JP2018150892A - 軸受ユニット - Google Patents

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和香奈 井上
Wakana Inoue
和香奈 井上
智也 中村
Tomoya Nakamura
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Abstract

【課題】複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高める。【解決手段】軸受ユニット4は、複数の軸受11,12を備える。軸受ユニット4は、極低温の周囲流体が複数の軸受11,12の内部を通過することにより当該軸受11,12を冷却する。複数の軸受11,12は、周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受11と、この第一軸受11よりも下流側に配される第二軸受12とを含む。第二軸受12は、周囲流体に含まれる気体が当該第二軸受12の内部を迂回して通過するバイパス流路19を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばロケットエンジンのターボポンプに使用される軸受ユニットに関する。
ロケットエンジンでは、極低温の推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に供給するためにターボポンプが使用される。特許文献1に開示されるように、ターボポンプは、液体を圧送するインペラと、翼列が設けられたタービンディスクとを連結するシャフトを備える。シャフトは、複数の軸受(例えばアンギュラ玉軸受)により支持される。
ロケットエンジンのターボポンプでは、ポンプ入口から吸い込んだ推進剤をインペラによってスクロール流路から燃焼室へと圧送する。この際、ターボポンプは、推進剤の一部を分流して軸受の冷却に使用する。分流された推進剤は、複数の軸受における前列(インペラ寄り)の第一軸受の内部を通過し、その後、後列(タービンディスク寄り)の第二軸受の内部を通過する。
特開2016−41909号公報
上記のように、従来のターボポンプにおける軸受の冷却では、推進剤が第一軸受を通過した後に第二軸受を通過する。この場合、推進剤は、第一軸受を通過することで温度が上昇し、その一部が気化することになる。したがって、この推進剤が第二軸受の内部を通過する場合に、第一軸受の場合と比較して冷却効果が低下するという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高めることを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、複数の軸受を備えるとともに、極低温の周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、前記第二軸受は、前記周囲流体に含まれる気体が前記第二軸受の内部を迂回するように通過するバイパス流路を備えることを特徴とする。
例えばロケットエンジンのターボポンプの運転時において、周囲流体(例えば液体水素、液体酸素)は、第一軸受の内部を通過して冷却すると、温度上昇によりその一部が気化する。これにより、第一軸受の内部を通過した周囲流体は、気液混合流体となって第二軸受に送られることになる。この場合、ターボポンプにおけるシャフトの回転により、第一軸受の内部を通過した周囲流体に遠心力が作用し、気体と液体の密度差を利用した気液分離が行われる。すなわち、遠心力の作用により、密度の大きな液体がシャフトの半径方向外方側に、密度の小さな気体が半径方向内方側へと移動する。本発明では、このように分離された周囲流体における気体がバイパス流路を通過し、周囲流体における液体が第二軸受の内部を通過する。このように、周囲流体における気体が第二軸受の内部を通過しないことから、第二軸受の焼付きを防止するとともに効率の良い冷却を実現できる。
上記構成の軸受ユニットでは、前記第一軸受及び前記第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、前記バイパス流路は、前記第二軸受に係る前記内輪に軸方向に沿って貫通形成される孔を有することが望ましい。内輪に形成される孔をバイパス流路とすることで、シャフト寄りに分離される周囲流体の気体を、第二軸受の内部を迂回させて優先的に通過させることができる。
或いは、本発明に係る軸受ユニットでは、前記第一軸受及び前記第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、前記バイパス流路が、前記第二軸受に係る前記内輪の内周面に軸方向に沿って形成される溝部を有する構成であってもよい。
上記構成の軸受ユニットでは、前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに、前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、前記バイパス流路は、前記内輪間座に形成されるガイド孔を備え、前記ガイド孔は、前記周囲流体に含まれる前記気体を前記孔又は前記溝部に案内するように構成されることが望ましい。このように、第二軸受よりも上流側に位置する内輪間座のガイド孔をバイパス流路の一部とすることで、当該バイパス流路の長さや推進剤の流入口の位置を推進剤の流動態様に応じて適宜設定することが可能になる。
また、上記構成の軸受ユニットは、前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに、前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、前記内輪間座は、外周面に羽根部を有することが望ましい。かかる構成によれば、シャフトとともに内輪間座の羽根部を回転させることで、周囲流体をより効果的に気液分離できる。
本発明に係る軸受ユニットは各種の宇宙航空機器に組み込まれるが、特にロケットエンジンのターボポンプに対して好適に使用され得る。
本発明によれば、複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高めることができる。
第一実施形態の軸受ユニットを含むターボポンプの断面図である。 軸受ユニットの断面図である。 第二軸受に係る内輪の断面斜視図である。 内輪間座の斜視図である。 第二実施形態の軸受ユニットを示す断面図である。 第二軸受に係る内輪の断面斜視図である。 内輪間座の斜視図である。 第三実施形態の軸受ユニットを示す断面図である。 第四実施形態の軸受ユニットを示す断面図である。 第五実施形態の軸受ユニットを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図4は、本発明に係る軸受ユニット及びターボポンプの第一実施形態を示す。
本実施形態に係るターボポンプは、極低温の推進剤をロケットエンジンにおける燃焼室に圧送する。推進剤としては、燃料としての液体水素(沸点:−253℃)と、酸化剤としての液体酸素(沸点:−183℃)とが使用される。ロケットエンジンは、液体水素用と液体酸素用のターボポンプを個別に備える。なお、「極低温」とは、凡そ1K〜100Kの温度領域をいう。
図1に示すように、ターボポンプ1は、シャフト2と、シャフト2を収容するケーシング3と、シャフト2を支持する軸受ユニット4と、を備える。
シャフト2は、極低温に対する疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル(登録商標)により構成される。シャフト2は、一端部にインデューサ5及びインペラ6を備え、他端部にタービンディスク7を備える。なお、以下の説明では、各構成要素の位置関係を説明するために、インデューサ5及びインペラ6側を「上流側」といい、タービンディスク7側を「下流側」という。
インデューサ5は、軸流型の羽根車であって、タービンディスク7、インペラ6とともにシャフト2の同軸上で連結される。インデューサ5は、シャフト2とともに回転し、推進剤をインペラ6へと送る。なお、インデューサ5の上流側には、推進剤を貯留するタンク(液体水素用タンク、液体酸素用タンク)が設けられており、推進剤は、タンクからインデューサ5に供給される。
インペラ6は、ケーシング3内での回転により、インデューサ5を介して吸い込んだ推進剤を遠心力で加圧する遠心ポンプである。インペラ6は、インデューサ5から送られる推進剤を加圧してロケットエンジンの燃焼室へと送り、また一部の推進剤を軸受ユニット4へと送る。
タービンディスク7は、ケーシング3内に導入されるガス(水素ガス)によって駆動される。このタービンディスク7によってシャフト2を回転駆動することで、インペラ6は推進剤を燃焼室へと圧送できる。
ケーシング3は、インデューサ5及びインペラ6を収容する第一の空間3aと、軸受ユニット4を収容する第二の空間3bと、タービンディスク7を収容する第三の空間3cとを備える。
第一の空間3aは、推進剤の吸込部8aと、吐出部8bと、推進剤を分流して第二の空間3bへと送る供給路9とを備える。推進剤は吸込部8aから第一の空間3a内に導入され、インペラ6によって吐出部8bから燃焼室へと送られる。供給路9は、ケーシング3の一部と、インペラ6の下流側シュラウド6aとの間に形成される。第一の空間3aは、この供給路9を介して第二の空間3bと連通する。
第二の空間3bは、第一の空間3aの下流側に設けられる。第二の空間3bは、ケーシング3の一部と、シャフト2の外周面との間に形成される。第三の空間3cは、第二の空間3bの下流側に設けられる。第三の空間3cは、タービンディスク7を収容するとともに、当該タービンディスク7を駆動するガス(水素ガス)を導入及び排出するように、例えばマニホールドケーシングにて構成される。
第二の空間3bと第三の空間3cとは、メカニカルシール、クリアランスシール等からなるシール部10により区分される。この構成により、第二の空間3bを流動する推進剤が第三の空間3cに漏出することが防止される。
軸受ユニット4は、第二の空間3bに設けられる。軸受ユニット4は、前列(上流側)の第一軸受11と、この第一軸受11から軸方向に離間して下流側に配置される後列の第二軸受12と、第一軸受11及び第二軸受12の位置決めを行う内輪間座13及び外輪間座14とを備える。
図1及び図2に示すように、各軸受11,12は、例えばアンギュラ玉軸受により構成される。各軸受11,12は、シャフト2に固定される内輪15と、ケーシング3に固定される外輪16と、内輪15と外輪16との間に配される複数の転動体17と、各転動体17を周方向に一定の間隔で保持する保持器18とを備える。各軸受11,12では、内輪15及び外輪16と、転動体17とが所定の接触角を有して接触しており、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷することができる。
内輪15及び外輪16は金属、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)にて環状に形成される。内輪15は、その外周面に転動体17が転動する軌道面15aを有する。外輪16は、その内周面に転動体17が転動する軌道面16aを有する。なお、以下では、各内輪15及び外輪16の幅方向端部を、推進剤の流動方向に対応させて、上流側端部15A,16A、下流側端部15B,16Bとして説明する。
図1乃至図3に示すように、第二軸受12の内輪15には、推進剤の一部を通過させるバイパス流路19が設けられる。本実施形態におけるバイパス流路19は、この内輪15を軸方向に貫通する孔15bにより構成される。図3に示すように、内輪15には、一対の孔15bが形成されているが、孔15bの数はこれに限定されない。
転動体17は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)等の金属や、セラミックス材料により球体(ボール)として構成される。複数の転動体17は、内輪15の軌道面15aと外輪16の軌道面16aとの間で、周方向に等間隔で配される。
保持器18は、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間に配される。保持器18は、樹脂複合材や金属により環状に形成される。保持器18は、転動体17を保持する複数のポケット18aを有する。複数のポケット18aは、保持器18の円周方向において等間隔に設けられる。転動体17は、各ポケット18aに一つずつ収容される。
本実施形態に係る軸受ユニット4のように、極低温環境下で使用される第一軸受11及び第二軸受12には、通常の流動性潤滑剤(油やグリースなど)を使用することができない。本実施形態では、各軸受11,12の焼付き防止及び起動トルクの低減を図るため、内輪15の軌道面15a、外輪16の軌道面16a、転動体17の表面及び保持器18におけるポケット18aの内面を含む表面全体のうち、いずれか一つ以上、もしくは全てにフッ素樹脂(例えばPTFE)等の固体潤滑皮膜によるコーティングが施される。
図4に示すように、内輪間座13は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。内輪間座13は、第一軸受11の内輪15と第二軸受12の内輪15との間に配される。この内輪間座13の内周にはシャフト2に挿入される。内輪間座13は、シャフト2に固定されており、シャフト2とともに回転する。内輪間座13の上流側端部13Aは、第一軸受11における内輪15の下流側端部15Bに接触する。内輪間座13の下流側端部13Bは、第二軸受12における内輪15の上流側端部15Aに接触する。なお、内輪間座13は、下流側端部13Bが第二軸受12に係る内輪15のバイパス流路19を閉塞しないように、その外周面がバイパス流路19よりも半径方向内方側に位置するように構成される。
図4に示すように、内輪間座13は、その外周面に複数(本例ではば四枚)の羽根部20を有する。羽根部20は、内輪間座13の軸方向中途部において外周面から半径方向外方に突出する。羽根部20は平板状に構成されるが、この形状に限定されない。各羽根部20は、所定の位相(例えば90°)で内輪間座13に設けられる。羽根部20は、シャフト2の回転に伴う内輪間座13の回転により、当該内輪間座13を通過する推進剤を撹拌する。
外輪間座14は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。外輪間座14は、第一軸受11の外輪16と第二軸受12の外輪16との間に配される。外輪間座14の外周面は、第二の空間3bにおけるケーシング3の内面に固定される。外輪間座14の上流側端部14Aは、第一軸受11における外輪16の下流側端部16Bに接触する。外輪間座14の下流側端部14Bは、第二軸受12における外輪16の上流側端部16Aに接触する。
なお、第一軸受11に係る内輪15の上流側端部15A、及び第二軸受12に係る内輪15の下流側端部15Bは、シャフト2に設けられる位置決め部、或いはシャフト2に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。同様に、第一軸受11に係る外輪16の上流側端部16A、及び第二軸受12に係る外輪16の下流側端部16Bは、ケーシング3に設けられる位置決め部、或いはケーシング3に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。
図2に示すように、軸受ユニット4は、周囲流体である推進剤を流動させる流路21,22を有する。流路21,22は、推進剤が第一軸受11の内部と第二軸受12の内部とを通過する第一流路21と、第二軸受12の内部を通過した推進剤が第一の空間3aに還流する第二流路22とを備える。ここで、「軸受の内部」とは、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間の軸受内部空間をいう。
第一流路21は、供給路9に連通しており、第一軸受11の内部と、内輪間座13の外周面と外輪間座14の内周面との間に形成される空間と、第二軸受12の内部とを含む。この構成により、第一流路21を流動する推進剤は、上流側の第一軸受11の内部を通過した後に、下流側の第二軸受12の内部を通過する。
第二流路22は、シャフト2の内部において、軸方向に沿って形成されるガイド孔22aと、第二軸受12の内部を通過した推進剤をガイド孔22aに案内する導入孔22bと、ガイド孔22aを通過した推進剤を第一の空間3aへと戻す排出孔22cとを有する。第二軸受12の内部を通過した推進剤は、導入孔22b、ガイド孔22a、排出孔22cの順に流動して、第一の空間3aにおけるインペラ6へと返送され、当該インペラ6によって再度圧送される。
以下、上記構成の軸受ユニット4を冷却する方法について説明する。
ロケットエンジンの運転時において、ターボポンプ1は、第三の空間3cに導入されるガス(水素ガス)によりタービンディスク7を回転駆動する。推進剤は、軸受ユニット4の冷却の他、ロケットエンジンの燃焼室やノズルを冷却するために使用される。液体としての推進剤(例えば液体水素)は、燃焼室等を冷却することで、その温度上昇により気化する。これによるガス(水素ガス)は、第三の空間3cに導入され、その膨張エネルギーによりタービンディスク7を回転させた後、第三の空間3cから順次排出される。これにより、シャフト2の回転に伴ってインデューサ5及びインペラ6が回転し、タンクから供給される推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に圧送する。
ターボポンプ1は、供給路9を通じて推進剤の一部を第二の空間3bへと供給する。この場合において、推進剤は、第一流路21に沿って流動し、軸受ユニット4を冷却する。すなわち、供給路9を通過した推進剤は、まず第一軸受11の内部を通過する。このとき、推進剤は第一軸受11の冷却によって温度が上昇し、その一部が気化する。これにより、冷却前と比較して、推進剤は、気体(水素ガス又は酸素ガス)を多く含む気液混合流体となる。
その後、推進剤は、内輪間座13と外輪間座14との間の空間を通過する。この場合において、シャフト2の回転に伴って内輪間座13が回転している。内輪間座13の回転により、羽根部20が推進剤を撹拌する。この撹拌により、気液混合状態である推進剤に遠心力が付与される。その結果、推進剤は、半径方向外方側(ケーシング3側)の液体(液体水素又は液体酸素)と、半径方向内方側(シャフト2側)の気体(水素ガス又は酸素ガス)とに分離する。
このように、本実施形態では、第一軸受11を通過した気液混合流体(液体水素と水素ガスの混合流体又は液体酸素と酸素ガスの混合流体)に対し、気体と液体の密度差を利用して羽根部20が付与する遠心力により気液分離を行う。
ここで、水素ガスの密度は、0.08988kg/m(273.15K、101.325kPa)であり、液体水素の密度は、70.8kg/m(20K、101.325kPa)である。また、酸素ガスの密度は、1.42904kg/m(273.15K、101.325kPa)であり、液体酸素の密度は、1140kg/m(90K、101.325kPa)である。このような密度差により、気液混合状態の推進剤は、第二軸受12を冷却する前に、密度の大きな液体と密度の小さな気体とに分離することとなる。
分離された推進剤は、その後、第二軸受12を通過する。具体的には、分離した推進剤のうち、液体(液体水素又は液体酸素)が第二軸受12の内部を通過し、気体(水素ガス又は酸素ガス)がバイパス流路19を通過する。
第二軸受12の内部を通過した推進剤(液体)と、バイパス流路19を通過した推進剤(気体)は、当該第二軸受12の下流側で合流する。その後、推進剤は、第二流路22を通じて第一の空間3aに返送され、インペラ6によって再び圧送される。なお、第一の空間3aに戻った推進剤に含まれる気体は、インペラ6の加圧によって液化する。
以上説明した本実施形態に係る軸受ユニット4によれば、ロケットエンジンのターボポンプ1の運転時において、第一軸受11の内部を通過した推進剤に遠心力が作用し、気体と液体の密度差に応じた気液分離が行われる。そして、分離された推進剤における気体がバイパス流路19を通過し、推進剤における液体が第二軸受12の内部を通過する。これにより、推進剤における気体が第二軸受12の内部を通過し難くなり、気体を含まない液状の推進剤(より低温の推進剤)が第二軸受12の内部を優先的に通過することで、当該第二軸受12の焼付きを防止するとともに効率の良い冷却を実現できる。
図5乃至図7は、軸受ユニットの第二実施形態を示す。本実施形態に係る軸受ユニット4では、バイパス流路19の構成が第一実施形態と異なる。本実施形態におけるバイパス流路19は、第二軸受12の内輪15の内周面に形成される溝部15cと、内輪間座13に形成されるとともに推進剤の一部(気体)を溝部15cに案内するガイド孔23とを有する。
図5及び図6に示すように、溝部15cは、内輪15の上流側端部15Aから下流側端部15Bに亘って直線的に形成される。溝部15cは、シャフト2の外周面と対向することで、バイパス通路19の一部を構成する。本実施形態において、第二軸受12の内輪15には一対の溝部15cが形成されるが、その数はこれに限定されない。一対の溝部15cは、所定の位相(例えば180°)で内輪15に形成される。
図5及び図7に示すように、内輪間座13のガイド孔23は、当該内輪間座13の下流側端部13B側の位置に形成される。ガイド孔23は、軸方向に対して傾斜しており、内輪間座13を厚さ方向に貫通する。内輪間座13は、ガイド孔23が溝部15cと一致するようにシャフト2に固定される。本実施形態において、気液分離された推進剤における気体(水素ガス又は酸素ガス)は、ガイド孔23及び溝部15cを通過することで、第二軸受12の内部を迂回する。
図8は、軸受ユニットの第三実施形態を示す。本実施形態に係る軸受ユニット4では、バイパス流路19は、第二軸受12の内輪15に軸方向に沿って貫通形成された孔15bの他、内輪間座13に形成されるガイド孔23を備える。内輪間座13は、ガイド孔23が、内輪15の孔15bと一致するようにシャフト2に固定される。気液分離された推進剤における気体は、バイパス流路19のガイド孔23と内輪の孔15bとを通過することにより第二軸受12の内部を迂回する。
図9は、軸受ユニットの第四実施形態を示す。本実施形態に係る軸受ユニット4では、バイパス流路19は、内輪間座13に形成されるガイド孔23と、シャフト2の外周面に形成される溝部24とを有する。溝部24は、シャフト2の軸方向に沿って直線状に形成される。溝部24の長さは、第二軸受12における内輪15の幅(軸方向寸法)よりも長く設定される。
溝部24の上流側端部24Aは、第二軸受12に係る内輪15の上流側端部15Aよりも上流端側に位置する。溝部24の下流側端部24Bは、この内輪15の下流側端部15Bよりも下流側に位置する。内輪間座13は、ガイド孔23が溝部24と一致するようにシャフト2に固定される。気液分離された推進剤における気体は、ガイド孔23と溝部24とを通過することにより第二軸受12の内部を迂回する。
図10は、軸受ユニットの第五実施形態を示す。本実施形態に係る軸受ユニット4では、内輪間座13の構成が第一実施形態と異なる。第一実施形態では、内輪間座13の外周面に羽根部20が形成されていたが、本実施形態では、内輪間座13に羽根部20が形成されていない。ロケットエンジンに使用されるターボポンプ1では、例えば液体酸素圧縮用のもので、回転数が最大で約18000rpmとなり、液体水素圧縮用のものでは、回転数が最大で約52000rpmに達する。本実施形態では、シャフト2とともに内輪間座13が回転することで、その遠心力により、第二軸受12を冷却する前の推進剤を気液分離できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、ロケットエンジン用ターボポンプ1に使用される軸受ユニット4を例示したが、これに限定されず、他の用途に適用することも可能である。例えば、人工衛星などの宇宙用機器のように、極低温の環境下で使用される機器に軸受ユニットを組み込むことができる。
上記の実施形態では、軸受ユニット4の各軸受11,12として単列のアンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、組合せアンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受を用いてもよい。また、本発明はアンギュラ玉軸受に限らず、他の玉軸受や円筒ころ軸受その他の転がり軸受に適用することも可能である。
1 ターボポンプ
4 軸受ユニット
11 第一軸受
12 第二軸受
13 内輪間座
15 内輪
15b 内輪の孔
15c 内輪の溝部
16 外輪
17 転動体
18 保持器
19 バイパス流路
20 羽根部
23 溝部
24 ガイド孔

Claims (6)

  1. 複数の軸受を備えるとともに、極低温の周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、
    前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、
    前記第二軸受は、前記周囲流体に含まれる気体が前記第二軸受の内部を迂回するように通過するバイパス流路を備えることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 前記第一軸受及び前記第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、
    前記バイパス流路は、前記第二軸受に係る前記内輪に軸方向に沿って貫通形成される孔を有する請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. 前記第一軸受及び前記第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、
    前記バイパス流路は、前記第二軸受に係る前記内輪の内周面に軸方向に沿って形成される溝部を有する請求項1に記載の軸受ユニット。
  4. 前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに、前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、
    前記バイパス流路は、前記内輪間座に形成されるガイド孔を備え、
    前記ガイド孔は、前記周囲流体に含まれる前記気体を前記孔又は前記溝部に案内する請求項2又は3に記載の軸受ユニット。
  5. 前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに、前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、
    前記内輪間座は、外周面に羽根部を有する請求項2から4のいずれか一項に記載の軸受ユニット。
  6. ロケットエンジンのターボポンプに使用される請求項1から5のいずれか一項に記載の軸受ユニット。
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