が1〜20重量%程度であればよい。また、好ましくは5〜10重量%程度である。
─ショ糖脂肪酸エステル─
本発明にいうショ糖脂肪酸エステルは、親水基のショ糖と、親油基の食用油脂から得られる脂肪酸で構成された乳化剤である。シュガーエステルとも称する。ショ糖分子中には水酸基に、結合させる脂肪酸の種類と数を変化させることにより、幅広い性質、機能を持たせることができる。ショ糖脂肪酸エステルの親水性(親油性)を示す指標として、HLB値(Hydrophilic Lipophilic Balance)とは界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値をいう。
本発明で用いるショ糖脂肪酸エステルは、第一乳化液においては、HLB値が13〜15程度のタイプを利用するのが好適である。
─リゾレシチン─
本発明においては、さらに、リゾレシチンを利用する。当該リゾレシチンとは、レシチンの2位の脂肪酸がホスホリパーゼにより加水分解してより水溶性を高めたものをいう。
リゾレシチンの原料としては、大豆や卵黄等が挙げられる。また、リゾレシチンの性状は、粉末状やペースト状のタイプがあるが、本発明においてはいずれのタイプを用いることができるが、特に本発明においては、第一乳化液においては粉末状のタイプを利用することが好ましい。
また、リゾレシチンに含まれるリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン等が挙げられる。
第一乳化液においては、上述の対象とする揮発性成分を含有した状態の水系香料水溶液の重量1重量部に対して、0.005重量部〜0.05重量部の配合とすることが可能である。特に0.01重量部〜0.02重量部等が好適である。
─グリセリン─
本発明でいうグリセリンとは、アルコールの一種で、甘味料、湿潤剤として使われるほか、当該溶液の比重を上げるために用いられる。食品添加物として、甘味料、保存料、保湿剤、増粘安定剤などの用途がある。本発明においては主として比重を増加させるために用いられる。
上述の対象とする水系香料成分を含有した状態の水系香料水溶液の重量を1重量部に対して、0.08重量部〜4.8重量部の配合とすることが可能である。特に0.5重量部〜0.9重量部等が好適である。
─その他の成分─
その他の成分として種々の添加物を加えてもよい。具体的には、油脂の酸化を防止する観点からトコフェロール(ビタミンE)やアスコルビン酸パルミテート等の抗酸化剤等を添加してもよいことは勿論である。
また、本発明の第一乳化液又は第二乳化液と他の食品成分を組み合わせて、複合的な食品成分に構成してもよいことは勿論である。
例えば、第一乳化液に対して、他のタンパク質、糖質、脂質等の食品成分を混合後に、第二乳化液を滴下する混合形態等がある。これらの変更形態は種々可能であることは勿論である。
─第一乳化液の調製の順序─
好ましくは、水にショ糖脂肪酸エステルを加え、撹拌した後において、水系香料水溶液と、リゾレシチンを加え加温、撹拌混合を行う。また、混合は500〜1500rpmで10〜30分程度実施すると好ましい。
〇第二調製液(油系)
本発明における第二乳化液は、食用油を含み、前記第一乳化液を含有する親油性の高い(HLB値が低い)乳化液に関するものである。
─食用油─
本発明にいう食用油としては種々のオイルを利用することができるが、すなわち、
植物油脂、動物油脂等の種々の食用油を使用することができる。より、具体的には、
植物油脂としては、キャノーラ油、パーム油、菜種油、米油、コーン油、オリーブ油、白絞油、ひまわり油等の種々の植物油脂が挙げられる。また、動物油脂としては、豚脂、牛脂、鶏油等の種々のオイルを利用することができる。
また、本発明にいう食用油は植物性油脂、動物性油脂のいずれも用いることができるが、常温で液状油脂が好ましい。本発明においては、特にパーム油、キャノーラ油が好ましい。
─レシチン─
第二乳化液においても本発明でいうレシチンとは、酵素分解リゾレシチンや通常のレシチン等の種々のタイプを用いることができる。但し、リゾレシチンを用いることが好ましい。また、第二乳化液においても、リゾレシチンを用いることができる。リゾレシチンについては粉状、ペースト状のいずれも用いることができるが、第二乳化液ではペースト状のタイプを利用することが好ましい。
─第二乳化液の調製の順序─
食用油を加温する(50〜60℃)。次に、レシチンを加え、加温撹拌・混合を行う。
当該状態で500〜1500rpmで10〜30分程度実施すると好ましい。
〇第一乳化液と第二乳化液の混合
(1)混合割合
前記第一乳化液に、前記第二乳化液を、添加して、均一になるまで撹拌・混合し最終的なW/O型乳化液を得る。
最終的な第一乳化液(水系)と第二乳化液(油系)の混合割合は、1:9〜5:5程度である。好ましくは、2:8〜4:6程度である。
(2)混合方法
種々の混合の方法が可能であるが、乳化状態を維持しつつ混合を完成させるために、
前記第一の乳化液を準備しておき、当該第一乳化液に対して上部より記第二乳化液を混合しつつ徐々に滴下して調製することが好ましい。
具体的には、第一乳化液(水系)を撹拌しながら、上部より、第二乳化液を滴下して、添加する。滴下の速度は概ね0.1ml〜0.5ml/分(5g作成時)程度が好適である。さらに、好ましくは、0.1ml〜0.3ml/分(5g作成時)程度である。
─本発明の乳化液の利用方法─
本発明によって得られるW/O型乳化液は種々の用途が可能である。すなわち、油脂中に香料成分を含んでいるために、様々な油脂含有食品に利用することができる。例えば、シチューやスープ等食品や、その他として、麺やその他冷蔵や冷凍食品等に利用することが可能である。
例えば、中華麺等の麺類の原料として添加することが可能である。また、当該麺を乾燥する即席麺においても効果的に利用することができる。
麺類の製造においては、小麦粉等の粉体の麺原料において、当該麺原料に、本発明のW/O型乳化液を混合することも可能であるし、他には、麺類の製造における練水に添加することも可能である。
また、即席麺におけるフライ麺塊に使用するのであれば、例えば、フライで処理していないノンフライ麺の麺原料として使用することで、当該水系香料の特有の風味を付与することができる
また、その他の利用法として、油系のレトルトパック等の油性成分に対して香料風味を付与するために添加してもよいことは勿論である。
以下に本願発明の試験例を記載する。但し、本願発明はこれらの試験例に限定されるものではない。各試験例の配合及び混合態様については以下の構成とした。
(1)評価試験1
第一乳化液及び第二乳化液の配合及び混合態様を種々試験した。各試験例の配合及び混合形態を以下に示す。
[試験例1](全ての構成を一度に撹拌・混合)
30%トリメチルアミン水溶液100重量部に精製水50重量部を添加して、これにショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS1570 HLB15)10重量部、リゾレシチン(辻製油株式会社製 HLB11〜13)20重量部及び食用油脂(キャノーラ油)700重量部を混合して、20分撹拌を十分に行った。
当該得られた乳化液の乳化状態について評価した。評価は、以下の10段階で行い、以下の評価基準とした。
1(乳化状態 悪:乳化物の分離が多い(72時間静置後)、常温)⇔10(乳化状態 良:乳化の分離少ない(72時間静置後)、常温)尚、評価は、熟練の技術者3名で行い、客観的な分離を目視で確認することによって行った。
[試験例2](第一乳化液、第二乳化液に分けて調製後に混合)
30%トリメチルアミン水溶液100重量部に精製水50重量部を添加して、これにショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS1570 HLB15)10重量部を混合して、30分撹拌を十分に行い、第一乳化液を調製した。
また、これとは別にリゾレシチン(辻製油株式会社製HLB11〜13)20重量部及び食用油脂(キャノーラ油)700重量部を混合して、20分撹拌を十分に行い、第二乳化液を調製した。
次に、上述の第一乳化液と第二乳化液をすべて混合して、30分撹拌を十分に行った。
[試験例3](第一乳化液、第二乳化液に分けて調製後、第二乳化液に第一乳化液を滴下しつつ撹拌混合)
試験例2において調整した第二乳化液に対して、第一乳化液を滴下して混合した、滴下する速度は、第一乳化液を0.05重量部/分となるように滴下しつつ混合した。
[試験例4](第一乳化液、第二乳化液に分けて調製後、第一乳化液に第二乳化液を滴下しつつ撹拌混合)
試験例2において調整した第一乳化液に対して、当該第一乳化液を混合している状態において、第二乳化液を滴下して添加した。滴下する速度は、第一乳化液を0.05重量部/分となるように滴下しつつ混合・添加した。
[試験例5](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルS1570 HLB15を20重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例6](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルP1570 HLB15を10重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例7](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、DKエステルF140 HLB13を10重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例8](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルS1170 HLB11を10重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例9](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルS970 HLB9を10重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例10](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルをリゾレシチンに変更)
試験例4の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リゾレシチン(辻製油株式会社製HLB11〜13)3重量部とした以外は、試験例4と同様にした。
[試験例11](第一乳化液をショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンにした)
試験例4の第一乳化液にリゾレシチン3重量部を追加した以外は、試験例4と同様にした。
[試験例12](第一乳化液にグリセリンを追加)
試験例11の第一乳化液にグリセリン150重量部を追加した以外は、試験例4と同様にした。
[試験例13](第一乳化液にビタミンEを追加)
試験例12の第二乳化液にビタミンEを2重量部を追加した以外は、試験例4と同様にした。
[試験例14](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例13の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルP1570 HLB15を10重量部とした以外は、試験例13と同様にした。
[試験例15](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例13の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、DKエステルF140 HLB13を10重量部とした以外は、試験例13と同様にした。
[試験例16](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例13の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルS1170 HLB11を10重量部とした以外は、試験例13と同様にした。
[試験例17](第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルを変更)
試験例13の第一乳化液において使用したショ糖脂肪酸エステルの代わりに、リョートーシュガーエステルS970 HLB9を10重量部とした以外は、試験例13と同様にした。
[試験例18](第二乳化液のリゾレシチン→レシチン)
試験例13の第二乳化液において使用したリゾレシチン(辻製油株式会社製SLP−ペーストリゾ)の代わりに、レシチン(辻製油株式会社製SLP−ペースト)を3重量部とした以外は、試験例13と同様にした。
各試験例の評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2018153119





Figure 2018153119
表1及び表2からの結果について、第一乳化液と第二乳化液を分けて調製した後、第一乳化液に対して第二乳化液を徐々に滴下して混合することで、良好な乳化状態を形成・維持させることができた。
また、第一乳化液においては、ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを併用することで良好な乳化状態を形成することができた。
次に、グリセリンを添加することで乳化状態を良好な維持することが可能となった。さらに、抗酸化剤としてのビタミンEを添加しても良好な乳化状態を維持することができた。
続けて、試験例13を基本配合として、第一乳化液のショ糖脂肪酸エステルの種類を変更した場合について試験した。結果を表3に示す。

Figure 2018153119
表3の結果については、第一乳化液に使用するショ糖脂肪酸エステルとしてのHLBは、11以上であれば可能である。また、好ましくは13〜15程度であることが判明した。
また、第二乳化液におけるレシチンについては、リゾレシチン又はレシチンのいずれも利用可能である。
(2)評価試験2
─本発明W/O型乳化液を麺に添加した麺塊の作成─
三層麺に対して、本願の水系香料成分を含有するW/O型乳化液を添加して、当該香料風味を得ることができるかを試験した。
(実施例1)
小麦粉800g、澱粉200gからなる主原料1kgを準備し、別途、食塩20g・かん水等12gとこれに試験例13で調製したW/O型乳化液を1.0g添加して、乳化香料入りの練り水440mlを調製した。当該練り水を前記の主原料に添加してこれをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形して厚み12mmの麺帯形状とし、これを内層麺帯とした。
次に、小麦粉800g、澱粉200gからなる主原料粉1kgに、食塩20g・かん水等12gを溶解した練り水390mlを加えて、これをミキサーで良く混練して麺生地を得た。この麺生地を成形し圧延して2枚の厚み4mmの外層麺帯を得た。前者の厚み12mmの内層麺帯と、後者の厚み4mmの外層麺帯を、外層/内層/外層に合わせ、複合し、三層麺帯とした。この三層麺帯を、ロール圧延機で強く圧延し、圧延後の最終麺帯厚を2.0mmとした。この各麺帯を角刃9番の切刃ロールで切り出して、生麺線を得た。この生麺線を、1分30秒間蒸し、蒸し麺線を得た。この蒸し麺線を95℃の茹で槽に30秒間浸漬し、続けてほぐし液に浸漬した後、麺線をカットして、1食分180gを容量380mlのリテーナーに充填した。その後、60分間、80〜140℃の熱風で乾燥した。得られた即席ノンフライ麺を実施例1とした。
(比較例1)
実施例1において、内層麺帯の調製のための練り水へ試験例13で調製したW/O型乳化液の添加を行わなかった点を除いては実施例1と同様に行った。
(比較例2)
実施例1において、内層麺帯の調製のための練り水へ試験例13で調製したW/O型乳化液に含有される、30%トリメチルアミン水溶液0.1gを直接に練水に添加した点を除いて、実施例1と同様に行った。
(官能評価及び結果)
この実施例1及び比較例1の各即席フライ麺をスチロール性のカップ容器に投入し、その上に粉末スープ5.0gを加えて熱湯400mlを注加し、蓋をして5分間静置した。5分間静置して復元させた麺を良く掻き混ぜて5人のパネラーで喫食し食感評価を行なった。結果として、比較例1にくらべて比較例2ではほとんど中華麺風味が増強していなかった。一方、比較例1にくらべて実施例1では比べて中華麺の風味をより強く感じた。比較例2は練り水に含有されたトリメチルアミンが、麺塊の製造の過程で揮発等して消失したものと想定される。

Claims (4)

  1. 1)水系香料、水、ショ糖脂肪酸エステル及びリゾレシチンを含む第一乳化液を調製する工程、
    2)食用油とレシチンを含有する第二乳化液を調製する工程、
    3)前記第一乳化液中に前記第二油性液を添加し、撹拌・混合する工程
    を含む、水系香料成分を含有するW/O型乳化液の製造方法。
  2. 前記水系香料がトリメチルアミンである請求項1に記載のW/O型乳化液の調製方法。
  3. 前記食用オイルがキャノーラ油である請求項1又は2に記載のW/O型乳化液の製造方法。
  4. 前記乳化液が麺類への添加用である請求項1〜3のいずれかに記載のW/O型乳化液の製造方法。
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