本発明の実施例は、車両などの移動体に搭載されるヘッドライトにより、移動体の前方の路面に文字や記号などの情報を投影する場合に、投影された情報の視認性を確保するための技術を提供する。
文字などの情報を投影することが可能なヘッドライトは、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(Digital Micromirror Device:DMD)により実現される。デジタル・マイクロミラー・デバイスは、集積回路上に形成された多数の可動式のマイクロミラーを備えている。それぞれのマイクロミラーは、光源からの光を外部に反射するオン状態と、光源からの光を外部に反射しないオフ状態との間で切替可能に制御される。それぞれのマイクロミラーを個別に制御することにより、マイクロミラーごとに光の反射を制御することができるので、備えられたマイクロミラーの数の解像度で像を投影することができる。本実施例においては、このDMDを備えたヘッドライトを使用するが、情報を含む像を投影することを可能とする他の任意の技術が利用されてもよい。
図1は、車両に備えられたヘッドライトにより照射された照射光の例を示す。図1(a)は、車両10の左側ヘッドライト90aから照射された照射光の照射領域42aを示す。照射領域42aは、光軸40aを中心に左右対称に広がっている。照射領域42aには、車両10の運転者に注意を喚起するための「WARNING」という文字情報30aが投影される。図1(b)は、車両10の右側ヘッドライト90bから照射された照射光の照射領域42bを示す。照射領域42bは、光軸40bを中心に左右対称に広がっている。照射領域42bにも、照射領域42aと同様に、車両10の運転者に注意を喚起するための「WARNING」という文字列が投影される。
図1(c)は、車両10の左側ヘッドライト90a及び右側ヘッドライト90bから、それぞれ、図1(a)及び図1(b)に示した照射光が照射された様子を示す。左側ヘッドライト90aの照射領域42aと右側ヘッドライト90bの照射領域42bとが重なる路面の領域を「第1領域44」と呼び、左側ヘッドライト90aのみ、又は、右側ヘッドライト90bのみにより照射される路面の領域を、それぞれ、「第2領域46a」、「第2領域46b」と呼ぶ。文字情報30a及び文字情報30bは、第1領域44において、ちょうど重なるように意図されて投影されるが、実際には、車両10の加速、減速、カーブ走行、乗員搭乗位置、荷物積載などにより車両10の姿勢が変化することによって起こる左側ヘッドライト90aの光軸40aと右側ヘッドライト90bの光軸40bのずれや、路面の凹凸又は傾斜などに起因して、投影像がずれることがあり、その場合は、文字情報の可読性、判読性が不十分となりうる。
図2は、車両に備えられたヘッドライトにより照射された照射光の別の例を示す。図2(c)に示すように、本図の例では、第1領域44に、車両10の運転者に注意を喚起するためのマーク34a、34bが投影され、第2領域46aに、文字情報32が投影される。これを実現するために、左側ヘッドライト90aからは、図2(a)に示すように、第1領域44となる領域にマーク34a、第2領域46aとなる領域に文字情報32が投影され、右側ヘッドライト90bからは、図2(b)に示すように、第1領域44となる領域にマーク34bが投影される。マーク34bは、文字情報32に比べて、直感的、瞬間的に理解しやすく、視認性、識別性がさほど要求されない情報であるから、図2(c)に示すように、マーク34aとマーク34bの投影像が多少ずれて、輪郭などがぼやけてしまったとしても、情報の可読性、判読性にあまり影響せず、情報の提供対象者である運転者が十分に理解することができる。文字情報32は、第2領域46aに、左側ヘッドライト90aのみから投影されるので、投影像がずれて重なることによる可読性の低下を考慮する必要が無く、シャープな像を投影することができる。
したがって、本実施例では、左側ヘッドライト90a及び右側ヘッドライト90bから投影することが可能な情報のうち、マーク、シンボル、図形、簡易な画像、記号、サイズの大きな文字など、直感的、瞬間的に視認、識別することが可能又は容易な情報(以降、「第1情報」ともいう)は、第1領域44にも第2領域46a、46bにも投影可能とする一方、文字列、単語、文章、複雑又は高精細な画像、サイズの小さな文字など、視認性、識別性、可読性、判読性が第1情報よりも要求される情報(以降、「第2情報」ともいう)は、第1領域44よりも第2領域46a、46bに優先的に投影する。これにより、投影する情報に応じて適切な投影態様を選択して情報を投影することができるので、投影する情報の視認性、可読性、判読性を確保することができる。
第2情報は、基本的には第2領域46a、46bに投影し、所定の条件下においては、第1領域44にも投影可能としてもよい。例えば、第1領域44の路面に関する第2情報を投影する場合には、第2情報であっても第1領域44に投影可能としてもよい。第2情報のみを投影する場合には、第1領域44と第2領域46a、46bの双方に投影可能とする一方、第1情報と第2情報を同時に投影する場合には、第1情報を第1領域44に、第2情報を第2領域46a、46bにそれぞれ投影するようにしてもよい。第2情報は、第1領域44には投影せず、第2領域46a、46bのみに投影するようにしてもよい。第1情報は、第1領域44と第2領域46a、46bの双方に投影可能としてもよいし、第1領域44のみに投影するようにしてもよい。図2の例では、文字情報32は、左側ヘッドライト90aから第2領域46aに投影されるが、右側ヘッドライト90bから第2領域46bに投影されてもよい。第2領域に情報を投影する場合に、第2領域46aと46bのいずれに投影するかは、周囲の明るさ、対向車の有無、路肩の状態などに応じて選択してもよい。
図3は、車両に備えられたヘッドライトにより照射された照射光の更に別の例を示す。図2の例においては、第1領域44に投影するマーク34a、34bとして、左側ヘッドライト90aと右側ヘッドライト90bの双方から同じマークが投影されたが、図3の例においては、図3(a)に示すように、左側ヘッドライト90aのみからマーク34aが投影され、右側ヘッドライト90bからは、マーク34bに代えて、マーク34aの背景となる図形36が、その周囲とは異なる照度で投影される。これにより、左側ヘッドライト90aの照射光と右側ヘッドライト90bの照射光が重なる第1領域44にも、情報をシャープに投影することができる。したがって、この場合は、第1情報も第2情報も、第1領域44と第2領域46a、46bの双方に投影可能としてもよい。
ヘッドライトの本来の目的は、暗所において車両の前方を明るく照らすことであるから、ヘッドライトを構成するそれぞれのマイクロミラーから、できる限り照度の高い光を照射するのが望ましく、その場合、情報の投影像は、その周囲よりも暗い照度で投影するか、着色光を照射することにより表現されることになる。第1領域44において、左側ヘッドライト90aと右側ヘッドライト90bから情報が重畳して投影される図2の例においては、情報の投影像として暗くされる又は着色される画素の数が多くなると、周囲よりも暗い又は着色された領域が広くなってしまう。これに対して、図3の例においては、左側ヘッドライト90aのみからマーク34aを投影し、右側ヘッドライト90bからはマーク34aの投影像よりも高い照度で図形36を投影するので、マーク34aが投影された位置も明るく照らすことができる。また、図形36を投影せず、全領域に同じ照度の光を照射すると、マーク34aが明るく照らされ過ぎてコントラストが下がり、視認性が低下する場合もありうるが、図形36を周囲よりも若干低い照度で投影することにより、マーク34aのコントラストを上げ、視認性を向上させることができる。図形36の形状、サイズ、位置、照度は、投影されるマーク34aなどの情報の形状、サイズ、位置、内容、周囲の明るさ、路面の状況などに応じて決定されてもよい。
図4は、車両に備えられたヘッドライトにより照射された照射光の更に別の例を示す。図4の例では、図1〜3の例に比べて、左右のヘッドライトの照射領域が外側に広げられており、光軸40a、40bに対して非対称となっている。この場合、車両10の運転者の正面だけでなく、側方にも広く光が照射されるので、車両10の乗員だけでなく、車両10の乗員以外の第三者、例えば、周囲の歩行者などを提供対象者とする情報を路面に投影することもできる。図4の例では、図4(c)に示すように、車両10の正面の第1領域44には、交差点で左折すべきことを示すマーク38が投影され、側方の第2領域48a、48bには、それぞれ、道路を横断しようとする歩行者に注意を喚起するための「caution!」という文字情報39a、39bが投影される。図4(a)に示すように、マーク38は左側ヘッドライト90aのみから投影され、図4(b)に示すように、右側ヘッドライト90bからは図形36が投影されるが、図2の例と同様に、左右のヘッドライトから同じマーク38が重ねて投影されてもよい。
このように、第1情報と第2情報は、情報の提供対象者や情報の内容などによって分類されてもよい。例えば、第1情報は、車両の乗員を提供対象者とする情報であってもよく、第2情報は、車両の乗員以外の第三者、例えば、周囲の歩行者などを提供対象者とする情報であってもよい。また、第2情報は、第1情報として第1領域に投影される情報の関連情報、補足情報、説明などであってもよい。
図5は、実施例に係る車両10の構成を概略的に示す。車両10は、照明装置の一例であるヘッドライト90と、ヘッドライト90のオン/オフを切り替えるためのスイッチやハイビーム/ロービームを切り替えるためのスイッチなどを含む操作部86と、車両10の周囲を撮像するためのカメラ80と、車両10の進路に関する情報を提供するナビゲーションシステム82と、車両10に関する各種情報を検知する車両情報センサ84と、車両10を制御する制御部50と、車両10の制御に必要な情報を記憶する記憶部60とを備える。
ヘッドライト90は、照射ユニットの一例である左側ヘッドライト90a及び右側ヘッドライト90bを備える。左側ヘッドライト90a及び右側ヘッドライト90bは、それぞれ、照射光を発生する光源部92a、92bと、照射光を所定の照射パターンに変換する変換部94a、94bと、変換部94a、94bにより所定の照射パターンに変換された照射光を投光する投光部96a、96bとを備える。
図6は、実施例に係る制御部50の構成を概略的に示す。図6には、制御部50の構成のうち、ヘッドライト90の制御に関する構成が示される。制御部50は、車両10の状況を推定する状況推定部52と、状況推定部52により推定された状況に基づいてヘッドライト90により投影する情報を決定する投影情報決定部54と、投影情報決定部54により決定された情報を含む照射パターンをヘッドライト90に設定する照射パターン設定部56とを備える。記憶部60は、ヘッドライト90により投影可能な情報を保持する投影情報保持部62と、照射光の配光パターンを保持する配光パターン保持部64とを備える。制御部50と記憶部60は、ヘッドライト90を制御する制御装置の一例である。本実施例における制御部50の機能は、CPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現され、ここではそれらの連携によって実現される構成を描いている。プログラムは、車両10に内蔵されていてもよく、また記録媒体に格納された形態で外部から供給されるものであってもよい。したがってこれらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者に理解されるところである。
操作部86によりヘッドライト90がオンにされると、制御部50は、ヘッドライト90の制御を開始する。状況推定部52は、カメラ80から取得される車両10の周囲の撮像画像や、ナビゲーションシステム82から取得される車両10の進路の状況や、車両情報センサ84から取得される車両10の速度、加速度、舵角、車両姿勢、燃料やバッテリーの残量などの各種情報などに基づいて、車両10の状況を推定する。投影情報決定部54は、推定された車両10の状況に基づいて、投影情報保持部62を参照してヘッドライト90により投影する情報を決定する。照射パターン設定部56は、車両10の周囲の状況に基づいて、配光パターン保持部64を参照して配光パターンを決定するとともに、投影すると決定された情報の投影領域などの投影態様を決定し、配光パターンと投影情報を含む照射パターンを生成してヘッドライト90に設定する。投影すべき情報がない場合は、決定された配光パターンが照射パターンとされる。配光パターンは、例えば、カメラ80により撮像された画像に基づいて検知された対向車や歩行者の方向に輝度の高い光を照射しないように決定される。
図7は、投影情報保持部62に保持された投影情報の例を示す。投影情報保持部62に保持される投影情報テーブルには、投影条件欄、投影情報欄、情報種別欄、及び提供対象者欄が設けられる。投影条件欄には、投影情報を投影するための条件が格納される。投影情報欄には、投影条件が成立したときに投影される情報が格納される。情報種別欄は、投影情報が分類される種別が格納される。提供対象者欄は、投影情報の提供対象者が格納される。例えば、車両情報センサ84により、車両10の速度が制限速度を超過したことが検知されたとき、第1情報に分類される「マーク01」を運転者に向けて投影し、第2情報に分類される「WARNING」の文字情報を運転者に向けて投影することが格納されている。また、ナビゲーションシステム82から、車両10の前方の交差点を左折するという情報が取得されたとき、第1情報に分類される「マーク02」を運転者に向けて投影し、第2情報に分類される「CAUTION!」の文字情報を歩行者に向けて投影することが格納されている。ここで、「マーク01」は、図2及び図3に示したマーク34a、34bの識別情報であり、「マーク02」は、図4に示したマーク38の識別情報である。
投影情報決定部54は、状況推定部52により推定された車両10の状況に基づいて、投影情報保持部62を参照し、合致する条件を探索する。合致する条件がある場合、投影情報の情報種別及び提供対象者や、車両10の状況などに応じて、投影情報を第1領域に投影するのか第2領域に投影するのか、第1領域に投影する場合には両方のヘッドライトから重畳して投影するのか一方のヘッドライトのみから投影するのか、一方のヘッドライトのみから第1領域に投影する場合には他方のヘッドライトから背景となる図形を投影するのかどうか、背景となる図形を投影する場合にはその投影位置、形状、サイズ、照度など、適切な投影態様を決定する。投影情報決定部54は、同じ投影情報であっても、第1領域に投影する場合は、第2領域に投影する場合よりも投影像が大きくなるように投影態様を決定してもよい。投影情報テーブルにおいて複数の条件が成立した場合に、いずれの投影情報を優先して投影するかを決定するための優先順位が設定されてもよい。
本発明の実施例によれば、車両などの移動体に搭載されるヘッドライトにより、移動体の前方の路面に文字や記号などの情報を投影する場合に、投影された情報の視認性を確保し、明瞭で違和感の無い情報の投影を実現することができる。また、左右のヘッドライトの光軸のずれに起因する違和感を低減することができ、移動体の安全性を向上させることができる。図3及び図4に示した実施例によれば、情報が投影される位置も明るく照らすことができるとともに、情報の投影像のコントラストを上げて視認性を向上させることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の一態様の概要は、次の通りである。本発明のある態様の照明装置は、照射光を発生する光源部と、照射光を所定の照射パターンに変換する変換部と、変換部により所定の照射パターンに変換された照射光を投光する投光部と、を備える照射ユニットを複数備える。照射パターンは、照射ユニットにより投影される情報を含むことが可能であり、照射ユニットにより投影可能な情報は、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる第1領域に複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つから重ねて投影可能とされる第1情報と、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない第2領域に第1領域よりも優先して投影される第2情報とに分類されており、第1領域に情報が投影される場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つにおいて、それぞれ投影される情報が重なるように設定された照射パターンに照射光が変換され、第2領域に情報が投影される場合には、複数の照射ユニットのうちのいずれか1つにおいて、投影される情報が含まれるように設定された照射パターンに照射光が変換される。
この態様によると、照明装置により投影される情報の視認性を確保し、明瞭で違和感の無い投影を実現することができる。また、複数の照明ユニットの光軸のずれに起因する違和感を低減することができ、移動体の安全性を向上させることができる。
第2情報は、第1情報よりも、情報の提供対象者による視認性が要求される情報として分類されてもよい。この態様によると、視認性が要求される第2情報を、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない領域に投影するので、シャープな像を投影することができ、第2情報の視認性を確保することができる。
第1情報は、記号、マーク、シンボル、又は図形を含み、第2情報は、文字を含んでもよい。この態様によると、視認性が要求される文字を含む第2情報を、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない領域に投影するので、シャープな像を投影することができ、第2情報の視認性を確保することができる。
第1情報は、照明装置が搭載された移動体の乗員を提供対象者とする情報であり、第2情報は、移動体の乗員以外の第三者を提供対象者とする情報であってもよい。この態様によると、移動体の正面の第1領域に、移動体の乗員に向けた情報を投影し、移動体の側方の第2領域に、歩行者などの第三者に向けた情報を投影するので、投影する情報に応じて適切な位置に情報を投影することができる。
第1領域に投影される情報の投影像は、第2領域に投影される情報の投影像よりも大きくてもよい。この態様によると、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる第1領域に、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない第2領域に投影される情報の投影像よりも大きな投影像となるように情報を投影するので、第1領域に投影される情報の視認性を確保することができる。
本発明の別の態様は、制御プログラムである。この制御プログラムは、コンピュータを、複数の照射ユニットを備えた照明装置により投影される情報を決定する投影情報決定部、投影情報決定部により決定された情報を含む照射パターンを照明装置に設定する照射パターン設定部、として機能させる。投影情報決定部は、照明装置により投影可能な情報を、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる第1領域に複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つから重ねて投影可能とされる第1情報と、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない第2領域に第1領域よりも優先して投影される第2情報とに分類して保持した記憶装置を参照して、照明装置により投影される情報を決定し、照射パターン設定部は、第1領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つにおいてそれぞれ投影される情報が重なるように照射パターンを設定し、第2領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちのいずれか1つにおいて投影される情報が含まれるように照射パターンを設定する。
この態様によっても、照明装置により投影される情報の視認性を確保し、明瞭で違和感の無い投影を実現することができる。また、複数の照明ユニットの光軸のずれに起因する違和感を低減することができ、移動体の安全性を向上させることができる。
本発明の更に別の態様は、移動体である。この移動体は、複数の照射ユニットを備えた照明装置と、照明装置を制御する制御装置と、を備える。複数の照射ユニットは、それぞれ、照射光を発生する光源部と、照射光を所定の照射パターンに変換する変換部と、変換部により所定の照射パターンに変換された照射光を投光する投光部と、を備える。制御装置は、複数の照射ユニットを備えた照明装置により投影される情報を決定する投影情報決定部と、投影情報決定部により決定された情報を含む照射パターンを照明装置に設定する照射パターン設定部と、を備える。投影情報決定部は、照明装置により投影可能な情報を、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる第1領域に複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つから重ねて投影可能とされる第1情報と、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重ならない第2領域に第1領域よりも優先して投影される第2情報とに分類して保持した記憶装置を参照して、照明装置により投影される情報を決定し、照射パターン設定部は、第1領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも2つにおいてそれぞれ投影される情報が重なるように照射パターンを設定し、第2領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちのいずれか1つにおいて投影される情報が含まれるように照射パターンを設定する。
この態様によっても、照明装置により投影される情報の視認性を確保し、明瞭で違和感の無い投影を実現することができる。また、複数の照明ユニットの光軸のずれに起因する違和感を低減することができ、移動体の安全性を向上させることができる。
本発明の更に別の態様は、照明装置である。この装置は、照射光を発生する光源部と、照射光を所定の照射パターンに変換する変換部と、変換部により所定の照射パターンに変換された照射光を投光する投光部と、を備える照射ユニットを複数備える。照射パターンは、照射ユニットにより投影される情報を含むことが可能であり、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる領域に情報が投影される場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも1つから情報が投影されるとともに、別の照射ユニットから情報が投影される位置にその周囲とは異なる照度の光が照射される。
この態様によると、情報が投影される位置も明るく照らすことができるとともに、情報の投影像のコントラストを上げて視認性を向上させることができる。
複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる領域に情報が投影される場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも1つから情報が投影されるとともに、別の照射ユニットから情報が投影される位置にその周囲よりも低い照度の光が照射されてもよい。この態様によっても、情報の投影像のコントラストを上げて視認性を向上させることができる。
本発明の別の態様は、制御プログラムである。この制御プログラムは、コンピュータを、複数の照射ユニットを備えた照明装置により投影される情報を決定する投影情報決定部、投影情報決定部により決定された情報を含む照射パターンを照明装置に設定する照射パターン設定部、として機能させる。照射パターン設定部は、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも1つから情報を投影するとともに、情報が投影される位置に別の照射ユニットからその周囲とは異なる照度の光を照射する照射パターンを決定する。
この態様によっても、情報が投影される位置も明るく照らすことができるとともに、情報の投影像のコントラストを上げて視認性を向上させることができる。
本発明の更に別の態様は、移動体である。この移動体は、複数の照射ユニットを備えた照明装置と、照明装置を制御する制御装置と、を備える。複数の照射ユニットは、それぞれ、照射光を発生する光源部と、照射光を所定の照射パターンに変換する変換部と、変換部により所定の照射パターンに変換された照射光を投光する投光部と、を備える。制御装置は、複数の照射ユニットを備えた照明装置により投影される情報を決定する投影情報決定部と、投影情報決定部により決定された情報を含む照射パターンを照明装置に設定する照射パターン設定部と、を備える。照射パターン設定部は、複数の照射ユニットから照射された光の照射領域が重なる領域に情報を投影する場合には、複数の照射ユニットのうちの少なくとも1つから情報を投影するとともに、情報が投影される位置に別の照射ユニットからその周囲とは異なる照度の光を照射する照射パターンを決定する。
この態様によっても、情報が投影される位置も明るく照らすことができるとともに、情報の投影像のコントラストを上げて視認性を向上させることができる。