JP2018150065A - タンパーエビデントアセンブリ - Google Patents

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隆志 白根
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啓太郎 森
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琢磨 原
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Abstract

【課題】キャップ製造時に寸法のばらつきが生じた場合でも、爪部の係止効率が高く、開封履歴の確認の確実性が向上された、容器の閉栓構造を提供すること。【解決手段】容器口部及びキャップを備え、容器口部の外面は、雄ネジ部、第1のフランジ11、及び第2のフランジ12を有し、キャップは、基部、雌ネジ部を内面に有する周壁部、及び弱化部を介して周壁部に連結された不正開封防止帯を有し、不正開封防止帯は内面から内側に突出する爪部24bを有し、第2のフランジは外径が閉栓方向に向かって拡大していく傾斜外周面を有し、キャップが開栓方向に移動したときに、第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aが爪部24bの開栓方向への移動を抑制し、且つ第2のフランジ12の傾斜外周面12aが爪部24bの変形を抑制することにより、不正開封防止帯の開栓方向への移動を抑制する、タンパーエビデントアセンブリ。【選択図】図1B

Description

本発明は、タンパーエビデントアセンブリに関する。
キャップによって口部を閉栓された容器が一旦開栓された場合に、その容器が開栓済みであることを明示する機構が知られている。このような機構は、当業界において、例えば、タンパーエビデント又はピルファープルーフの語によって参照されている。このような機構を備える装置としては、例えば、キャップ及び容器口部から構成されているアセンブリであって、キャップがミシン目等の弱化部又は弱化線を介して連結されている帯状部を有するアセンブリが知られている。このアセンブリは、キャップを回して開栓すると、ミシン目が破断して帯状部がキャップから切り離されることにより、開封履歴を明示することができる。開封時に切り離される帯状部は、例えば、不正開封防止帯、タンパーエビデントバンド、ピルファープルーフバンド、周状バンド等の語によって参照されている。
例えば、特許文献1には、外周面にネジ部及びフランジ部を有する口部と、係合爪が突出するピルファープルーフバンドを有するキャップとを備えるタンパーエビデント容器が記載されている。容器本体の口部のフランジ部の下側位置には、凸段部が形成されている。キャップは、天蓋部及び周壁部から構成されるキャップ本体と、破断可能な弱化部を介して周壁部に連結されたピルファープルーフバンドとを一体に有する。特許文献1には、このタンパーエビデント容器の作用機構について、以下のように説明されている。容器を開封するときには、キャップ本体からピルファープルーフバンドに対して上向きの力が作用する。このとき、ピルファープルーフバンドの係合爪の突出先端が、フランジ部の下面に係合するとともに、凸段部によって径方向内側への変位が抑制される。このため、係合爪は、開封に伴う引張力に確実に抵抗できるから、弱化部に引張力が作用して破断し、ピルファープルーフバンドがキャップ本体から確実に切り離される。
特許文献2には、キャップ及びボトル首部から構成されるボトルの密封構造が記載されている。このキャップは、天面と、天面周縁から垂下するスカート部と、スカート部下端から弱化線を介して接続した下方周状バンドと、スカート部内面のメネジとを備える。ボトル首部は、外周にオネジ及びフランジが備えられており、フランジ部の外周面にピークが下に偏った波状ビードが形成されている。キャップの下方周状バンドの内面には、下端の折り返し部を介して舌片が周状に配されており、舌片の内周面にはピークが上に偏った波状ビードが形成されている。そして、ボトルフランジ部外周面の波状ビードと、キャップ舌片の波状ビードとを係合させるようにしている。特許文献2には、この構造によると、開封に際して、キャップの舌片とボトルのフランジとが、各波状ビードの複数の段差部同士で係止するため、舌片が変形することなく、弱化線の破断を確実に行うことができると説明されている。
特開2008−162593号公報 特開平8−48349号公報
キャップに備えた爪を利用するタンパーエビデント構造においては、キャップ製造工程における離型時のストレスによって、製品寸法にばらつきが生じ、一般に、爪の形状、長さ、厚さ、突出角度等が変動する。特許文献1のタンパーエビデント容器では、キャップの係合爪の形状、突出角度等により、口部のフランジ部によるキャップの係合爪の係止が不十分となることがある。このようなとき、弱化部が切断されずに、係合爪が口部のフランジ部を乗り越えて、ピルファープルーフバンドがキャップとともに口部から外れてしまい、容器の開封履歴の確認ができないことがある。
特許文献1において、係合爪を厚肉化すれば、キャップ製造時の係合爪の形状等の寸法のばらつきを小さくできる。しかし、係合爪を厚肉化すると、容器を最初に閉栓するときの、口部へのキャップ挿入が困難化し、場合によっては挿入時に弱化部が切断される不具合が生じることがある。更に、係合爪の厚肉化は使用樹脂量の増大を招き、成形後の冷却時間の増加、製造コストの増加等の不都合を生じ得る。
特許文献2において好ましいとされる実施態様では、ボトルフランジ部外周面の波状ビードとキャップ舌辺の波状ビードとのピッチ比が1/6乃至1/2であるとされている。しかし、ピッチ数が多い方のビードの係止面積は必然的に小さくなるため、両ビード間の係止が不十分となることがある。また、このような波状ビードは、金型による成形が複雑になり、製造コストの増加、型抜き時に金型から上手く抜けない等の不具合が生じ得る。
本発明は、上記のような従来技術における閉栓構造の欠点の解消を課題とするものである。従って本発明の目的は、キャップ製造時に寸法のばらつきが生じた場合であっても、不正開封防止帯の係止効率が高く、キャップ部と帯部とが確実に切り離されることによって開封履歴の確認の確実性が向上された、容器の閉栓構造を提供することである。
[1]円筒状の容器口部、及び前記容器口部を閉栓するキャップを備えるタンパーエビデントアセンブリであって、
前記容器口部の外面は、開栓方向から順に、雄ネジ部、第1のフランジ、及び第2のフランジを有し、
前記キャップは、基部、前記基部から延在し、且つ前記容器口部の雄ネジ部と係合する雌ネジ部を内面に有する周壁部、及び引張力を受けて破断可能な弱化部を介して前記周壁部に連結されている不正開封防止帯を有し、
前記不正開封防止帯は、その内面から内側に突出する1個以上の爪部を有し、
前記第2のフランジは、外径が閉栓方向に向かって拡大していく傾斜外周面を有し、
前記キャップが、前記容器口部に閉栓された状態から回転されて開栓方向に移動したときに、前記第1のフランジの閉栓方向側の面が前記爪部の先端と接触して前記爪部の開栓方向への移動を抑制するとともに、前記第2のフランジの傾斜外周面が前記爪部と接触して前記爪部の変形を抑制することにより、前記不正開封防止帯の開栓方向への移動を抑制する、
前記タンパーエビデントアセンブリ。
[2]前記第2のフランジの傾斜外周面と閉栓方向とのなす角の角度が20°以上70°以下である、[1]に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[3]前記第1のフランジの閉栓方向側の面と閉栓方向とのなす角の角度が80°以上100°以下である、[1]又は[2]に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[4]前記第2のフランジの外径の最大値が、前記第1のフランジの外径の最大値よりも小さい、[1]〜[3]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[5]前記爪部が、前記不正開封防止帯の内側の面を一周するように設けられている、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[6]前記爪部が、前記不正開封防止帯の内側の面の周上に互いに離隔した状態で2個以上設けられている、[1]〜[4]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[7]前記キャップが有機ポリマー製である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[8]前記容器口部が有機ポリマー製である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリを備える容器。
本発明によると、キャップ製造時に寸法のばらつきが生じた場合であっても、不正開封防止帯の係止効率が高く、キャップ部と帯部が確実に切り離されることによって開封履歴の確認の確実性が向上された、容器の閉栓構造が提供される。
図1Aは、従来技術のアセンブリにおいて、開栓時に爪部の係止が外れる機構を説明するための概略断面図である。 図1B、本発明のアセンブリにおける、開栓時の爪部係止の作用機構を説明するための概略断面図である。 図2は、本発明のアセンブリにおける容器口部の各部の定義を説明するための概略断面図である。 図3Aは、本発明のアセンブリにおける容器口部の構造を説明するための概略断面図である。 図3Bは、本発明のアセンブリにおけるキャップの構造を説明するための概略断面図である。 図3Cは、本発明のアセンブリの閉栓状態における爪部と第1及び第2のフランジとの位置関係を説明するための概略断面図である。 図4は、実施例1のアセンブリの開栓の様子を説明するための概略断面図である。 図5は、実施例2のn=50で行った開封試験のうち、不正開封防止帯がキャップとともに外れた1例についての開栓の様子を説明するための概略断面図である。 図6は、比較例1で使用した容器口部の形状を説明するための概略断面図である。 図7は、比較例1のアセンブリの開栓の様子を説明するための概略断面図である。 図8は、比較例2で使用した容器口部の形状を説明するための概略断面図である。 図9は、比較例3で使用した容器口部の形状を説明するための概略断面図である。
本発明は、
円筒状の容器口部、及び容器口部を閉栓するキャップを備えるタンパーエビデントアセンブリであって、
容器口部の外面は、開栓方向から順に、雄ネジ部、第1のフランジ、及び第2のフランジを有し、
キャップは、基部、前記基部から延在し、且つ容器口部の雄ネジ部と係合する雌ネジ部を内面に有する周壁部、及び引張力を受けて破断可能な弱化部を介して周壁部に連結されている不正開封防止帯、を有し、
不正開封防止帯は、その内面から内側に突出する1個以上の爪部を有し、
第2のフランジは、外径が閉栓方向に向かって拡大していく傾斜外周面を有し、
キャップが、容器口部に閉栓された状態から回転されて開栓方向に移動したときに、前記第1のフランジの閉栓方向側の面が前記爪部の先端と接触して前記爪部の開栓方向への移動を抑制するとともに、第2のフランジの傾斜外周面が爪部と接触して爪部の変形を抑制することにより、不正開封防止帯の開栓方向への移動を抑制する、
タンパーエビデントアセンブリに関する。
本明細書において、「開栓方向」とは、閉栓状態にあるキャップを開栓するときに、キャップが容器口部の軸に沿って移動する方向をいう。「閉栓方向」とは、キャップを容器口部にねじ込んで閉栓するときに、キャップが容器口部の軸に沿って移動する方向をいう。また、これらの方向に平行な直線を仮想する場合には、「軸方向」の語で代表する。これらの語は、例えば、「第1のフランジの閉栓方向側の面と閉栓方向とのなす角」、「第1のフランジの軸方向の長さ」のように使用される。
本明細書において、「内側」とは、容器口部又はキャップの回転軸に近づく方向をいう。「外側」とは、容器口部又はキャップの回転軸から遠ざかる方向をいう。「内面」とは内側の面をいい、「外面」とは外側の面をいう。これらの用語は、例えば、「内面から内側に突出する爪部」のように使用される。
以下では、本発明のタンパーエビデントアセンブリについて、添付の図面に示した実施態様に基づいて説明する。しかしながら本発明は、これらの態様に限定されるものではない。
図1Aに、従来技術のアセンブリの開栓時の様子を示した。図1Aには、容器口部のフランジ10、及びキャップのうちの爪部24bを有する不正開封防止帯24を、拡大して示した。図1A(a)は、従来技術のアセンブリの閉栓状態から、キャップを回転して開栓方向に少し移動させたときの状態である。このとき、キャップの開栓方向への移動に伴って爪部24bも一緒に同方向に移動し、爪部の先端がフランジ10の閉栓方向側の面10aと接触している。この状態から、キャップを更に回転して開栓方向に移動させると、爪部24bには、キャップの移動に伴う開栓方向への力P1と、フランジ10の面10aによる係止の反作用としての、閉栓方向斜め内側への力P2とが働く。この力P2は、爪部24bがフランジ10の面10aにぶつかったときに、爪部24bが面10aから受ける、爪部24bを閉栓方向へ戻そうとする力と、爪部24bが面10aの内側方向へ移動しようとする力の和に相当する。
キャップの回転を継続してキャップを更に開栓方向へ移動させると、弱化線が破断されて不正開封防止帯が容器口部に残存し、容器の開封履歴が明示される。しかし、場合によっては、所望の効果が発現しないことがある。この場合、図1A(a)の状態からキャップを更に開栓方向へ移動させると、爪部24bは、閉栓方向斜め内側への力P2により塑性変形して(図1A(b))、フランジ10の面10aによる係止を外れ、キャップとともに不正開封防止帯が容器口部から外れることがある。
図1Bに、本発明のアセンブリの開栓時の様子を示した。図1Bは、本発明のアセンブリの閉栓状態から、キャップを回転して開栓方向に少し移動させ、爪部24bの先端が第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aと接触した状態を示す。この状態から、キャップを更に回転して開栓方向に移動させると、爪部24bには、開栓方向への力P1と、閉栓方向斜め内側への力P2とが働く。
しかし、爪部24bは、その内側の面が第2のフランジ12の傾斜外周面12aと接触することにより、変形が抑制される。従って、キャップを更に回転して移動させても、爪部24bは、塑性変形が抑制され、第1のフランジ11の面11aによる係止を外れることなく、不正開封防止帯は弱化部においてキャップの周壁部から切断されて容器口部に残存するのである。
第2のフランジ12の傾斜外周面12aは、例えば、外径が閉栓方向に向かって次第に拡大していく形状を持っている。第2のフランジ12がこのような形状の傾斜外周面12aを有することにより、開栓時に爪部24bに閉栓方向斜め内側の力が加わっても、この爪部24bの変形を効率的に抑制することができるのである。
<容器口部>
本発明のタンパーエビデントアセンブリにおける容器口部は円筒状である。この容器口部の外面は、開栓方向から順に、雄ネジ部、第1のフランジ、及び第2のフランジを有する。図2に、本発明のタンパーエビデントアセンブリにおける典型的な容器口部の断面図を示した。
[雄ネジ部]
容器口部1の外面1aにおける雄ネジ部40は、後述のキャップ周壁部内面の雌ネジ部と係合し、互いに摺動して相互に移動することにより、容器口部1へのキャップの締め付け、容器口部1からのキャップの開栓、及び容器口部1へのキャップの再締め付けを可能とする。
雄ネジ部40は、容器口部1の外面1a上に螺旋状の軌道を規定する連続又は不連続の突起であってよい。
[第1のフランジ]
第1のフランジ11は、容器口部1の外面1aに突出する。第1のフランジ11の位置は、雄ネジ部40に対して閉栓方向側である。容器口部1の外面1a上において、雄ネジ部40と第1のフランジ11とは、互いに接していてもよいし、離隔して存在していてもよい。
第1のフランジ11は、容器口部1の外面1aの円周に沿って、円周の全部に連続して設けられていてよい。
第1のフランジ11の閉栓方向側は、第1のフランジ11を容器口部1の軸を含む面で切断した場合の断面形状が略直線状である、閉栓方向側の面11aを有する。
第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aと閉栓方向とがなす角の角度φは、例えば、80°以上、85°以上、又は88°以上であってよく、例えば、100°以下、95℃以下、又は92°以下であってよく、典型的には略直角であってよい。この角度φが80°以上であることにより、容器口部1の成形時に、金型からの抜けを良くすることができる。一方でこの角度φが100°以下であることにより、キャップの不正開封防止帯が有する爪部の先端と接触し、これを効率よく係止して、爪部の開栓方向への移動を抑制することができる。
第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aの長さd、即ち、第1のフランジ11を容器口部1の軸を含む面で切断した場合の断面形状において、第1のフランジ11の閉栓方向側に現れる線の長さは、容器口部1の口部の外径(以下、「口外径」という。)に対して、例えば、2%以上、3%以上、4%以上、又は5%以上であってよく、例えば10%以下、9%以下、8%以下、又は7%以下であってよい。この面の長さdが2%以上であることにより、キャップ爪部の係止の確実性が向上する。この面の長さdが10%以下であることにより、第1のフランジ11に要する樹脂量を低減することができ、製造時間の短縮及びコストの削減に資する。
第1のフランジ11の開栓方向側には、第1のフランジ11を、容器口部1の軸を含む面で切断した場合の断面形状において、略直線状に現れる面を有していてよく、この断面形状において曲線状に現れる曲面を有していてよい。
第1のフランジ11の外周端部は、平坦な面を形成していてよく、曲面であってもよい。
第1のフランジ11の外径の最大値m、即ち、第1のフランジ11が容器口部1の外面1aから突出する最大高さは、容器口部1の口外径に対して、例えば、3%以上、4%以上、5%以上、又は6%以上であってよく、例えば12%以下、10%以下、9%以下、又は8%以下であってよい。この高さが3%以上であることにより、キャップ爪部の係止の確実性が向上する。この高さが12%以下であることにより、第1のフランジ11に要する樹脂量を低減することができるとともに、容器を最初に閉栓するときのキャップのねじ込みが容易となる。即ち、容器を最初に閉栓するときには、キャップに連結された不正開封防止帯の爪部が、第1のフランジ11を乗り越えて、爪部の先端が第1のフランジ11の閉栓方向側の面よりも更に閉栓方向側に移動する。第1のフランジ11が適度の突出高さに調節されていると、容器を最初に閉栓するときの、爪部による第1のフランジ11の乗り越えが容易となる。
第1のフランジ11の軸方向の長さhは、容器口部1の口外径に対して、例えば、2%以上、3%以上、4%以上、又は5%以上であってよく、例えば10%以下、9%以下、8%以下、又は7%以下であってよい。この長さが2%以上であることにより、第1のフランジ11に十分な機械的強度を付与することができ、キャップ爪部の係止の確実性が向上する。
[第2のフランジ]
第2のフランジ12は、容器口部1の外面1aから突出している。第2のフランジ12の位置は、第1のフランジ11に対して閉栓方向側である。容器口部1の外面1aにおいて、第1のフランジ11と第2のフランジ12とは、互いに接していてよい。第2のフランジ12が第1のフランジ11と接して存在することにより、容器の開栓時に、第1のフランジ11によって開栓方向への移動を抑制された爪部の変形を効果的に抑制することができる。
第2のフランジ12は、容器口部1の外面1aの円周に沿って、円周の全部に連続して設けられていてよい。
第2のフランジ12は、外径が閉栓方向に向かって次第に拡大していく形状の、傾斜外周面12aを持っている。第2のフランジ12がこのような形状の傾斜外周面12aを有することにより、開栓時に爪部に閉栓方向斜め内側の力が加わっても、爪部の変形を効率的に抑制することができる。
第2のフランジ12の傾斜外周面12aは、第2のフランジ12を容器口部1の軸を含む面で切断した場合の断面形状において、略直線状に現れる面であってよい。この場合、第2のフランジ12の傾斜外周面12aと、閉栓方向とがなす角の角度θは、爪部の変形抑制をできるだけ効率的に行うとの観点から、例えば、20°以上、25℃以上、30°以上、35°以上、又は40°以上であってよく、例えば、70°以下、65°以下、60°以下、55°以下、又は50°以下であってよい。
第2のフランジ12の軸方向の長さhは、容器口部1の口外径に対して、例えば、2%以上、3%以上、4%以上、又は5%以上であってよく、例えば10%以下、9%以下、8%以下、又は7%以下であってよい。この長さhが2%以上であることにより、キャップの爪部の変形抑制の確実性が向上する。この長さhが10%以下であることにより、第2のフランジ12に要する樹脂量を低減することができ、製造時間の短縮及びコストの削減に資する。
第2のフランジ12の外径の最大値mは、第1のフランジ11の外径の最大値mよりも小さくてよい。第2のフランジ12の外径の最大値mを、第1のフランジ11の外径の最大値mよりも小さく設定すると、閉栓時、即ち爪部が最も閉栓方向側に存在するときに、爪部が第2のフランジ12に接触して外側方向に塑性変形することを抑制する。これによって、開栓時に爪部が第1フランジ11の閉栓方向側の面11aに係止されずに乗り越えてしまう不具合を防止し、第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aによる爪部の係止をより確実なものとすることができる。
第1のフランジ11の外径の最大値mと、第2のフランジ12の外径の最大値mとの差dは、容器口部の口外径に対して、例えば、0.5%以上、0.8%以上、1.0%以上、又は1.2%以上であってよく、例えば3.0%以下、2.5%以下、2.2%以下、又は2.0%以下であってよい。この差dが0.5%以上であることにより、第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aによる爪部の係止の確実性が向上する。この差dが3.0%以下であることにより、キャップの爪部の変形抑制の確実性が向上する。
[その他の構成要素]
本発明のタンパーエビデントアセンブリにおける容器口部1は、その外面1aに、雄ネジ部40、第1のフランジ11、及び第2のフランジ12以外に、その他の構成要素を有していてよい。その他の構成要素としては、例えば、容器口部1の強度の向上、容器の意匠性の向上、内容物の識別性の向上等の目的で配置される、凸部、凹部等であってよい。
容器口部1は、開栓方向に沿って途中で口径が変化していてよい。ただし、外面1aに雄ネジ部40を有する領域においては、口径が変化しないことが好ましい。
[具体例]
図3Aに、本発明のアセンブリにおける容器口部の一例の概略断面図を示した。
図3Aの容器口部1は、その外面1aに、開栓方向側から順に、雄ネジ部40、第1のフランジ11、及び第2のフランジ12を有する。
第1のフランジ11は、雄ネジ部40の閉栓方向側に雄ネジ部40から離隔して、容器口部1の外面1aから外側に突出する凸部として存在する。第1のフランジ11は、閉栓方向側の面11aを有する。この閉栓方向側の面11aと閉栓方向とのなす角の角度は略直角である。
第2のフランジ12は、第1のフランジ11の閉栓方向側に第1のフランジ11と接して、容器口部1の外面1aから外側に突出する凸部として存在する。第2のフランジ12は、外径が閉栓方向に向かって拡大していく傾斜外周面12aを有する。この傾斜外周面12aと閉栓方向とのなす角の角度は約25°である。
第2のフランジ12の外径の最大値mは、第1のフランジ11の外径の最大値mよりも小さく設定されている。
[構成材料]
容器口部は、任意の材料で構成されていてよい。容器口部は、例えば、有機ポリマー、無機ポリマー、ガラス、金属等から構成されていてよい。容器口部は、成形が容易であること、軽量であること等の観点から、有機ポリマー製であることが好ましい。有機ポリマーとしては、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル・スチレン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン等)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等)、フッ素樹脂(例えばぺルフルオロアルコキシフッ素樹脂等)等であってよい。
<キャップ>
本発明のタンパーエビデントアセンブリにおけるキャップは、上記に説明した容器口部を閉栓する機能を有する。
キャップは、基部、基部から延在し、且つ容器口部の雄ネジ部と係合する雌ネジ部を内面に有する周壁部、及び引張力を受けて破断可能な弱化部を介して周壁部に連結されている不正開封防止帯を有する。
[基部]
基部は、例えば円盤状であってよい。円盤は、厚さが一様であってよく、又は厚さの異なる領域を有していてもよい。例えば、中央部が周辺部に比べて厚く又は薄くなっている基部も許容される。
[周壁部]
周壁部は、基部から延在して、典型的には円筒状の壁を形成する。
周壁部は、その内面に、容器口部の雄ネジ部と係合する雌ネジ部を有する。この雌ネジ部は、周壁部の内面上に螺旋状の軌道を規定する連続又は不連続の突起であってよい。
周壁部は、雌ネジ部以外の構成要素を有していてもよい。周壁部は、例えば、キャップの回転を容易化するためのフィンを有していてよい。
[弱化部]
弱化部は、上記の周壁部と後述の不正開封防止帯を連結し、引張力を受けて破断可能なように配置される。この弱化部が引張力によって破断されたとき、キャップの周壁部と不正開封防止帯とが分離する。
弱化部は、周壁部と不正開封防止帯との間隙の円周上に配置された、例えば、薄肉化部、ブリッジ部等であってよい。破断の容易性及び確実性の観点から、弱化部はブリッジ部であってよい。
ブリッジ部は、周壁部と不正開封防止帯との間隙の円周上に、連結部と孔部とが交互に配置された構造であってよい。円周上における連結部と孔部との長さの比は、連結部の長さを孔部の長さで除した値として、例えば、1/5以下、1/10以下、1/15以下、1/20以下、又は1/25以下であってよく、例えば、1/50以上、1/45以上、1/40以上、1/35以上、又は1/30以上であってよい。両者の長さ比が1/5以下であることにより、閉栓状態の容器が一旦開封されたとき、弱化部が確実に破断され、キャップの周壁部と不正開封防止帯とが分離して開封履歴を明示することができる。両者の長さ比が1/50以上であることにより、容器を最初に閉栓するときの弱化部の破断を避けることができ、内容物入り閉栓容器の製造を容易化し得る。
ブリッジ部は、連結部の一部又は全部を他の部分に比べて薄肉化されていてもよい。
円周上におけるブリッジ部の連結部の幅は、開栓方向に一様であってよく、又は開栓方向の一部が狭く、引っ張り力が働いたときの破断を容易化する構成であってよい。
開栓方向における弱化部の長さは、容器口部の口径、キャップ及び容器口部の材質、想定ユーザーの腕力等を考慮して、適宜に設定されてよい。開栓方向における弱化部の長さは、容器口部の口外径に対して、例えば、0.5%以上、1.0%以上、1.5%以上、又は2.0%以上であってよく、例えば、5.0%以下、4.5%以下、4.0%以下、3.5%以下、又は3.0%以下であってよい。
[不正開封防止帯]
不正開封防止帯は、その内面から内側に突出する1個以上の爪部を有する。
爪部は、キャップが容器口部に閉栓された状態から開栓方向に移動したときに、容器口部の有する第1のフランジの閉栓方向側の面と接触して、開栓方向への更なる移動が制限される。従って、第1のフランジの閉栓方向側の面との接触が容易且つ確実となるように、不正開封防止帯の内面から、内側方向且つ開栓方向に向けて斜めに配置されてよい。爪部と開栓方向とがなす角の角度δは、例えば、5°以上、10°以上、又は15°以上であってよく、例えば、70°以下、60°以下、50°以下、40°以下、35°以下、30°以下、又は25°以下であってよい。この角度δが、5°以上であることにより、爪部と第1のフランジの閉栓方向側の面との接触が容易且つ確実となる。一方で、この角度δが70°以下であることにより、容器を最初に閉栓するときの、容器口部へのキャップ挿入が容易となる。爪部と第2フランジの傾斜外周面とが接触して爪部の変形抑制を確実にする観点から、この角度δは、傾斜外周面と閉栓方向とがなす角の角度θと、略同じ角度に設定することが好ましい。
爪部の長さは、容器口部の口径、キャップ及び容器口部の材質等を考慮して、適宜に設定されてよい。爪部の長さは、不正開封防止帯の内側の面から爪部の先端までの距離の、容器口部の口外径に対する割合として、例えば、5%以上、8%以上、又は10%以上であってよく、例えば、20%以下、15%以下、又は12%以下であってよい。爪部の変形抑制を確実にする観点から、この爪部の長さは、第2フランジの傾斜外周面の長さと、略同じ長さに設定することが好ましい。
爪部の厚さは、容器口部の口径、キャップ及び容器口部の材質等を考慮して、適宜に設定されてよい。爪部の厚さは、容器口部の口外径に対して、例えば、0.5%以上、1.0%以上、1.5%以上、又は1.8%以上であってよく、例えば、5.0%以下、4.5%以下、4.0%以下、3.5%以下、3.0%以下、又は2.5%以下であってよい。
爪部は、不正開封防止帯の内側の面を一周するように設けられていてよく、又は不正開封防止帯の内側面の円周上に、互いに離隔した状態で2個以上設けられていてよい。
容器を最初に閉栓するときの、容器口部へのキャップ挿入の際、爪部が適切に塑性変形し、爪部が第1のフランジを容易に乗り越えられるよう、爪部は、不正開封防止帯の内側面の円周上に、互いに離隔した状態で2個以上設けられていてよい。この場合、係止の効果を確実化するため、爪部の個数は、例えば、3個以上、4個以上、5個以上、又は6個以上であってよい。一方で、キャップの製造を容易化し、寸法のばらつきを抑制する観点からは、爪部の個数は、例えば、20個以下、15個以下、12個以下、10個以下、又は8個以下であってよい。
爪部が、不正開封防止帯の内側面の円周上に、互いに離隔した状態で2個以上設けられている場合、爪部それぞれ円周上の幅は、適宜に設定されてよい。この爪部の幅は、不正開封防止帯の内面の円周に対して、例えば、1.0%以上、1.5%以上、2.0%以上、又は2.5%以上であってよく、例えば、10%以下、8.0%以下、5.0%以下、4.5%以下、4.0%以下、又は3.5%以下であってよい。
不正開封防止帯は、その内面に突出する爪部を有する他、その他の構成要素を有していてもよい。不正開封防止帯は、例えば窓部を有していてよい。
不正開封防止帯における窓部は、容器の軽量化、樹脂量の低減による製造コストの削減等の目的で、不正開封防止帯の外壁を貫通する孔として存在してよい。窓部の個数、設置位置は任意である。例えば、爪部が2個以上ある場合に、爪部1個ごとに1つの窓部を、各爪部の閉栓方向側に爪部と接した状態で有していてよい。
[具体例]
図3Bに、本発明のアセンブリにおけるキャップの一例の概略断面図を示した。
図3Bのキャップ2は、基部21、基部21から延在する周壁部22、弱化部23、及び不正開封防止帯24を有する。
基部21は、略一様の厚さを有する。
周壁部22は、その内面に、容器口部1の雄ネジ部40と係合する雌ネジ部41を有する。
弱化部23は、円周上に連結部23a及び孔部23bが交互に配置されたブリッジ部から構成されている。連結部23aは、開栓方向に行くに連れて円周上の幅が狭くなっており、引っ張り力が働いたときの破断を容易化している。
不正開封防止帯24は、外壁24aの内面から内側方向且つ開栓方向に向けて突出する爪部24bを有する。爪部24bは、外壁24aの円周上に沿って、略均等に9個配置されている。この爪部24bと開栓方向とがなす角の角度は約25°である。
不正開封防止帯24は、窓部24cを更に有する。窓部24cは、爪部24bの1個に1つずつ、各爪部24bの閉栓方向側に爪部24bと接した状態で配置されている。
[構成材料]
キャップは、任意の材料で構成されていてよい。キャップは、例えば、有機ポリマー、無機ポリマー等から構成されていてよい。キャップは、成形が容易であること、軽量であること等の観点から、有機ポリマー製であることが好ましい。有機ポリマーは、容器口部を構成する材料として上記に例示した有機ポリマーの中から、適宜選択して用いてよい。
<タンパーエビデントアセンブリ>
本発明のタンパーエビデントアセンブリは、上記のような容器口部とキャップとを備える。
本発明のタンパーエビデントアセンブリを最初に閉栓状態にするには、それぞれ別個に製造した容器口部及びキャップを用い、容器口部の外面上の雄ネジ部と、キャップの周壁部の内面上の雌ネジ部とを係合させ、その状態でねじ込んでよい。
タンパーエビデントアセンブリの容器口部にキャップをねじ込んで行くと、キャップに連結された不正開封防止帯の爪部が、第1のフランジの開栓方向側の部分と接触する。更にねじ込みを継続すると、爪部は塑性変形し、第1のフランジを乗り越え、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面よりも更に閉栓方向側に移動して、閉栓状態に至る。
図3Cに、タンパーエビデントアセンブリの閉栓状態の概略断面図を示した。図3Cのタンパーエビデントアセンブリは、容器口部1及びキャップ2から構成される。図3Cの閉栓状態において、キャップ2の不正開封防止帯が有する爪部24bは、容器口部1の有する第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aと接していない。
しかし、図3Cの閉栓状態から、キャップ2が回転されて開栓方向に移動したときには、第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aと爪部24bの先端とが接触して、爪部24bの開栓方向への移動が抑制される。このこととともに、第2のフランジ12の傾斜外周面12aが爪部24bの少なくとも一部、例えばその内側の面と接触して爪部24bの変形を抑制する。
本発明のタンパーエビデントアセンブリは、閉栓状態からキャップ2が開栓方向に移動したときに、第1のフランジ11の閉栓方向側の面11aによる爪部24bの開栓方向への移動の抑制と、第2のフランジ12の傾斜外周面12aによる爪部24bの変形の抑制とが相俟って、爪部を含む不正開封防止帯の開栓方向への移動を抑制し、開封時の弱化部の破断を確実とするものである。これに伴い、本発明のタンパーエビデントアセンブリが一旦開栓された場合には、弱化部が破断した不正開封防止帯が容器口部に残存することの確実性を高めることができる。本発明の作用機序については、前掲図1B及びその説明も参照されたい。
<容器>
本発明の容器は、上記のような本発明のタンパーエビデントアセンブリを備える。本発明の容器は、本発明のタンパーエビデントアセンブリを備えている限り、これ以外の要件は特に限定されることはない。本発明の容器は、例えば、軟質のプラスチック包材を用いたパウチ容器、硬質のプラスチック包材を用いたボトル容器、チューブ容器、紙製のパック容器、ガラス製の瓶容器等であってよい。本発明の容器の用途としては、例えば、飲料用容器、食品用容器、医薬品用容器、化粧品用容器、バッグインボックス用等が挙げられる。
<キャップ>
以下の実施例及び比較例におけるキャップとしては、図3Bの図面に示した形状のポリエチレン製キャップを、試験用の製造装置によって製造し、使用した。このキャップにおいて、周壁部と不正開封防止帯とを連結する弱化部であるブリッジ部の数は10本であり、不正開封防止帯に開口する窓部及びこの窓部に配置された爪部の数は、それぞれ、9本である。爪部の爪基部からの長さは約2.0mmであり、爪部の厚さは約0.7mmである。爪部と開栓方向とがなす角の角度δは25°に設定したが、寸法のばらつきにより、20°〜30°の範囲でバラつきが見られた。
<実施例1及び2>
図2に定義した各部の寸法をそれぞれ表1のとおりとして、ポリエチレン製の容器口部を製造し、上記のキャップと組み合わせてタンパーエビデントアセンブリとし、50個のサンプルについて開封試験を行った。
本試験における開封後の状況を調べ、その結果を表1に示した。
Figure 2018150065
実施例1及び2それぞれのタンパーエビデントアセンブリを開封したときの、爪部と第1及び第2のフランジとの係合状態を図4及び図5に、それぞれ示した。
図4は、実施例1のタンパーエビデントアセンブリを開封するときの様子について、第1及び第2のフランジ、並びに爪部の近傍を拡大して示した概略断面図である。
図4(a)は、実施例1のタンパーエビデントアセンブリの閉栓状態である。この状態において、爪部の先端は、第1のフランジの閉栓方向側の面と接触していなかった。
図4(b)は、キャップを回転して開栓方向に少し移動させたときの状態である。このとき、キャップの開栓方向への移動に伴って不正開封防止帯も一緒に同方向に移動し、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触し、開栓方向への移動が制限された。
図4(c)は、キャップの回転を継続して開栓方向に更に移動させた状態である。このとき、爪部は、キャップの更なる移動によって大きな負荷を受けている。しかし、爪部の内側の面が第2のフランジの外周面と接触し、爪部の変形が抑制されるため、この爪部を含む不正開封防止帯の開栓方向への移動は妨げられている。
図4(d)では、更なる回転によって開栓方向へ移動しようとするキャップ本体と、第1及び第2のフランジの機能によって開栓方向への移動が妨げられている不正開封防止帯との間に引張力が作用して、弱化部が破断された。これにより、容器は開封されるが、不正開封防止帯は容器口部に残存した。
上記のとおり、爪部と開栓方向とがなす角の角度δには、寸法のばらつきによっていくつか誤差があった。しかし、実施例1のタンパーエビデントアセンブリでは、すべての爪部が上記の過程を経て開栓方向への移動を制限され、容器の開封によって弱化部が良好に破断した。
図5は、実施例2のタンパーエビデントアセンブリを開封するときの様子について、第1及び第2のフランジ、並びに爪部の近傍を拡大して示した概略断面図である。図5には、50個のサンプルについて行った開封試験のうち、弱化部が破断せず、不正開封防止帯がキャップとともに外れた1つのサンプルのある爪部について示した。この爪部は、閉栓方向となす角の角度δが小さい方にずれた、いわゆる「立った」状態であった。
図5(a)は、実施例2のタンパーエビデントアセンブリの閉栓状態である。この状態において、爪部の先端は、第1のフランジの閉栓方向側の面と接触していなかった。しかし、爪部の基部は、第2のフランジの外周のうちの閉栓方向側の端部と接していた。
図5(b)は、キャップを回転して開栓方向に少し移動させたときの状態である。このとき、キャップの開栓方向への移動に伴って不正開封防止帯も一緒に同方向に移動し、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触した。しかし、「立った」状態の爪部の先端は、第1のフランジの閉栓方向側の面への引っ掛かりが少なかった。
図5(c)は、キャップの回転を継続して開栓方向に更に移動させた状態である。このとき、第1のフランジの閉栓方向側の面への引っ掛かりが少ない爪部と、第1のフランジとの係合が外れ、爪部を含む不正開封防止帯は、キャップ本体とともに開栓方向に移動した。
図5(d)は、キャップの回転を更に継続して開栓方向に移動させた状態である。このとき、弱化部は破断せず、キャップ本体とともに不正開封防止帯も移動して容器口部から外れた。
図5には、不正開封防止の効果を奏しなかった例を示した。しかしながら、上述の表1に示したとおり、実施例2において50個のサンプルについて行った開封試験のうち、49例については本発明が所期する効果が発揮され、不正開封防止帯は容器口部に残存した。このことは、実施例2が、後述の比較例を含む従来技術に対して、貢献のあることを示す。
<比較例1>
第2のフランジを形成しない他は実施例1と同様の構成を有する容器口部を製造し、上記のキャップと組み合わせてタンパーエビデントアセンブリとして開封試験を行った。比較例1で使用した容器口部の断面形状を図6に示した。また、このときの開封の様子について、第1のフランジ及び爪部の近傍を拡大して示した概略断面図を図7に示した。
図7(a)は、比較例1のタンパーエビデントアセンブリの閉栓状態である。この状態において、爪部の先端は、第1のフランジの閉栓方向側の面と接触していなかった。図7(b)は、キャップを回転して開栓方向に少し移動させたときの状態である。このとき、キャップの開栓方向への移動に伴って不正開封防止帯も一緒に同方向に移動し、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触した。
図7(c)は、キャップの回転を継続して開栓方向に更に移動させた状態である。このとき爪部は、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触して開栓方向への移動が制限されているが、キャップの移動に伴う負荷のために塑性変形し始めた。キャップを開栓方向に更に移動させた図7(d)では、爪部の塑性変形が大きくなった。
図7(e)は、キャップの回転を更に継続して開栓方向に移動させた状態である。このとき、塑性変形した爪部は、第1のフランジとの係止から外れたため、弱化部は破断せず、キャップ本体とともに不正開封防止帯も移動して容器口部から外れた。
<比較例2>
第2のフランジの外周面と開栓方向とのなす角を略平行とした他は実施例1と同様の構成を有する容器口部を製造し、上記のキャップと組み合わせてタンパーエビデントアセンブリとして開封試験を行った。比較例2で使用した容器口部の断面形状を図8に示した。
キャップを回転して開栓方向に少し移動させると、不正開封防止帯も一緒に同方向に移動し、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触した。しかし、この爪部は、第2フランジの外周面とは接触していなかった。キャップの移動を継続すると、爪部は塑性変形した。これは、爪部が第2フランジの外周面と面で接触していなかったため、爪部の塑性変形の抑制効果が働かなかったためであると考えられる。更にキャップの移動を継続すると、爪部の塑性変形により第1のフランジとの係止から外れ、キャップ本体とともに不正開封防止帯も移動して容器口部から外れた。
<比較例3>
第2のフランジの外周面と閉栓方向とのなす角の角度を約−45°として、第2のフランジの外径が閉栓方向に向かって縮小する形状とした他は実施例1と同様の構成を有する容器口部を製造し、上記のキャップと組み合わせてタンパーエビデントアセンブリとして開封試験を行った。比較例3で使用した容器口部の断面形状を図9に示した。
キャップを回転して開栓方向に少し移動させると、不正開封防止帯も一緒に同方向に移動し、爪部の先端が第1のフランジの閉栓方向側の面と接触した。しかし、この爪部は、第2フランジの外周面とは接触していなかった。キャップの移動を継続すると、爪部は塑性変形した。これは、爪部が第2フランジの外周面と面で接触していなかったため、爪部の塑性変形の抑制効果が働かなかったためであると考えられる。更にキャップの移動を継続すると、爪部の塑性変形により第1のフランジとの係止から外れ、キャップ本体とともに不正開封防止帯も移動して容器口部から外れた。
1 容器口部
1a 外面
2 キャップ
3 タンパーエビデントアセンブリ
10 フランジ
10a 閉栓方向側の面
11 第1のフランジ
11a 閉栓方向側の面
12 第2のフランジ
12a 傾斜外周面
21 基部
22 周壁部
23 弱化部
23a 連結部
23b 孔部
24 不正開封防止帯
24a 外壁
24b 爪部
24c 窓部
40 雄ネジ部
41 雌ネジ部
第1のフランジの閉栓方向側の面の長さ
第1のフランジの外径の最大値と、第2のフランジの外径の最大値との差
第1のフランジの軸方向に沿った長さ
第2のフランジの軸方向に沿った長さ
第1のフランジの外径の最大値
第2のフランジの外径の最大値
P1 開栓方向への力
P2 閉栓方向内側への力
φ 第1のフランジの閉栓方向側の面と閉栓方向とがなす角の角度
θ 第2のフランジの外周面と閉栓方向とがなす角の角度
δ 爪部と開栓方向とがなす角の角度

Claims (9)

  1. 円筒状の容器口部、及び前記容器口部を閉栓するキャップを備えるタンパーエビデントアセンブリであって、
    前記容器口部の外面は、開栓方向から順に、雄ネジ部、第1のフランジ、及び第2のフランジを有し、
    前記キャップは、基部、前記基部から延在し、且つ前記容器口部の雄ネジ部と係合する雌ネジ部を内面に有する周壁部、及び引張力を受けて破断可能な弱化部を介して前記周壁部に連結されている不正開封防止帯を有し、
    前記不正開封防止帯は、その内面から内側に突出する1個以上の爪部を有し、
    前記第2のフランジは、外径が閉栓方向に向かって拡大していく傾斜外周面を有し、
    前記キャップが、前記容器口部に閉栓された状態から回転されて開栓方向に移動したときに、前記第1のフランジの閉栓方向側の面が前記爪部の先端と接触して前記爪部の開栓方向への移動を抑制するとともに、前記第2のフランジの傾斜外周面が前記爪部と接触して前記爪部の変形を抑制することにより、前記不正開封防止帯の開栓方向への移動を抑制する、
    前記タンパーエビデントアセンブリ。
  2. 前記第2のフランジの傾斜外周面と閉栓方向とのなす角の角度が20°以上70°以下である、請求項1に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  3. 前記第1のフランジの閉栓方向側の面と閉栓方向とのなす角の角度が80°以上100°以下である、請求項1又は2に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  4. 前記第2のフランジの外径の最大値が、前記第1のフランジの外径の最大値よりも小さい、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  5. 前記爪部が、前記不正開封防止帯の内側の面を一周するように設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  6. 前記爪部が、前記不正開封防止帯の内側の面の周上に互いに離隔した状態で2個以上設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  7. 前記キャップが有機ポリマー製である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  8. 前記容器口部が有機ポリマー製である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパーエビデントアセンブリを備える容器。
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