JP2018151024A - 軸受及び軸受ユニット - Google Patents

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智也 中村
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Abstract

【課題】軸受を冷却する際の温度上昇によって気化した周囲流体を液化する。
【解決手段】軸受12は、内輪15と、外輪16と、内輪15と外輪16との間に介在する複数の転動体17と、転動体17を保持する保持器18とを備え、極低温の周囲流体を内部に通過させて冷却を行う。軸受12は、周囲流体の流動方向における上流側に位置し、周囲流体を内部に導入する流入口20と、流入口20の下流側に位置し、内部に流入した周囲流体を下流側に排出する流出口21とを備える。保持器18は、流入口20と転動体17との間に配される本体部18aと、転動体17を保持するとともに下流側に開放されるポケット18bと、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばロケットエンジンのターボポンプに使用される軸受及び軸受ユニットに関する。
ロケットエンジンでは、極低温の推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に供給するためにターボポンプが使用される。特許文献1に開示されるように、ターボポンプは、液体を圧送するインペラと、翼列が設けられたタービンディスクとを連結するシャフトを備える。シャフトは、複数の軸受(例えばアンギュラ玉軸受)により支持される。
ロケットエンジンのターボポンプでは、ポンプ入口から吸い込んだ推進剤をインペラによってスクロール流路から燃焼室へと圧送する。この際、ターボポンプは、推進剤の一部を分流して軸受の冷却に使用する。分流された推進剤は、複数の軸受における前列(インペラ寄り)の第一軸受の内部を通過し、その後、後列(タービンディスク寄り)の第二軸受の内部を通過する。
特開2016−41909号公報
上記のように、従来のターボポンプにおける軸受の冷却では、推進剤が第一軸受を通過した後に第二軸受を通過する。この場合、推進剤は、第一軸受を通過することで温度が上昇し、その一部が気化することになる。したがって、この推進剤が第二軸受の内部を通過する場合に、第一軸受の場合と比較して冷却効果が低下するという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、軸受を冷却する際の温度上昇によって気化した周囲流体を液化することを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、極低温の周囲流体を通過させて内部を冷却する軸受において、前記周囲流体の流動方向における上流側に位置し、前記周囲流体を前記内輪と前記外輪との間の内部に導入する流入口と、前記流入口の下流側に位置し、前記内部に流入した前記周囲流体を下流側に排出する流出口とを備え、前記保持器は、前記流入口と前記転動体との間に配置される本体部と、前記転動体を保持するとともに下流側に開放されるポケットと、を備えることを特徴とする。
流入口から導入された極低温の周囲流体は、軸受の内部を冷却する際に温度が上昇し、その一部が気化することとなる。上記のように、保持器の本体部が軸受の内部における上流側(流入口と転動体との間)に配置され、かつ保持器のポケットが下流側に開放状に構成されることから、軸受の内部における下流側の領域には保持器が存在していない。このため、軸受の内部では、下流側の領域の流路面積が上流側の領域よりも大きくなる。したがって、流入口から内部に流入した周囲流体の流速は、軸受の内部における下流側で低下する(質量保存の法則)。この流速の低下により、軸受の内部における周囲流体の圧力が増加する(ベルヌーイの定理)。このように、軸受の内部における下流側の領域において、周囲流体の圧力を増加させることで、気液混合状態となった周囲流体に含まれる気体を液化させることができる。このように軸受の内部において周囲流体に含まれる気体を液化させることで、焼付きを防止するとともにその冷却を効率良く行うことができる。
上記構成の軸受ユニットは、前記保持器の位置を規制する環状体を前記保持器の上流側に備えることが望ましい。この環状体により、保持器は軸受の内部から外れずに適正な位置で転動体を保持できる。
前記流出口は、前記周囲流体を排出する開口を有しており、前記外輪又は前記内輪は、前記開口の面積を拡大するテーパ面を下流側端部に備えることが望ましい。これにより、軸受の内部において、転動体の下流側の流路を拡大させ、流出口の開口面積を最大化できる。これにより、軸受の冷却によって気化した周囲流体を効果的に液化させることが可能になる。
本発明に係る軸受は各種の宇宙航空機器に組み込まれるが、特にロケットエンジンのターボポンプに対して好適に使用され得る。
また、本発明は、複数の軸受を備えるとともに、極低温の周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、前記第二軸受は、上記いずれかの構成の軸受であることを特徴とする。
上記構成の軸受ユニットでは、極低温の周囲流体によって第一軸受を冷却した後に、当該周囲流体によって第二軸受を冷却する。周囲流体は、第一軸受の冷却の際に、その温度上昇によって一部が気化し、気液混合流体となるが、第二軸受は、上述のように、その内部において気化した周囲流体を液化させることが可能である。これにより、軸受ユニットは、第二軸受の焼付きを防止するとともにその冷却を効率良く行うことができる。
本発明によれば、軸受を冷却する際の温度上昇によって気化した周囲流体を液化できる。
第一実施形態の軸受ユニットを含むターボポンプの断面図である。 軸受ユニットの断面図である。 第二軸受の断面図である。 第二軸受に係る保持器の斜視図である。 第二軸受に係る保持器の断面図である。 第二実施形態の軸受ユニットを示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図5は、本発明に係る軸受ユニット及びターボポンプの第一実施形態を示す。
本実施形態に係るターボポンプは、極低温の推進剤をロケットエンジンにおける燃焼室に圧送する。推進剤としては、燃料としての液体水素(沸点:−253℃)と、酸化剤としての液体酸素(沸点:−183℃)とが使用される。ロケットエンジンは、液体水素用と液体酸素用のターボポンプを個別に備える。なお、「極低温」とは、凡そ1K〜100Kの温度領域をいう。
図1に示すように、ターボポンプ1は、シャフト2と、シャフト2を収容するケーシング3と、シャフト2を支持する軸受ユニット4と、を備える。
シャフト2は、極低温に対する疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル(登録商標)により構成される。シャフト2は、一端部にインデューサ5及びインペラ6を備え、他端部にタービンディスク7を備える。なお、以下の説明では、各構成要素の位置関係を説明するために、インデューサ5及びインペラ6側を「上流側」といい、タービンディスク7側を「下流側」という。
インデューサ5は、軸流型の羽根車であって、タービンディスク7、インペラ6とともにシャフト2の同軸上で連結される。インデューサ5は、シャフト2とともに回転し、推進剤をインペラ6へと送る。なお、インデューサ5の上流側には、推進剤を貯留するタンク(液体水素用タンク、液体酸素用タンク)が設けられており、推進剤は、タンクからインデューサ5に供給される。
インペラ6は、ケーシング3内での回転により、インデューサ5を介して吸い込んだ推進剤を遠心力で加圧する遠心ポンプである。インペラ6は、インデューサ5から送られる推進剤を加圧し、ロケットエンジンの燃焼室へと送り、一部の推進剤を軸受ユニット4へと送る。
タービンディスク7は、ケーシング3内に導入されるガス(水素ガス)によって駆動される。このタービンディスク7によってシャフト2を回転駆動することで、インデューサ5及びインペラ6が推進剤を圧送する。
ケーシング3は、インデューサ5及びインペラ6を収容する第一の空間3aと、軸受ユニット4を収容する第二の空間3bと、タービンディスク7を収容する第三の空間3cとを備える。
第一の空間3aは、推進剤の吸込部8aと、吐出部8bと、推進剤を分流して第二の空間3bへと送る供給路9とを備える。推進剤は吸込部8aから第一の空間3a内に導入され、インペラ6によって吐出部8bから燃焼室へと送られる。供給路9は、ケーシング3の一部と、インペラ6の下流側シュラウド6aとの間に形成される。第一の空間3aは、この供給路9を介して第二の空間3bと連通する。
第二の空間3bは、第一の空間3aの下流側に設けられる。第二の空間3bは、ケーシング3の一部と、シャフト2の外周面との間に形成される。第三の空間3cは、第二の空間3bの下流側に設けられる。第三の空間3cは、タービンディスク7を収容するとともに、当該タービンディスク7を駆動するガス(水素ガス)を導入及び排出するように、例えばマニホールドケーシングにて構成される。
第二の空間3bと第三の空間3cとは、メカニカルシール、クリアランスシール等からなるシール部10により区分される。この構成により、第二の空間3bを流動する推進剤が第三の空間3cに漏出することが防止される。
軸受ユニット4は、第二の空間3bに設けられる。軸受ユニット4は、前列(上流側)の第一軸受11と、この第一軸受11から軸方向に離間して下流側に配置される後列の第二軸受12と、第一軸受11及び第二軸受12の位置決めを行う内輪間座13及び外輪間座14とを備える。
図2及び図3に示すように、各軸受11,12は、例えばアンギュラ玉軸受により構成される。各軸受11,12は、シャフト2に固定される内輪15と、ケーシング3に固定される外輪16と、内輪15と外輪16との間に配される複数の転動体17と、各転動体17を周方向に一定の間隔で保持する保持器18と、を備える。また、第二軸受12は、保持器18の位置規制を行う規制部材19をさらに備える。各軸受11,12では、内輪15及び外輪16と、転動体17とが所定の接触角を有して接触しており、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷することができる。なお、以下の説明では、各内輪15及び外輪16の幅方向端部を、推進剤の流動方向に対応させて、上流側端部15A,16A、下流側端部15B,16Bとして説明する。
各軸受11,12における内輪15及び外輪16は金属、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)にて環状に形成される。
各軸受11,12における内輪15は、肩部15aと、軌道面15bと、当該軌道面15bを挟んで肩部15aの反対側に設けられるカウンタボア15c(肩落とし部)とを有する。図2に示すように、第一軸受11に係る内輪15では、カウンタボア15cが上流側に配され、肩部15aが下流側に配される。第一軸受11に係る内輪15のカウンタボア15cは、上流に向かうにつれて縮径するテーパ面を有する。第二軸受12に係る内輪15では、肩部15aが上流側に配され、カウンタボア15cが下流側に配される。第二軸受12に係るカウンタボア15cは、下流に向かうにつれて縮径するテーパ面を有する。
各軸受11,12における外輪16は、一対の肩部16aと、肩部16aの間に形成される軌道面16bとを有する。第二軸受12の外輪16は、肩部16a及び軌道面16bの他、最も下流側の位置にテーパ面16cを有する。テーパ面16cは、下流に向かうにつれて拡径するように形成される。テーパ面16cは、外輪16の下流側端部16Bの内周面側に形成される面取り面である。本実施形態では、C面取りによるテーパ面16cを示すが、これに限らず、R面取りによってテーパ面16cを構成してもよい。
外輪16のテーパ面16cが軸方向に対して為す角度θは、30°以上60°以下とされることが好ましい。テーパ面16cの軸方向寸法DT(図3参照)は、外輪16における肩部16aの幅方向寸法DS(図3参照)の80%以下に設定されることが望ましい。
規制部材19は、例えば金属による環状体(リング体)として構成される。規制部材19は、第二の空間3bにおいてケーシング3の内面に固定される。規制部材19は、第二軸受12に隣接するように配置される。すなわち、規制部材19の側面19bは、第二軸受12に係る外輪16の上流側端部16Aに接触する。
規制部材19は、その中央部に開口部19aを有する。この開口部19aには、シャフト2が挿通される。開口部19aの直径(規制部材19の内径)は、第二軸受12に係る 内輪15の外径(肩部15aの直径)よりも大きく、外輪16の内径(肩部16aの直径)よりも小さい。これにより、規制部材19は、その一部が、第二軸受12に係る内輪15と外輪16との間の空間の一部を閉塞する。
この構成により、規制部材19における下流側の側面19bは、保持器18の上流側に配置され、当該保持器18の位置を規制する規制面として機能する。なお、保持器18は、この規制部材19の規制面19bと、第二軸受12における外輪16の肩部16a(上流側)とによって、その位置が規制される。
図5に示すように、規制部材19により、保持器18における軸方向の移動可能距離DRが規定される。この距離DRは、転動体17の直径DBの5%未満に設定されることが望ましい。
各軸受11,12は、推進剤を内部に導入する流入口20と、流入口20の下流側に位置し、内部に流入した推進剤を下流側に排出する流出口21とを備える。各軸受11,12の流入口20は、内輪15の上流側端部15Aと、外輪16の上流側端部16Aとの間に構成される開口部である。流出口21は、内輪15の下流側端部15Bと外輪16の下流側端部16Bとの間に構成される開口部である。ここで、「軸受の内部」とは、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間の軸受内部空間をいう。
第二軸受12の流入口20は、その上流側に配置される規制部材19により、第一軸受11の流入口20と比較して、その開口面積が小さくなる。第二軸受12における流入口20の開口面積は、規制部材19の内周面(開口部19a)と、内輪15の外周面(肩部15a)とによって画定される。規制部材19における内周面の半径(開口部19aの半径)をRaとし、第二軸受12に係る内輪15の上流側端部15Aでの外周面の半径(肩部15aの半径)をRbとするとき、流入口20の開口面積A1は、π(Ra−Rb)で表される。
また、第二軸受12に係る外輪16の下流側端部16Bでの内周面の半径(テーパ面16cの下流側端部の半径)をRcとし、第二軸受12に係る内輪15の下流側端部15Bでの外周面の半径(カウンタボア15cの下流側端部の半径)をRdとするとき、第二軸受12における流出口21の開口面積A2は、π(Rc−Rd)で表される。第二軸受12は、下流側に位置する流出口21の開口面積A2が、上流側に位置する流入口20の開口面積A1よりも大きくなるように構成される。
転動体17は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)等の金属や、セラミックス材料により球体(ボール)として構成される。複数の転動体17は、内輪15の軌道面15bと外輪16の軌道面16bとの間で、周方向に等間隔で配される。
各軸受11,12における各保持器18は、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間に配される。保持器18は、樹脂複合材や金属により所定幅及び所定厚みを有する環状体として構成される。保持器18は、環状の本体部18aと、転動体17を保持する複数のポケット18bを有する。ポケット18bは、保持器18の円周方向において等間隔に設けられる。転動体17は、各ポケット18bに一つずつ収容される。
図4及び図5に示すように、第二軸受12の保持器18は、ポケット18bが幅方向の一方側に開放状とされる冠形状を呈する。各ポケット18bは、本体部18aから突出する一対の爪部18cを有する。爪部18cは、ポケット18bに保持される転動体17の中心Oよりも下流側に突出する。なお、第一軸受11の保持器18では、環状の本体部18aに対して、その周方向に間隔をおいて貫通形成される孔をポケット18bとしている。
図3に示すように、第二軸受12における保持器18の本体部18aは、当該第二軸受12の流入口20と転動体17との間に配置される。具体的には、この本体部18aは、規制部材19の規制面19bと転動体17との間に配置される。また、この保持器18のポケット18bは、転動体17の上流側の部分を保持する。
本実施形態に係る軸受ユニット4のように、極低温環境下で使用される第一軸受11及び第二軸受12には、通常の流動性潤滑剤(油やグリースなど)を使用することができない。本実施形態では、軸受の焼付き防止及び起動トルクの低減を図るため、内輪15の軌道面15b、外輪16の軌道面16b、転動体17の表面及び保持器18のポケット18bの内面を含む表面全体のうち、いずれか一つ以上、もしくは全てにフッ素樹脂(例えばPTFE)等の固体潤滑皮膜によるコーティングが施される。
内輪間座13は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。内輪間座13は、第一軸受11の内輪15と第二軸受12の内輪15との間に配される。この内輪間座13の内周にはシャフト2が挿入される。内輪間座13は、シャフト2に固定されており、シャフト2とともに回転する。内輪間座13の上流側端部13Aは、第一軸受11における内輪15の下流側端部15Bに接触する。内輪間座13の下流側端部13Bは、第二軸受12における内輪15の上流側端部15Aに接触する。
外輪間座14は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。外輪間座14は、第一軸受11の外輪16と第二軸受12の外輪16との間に配される。外輪間座14の外周面は、第二の空間3bにおけるケーシング3の内面に固定される。外輪間座14の上流側端部14Aは、第一軸受11における外輪16の下流側端部16Bに接触する。外輪間座14の下流側端部14Bは、第二軸受12における外輪16の上流側端部16Aに接触する。
なお、第一軸受11に係る内輪15の上流側端部15A、及び第二軸受12に係る内輪15の下流側端部15Bは、シャフト2に設けられる位置決め部、或いはシャフト2に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。同様に、第一軸受11に係る外輪16の上流側端部16A、第二軸受12に係る外輪の下流側端部16Bは、ケーシング3に設けられる位置決め部、或いはケーシング3に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。
図2に示すように、軸受ユニット4は、周囲流体である推進剤を流動させる流路22,23を有する。流路22,23は、推進剤が第一軸受11の内部と第二軸受12の内部とを通過する第一流路22と、第二軸受12を通過した推進剤が第一の空間3aに還流する第二流路23とを備える。
第一流路22は、第一軸受11の内部と、内輪間座13の外周面と外輪間座14の内周面との間に形成される空間と、第二軸受12の内部とを含む。この構成により、第一流路22を流動する推進剤は、上流側の第一軸受11の内部を通過した後に、下流側の第二軸受12の内部を通過する。
第二流路23は、シャフト2の内部において、軸方向に沿って形成されるガイド孔23aと、第二軸受12の内部を通過した推進剤をガイド孔23aに案内する導入孔23bと、ガイド孔23aを通過して上流側に案内された推進剤を第二の空間3bへと戻す排出孔23cとを有する(図1参照)。第二軸受12の内部を通過した推進剤は、導入孔23b、ガイド孔23a、排出孔23cの順に流動して、第三の空間3aにおけるインペラ6の上流側へと返送され、当該インペラ6によって再度圧送される。
以下、上記構成の軸受ユニット4を冷却する方法について説明する。
ロケットエンジンの運転時において、ターボポンプ1は、第三の空間3cに導入されるガス(水素ガス)によりタービンディスク7を回転駆動する。推進剤は、軸受ユニット4の冷却の他、ロケットエンジンの燃焼室やノズルを冷却するために使用される。液体としての推進剤(例えば液体水素)は、燃焼室等を冷却することで、その温度上昇により気化する。これによるガス(水素ガス)は、第三の空間3cに導入され、その膨張エネルギーによりタービンディスク7を回転させた後、第三の空間3cから順次排出される。これにより、シャフト2の回転に伴ってインデューサ5及びインペラ6が回転し、タンクから供給される推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に圧送する。
ターボポンプ1は、供給路9を通じて推進剤の一部を第二の空間3bへと供給する。この場合において、推進剤は、第一流路22に沿って流動し、軸受ユニット4を冷却する。すなわち、供給路9を通過した推進剤は、まず第一軸受11の内部を通過する。このとき、推進剤は第一軸受11の冷却によって温度が上昇し、その一部が気化する。これにより、冷却前と比較して、推進剤は、気体(水素ガス又は酸素ガス)を多く含む気液混合流体となる。
第一軸受11の流出口21から排出された推進剤は、内輪15と外輪16との間の空間を通過して第二軸受12へと送られる。推進剤は、第二軸受12の流入口20から内部に導入され、第二軸受12を冷却後、その流出口21を通じて当該第二軸受12の下流側に排出される。
第二軸受12では、流入口20の開口面積A1よりも流出口21の開口面積A2が大きくなるように構成されていることから、流入口20から内部に流入した推進剤の流速は、流出口21を通過する際に低下する(質量保存の法則)。この流速の低下により、流出口21における推進剤(非圧縮性流体)の圧力が増加する(ベルヌーイの定理)。このように、流出口21において、気液混合状態の推進剤の圧力を増加させることで、推進剤に含まれる気体(水素ガス又は酸素ガス)を液化させることが可能になる。
より具体的には、第二軸受12の内部空間における推進剤の流路面積は、流入口20の位置が最も小さく、保持器18が配される内部上流領域、転動体17の下流側の領域、流出口21の順に大きくなる。このように、流路面積を下流側に向かうにつれて段階的に大きくなるように設定することで、第二軸受12を通過する推進剤に含まれる気体を効果的に液化できる。特に、保持器18は、本体部18aが転動体17の上流側に位置し、ポケット18bが下流側に開放状に構成されることから、第二軸受12の内部では、転動体17の下流側に保持器18が存在しない構成となる。さらに、第二軸受12の外輪16の下流側に形成されるテーパ面16cによって、第二軸受12の内部における推進剤の流路面積は、下流に向かうにつれて拡大する。これにより、第二軸受12の内部では、転動体17の下流側の領域において、推進剤に含まれる気体をより効果的に液化できる。
推進剤に含まれる気体(水素ガス又は酸素ガス)は、液体(液体水素又は液体酸素)よりも高温の状態にある。このため、この気体が内輪15の外周面及び外輪16の内周面に接触すると、その冷却効果が低下する。これに対し、本実施形態では、上記の如く気体を液化することで、第二軸受12の内部における冷却効果を高めることができる。特に、保持器18の爪部18cよりも下流側に位置する外輪16の軌道面16bの一部では、気体の接触が減少することで冷却効果が向上する。
さらに、第二軸受12に係る内輪15のカウンタボア15c及び外輪16のテーパ面16cに対する気体の接触も防止される。これにより、第二軸受12の内輪15及び外輪16では、熱伝導による軌道面15b,16bの冷却効果が向上する。また、外輪16にテーパ面16cが形成されることにより、その内周面の面積が拡大されるため、熱伝導による外輪16の冷却をより効率良く行うことができる。
第二軸受12を通過した推進剤は、第二流路23を通じて第一の空間3aに返送され、インペラ6によって再び圧送される。
以上説明した本実施形態に係る軸受ユニット4によれば、第一軸受11を冷却することで、温度が上昇し、一部が気化して気液混合状態となった推進剤は、第二軸受12の内部で再び液化されることとなる。したがって、この推進剤を第二軸受12の内部の冷却に使用することで、当該第二軸受12の焼付きを防止するとともに効率の良い冷却を実現できる。特に、推進剤が液体酸素の場合には、密度が大きい(1140kg/m:90K、101.325kPa)ことから、10kPa(流量3L/s)程度の昇圧効果が期待できる。
また、本実施形態では、規制部材19の開口部19aの大きさ(開口面積)を変更することで、流入口20の開口面積A1を調整できる。すなわち、規制部材19を第二軸受12の上流側に配することにより、保持器18の位置規制機能を損なわない限りにおいて、第二軸受12の寸法等の変更を伴うことなく、第二軸受12の流入口20に対して最適な開口面積A1を設定できる。
図6は、軸受ユニット(軸受)の第二実施形態を示す。本実施形態において、各軸受11,12の内輪15は、その外周面に、一対の肩部15aと、肩部15aの間に形成される軌道面15bとを有する。さらに第二軸受12の内輪15は、最も下流側の位置(流出口21寄りの位置)に、下流側に向かうにつれて縮径するテーパ面15dを有する。各軸受11,12の外輪16は、肩部16aと、軌道面16bと、この軌道面16bを挟んで肩部16aの反対側に形成されるカウンタボア16d(肩落とし部)とを有する。本実施形態では、第二軸受12の内輪15の外周面に、内部の流路を拡大するテーパ面15dを形成することで、第二軸受12の内部において温度上昇により気化した推進剤を効果的に液化できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、ロケットエンジン用ターボポンプ1に使用される軸受ユニット4を例示したが、これに限定されず、他の用途に適用することも可能である。例えば、人工衛星などの宇宙用機器のように、極低温の環境下で使用される機器に軸受ユニットを組み込むことができる。
上記の実施形態では、軸受ユニット4の各軸受11,12として単列のアンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、組合せアンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受を用いてもよい。また、本発明はアンギュラ玉軸受に限らず、他の玉軸受や円筒ころ軸受その他の転がり軸受に適用することも可能である。
1 ターボポンプ
4 軸受ユニット
11 第一軸受
12 第二軸受
13 内輪間座
15 内輪
16 外輪
17 転動体
18 保持器
18a 本体部
18b ポケット
19 環状体(規制部材)
20 流入口
21 流出口

Claims (5)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、極低温の周囲流体を通過させて内部を冷却する軸受において、
    前記周囲流体の流動方向における上流側に位置し、前記周囲流体を前記内輪と前記外輪との間の内部に導入する流入口と、前記流入口の下流側に位置し、前記内部に流入した前記周囲流体を下流側に排出する流出口とを備え、
    前記保持器は、前記流入口と前記転動体との間に配置される本体部と、前記転動体を保持するとともに下流側に開放されるポケットと、を備えることを特徴とする軸受。
  2. 前記保持器の位置を規制する環状体を前記保持器の上流側に備える請求項1に記載の軸受。
  3. 前記流出口は、前記周囲流体を排出する開口を有しており、前記外輪又は前記内輪は、前記開口の面積を拡大するテーパ面を下流側端部に備える請求項1又は2に記載の軸受。
  4. ロケットエンジンのターボポンプに使用される請求項1から3のいずれか一項に記載の軸受。
  5. 複数の軸受を備えるとともに、極低温の周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、
    前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、
    前記第二軸受は、請求項1から4のいずれか一項に記載の軸受であることを特徴とする軸受ユニット。
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