JP2018150705A - 建物内への浸水防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 大雨や洪水等の非常時には建物の出入口等の通路に迅速に組み立てることができ、建物内への優れた浸水阻止機能を発揮する浸水防止装置を提供するにある。【解決手段】 建物内への浸水防止装置は、建物の通路の両側壁面に設けられた断面コ字状の縦溝1aを有する支柱材1、1と、両側端部を支柱材1、1の縦溝1aの内面に固定手段3によって圧着されて建物の通路を閉鎖する止水シート2と、通路の床面上に設置されて止水シート2下端面を水密状態に受止する敷居部材4と、上記支柱材1、1の縦溝1a、1aの下部間に架設されて、止水シート2の下部における浸水下流側に向けた面を受止したシート湾曲防止用線状物6と、止水シート2の下端面を上記敷居部材4に圧着させる圧着手段5とを備えてなる。【選択図】 図1
Description
本発明は、大雨や洪水等が発生した際に、道路側等から建物内に水が浸入するのを防止するための浸水防止装置に関する。
このような浸水防止装置としては、特許文献1に記載されているように、建物の出入口等の両側壁面に立設、固定している対向面に縦溝を設けた支柱と、水平方向に長い断面矩形状の複数本の基本形枠材を上下に重ね合わせて順次連結すると共に連結した板体の周囲に縁枠材を装着することにより形成された一枚の防水板とから構成されている。そして、この防水板を上記支柱間に架設してその両側端部と下端部とをそれぞれ上記支柱の対向する縦溝と床面とに設けた水平溝とに嵌め込んで水密に密着させてなる防水装置が知られている。
また、特許文献2には、建物の出入口における通路の両側壁に両端設立柱が設けられている一方、これらの両端設立柱の下端間の床面には折畳止水膜収納溝が設けられてあり、この収納溝内に折り畳み状態で収納されている止水膜を引き上げて両端設立柱間の通路を閉鎖するように構成した止水装置が記載されている。なお、この止水装置においては、両端設立柱に沿わせている止水膜の両側端部上に当て柱を沿わせてこれらの柱の対向面で止水膜の両側端部を止水状態で挟持させている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の建物内に対する防水装置によれば、建物の出入口等の両側壁部に立設した支柱間に防水板を架設するには著しい手間を要するばかりでなく、上下に隣接する基本形枠材の重ね合わせた接合面を全長に亘って全面的に水密構造にすることが困難で、基本形枠材間の隙間等を通じて水が浸入する虞れがある。
一方、上記特許文献2に記載の建物内への止水装置によれば、止水シートは水圧を受けると、建物の出入口と反対側、即ち、下流側に向かって大きく膨出、変形してその両側端部が両端設立柱と当て柱とによる挟持面から抜け出して建物内への浸水の阻止が図られない虞れがあると共に、収納溝を通じて浸水する虞れも生じるといった問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、構造が簡単で大雨や洪水等の非常時には迅速に組み立てることができるばかりでなく、優れた止水機能を備えていて、建物内への浸水を良好に防止することができる建物内への浸水防止装置を提供するにある。
上記目的を達成するために、本発明の建物内への浸水防止装置は、請求項1に記載したように、建物の通路の両側壁面にそれぞれ立設、固定され、対向面に縦溝を設けている支柱材と、両側端部を全長に亘ってこれらの支柱材の上記縦溝内面に密着させて建物の通路を閉鎖する止水シートと、この止水シートの両側端部を支柱材の上記縦溝内面に密着させるシート固定手段と、支柱材の下端間の通路の床面上に敷設されて止水シートの下端面を密着させる敷居部材と、上記対向する支柱材の縦溝間に架設状態に取り付けられて止水シートの浸水下流側に向けた面を受止したシート湾曲防止用線状物と、止水シートの下端面を上記敷居部材に圧着させる圧着手段とを備えてなることを特徴とする。
このように構成した建物内への浸水防止装置において、請求項2に係る発明は、上記シート湾曲防止用線状物の両端に、対向する支柱材の溝の内面に装着している係止具に係止させるフックを取り付けていることを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明は、対向する支柱材の縦溝の溝底面には上記係止具が上下方向に一定間隔毎に装着されていて、上記対向する支柱材の縦溝間に数条のシート湾曲防止用線状物を張設可能に構成していることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、上記シート湾曲防止用線状物はその長さ方向の中間部から二分されていてその中間部をチェーンレバーホイストによって連結していることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、シート湾曲防止用線状物はワイヤまたは索条であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、上記止水シートの両側端部には支柱材の縦溝内面に全長に亘って密着させる帯板状の側板が取付けられてあり、この側板を上記シート固定手段によって支柱材の縦溝内面に密着させていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、上記シート固定手段の構造であって、止水シートの両側端部を密着させる支柱材の縦溝内面に対向する他方の内面に、上下方向に所定間隔毎に押圧部材を起伏自在に枢着させてあり、縦溝からの押圧部材の起立によってその頂面で止水シートの両側端部を支柱材の縦溝内面に押し付けて固定するように構成している。
請求項8に係る発明は、上記圧着手段の構造であって、止水シートの長さ方向に一定間隔毎に並設する数本の弾性ベルト体からなり、各弾性ベルト体の上端部には上記止水シートの上端部に係脱自在に係止した取付用金具が装着されてあり、下端部は上記シート湾曲防止用線状物に掛け渡し等によって連結していて、弾性ベルト体の弾性復元力により止水シートの下端面を上記敷居部材に圧着させるように構成している。
請求項9に係る発明は、上記止水シートはシート本体と、このシート本体における浸水の上流側に向けた面に、幅方向に一定間隔毎に設けられた補強用縦リブとからなり、隣接する補強用縦リブ間に設けられたシートスキン部から止水シートを湾曲変形可能に形成していることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項1に記載の発明において、敷居部材は発泡樹脂シートからなることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、支柱材の下端間の床面上に敷居部材を敷設する作業と、支柱材の対向する縦溝間に止水シートを張設して押し付け手段により固定する作業と、対向する上記縦溝間にシート湾曲防止用線状物を緊張状態に張設する作業と、圧着手段により止水シートを敷居部材に圧着させる作業を行うことによって浸水防止装置を短時間で組み立てることができる。
さらに、止水シートは、その両側端部が全長に亘ってシート固定手段により両側支柱材の上記縦溝内面に密着、固定されてあり、下端面は圧着手段によって支柱材の下端間の床面上に敷設した敷居部材上に隙間なく密着させているので、建物の通路を全面的に閉鎖して建物内への浸水を遮断、阻止することができる。
その上、上記両側の支柱材の対向する縦溝間にシート湾曲防止用線状物を緊張状態に張設してこのシート湾曲防止用線状物により止水シートの浸水下流側に向けた面を全長に亘って受止させているので、止水シートに作用する水圧をこのシート湾曲防止用線状物によって強固に受止して建物内への浸水を強固に阻止することができる。
請求項2に係る発明によれば、上記シート湾曲防止用線状物の両端に、対向する支柱材の溝の内面に装着している係止具に係止させるフックを取り付けているので、支柱材の溝間に対するシート湾曲防止用線状物の張設作業が迅速に行える。
請求項3に係る発明によれば、上記係止具を対向する支柱材の溝の内面に上下方向に一定間隔毎に装着しているので、支柱材の溝間に数条のシート湾曲防止用線状物を並列状態に張設することができて、止水シートの浸水下流側に向けている背面を一層強固に受止することができ、浸水圧による止水シートの湾曲を阻止して浸水を防止することができる。
請求項4に係る発明によれば、上記シート湾曲防止用線状物はその長さ方向の中間部から二分されていてその中間部をチェーンレバーホイストによって連結しているので、このチェーンレバーホイストを操作してシート湾曲防止用線状物を浸水圧による止水シートの湾曲阻止に必要な緊張力に設定することができる。なお、シート湾曲防止用線状物としては請求項5に記載したように、ワイヤまたは索条を使用することが好ましい。
また、請求項6に係る発明によれば、上記止水シートの両側端部には側板が取付けられているので、支柱材間に対する止水シートの架設、固定作業が円滑に行うことができると共に、この側板をシート固定手段によって支柱材の縦溝内面に密着させているので、良好な止水構造を形成することができる。
上記シート固定手段は、請求項7に記載したように、止水シートの両側端部が密着する支柱材の縦溝内面に対向した他方の内面に押圧部材を起伏自在に枢着させていて、この押圧部材の伏動によってその頂面で止水シートの両側端部を縦溝内面に押し付けるように構成しているので、簡単且つ強固に止水シートを縦溝内面に密着させることができる。
請求項8に係る発明によれば、上記圧着手段は弾性ベルト体からなり、この弾性ベルト体の上端部に装着した取付用金具を上記止水シートの上端部に取り付け、弾性ベルトを伸長させてその下端部に装着した上記シート湾曲防止用線状物に連結させている。従って、この弾性ベルト体の弾性復元力により止水シートの下端面を上記敷居部材に隙間なく圧着させて、止水シートの下端部側からの浸水を阻止することができる。
請求項9に係る発明によれば、上記止水シートにはその浸水上流側に向けた面に、幅方向に一定間隔毎に補強用縦リブを設けているので、浸水圧によって止水シートの上下端間の中央部が上下端を支点として下流側に向かって湾曲変形するのを上記補強用縦リブにより防止することができる。
さらに、止水シートが水圧により、上記シート湾曲防止用線状物を支点としてその下端側を浸水上流側に向かって傾動させられた場合、浸水下流側に向けているシート本体の下端角部がその傾動により全長に亘って一層強い圧着力でもって敷居部材に密着し、下流側への浸水を強固に阻止することができる。
また、不使用時には、止水シートを隣接する補強用縦リブ間に設けられたシートスキン部から湾曲させて巻き取り、上記シート湾曲防止用線状物等と共にコンパクトに保管しておくことができる。
請求項10に係る発明によれば、上記敷居部材は発泡樹脂シートからなるので、圧着手段である上記弾性ベルト体による押し付け力によってその下端部をこの発泡シートに没入させながら下端部を全長に亘って発泡シートに強く密着させることができ、下流側への浸水を強固に阻止することができる。
本発明の具体的な実施例を図面について説明する。図1〜図3において、建物内への浸水防止装置は、建物の出入口等の通路Aの両側壁面B、Bに支柱材1、1が立設状態で固定され、これらの両側支柱材1、1間に止水シート2が張設されていて、この止水シート2によって建物の通路Aを閉鎖し,浸水を防止するように構成している。
上記支柱材1、1は金属製であって、全長に亘って一定幅の横断面コ字状の縦溝1aを設けてなる溝形鋼からなり、その縦溝1a、1aを対向させた状態にしてこれらの支柱材1、1を通路Aの両側壁面B、Bにそれぞれ固定している。なお、壁面Bに対する支柱材1の固定は、支柱材1、1をその縦溝1aの開口端を壁面から臨ませた状態にして壁内に垂直状に埋設しておいてもよく、或いは、壁面Bに沿って立設して螺子等の適宜な固着具により壁面Bに固定しておいてもよい。
上記止水シート2は、両側の支柱材1、1の対向する上記縦溝1a、1a内にその両側端部に設けている後述する側板7、7が挿入されてあり、これらの側板7、7を上記縦溝1a、1a内においてシート固定手段3により縦溝1a、1aにおける浸水下流側に向けた内面1a1 に押し付けられた状態で固定され、この内面1a1 に全長に亘り水密状態に密着している。
さらに、支柱材1、1の下端間の通路Aの床面上には、一定幅を有する発泡樹脂シートからなる敷居部材4が敷設されてあり、この敷居部材4の上面に上記止水シート2の下端が後述する圧着手段5により押し付けられて全長に亘って水密状態に圧着している。
また、止水シート2は、その浸水下流側に向けた面の少なくとも下部を両側の支柱材1、1の対向する縦溝1a、1aの下部間に緊張状態で張設されたシート湾曲防止用線状物6によって全長に亘って受止されて、浸水時の水圧により支柱材1、1を支点として浸水下流側に湾曲変形するのを抑止されている。
止水シート2は繊維強化樹脂(FRP)からなり、縦幅が上記支柱材1の長さよりも短く、横幅(長さ)が支柱材1、1間に張設可能な長さを有する横長長方形状のシート本体2aと、このシート本体2aの正面、即ち、浸水上流側に向けた面に、長さ方向(横幅方向)に一定間隔毎に長さがシート本体2aの縦幅寸法に等しい補強用縦リブ2bを突設してなる。従って、隣接する補強用縦リブ2b、2b間にはシート本体2aのスキン部が設けられてあり、このシートスキン部から湾曲させて巻き取り可能に構成している。
なお、止水シート2の長さはその両側端部が対向する支柱材1、1の縦溝1a、1a内に挿入されて縦溝1aの内面に圧着可能な寸法に形成しておいてもよいが、この実施例においては、支柱材1、1間の通路幅と同等ないしは僅かに短く形成してあり、この止水シート2の両側端部に支柱材1の縦溝1aの内面に密着させる側板7、7が取り付けられている。
側板7、7は、剛直性を有する金属製または合成樹脂製の帯板材からなり、その下端面を止水シート2の下端面と面一状となるように合わせた状態にして幅方向の一半部を図5に示すように、止水シート2の浸水上流側に向けた正面の両側端部に全縦幅に亘って重ね合わせてボルト・ナット8により固着している。これらの側板7、7における支柱材1の縦溝1a内に挿入した他半部には、上下方向に一定間隔毎に縦長係止孔8が穿設されている一方、この側板7が密着する上記支柱材1の縦溝1aの内面1a1 には上記縦長係止孔8を着脱自在に係止させた突起9が上下方向に係止孔8と同一間隔毎に突設されている。
上記止水シート2の側端から外側方に突出した側板7の他半部を支柱材1の縦溝内面1a1 に密着、固定させるシート固定手段3は、上記縦溝1aの内面1a1 に対向した他方の内面1a2 に、図4に示すように、基端部をヒンジ(蝶番)10によって上下方向に起伏自在に枢着された複数個の押圧部材3aからなる。これらの押圧部材3aは、短尺の角棒形状に形成されてあり、その長さは支柱材1の縦溝1aの対向する内面1a1 、1a2 間の幅よりも短くて、この押圧部材3aを側板7側に向かって水平状に起立させた時に、その平坦な頂面3a1 を上記縦溝1aの内面1a1 に重なった上記側板7の板面に押し付けるように構成されている。
なお、上記ヒンジ10はその枢軸10a を上方にして、この枢軸10a によって開閉自在に連結している一方の蝶番片10b を縦溝1aの上記内面1a2 に、他方の蝶番片10c を押圧部材3aの底面にそれぞれ固着させている。
支柱材1、1の縦溝1a、1a間に上記止水シート2が張設されていない状態においては、全ての押圧部材3aはヒンジ10を介してこのヒンジ10からこのヒンジ10を取り付けている縦溝1aの内面1a2 上に折り重ねられるように伏せられ、この内面1a2 に沿って折り畳まれた状態にある。
また、このように押圧部材3aが折り畳まれた状態において、止水シート2の側板7と対向する押圧部材3aの側面の上端部は上記頂面3a1 に向かって凸円弧状の湾曲面3a2 に形成されていて、押圧部材3aを起立させた際に、この湾曲面3a2 を止水シート2の側板7の面に摺接させながら頂面3a1 を側板7に向けるように構成している。
上記縦溝1aの内面1a2 に固着したヒンジ10における上記蝶番片10b1上には、他方の蝶番片10c を固着させている押圧部材3aの底面を受止して押圧部材3aを縦溝1aの内面1a2 に対して直角に起立させ、その頂面3a1 が止水シート2の側板7に全面的に密接した状態に保持する着座部材16が配設されている。この着座部材16はスプリング等によって押圧部材3aの頂面3a1 を止水シート2の側板7に押し付ける方向に付勢しておいてもよく、或いは、押圧部材3aの頂面3a1 に側板7に圧着させるゴム板片等の弾性部材を貼着しておいてもよい。
このように構成した押圧部材3aによって、両側の支柱材1、1の対向する縦溝1a、1a間に張設状態で固定されている上記止水シート2は、上述したように、その浸水下流側に向けた面を、両側の支柱材1、1の対向する縦溝1a、1aの下部間に緊張状態で張設しているシート湾曲防止用線状物6によって全長に亘って受止されている。
このシート湾曲防止用線状物6は、ワイヤ又は金属線を編組してなる索条からなり、その両端には図6、図7に示すように、対向する支柱材1、1の縦溝1a、1aにおける溝底面に装着した環状の係止具11に係止させるフック12、12を取り付けている。さらに、このシート湾曲防止用線状物6はその長さ方向の中間部から二分されていて、これらの分割線上物6a、6bの互いに対向する端部にも環状の係止具11' 、11' を取り付けてあり、これらの係止具11' 、11' をチェーンレバーホイスト13に連結している。
詳しくは、チェーンレバーホイスト13の一端部に装着しているフック体13a に一方の分割線状物6aの係止具11' を係止させ、チェーンレバーホイスト13に掛装しているチェーン13b の端部に装着したフック体13c に他方の分割線状物6bの上記係止具11' を係止させてあり、レバー操作によって線状物6を緊張させるように構成している。
シート湾曲防止用線状物6の両端フック12、12を係止させる上記環状の係止具11、11は、対向する支柱材1、1の縦溝1aの溝底面に上下方向に一定間隔毎に装着されていて、数条のシート湾曲防止用線状物6、6を上下方向に並列状態に張設可能にしているが、図1に示すように、止水シート2の少なくとも下部に沿って張設しておけばよい。なお、シート湾曲防止用線状物6は、止水シート2の浸水下流側に向けた背面に近接又は接触した張設状態となるように上記係止具11の装着位置を設定している。
上記支柱材1、1の下端間の通路Aの床面上に敷設された敷居部材4の上面に、止水シート2の下端面を圧着させる圧着手段5は、止水シート2の長さ方向に一定間隔毎に並設する長さ方向に伸縮可能なゴム製の弾性ベルト体5aからなる。さらに、この弾性ベルト体5aは長さ調整可能に構成されている。
弾性ベルト体5aの上端部には、止水シート2の上端部に係着脱自在に係止させて弾性ベルト体5aの上端を止水シート2の上端部に取り付けるためのフック体からなる取付用金具14が装着されている。さらに、この弾性ベルト体5aの下端部には上記シート湾曲防止用線状物6に引っ掛けてこのシート湾曲防止用線状物6に係止させるためのフック体からなる連結用金具15が装着されている。なお、このような連結用金具15によることなく、弾性ベルト体5aの下端折り返し部をシート湾曲防止用線状物6に掛け渡してもよい。
このように構成した圧着手段5は、複数本の弾性ベルト体5aを順次、止水シート2の長さ方向に所定間隔毎に並設されて、各弾性ベルト体5aの上端部の取付用金具14を止水シート2の上端部に係止させていると共に弾性ベルト体5aを伸長させてその下端部の連結用金具15を止水シート2の背面下部に沿って張設したシート湾曲防止用線状物6に引っ掛けて連結している。
従って、弾性ベルト体5aの弾性復元力(収縮力)が上記シート湾曲防止用線状物6を支点として止水シート2に下向きの押圧力として作用して、止水シート2の下端部を全長に亘って水密状態に上記発泡シートからなる敷居部材4上に密着させている。
次に、上記のように構成した建物内への浸水防止装置の使用態様を説明すると、大雨等によって建物内に出入口から水が浸入し始めた場合、或いは、浸水する虞れが生じた場合に、建物の出入口に面している建物内の通路Aの両側壁面B、Bに設けられた支柱材1、1の下端間の床面C上に敷居部材4を敷設する。なお、この敷居部材4や上記止水シート2は、不使用時には巻き取られてあり、使用時には図2に示すように、巻き戻しながら展開するように構成されている。
支柱材1、1間の床面C上への敷居部材4の敷設作業に引き続きて止水シート2を展開しながらその両側端部に取付けている側板7、7を支柱材1、1の対向する上記縦溝1a、1a内に挿入し、浸水下流側に向けている縦溝1a、1aの一方の内面1a1 、1a1 に押し付けて密接させる。
この際、側板7に穿設している縦長係止孔8、8・・・を支柱材1の縦溝1aの内面1a1
に突設している突起9、9・・・に係止させ、止水シート2を張った状態に保持すると共に突起9に沿って縦長係止孔8を下方に移動させて止水シート2の下端面を上記敷居部材4の上面に支持させる。なお、止水シート2は多数の縦リブ2aを突設している面を正面側、即ち、浸水上流側に向けた状態にして上記のように両側支柱材1、1の縦溝1a、1a間に張設される。
に突設している突起9、9・・・に係止させ、止水シート2を張った状態に保持すると共に突起9に沿って縦長係止孔8を下方に移動させて止水シート2の下端面を上記敷居部材4の上面に支持させる。なお、止水シート2は多数の縦リブ2aを突設している面を正面側、即ち、浸水上流側に向けた状態にして上記のように両側支柱材1、1の縦溝1a、1a間に張設される。
しかるのち、支柱材1、1の縦溝1a、1a内に上下方向に一定間隔毎に装着しているシート固定手段3を構成した複数個の押圧部材3aを、縦溝1aに沿って伏している状態から止水シート2の側板7に向かって順次起立させることにより、これらの押圧部材3aの頂面3a1
を止水シート2の側板7に押し付け、側板7を縦溝1aの上記内面1a1 に圧着させる。この圧着によって止水シート2の両側端部側からの止水シート2の背面側(浸水下流側)への浸水を阻止することができる。
を止水シート2の側板7に押し付け、側板7を縦溝1aの上記内面1a1 に圧着させる。この圧着によって止水シート2の両側端部側からの止水シート2の背面側(浸水下流側)への浸水を阻止することができる。
さらに、支柱材1、1の縦溝1a、1a間に張設した止水シート2の浸水下流側に面した背面に沿って、シート湾曲防止用線状物6を水平方向に配設し、このシート湾曲防止用線状物6の両端に取り付けているフック12、12 を対向する支柱材1、1の縦溝1a、1aにおける溝底面に装着した環状の係止具11、11に係止させる。この状態にしたチェーンレバーホイス13をレバー操作してシート湾曲防止用線状物6を緊張させ、この緊張力によって止水シート2の背面を受止して、止水シート2が水圧により両側側板7、7を支点として湾曲するのを抑止する。
このシート湾曲防止用線状物6は、複数条、支柱材1の長さ方向(上下方向)に所定間隔毎に張設することができるが、図1に示すように、少なくとも、止水シート2の背面下部に2条のシート湾曲防止用線状物6、6を張設しておくことが望ましい。このようにしておくと、止水シート2が水圧により、上記シート湾曲防止用線状物6、6を支点としてその下端側を浸水上流側に向かって傾動させられた場合、浸水下流側に向けているシート本体2aの下端角部がその傾動により全長に亘って一層強い圧着力でもって敷居部材4に密着し、下流側への浸水を強固に阻止することができる。
次いで、止水シート2の背面側に圧着手段5を構成する複数本の弾性ベルト体5aを、止水シート2の止水シートの長さ方向に一定間隔毎に並設するように装着する。
止水シート2の背面への上記各弾性ベルト体5aの装着は、上述したように、その上端部の取付用金具14を止水シート2の上端部に引っ掛けて係止させたのち、弾性ベルト体5aを垂直下方に引っ張って伸長させながらその下端部の連結金具15を止水シート2の背面下部に沿わせている上記シート湾曲防止用線状物6に係止させることによって行う。
このようにして、建物内の通路Aの両側壁面B、B間に浸水防止装置を短時間(数分以内)で正確に組み立てることができる。さらに、止水シート2の下端面側においても、その下端面が発泡シートからなる敷居部材4を弾性的に窪ませながら全面的に圧着して敷居部材4側からの浸水を阻止することができる。
なお、以上の実施例においては、敷居部材4は発泡樹脂シートによって形成しているが、ゴム製シートやその他のシート状物によって形成しておいてもよい。また、敷居部材4はその下面に、支柱材1、1間の通路Aの床面C上に仮固定する粘着材等を層着しておいてもよく、或いは、その他の固定手段を採用してもよい。
A 通路
B 通路の両側壁面
C 床面
1 支柱材
1a 縦溝
2 止水シート
2a シート本体
2b 補強用縦リブ
3 シート固定手段
3a 押圧部材
4 敷居部材
5 圧着手段
5a 弾性ベルト体
6 シート湾曲防止用線状物
7 側板
10 ヒンジ
11 係止具
12 フック
13 チェーンレバーホイス
14 取付用金具
15 連結用金具
B 通路の両側壁面
C 床面
1 支柱材
1a 縦溝
2 止水シート
2a シート本体
2b 補強用縦リブ
3 シート固定手段
3a 押圧部材
4 敷居部材
5 圧着手段
5a 弾性ベルト体
6 シート湾曲防止用線状物
7 側板
10 ヒンジ
11 係止具
12 フック
13 チェーンレバーホイス
14 取付用金具
15 連結用金具
Claims (10)
- 建物の通路の両側壁面にそれぞれ立設、固定され、対向面に縦溝を設けている支柱材と、両側端部を全長に亘ってこれらの支柱材の上記縦溝内面に密着させて建物の通路を閉鎖する止水シートと、この止水シートの両側端部を支柱材の上記縦溝内面に密着させるシート固定手段と、支柱材の下端間の通路の床面上に敷設されて止水シートの下端面を密着させる敷居部材と、上記対向する支柱材の縦溝間に架設状態に取り付けられて止水シートの浸水下流側に向けた面を受止したシート湾曲防止用線状物と、止水シートの下端面を上記敷居部材に圧着させる圧着手段とを備えてなることを特徴とする建物内への浸水防止装置。
- シート湾曲防止用線状物の両端に、対向する支柱材の溝の内面に装着している係止具に係止させたフックを取り付けていることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
- 対向する支柱材の縦溝の溝底面には係止具が上下方向に一定間隔毎に装着されていて、対向する支柱材の縦溝間に数条のシート湾曲防止用線状物を張設可能に構成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の建物内への浸水防止装置。
- シート湾曲防止用線状物はその長さ方向の中間部から二分されていてその中間部をチェーンレバーホイストによって連結していることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
- シート湾曲防止用線状物はワイヤまたは索条であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうち、いずれか一項に記載の建物内への浸水防止装置。
- 止水シートの両側端部には支柱材の縦溝内面に全長に亘って密着させる帯板状の側板が取付けられてあり、この側板をシート固定手段によって支柱材の縦溝内面に密着させていることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
- シート固定手段は、止水シートの両側端部を密着させる支柱材の縦溝内面に対向する他方の内面に、上下方向に所定間隔毎に押圧部材を起伏自在に枢着させてあり、縦溝からの押圧部材の起立によってその頂面で止水シートの両側端部を支柱材の縦溝内面に押し付けて固定するように構成していることを特徴とする請求項1または請求項6に記載の建物内への浸水防止装置。
- 圧着手段は、止水シートの長さ方向に一定間隔毎に並設する数本の弾性ベルト体からなり、各弾性ベルト体の上端部には上記止水シートの上端部に係脱自在に係止する取付用金具が装着されてあり、下端部はシート湾曲防止用線状物に連結させていて、弾性ベルト体の弾性復元力により止水シートの下端面を敷居部材に圧着させるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
- 止水シートはシート本体と、このシート本体における浸水の上流側に向けた面に、幅方向に一定間隔毎に設けられた補強用縦リブとからなり、隣接する補強用縦リブ間に設けられたシートスキン部から止水シートを湾曲変形可能に形成していることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
- 敷居部材は発泡樹脂シートからなることを特徴とする請求項1に記載の建物内への浸水防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017046756A JP2018150705A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 建物内への浸水防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017046756A JP2018150705A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 建物内への浸水防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018150705A true JP2018150705A (ja) | 2018-09-27 |
Family
ID=63680172
Family Applications (1)
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JP2017046756A Pending JP2018150705A (ja) | 2017-03-10 | 2017-03-10 | 建物内への浸水防止装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2018150705A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019120027A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | 積水化学工業株式会社 | 止水シート及び浸水防止装置 |
KR20200104774A (ko) * | 2019-08-19 | 2020-09-04 | 남은태 | 침수 차단장치 |
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2017
- 2017-03-10 JP JP2017046756A patent/JP2018150705A/ja active Pending
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KR20200104774A (ko) * | 2019-08-19 | 2020-09-04 | 남은태 | 침수 차단장치 |
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