JP2018151004A - ガスケット - Google Patents
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Abstract
上記シリンダヘッド2および上記水冷アダプタ4に形成された排気通路Peの位置に合わせて排気穴12が形成された第1シール部S1と、上記水冷アダプタ4および給水ポート5に形成された冷却水通路Pcの位置に合わせて冷却水穴13が形成された第2シール部S2とを有し、上記第2シール部S2の表面および裏面にゴムコーティング16を形成するとともに、上記第1シール部S1と上記第2シール部S2との間に接続部Cを設けて、第1シール部S1と上記第2シール部S2とを一体に設けた。
【効果】 水冷アダプタ4とシリンダヘッド2との間と、上記水冷アダプタ4と給水ポート5の間とをシールすることができる。
【選択図】 図1
Description
近年、マフラーに設けた触媒の保護や燃費向上を目的として、シリンダヘッドから排出された排気ガスを冷却することが検討され、上記シリンダヘッドとエキゾーストマニホールドとの間に水冷アダプタを設けて、シリンダヘッドから排出された排気ガスを冷却することが提案されている。
上記水冷アダプタは、シリンダヘッドからの排気ガスをエキゾーストマニホールドへと流通させる排気通路と、当該排気通路の周囲に形成されて冷却水を流通させる冷却水通路とを備えており、また上記エンジンには上記水冷アダプタの冷却水通路に冷却水を供給する給水ポートが設けられている。
しかしながら、これらのガスケットを別体とした場合には、部品点数が増すとともに、エンジン組み立ての際にこれらを別々に組み付けなければならず、組み立て工数が増大するという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は、上記水冷アダプタをエンジンに装着する際に、上記水冷アダプタとシリンダヘッドとの間と、上記水冷アダプタと給水ポートの間とを同時にシールすることが可能なガスケットを提供するものである。
上記シリンダヘッドと水冷アダプタとにより挟持されて、上記シリンダヘッドおよび上記水冷アダプタに形成された排気通路の位置に合わせて排気穴が形成された第1シール部と、
上記水冷アダプタと当該水冷アダプタに冷却水を供給する給水ポートとにより挟持されて、上記水冷アダプタおよび給水ポートに形成された冷却水通路の位置に合わせて冷却水穴が形成された第2シール部とを有し、
上記第2シール部の表面および裏面にゴムコーティングを形成するとともに、上記第1シール部と上記第2シール部との間に接続部を設けて、第1シール部と上記第2シール部とを一体に設けたことを特徴としている。
また第1シール部と第2シール部とを連結した一つのガスケットにより排気通路および冷却水通路のシールを行うことで、上記第2シール部が冷却水によって冷却されると、排気ガスによって加熱された第1シール部を伝熱効果によって冷却することができる。
また本実施例のエンジン1には、上記水冷アダプタ4に冷却水を供給するための給水ポート5が上記シリンダヘッド2と一体的に設けられており、当該給水ポート5には図示しないウォーターポンプによって冷却水が供給されるようになっている。
上記シリンダヘッド2における同じ側の側壁には、エンジン1内で発生した排気ガスが流通する複数の排気通路Peが開口した第1シール面2aと、上記給水ポート5を構成するとともに上記冷却水が流通する冷却水通路Pcが開口した第2シール面5aとが形成されている。
これら第1シール面2aおよび第2シール面5aはシリンダヘッド2の側壁の他の部分よりも突出して形成され、相互に離隔した位置に設けられるものの、同一高さに設定されている。
上記シリンダヘッド2に水冷アダプタ5やエキゾーストマニホールド3を連結するため、上記第1シール面2aには1本の、第2シール面5aには2本のスタッド6が設けられており、第1シール面2aにおけるその他の連結位置にはボルト(図示せず)が挿入されるボルト孔(図示せず)が穿設されている。
上記水冷アダプタ4におけるシリンダヘッド2および給水ポート5側となる面には、上記排気通路Peが開口する平坦な第1フランジ面4aと、上記冷却水通路Pcが開口した平坦な第2フランジ面4bとが形成され、これら第1フランジ面4aと第2フランジ面4bとは相互に離隔した位置に設けられるものの、同一高さに設けられている。
そして、上記水冷アダプタ4に形成された第1、第2フランジ面4a、4bは、上記シリンダヘッド2に形成された第1、第2シール面2a、5aと重合するようになっており、また上記シリンダヘッド2に設けられたスタッド6やボルトが挿通されるボルト孔が設けられている。
上記構成を有する水冷アダプタ4をエンジン1に装着することで、エンジン1内で発生した排気ガスが上記シリンダヘッド2の排気通路Peより排出されると、上記水冷アダプタ4の排気通路Peを通過してから上記エキゾーストマニホールド3に流入するようになっている。
排気ガスが水冷アダプタ4の排気通路Peを通過する際、当該排気通路Peは上記給水ポート5から供給されて上記冷却水通路Pcを流通する冷却水によって冷却されていることから、当該排気ガスは上記排気通路Peを通過することで冷却されることとなる。
このように排気ガスを冷却することで、エキゾーストマニホールド3の下流側に設けられたマフラーの触媒が排気ガスの熱によって損傷してしまうのを抑えることが可能となっている。
上記ガスケット11は金属製の第1〜第4基板B1〜B4によって構成されており、このうち第1、第3基板B1、B3が上記排気通路Peをシールする第1シール部S1を構成し、第2、第4基板B2、B4が上記冷却水通路Pcをシールする第2シール部S2を構成し、上記第1シール部S1と第2シール部S2との間にはこれらを連結する接続部Cが形成されている。
具体的に、上記第1シール部S1は上記シリンダヘッド2の第1シール面2aと水冷アダプタ4の第1フランジ面4aとによる挟持部分によって構成され、これと同様上記第2シール部S2は上記シリンダヘッド2における給水ポート5を構成する第2シール面5aと水冷アダプタ4の第2フランジ面4bとによる挟持部分によって構成されている。
そして上記接続部Cは、上記第1、第2シール部S1、S2としてのシリンダヘッド2と水冷アダプタ4とによる挟持部分を避けた位置に設けられており、エンジン1が組み立てられると当該接続部Cが外部に露出するようになっている。
また上記第3基板B3は上記第1基板B1におけるシリンダヘッド2側の面に重複するとともにカシメによって連結されており、また当該第3基板B3の端部は上記第2基板B2とは重複しないようになっている。
さらに、上記第4基板B4は上記第2基板B2における水冷アダプタ4側の面に重複するとともにカシメによって連結されており、また当該第4基板B4の端部は上記第1基板B1とは重複しないようになっている。
上記第1〜第4基板B1〜B4はそれぞれSUS等の金属で製造されるとともに同じ板厚(例えばt=0.5mm)を有しており、これにより上記第1基板B1および第3基板B3の合計の板厚が、上記第2基板B2および第4基板B4の合計の板厚と同一となっている。
このため、上記排気通路Peをシールする第1シール部S1と、上記冷却水通路Pcをシールする第2シール部S2とが板厚同一となり、シリンダヘッド2の第1、第2シール面2a、5aを基準とした寸法管理が容易となる。
上記第2シール部S2を構成する上記第2、第4基板B2、B4には、上記給水ポート5および水冷アダプタ4に設けられた冷却水通路Pcと同じ位置に冷却水穴13が穿設されている。
そして図3に示すように、第1基板B1に形成された上記排気穴12の周囲には水冷アダプタ4に向けて突出するハーフビード14が形成され、第3基板B3の排気穴12の周囲にはシリンダヘッド2に向けて突出するハーフビード14が形成されている。
これと同様、第2基板B2に形成された冷却水穴13の周囲にはシリンダヘッド2に向けて突出するハーフビード14が形成され、第4基板B4の冷却水穴13の周囲には水冷アダプタ4に向けて突出するハーフビード14が形成されている。
また図2に示すように、ガスケット11には上記シリンダヘッド2や給水ポート5に設けられたスタッド6やボルトが挿通されるボルト孔15がそれぞれ対応する位置に設けられている。
上記ゴムコーティング16は第2、第4基板B2、B4の表面および裏面の全面に塗布されており、製造過程において部分的な塗り分けが不要であり、ゴムコーティング16の塗布工程を簡易にすることができる。
また第1基板B1と第2基板B2とは重複した状態でカシメにより連結されていることから、第1基板B1と第2基板B2とを連結する際に、第2基板B2からゴムコートを除去する必要がなく、製造工程を簡易にすることができる。
さらに本実施例では、第2基板B2を第1基板B1よりもシリンダヘッド2側に設けて、第2基板B2よりも狭い面積を有する第4基板B4を第2基板B2よりも水冷アダプタ4側に設けている。
つまり、より広い面積を有した第2基板B2が冷却水の流通方向上流側に位置することとなるため、第2基板B2は冷却水による高い冷却効果を得ることができ、当該第2基板B2に形成されたゴムコーティング16が排気ガスの熱によって劣化してしまうのを可及的に防止することができる。
そして、第2基板B2を第1基板B1よりもシリンダヘッド2側に設け、かつ第3基板B3を第1基板B1よりもシリンダヘッド2側に、第4基板B4を第2基板B2よりも水冷アダプタ4側に設けたことで、本実施例のガスケット11を水冷アダプタ4とシリンダヘッド2および給水ポート5とによって挟持した場合の変形を抑えることができる。
また、冷却水通路Pcを流通する冷却水によって第2シール部S2が冷却されると、伝熱効果により上記接続部Cを介して上記第1シール部S1を冷却することができ、さらには第1シール部S1の排気穴12を通過する排気ガスの冷却も行うことができる。
また第1シール部S1と第2シール部S2とを上記接続部Cによって接続したガスケット11とすることで、エンジン1の部品点数を低減することができるとともに、組み立ての際の組み立て工数を低減することが可能となる。
特に、本実施例のようにシリンダヘッド2における第1シール面2aに1本のスタッド6しか設けられない場合であっても、上記給水ポート5の第2シール面5aに設けた2本のスタッド6を用いることで、複数本のスタッド6によるガスケット11の位置決めを行うことが可能となる。
これに対し、第1シール部S1のみによって構成されたガスケット11をシリンダヘッド2に組み付けようとした場合、第1シール面2aの1本のスタッド6ではガスケット11の位置を定めることができず、作業者はガスケット11を抑えながらエンジン1の組み立てを行わなければならない。さらには、第2シール部S2のみによって構成されたガスケット11を給水ポート5に組み付けなければならないことから、作業が煩雑となって工数が増大することとなる。
この場合、2枚の同形状の基板を積層させて、第2シール部S2となる部分にゴムコーティング16を形成すれば、上記実施例同様、複数枚の基板を積層したガスケット11を得ることができる。
4 水冷アダプタ 5 給水ポート
11 ガスケット 12 排気穴
13 冷却水穴 16 ゴムコーティング
B1〜B4 第1〜第4基板 S1 第1シール部
S2 第2シール部 C 接続部
Pe 排気通路 Pc 冷却水通路
Claims (3)
- シリンダヘッドとエキゾーストマニホールドとの間に設けられる水冷アダプタと上記シリンダヘッドとの間をシールするガスケットであって、
上記シリンダヘッドと水冷アダプタとにより挟持されて、上記シリンダヘッドおよび上記水冷アダプタに形成された排気通路の位置に合わせて排気穴が形成された第1シール部と、
上記水冷アダプタと当該水冷アダプタに冷却水を供給する給水ポートとにより挟持されて、上記水冷アダプタおよび給水ポートに形成された冷却水通路の位置に合わせて冷却水穴が形成された第2シール部とを有し、
上記第2シール部の表面および裏面にゴムコーティングを形成するとともに、上記第1シール部と上記第2シール部との間に接続部を設けて、第1シール部と上記第2シール部とを一体に設けたことを特徴とするガスケット。 - 上記第1シール部が形成された第1基板と、上記第2シール部が形成されるとともに表面および裏面全体がゴムコーティングされた第2基板とを備え、
さらに、上記接続部を上記水冷アダプタとシリンダヘッドとによる挟持部分および上記水冷アダプタと上記給水ポートとによる挟持部分を避けた位置に設け、
上記第1基板の端部と第2基板の端部とが上記接続部で重複した状態で連結されることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。 - 上記接続部において、上記第2基板を第1基板よりもシリンダヘッド側に重複するように設け、
上記第1基板よりもシリンダヘッド側に第3基板を、上記第2基板よりも水冷アダプタ側に第4基板をそれぞれ設け、
さらに、上記第1基板および第3基板の合計の板厚を、上記第2基板および第4基板の合計の板厚と同一とすることを特徴とする請求項2に記載のガスケット。
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