JP2018149775A - 易開封性多層フィルム - Google Patents

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浩忠 徳田
洋一 松浦
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洋一 松浦
克典 三好
Katsunori Miyoshi
克典 三好
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Abstract

【課題】本発明の課題は、易開封性を有し内容物保護のため充分強い落下衝撃強度が得られ、食品や医療用用具、雑貨等を充填する包装体、特に乳製品用のポリエチレン容器やポリエチレンで被覆された紙容器のシーラント用フィルムに好適な易開封性多層フィルムを提供すること。
【解決手段】A層(表層)/B層(中間層)/C層(シール層)の3層構成からなる多層フィルムであって、A層(表層)は、高密度ポリエチレン(a1)50〜90重量%と低密度ポリエチレン(a2)10〜50重量%を混合した樹脂組成物からなり、B層(中間層)は、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)45〜94重量%と高密度ポリエチレン(b2)3〜30重量%とエチレン・α−オレフィンフランダム共重合体エラストマー(b3)3〜25重量%の範囲で混合した樹脂組成物であり、C層(シール層)は、高圧法低密度ポリエチレン系樹脂(c1)からなることを特徴とする易開封性多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた密封性と易開封性を有する易開封性多層フィルムに関する。
包装体の本来の目的は内容物を保護することであって、輸送や陳列時の外力に抗して容易に開封されないという性能が重要であることは言うまでもないが、一方で使用時には簡単に開封できるという「易開封性」が求められることが多くなっている。特に近年の高齢者人口の増加および核家族化により個食が増え、利便性が良く、容易に開封できる包装体への要望が高まってきた。易開封性の包装体として種々のものが提案されており、なかでもイージーピールと呼ばれる包装体は開封性を付与したシーラントフィルムを用いるものであって、ゼリー・ヨーグルト・プリンなどのデザート食品や米飯などのカップ容器の蓋材、ハム・ベーコンなどの畜肉加工品のパックなど広範に用いられており、密封性と開封性のバランスが重要となる。
シーラントフィルムに係るこの課題を解決する方法として、特定の比率でポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂を混合したヒートシール層からなる共押出多層フィルムが提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
しかし、前記特許文献1、2で提供された共押出多層フィルムをシーラントフィルムとして使用した場合であっても、ポリエチレン容器やポリエチレンで表面を被覆している紙容器には密封性と開封性を両立できなかったり、130℃以下での低温シール性が求められるヨーグルトなどの乳製品の包装においては、流通時にシールが剥がれて内容物が漏れるなどの問題が発生していた。またヨーグルトなどの乳製品で広く実施されている後発酵時には、発酵工程でシールが剥がれ密封性が損なわれることがあった。内容物を保護する目的でシール強度を得ようとすると、易開封性が損なわれるため、良好なシール性と易開封性を両立できなかった。
特開2012−144015号公報 特開2016−055433号公報
本発明は、容器の蓋材やレトルトパウチのような袋状の包装袋などでシール部に夾雑物を噛み込んでも安定して密封でき、またヨーグルトなどの乳製品の後発酵時でもシール剥がれが発生せず、低温シール性を求められる包装においても十分なシール性が得られる。さらに優れた耐衝撃性を持つことで流通時の内容物保護が可能でありながら、開封する際に容易に開封することができる易開封性シーラントフィルムを提供することにある。
かかる課題を解決するための本発明は、次の構成を特徴とするものである。
すなわち、本発明は、
(1)A層/B層/C層の3層構成を有する多層フィルムであって、A層は、高密度ポリエチレン(a1)50〜90重量%と低密度ポリエチレン(a2)10〜50重量%を混合した樹脂組成物からなり、B層は、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)45〜94重量%と高密度ポリエチレン(b2)3〜30重量%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)3〜25重量%を混合した樹脂組成物からなり、C層は、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(c1)からなることを特徴とする易開封性多層フィルム、
(2)C層の厚さが2〜20μmである上記の易開封性多層フィルム、
(3)A層の低密度ポリエチレン(a2)が高圧法低密度ポリエチレンである上記の易開封性多層フィルム、である。
本発明の易開封性多層フィルムは、広い温度範囲で安定してシールでき良好な易開封性を有し、乳製品等の容器との低温ヒートシールに優れ、更に流通時の内容物保護を満足することができる。さらに、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層を、前記易開封性多層フィルムのA層(表層)側に積層することにより、易開封性と流通時の内容物保護を満足する包装体を得ることができる。
本発明の易開封性多層フィルムについて具体的に説明する。
本発明の易開封性多層フィルムは、A層(表層)/B層(中間層)/C層(シール層)の順で積層された多層フィルムであることが必須であり、A層は適度な剛性と滑り性をフィルムに与えることで製膜性とフィルムの取り扱い性を向上させるために重要である。B層(中間層)は、耐衝撃性を保持するために必要であり、C層(シール層)はシール性と易開封性のために必要である。本発明のフィルムは、ヒートシール後の剥離時(開封時)にB層(中間層)とC層(シール層)間で層間剥離するタイプの易開封性多層フィルムである。
本発明におけるA層(表層)を構成する樹脂は、高密度ポリエチレン(a1)50〜90重量%と低密度ポリエチレン(a2)10〜50重量%を混合した樹脂組成物であることが必要である。この構成とすることで、フィルムに適度の剛性と滑り性が得られ、取り扱い性に優れたものであり、蓋材として適度な大きさにフィルムを打ち抜く際にフィルムの伸びが発生しにくく打ち抜くことができる。高密度ポリエチレン(a1)が90重量%を超えると、Tダイ法キャスト製膜時のエッジまくれが大きくなって製膜安定性が悪化する。エッジまくれとは、口金からフィルム状に押し出して、キャスティングドラム上で冷却する際に、フィルム端部が非ドラム面側にカールする現象をいう。また、フィルム表面が硬くなって製膜工程または後加工でフィルム表層部が削れてロール汚れにより製膜性が悪くなる。一方、低密度ポリエチレン(a2)が50重量%を超えると、滑り性が悪くなって巻き取り時にシワが発生する場合があり、また、フィルムの剛性が低くなって打ち抜き特性が悪くなる。
本発明におけるA層(表層)の高密度ポリエチレン(a1)の密度は、0.935〜0.970g/cmが好ましく、0.940〜0.965g/cmがより好ましい。メルトフローレート(以下MFRと省略することがある。JIS K 7210に準拠、温度条件;190℃、荷重;2.16kg。以下、特にことわらない限り「(190℃)」と記すことがある。)は、1〜40g/10分が好ましく、5〜15g/10分が製膜安定性とフィルムの適度な剛性が得られ、打ち抜き性がよく、より好ましい。
A層(表層)の低密度ポリエチレン(a2)は、蓋材として用いたときの打ち抜き性の点で高圧法低密度ポリエチレンが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法低密度ポリエチレンより破断強度、破断伸度が大きくなるため、打ち抜き特性が悪くなることがある。
A層(表層)の低密度ポリエチレン(a2)としての高圧法低密度ポリエチレンの密度は、0.900〜0.925g/cmが好ましく、0.905〜0.922g/cmの範囲であると適度な滑り性があり、打ち抜き性がよく、より好ましい。MFR(190℃)は1〜50g/10分が好ましく、1〜25g/10分が高密度ポリエチレン(a1)との混合性がよく、より好ましい。
本発明におけるB層(中間層)を構成する樹脂は、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)45〜94重量%と高密度ポリエチレン(b2)3〜30重量%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)3〜25重量%を混合した樹脂組成物であることが必要である。直鎖状低密度ポリエチレン(b1)は、優れた落下衝撃性を付与するために必要であり、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)も落下衝撃性をさらに強化するために必要である。
B層(中間層)の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)は、シングルサイト、マルチサイト何れの触媒を用いて得られたものであってもよく、コモノマーとしては、1―ブテン、1−ヘキセン、4メチル−1−ペンテン、1−オクテンを選ぶことができる。直鎖状低密度ポリエチレン(b1)は、高圧法低密度ポリエチレンより融点が高くフィルムの耐熱性を向上させ、落下衝撃性が強くなる。直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の密度は0.900〜0.940g/cmが好ましく、0.903〜0.935g/cmがより好ましい。また、MFR(190℃)は0.5〜50g/10分が好ましく、1〜40g/10分がより好ましい。MFR(190℃)が0.5g/10分未満では落下衝撃性が悪化し、50g/10分を超えると剥離する際にフィルムが伸びて剥離外観が悪くなる場合がある。
B層(中間層)の高密度ポリエチレン(b2)は、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)のB層中での分散状態を良くしてC層(シール層)との層間剥離面の外観をよくするために必要である。高密度ポリエチレン(b2)の混合量が3重量%未満では、ヒートシール後に剥離する際の強度のばらつきが発生して剥離外観が悪くなり、打ち抜き性も悪くなる。混合量が30重量%を超えるとC層(シール層)との層間で積層乱れが発生して製膜性が悪化する。また、フィルム特性としては、ヒートシール強度の低下と、開封性と落下衝撃性が悪化する。
B層(中間層)の高密度ポリエチレン(b2)の密度は、0.935〜0.970g/cmが好ましく、0.940〜0.965g/cmがより好ましい。MFR(190℃)は1〜40g/10分が好ましく、6〜20g/10分がより好ましい。MFR(190℃)がこの範囲であれば、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)が適度に分散することから、フィルムの製膜性が向上し、耐落下衝撃性が高くなる。
B層(中間層)のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)は、落下衝撃性を上げるために必要であり、また、C層(シール層)との層間剥離時の外観をよくするために必要である。混合量が3重量%未満では落下衝撃性やヒートシール強度が低下し、25重量%を超えると分散不良が起ってヒートシール強度のばらつきが発生し剥離外観が悪くなり、打ち抜き性も悪くなる。
B層(中間層)のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)の密度は、0.850〜0.900g/cmが好ましく、0.855〜0.895g/cmがより好ましい。MFR(190℃)は0.5〜20g/10分が好ましく、1〜10g/10分がより好ましい。MFR(190℃)がこの範囲であれば、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)と高密度ポリエチレン(b2)への分散性がよく、フィルムの製膜性が安定する。α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンから好ましく選ぶことができ、具体的にはエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体が好ましい。
本発明におけるC層(シール層)を構成する樹脂は、高圧法低密度ポリエチレン樹脂(c1)からなることが必要である。高圧法低密度ポリエチレンであることにより、被着体容器との低温シール性と開封時の外観がよくなる。直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンは融点が高いために低温シール性に劣り、開封時の外観も悪くなるので好ましくない。但し、C層(シール層)には、滑り性やヒートシール性をコントロールために、高圧法低密度ポリエチレンに、直鎖状低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンを30重量%未満で適量混合することができる。
また、被着体容器に応じて高圧法低密度ポリエチレンに変性体樹脂を添加混合してもよい。ここで変性体樹脂とは、ポリエチレン系樹脂に対して、極性官能基を有するモノマーで変性させた樹脂組成物で、例えば三井化学(株)製の“アドマー(登録商標)”や三菱化学(株)製の“モディック(登録商標)”のような官能基をポリオレフィンに導入した変性ポリオレフィンが好ましく例示される。
本発明におけるC層(シール層)の高圧法低密度ポリエチレン(c1)は、MFR(190℃)は1〜50g/10分の範囲である。MFR(190℃)が1g/10分未満では、被着体からの剥離時にノッキング剥離(パルス剥離)が発生し剥離感が悪くなり、50g/10分を超えるとB層(中間層)との積層性が悪くなる。MFR(190℃)は好ましくは2〜30g/10分のものである。密度は、0.900〜0.925g/cmが好ましく、より好ましくは0.910〜0.922g/cmの範囲である。
ここで、ノッキング剥離とは剥離時にピール音(ピリピリというパルス剥離音)が発生する状態をいい、剥離する際にストレスを感じる状態をいう。
A層(表層)、B層(中間層)、C層(シール層)には本発明の目的を損なわない範囲で、フィルム加工に適した滑り性やラミネート適性を確保するため、特定の添加剤、具体的にはエルカ酸アミドなどの有機滑剤、分子量500以上の酸化防止剤、および、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウムなどの無機粒子や、ポリメチルメタクリレート架橋粒子などの有機粒子を選択して使用してもよい。また、製膜性を良好にする酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤等を含むことができる。
また、A層(表層)とB層(中間層)の樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、必要に応じて本発明のフィルムを生産する際に生じる耳やスリット屑などを混合使用することができる。
本発明の易開封性多層フィルムの厚さは、製膜安定性から20〜100μmの範囲が好ましく、
A層(表層)/B層(中間層)の比率は、1/10〜1/3の範囲であることが、良好な押出性と包装フィルムとして用いる場合に十分な機械的強度を得ることができる。A層(表層)の厚さは5〜30μmが好ましく、更に好ましくは5〜20μmの範囲であると、滑り性と打ち抜き性が両立できて好ましい。
本発明の易開封性多層フィルムのC層(シール層)の厚さは2〜20μmとすることが好ましく、より好ましくは5〜15μmの範囲のものが好適である。C層(シール層)の厚さが2μm未満では、ヒートシール強度が低くなり密封性が悪化することがある。C層(シール層)の厚さが20μmを超えると、被着体から剥離する際に糸引き、フェザリング、膜残りと呼ばれる剥離外観不良が発生することがある。
ここで、糸引きとは開封時にフィルムが糸のように伸びて剥離する状態をいい、内容物に混入する観点から剥離時に糸引き状態がない方が好ましい。
本発明の易開封性多層フィルムは、A層(表層)側に、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層を、必要に応じて、単独、あるいは、組合せて積層して使用するのが好ましい。ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン66などが挙げられ、中でも二軸延伸ナイロン66フィルムが、耐熱性、耐湿性の面でより好ましい。ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどが挙げられ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが、耐熱性とフィルム価格等で総合的により好ましい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが挙げられ、なかでもアルミ箔がより好ましい。印刷紙としては、合成紙、上質紙、中質紙、アート紙、コート紙、更紙などが挙げられるが、印刷の出来具合からアート紙が好ましい。
前記ポリアミドフィルムまたはポリエステルフィルムの厚さは、10〜100μmの範囲が好ましく、特に、12〜70μmの範囲であると印刷加工適性が良く、蓋材とした場合に、耐衝撃性と取り扱い性から好ましい。
前記金属箔の厚さとしては、5〜30μmの範囲であることが、蓋材とした場合に、耐衝撃性、取り扱い性および経済性から好ましい。
A層(表層)側にこれらの層を積層する方法としては特に限定されないが、接着剤、ホットメルト剤、低融点の押出ラミネート樹脂を介して積層する方法が挙げられる。
次に、本発明の易開封性多層フィルムの製造法の一例を説明する。
3台の押出機を用いて、1台の押出機からA層(表層)樹脂として、密度が0.935〜0.970g/cm、MFR(190℃)が1〜40g/10分の範囲の高密度ポリエチレン樹脂(a1)50〜90重量%と、密度が0.900〜0.925g/cm、MFR(190℃)が0.3〜50g/10分の範囲の低密度ポリエチレン(a2)10〜50重量%を混合した樹脂組成物を200〜230℃で押し出し、
もう1台の押出機からB層(中間層)樹脂として、密度が0.900〜0.940g/cm、MFR(190℃)が0.5〜50g/10分の範囲の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(b1)45〜94重量%と、密度が0.935〜0.970g/cm、MFR(190℃)が1〜40g/10分の範囲の高密度ポリエチレン(b2)3〜30重量%と、密度が0.860〜0.900g/10分、MFR(190℃)が0.5〜20分/gの範囲のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)3〜25重量%を混合した樹脂組成物を200〜230℃で押し出し、
さらにもう一台の押出機からC層(シール層)樹脂として、密度が0.900〜0.925g/10分、MFR(190℃)が0.3〜50分/gの範囲の高圧法低密度ポリエチレンを190〜230℃で押し出して、共押出多層口金でA層(表層)/B層(中間層)/C層(シール)の構成で積層させ、
A層(表層)の厚さが5〜30μmで、B層(中間層)の厚さが30〜93μmで、C層(シール層)の厚さが2〜20μmとなるようにして、3層積層口金よりフィルム状に押し出し、25〜50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し易開封性多層フィルムとする。
続いて、必要に応じ他基材とラミネートするA層(表層)の表面にコロナ放電処理を施し、
巻き取り、さらに所定の幅、長さにスリットする。以上のようにして得られた本発明の易開封性多層フィルムは、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔から選ばれる少なくとも1層と積層して、一般包装用、イージーピール用容器、レトルト食品包装袋用、医療用輸液バック、流動食用パウチ等のシーラントフィルムとして使用できる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における特性の測定方法並びに効果の評価方法は、次の通りである。
(1)樹脂の密度
JIS K 7112(1980)に規定された密度勾配管法に従い密度を測定した。
(2)フィルム厚さ
ダイヤルゲージ式厚さ計(JIS B 7509(1992)、測定子5mmφ平型)を用いて、フィルムの長手方向及び幅方向に10cm間隔で10点測定して、その平均値とした。
(3)各層の厚さ
フィルムの断面をミクロトームにて切り出し、その断面についてデジタルマイクロスコープVHX−100形(株式会社キーエンス製)を用いて1000倍に拡大観察して撮影した断面写真を用いて、各層の厚さ方向の距離を計測し、拡大倍率から逆算して各層の厚さを求めた。尚、各層の厚さを求めるに当たっては、互いに異なる測定視野から任意に選んだ計5箇所の断面写真計5枚を使用し、それらの平均値として算出した。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に準拠して、ポリエチレン系樹脂は190℃、ポリプロピレン系樹脂は230℃、荷重2.16kgで測定した。
(5)ヒートシール用複合フィルムの作成方法
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製“ルミラー(登録商標)”P60)にポリウレタン接着剤を固形分塗布量2g/m塗布し、80℃で乾燥後に易開封性多層フィルムのA層(表層)側と重ねて、1対の加圧ロール間に通してラミネートし、40℃、72時間エージングしたサンプルをヒートシール用複合フィルムとした。
(6)ヒートシール強度評価用ポリエチレンシート
高圧法低密度ポリエチレン(後述のLD−1)樹脂を温度200〜220℃に加熱された押出機で溶融し、T型口金よりフィルム状に押し出して25〜50℃の冷却ロールでキャスト冷却固化し、厚さ300μmのヒートシール強度評価用のポリエチレンシートを作成した。
(7)低温ヒートシール強度
(5)で作成したヒートシール用複合フィルムを100mm×15mmに切り出し、C層(シール層)と(6)で作成した300μmの評価用ポリエチレンシートに重ねて、テスター産業株式会社製の平板ヒートシールテスター(TP−701B)を使用し、シール温度:上面(他基材ラミ面側)130℃、下面(シール面側)80℃、シール圧力200kPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを、株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC−1210A)を使用して300mm/分の引張速度で、180°剥離したときのヒートシール強度を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均値をとり、10〜20N/15mmに範囲であるものを○とし、該範囲を外れたものを×とした。
(8)開封性
(5)で作成したヒートシール用複合フィルムを100mm×100mmにサンプルを切り出し、C層(シール層)と低密度ポリエチレンで被覆された紙製容器(内径95φ×高さ61.9mm×フランジ幅3mm)に重ねて、エーシンパック工業株式会社製のハンドシーラーを使用し、ヒートシール温度(他基材ラミ面側)130℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを作成した。次いで株式会社オリエンテック製のテンシロン(RTC−1210A)を使用して、開封口をチャックに固定し、一方の容器を手に持ち、もう一方のチャックに手を添え300mm/分の引張速度で、シール用複合フィルムと紙製容器が90°になるように開封したときの開封力を測定した。そのとき、1試料についてn数10の測定値の平均を取った。開封力が10〜20Nの範囲であるものを開封性が○とし、該範囲を外れ、密封性、内容物保護性、易開封性を両立できないものを×とした。
(9)打ち抜き特性
(5)で作成したサンプルを50mm×50mmにサンプリングし、直径20mmの穴が開いたサンプルホルダーにセットし、株式会社オリエンテック製テンシロン(RTC−1210A)を使用し、針(直径1.0mm、先端形状0.5mm)を毎分50±5mmの速度で突き刺し、突き刺す際にフィルムが伸びるかどうかを目視で評価し判定を行い、フィルムの伸びが3mm未満が○とし、フィルム伸びが3mm以上を×とした。
(10)落下衝撃性
(8)で用いた紙製容器に内容物として水道水を180ml充填封入してから、ヒートシール温度130℃、シール圧力0.2MPa、シール時間1秒の条件でヒートシールしたサンプルを常温雰囲気下において50cmの高さからコンクリート面へ蓋を下にして垂直落下させる。そのときに、1試料についてn数10のテストを行い、シール部の開封した個数で下記の通り判定した。
○:開封が、3個未満
×:開封が、3個以上。
(11)剥離外観
(7)で作成したサンプルを手で剥離したときに、糸引き、膜残りを目視で評価し、下記の通り判定した。
○:糸引き、膜残りが見られない。
×:1mm以上の長い糸引き、膜残りがある。
(12)ノッキング剥離評価
(7)で作成したサンプルを手で剥離したときに、ノッキング剥離(パルス剥離音)の有無を官能で評価し、下記通り判定した。
○:ノッキング剥離がなくスムーズに剥離する。
×:ノッキング剥離が発生する。
(13)製膜性
前記易開封性フィルムを製膜して巻き取る際、工程中の金属ロールやニップロールとの摩擦でフィルム削れによるロール汚れや、巻き取り張力調整が難しくシワが酷く発生するものを×、ロール汚れがなく、巻き取り張力調整が容易でシワが入らないものを○とした。
本実施例で使用した原料は次の通りである。
(1)高密度ポリエチレン(HD−1)
日本ポリエチレン(株)製 “ノバテック(登録商標)”HF562、MFR=7.5g/10分、密度=0.961g/cm
(2)高密度ポリエチレン(HD−2)
京葉ポリエチレン(株)製 KEIYOポリエチ G1900、MFR=16.0g/10分、密度=0.955g/cm
(3)高圧法低密度ポリエチレン(LD−1)
住友化学(株)製 “スミカセン(登録商標)” L705、MFR=7.0g/10分、密度=0.919g/cm
(4)直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)
住友化学(株)製 “スミカセン−L(登録商標)” GA801、MFR=20.0g/10分、密度=0.920g/cm
(5)直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)
住友化学(株)製 “スミカセン−L(登録商標)” GA804、MFR=50.0g/10分、密度=0.930g/cm
(6)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)
三井化学(株)製 “タフマー(登録商標)” A4085S、MFR=3.6g/10分、密度=0.885g/cm
(7)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−2)
三井化学(株)製 “タフマー(登録商標)” P0280、MFR=2.9g/10分、密度=0.870g/cm
実施例1
A層(表層)の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)60重量%と低密度ポリエチレン(LD−1)40重量%を混合した樹脂組成物を用い、B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)60重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−1)10重量%と(HD−2)5重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用い、C層(シール層)の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(LD−1)を用い、これらを押出機3台に各々投入し、各々200℃の押出温度で3層共押出積層のT型口金より押し出し、40℃のキャスティングロールで急冷して3層積層の易開封性多層フィルムを製膜し、A層(表層)にコロナ放電処理を施した。得られた易開封性多層フィルムの総厚さは50μmで、A層が5μm、B層が40μmでA層/B層の比率は1/8であり、C層(シール層)は5μmであった。製膜性は良好で、キャスト時のエッジまくれや表層の削れはなく、滑り性も良好で安定して巻き取ることができた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例2
A層(表層)の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)90重量%と低密度ポリエチレン(LD−1)10重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。実施例1のフィルムに比べて滑り性が悪くなったが、シワ等の発生はなく巻き取ることができた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例3
A層(表層)の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)50重量%と低密度ポリエチレン(LD−1)50重量%混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。実施例1に比べてキャスト時にエッジまくれが大きくなったが、製膜性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例4
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)80重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)10重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)10重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例5
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)80重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)10重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)10重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。B層(中間層)の樹脂の直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)のMFRが高いものであったが、製膜性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、剥離外観は綺麗であり本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例6
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)65重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)25重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)5重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例7
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)60重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)10重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)25重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例8
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)70重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−1)5重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例9
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)45重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)10重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)25重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例10
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)60重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)10重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−2)10重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例11
各層の樹脂組成を実施例1と同様にして、3層口金内でA層とB層の厚さ比率を1/7として40℃のキャスティングロールで急冷して3層積層の易開封性多層フィルムを製膜し、A層(表層)にコロナ処理を施した。得られた易開封性多層フィルムの総厚さは50μmで、A層が5μm、B層が35μm、C層が10μmであった。製膜性は良好でキャスト時のまくれや表層の削れはなく、滑り性も良好で安定して巻き取ることができた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例12
各層の樹脂組成を実施例1と同様にして、A層が10μm、B層が38μmで、A層/B層の比率が1/3.8で、C層(シール層)の厚さが2μmのフィルムを得た。製膜性は良好で、キャスト時のエッジまくれや表層の削れはなく、滑り性も良好で安定して巻き取ることができた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例13
C層(シール層)の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(LD−1)95重量%と、高密度ポリエチレン(HD−1)5重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
実施例14
C層(シール層)の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(LD−1)85重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)15重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様に、3層積層の易開封性多層フィルムを得た。製膜性および巻き取り性は安定していた。得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、本発明のフィルムとしての要求特性を全て満足していた。
比較例1
A層(表層)の樹脂として、高密度ポリエチレン(HD−1)単体とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行い、得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。A層樹脂が高密度ポリエチレン単体のために、キャスト時のエッジまくれが大きくて製膜が不安定であり、製膜工程中のロールに削れ粉の付着が確認された。
比較例2
A層(表層)の樹脂として、高圧法低密度ポリエチレン(LD−1)単体とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行い、得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。A層樹脂が低密度ポリエチレン単体のためにフィルムの滑り性が悪くなり、巻き取り時にシワの発生が確認された。また、得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、打ち抜き性に劣るものであった。
比較例3
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)単体とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行い、得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。B層樹脂が直鎖状低密度ポリエチレン単体であり、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマーを含有しないために、落下衝撃性が低下し、剥離外観も樹脂の糸引きがみられて悪いものであった。
比較例4
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)69重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)10重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)1重量%を混合した樹脂組成物とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行い、得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。B層樹脂のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマーの量が少ないために、落下衝撃性が低下し、剥離外観も樹脂の糸引きがみられて悪いものであった。
比較例5
B層(中間層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)40重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−1)10重量%と(HD−2)5重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)30重量%を混合した樹脂組成物とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行い、得られたフィルムを実施例1と同様に評価した。B層樹脂のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマーの量が多いために分散不良が起って、ヒートシール強度のばらつきが発生し剥離外観が悪いものであった。
比較例6
B層(中間層)樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)92重量%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)8重量%とした以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行った。B層に高密度ポリエチレンがないために、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)の分散不良によるC層との積層乱れが起こって、製膜性が悪化した。また、得られた多層フィルムを用いて、実施例に記載のヒートシール用複合フィルムを作成してシーラント用フィルムとしての評価を行なった結果、剥離面に樹脂の糸引きがみられて剥離外観が悪いものであった。
比較例7
B層(中間層)樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)32重量%と直鎖状低密度ポリエチレン(LL−2)20重量%と、高密度ポリエチレン(HD−2)40重量%と、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(E−1)8重量%を混合した樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の組成と構成で製膜を行った。高密度ポリエチレン混合量が30重量%と多いために、C層(シール層)との界面で積層乱れが発生して製膜性が悪化した。また、シーラント用フィルムとしての評価では、ヒートシール強度、開封性に劣るものであった。
比較例8
C層(シール層)の樹脂として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL−1)を用いた以外は、実施例1と同様の組成と製膜条件で製膜を行い、シーラント用フィルムとしての評価を行なった。C層の樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンであるために、130℃でのヒートシール強度が低くなり、開封性も悪化し、また、被着体から剥離する際にノッキング剥離となり劣るものであった。
上記より得られた易開封性共押出多層フィルムの評価を行った。結果を表1、表2に示す。
Figure 2018149775
Figure 2018149775
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本発明の易開封性多層フィルムは、広い温度範囲で安定してシールでき、内容物保護と良好な易開封性を両立し、さらに、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、印刷紙、金属箔の少なくとも1層以上の他基材の片面に積層体とすることにより、食品や医療用用具、雑貨等を充填する包装体として用いることができ、特に乳製品用のポリエチレン容器やポリエチレンで被覆された紙容器に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. A層/B層/C層の3層構成を有する多層フィルムであって、
    A層は、高密度ポリエチレン(a1)50〜90重量%と低密度ポリエチレン(a2)10〜50重量%を混合した樹脂組成物からなり、
    B層は、直鎖状低密度ポリエチレン(b1)55重量%〜90重量%と高密度ポリエチレン(b2)3〜30重量%とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体エラストマー(b3)3〜25重量%を混合した樹脂組成物であり、
    C層は、高圧法低密度ポリエチレン系樹脂(c1)からなることを特徴とする易開封性多層フィルム。
  2. C層の厚さが2〜20μmである請求項1に記載の易開封性多層フィルム。
  3. 前記低密度ポリエチレン(a2)が高圧法低密度ポリエチレンである請求項1または2に記載の易開封性多層フィルム。
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