JP2018151158A - 放射線計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明によれば、薄型且つ十分な信号量を備えた放射線計測装置が実現する。【解決手段】射線計測装置101は制御装置301、CCDカメラ302、キョウ体303、鏡304、蛍光体305で構成される。ビームが蛍光体305を通過すると、ビームの通過位置から蛍光が発生する。蛍光の強さはビーム強度に依存する。蛍光は鏡304で反射し、最終的にCCDカメラ302で観測される。蛍光板305の鏡側表面には反射防止膜401が備わっており、散乱光が蛍光体305で反射し、CCDカメラ302に入射することを防止する。散乱光402が反射防止膜401に入射すると、一部が蛍光体305の表面、一部が反射防止膜401の表面で反射する(反射光403A、403B)。反射光403Aと反射光403Bは互いに逆位相となり、干渉して振幅が減少する。即ち、反射防止膜401は蛍光体305での散乱光の反射を抑制し、CCDカメラ302への入射を防止する。【選択図】図3
Description
本発明は、放射線計測装置に関する。
粒子線治療ではスキャニング照射法が普及しつつある。スキャニング照射法は標的を微少領域(以下、スポット)に分割して考え、スポット毎に細径(1σ=3〜20mm)のビームを照射するものである。スポットに既定の線量が付与されると、ビームの照射を停止し次のスポットに向けてビームを走査する。ビームをビーム進行方向(以下、深さ方向)に対して垂直な方向(以下、横方向)に走査する場合は、走査電磁石を用いる。 ある深さについてすべてのスポットに既定線量が付与されると、ビームを深さ方向に走査する。ビームを深さ方向に走査する場合は、加速器もしくはレンジシフタでビームのエネルギーを変更する。最終的に、全てのスポット、即ち標的全体に一様な線量が付与される。
このとき、粒子線照射装置が正しく調整されているか否かについて、操作者は放射線計測装置を利用してビームの横方向線量分布形状を計測し、その結果を分析することで判断する。
このとき、粒子線照射装置が正しく調整されているか否かについて、操作者は放射線計測装置を利用してビームの横方向線量分布形状を計測し、その結果を分析することで判断する。
放射線計測装置としては、ビーム軸上に蛍光体を設置し、ビーム照射で生じた蛍光を鏡で反射させてCCDカメラで測定するものがある。電離箱を2次元アレイ状に多数配置したものと比較して、安価、軽量且つ高分解能な線量分布測定を可能とする。計測装置内で生じた蛍光の散乱成分(散乱光)が線量分布の計測精度を低下させることがわかっており、非特許文献1では散乱光の影響を軽減するため蛍光体と鏡の距離を離す工夫がとられている。また、非特許文献2では、散乱光の影響を軽減するために蛍光体と鏡の間にルーバー型のフィルタを設置する方法を提案している。
S.N.Boon, et al., "Fast 2D phantom dosimetry for scanning proton beams" Med. Phys. 25 .4., April 1998
M.Partridge, et al., "Optical scattering in camera−based electronic portal imaging" Phys. Med. Biol. 44 (1999) 2381−2396.
非特許文献1に示す従来の放射線計測装置は、蛍光体と鏡の距離を離しているため深さ方向に30cmから50cm程度の厚みを持ち、使い勝手を損ねていた。例えば、患者カウチの天板上に放射線計測装置を設置すると、必要な厚みの固体ファントムを同時に設置できない場合がある。
非特許文献2のルーバーフィルタは、蛍光体と鏡の間に設置すると散乱光の除去が可能となる。蛍光体と鏡の距離を近づけることができ、計測装置の薄型化が可能となる。しかしながら、このようなフィルタは蛍光体からCCDカメラに到達する信号の量を減少させ、測定精度の低下を招く。
本発明の目的は、薄型且つ十分な信号量を備えた放射線計測装置の提供にある。
上記目的を達成するために、本発明は、放射線に反応して蛍光を発する蛍光体と、蛍光を検出する光検出器と、前記光検出器の方向に前記蛍光体で生じた蛍光を反射する鏡とを備えた放射線計測装置であって、前記蛍光板の鏡と面する面には反射防止膜を備えること特徴とする。
本発明によれば、薄型且つ十分な信号量を備えた放射線計測装置が実現する。
以下に本発明の放射線計測装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
一般的に、粒子線照射装置の調整結果及び性能を確認するため、放射線計測装置によりビームの横方向線量分布が計測される。また、放射線計測装置により体積照射時における横方向線量分布が計測される。体積照射とは、前述のスキャニング照射法の手順に従い、被照射体の任意の領域(患部、標的と呼ばれる)の全体にビーム(粒子線)を照射し、患部に均一な線量分布を形成することである。 スキャニング照射法を採用する粒子線照射装置では、横方向に対して指示通りの位置にビームを照射できるように調整される(一般的に、照射位置の誤差は±1mm以下)。
そこで、薄型且つ十分な信号量を発生させる本発明の放射線計測装置について、以下説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態による放射線計測装置と、粒子線治療システムの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による放射線計測装置と粒子線治療システムの全体構成を示すブロック図である。
そこで、薄型且つ十分な信号量を発生させる本発明の放射線計測装置について、以下説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態による放射線計測装置と、粒子線治療システムの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による放射線計測装置と粒子線治療システムの全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態の粒子線治療システムは、放射線計測装置101と、陽子線照射装置(粒子線照射装置)102とを備えている。放射線計測装置101は、スキャニング照射法を用いる陽子線照射装置102の調整及び性能評価を実施するために、陽子線照射装置102から照射されたビームの横方向線量分布を計測する。 なお、ここでは粒子線照射装置として陽子線照射装置102を例に説明するが、本発明は陽子より質量の重い粒子(炭素線など)を用いた重粒子線照射装置にも適用できる。また、陽子線照射装置もスキャニング照射法を用いた場合に限定される必要はなく、後述する散乱体照射法であってもよい。図1に示すように、陽子線照射装置102は、陽子線発生装置103,陽子線輸送装置104及び回転式照射装置105を有する。なお、本実施形態では回転ガントリーを備える回転式照射装置105を例に説明するが、回転式照射装置105は固定式であってもよい。
陽子線発生装置103は、イオン源106,前段加速器107(例えば、直線加速器)及びシンクロトロン108を有する。イオン源106で発生した陽子イオンは、まず前段加速器107で加速される。前段加速器107から出射した陽子線(以下、ビーム)は、シンクロトロン108で所定のエネルギーまで加速された後、出射デフレクタ109から陽子線輸送装置104に出射される。陽子線輸送装置104に出射されたビームは、陽子線輸送装置104を通じて回転式照射装置105に輸送され、最終的に回転式照射装置105を経て放射線計測装置101に照射される。回転式照射装置105は、回転ガントリー(図示せず)及び照射野形成装置110を有する。回転ガントリーに設置された照射野形成装置110は、回転ガントリーと共に回転する。陽子線輸送装置104の一部は、回転ガントリーに取り付けられている。本実施形態では、陽子線の加速装置としてシンクロトロン108を採用したが、加速装置はサイクロトロンや直線加速器であってもよい。
次に、本実施形態の照射野形成装置110によって実現される、スキャニング照射法の概要を説明する。図2は、照射野形成装置110、及びスキャニング照射法の概念を示す図である。スキャニング照射法では、図2に示すように、患部202を深さ方向(図2中Z方向)に複数の層に分割して荷電粒子ビームを照射する。また、患部202の各層を微少領域(スポット)に分割し、スポット毎にビームを照射する。スポットに既定線量が付与されると、照射を停止して次の既定スポットに向けてビームを走査する。 横方向へのビーム走査には、走査電磁石201A,201Bを用いる。ある層についてすべてのスポットに既定線量を付与すると、照射野形成装置110は深さ方向にビームを走査し、ビームを照射すべき層を変更する。深さ方向へのビーム走査(層変更)は、シンクロトロン108の出射エネルギー制御もしくは照射野形成装置110等に搭載したレンジシフタ(図示せず)を用いてビームのエネルギーを変更することで実現される。このような手順を繰り返し、最終的に一様な線量分布が形成される。スキャニング照射法では、アイソセンタ付近におけるビームの横方向線量分布は1σ=3mm〜20mmのガウス分布状に広がっている。本実施形態では、走査電磁石を励磁しない状態においてビームの中心が通過する直線をビーム軸と定義する。また、回転式照射装置105の回転軸とビーム軸との交点をアイソセンタと定義する。
図3を用いて、放射線計測装置101の詳細について説明する。図3は、本実施形態による放射線計測装置101の概略を示した図である。放射線計測装置101は制御装置301、CCDカメラ302、キョウ体303、鏡304、蛍光体305で構成される。ビームが蛍光体305を通過すると、放射線に反応してビームの通過位置から蛍光310が発生する。蛍光310の強さはビーム強度に依存する。蛍光310は鏡304で反射し、最終的にCCDカメラ302で検出され観測される。図3に示される放射線計測装置101では、キョウ体303の一側面に蛍光体が設置され、それと隣り合ういずれかの側面の方向にCCDカメラ302が設置される。鏡304は蛍光体305に対して角度をもって斜めに設置され、蛍光体305から入射された光はCCDカメラ302が設置された方向に鏡面で反射される。蛍光体305と鏡304が形成する角度は、CCDカメラ302の設置性や放射線分布を測定する利便上45度が望ましいが、それに限られない。また、後述する本実施例記載の構成を利用することで、蛍光体305と鏡304はその一端で近接、若しくは接触するように設置することができ、放射線計測装置101のキョウ体303サイズを低減させることができる。
本実施例では蛍光310の撮影にCCDカメラを用いたが、2次元アレイ状に光検出素子を備えたイメージセンサと、蛍光体表面に焦点を合致させることの可能なレンズを組み合わせた撮影装置等の光検出器であれば同様の効果が得られる。制御装置301は、CCDカメラ302と有線もしくは無線で接続しており、CCDカメラ302の撮影開始と完了のタイミング、及びCCDカメラ302からのデータ取得を制御する。
図3に示すように、蛍光310の一部は鏡304で乱反射し散乱光311となる。乱反射は蛍光とビーム通過位置との相関関係を失わせるため、散乱光311がCCDカメラ302に入射すると画質の低下を生じさせる。即ち、線量分布の測定精度が低下する。蛍光体305と鏡304とCCDカメラ302は、鏡304で生じた散乱光311が蛍光体305で反射した場合、その更なる反射光312がちょうどCCDカメラ302に入ってしまうような位置関係にあり、その影響が大きい。キョウ体305の内側は黒く塗装されており、蛍光体305が設置された側面以外に向かう散乱光311を吸収してCCDカメラ302への入射を防止する。
図4に示すように、蛍光板305の鏡に面する面である鏡側表面には反射防止膜401が備わっており、散乱光が蛍光体305で反射し、CCDカメラ302に入射することを防止する。反射防止膜401の厚みdは、以下の式で示される。ここで、nは反射防止膜401の屈折率、λは蛍光体の発光波長である。なお発光波長がある程度幅をもっている場合、λはその平均波長である。
d=0.25λ/n …(1)
散乱光402が反射防止膜401に入射すると、一部が蛍光体305の表面、一部が反射防止膜401の表面で反射する(反射光403A、403B)。式1より、反射光403Aと反射光403Bは互いに逆位相となり、干渉して振幅が減少する。即ち、反射防止膜401は蛍光体305での散乱光の反射を抑制し、CCDカメラ302への入射を防止する。放射線分布を計測する用途においては、蛍光体305は狭い周波数帯に集まった特定色を主に発光する場合が多いため、上述のような反射防止膜401で反射を抑制でき、その効果も大きい。また本装置の当該部分は放射線通過による劣化で定期的に交換が必要となるが、蛍光体305に接着若しくは塗布若しくは隣接してまとめて設置されるシンプルな構造によりその負担も低減される。
散乱光402が反射防止膜401に入射すると、一部が蛍光体305の表面、一部が反射防止膜401の表面で反射する(反射光403A、403B)。式1より、反射光403Aと反射光403Bは互いに逆位相となり、干渉して振幅が減少する。即ち、反射防止膜401は蛍光体305での散乱光の反射を抑制し、CCDカメラ302への入射を防止する。放射線分布を計測する用途においては、蛍光体305は狭い周波数帯に集まった特定色を主に発光する場合が多いため、上述のような反射防止膜401で反射を抑制でき、その効果も大きい。また本装置の当該部分は放射線通過による劣化で定期的に交換が必要となるが、蛍光体305に接着若しくは塗布若しくは隣接してまとめて設置されるシンプルな構造によりその負担も低減される。
なお、本実施例では反射防止膜を図4に示す構成としたが、蛍光波長よりも細かな周期で錘形状の突起を配列させる、モスアイ構造を備えた膜でも同種の効果が得られる。
また、本実施例では蛍光体305と鏡304の角度を45度が望ましいとしたが、放射線計測装置101のビーム入射方向に対して奥行き方向のサイズを更に小さくするために、蛍光体305と鏡304の角度を45度より小さくすることができる。その場合、散乱光の影響がさらに大きくなるため、本実施例の反射防止膜401を利用することによる効果は更に顕著となる。
以上の特徴により、本発明の放射線計測装置ではCCDカメラへの散乱光の入射が抑制され、鏡と蛍光体を近づけても高精度な線量計測や線量分布計測が可能となる。また、ルーバーフィルタを用いた従来技術と異なり、蛍光体からの光を低減させることはない。従って、薄型且つ十分な信号量を備えた放射線計測装置が実現する。
次に、図3を用いて本実施形態の放射線計測装置101による陽子線照射装置102から照射されるビームの横方向線量分布の計測手順を説明する。まず、陽子線照射装置102の照射室(図示せず)において、放射線計測装置101を患者カウチの天板306上に固定する。次に、患者カウチ(図示せず)を可動させ、患者位置決め用レーザーマーカ等を基準とし、測定内容に応じて放射線計測装置101の位置決めを行う。本実施形態では、ビーム軸が蛍光体305の中心を垂直に通過するように放射線計測装置を位置決めする。患者カウチは、計測部をビーム軸方向(深さ方向、Z方向)およびビーム軸方向と直交する方向(横方向)に移動させることができる。必要に応じて、蛍光体305のビーム軸上流側に固体ファントム(図示せず)を設置する。本発明の放射線計測装置101は薄型であり、スペース的制約から通常であれば共に設置が困難な固体ファントムと共に天板306上への設置が可能である。 位置決め完了後、操作者は制御装置301からCCDカメラ302の電源を投入する。制御装置301は陽子線照射装置102の制御室(図示せず)に設置されている。さらに、操作者は制御装置301に備わる計測開始ボタン(図示せず)を押す。計測開始ボタンを押すと、CCDカメラ302が蛍光の撮影を開始する。
次に、操作者は陽子線照射装置102にビームの照射条件を入力し、制御室に備わる照射開始ボタンを押す。ここで、ビームの照射条件はスポットの数、スポット毎の照射位置、ビームエネルギー、照射量等を示す。照射開始ボタンが押されると、陽子線照射装置102は前記入力条件に従ってシンクロトロン108で加速されたビームを回転式照射装置105に出射し、放射線計測装置101にビームを照射する。
全スポットへの照射が完了すると、操作者は制御装置301に備わる計測完了ボタン(図示せず)を押す。計測完了ボタンが押されると、CCDカメラ302の撮影データが制御装置301に転送され、ディスプレイ(図示せず)等に表示される。また、撮影データは記録装置(図示せず)に保存される。操作者は、ディスプレイに表示された線量分布を確認・分析し、陽子線照射装置102の調整具合や性能を評価する。
以上説明したように、本実施形態の放射線計測装置は、薄型なため取り扱いが容易で様々な条件下での線量分布計測に適用できる。また、十分な信号量が得られるため、高精度な線量計測が可能である。したがって、粒子線治療システムの調整および性能評価の負担が軽減される。
また、図3は患者カウチの天板306と水平な方向からビームを入射し、天板306と水平な方向に放射線計測装置101の蛍光体305がある側面を向けて設置する場合について説明したが、回転式照射装置105を用いて患者カウチ直上方向からビームを出射し、放射線計測装置101でその放射線分布や線量を計測する場合もある。その場合、取り除くことができない直行型の患者カウチ等がスペース的制約となり、十分にビーム入射方向に対して奥行きの余裕が取れない条件で放射線を計測することになる。そのような条件下においても、本実施例の薄型放射線計測装置101であれば、計測位置の自由度が高く、精度の高い放射線計測を行うことができる。
本発明の放射線計測装置101は、散乱体照射法を用いた陽子線照射装置の横方向線量分布も計測できる。即ち、散乱体照射法を用いた陽子線照射装置の調整及び性能評価にも、本発明の放射線計測装置101を適用できる。 以下、散乱体照射法の代表的例であるウォブラー照射法に本発明の放射線計測装置を適用した場合について説明する。ウォブラー照射法を用いた陽子線照射装置は、スキャニング照射法を用いた陽子線照射装置102とほぼ同じ構造であるので、図1を用いて説明する。ウォブラー照射法では、照射野形成装置110の内部のビーム通過位置に散乱体,コリメータ,ボーラス,拡大ブラッグピーク形成フィルタ(図示せず)が追加される。
ウォブラー照射法では、散乱体を通過して拡散したビームを円形に走査し、横方向に均一な線量分布を形成する。ビームを横方向に円形に走査するため、走査電磁石電源(図示せず)は周期的に正負が反転し、走査電磁石毎に位相が90度ずれ、最大電流値の等しい交流電流を走査電磁石に供給する。最大電流値はビーム走査経路の半径を決める。操作者が陽子線照射装置102の制御装置102aに入力した患部の大きさとビームの入射エネルギーから、走査電磁石電源は供給する最大電流値を決定する。また、照射野形成装置110は散乱体の厚みを決定する。コリメータは患部形状に合わせて適切な形に変形し、患部領域外での被曝を低減する。この結果、設定された患部領域において照射線量が集中し、横方向に可能な限り均一な線量分布を形成する。横方向に均一な線量分布を形成する手段としては、2重散乱体法も有効である。2重散乱体法では、走査電磁石の替わりに2重類の散乱体をビーム通過位置に配置し、横方向に均一な線量分布を形成する。
散乱体照射法では、拡大ブラッグピーク形成フィルタ(以下、SOBP(Spread Out Bragg Peak)フィルタと略す)を用いて深さ方向に均一な線量分布を形成する。陽子線照射装置102は、操作者が陽子線照射装置102の制御装置102aに入力した患部の形状に合わせて、ビームエネルギーを調整し、ビームの到達深度を患部領域と一致させる。ビームのエネルギーは、シンクロトロン108もしくは照射野形成装置110等に搭載したレンジシフタ(図示せず)で変更される。また、照射野形成装置110には深さ方向への患部領域の幅とビームのエネルギーに適したSOBPフィルタがビーム通過位置に配置される。SOBPフィルタの機能を説明する。SOBPフィルタは、ビームが通過する面に厚みの異なる階段状の構造を持っている。SOBPフィルタでは、ビームがSOBPフィルタの各段を適切な配分で通過することで、単一エネルギーのビームに適切な配分のエネルギー分布を与え、単一エネルギーの粒子線が深さ方向に形成するブラッグピークを患部形状に合わせて拡大する。SOBPフィルタには、リッジフィルタや飛程変調ホイールがある。
また、散乱体照射法では、患部形状に適した形状のボーラスが照射野形成装置110に設置される。ボーラスは患部形状に合わせて横方向の位置毎にビームの到達深度を調整する。
上記のようなウォブラー照射法に代表される散乱体照射法においても、本発明の放射線計測装置101を利用することによって、前述したスキャニング照射法の横方向線量分布を計測するときと同様にディスプレイに横方向線量分布を出力することができ、操作者は陽子線照射装置102の調整結果及び性能を評価することができる。
図5に異なる実施例での放射線計測装置の構造を示す。なお、上述の実施例と重複する箇所についてはその説明を省略する。放射線計測装置101は制御装置301、CCDカメラ302A、302B、キョウ体303、鏡304A、304B、蛍光体305で構成される。鏡305A、鏡305Bは図5のZ軸に対して対称に配置している。実施例1と同様に、ビームが蛍光体305を通過するとビームの通過位置から蛍光が発生する。ビームが領域501A側に入射した場合、蛍光は鏡304Aで反射し、CCDカメラ302Aで観測される。一方、ビームが領域501B側に入射した場合、蛍光は鏡304Bで反射し、CCDカメラ302Bで観測される。つまり、CCDカメラ302Aと鏡305A、及び、CCDカメラ302Bと鏡305Bは、それぞれ一対となり、蛍光体305で発生する蛍光を検出する。
陽子線照射装置102から照射されるビームの横方向線量分布を計測する手順に関しては、実施例1と同等である。制御装置301に備わる計測完了ボタン(図示せず)が押されると、CCDカメラ302A、303Bの撮影データが制御装置301に転送される。制御装置301はCCDカメラ302A、302Bから得られた蛍光体305の一部の領域の画像を一つの画像に再構成し、ディスプレイ(図示せず)等に表示する。また、撮影データは記録装置(図示せず)に保存される。操作者は、ディスプレイに表示された線量分布を確認・分析し、陽子線照射装置102の調整具合や性能を評価する。本実施例では蛍光体305の領域を2つに分割し、2対の鏡とCCDカメラを用いて蛍光体305全体を観測する方法としたが、領域を2つ以上に分割し、2対以上の鏡とCCDカメラを用いて蛍光板305全体を観測する方法としても良い。
以上の特徴により、本実施例の放射線計測装置ではビーム進行方向への鏡の長さが低減する。ルーバーフィルタを用いた従来技術と異なり、蛍光体からの光が低減することはないため、薄型且つ十分な信号量を備えた放射線計測装置が実現する。
図6を用いて、本実施例の放射線計測装置101を前述の実施例1における反射防止膜401と併用した場合について説明する。反射防止膜401により鏡304A、304Bで発生した散乱光311が、蛍光版305で反射してCCDカメラ301、A301Bに入るのを抑止することができる。これにより、鏡304A、304Bを蛍光体305に近づけても高精度な放射線計測が可能となり、ビーム入射方向に対して装置の奥行き方向の長さを更に低減することができる。
101…放射線計測装置
102…陽子線照射装置、
103…陽子線発生装置、
104…陽子線輸送装置、
105…回転式照射装置、
106…イオン源、
107…前段加速器、
108…シンクロトロン、
109…出射デフレクタ、
110…照射野形成装置、
201A,201B…走査電磁石、
202…患部、
301…制御装置
302、302A、30B…CCDカメラ
303…キョウ体
304、304A、304B…鏡
305…蛍光体
306…患者カウチの天板
401…反射防止膜
402…入射光
402A,402B…反射光
501A、501B…放射線計測装置の一領域
102…陽子線照射装置、
103…陽子線発生装置、
104…陽子線輸送装置、
105…回転式照射装置、
106…イオン源、
107…前段加速器、
108…シンクロトロン、
109…出射デフレクタ、
110…照射野形成装置、
201A,201B…走査電磁石、
202…患部、
301…制御装置
302、302A、30B…CCDカメラ
303…キョウ体
304、304A、304B…鏡
305…蛍光体
306…患者カウチの天板
401…反射防止膜
402…入射光
402A,402B…反射光
501A、501B…放射線計測装置の一領域
Claims (8)
- 放射線に反応して蛍光を発する蛍光体と、
蛍光を検出する光検出器と、
前記光検出器の方向に前記蛍光体で生じた蛍光を反射する鏡とを備えた放射線計測装置であって、
前記蛍光板の鏡と面する面には反射防止膜を備える事を特徴とする放射線計測装置。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
前記反射防止膜の厚みは一様であり、前記蛍光体の発光波長がλ、前記反射防止膜の屈折率がnであるとすると、前記反射防止膜の厚みdは0.25×λ×nの定数倍である事を特徴とする。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
前記反射防止膜は前記蛍光体の発光波長よりも細かな周期で錘形状の突起を配列させる、モスアイ構造を備えることを特徴とする。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
キョウ体を備え、
前記キョウ体の一側面に前記蛍光体が設置され、それと隣り合ういずれかの側面の方向に前記光検出器が設置されていることを特徴とする。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
前記蛍光体及び前記鏡は、その一端で近接若しくは接触するように設置されていることを特徴とする。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
前記蛍光体及び前記鏡の間の角度が45度より小さいことを特徴とする。 - 請求項1の放射線計測装置であって、
制御装置を備え、
前記光検出器は複数設置され、
前記鏡は前記光検出器と同数設置され、
前記光検出器は前記鏡を介して前記蛍光体の一部の領域を撮影し、
前記制御装置は複数の前記光検出器と前記鏡で得られた撮影結果を重ね合わせて一つの画像に再構成することを特徴とする放射線計測装置。 - 放射線を加速する加速器と、
前記放射線を輸送する輸送装置と、
前記放射線を照射し照射野を形成する照射装置と
前記照射された放射線を計測する放射線計測装置と
前記加速器若しくは輸送装置若しくは照射装置の調整に用いるディスプレイとを備え、
前記放射線計測装置は、
放射線に反応して蛍光を発する蛍光体と、
蛍光を検出する光検出器と、
前記光検出器の方向に前記蛍光体で生じた蛍光を反射する鏡と、
前記蛍光板の鏡と面する面に反射防止膜を備え、
前記放射線計測装置の測定結果をディスプレイに表示することを特徴とする粒子線治療装置。
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