JP2018150274A - アルコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発酵効率を向上させた場合に、濃縮工程における精製処理能力不足を改善する。【解決手段】アルコール発酵原料を粉砕する粉砕工程、粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を発酵させ、水−アルコール混合液を得る発酵工程、該水−アルコール混合液を蒸留塔に導入して濃縮する濃縮工程、及び前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して、混合液中の水とアルコールとを分離する分離工程を有し、前記分離工程で得られた膜透過液を、前記発酵工程及び/又は濃縮工程に供給する、アルコールの製造方法。【選択図】図3
Description
本発明はアルコールを製造する方法に関し、特に発酵によりアルコールを製造する方法に関する。
近年、アルコール発酵を用いたアルコールの製造方法が提案されており、この方法に用いられるアルコール発酵原料として、糖質原料、芋類、でんぷん質原料、繊維質原料などが用いられる。
米国では、とうもろこしが最も一般的なアルコール発酵原料として用いられており、また、多数のとうもろこしエタノールプラントが存在する。
米国では、とうもろこしが最も一般的なアルコール発酵原料として用いられており、また、多数のとうもろこしエタノールプラントが存在する。
アルコール発酵を用いたアルコールの製造方法では、その製造効率を向上させるため様々な提案がされている。
例えば特許文献1には、でんぷん含有バイオマスまたはセルロース含有バイオマスをバイオ燃料に転換する方法であって、コロイドミル又は他の高せん断ミル/混合機を用いてバイオマスの繊維径を小さくし、さらに酵素処理を行うことで発酵効率を向上させ、アルコール変換を効率化する技術が開示されている。
例えば特許文献1には、でんぷん含有バイオマスまたはセルロース含有バイオマスをバイオ燃料に転換する方法であって、コロイドミル又は他の高せん断ミル/混合機を用いてバイオマスの繊維径を小さくし、さらに酵素処理を行うことで発酵効率を向上させ、アルコール変換を効率化する技術が開示されている。
上記特許文献1の方法によることで、確かにバイオマスからアルコールへの変換効率は向上する。しかしながら、アルコールへの変換効率が向上した場合であっても、その後の濃縮工程における処理能力が足りない場合には、当然ながらプロダクツとしてのアルコールの製造能力は向上しない。
実際に、既存のバイオアルコール製造プラントにおいて、発酵工程の前段階で、特許文献1に開示のコロイドミルを用いて原料を粉砕し、酵素処理を行って発酵効率を向上させると、その下流の濃縮工程が律速となり、プロセス全体としての製造能力が向上しない場合があった。本発明は、このように発酵効率を向上させた場合であっても、依然として存在する濃縮工程における処理能力不足を解決することを課題とする。
実際に、既存のバイオアルコール製造プラントにおいて、発酵工程の前段階で、特許文献1に開示のコロイドミルを用いて原料を粉砕し、酵素処理を行って発酵効率を向上させると、その下流の濃縮工程が律速となり、プロセス全体としての製造能力が向上しない場合があった。本発明は、このように発酵効率を向上させた場合であっても、依然として存在する濃縮工程における処理能力不足を解決することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルコールを濃縮する蒸留塔による濃縮工程後に、膜分離装置により分離工程を有し、かつ、該分離工程で得られた膜透過液を発酵工程及び/又は濃縮工程に供給することで、アルコールの製造効率を向上させ、且つ、プロセス全体としてエネルギー効率が改善することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の概要は、以下のとおりである。
[1]アルコール発酵原料を粉砕する粉砕工程、
粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を発酵させ、水−アルコール混合液を得る発酵工程、
該水−アルコール混合液を蒸留塔に導入して濃縮する濃縮工程、及び
前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して、混合液中の水とア
ルコールとを分離する分離工程を有し、
前記分離工程で得られた膜透過液を、前記発酵工程及び/又は濃縮工程に供給する、アルコールの製造方法。
[2]前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を吸着塔に導入し、混合液中の水を除去する吸着工程、を更に有し、該吸着塔から脱着した水−アルコール混合液を前記分離工程に導入する、[1]に記載のアルコールの製造方法。
[3]前記粉砕工程により粉砕したアルコール発酵原料を酵素処理する酵素処理工程、を更に有する、[1]又は[2]に記載のアルコールの製造方法。
[4]前記膜分離装置は、無機多孔質支持体表面にゼオライト膜を備えた、無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[5]前記アルコールがエタノールである、[1]〜[4]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[1]アルコール発酵原料を粉砕する粉砕工程、
粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を発酵させ、水−アルコール混合液を得る発酵工程、
該水−アルコール混合液を蒸留塔に導入して濃縮する濃縮工程、及び
前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して、混合液中の水とア
ルコールとを分離する分離工程を有し、
前記分離工程で得られた膜透過液を、前記発酵工程及び/又は濃縮工程に供給する、アルコールの製造方法。
[2]前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を吸着塔に導入し、混合液中の水を除去する吸着工程、を更に有し、該吸着塔から脱着した水−アルコール混合液を前記分離工程に導入する、[1]に記載のアルコールの製造方法。
[3]前記粉砕工程により粉砕したアルコール発酵原料を酵素処理する酵素処理工程、を更に有する、[1]又は[2]に記載のアルコールの製造方法。
[4]前記膜分離装置は、無機多孔質支持体表面にゼオライト膜を備えた、無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を有する、[1]〜[3]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
[5]前記アルコールがエタノールである、[1]〜[4]のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
本発明により、アルコール発酵効率が向上した場合であっても濃縮工程における処理能力不足を補うとともに、プロセス全体として省エネルギーを達成した、アルコールの製造方法を提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明は具体的な実施態様にのみ限定されない。
本発明の実施形態に係るアルコールの製造方法は、アルコール発酵原料を粉砕する粉砕工程、粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を発酵させ、水−アルコール混合液を得る発酵工程、該水−アルコール混合液を蒸留塔に導入して濃縮する濃縮工程、及び前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して、混合液中の水とアルコールとを分離する分離工程を有する。そして、前記分離工程で得られた膜透過液を、前記発酵工程及び/又は濃縮工程に供給する。
製造されるアルコールとしては、工業的に量産される低級アルコールが好ましくあげられ、具体的にはメタノール、エタノール及びこれらの混合物が例示される。
製造されるアルコールとしては、工業的に量産される低級アルコールが好ましくあげられ、具体的にはメタノール、エタノール及びこれらの混合物が例示される。
本実施形態において粉砕工程は、原料を発酵させやすいように粉砕する工程である。
用いられる原料は、セルロースを含む原料であり、サトウキビ、テンサイなどの糖質原料;サツマイモ、ジャガイモなどの芋類、トウモロコシ、麦、米などの穀類などのでんぷん質原料;古紙や建築廃材などの繊維質原料;などがあげられる。
用いられる原料は、セルロースを含む原料であり、サトウキビ、テンサイなどの糖質原料;サツマイモ、ジャガイモなどの芋類、トウモロコシ、麦、米などの穀類などのでんぷん質原料;古紙や建築廃材などの繊維質原料;などがあげられる。
粉砕工程では、原料を粉砕できる各種粉砕機、混合機が用いられ、発酵させやすいように原料サイズを均一に小さくすることができる。典型的には、高い剪断力を有するコロイドミルが用いられるが、これに限られない。
尚、コロイドミルを用いる場合、コロイドミルの径のギャップは0.104mmから0.718mmの間にセットすることが好ましい。
粉砕された原料は、例えば80%以上、85%以上、90%以上、95%以上の粒子が100μm以上1000μm以下の粒子径であってよく、100μm以上800μm以下の粒子径であってよく、100μm以上500μm以下の粒子径であってよい。
粉砕時間は特に限定されず、例えば、原料が上記粒子径になるよう適宜調整すればよい。
尚、コロイドミルを用いる場合、コロイドミルの径のギャップは0.104mmから0.718mmの間にセットすることが好ましい。
粉砕された原料は、例えば80%以上、85%以上、90%以上、95%以上の粒子が100μm以上1000μm以下の粒子径であってよく、100μm以上800μm以下の粒子径であってよく、100μm以上500μm以下の粒子径であってよい。
粉砕時間は特に限定されず、例えば、原料が上記粒子径になるよう適宜調整すればよい。
粉砕工程で粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料は、必要に応じて酵素処理工程により酵素処理されてもよい。酵素処理により発酵効率を改善できる。
酵素処理に用いられる酵素はセルラーゼであり、具体例としては、エンドグルカナーゼ、エンド−1,4−β−グルカナーゼ、カルボキシメチルセルラーゼ、エンド−1,4−β−D−グルカナーゼ、β−1,4−グルカナーゼ、β−1,4−エンドグルカンハイドロラーゼ、セルデクストリナーゼ及びアビセラーゼなどがあげられる。
酵素処理に用いられる酵素はセルラーゼであり、具体例としては、エンドグルカナーゼ、エンド−1,4−β−グルカナーゼ、カルボキシメチルセルラーゼ、エンド−1,4−β−D−グルカナーゼ、β−1,4−グルカナーゼ、β−1,4−エンドグルカンハイドロラーゼ、セルデクストリナーゼ及びアビセラーゼなどがあげられる。
酵素処理の処理環境は、用いる酵素により適宜設定され、例えば30℃以上55℃以下の温度環境下、24時間以上72時間以内で処理されてもよい。
発酵工程は、粉砕工程で粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を、発酵菌などの微生物によってアルコール発酵する工程であり、アルコール発酵によって、水−アルコール混合液が得られる。
発酵菌としてはグルコース及びグルコースの2量体、多量体のいずれか1以上を炭素源としてアルコール発酵を行う微生物であれば特に限定されず、一例として酵母菌やザイモモナスがあげられる。
発酵菌としてはグルコース及びグルコースの2量体、多量体のいずれか1以上を炭素源としてアルコール発酵を行う微生物であれば特に限定されず、一例として酵母菌やザイモモナスがあげられる。
発酵工程で得られる水−アルコール混合液のアルコール濃度は、通常1質量%以上、20質量%以下であり、後述する濃縮工程を得てアルコール濃度が高められる。
なお、発酵工程で得られる水−アルコール混合液のアルコール濃度が低い場合には、濃縮工程に先立って水−アルコール混合液をもろみ塔などの予備蒸留塔に供給し、アルコール濃度を高めてもよい。エネルギー消費量を少なくする観点から、予備蒸留塔においてアルコール濃度を通常30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上まで濃縮されることが好ましい。上限は特に制限されないが、通常70質量%未満、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。アルコール濃度が上記範囲であると、還流がほとんど必要なく、また、蒸発させる水の量も少ない。
また、必要に応じて不要物や溶液中の高分子量成分を取り除く精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過などのろ過や中和処理を単独で、又は組み合わせて行ってもよい。
なお、発酵工程で得られる水−アルコール混合液のアルコール濃度が低い場合には、濃縮工程に先立って水−アルコール混合液をもろみ塔などの予備蒸留塔に供給し、アルコール濃度を高めてもよい。エネルギー消費量を少なくする観点から、予備蒸留塔においてアルコール濃度を通常30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上まで濃縮されることが好ましい。上限は特に制限されないが、通常70質量%未満、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。アルコール濃度が上記範囲であると、還流がほとんど必要なく、また、蒸発させる水の量も少ない。
また、必要に応じて不要物や溶液中の高分子量成分を取り除く精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過などのろ過や中和処理を単独で、又は組み合わせて行ってもよい。
本実施形態において濃縮工程は、水−アルコール混合液のアルコール濃度を高める工程であり、発酵工程で得られた水−アルコール混合液を蒸留塔に導入し、アルコール濃度を高める。蒸留塔によって蒸留された留出物、例えば蒸留塔の塔頂留出物は、アルコール濃度が通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、通常98質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。アルコール濃度が上限以下であることにより、蒸留塔の負荷を減らし、プロセス全体のエネルギー効率を向上させる傾向にある。また、アルコール濃度が下限以上であることにより、水濃度が高すぎず、吸着材の充填量が増加することなく、吸着設備が大型化し設備面コストが増加する恐れが回避できる。そのため、吸着装置の吸着剤の再生頻度を抑えられ、運転コストも抑制できる傾向にある。
蒸留塔は、サイドストリッパを備えていてもよく、サイドストリッパを備えることで蒸留塔の途中の段のうち1か所乃至は数か所から水−アルコール混合物の抜き出しをし、精製を行うことができる。
蒸留塔は、サイドストリッパを備えていてもよく、サイドストリッパを備えることで蒸留塔の途中の段のうち1か所乃至は数か所から水−アルコール混合物の抜き出しをし、精製を行うことができる。
本実施形態において分離工程は、濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して混合液中の水とアルコールを分離する工程である。
濃縮工程を経た水−アルコール混合液をそのまま分離装置に導入してもよく、また、濃縮工程を経た水−アルコール混合液を吸着装置に導入し、混合液中の水を除去する吸着工程を経てから分離装置に導入してもよい。
濃縮工程を経た水−アルコール混合液をそのまま分離装置に導入してもよく、また、濃縮工程を経た水−アルコール混合液を吸着装置に導入し、混合液中の水を除去する吸着工程を経てから分離装置に導入してもよい。
吸着工程で用いられる吸着塔は、圧力スイング吸着(PSA)によるもの、温度スイング吸着(TSA)によるもの、両者を組み合わせた圧力温度スイング吸着(PTSA)のいずれであってもよい。
PSAは、圧力を高くすることにより水などを吸着剤に吸着させ、圧力を低くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。一方、TSAは、水などを吸着剤に吸着させ、加熱ガス(窒素など)を供給して温度を高くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。
PSA、TSA、PTSAは、装置構成が比較的簡単であるために広く使用されており、吸着剤としては、脱水能力が高いことから合成ゼオライトである「モレキュラシーブ」が好適に使用される。
PSAは、圧力を高くすることにより水などを吸着剤に吸着させ、圧力を低くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。一方、TSAは、水などを吸着剤に吸着させ、加熱ガス(窒素など)を供給して温度を高くすることにより吸着剤から水などを脱着させる機能を備えている。
PSA、TSA、PTSAは、装置構成が比較的簡単であるために広く使用されており、吸着剤としては、脱水能力が高いことから合成ゼオライトである「モレキュラシーブ」が好適に使用される。
吸着塔に導入される水−アルコール混合物中のアルコール濃度は、特に限定されるものではないが、例えば、通常95質量%以下、好ましくは92質量%以下であり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。アルコール濃度が上限以下であることにより、前段の蒸留塔などの負荷が少なく、全体のエネルギー効率が向上する傾向にある。アルコール濃度が下限以上であることにより、水濃度が高すぎず、吸着材の充填量が増加することなく、吸着設備が大型化し設備面コストが増加する恐れが回避できる。そのため、吸着装置の吸着剤の再生頻度を抑えられ、運転コストも抑制できる傾向にある。
本実施形態では、分離工程で得られた膜透過液の少なくとも一部を、前述の発酵工程、及び/又濃縮工程に供給する。分離工程において膜分離装置を経た膜透過液は未だアルコールを含有するものであり、該アルコールを回収すべく発酵工程、及び/又は蒸留塔に供給して再利用する。
本実施形態において分離工程は、パーベーパレーション(PV)法またはベーパーパーミエーション(VP)法が採用されるが、エネルギー効率の点からパーベーパレーション(PV)法を採用することがより好ましい。
PV法は、分離膜に液体を接触させて水を透過させる。すなわち、この方式は、透過気化法または浸透気化法とも呼ばれ、混合物(供給液)を分離膜を介して蒸発させ、その際、水のみを透過させることにより、アルコールを分離して濃縮する。供給液は気化熱で冷却されるため、それを補うための加熱手段が必要となる。
PV法は、分離膜に液体を接触させて水を透過させる。すなわち、この方式は、透過気化法または浸透気化法とも呼ばれ、混合物(供給液)を分離膜を介して蒸発させ、その際、水のみを透過させることにより、アルコールを分離して濃縮する。供給液は気化熱で冷却されるため、それを補うための加熱手段が必要となる。
分離工程において膜分離装置に導入することにより得られたアルコールは、その濃度が十分に高い場合にはそのままプロダクツ(製品)とすることも可能であり、また、濃度が十分高くない場合には、再度吸着工程又は、分離工程に戻すこともできる。
なお、膜分離装置における水の透過流束は0.1kg/(m2・h)以上であることが好ましく、さらに好ましくは2.0kg/(m2・h)以上、より好ましくは5.0kg/(m2・h)以上である。水の透過流束が上記範囲であることにより、膜分離装置からそのままプロダクツを得る場合は、その生産効率を高めることになり、膜分離装置から吸着装置に戻す場合においては、吸着装置のエネルギー効率を高めることになる。また、透過流束の値が大きい場合、膜分離装置における所望の濃縮量および濃縮速度を保ったまま、分離膜面積を減らす設計をすることも可能であり、装置のコンパクト化も可能となる。
なお、膜分離装置における水の透過流束は0.1kg/(m2・h)以上であることが好ましく、さらに好ましくは2.0kg/(m2・h)以上、より好ましくは5.0kg/(m2・h)以上である。水の透過流束が上記範囲であることにより、膜分離装置からそのままプロダクツを得る場合は、その生産効率を高めることになり、膜分離装置から吸着装置に戻す場合においては、吸着装置のエネルギー効率を高めることになる。また、透過流束の値が大きい場合、膜分離装置における所望の濃縮量および濃縮速度を保ったまま、分離膜面積を減らす設計をすることも可能であり、装置のコンパクト化も可能となる。
膜分離装置は分離膜を有するものであればよく、該分離膜は通常脱水機能を有する分離膜であり、例えば、ポリイミド膜などの高分子膜、ゼオライト膜などが挙げられ、その形状も特定されるものではなく、平板状、管状、ハニカム状、モノリス、中空糸状のいずれであってもよい。
分離膜の一例としてゼオライト膜について詳細に説明する。
ゼオライト膜としては、多孔質支持体上に形成された多孔質支持体−ゼオライト膜複合体(以下、ゼオライト膜複合体という)を用いることが好ましい。
多孔質支持体としては、表面にゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化できるような化学的安定性があり、多孔質であれば特に制限されるものではない。なかでも無機多孔質支持体が好ましく、たとえば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。
ゼオライト膜としては、多孔質支持体上に形成された多孔質支持体−ゼオライト膜複合体(以下、ゼオライト膜複合体という)を用いることが好ましい。
多孔質支持体としては、表面にゼオライトを膜状に固着、好ましくは結晶化できるような化学的安定性があり、多孔質であれば特に制限されるものではない。なかでも無機多孔質支持体が好ましく、たとえば、シリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などのセラミックス焼結体、鉄、ブロンズ、ステンレス等の焼結金属や、ガラス、カーボン成型体などが挙げられる。
無機多孔質支持体の中でも、基本的成分あるいはその大部分が無機の非金属物質から構成されている固体材料であるセラミックスを焼結したもの(セラミックス支持体)を含む多孔質の支持体は、その一部がゼオライト膜合成中にゼオライト化することで界面の密着性を高める効果があるために特に好ましい。
具体的にはシリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などを含むセラミックス焼結体(セラミックス支持体)があげられる。その中でもアルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む多孔質支持体は、多孔質支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、多孔質支持体とゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなる点でより好ましい。
ゼオライト膜複合体は支持体を有することによって機械的な強度が増し、取り扱いが容易になり、種々の装置設計が可能であるほか、無機多孔質支持体である場合には無機物で構成されるため、耐熱性、耐薬品性に優れる。
具体的にはシリカ、α−アルミナ、γ−アルミナ、ムライト、ジルコニア、チタニア、イットリア、窒化珪素、炭化珪素などを含むセラミックス焼結体(セラミックス支持体)があげられる。その中でもアルミナ、シリカ、ムライトのうち少なくとも1種を含む多孔質支持体は、多孔質支持体の部分的なゼオライト化が容易であるため、多孔質支持体とゼオライトの結合が強固になり緻密で分離性能の高い膜が形成されやすくなる点でより好ましい。
ゼオライト膜複合体は支持体を有することによって機械的な強度が増し、取り扱いが容易になり、種々の装置設計が可能であるほか、無機多孔質支持体である場合には無機物で構成されるため、耐熱性、耐薬品性に優れる。
多孔質支持体の形状は、液体または気体の混合物を有効に分離できるものであれば制限されるものではなく、具体的には平板状、管状のもの、または円筒状、円柱状や角柱状の孔が多数存在するハニカム状のものやモノリスなどが挙げられ、いずれの形状のものでもよい。
多孔質支持体は、その表面(以下「多孔質支持体表面」ともいう。)においてゼオライトを結晶化させることが好ましい。
多孔質支持体は、その表面(以下「多孔質支持体表面」ともいう。)においてゼオライトを結晶化させることが好ましい。
前記多孔質支持体表面が有する平均細孔径は特に制限されるものではないが、細孔径が制御されているものが好ましく、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、特に好ましくは0.5μm以上であり、通常20μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下の範囲が好ましい。
平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になることがあり、支持体表面の細孔の割合が増えて緻密なゼオライト膜が形成されにくくなることがある。
平均細孔径が小さすぎると透過量が小さくなる傾向があり、大きすぎると支持体自体の強度が不十分になることがあり、支持体表面の細孔の割合が増えて緻密なゼオライト膜が形成されにくくなることがある。
多孔質支持体の平均厚さ(肉厚)は、通常0.1mm以上、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上、特に好ましくは0.7mm以上であり、通常7mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。
支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体の平均厚さが薄すぎると多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が十分な強度を持たず多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなり実用上問題が生じる傾向がある。支持体の平均厚さが厚すぎると透過した物質の拡散が悪くなり透過流束が低くなる傾向がある。
支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体の平均厚さが薄すぎると多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が十分な強度を持たず多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなり実用上問題が生じる傾向がある。支持体の平均厚さが厚すぎると透過した物質の拡散が悪くなり透過流束が低くなる傾向がある。
多孔質支持体が円筒管である場合、円筒管の外径は通常3mm以上、好ましくは5.5mm以上、より好ましくは9.5mm以上、特に好ましくは11mm以上であり、通常51mm以下、好ましくは31mm以下、より好ましくは21mm以下、さらに好ましくは17mm以下、特に好ましくは15mm以下である。
支持体はゼオライト膜に機械的強度を与える目的で使用しているが、支持体が円筒管の場合、その外径が小さすぎると多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が十分な強度を持たず多孔質支持体−ゼオライト膜複合体が衝撃や振動等に弱くなり実用上問題が生じる傾向がある。支持体が円筒管の場合、その外径が大きすぎると体積当たりの膜面積が小さくなるため、必要な膜面積を得るために必要な膜の体積が大きくなり、広い設置場所が必要になったり、大型のモジュールが必要になったりして、経済的に不利になる傾向がある。
また、多孔質支持体の表面は滑らかであることが好ましく、必要に応じて、表面をやすり等で研磨してもよい。
また、多孔質支持体の表面は滑らかであることが好ましく、必要に応じて、表面をやすり等で研磨してもよい。
なお、多孔質支持体表面とは例えばゼオライトを結晶化させる無機多孔質支持体表面部分を意味し、表面であればそれぞれの形状のどこの表面であってもよく、複数の面であってもよい。たとえば円筒管の支持体の場合には外側の表面でも内側の表面でもよく、場合によっては外側と内側の両方の表面であってよい。
また多孔質支持体の、多孔質支持体表面以外の部分の細孔径は制限されるものではない。
また多孔質支持体の、多孔質支持体表面以外の部分の細孔径は制限されるものではない。
多孔質支持体の気孔率は通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上であり、通常70%以下、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
多孔質支持体の気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では多孔質支持体の強度が低下する傾向がある。
多孔質支持体の気孔率は、気体や液体を分離する際の透過流量を左右し、前記下限未満では透過物の拡散を阻害する傾向があり、前記上限超過では多孔質支持体の強度が低下する傾向がある。
ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトのフレームワーク密度は、特に制限するものではないが、好ましくは10.0T/1000Å以上、より好ましくは14.0T/1000Å以上であり、好ましくは18.0T/1000Å以下、より好ましくは17.0T/1000Å以下、さらに好ましくは、16.0T/1000Å以下、最も好ましくは15.0/1000Å以下である。この範囲であることが、耐久性の点で好ましい。
フレームワーク密度とは、ゼオライトの1000Å3あたりの酸素以外の骨格を構成するT元素の数を意味し、この値はゼオライトの構造により決まるものである。なお、フレームワーク密度とゼオライトとの構造の関係は、ATLAS OF ZEOLITE FRAMEWORK TYPES Fifth Revised Edition 2001 ELSEVIERに示されている。
ゼオライト膜を構成する主たるゼオライトは、通常、酸素6−12員環構造を有するゼオライトであり、好ましくは酸素6−10員環構造、より好ましくは酸素8員環構造を有するゼオライトである。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
ここでいう酸素n員環を有するゼオライトのnの値は、ゼオライト骨格を形成する酸素とT元素で構成される細孔の中で最も酸素の数が大きいものを示す。例えば、MOR型ゼオライトのように酸素12員環と8員環の細孔が存在する場合は、酸素12員環のゼオライトとみなす。
酸素6−10員環構造を有するゼオライトの一例を挙げれば、AEI、AEL、AFG
、ANA、BRE、CAS、CDO、CHA、DAC、DDR、DOH、EAB、EPI、ESV、EUO、FAR、FRA、FER、GIS、GIU、GOO、HEU、IMF、ITE、ITH、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MFS、MON、MSO、MTF、MTN、MTT、MWW、NAT、NES、NON、PAU、PHI、RHO、RRO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STF、STI、STT、TER、TOL、TON、TSC、TUN、UFI、VNI、VSV、WEI、YUG等がある。
酸素10員環構造よりも大きい場合は細孔径が大きくなり、サイズの小さな有機物では分離性能が低下するため、用途が限定的になる場合がある。
、ANA、BRE、CAS、CDO、CHA、DAC、DDR、DOH、EAB、EPI、ESV、EUO、FAR、FRA、FER、GIS、GIU、GOO、HEU、IMF、ITE、ITH、KFI、LEV、LIO、LOS、LTA、LTN、MAR、MEP、MER、MEL、MFI、MFS、MON、MSO、MTF、MTN、MTT、MWW、NAT、NES、NON、PAU、PHI、RHO、RRO、RTE、RTH、RUT、SGT、SOD、STF、STI、STT、TER、TOL、TON、TSC、TUN、UFI、VNI、VSV、WEI、YUG等がある。
酸素10員環構造よりも大きい場合は細孔径が大きくなり、サイズの小さな有機物では分離性能が低下するため、用途が限定的になる場合がある。
前記の中でゼオライトの構造としては、好ましくは、AEI、CHA、KFI、LEV、LTA、PAU、RHO、RTH、UFIであり、さらに好ましくは、CHA、LEV、LTA、UFIであり、より好ましくはCHAまたはLTAであり、特に好ましくはLTAである。
ゼオライト膜の厚さとしては、特に制限されるものではないが、通常、0.1μm以上であり、好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上、より好ましくは5μm以上、特に好ましくは7μm以上である。また通常100μm以下であり、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下の範囲である。膜厚が大きすぎると透過量が低下する傾向があり、小さすぎると選択性や膜強度が低下する傾向がある。
ゼオライト膜を形成するゼオライトの粒子径は特に限定されるものではないが、小さすぎると粒界が大きくなるなどして透過選択性などを低下させる傾向があることから、通常30nm以上、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上であり、上限は膜の厚さ以下である。さらに好ましくはゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じである場合である。これはゼオライトの粒子径が膜の厚さと同じであるときに、ゼオライトの粒界が最も小さくなるためである。水熱合成で得られたゼオライト膜は、ゼオライトの粒子径と膜の厚さが同じになる場合があるので好ましい。
ゼオライト膜は、従来より知られる水熱合成法等により製造されればよく、ゼオライト膜は必要に応じてシリル化剤を用いてシリル化処理をしてもよい。
以下、図を用いて具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下説明する具体的な実施形態にのみ限定されるものではない。
以下、図を用いて具体的な実施形態について説明するが、本発明は以下説明する具体的な実施形態にのみ限定されるものではない。
図1に、従来採用されていたアルコール製造方法に係るフローを示す。
フローに投入する原料はセルロース含有原料10であり、でんぷん質原料、繊維質原料などがあげられる。セルロース含有原料10はミルなどの粉砕機1に導入され、粉砕される。粉砕機により、セルロース含有原料は所望の粒径に粉砕され、また、その粒径も均一化される。
粉砕機1で粉砕されたセルロース含有原料は、発酵槽2に供給される。発酵槽2には酵母タンク(図示せず)が備えられ、酵母タンクから発酵槽2に酵母が供給されて、原料をアルコールに変換するアルコール発酵が行われる。アルコール発酵により、水−アルコール混合液が得られる。なお、発酵槽2は、必要に応じ酵素タンク(図示せず)が備えられ、酵素タンクから発酵槽2に酵素が供給され、セルロース含有原料は酵素処理されることで、アルコール発酵が効率化される。
フローに投入する原料はセルロース含有原料10であり、でんぷん質原料、繊維質原料などがあげられる。セルロース含有原料10はミルなどの粉砕機1に導入され、粉砕される。粉砕機により、セルロース含有原料は所望の粒径に粉砕され、また、その粒径も均一化される。
粉砕機1で粉砕されたセルロース含有原料は、発酵槽2に供給される。発酵槽2には酵母タンク(図示せず)が備えられ、酵母タンクから発酵槽2に酵母が供給されて、原料をアルコールに変換するアルコール発酵が行われる。アルコール発酵により、水−アルコール混合液が得られる。なお、発酵槽2は、必要に応じ酵素タンク(図示せず)が備えられ、酵素タンクから発酵槽2に酵素が供給され、セルロース含有原料は酵素処理されることで、アルコール発酵が効率化される。
発酵槽2で得られた水−アルコール混合液は、もろみ塔3に供給されて予備蒸留が行われることでアルコール濃度が高められ、次いでもろみ塔3のベーパは蒸留塔4に供給され、アルコール濃度が更に高められた後、蒸留塔4のベーパは吸着塔5に供給される。もろ
み塔3の排水は、例えば飼料化工程(図示せず)へ供給してもよい。
み塔3の排水は、例えば飼料化工程(図示せず)へ供給してもよい。
吸着塔5において、アルコール濃度がさらに高められ、高濃度アルコールはプロダクツとして供給される。
一方で、吸着塔において吸着した水は一定の濃度でアルコールを含んでいるため、吸着塔から脱着した脱着水は再度蒸留塔4に供給され、再利用される。このようなフローを経る場合、吸着塔5に供給されるアルコールの一部が再度蒸留塔に供給されることから、エネルギー効率の改善の余地があった。また、本フローによれば、粉砕処理、酵素処理を経ることで、アルコール発酵効率が改善されるが、吸着塔の精製処理能力が律速となり、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができない。
一方で、吸着塔において吸着した水は一定の濃度でアルコールを含んでいるため、吸着塔から脱着した脱着水は再度蒸留塔4に供給され、再利用される。このようなフローを経る場合、吸着塔5に供給されるアルコールの一部が再度蒸留塔に供給されることから、エネルギー効率の改善の余地があった。また、本フローによれば、粉砕処理、酵素処理を経ることで、アルコール発酵効率が改善されるが、吸着塔の精製処理能力が律速となり、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができない。
図2は、本発明の実施形態のアルコール製造方法に係るフローを示す。
図2に示すフローでは、蒸留塔4のベーパは膜分離装置6に供給される。膜分離装置6により分離されたアルコールは高濃度であり、分離された水にはほとんどアルコールが含まれない。そのため、蒸留塔4に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。また、膜分離装置6では、分離された水にはほとんどアルコールが含まれず、効率良くアルコールプロダクツを製造することができる。そのため、十分な精製処理能力を有し、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができる。
図2に示すフローでは、蒸留塔4のベーパは膜分離装置6に供給される。膜分離装置6により分離されたアルコールは高濃度であり、分離された水にはほとんどアルコールが含まれない。そのため、蒸留塔4に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。また、膜分離装置6では、分離された水にはほとんどアルコールが含まれず、効率良くアルコールプロダクツを製造することができる。そのため、十分な精製処理能力を有し、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができる。
図3は、本発明の別の実施形態のアルコール製造方法に係るフローを示す。
図3に示すフローでは、蒸留塔4のベーパは吸着塔5に供給され、一定濃度のアルコールを含む吸着塔5の脱着液は、蒸留塔4ではなく膜分離装置6に供給される。膜分離装置6により分離されたアルコールは高濃度であり、分離された水にはほとんどアルコールが含まれない。そのため、蒸留塔4に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。また、膜分離装置6では、分離された水にはほとんどアルコールが含まれず、効率良くアルコールプロダクツを製造することができる。そのため、十分な精製処理能力を有し、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができる。
図3に示すフローでは、蒸留塔4のベーパは吸着塔5に供給され、一定濃度のアルコールを含む吸着塔5の脱着液は、蒸留塔4ではなく膜分離装置6に供給される。膜分離装置6により分離されたアルコールは高濃度であり、分離された水にはほとんどアルコールが含まれない。そのため、蒸留塔4に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。また、膜分離装置6では、分離された水にはほとんどアルコールが含まれず、効率良くアルコールプロダクツを製造することができる。そのため、十分な精製処理能力を有し、セルロース含有原料に対し粉砕処理、酵素処理を行うことでの利点を十分に生かすことができる。
更に、図3に示す実施形態は、吸着塔5のみでは精製処理能力が不十分であり吸着塔5が律速となる場合に、更に膜分離装置6をアドオンした形態である。吸着塔5が律速になる場合、吸着塔5の能力を改善するためには大型の吸着塔とすることが考えられるが、一度組んだプラントを組み直すことは大変である。図3に示すように、更に膜分離装置6をアドオンするという簡易な方法で精製処理の律速を解消することができる。
図4乃至図6は、本発明の更に別の実施形態のアルコール製造方法に係るフローを示す。
図4に示すフローでは膜分離装置6の膜透過液を、発酵槽2に供給する形態を示す。このような形態であっても、発酵槽2に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。
また、図5は図4の変形例であり、膜分離装置を直列に並べることで、プロダクツのアルコール濃度を更に向上させることができる。
また、図6も図4の変形例であり、吸着塔5の脱着液を蒸留塔4´に供給し、再度蒸留した上で、蒸留塔4´の途中段から抜き出したアルコール溶液を膜分離装置6にPVで供給し、塔頂のベーパは発酵槽2に供給される形態である。
図4に示すフローでは膜分離装置6の膜透過液を、発酵槽2に供給する形態を示す。このような形態であっても、発酵槽2に供給されるアルコールの量が極めて少なく、単位アルコール製造に必要なエネルギーが減少し、効率が格段に向上する。
また、図5は図4の変形例であり、膜分離装置を直列に並べることで、プロダクツのアルコール濃度を更に向上させることができる。
また、図6も図4の変形例であり、吸着塔5の脱着液を蒸留塔4´に供給し、再度蒸留した上で、蒸留塔4´の途中段から抜き出したアルコール溶液を膜分離装置6にPVで供給し、塔頂のベーパは発酵槽2に供給される形態である。
1 粉砕機
2 発酵槽
3 もろみ塔
4、4´ 蒸留塔
5 吸着塔
6、7 膜分離装置
10 セルロース含有原料
2 発酵槽
3 もろみ塔
4、4´ 蒸留塔
5 吸着塔
6、7 膜分離装置
10 セルロース含有原料
Claims (5)
- アルコール発酵原料を粉砕する粉砕工程、
粉砕したセルロースを含むアルコール発酵原料を発酵させ、水−アルコール混合液を得る発酵工程、
該水−アルコール混合液を蒸留塔に導入して濃縮する濃縮工程、及び
前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を膜分離装置に導入して、混合液中の水とアルコールとを分離する分離工程を有し、
前記分離工程で得られた膜透過液を、前記発酵工程及び/又は濃縮工程に供給する、アルコールの製造方法。 - 前記濃縮工程を経た水−アルコール混合液を吸着塔に導入し、混合液中の水を除去する吸着工程、を更に有し、該吸着塔から脱着した水−アルコール混合液を前記分離工程に導入する、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
- 前記粉砕工程により粉砕したアルコール発酵原料を酵素処理する酵素処理工程、を更に有する、請求項1又は2に記載のアルコールの製造方法。
- 前記膜分離装置は、無機多孔質支持体表面にゼオライト膜を備えた、無機多孔質支持体−ゼオライト膜複合体を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコールの製造方法。
- 前記アルコールがエタノールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルコールの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017047293A JP2018150274A (ja) | 2017-03-13 | 2017-03-13 | アルコールの製造方法 |
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2017
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