JP2018150616A - 電気アルミニウムめっき液の濾過装置、循環式電気アルミニウムめっき処理方法、アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

電気アルミニウムめっき液の濾過装置、循環式電気アルミニウムめっき処理方法、アルミニウム箔の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸湿性が高く、過度な高粘度化や固化が起こりやすい、電気アルミニウムめっき液に好適であって、時間と手間をかけずにメンテナンスが行え、メンテナンスや突然の停電などの後、時間と手間をかけずにめっき処理を再開することができる濾過装置と、これを利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法を提供する。【解決手段】濾過装置は、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液を濾過するためのフィルタが収容され、かつ、フィルタで濾過されためっき液が大気遮断した状態で下方に落下するように配された濾過槽と、濾過槽から落下しためっき液を大気遮断した状態で回収するための気密性の回収槽とを有し、回収槽が、回収されためっき液を加温するための加温装置を備える構成とする。また、循環式電気アルミニウムめっき処理方法は、この濾過装置を利用した方法とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気アルミニウムめっき液の濾過装置、この濾過装置を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法、および、この循環式電気アルミニウムめっき処理方法を利用したアルミニウム箔の製造方法に関する。
電気アルミニウムめっきによって基材の表面に形成したアルミニウム被膜を基材から剥離することでアルミニウム箔を製造する方法は、圧延法では製造することができない薄さの箔を製造することができるといった利点がある。しかしながら、アルミニウムの標準電極電位は負値(水素発生の電位よりも卑)である。そのため、標準電極電位が正値(水素発生の電位よりも貴)である銅やニッケルなどの他の金属と違って、水溶液からアルミニウムを電析することは不可能である。従って、電気アルミニウムめっきは、非水溶媒を用いためっき液を用いて行われる。
電気アルミニウムめっき液としては、例えば、ジメチルスルホンなどのジアルキルスルホンを非水溶媒として用い、アルミニウム源として塩化アルミニウムなどのハロゲン化アルミニウムを少なくとも含むものが知られている(特許文献1)。こうしためっき液は、吸湿性が高く、また、その中には、融点が室温(例えば30℃)を超えるものがある。そのようなめっき液は、めっき液が大気中の水分を取り込んでしまうと劣化する。さらに、液温の変化によって冷えたり、非水溶媒の蒸発によってめっき液の成分比(組成比)が変化したりすると、めっき液の高粘度化や固化が起こる。従って、そうしためっき液を用いためっき処理は、めっき液が大気中の水分を取り込んで劣化しないように、大気遮断した環境で行う必要がある。また、めっき液の過度な高粘度化や固化が起こることで、めっき処理ができなくなったり、過度に高粘度化あるいは固化しためっき液が配管内などに残留したりしないように、めっき液を常時加温して行う必要がある。
工業的規模で電気めっき処理を行う場合、使用済みのめっき液をめっき浴槽から濾過装置に送液し、濾過して異物などを取り除いた後、再びめっき浴槽に送液して用いる循環式めっき処理が一般的に採用される。こうした循環式めっき処理において、上記のような、吸湿性が高く、かつ、過度な高粘度化や固化が起こりやすい電気アルミニウムめっき液を用いる場合、めっき浴槽内のみならず、濾過装置内や配管内も大気遮断した上で加温し、めっき液が大気中の水分を取り込んで劣化したり、冷えるなどして過度な高粘度化や固化を起こしたりしないようにする必要がある。そのため、通常、このようなめっき液の濾過装置は、クローズドタイプのハウジングの内部にフィルタが収容されたものが循環配管の途中に配置され、フィルタで濾過されためっき液はすぐさま装置内から排出されてめっき浴槽に向かって送液されるため、装置内にめっき液が絶えず存在する。
こうしたクローズドタイプの濾過装置を電気アルミニウムめっき処理に用いた場合、そのメンテナンスを行う際、装置内にめっき液が存在したままの状態で加温を停止すると、装置内で冷えるなどしてめっき液の過度な高粘度化や固化が起こってしまい、メンテナンスが行えない事態を招いてしまうことがある。従って、こうしたクローズドタイプの濾過装置のメンテナンスを行う場合、加温状態を維持したまま、ドレンから装置内のめっき液の排出を行った後、装置を取り外してメンテナンスを行う必要がある。そのため、メンテナンスに時間と手間がかかる上に、装置内から排出して大気暴露された電気アルミニウムめっき液は廃棄せざるを得ない。また、メンテナンスが終了した後に電気アルミニウムめっき処理を再開するためには、メンテナンスを行うことによって大気暴露された濾過装置内の雰囲気を、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスで置換し、その後に送液されてくるめっき液が装置内に残存する大気中の水分を取り込まないようにした後、加温してからめっき液を送液して装置内のガス抜きを行う必要がある(循環経路に不活性ガスが残存するとめっき液を送液するための圧力付与の支障となる)。そのため、電気アルミニウムめっき処理を再開する際も、時間と手間がかかる。さらに、突然の停電などによってめっき液の送液と加温が停止してしまった場合も、濾過装置内で冷えるなどして電気アルミニウムめっき液の過度な高粘度化や固化が起こってしまうため、めっき処理の再開に時間と手間がかかる。
特許第4530111号
そこで本発明は、吸湿性が高く、また、過度な高粘度化や固化が起こりやすい、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液に好適な濾過装置であって、時間と手間をかけずにメンテナンスが行え、また、メンテナンスを行った後や突然の停電などの後、時間と手間をかけずに電気アルミニウムめっき処理を再開することができる濾過装置と、この濾過装置を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置は、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液の濾過装置であって、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液を濾過するためのフィルタが収容され、かつ、前記フィルタで濾過された電気アルミニウムめっき液が大気遮断した状態で下方に落下するように配された濾過槽と、前記濾過槽から落下した電気アルミニウムめっき液を大気遮断した状態で回収するための気密性の回収槽とを有し、前記回収槽が、回収された電気アルミニウムめっき液を加温するための加温装置を備える。
本発明の濾過装置は、前記回収槽が、回収された電気アルミニウムめっき液の液量を検知するための液量検知装置を備えることが好ましい。
本発明の濾過装置は、前記濾過槽が、前記回収槽の内部に配されていることが好ましい。
本発明の濾過装置は、前記濾過槽の前段に、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液を貯蔵するための気密性の貯蔵槽を有し、前記貯蔵槽の内部の気相部分と前記回収槽の内部の気相部分とが、通気可能に接続されていることが好ましい。
上記の本発明の濾過装置を利用した、本発明の循環式電気アルミニウムめっき処理方法は、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む、使用済み電気アルミニウムめっき液を、大気遮断した状態でめっき浴槽から本発明の濾過装置に送液し、濾過した後、濾過済み電気アルミニウムめっき液を大気遮断した状態でめっき浴槽に送液して用いる。
上記の本発明の循環式電気アルミニウムめっき処理方法を利用した、電気アルミニウムめっきによってアルミニウム箔を製造することができる。すなわち、本発明のアルミニウム箔の製造方法は、上記の循環式電気アルミニウムめっき処理方法を用いて循環される、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液の中に陰極となる基材を浸漬し、電気アルミニウムめっきによって前記基材の表面にアルミニウム被膜を形成し、前記アルミニウム被膜を前記基材から剥離することによってアルミニウム箔を形成する。
本発明によれば、吸湿性が高く、また、過度な高粘度化や固化が起こりやすい、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液に好適な濾過装置であって、時間と手間をかけずにメンテナンスが行え、また、メンテナンスを行った後や突然の停電などの後、時間と手間をかけずに電気アルミニウムめっき処理を再開することができる濾過装置、この濾過装置を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法、および、この循環式電気アルミニウムめっき処理方法を利用したアルミニウム箔の製造方法を提供することができる。
本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置の一例の模式的な概略図である(濾過槽が回収槽の内部に配されている装置)。 本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置の別の一例の模式的な概略図である(濾過槽が回収槽の外部に配されている装置)。 本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置のさらに別の一例の模式的な概略図である(濾過後のめっき液が貯蔵槽に送液される装置)。
以下、電気アルミニウムめっきによるアルミニウム箔の製造方法に適用することができる、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置について、幾つかの実施形態を具体的に挙げて、図面に基づいて説明する。こうした濾過装置を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法については、吸湿性が高く、また、過度な高粘度化や固化が起こりやすい、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液を濾過するために用いる場合を想定して説明する。なお、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置は、以下の記載に限定して解釈されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置の一例の模式的な概略図である。図1に示す濾過装置1は、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液(以下、単に「めっき液」という。)を濾過するためのフィルタ2が収容され、かつ、フィルタ2で濾過されためっき液が大気遮断した状態で下方に落下するように配された濾過槽3と、濾過槽3から落下しためっき液を大気遮断した状態で回収するための気密性の回収槽4とを有し、回収槽4が、回収されためっき液を加温するための加温装置5を備える。
フィルタ2は、例えば、ガラス繊維素材からなる円筒形の糸巻タイプのもの(所謂「糸巻フィルタ」)であってよく、こうしたフィルタ2を1個ないし複数個収容した濾過槽3は、フィルタ2で濾過されためっき液が大気遮断した状態で下方に落下するように、気密性の回収槽4の内部に配されている。なお、フィルタ2は、ガラス繊維素材からなるシートを積層した積層フィルタや、活性炭などの吸着性素材を充填したフィルタなどであってもよい。濾過槽3に送液されてきためっき液は、フィルタ2で濾過された後、濾過槽3から落下するので、濾過槽3の内部に貯留しない。よって、濾過槽3の内部でめっき液が冷えて固化するといったことがない。フィルタ2で濾過されためっき液は、濾過槽3から重力によって自然に落下させてもよいし、送液ポンプの送液圧力(濾過槽3の前段にあるポンプPの押し出し圧力や回収槽4の後段にあるポンプPの引き抜き圧力)を利用して強制的に落下させてもよい。
濾過槽3から落下しためっき液は、大気遮断された状態で回収され、気密性の回収槽4の内部へ貯留される。回収槽4は、回収されためっき液の液量を検知するための液量検知装置を備えている。液量検知装置は、送液ポンプの送液量(濾過槽3の前段にあるポンプPの吐出量や回収槽4の後段にあるポンプPの吐出量)、回収槽4の重量、あるいは回収槽4内の液面位置(液面高さ)などを用いて得られる検知情報に基づいて液量を求めることにより、構成することができる。回収槽4内の液面位置を検知する液面検知装置を用いて液量検知装置を構成するのが好ましく、比較的簡素かつコンパクトな装置構成で高精度な液量管理を行うことができる。
例えば、回収槽4内に貯留するめっき液を所定の範囲の液量に制御したい場合は、液量が最小となる液面の低位置(液量の下限値)および液量が最大となる液面の高位置(液量の上限値)を検知するように構成しておき、液面の低位置の検知によって濾過槽3の前段にあるポンプPを起動して送液を行い、液面の高位置の検知によって回収槽4の後段にあるポンプPを起動して送液を行うように制御すればよい。また、回収槽4内の液面の低位置を検知してから高位置を検知するまでに要する時間(貯留所要時間)を求めることにより、フィルタ2を通過して回収槽4に回収されるめっき液の液量を知ることができる。フィルタ2が目詰まりなどで劣化すると貯留所要時間が長くなるので、この貯留所要時間の監視を行うことでフィルタ2のメンテナンスの時期を容易に予測することができる。従って、こうした液面検知などによる液量検知装置を有する濾過装置の構成は、電気アルミニウムめっき液を濾過するフィルタの簡易な管理方法を提供することができる点においても都合がよい。
濾過装置1は、濾過槽3が気密性の回収槽4の内部に配されているので、濾過槽3から落下しためっき液を大気遮断した状態で回収槽4に容易に回収することができる。回収槽4は、回収されためっき液を加温するための加温装置5を備えている。加温装置5は、回収槽4の外側の側面や底面に、例えばヒータ線などを貼付したり巻回したりすることにより構成することができる。従って、回収槽4に回収された濾過済みのめっき液は、加温装置5によってその融点を超える温度に加温され、回収槽4の内部で大気中の水分を取り込んで劣化し難くなり、また、冷えて過度な高粘度化や固化が起こり難くなり、めっき浴槽への送液が容易になる。
濾過装置1は、濾過槽3の前段に、大気遮断した状態で送液されてきためっき液を貯蔵するための気密性の貯蔵槽6を有し、貯蔵槽6の内部の気相部分と回収槽4の内部の気相部分とが、橋渡しパイプ7によって通気可能に接続されている。こうした構成を採用することは好ましく、回収槽4に回収されためっき液の増減によって回収槽4の内部の気相圧力が変動することを防ぐことができる。従って、回収槽4の内部のめっき液が少なくなっても、橋渡しパイプ7の存在によって気相が負圧状態にならないので、回収槽4の内部に大気が侵入することを防ぐことができる。よって、回収槽4に回収されためっき液が大気中の水分を取り込んで劣化することがない。また、めっき液が水分を取り込むことで、回収槽4の内部でハロゲン化水素ガスが発生した場合、回収槽4に回収されためっき液が多くなって気相が加圧状態になると、ハロゲン化水素ガスが回収槽4から大気に放出されてしまう。しかしながら、橋渡しパイプ7の存在によってこうした事態を防ぐことができる。貯蔵槽6は、貯蔵槽6に貯蔵されるめっき液が冷えて過度な高粘度化や固化が起こり難くなるように、その外側の側面や底面に、例えばヒータ線などを貼付したり巻回したりすることにより、加温装置8を備えていることが好ましい。
回収槽4は、3つのバルブ9−1、9−2、9−3によって循環配管から隔離することができる。例えば濾過槽3のメンテナンスを行う場合、回収槽4に回収されためっき液を回収槽4から排出した後、回収槽4の加温を停止し、回収槽4を循環配管から隔離してから、濾過槽3を取り出して行うことができる。この場合、濾過槽3の内部にめっき液が貯留していないので、そのメンテナンスに時間と手間はかからない。また、濾過槽3のメンテナンスを行うにあたって、大気暴露されてしまうことで廃棄せざるを得ないめっき液は生じない。めっき処理を再開する際は、図略の経路を用いて、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを濾過槽3と回収槽4に導入し、大気暴露されたそれぞれの槽内の雰囲気を不活性ガスで置換した後、バルブ9−1を開いて回収槽4の循環配管からの隔離状態を解除し、濾過槽3にめっき液を送液することで再開することができる。よって、めっき処理の再開に時間と手間はかからない。突然の停電などによってめっき液の送液が停止してしまった場合も、濾過槽3の内部にめっき液が貯留していないので、めっき液の送液を再開するだけでめっき処理を再開することができる。
図1に示す濾過装置1が有する濾過槽3は、気密性の回収槽4の内部に配されているので、気密性である必要はないが、濾過槽3は気密性を有していてもよい。
図1に示す濾過装置1においては、配管に加温装置を図示していないが、配管の外側の側面に、例えばヒータ線などを貼付したり巻回したりすることで、配管内でめっき液が冷えて過度な高粘度化や固化が起こり難くなるようにめっき液を加温することが好ましい。
図1に示す濾過装置1を利用した、循環式電気アルミニウムめっき処理方法において、電気アルミニウムめっき処理を行うための循環配管には、めっき液タンクや廃液タンクなどを、所定の箇所に配置してもよい。
図1に示す濾過装置1を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法は、電気アルミニウムめっきによるアルミニウム箔の製造に利用することができる。具体的には、上述した循環式電気アルミニウムめっき処理方法を用いて循環される、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液の中に陰極となる基材を浸漬し、電気アルミニウムめっきによって基材の表面にアルミニウム被膜を形成し、形成されたアルミニウム被膜を基材の表面から剥離することによってアルミニウム箔を形成することができる。この場合、陰極となる基材として、円柱形状の外周面を有するチタン製またはチタン合金製のドラム部材(陰極ドラム)を用いることができる。
例えば、陰極ドラムの外周面の一部分と、これに対向するように配置した陽極部材とを、上述した電気アルミニウムめっき液の中に浸漬した状態で陰極ドラムと陽極部材の間に通電することにより、陰極ドラムの外周面の一部分にアルミニウム被膜を形成することができる。所定の厚さまで成長させたアルミニウム被膜は、陰極ドラムを回転しながら剥離することができる。こうして剥離されたアルミニウム被膜は、所定の厚さを有するアルミニウム箔となる。陰極ドラムの回転および通電を継続すると、陰極ドラムの外周面にアルミニウム被膜が継続して形成されるので、アルミニウム被膜を陰極ドラムの外周面から継続して剥離することにより、アルミニウム箔を継続して形成することができる。
(第2実施形態)
図2は、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置の別の一例の模式的な概略図である。図2に示す濾過装置11は、図1に示す濾過装置1と異なって、気密性を有する濾過槽13が、回収槽14の外部に配されている。その他の構成は図1に示す濾過装置1と同じである。濾過装置11において、回収槽14は回収された電気アルミニウムめっき液の液量を検知するための液量検知装置を備え、濾過槽13の前段には気密性の貯蔵槽6を有し、貯蔵槽6の内部の気相部分と回収槽14の内部の気相部分とが通気可能に接続されている。回収槽14の外部に配されている濾過槽13は、内部で電気アルミニウムめっき液が冷えて過度な高粘度化や固化が起こることを防ぐため、加温装置15を備えることが好ましい。加温装置15は、回収槽14の外側の側面や底面に、例えばヒータ線などを貼付したり巻回したりすることにより、構成することができる。
図2に示す濾過装置11を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法は、電気アルミニウムめっきによるアルミニウム箔の製造に利用することができる。
(第3実施形態)
図3は、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置のさらに別の一例の模式的な概略図である。図3に示す濾過装置21は、図1に示す濾過装置1と異なって、濾過後の電気アルミニウムめっき液が、貯蔵槽16に送液される。その他の構成は図1に示す濾過装置1と同じである。濾過装置21において、回収槽4は回収された電気アルミニウムめっき液の液量を検知するための液量検知装置を備え、濾過槽3の前段には気密性の貯蔵槽16を有し、貯蔵槽16の内部の気相部分と回収槽4の内部の気相部分とが通気可能に接続されている。図3に示す濾過装置21は、濾過槽3および回収槽4が直接的にめっき浴槽に繋がっていない。そのため、3つのバルブ9−1、9−2、9−3により、濾過槽3および回収槽4を循環配管から隔離することができる。従って、例えば濾過槽3のメンテナンスを、電気アルミニウムめっき処理を中断することなく行うことができる点において都合がよい。
図3に示す濾過装置21を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法は、電気アルミニウムめっきによるアルミニウム箔の製造に利用することができる。
本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置は、吸湿性が高く、かつ、融点が室温(例えば30℃)を超えるめっき液の濾過装置として好適であるが、濾過対象となる電気アルミニウムめっき液は、こうした電気アルミニウムめっき液のみに限定されるわけではない。非水溶媒を用いる電気アルミニウムめっき液は、融点が室温程度であっても成分比(組成比)が変化すると過度な高粘度化や固化が起こりやすいため、濾過装置のフィルタの内部でめっき液の高粘度化や固化が起こることにより、メンテナンスに時間と手間を要することがある。こうした電気アルミニウムめっき液を濾過する際にも、本発明の電気アルミニウムめっき液の濾過装置を用いれば、めっき液がフィルタの内部で高粘度化や固化を起こし難くなるので、メンテナンスに時間と手間を要するといったことがない。
本発明は、吸湿性が高く、また、過度な高粘度化や固化が起こりやすい、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液に好適な濾過装置であって、時間と手間をかけずにメンテナンスが行え、また、メンテナンスを行った後や突然の停電などの後、時間と手間をかけずに電気アルミニウムめっき処理を再開することができる濾過装置、この濾過装置を利用した循環式電気アルミニウムめっき処理方法、および、この循環式電気アルミニウムめっき処理方法を利用したアルミニウム箔の製造方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
1.濾過装置
2.フィルタ
3.濾過槽
4.回収槽
5.加温装置
6.貯蔵槽
7.橋渡しパイプ
8.加温装置
9−1、9−2、9−3.バルブ
11.濾過装置
13.濾過槽
14.回収槽
15.加温装置
16.貯蔵槽
21.濾過装置
P.ポンプ

Claims (6)

  1. ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液の濾過装置であって、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液を濾過するためのフィルタが収容され、かつ、前記フィルタで濾過された電気アルミニウムめっき液が大気遮断した状態で下方に落下するように配された濾過槽と、前記濾過槽から落下した電気アルミニウムめっき液を大気遮断した状態で回収するための気密性の回収槽とを有し、前記回収槽が、回収された電気アルミニウムめっき液を加温するための加温装置を備える、濾過装置。
  2. 前記回収槽が、回収された電気アルミニウムめっき液の液量を検知するための液量検知装置を備える、請求項1に記載の濾過装置。
  3. 前記濾過槽が、前記回収槽の内部に配されている、請求項1または2に記載の濾過装置。
  4. 前記濾過槽の前段に、大気遮断した状態で送液されてきた電気アルミニウムめっき液を貯蔵するための気密性の貯蔵槽を有し、前記貯蔵槽の内部の気相部分と前記回収槽の内部の気相部分とが、通気可能に接続されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の濾過装置。
  5. ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む、使用済み電気アルミニウムめっき液を、大気遮断した状態でめっき浴槽から請求項1乃至4のいずれか1項に記載の濾過装置に送液し、濾過した後、濾過済み電気アルミニウムめっき液を大気遮断した状態でめっき浴槽に送液して用いる、循環式電気アルミニウムめっき処理方法。
  6. 請求項5に記載の循環式電気アルミニウムめっき処理方法を用いて循環される、ジアルキルスルホンとハロゲン化アルミニウムを少なくとも含む電気アルミニウムめっき液の中に陰極となる基材を浸漬し、電気アルミニウムめっきによって前記基材の表面にアルミニウム被膜を形成し、前記アルミニウム被膜を前記基材から剥離することによってアルミニウム箔を形成する、アルミニウム箔の製造方法。
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