JP2018150924A - ブッシュ、回転機械、及び空気調節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動を抑制可能なブッシュを提供する。【解決手段】ブッシュは、第1の部材61と第2の部材62と第3の部材63とを備える。前記第1の部材は、第1の中心軸を中心として延びる第1の孔75が設けられ、第1の内周面71aと、前記第1の内周面の反対側に位置するとともに前記第1の中心軸と異なる第2の中心軸を中心として延びる第1の外周面71bと、を有する。前記第2の部材は、前記第2の中心軸を中心として延びるとともに前記第1の部材が収容された第2の孔81が設けられ、前記第1の外周面に接触する第2の内周面と、前記第2の内周面62aの反対側に位置するとともに前記第2の中心軸と異なる第3の中心軸を中心として延びる第2の外周面62bと、を有する。前記第3の部材は、前記第3の中心軸を中心として延びるとともに前記第2の部材が収容された第3の孔85が設けられ、前記第2の外周面に接触する第3の内周面63aを有する。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、ブッシュ、回転機械、及び空気調節装置に関する。
ファンのような回転体を回転させる回転機械において、モータのような動力源の軸と、ファンのような回転体とを、ブッシュが接続する。例えば、ブッシュに設けられた孔に軸が挿通され、ブッシュの外周に回転体が接続される。
軸に対し、ブッシュ及び回転体の重心が偏心することがある。この場合、ブッシュ及び回転体が回転すると、回転体に振動が発生するおそれがある。
一つの実施形態に係るブッシュは、第1の部材と、第2の部材と、第3の部材とを備える。前記第1の部材は、第1の中心軸を中心として延びる第1の孔が設けられ、前記第1の孔に面する第1の内周面と、前記第1の内周面の反対側に位置するとともに前記第1の中心軸と異なる第2の中心軸を中心として延びる第1の外周面と、を有する。前記第2の部材は、前記第2の中心軸を中心として延びるとともに前記第1の部材が収容された第2の孔が設けられ、前記第2の孔に面するとともに前記第1の外周面に接触する第2の内周面と、前記第2の内周面の反対側に位置するとともに前記第2の中心軸と異なる第3の中心軸を中心として延びる第2の外周面と、を有する。前記第3の部材は、前記第3の中心軸を中心として延びるとともに前記第2の部材が収容された第3の孔が設けられ、前記第3の孔に面するとともに前記第2の外周面に接触する第3の内周面を有する。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態の空気調節装置(エアコンディショナー。以下、空調機と称する)10を示す斜視図である。空調機10は、空気調節装置及び回転機械の一例であり、例えば、空気調和機とも称され得る。なお、回転機械は空調機10に限らず、産業用モータを有する機構や、扇風機及び洗濯機のような家庭用電気器具や、動力源及び回転体を有する他の機械であっても良い。
各図面に示されるように、本明細書において、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、空調機10の幅に沿う。Y軸は、空調機10の長さ(奥行き)に沿う。Z軸は、空調機10の高さに沿う。
図1に示すように、空調機10は、室内ユニット11を有する。室内ユニット11は、例えば、室外機や、室内ユニット11及び室外機を制御する制御装置に接続される。なお、複数の室内ユニット11が一つの制御装置に接続された空気調節システムが構成されても良い。
室内ユニット11は、カバー21と、本体22とを有する。カバー21は、例えば、室内ユニット11が設置された室内の天井に設けられる。カバー21に、複数の吸気口25と複数の送気口26とが設けられる。送気口26は、例えば、ルーバーにより開閉可能である。
図2は、第1の実施形態の室内ユニット11の本体22を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態の室内ユニット11の本体22を示す断面図である。図2及び図3に示すように、本体22は、筐体31と、熱交換器32と、モータ33と、ターボファン34と、キャップ35と、ブッシュ36とを有する。モータ33は、動力源の一例である。ターボファン34は、回転体及びファンの一例であり、例えば、遠心ファンとも称され得る。なお、回転体はターボファン34に限らず、例えば、プロペラファンのような他のファン、又は歯車や滑車のような他の回転体であっても良い。ブッシュ36は、例えば、接続部品、軸受、又は部材とも称され得る。
図3に示すように、筐体31は、例えば、金属によって形成され、上壁41と、周壁42とを有する。上壁41は、X-Y平面上に広がる板状に形成される。上壁41に、例えば、当該上壁41の剛性を向上させるリブが形成されても良い。周壁42は、上壁41の縁からZ軸に沿う負方向(Z軸の矢印の反対方向、下方向)に延びる筒状に形成される。
筐体31の内部に、送風路45が設けられる。送風路45は、筐体31によって形成されても良いし、例えば、筐体31の内側に取り付けられる部材によって形成されても良い。上壁41は、送風路45に向く内面41aを有する。内面41aは、Z軸に沿う負方向に向く。
熱交換器32は、送風路45に配置される。熱交換器32は、例えば、上壁41の内面41aに取り付けられ、Z軸に沿う負方向に延びる筒状に形成される。熱交換器32は、例えば、冷媒が流される管やフィンを有する。熱交換器32は、当該熱交換器32を通過する空気と冷媒との間で熱交換を生じさせ、当該空気を暖め又は冷やす。なお、熱交換器32はこの例に限らない。
モータ33は、例えば、インバータ制御により回転数を変動可能なDCモータである。モータ33は、上壁41の内面41aに取り付けられる。例えば、モータ33は、内面41aから延びるボルトに、ナットによって取り付けられる。
モータ33は、軸33aを有する。軸33aは、例えば、駆動軸又は回転軸とも称され得る。軸33aは、Z軸に沿う負方向に延びる。モータ33は、駆動されることにより、軸33aを、当該軸33aの中心軸まわりに回転させる。
ターボファン34は、送風路45に配置され、熱交換器32に囲まれる。ターボファン34は、例えば、合成樹脂によって作られる。ターボファン34は、他の材料によって作られても良い。ターボファン34は、ハブ51と、支持部52と、連結部53と、複数の羽根54と、シュラウド55とを有する。
ハブ51は、Z軸に沿う方向に延びる筒状に形成される。ハブ51は、ブッシュ36を介してモータ33の軸33aに取り付けられる。支持部52は、X-Y平面上に広がる円環状に形成される。支持部52は、ハブ51よりも上壁41に近い位置に配置され、モータ33を囲む。
連結部53は、例えば、略円錐台形の筒状に形成され、ハブ51の端部と、支持部52の内周とを連結する。複数の羽根54は、円環状に配置され、支持部52からZ軸に沿う負方向に延びる。シュラウド55は、X-Y平面上に広がる円環状に形成され、複数の羽根54の端部に接続される。
モータ33は、軸33aを回転させることで、ターボファン34を回転させる。図3の矢印で示すように、回転するターボファン34は、図1の吸気口25から室内の空気を吸引し、当該空気を熱交換器32へ送る。熱交換器32により暖められ又は冷やされた空気は、図1の送気口26から室内に供給される。
キャップ35は、モータ33の軸33aに、ターボファン34及びブッシュ36を固定する。例えば、キャップ35は、軸33aの先端部に形成された雄ネジにねじ留めされ、ターボファン34及びブッシュ36を支持する。
図4は、第1の実施形態のモータ33の軸33aとブッシュ36とを分解して示す斜視図である。図4は、ブッシュ36の断面を示す。図4に示すように、ブッシュ36は、第1の部材61と、第2の部材62と、第3の部材63とを有する。
第1の部材61、第2の部材62、及び第3の部材63は、例えば、アルミニウム合金のような比較的軽い金属によって作られる。すなわち、第1乃至第3の部材61〜63は同一の材料によって作られ、第1の部材61の材料のヤング率と、第2の部材62の材料のヤング率と、第3の部材63の材料のヤング率とは実質的に等しい。
第1乃至第3の部材61〜63は、合成樹脂のような他の材料によって作られても良い。また、第1の部材61の材料と、第2の部材62の材料と、第3の部材63の材料とが異なっても良い。
第1の部材61は、筒部71と、フランジ部72とを有する。筒部71は、Z軸に沿う方向に延びる略円筒形に形成される。このため、筒部71に、Z軸に沿う方向に延びるとともに筒部71を貫通する第1の孔75が設けられる。第1の孔75は、例えば、開口とも称され得る。なお、第1の孔75は、筒部71を貫通する孔に限らず、有底の穴であっても良い。
図5は、第1の実施形態のブッシュ36を示す平面図である。図5に示すように、第1の孔75は、第1の中心軸C1を中心とする略円形の断面を有する。第1の中心軸C1は、Z軸に沿う第1の孔75の仮想的な中心軸である。すなわち、第1の孔75は、第1の中心軸C1を中心として延びる、略円形の孔である。言い換えると、第1の孔75は、第1の中心軸C1を中心に置いて延びる孔である。本実施形態において、第1の中心軸C1は、モータ33の軸33aの中心軸と実質的に一致する。
図4に示すように、筒部71は、第1の内周面71aと、第1の外周面71bと、二つの第1の端面71cとを有する。第1の内周面71aは、第1の孔75を規定し、第1の中心軸C1を中心として延びる略円筒形の面である。言い換えると、第1の内周面71aは、第1の中心軸C1を中心に置いて延びる略円筒形の面である。第1の内周面71aは、第1の孔75に面する。第1の孔75は、第1の内周面71aの内側に設けられる。
第1の外周面71bは、第1の内周面71aの反対側に位置する。図5に示すように、第1の外周面71bは、第2の中心軸C2を中心として延びる略円筒形の面である。言い換えると、第1の外周面71bは、第2の中心軸C2を中心に置いて延びる略円筒形の面である。
第2の中心軸C2は、Z軸に沿う第1の外周面71bの仮想的な中心軸である。第2の中心軸C2は、第1の中心軸C1と平行であり、第1の中心軸C1と異なる位置にある。言い換えると、第2の中心軸C2は、第1の中心軸C1と異なる。すなわち、第1の外周面71bと、第1の内周面71a及び第1の孔75とは、互いに偏心する。なお、第2の中心軸C2は、第1の中心軸C1に対して斜めに傾いても良い。
第1の外周面71bは、第2の中心軸C2を中心として延びる略円筒形に形成されることで、第2の中心軸C2まわりの回転対称に形成される。このように、第2の中心軸C2は、第1の外周面71bの対称軸でもある。
図4に示すように、二つの第1の端面71cは、Z軸に沿う正方向(Z軸の矢印が示す方向、上方向)及びZ軸に沿う負方向に向く。第1の孔75は、二つの第1の端面71cに連通する。
筒部71に、嵌合部76が設けられる。嵌合部76は、第1の内周面71aから、第1の孔75の内側に突出する。Z軸に沿う方向において、嵌合部76の長さは、第1の孔75の長さよりも短い。言い換えると、嵌合部76は、Z軸に沿う方向における第1の内周面71aの一部に設けられる。なお、嵌合部76はこの例に限られない。
本実施形態のように、窪みや嵌合部76のような突起が第1の内周面71aの一部に設けられることがある。この場合、第1の中心軸C1は、窪みや突起が設けられない円形の断面を有する部分における、第1の孔75の中心を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第1の内周面71aの全域に設けられることがある。この場合、第1の中心軸C1は、第1の孔75の断面における円弧状の部分の中心を通る。第1の孔75の断面が複数の円弧状の部分を含む場合、第1の中心軸C1は、第1の孔75の重心に最も近い中心を有する円弧状の部分の中心を通る。
上の記載では第1の孔75の断面が円形又は円弧状の部分を有する場合について説明したが、第1の孔75の断面が円弧状の部分を有さないことがある。この場合、第1の中心軸C1は、窪みや突起が設けられない回転対称な断面を有する部分における、第1の孔75の対称軸を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第1の内周面71aの全域に設けられることがある。この場合、第1の中心軸C1は、第1の孔75の断面が形成する最も大きい回転対称な形状の対称軸を通る。第1の孔75の形状が上述のいずれの場合にもあてはまらない場合、第1の中心軸C1は、第1の孔75の断面の重心を通る。
第1の孔75に、モータ33の軸33aが挿通される。軸33aは、切欠き33bが設けられたいわゆるDカット軸である。第1の孔75に軸33aが通されると、切欠き33bに嵌合部76が嵌まる。これにより、軸33aの回転が第1の部材61に伝わる。
フランジ部72は、筒部71の第1の外周面71bから突出する。フランジ部72は、X-Y平面上に広がる略円板状に形成される。なお、フランジ部72は、他の形状に形成されても良い。
フランジ部72は、Z軸に沿う正方向における第1の外周面71bの端から突出する。フランジ部72は、第1の面72aと、第2の面72bとを有する。第1の面72aは、Z軸に沿う正方向に向く略平坦な面である。第1の面72aは、筒部71の一方の第1の端面71cと連続する。第2の面72bは、第1の面72aの反対側に位置し、Z軸に沿う負方向に向く略平坦な面である。
第2の部材62は、Z軸に沿う方向に延びる略円筒形に形成される。このため、第2の部材62に、Z軸に沿う方向に延びるとともに第2の部材62を貫通する第2の孔81が設けられる。第2の孔81は、例えば、開口とも称され得る。なお、第2の孔81は、第2の部材62を貫通する孔に限らず、有底の穴であっても良い。
図5に示すように、第2の孔81は、第2の中心軸C2を中心とする略円形の断面を有する。すなわち、第2の中心軸C2はZ軸に沿う第2の孔81の仮想的な中心軸であり、第2の孔81は第2の中心軸C2を中心として延びる略円形の孔である。言い換えると、第2の孔81は、第2の中心軸C2を中心に置いて延びる孔である。
図4に示すように、第2の部材62は、第2の内周面62aと、第2の外周面62bと、二つの第2の端面62cとを有する。第2の内周面62aは、第2の孔81を規定し、第2の中心軸C2を中心として延びる略円筒形の面である。言い換えると、第2の内周面62aは、第2の中心軸C2を中心に置いて延びる略円筒形の面である。第2の内周面62aは、第2の孔81に面する。第2の孔81は、第2の内周面62aの内側に設けられる。
第2の内周面62aは、第2の中心軸C2を中心として延びる略円筒形に形成されることで、第2の中心軸C2まわりの回転対称に形成される。このように、第2の中心軸C2は、第2の内周面62aの対称軸でもある。
上記のように、第2の孔81及び第2の内周面62aの中心(第2の中心軸C2)と、第1の部材61の筒部71の第1の外周面71bの中心(第2の中心軸C2)とは実質的に一致する。このため、第1の部材61と第2の部材62とが互いに固定されず自由な場合、第2の部材62は、第1の部材61に対して第2の中心軸C2まわりに回転することができる。
第2の孔81に、第1の部材61の筒部71が収容される。第2の孔81の半径と、第1の部材61の筒部71の第1の外周面71bの半径とは実質的に等しい。このため、第2の内周面62aは、第1の外周面71bに接触し、第2の部材62が第1の部材61に対してZ軸と交差する方向に移動することを制限する。なお、第2の内周面62aの一部は、第1の外周面71bから僅かに離間しても良い。
第2の外周面62bは、第2の内周面62aの反対側に位置する。図5に示すように、第2の外周面62bは、第3の中心軸C3を中心として延びる円筒形の面である。言い換えると、第2の外周面62bは、第3の中心軸C3を中心に置いて延びる円筒形の面である。
第3の中心軸C3は、Z軸に沿う第2の外周面62bの仮想的な中心線である。第3の中心軸C3は、第1の中心軸C1と平行且つ第2の中心軸C2と平行であり、第2の中心軸C2と異なる位置にある。言い換えると、第3の中心軸C3は、第2の中心軸C2と異なる。すなわち、第2の外周面62bと、第2の内周面62a及び第2の孔81とは、互いに偏心する。第3の中心軸C3は、第1の中心軸C1に対して斜めに傾いても良いし、第2の中心軸C2に対して斜めに傾いても良い。
第1の中心軸C1と第2の中心軸C2との間の距離r12は、第2の中心軸C2と第3の中心軸C3との間の距離r23と実質的に等しい。このため、図5のように、第1の中心軸C1と第3の中心軸C3とは同一の位置に配置されることが可能である。
第2の外周面62bは、第3の中心軸C3を中心として延びる円筒形に形成されることで、第3の中心軸C3まわりの回転対称に形成される。このように、第3の中心軸C3は、第2の外周面62bの対称軸でもある。
図4に示すように、二つの第2の端面62cは、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向に向く。第2の孔81は、二つの第2の端面62cに連通する。第2の孔81に筒部71が収容されることで、Z軸に沿う正方向に向く第2の端面62cは、フランジ部72の第2の面72bに接触する。フランジ部72は、第2の部材62を支持し、第2の部材62が第1の部材61に対してZ軸に沿う正方向に移動することを制限する。
第3の部材63は、Z軸に沿う方向に延びる略円筒形に形成される。このため、第3の部材63に、Z軸に沿う方向に延びるとともに第3の部材63を貫通する第3の孔85が設けられる。第3の孔85は、例えば、開口とも称され得る。なお、第3の孔85は、第3の部材63を貫通する孔に限らず、有底の穴であっても良い。
図5に示すように、第3の孔85は、第3の中心軸C3を中心とする略円形の断面を有する。すなわち、第3の中心軸C3はZ軸に沿う第3の孔85の仮想的な中心軸であり、第3の孔85は第3の中心軸C3を中心として延びる略円形の孔である。言い換えると、第3の孔85は、第3の中心軸C3を中心に置いて延びる孔である。
図4に示すように、第3の部材63は、第3の内周面63aと、第3の外周面63bと、二つの第3の端面63cとを有する。第3の内周面63aは、第3の孔85を規定し、第3の中心軸C3を中心として延びる略円筒形の面である。言い換えると、第3の内周面63aは、第3の中心軸C3を中心に置いて延びる略円筒形の面である。第3の内周面63aは、第3の孔85に面する。第3の孔85は、第3の内周面63aの内側に設けられる。すなわち、第3の内周面63aと、第2の内周面62a及び第2の孔81とは、互いに偏心する。
第3の内周面63aは、第3の中心軸C3を中心として延びる略円筒形に形成されることで、第3の中心軸C3まわりの回転対称に形成される。このように、第3の中心軸C3は、第3の内周面63aの対称軸でもある。
上記のように、第3の孔85及び第3の内周面63aの中心(第3の中心軸C3)と、第2の部材62の第2の外周面62bの中心(第3の中心軸C3)とは実質的に一致する。このため、第2の部材62と第3の部材63とが互いに固定されず自由な場合、第3の部材63は、第2の部材62に対して第3の中心軸C3まわりに回転することができる。
第3の孔85に、第2の部材62が収容される。第3の孔85の半径と、第2の部材62の第2の外周面62bの半径とは実質的に等しい。このため、第3の内周面63aは、第2の外周面62bに接触し、第3の部材63が第2の部材62に対してZ軸と交差する方向に移動することを制限する。なお、第3の内周面63aの一部は、第2の外周面62bから僅かに離間しても良い。
第3の外周面63bは、第3の内周面63aの反対側に位置する。図5に示すように、第3の外周面63bは、第3の中心軸C3を中心として延びる円筒形の面である。すなわち、第3の外周面63bの中心(第3の中心軸C3)と第3の内周面63aの中心(第3の中心軸C3)とは実質的に一致する。言い換えると、第3の内周面63aと第3の外周面63bとは同心円状に配置される。
第3の外周面63bは、第3の中心軸C3を中心軸として延びる略円筒形の面である。第3の外周面63bは、第3の中心軸C3まわりの回転対称に形成される。このように、第3の中心軸C3は、第3の外周面63bの対称軸でもある。
図3に示すように、第3の部材63は、例えばインサート成形により、ターボファン34のハブ51と一体的に形成される。本実施形態において、第3の部材63の第3の外周面63bが、ターボファン34のハブ51に接続される。なお、第3の部材63とターボファン34とは、この例に限らず、例えば同一の材料により一つの部品として形成されても良い。
図4に示すように、二つの第3の端面63cは、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向に向く。第3の孔85は、二つの第3の端面63cに連通する。第2の孔81に筒部71が収容され、第3の孔85に第2の部材62が収容されることで、Z軸に沿う正方向に向く第3の端面63cは、フランジ部72の第2の面72bに接触する。フランジ部72は、第3の部材63を支持し、第3の部材63が第1の部材61に対してZ軸に沿う正方向に移動することを制限する。
第2の孔81に筒部71が収容され、第3の孔85に第2の部材62が収容された状態において、Z軸に沿う負方向に向く第1の端面71c、第2の端面62c、及び第3の端面63cは、略同一平面を形成する。軸33aに取り付けられたキャップ35は、Z軸に沿う負方向に向く第1の端面71c、第2の端面62c、及び第3の端面63cを支持し、第2及び第3の部材62,63が第1の部材61に対してZ軸に沿う負方向に移動することを制限する。
以上説明した第1乃至第3の部材61〜63は、第3の部材63と一体的に形成されたターボファン34の重心の位置に応じて組み立てられる。具体的に説明すると、第1乃至第3の部材61〜63は、互いに中心(第2の中心軸C2又は第3の中心軸C3)まわりに回転させられ、モータ33の軸33aの中心軸の位置と、ターボファン34の重心の位置とが一致するように配置される。言い換えると、第1の中心軸C1の位置と、ターボファン34の重心の位置とが一致させられる。
ターボファン34の重心の位置は、三角形状に配置された三つの圧力センサにターボファン34を載置させることで計測される。なお、ターボファン34の重心の位置はこの例に限らず、例えば、ターボファン34を回転させることで計測されても良い。
第1の中心軸C1の位置と、ターボファン34の重心の位置とが一致した状態で、第1乃至第3の部材61〜63は、例えば溶接又は接着により、互いに固定される。これにより、モータ33の軸33aが、第1乃至第3の部材61〜63を介して、ターボファン34に回転(トルク)を伝えることが可能となる。なお、第1乃至第3の部材61〜63は他の手段により互いに固定されても良い。
ターボファン34の重心は、Z軸に沿う第1の中心軸C1上のいずれの位置にあっても良い。すなわち、ターボファン34の重心の位置は、第1の中心軸C1が延びる方向(Z軸に沿う正方向又はZ軸に沿う負方向)に平面視した場合に、第1の中心軸C1の位置と一致させられる。
第1の中心軸C1の位置とターボファン34の重心の位置とが一致させられることで、回転するターボファン34に振動が生じることが抑制される。なお、第1の中心軸C1の位置とターボファン34の重心の位置とが異なっても、第1の中心軸C1の位置がターボファン34の重心の位置に近づけられることで、回転するターボファン34に生じる振動が低減される。
例えば、ターボファン34の重心の位置が、ターボファン34及び第3の部材63の中心である第3の中心軸C3の位置と同一である場合、第1乃至第3の部材61〜63は、図5に示されるように配置される。すなわち、第1の中心軸C1と第3の中心軸C3とが同一の位置に配置される。この場合、第2の中心軸C2の位置は、図5に示される位置と異なっても良い。
第1乃至第3の部材61〜63が図5のように配置されることで、モータ33の軸33aの中心軸の位置と、ターボファン34の重心(第3の中心軸C3)の位置とが実質的に一致する。これにより、回転するターボファン34に振動が生じることが抑制される。
一方、例えばインサート成形時の第3の部材63の位置ずれにより、ターボファン34の重心の位置が第3の中心軸C3の位置と異なる場合がある。この場合、第1乃至第3の部材61〜63は、図5の位置から互いに中心(第2の中心軸C2又は第3の中心軸C3)まわりに回転させられる。以下、図5に示すように第3の中心軸C3と異なる位置にある重心CGと、第1の中心軸C1と、の位置合わせについて説明する。なお、説明の便宜上、図5に示す位置を基準とするが、重心CGと第1の中心軸C1との位置合わせはこの例に限らない。
重心CGは、第3の中心軸C3を基準として、極座標(Rf,θf)で表される位置にある。すなわち、重心CGは、第3の中心軸C3から距離Rf離れるとともに、図5に示す位置から第3の中心軸C3まわりに角度θf回転した位置にある。
図6は、第1の実施形態の第1の部材61が回転させられるブッシュ36を示す平面図である。図6に示すように、第1の部材61が、第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに角度θ1回転させられる。これにより、第1の中心軸C1と第3の中心軸C3との間の距離が変化し、第1の中心軸C1が第3の中心軸C3から距離Rf離間した位置に配置される。すなわち、第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することで、第3の中心軸C3に対する第1の中心軸C1の偏心量が調整される。
図7は、第1の実施形態の第2の部材62が回転させられるブッシュ36を示す平面図である。次に、第2の部材62が、第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに角度θ2回転させられる。これにより、第3の中心軸C3を基準とする第1の中心軸C1の角度が変化し、第1の中心軸C1が極座標(Rf,θf)に配置され、重心CGと同一位置に配置される。すなわち、第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することで、第3の中心軸C3を基準とする第1の中心軸C1の角度が調整される。
上記のように第1及び第2の部材61,62が回転させられることで、モータ33の軸33aの中心軸の位置と、ターボファン34の重心CGの位置とが実質的に一致する。この場合、ターボファン34とモータ33の軸33aとは外見上互いに偏心するが、回転するターボファン34に振動が生じることは抑制される。
図8は、第1の実施形態のブッシュ36の他の例を示す平面図である。図8に示す場合において、重心CGと第3の中心軸C3との間の距離Rfは、ブッシュ36により第1の中心軸C1と重心CGとを同一位置に配置可能な最大値に設定される。第1の部材61が第2の部材62に対して180度回転させられることで、第1の中心軸C1は、図8に示す場合の重心CGと同一位置に配置される。
図8に示す場合において、距離Rfは以下の式(数3)により示される。
Rf=r12+r23=2×r12=2×r23 …(数3)
式(数3)より、距離Rfが距離r12と距離r23との合計と同じかそれより短いとき、ブッシュ36は、第1の中心軸C1と重心CGとを同一位置に配置可能である。
Rf=r12+r23=2×r12=2×r23 …(数3)
式(数3)より、距離Rfが距離r12と距離r23との合計と同じかそれより短いとき、ブッシュ36は、第1の中心軸C1と重心CGとを同一位置に配置可能である。
以上のように、第2の部材62は、ターボファン34の重心の位置に応じて第1の部材61に対して第2の中心軸C2まわりに回転させられ、第1の部材61に固定される。言い換えると、第2の部材62は、第1の部材61に対する第2の中心軸C2まわりの複数の角度で第1の部材61に取り付けられることが可能である。
さらに、第3の部材63は、ターボファン34の重心の位置に応じて第2の部材62に対して第3の中心軸C3まわりに回転させられ、第2の部材62に固定される。言い換えると、第3の部材63は、第2の部材62に対する第3の中心軸C3まわりの複数の角度で第2の部材62に取り付けられることが可能である。これにより、モータ33の軸33aの中心軸の位置と、ターボファン34の重心の位置とを一致させることが可能となる。
以上説明された第1の実施形態に係る空調機10において、第1の部材61の第1の内周面71aの第1の中心軸C1は、第1の外周面71bの第2の中心軸C2と異なる。さらに、第2の部材62の第2の内周面62aの第2の中心軸C2は、第2の外周面62bの第3の中心軸C3と異なる。そして、第1の部材61が第2の部材62の第2の孔81に収容され、第2の部材62が第3の部材63の第3の孔85に収容される。例えば、第2の部材62が第1の部材61に対する第2の中心軸C2まわりの所望の角度で第1の部材61に取り付けられ、第3の部材63が第2の部材62に対する第3の中心軸C3まわりの所望の角度で第2の部材62に取り付けられることで、第3の中心軸C3の位置が、第1の中心軸C1と一致し又は第1の中心軸C1と異なる所望の位置に配置されることができる。これにより、例えば、第1の中心軸C1の位置を、ブッシュ36が取り付けられるターボファン34のような回転体の重心CGの位置と一致させることが可能となり、ターボファン34が振動することが抑制される。従って、振動による騒音の発生が抑制される。また、錘(バランサ)の取り付けによる重心調整作業が不要になるとともに、振動抑制のための複雑な補強構造が不要となるため、ブッシュ36を有する空調機10のような回転機械の製造コストが低減する。
第2の部材62は、第1の部材61に対する第2の中心軸C2まわりの複数の角度で第1の部材61に取り付けられることが可能である。第3の部材63は、第2の部材62に対する第3の中心軸C3まわりの複数の角度で第2の部材62に取り付けられることが可能である。第2の部材62が第1の部材61に対する第2の中心軸C2まわりの所望の角度で第1の部材61に取り付けられ、第3の部材63が第2の部材62に対する第3の中心軸C3まわりの所望の角度で第2の部材62に取り付けられることで、例えば、第1の中心軸C1の位置を、ブッシュ36が取り付けられるターボファン34のような回転体の重心CGの位置と一致させることが可能となり、ターボファン34が振動することが抑制される。
第1乃至第3の中心軸C1〜C3は平行である。これにより、第1乃至第3の中心軸C1〜C3と直交するX-Y平面上において、第1の中心軸C1に対する第3の中心軸C3の位置を所望の位置に容易に配置することが可能となる。
第1の中心軸C1と第2の中心軸C2との間の距離r12は、第2の中心軸C2と第3の中心軸C3との間の距離r23と等しい。これにより、第1の中心軸C1の位置を、第3の中心軸C3と一致する位置に配置することが可能となる。
第1の外周面71b及び第2の内周面62aは、第2の中心軸C2まわりの回転対称に形成される。第2の外周面62b及び第3の内周面63aは、第3の中心軸C3まわりの回転対称に形成される。これにより、第2の部材62が第1の部材61に対する第2の中心軸C2まわりの複数の角度で第1の部材61に容易に取り付けられることができる。さらに、第3の部材63が第2の部材62に対する第3の中心軸C3まわりの複数の角度で第2の部材62に容易に取り付けられることができる。従って、例えば、第1の中心軸C1の位置を、ブッシュ36が取り付けられるターボファン34のような回転体の重心CGの位置と一致させることが可能となり、ターボファン34が振動することが抑制される。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
以下に、第2の実施形態について、図9及び図10を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図9は、第2の実施形態に係るモータ33の軸33aとブッシュ36とを分解して示す斜視図である。図9に示すように、第2の実施形態のブッシュ36は、第1のピン91と、第2のピン92とをさらに有する。第1のピン91は、第1のストッパの一例である。第2のピン92は、第2のストッパの一例である。第1及び第2のストッパは、第1及び第2のピン91,92に限らず、ボールのような他の部材であっても良い。
第1のピン91及び第2のピン92は、例えば、アルミニウム合金のような金属によって作られる。なお、第1及び第2のピン91,92は、他の材料によって作られても良い。第1のピン91及び第2のピン92はそれぞれ、Z軸に沿う方向に延びる円柱状に形成される。第2のピン92の半径は、第1のピン91の半径よりも長い。なお、第1及び第2のピン91,92の半径はこれに限らない。
図10は、第2の実施形態のブッシュ36を示す平面図である。図10に示すように、第1の外周面71bに、第1の溝95が設けられる。第1の溝95は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第2の中心軸C2に向かって凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第1の溝95は、第2の中心軸C2に平行に延びる。Z軸に沿う負方向における第1の溝95の端部は、Z軸に沿う負方向における第1の端面71cに連通する。
第2の内周面62aに、複数の第2の溝96が設けられる。複数の第2の溝96はそれぞれ、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第2の中心軸C2から放射状に遠ざかる方向に凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第2の溝96は、第2の中心軸C2に平行に延びる。Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の溝96の端部は、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の端面62cに連通する。
第2の溝96のような窪みや突起が第2の内周面62aの一部に設けられることがある。この場合、第2の中心軸C2は、窪みや突起が設けられない円形の断面を有する部分における、第2の孔81の中心を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第2の内周面62aの全域に設けられることがある。この場合、第2の中心軸C2は、第2の孔81の断面における円弧状の部分の中心を通る。さらに、本実施形態のように、第2の孔81の断面が複数の円弧状の部分(第2の内周面62a及び複数の第2の溝96)を含む場合、第2の中心軸C2は、第2の孔81の重心に最も近い中心を有する円弧状の部分(第2の内周面62a)の中心を通る。
上の記載では第2の孔81の断面が円形又は円弧状の部分を有する場合について説明したが、第2の孔81の断面が円弧状の部分を有さないことがある。この場合、第2の中心軸C2は、窪みや突起が設けられない回転対称な断面を有する部分における、第2の孔81の対称軸を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第2の内周面62aの全域に設けられることがある。この場合、第2の中心軸C2は、第2の孔81の断面が形成する最も大きい回転対称な形状の対称軸を通る。第2の孔81の形状が上述のいずれの場合にもあてはまらない場合、第2の中心軸C2は、第2の孔81の断面の重心を通る。
複数の第2の溝96は、第2の中心軸C2まわりに等間隔に配置される。第2の溝96のそれぞれの半径は、第1の溝95の半径と実質的に等しい。さらに、第1の溝95の半径及び第2の溝96のそれぞれの半径は、第1のピン91の半径と実質的に等しい。
第2の外周面62bに、複数の第3の溝97が設けられる。複数の第3の溝97はそれぞれ、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第3の中心軸C3に向かって凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第3の溝97は、第3の中心軸C3に平行に延びる。Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第3の溝97の端部は、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の端面62cに連通する。複数の第3の溝97は、第3の中心軸C3まわりに等間隔に配置される。
第3の内周面63aに、第4の溝98が設けられる。第4の溝98は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第3の中心軸C3から遠ざかる方向に凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第4の溝98は、第3の中心軸C3に平行に延びる。Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第4の溝98の端部は、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第3の端面63cに連通する。
第4の溝98のような窪みや突起が第3の内周面63aの一部に設けられることがある。この場合、第3の中心軸C3は、窪みや突起が設けられない円形の断面を有する部分における、第3の孔85の中心を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第3の内周面63aの全域に設けられることがある。この場合、第3の中心軸C3は、第3の孔85の断面における円弧状の部分の中心を通る。第3の孔85の断面が複数の円弧状の部分(第3の内周面63a及び第4の溝98)を含む場合、第3の中心軸C3は、第3の孔85の重心に最も近い中心を有する円弧状の部分(第3の内周面63a)の中心を通る。
上の記載では第3の孔85の断面が円形又は円弧状の部分を有する場合について説明したが、第3の孔85の断面が円弧状の部分を有さないことがある。この場合、第3の中心軸C3は、窪みや突起が設けられない回転対称な断面を有する部分における、第3の孔85の対称軸を通る。また、窪みや突起が、Z軸に沿う方向における第3の内周面63aの全域に設けられることがある。この場合、第3の中心軸C3は、第3の孔85の断面が形成する最も大きい回転対称な形状の対称軸を通る。第3の孔85の形状が上述のいずれの場合にもあてはまらない場合、第3の中心軸C3は、第3の孔85の断面の重心を通る。
第4の溝98の半径は、第3の溝97のそれぞれの半径と実質的に等しい。さらに、第3の溝97の半径及び第4の溝98のそれぞれの半径は、第2のピン92の半径と実質的に等しい。
第1の溝95と、複数の第2の溝96のうち一つとが向かい合うことで、Z軸に沿う負方向に向く第1及び第2の端面71c,62cに連通する略円形の孔が形成される。第1のピン91が、当該孔を形成する第1及び第2の溝95,96に嵌められる。第1のピン91は、向かい合う第1の溝95及び第2の溝96に嵌められることで、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。
複数の第3の溝97のうち一つと、第4の溝98とが向かい合うことで、Z軸に沿う負方向に向く第2及び第3の端面62c,63cに連通する略円形の孔が形成される。第2のピン92が、当該孔を形成する第3及び第4の溝97,98に嵌められる。第2のピン92は、向かい合う第3の溝97及び第4の溝98に嵌められることで、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。
以上説明された第2の実施形態の空調機10において、第1のピン91は、向かい合う第1の外周面71bの第1の溝95と第2の内周面62aの第2の溝96とに嵌められることで、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。第2のピン92は、向かい合う第2の外周面62bの第3の溝97と第3の内周面63aの第4の溝98とに嵌められることで、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。これにより、溶接や接着無しに、容易に第1乃至第3の部材61〜63の相対的回転を制限することができる。さらに、第1乃至第4の溝95〜98は、例えば、押出成形により容易に形成することができる。
第2の実施形態において、第2の部材62に複数の第2の溝96及び複数の第3の溝97が設けられる。しかし、第1の部材61に複数の第1の溝95が設けられ、第3の部材63に複数の第4の溝98が設けられても良い。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図11乃至図13を参照して説明する。図11は、第3の実施形態に係るブッシュ36を示す平面図である。図11に示すように、第3の実施形態において、第1の外周面71bに、第1の凸部101が設けられる。第1の凸部101は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第2の中心軸C2から遠ざかる方向に凸な略半円形の断面を有する突起である。言い換えると、第1の凸部101は、第2の中心軸C2に平行に延びる。
以下に、第3の実施形態について、図11乃至図13を参照して説明する。図11は、第3の実施形態に係るブッシュ36を示す平面図である。図11に示すように、第3の実施形態において、第1の外周面71bに、第1の凸部101が設けられる。第1の凸部101は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第2の中心軸C2から遠ざかる方向に凸な略半円形の断面を有する突起である。言い換えると、第1の凸部101は、第2の中心軸C2に平行に延びる。
第2の内周面62aに、複数の第1の凹部102が設けられる。第1の凹部102は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第2の中心軸C2から放射状に遠ざかる方向に凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第1の凹部102は、第2の中心軸C2に平行に延びる。Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第1の凹部102の端部は、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の端面62cに連通する。
複数の第1の凹部102は、第2の中心軸C2まわりに等間隔に配置される。第1の凹部102のそれぞれの半径は、第1の凸部101の半径と実質的に等しい。第1の凸部101は、第1の凹部102に入ることが可能である。
第2の外周面62bに、複数の第2の凹部103が設けられる。第2の凹部103は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第3の中心軸C3に向かって凸な略半円形の断面を有する凹部である。言い換えると、第2の凹部103は、第3の中心軸C3に平行に延びる。Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の凹部103の端部は、Z軸に沿う正方向及びZ軸に沿う負方向における第2の端面62cに連通する。複数の第2の凹部103は、第3の中心軸C3まわりに等間隔に配置される。
第3の内周面63aに、第2の凸部104が設けられる。第2の凸部104は、Z軸に沿う方向に延びるとともに、第3の中心軸C3に向かって凸な略半円形の断面を有する突起である。言い換えると、第2の凸部104は、第3の中心軸C3に平行に延びる。第2の凸部104の半径は、第2の凹部103のそれぞれの半径と実質的に等しい。第2の凸部104は、第2の凹部103に入ることが可能である。
第1の部材61の筒部71は、第1の凸部101が複数の第1の凹部102のうち一つに嵌るよう、第2の部材62の第2の孔81に収容される。第1の凸部101と複数の第1の凹部102のうち一つとは、嵌り合うことで、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。すなわち、第1の凹部102が設けられた第2の部材62は、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。
第2の部材62は、第2の凸部104が複数の第2の凹部103のうち一つに嵌るよう、第3の部材63の第3の孔85に収容される。第2の凸部104と複数の第2の凹部103のうち一つとは、嵌り合うことで、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。すなわち、第2の凸部104が設けられた第3の部材63は、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。
図12は、第3の実施形態の第1の変形例に係るブッシュ36を示す平面図である。図12に示すように、第1の外周面71bに複数の第1の凹部102が設けられ、第2の内周面62aに第1の凸部101が設けられても良い。さらに、第2の外周面62bに第2の凸部104が設けられ、第3の内周面63aに複数の第2の凹部103が設けられても良い。
図13は、第3の実施形態の第2の変形例に係るブッシュ36を示す平面図である。図13に示すように、第2の変形例における第1の外周面71bは、第2の中心軸C2を中心軸として延びる略正二十四角形の筒状に形成される。
第2の孔81は、第2の中心軸C2を中心(対称軸)とする略正二十四角形の断面を有する。このため、第2の内周面62aは、第2の中心軸C2を中心軸として延びる略正二十四角形の筒状に形成される。さらに、第2の外周面62bは、第3の中心軸C3を中心軸として延びる略正二十四角形の筒状に形成される。
第3の孔85は、第3の中心軸C3を中心(対称軸)とする略正二十四角形の断面を有する。このため、第3の内周面63aは、第3の中心軸C3を中心軸として延びる略正二十四角形の筒状に形成される。このように、第1の外周面71b、第2の内周面62a、第2の外周面62b、及び第3の内周面63aは、円筒形に限らず、他の回転対称を呈する筒状に形成されても良い。
上記のように形成された第2の内周面62aと第1の外周面71bとが接触することで、第2の部材62は、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。さらに、上記のように形成された第3の内周面63aと第2の外周面62bとが接触することで、第3の部材63は、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。
以上説明された第3の実施形態と第3の実施形態の第1及び第2の変形例との空調機10において、第2の部材62は、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。第3の部材63は、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。これにより、例えば、第1の孔75に挿通される軸33aが、第3の部材63に取り付けられるターボファン34のような回転体に確実にトルクを作用させることができる。
第3の実施形態と第3の実施形態の第1の変形例との空調機10において、第1の外周面71b及び第2の内周面62aに設けられた第1の凸部101及び複数の第1の凹部102のうち一つは、嵌り合うことで、第2の孔81に収容された第1の部材61が第2の部材62に対して第2の中心軸C2まわりに回転することを制限する。第2の外周面62b及び第3の内周面63aに設けられた第2の凸部104及び複数の第2の凹部103のうち一つは、嵌り合うことで、第3の孔85に収容された第2の部材62が第3の部材63に対して第3の中心軸C3まわりに回転することを制限する。これにより、溶接や接着無しに、容易に第1乃至第3の部材61〜63の相対的回転を制限することができる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、第1の部材の第1の内周面の第1の中心軸は、第1の外周面の第2の中心軸と異なる。さらに、第2の部材の第2の内周面の第2の中心軸は、第2の外周面の第3の中心軸と異なる。これにより、例えば、第1の中心軸の位置をブッシュが取り付けられる回転体の重心と一致させることができ、回転体が振動することが抑制される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…空気調節装置、33…モータ、33a…軸、34…ターボファン、36…ブッシュ、61…第1の部材、62…第2の部材、62a…第2の内周面、62b…第2の外周面、63…第3の部材、63a…第3の内周面、63b…第3の外周面、71…筒部、71a…第1の内周面、71b…第1の外周面、75…第1の孔、81…第2の孔、85…第3の孔、91…第1のピン、92…第2のピン、95…第1の溝、96…第2の溝、97…第3の溝、98…第4の溝、101…第1の凸部、102…第1の凹部、103…第2の凹部、104…第2の凸部、C1…第1の中心軸、C2…第2の中心軸、C3…第3の中心軸、r12…距離、r23…距離。
Claims (10)
- 第1の中心軸を中心として延びる第1の孔が設けられ、前記第1の孔に面する第1の内周面と、前記第1の内周面の反対側に位置するとともに前記第1の中心軸と異なる第2の中心軸を中心として延びる第1の外周面と、を有する第1の部材と、
前記第2の中心軸を中心として延びるとともに前記第1の部材が収容された第2の孔が設けられ、前記第2の孔に面するとともに前記第1の外周面に接触する第2の内周面と、前記第2の内周面の反対側に位置するとともに前記第2の中心軸と異なる第3の中心軸を中心として延びる第2の外周面と、を有する第2の部材と、
前記第3の中心軸を中心として延びるとともに前記第2の部材が収容された第3の孔が設けられ、前記第3の孔に面するとともに前記第2の外周面に接触する第3の内周面を有する、第3の部材と、
を具備するブッシュ。 - 前記第2の部材は、前記第1の部材に対する前記第2の中心軸まわりの複数の角度で前記第1の部材に取り付けられることが可能であり、
前記第3の部材は、前記第2の部材に対する前記第3の中心軸まわりの複数の角度で前記第2の部材に取り付けられることが可能である、
請求項1のブッシュ。 - 前記第1の中心軸と、前記第2の中心軸と、前記第3の中心軸とが平行である、請求項1又は請求項2のブッシュ。
- 前記第1の中心軸と前記第2の中心軸との間の距離は、前記第2の中心軸と前記第3の中心軸との間の距離と等しい、請求項3のブッシュ。
- 前記第1の外周面は、前記第2の中心軸まわりの回転対称に形成され、
前記第2の内周面は、前記第2の中心軸まわりの回転対称に形成され、
前記第2の外周面は、前記第3の中心軸まわりの回転対称に形成され、
前記第3の内周面は、前記第3の中心軸まわりの回転対称に形成される、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つのブッシュ。 - 前記第2の部材は、前記第2の孔に収容された前記第1の部材が前記第2の部材に対して前記第2の中心軸まわりに回転することを制限し、
前記第3の部材は、前記第3の孔に収容された前記第2の部材が前記第3の部材に対して前記第3の中心軸まわりに回転することを制限する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一つのブッシュ。 - 前記第1の外周面に、第1の凸部及び複数の第1の凹部のうち一方が設けられ、
前記第2の内周面に、前記第1の凸部及び前記複数の第1の凹部のうち他方が設けられ、
前記第2の外周面に、第2の凸部及び複数の第2の凹部のうち一方が設けられ、
前記第3の内周面に、前記第2の凸部及び前記複数の第2の凹部のうち他方が設けられ、
前記第1の凸部と前記複数の第1の凹部のうち一つとは、嵌り合うことで、前記第2の孔に収容された前記第1の部材が前記第2の部材に対して前記第2の中心軸まわりに回転することを制限し、
前記第2の凸部と前記複数の第2の凹部のうち一つとは、嵌り合うことで、前記第3の孔に収容された前記第2の部材が前記第3の部材に対して前記第3の中心軸まわりに回転することを制限する、
請求項6のブッシュ。 - 第1のストッパと、
第2のストッパと、
をさらに具備し、
前記第1の外周面に、第1の溝が設けられ、
前記第2の内周面に、第2の溝が設けられ、
前記第2の外周面に、第3の溝が設けられ、
前記第3の内周面に、第4の溝が設けられ、
前記第1のストッパは、向かい合う前記第1の溝及び前記第2の溝に嵌められることで、前記第2の孔に収容された前記第1の部材が前記第2の部材に対して前記第2の中心軸まわりに回転することを制限し、
前記第2のストッパは、向かい合う前記第3の溝及び前記第4の溝に嵌められることで、前記第3の孔に収容された前記第2の部材が前記第3の部材に対して前記第3の中心軸まわりに回転することを制限する、
請求項1乃至請求項5のいずれか一つのブッシュ。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一つのブッシュと、
前記第1の孔に挿通される軸を有し、当該軸を回転させることが可能な動力源と、
を具備する回転機械。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一つのブッシュと、
前記第1の孔に挿通される軸を有し、当該軸を回転させることが可能な動力源と、
前記第3の部材に接続されるファンと、
を具備する空気調節装置。
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