JP2018150989A - 軸受ユニット - Google Patents

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Takeshi Dan
孟 壇
広道 國米
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Abstract

【課題】複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高める。【解決手段】軸受ユニット4は、複数の軸受11,12を備えるとともに、これらの軸受11,12の内部に周囲流体を通過させて冷却する。複数の軸受11,12は、周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受11と、第一軸受11よりも下流側に配される第二軸受12とを含む。軸受ユニット4は、周囲流体が第一軸受11の内部と第二軸受12の内部とを通過する第一流路21と、周囲流体が第一軸受11の内部を通過することなく第二軸受12の内部を通過する第二流路22と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばロケットエンジンのターボポンプに使用される軸受ユニットに関する。
ロケットエンジンでは、極低温の推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に供給するためにターボポンプが使用される。特許文献1に開示されるように、ターボポンプは、液体を圧送するインペラと、翼列が設けられたタービンディスクとを連結するシャフトを備える。シャフトは、複数の軸受(例えばアンギュラ玉軸受)により支持される。
ロケットエンジンのターボポンプでは、ポンプ入口から吸い込んだ推進剤をインペラによってスクロール流路から燃焼室へと圧送する。この際、ターボポンプは、推進剤の一部を分流して軸受の冷却に使用する。分流された推進剤は、複数の軸受における前列(インペラ寄り)の第一軸受の内部を通過し、その後、後列(タービンディスク寄り)の第二軸受の内部を通過する。
特開2016−41909号公報
上記のように、従来のターボポンプにおける軸受の冷却では、推進剤が第一軸受を通過した後に第二軸受を通過する。この場合、推進剤は、第一軸受を通過することで温度が上昇し、その一部が気化することになる。したがって、この推進剤を後列の第二軸受に通過させる場合に、第一軸受の場合と比較して冷却効果が低下するという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高めることを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであって、複数の軸受を備えるとともに、周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、前記周囲流体が前記第一軸受の内部と前記第二軸受の内部とを通過する第一流路と、前記周囲流体が前記第一軸受の内部を通過することなく前記第二軸受の内部を通過する第二流路と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、周囲流体は、第一流路を通じて第一軸受及び第二軸受の内部を冷却するとともに、第二流路を通じて第二軸受の内部を冷却する。第一流路を流れる周囲流体は、第一軸受の内部を通過することによりその温度が上昇するが、第二流路を流れる周囲流体は、第一軸受を迂回して第二軸受に供給されるため、温度上昇がない状態で第二軸受に供給される。このように、温度上昇のない周囲流体を、第二流路を介して第二軸受に直接的に供給することで、当該第二軸受に対する冷却効果を高めることができる。
上記の軸受ユニットにおいて、前記第一軸受及び第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、 前記第二流路は、前記第一軸受における前記内輪の内径側に位置することが望ましい。第一軸受における内輪の内径側に第二流路を形成することにより、周囲流体は、第一軸受の内部を通過することなく第二軸受に直接的に供給される。
上記の軸受ユニットは、前記内輪が固定されるシャフトを備え、前記第二流路は、前記シャフトの外周面に軸方向に沿って形成される溝部を有することが望ましい。シャフトに溝部を形成し、この溝部に沿って周囲流体を流動させることで、当該周囲流体は、第一軸受を迂回して第二軸受へと直接的に供給される。
上記構成の軸受ユニットにおいて、前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、前記第二流路は、前記内輪間座の内径側に位置することが望ましい。このように、内輪間座の内径側に第二流路を配することにより、温度上昇のない周囲流体を、内輪間座の内径側を通じて第二軸受に直接的に供給できる。
さらに、前記内輪間座は、前記第二流路を流動する周囲流体を前記第二軸受に案内するガイド孔を有することが望ましい。これにより、温度上昇のない周囲流体を第二軸受の内部に確実に誘導できる。
上記構成に軸受ユニットにおいて、前記第一軸受の前記内輪は、前記第一軸受よりも上流側の前記周囲流体の一部を前記第二流路に案内するガイド部を有することが望ましい。或いは、軸受ユニットは、前記第一軸受の上流側の周囲流体の一部を前記第二流路に案内するガイド部材を別途備えてもよい。これにより、第一軸受の内部を通過する前の周囲流体を、第二流路に好適に誘導できる。
本発明に係る軸受ユニットは各種の宇宙航空機器に組み込まれるが、特にロケットエンジンのターボポンプに対して好適に使用され得る。
本発明によれば、複数の軸受を備える軸受ユニットの冷却効果を高めることができる。
第一実施形態の軸受ユニットを含むターボポンプの断面図である。 軸受ユニットの断面図である。 内輪間座の断面斜視図である。 内輪間座及びシャフトの断面図である。 第二実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 内輪間座の断面斜視図である。 内輪間座及びシャフトの断面図である。 第三実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 第四実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 第五実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。 第六実施形態に係る軸受ユニットの断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1から図4は、本発明に係る軸受ユニット及びターボポンプの第一実施形態を示す。
本実施形態に係るターボポンプは、極低温の推進剤をロケットエンジンにおける燃焼室に圧送する。推進剤としては、燃料としての液体水素(沸点:−253℃)と、酸化剤としての液体酸素(沸点:−183℃)とが使用される。ロケットエンジンは、液体水素用と液体酸素用のターボポンプを個別に備える。なお、「極低温」とは、凡そ1K〜100Kの温度領域をいう。
図1に示すように、ターボポンプ1は、シャフト2と、シャフト2を収容するケーシング3と、シャフト2を支持する軸受ユニット4と、を備える。
シャフト2は、極低温に対する疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル(登録商標)により構成される。シャフト2は、一端部にインデューサ5及びインペラ6を備え、他端部にタービンディスク7を備える。なお、以下の説明では、各構成要素の位置関係を説明するために、インデューサ5及びインペラ6側を「上流側」といい、タービンディスク7側を「下流側」という。
インデューサ5は、軸流型の羽根車であって、タービンディスク7、インペラ6とともにシャフト2の同軸上で連結される。インデューサ5は、シャフト2とともに回転し、推進剤をインペラ6へと送る。なお、インデューサ5の上流側には、推進剤を貯留するタンク(液体水素用タンク、液体酸素用タンク)が設けられており、推進剤は、タンクからインデューサ5に供給される。
インペラ6は、ケーシング3内での回転により、インデューサ5を介して吸い込んだ推進剤を遠心力で加圧する遠心ポンプである。インペラ6は、インデューサ5から送られる推進剤を加圧してロケットエンジンの燃焼室へと送り、また一部の推進剤を軸受ユニット4へと送る。
タービンディスク7は、ケーシング3内に導入されるガス(水素ガス)によって駆動される。このタービンディスク7によってシャフト2を回転駆動することで、インペラ6は推進剤を燃焼室へと圧送できる。
ケーシング3は、インデューサ5及びインペラ6を収容する第一の空間3aと、軸受ユニット4を収容する第二の空間3bと、タービンディスク7を収容する第三の空間3cとを備える。
第一の空間3aは、推進剤の吸込部8aと、吐出部8bと、推進剤を分流して第二の空間3bへと送る供給路9とを備える。推進剤は吸込部8aから第一の空間3a内に導入され、インペラ6によって吐出部8bから燃焼室へと送られる。供給路9は、ケーシング3の一部と、インペラ6の下流側シュラウド6aとの間に形成される。第一の空間3aは、この供給路9を介して第二の空間3bと連通する。
第二の空間3bは、第一の空間3aの下流側に設けられる。第二の空間3bは、ケーシング3の一部と、シャフト2の外周面との間に形成される。第三の空間3cは、第二の空間3bの下流側に設けられる。第三の空間3cは、タービンディスク7を収容するとともに、当該タービンディスク7を駆動するガス(水素ガス)を内部に導入及び排出するように、例えばマニホールドケーシングにて構成される。
第二の空間3bと第三の空間3cとは、メカニカルシール、クリアランスシール等からなるシール部10により区分される。この構成により、第二の空間3bを流動する推進剤が第三の空間3cに漏出することが防止される。
軸受ユニット4は、第二の空間3bに設けられる。軸受ユニット4は、前列(上流側)の第一軸受11と、この第一軸受11から軸方向に離間して下流側に配置される後列(下流側)の第二軸受12と、第一軸受11及び第二軸受12の位置決めを行う内輪間座13及び外輪間座14とを備える。
図1及び図2に示すように、各軸受11,12は例えばアンギュラ玉軸受により構成される。各軸受11,12は、シャフト2に固定される内輪15と、ケーシング3に固定される外輪16と、内輪15と外輪16との間に配される複数の転動体17と、各転動体17を周方向に一定の間隔で保持する保持器18とを備える。各軸受11,12では、内輪15及び外輪16と、転動体17とが所定の接触角を有して接触しており、ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重を負荷することができる。
内輪15及び外輪16は金属、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)にて環状に形成される。内輪15は、その外周面に転動体17が転動する軌道面15aを有する。外輪16は、その内周面に転動体17が転動する軌道面16aを有する。なお、以下では、各内輪15及び外輪16の幅方向端部を、推進剤の流動方向に対応させて、上流側端部15A,16A、下流側端部15B,16Bとして説明する。
転動体17は、例えばマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS440Cなど)等の金属や、セラミックス材料により球体(ボール)として構成される。複数の転動体17は、内輪15の軌道面15aと外輪16の軌道面16aとの間で、周方向に等間隔で配される。
保持器18は、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間に配される。保持器18は、樹脂複合材や金属により環状に形成される。保持器18は、転動体17を保持する複数のポケット19を有する。ポケット19は、保持器18の円周方向において等間隔に設けられる。転動体17は、各ポケット19に一つずつ収容される。
なお、本実施形態に係る軸受ユニット4のように、極低温環境下で使用される第一軸受11及び第二軸受12には、通常の流動性潤滑剤(油やグリースなど)を使用することができない。本実施形態では、各軸受11,12の焼付き防止及び起動トルクの低減を図るため、内輪15の軌道面15a、外輪16の軌道面16a、転動体17の表面及び保持器18におけるポケット19の内面を含む表面全体のうち、いずれか一つ以上、もしくは全てにフッ素樹脂(例えばPTFE)等の固体潤滑皮膜によるコーティングが施される。
内輪間座13は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。内輪間座13は、第一軸受11の内輪15と第二軸受12の内輪15との間に配される。この内輪間座13の内周にはシャフト2に挿入される。内輪間座13は、シャフト2に固定されており、シャフト2とともに回転する。内輪間座13の上流側端部13Aは、第一軸受11における内輪15の下流側端部15Bと接触する。内輪間座13の下流側端部13Bは、第二軸受12における内輪15の上流側端部15Aに接触する。
図2から図4に示すように、内輪間座13は、推進剤をその内径側から外径側へと案内する一対のガイド孔20を有する。一対のガイド孔20は、所定の位相(例えば180°)で内輪間座13に貫通形成される。ガイド孔20は、軸方向に対して傾斜するように構成される。具体的には、ガイド孔20は、内輪間座13における外周面側の開口部20aが、内周面側の開口部20bよりも下流側に位置するように傾斜する(図3参照)。
外輪間座14は、所定の幅及び厚みを有する環状体により構成される。外輪間座14は、第一軸受11の外輪16と第二軸受12の外輪16との間に配される。外輪間座14の外周面は、第二の空間3bにおけるケーシング3の内面に固定される。外輪間座14の上流側端部14Aは、第一軸受11における外輪16の下流側端部16Bと接触する。外輪間座14の下流側端部14Bは、第二軸受12における外輪16の上流側端部16Aに接触する。
なお、第一軸受11に係る内輪15の上流側端部15A、及び第二軸受12に係る内輪の下流側端部15Bは、シャフト2に設けられる位置決め部、或いはシャフト2に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。同様に、第一軸受11に係る外輪16の上流側端部16A、及び第二軸受12に係る外輪16の下流側端部16Bは、ケーシング3に設けられる位置決め部、或いはケーシング3に固定される環状の位置決め部材によって適宜位置決めされる。
図2に示すように、軸受ユニット4は、周囲流体である推進剤を流動させる流路21〜23を有する。流路21〜23は、推進剤が第一軸受11の内部と第二軸受12の内部とを通過する第一流路21と、推進剤が第一軸受11の内部を通過することなく第二軸受12の内部を通過する第二流路22と、第二軸受12の内部を通過した推進剤が第一の空間3aに還流する第三流路23とを備える。ここで、「軸受の内部」とは、内輪15の外周面と外輪16の内周面との間の軸受内部空間をいう。
第一流路21は、第一軸受11の内部と、第一軸受11の内輪間座13の外周面と外輪間座14の内周面との間に形成される空間と、第二軸受12の内部とを含む。この構成により、第一流路21を流動する推進剤は、上流側の第一軸受11の内部を通過した後に、下流側の第二軸受12の内部を通過する。
第二流路22は、シャフト2の外周面に形成される一対の溝部24と、第一軸受11における内輪15の内周面と、内輪間座13のガイド孔20と、第二軸受12の内部とを含む。溝部24の一部は、第一軸受11の内輪15における内周面及び内輪間座13の内周面に面するように形成される。すなわち、第二流路22の一部である溝部24は、第一軸受11における内輪15の内径側、及び内輪間座13の内径側に形成される。
一対の溝部24は、所定の位相(例えば180°)にてシャフト2に形成される。各溝部24は、シャフト2の軸方向に沿って直線状に形成される。溝部24の軸方向長さは、第一軸受11における内輪15の軸方向寸法(幅)よりも長く設定される。図2に示すように、溝部24の上流側端部24Aは、第一軸受11における内輪15の上流側端部15Aよりも上流側に位置する。溝部24の下流側端部24Bは、第一軸受11の内輪15よりも下流側であって、第二軸受12の内輪15よりも上流側に位置する。
第三流路23は、シャフト2の内部において、軸方向に沿って形成されるガイド孔23aと、第二軸受12の内部を通過した推進剤をガイド孔23aに案内する導入孔23bと、ガイド孔23aを通過した推進剤を第一の空間3aへと戻す排出孔23cとを有する。第二軸受12の内部を通過した推進剤は、導入孔23b、ガイド孔23a、排出孔23cの順に流動して、第一の空間3aにおけるインペラ6へと返送され、当該インペラ6によって再度圧送される。
なお、図2では、第一流路21の推進剤の流れを符号F1、第二流路22の推進剤の流れを符号F2、そして第三流路23の推進剤の流れを符号F3で示す(以下、他の実施形態において同じ)。
以下、上記構成の軸受ユニット4を冷却する方法について説明する。
ロケットエンジンの運転時において、ターボポンプ1は、第三の空間3cに導入されるガス(水素ガス)によりタービンディスク7を回転駆動する。推進剤は、ターボポンプ1の冷却の他、ロケットエンジンの燃焼室やノズルを冷却するために使用される。液体としての推進剤(例えば液体水素)は、燃焼室等を冷却することで、その温度上昇により気化する。これによるガス(水素ガス)は、第三の空間3cに導入され、その膨張エネルギーによりタービンディスク7を回転させた後、第三の空間3cから順次排出される。これにより、シャフト2の回転に伴ってインデューサ5及びインペラ6が回転し、タンクから供給される推進剤(液体水素又は液体酸素)を燃焼室に圧送する。
ターボポンプ1は、供給路9を通じて推進剤の一部を第二の空間3bへと供給する。この場合において、推進剤は、第一流路21と第二流路22とに分流して下流側に流動する。 具体的には、推進剤は、第一流路21を通じて上流側の第一軸受11の内部を通過し、内輪間座13と外輪間座14との間の空間を通過した後、下流側の第二軸受12の内部を通過する。この推進剤は、第一軸受11を冷却することでその温度が上昇する。これにより、推進剤は、その一部が気化して気液混合状態となり、第二軸受12に向かって流動する。
推進剤の一部は、第一軸受11の上流側で分流し、第二流路22に流れ込む。この推進剤は、第二流路22を通じ、上流側の第一軸受11を迂回して下流側の第二軸受12へと供給される。具体的には、推進剤は、シャフト2における溝部24の上流側端部24Aから当該溝部24に入り込み、第一軸受11における内輪15の内周面側を通過して、内輪間座13側へと移動する。その後、推進剤は、溝部24の下流側端部24Bに到達し、内輪間座13のガイド孔20から内輪間座13の外径側(外周面側)に流出する。ガイド孔20から流出した推進剤は、第一流路21を流れる推進剤とともに第二軸受12の内部を通過する。第二軸受12の内部を通過した推進剤は、第三流路23を通じてインペラ6へと返送される。
以上説明した本実施形態に係る軸受ユニット4によれば、第二流路22を流動する推進剤は、第一軸受11の内部を通過することなく第二軸受12の内部を通過する。したがって、この推進剤は、第一軸受11の通過による温度上昇を経ることなく第二軸受12を冷却できる。これにより、軸受ユニット4は、下流側(後列)の第二軸受12を従来よりも効率良く冷却できる。
また、内輪間座13のガイド孔20を通過する推進剤には、シャフト2の回転に伴う内輪間座13の回転による遠心力が付与される。したがって、第二流路22を流れる推進剤は、ガイド孔20によってその傾斜方向に高速で噴射され、第一流路21を流れる推進剤の影響を受けることなく第二軸受12の内部を通過する。
図5から図7は、軸受ユニットの第二実施形態を示す。本実施形態では、軸受ユニット4における第二流路22の構成が第一実施形態と異なる。第二流路22は、内輪間座13の内周面側形成される凹部25を有する。凹部25は、一対の側壁部26と、側壁部26の間に形成される底面27とを有する。
側壁部26は、内輪間座13の上流側端部13Aと、下流側端部13Bとに形成される。側壁部26は、内輪間座13の半径方向内方に突出する。内輪間座13の底面27には、複数の仕切り壁28が形成されている。仕切り壁28は、底面27から半径方向内方に突出する。図6に示すように、仕切り壁28は一対の側壁部26を連結するように構成される。
本実施形態では、内輪間座13の各ガイド孔20に対応して一対の仕切り壁28が設けられる。各ガイド孔20は、一対の仕切り壁28の間に形成されている。
内輪間座13がシャフト2に装着された状態において、側壁部26の半径方向端面26aは、シャフト2の外周面に接触する(図5参照)。また、仕切り壁28の半径方向端面28aは、シャフト2の外周面に接触する(図7参照)。これにより、シャフト2の外周面と内輪間座13の凹部25との間に、推進剤の通過空間Sが形成される。シャフト2の溝部24は、一対の仕切り壁28の間に配され、通過空間Sと連通する。
本実施形態において第二流路22は、シャフト2に形成される溝部24と、この通過空間Sと、ガイド孔20とにより構成される。本実施形態のように、内輪間座13の凹部25を利用して第二流路22を構成することにより、シャフト2に形成する溝部24の長さを可及的に短く構成できる。したがって、シャフト2の剛性低下を抑制できる。また、溝部24の幅よりも、通過空間Sの幅(一対の仕切り壁28の間隔)を大きく確保できるため、溝部24と通過空間Sとの位置合わせ(位相管理)を容易に行うことができる。
本実施形態では、上記の構成に限らず、例えば仕切り壁28を形成することなく内輪間座13を構成し、凹部25と、シャフト2の外周面とにより推進剤の通過空間Sを構成しても良い。また、凹部25は、内輪間座13の内周面に形成される溝部であってもよい。
図8は、軸受ユニットの第三実施形態を示す。本実施形態に係る軸受ユニット4は、第一軸受11の構成が第一実施形態と異なる。第一軸受11の内輪15は、推進剤を第二流路22に案内するガイド部29を有する。ガイド部29は、この内輪15における上流側端部15Aに形成される。
ガイド部29は、第一軸受11よりも上流側の推進剤を半径方向内方に案内するガイド面29aを有する。ガイド面29aは、下流側に向かうにつれて半径方向内方に向かって湾曲する曲面として構成される。ガイド面29aは、曲面に限らず、下流側に向かうにつれて半径方向内方に傾斜する平坦面により構成してもよい。ガイド面29aは、シャフト2における溝部24の上流側端部24Aに軸方向において重なるように配される。
本実施形態に係る軸受ユニット4によれば、インペラ6から供給路9を通じて供給された推進剤は、第一流路21と第二流路22とに分かれて流動する。この際、推進剤の一部は、ガイド部29のガイド面29aに接触し、半径方向内方に案内される。案内された推進剤は、シャフト2の溝部24に流入し、第一軸受11を迂回して、ガイド孔20から第二軸受12に供給される。このように、内輪15にガイド部29を形成することにより、軸受ユニット4の部品点数を増加させることなく、推進剤を第二流路22に好適に導入できる。
図9は、軸受ユニットの第四実施形態を示す。上記の第三実施形態では、第一軸受11の内輪15に推進剤を案内するガイド部29が形成されていたが、本実施形態に係る軸受ユニット4は、内輪15とは別部材により構成されるガイド部材30を備える。このガイド部材30は、第一軸受11における内輪15の上流側端部15Aに接触する位置決め部材でもある。
ガイド部材30は、環状に構成されるとともに、第一軸受11の内輪15の上流側端部15Aに接触するように、シャフト2に固定される。ガイド部材30は、推進剤を案内するガイド面30aを有する。ガイド面30aは、第三実施形態と同様に曲面状に構成される。本実施形態では、ガイド部材30を第一軸受11の内輪15とは別部材により構成することで、使用される周囲流体の種別や第一軸受11の種別、寸法等に応じて最適なガイド部材30を選択できる。
図10は、軸受ユニットの第五実施形態を示す。本実施形態では、軸受ユニット4における第二流路22の構成が第二実施形態と異なる。第二流路22は、シャフト2の溝部24及び内輪間座13の凹部25の他、第一軸受11の内輪15に形成される溝部31と、この溝部31に連通するように内輪間座13に形成される溝部32とを備える。
第一軸受11における内輪15の溝部31は、当該内輪15の内周面に、軸方向に沿って形成される。この溝部31は、内輪15の上流側端部15Aから下流側端部15Bに亘って形成される。内輪15の溝部31は、シャフト2の溝部24と一致するように配置される。内輪間座13の溝部32は、当該内輪間座13の側壁部26に形成される。この溝部32は、シャフト2の溝部24と、内輪15の溝部31とに一致するように配置される。
本実施形態に係る軸受ユニット4によれば、シャフト2の溝部24、内輪間座13の凹部25に加え、第一軸受11における内輪15の溝部31、内輪間座13の溝部32によって第二流路22を拡大でき、より多量の推進剤を流動させることができる。
図11は、軸受ユニットの第六実施形態を示す。本実施形態では、軸受ユニット4における第二流路22の構成が第一実施形態と異なる。本実施形態において、軸受ユニット4は、第一軸受11における内輪15の内径側に形成される第二流路22aの他、第一軸受11における外輪16の外径側に追加的に形成される第二流路22bを有する。追加の第二流路22bは、ケーシング3に形成される溝部33と、外輪間座14に形成されるガイド孔34とを有する。なお、外輪間座14は、図11に示す構成に限らず、第二実施形態の内輪間座13と同様に、外周面側に凹部を有したものでもよい。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の第五実施形態では、シャフト2、第一軸受11の内輪15及び内輪間座13に溝部24,31,32を形成した例を示したが、これに限定されず、例えばシャフト2に形成される溝部24を省略してもよい。
上記の第六実施形態では、第一軸受11における内輪15の内径側(内周面側)に形成される第二流路22aと、外輪16の外径側(外周面側)に形成される追加の第二流路22bを備えた軸受ユニット4を例示したが、この構成に限定されない。第六実施形態において、第一軸受11における内輪15の内径側の第二流路22aを省略し、外輪16の外径側の第二流路22bのみで軸受ユニット4を構成してもよい。
上記の実施形態では、ロケットエンジン用ターボポンプ1に使用される軸受ユニット4を例示したが、これに限定されず、他の用途に適用することも可能である。例えば、人工衛星などの宇宙用機器のように、極低温の環境下で使用される機器に軸受ユニットを組み込むことができる。
上記の実施形態では、軸受ユニット4の各軸受11,12として単列のアンギュラ玉軸受を例示したが、組合せアンギュラ玉軸受、複列アンギュラ玉軸受を使用できる。また、本発明はアンギュラ玉軸受に限らず、他の玉軸受や円筒ころ軸受その他の転がり軸受に適用される。
上記の実施形態において、シャフト2に二本の溝部24を形成した例を示したが、これに限らず、一本、又は三本以上の溝部24をシャフト2に形成してもよい。同様に、内輪間座13のガイド孔20を溝部24に対応するように、一個、又は三個以上の複数にしてもよい。
1 ターボポンプ
2 シャフト
4 軸受ユニット
11 第一軸受
12 第二軸受
13 内輪間座
15 内輪
16 外輪
17 転動体
18 保持器
20 ガイド孔
21 第一流路
22 第二流路
22a 第二流路
22b 第二流路
24 シャフトの溝部
29 ガイド部
30 ガイド部材

Claims (8)

  1. 複数の軸受を備えるとともに、周囲流体が前記複数の軸受の内部を通過することにより前記軸受を冷却する軸受ユニットにおいて、
    前記複数の軸受は、前記周囲流体の流動方向における上流側に配される第一軸受と、前記第一軸受よりも下流側に配される第二軸受とを含み、
    前記周囲流体が前記第一軸受の内部と前記第二軸受の内部とを通過する第一流路と、前記周囲流体が前記第一軸受の内部を通過することなく前記第二軸受の内部を通過する第二流路と、を備えることを特徴とする軸受ユニット。
  2. 前記第一軸受及び前記第二軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在する複数の転動体と、前記転動体を保持する保持器とを備え、
    前記第二流路は、前記第一軸受における前記内輪の内径側に位置する請求項1に記載の軸受ユニット。
  3. 前記内輪が固定されるシャフトを備え、
    前記第二流路は、前記シャフトの外周面に軸方向に沿って形成される溝部を有する請求項2に記載の軸受ユニット。
  4. 前記第一軸受の前記内輪と前記第二軸受の前記内輪との間に配されるとともに前記両内輪の位置決めを行う内輪間座を備え、
    前記第二流路は、前記内輪間座の内径側に位置する請求項3に記載の軸受ユニット。
  5. 前記内輪間座は、前記第二流路を流動する前記周囲流体を前記第二軸受に案内するガイド孔を有する請求項4に記載の軸受ユニット。
  6. 前記第一軸受の前記内輪は、前記第一軸受よりも上流側の前記周囲流体の一部を前記第二流路に案内するガイド部を有する請求項2から5のいずれか一項に記載の軸受ユニット。
  7. 前記第一軸受よりも上流側の前記周囲流体の一部を前記第二流路に案内するガイド部材を備える請求項2から5のいずれか一項に記載の軸受ユニット。
  8. ロケットエンジンのターボポンプに使用される請求項1から7のいずれか一項に記載の軸受ユニット。

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