以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で陥られる図面は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。便宜上、層状の部分の表面(すなわち断面でない面)にハッチングを付すことがある。
本開示の水晶デバイスおよび水晶素子は、いずれも上方または下方とされてよいものであるが、以下では、便宜上、図1および図2の紙面上方を上方とし、上面または下面等の用語を用いることがある。また、単に平面視または平面透視という場合において、特に断りがない限りは、上記のように便宜的に定義した上下方向においてみることとする。
図1〜図4は、本実施形態に係る水晶デバイスに関する図である。図1は、本実施形態に係る水晶デバイスの斜視図であり、図2は、図1のA−A断面における断面図である。図3は、本実施形態に係る水晶デバイスにおいて蓋体が設けられていない状態での平面図であり、図4は、図3のB部の部分拡大図である。図5〜図7は、本実施形態に係る水晶素子に関する図である。図5は、本実施形態に係る水晶素子の斜視図である。図6は、本実施形態に係る水晶素子の上面の平面図であり、図7は、本実施形態に係る水晶素子の下面を上面側から平面透視した平面図である。図8〜図10は、d1と等価直列抵抗値との関係を示した関係図である。図11〜図13は、d2と等価直列抵抗値との関係を示した関係図である。
(水晶デバイスの概略)
水晶デバイスは、例えば、全体として、略直方体形状となっている電子部品である。水晶デバイスは、例えば、長辺または短辺の長さが0.6mm〜2.0mmであり、上下方向の厚さが0.2mm〜1.5mmとなっている。
水晶デバイスは、例えば、凹部が形成されている基体110と、凹部に収容された水晶素子120と、凹部を塞ぐ蓋体130と、基体110に水晶素子120を接着実装するためのバンプ(本実施形態では、導電性接着剤140)と、から構成されている。
水晶素子120は、発振信号に生成される振動を生じる部分である。基体110および蓋体130は、水晶素子120を収容する空間を形成している。基体110の凹部は、蓋体130により封止され、その内部は、例えば、真空とされ、または、適当なガス(例えば、窒素)が封入されている。
基体110は、例えば、基体110の主体となる基板部110aと、水晶素子120を実装するための一対の搭載パッド111と、水晶デバイスを不図示の回路基板等に実装するための複数の外部端子112と、を有している。
基体110は、主体となる基板部110aと、基板部110aの上面の縁部に沿って設けられている枠状の枠部110bと、から構成されており、凹部が形成されている。搭載パッド111は、金属等からなる導電層により構成されており、凹部の底面に位置している搭載パッド111と外部端子112は、基板部110a内に配置された導体(図示せず)によって互いに電気的に接続されている。蓋体130は、例えば、金属から構成され、基体110の上面にシーム溶接等により接合されている。
水晶素子120は、例えば、水晶片121と、水晶片121の交番電圧を印加するための金属パターン122と、を有している。金属パターン122は、水晶片121の両主面の中央付近に設けられている一対の励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の縁部まで延設されている接続配線部124からなる。
水晶素子120は、概略板状であり、その主面が、基体110の凹部の底面、具体的には、基板部110aの上面に対向するように、凹部内に収容される。そして、一対の接続配線部124の一部、具体的には、接続部124aが、一対のバンプ(本実施形態では、導電性接着剤140)により、一対の搭載パッド111に接合(接着)される。これにより、水晶素子120は、基体110の基板部110aに片持ち梁のように支持される。また、一対の励振電極部123は、一対の接続配線部124、バンプ(本実施形態では導電性接着剤140)を介して搭載パッド111と電気的に接続され、ひいては、複数の外部端子112のいずれか二つと電気的に接続される。
バンプは、例えば、導電性接着剤140である。導電性接着剤140は、例えば、導電性フィラーが熱硬化性樹脂に混ぜ込まれて構成されている。
このようにして構成された水晶デバイスは、例えば、不図示の回路基板の実装面に基体110の下面を対向させて配置され、外部端子112が半田などにより回路基板のパッド(図示せず)に接合されることによって回路基板に実装される。回路基板には、例えば、発振回路が構成されている。発振回路は、外部端子112および搭載パッド111を介して、一対の励振電極部123に交番電圧を印加し発振信号を生成する。この際、発振回路は、例えば、水晶片121の厚みすべり振動のうち基本波振動を利用する。オーバートーン振動が利用されてもよい。
(水晶素子の概略構成)
図5は、本実施形態に係る水晶素子の斜視図である。また、図6は、本実施形態に係る水晶素子の上面の平面図であり、図7は、本実施形態に係る水晶素子の下面を上面側から平面透視した平面図である。
本実施形態では、水晶素子120を基体110に実装した場合、基体110の基板部110aの上面と略平行となっている面を主面とし、水晶素子120から基板部110aへ向かう向きを下方向、基板部110aから水晶素子120へ向かう向きを上方向として使用する。
また、基板部110a側を向く面であって基板部110aの上面と略平行となっている水晶素子120の面を水晶素子120の下面とし、水晶素子120の下面と反対側を向く水晶素子120の面を水晶素子120の上面とし、水晶素子120の上面および水晶素子120の下面を水晶素子120の主面とする。また、基板部110aの上面と略平行となっている振動部121aの主面とし、基板部110a側を向く一方の振動部121aの主面を振動部121aの下面とし、振動部121aの下面と反対側を向く他方の振動部121aの主面を振動部121aの上面とする。また、基板部110aの上面と略平行となっている(周辺部121bの)平板部の面のうち、基板部110a側を向く(周辺部121bの)平板部の面を周辺部121bの下面とし、
周辺部121bの下面と反対側を向く(周辺部121bの)平板部の面を周辺部121bの上面とする。また、本実施形態においては、水晶素子120の下面と水晶片121の下面とを同一の意味で用いており、水晶素子120の上面と水晶片121の上面とを同一の意味で用いている。
水晶素子120は、水晶片121と金属パターン122とから構成されている。
水晶片121は、例えば、いわゆるATカット板である。すなわち、水晶において、X軸(電気軸)、Y軸(機械軸)およびZ軸(光軸)からなる直交座標系XYZ系を、X軸回りに30°以上50°以下(一例として、35°15′)回転させて直交座標系XY´Z´系を定義したときに、水晶片121の主面は、XZ´平面と平行となっている。
水晶片121は、略直方体形状の振動部121aと、振動部121aの外縁に沿って設けられ振動部121aより上下方向の厚みが薄い周辺部121bと、から構成されている。周辺部121bは、図示しないが、平板部と中間部とからなる。平板部は、周辺部121bにおいて、振動部121aの主面と略平行となっている面を有している部分である。そして、その平板部の上下方向の厚みは、振動部121aの上下方向の厚みと比較して薄くなっている。中間部は、水晶片121を平面視したとき、振動部121aと平板部との間に位置している。この中間部の上下方向の厚みは、振動部121aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。つまり、水晶片121は、メサ型の形状となっている。
このように水晶片121をメサ型の形状にすることで、平板状の水晶片を用いた場合と比較して、エネルギー閉じ込めを向上させることができ、ひいては、等価直列抵抗値を小さくすることができる。水晶片121の形状は、平面視して、略矩形形状となっており、その主面は、例えば、X軸に平行な長辺およびZ´軸に平行な短辺を有する矩形である。このような水晶片121は、X軸方向を長手方向とし、Y´軸方向を上下厚み方向とする。
振動部121aは、例えば、XZ´平面に平行な一対の主面を有する略薄型直方体であり、その主面は、X軸に平行な長辺およびZ´軸に平行な短辺を有する矩形である。この振動部121aの主面には、金属パターン122の一部、具体的には、励振電極部123が設けられている。金属パターン122に交番電圧を印加すると、励振電極部123に挟まれている振動部121aの一部が、逆圧電効果および圧電効果により、振動する。このとき、水晶片121では、主振動である厚みすべり振動および副次的な振動である屈曲振動の少なくとも二種類の振動が生じている。主振動である厚みすべり振動は、励振電極部123に挟まれている部分において最も振動している振動しているが、
励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へも、主振動である厚みすべり振動が漏れ伝搬している状態となっている。副次的な振動である屈曲振動は、水晶片121の長辺方向および短辺方向に、それぞれ水晶片121の全体が厚み方向に屈曲するように振動している状態となっている。
周辺部121bは、振動部121aの外縁に沿って設けられており、その上下方向の厚みが振動部121aの上下方向の厚みより薄くなっている。また、周辺部121bは、特に図示していないが、平板部と中間部とから構成されている。
周辺部121bの平板部は、振動部121aの外縁に沿って環状に設けられている。その周辺部121bの平板部の上下方向の厚みは、振動部121aの上下方向の厚みより薄くなっている。平板部は、周辺部121bにおいて、振動部121aの主面と平行な面を有している部分である。従って、周辺部121bの平板部は、水晶素子120を基体110に実装したとき、基板部110aの上面と略平行となっている面を有していることとなる。前述したように、この周辺部121bの平板部の面であって、振動部121aの主面と略平行となっている面を、周辺部121bの主面とし、周辺部121bの主面のうち基板部110aの上面側を向く面を周辺部121bの下面とし、
周辺部121bの下面と反対側を向く周辺部121bの面を周辺部121bの上面とする。
周辺部121bの中間部は、振動部121aと平板部との間に位置しており、振動部121aおよび平板部と一体的に設けられている。周辺部121bの中間部の上下方向の厚みは、振動部121aから平板部にかけて徐々に薄くなっている。従って、本実施形態では、特に図示しないが、水晶片121のX軸よびY´軸に平行な面で断面視したとき、振動部121aと平板部との間に位置している斜面を含んでいる部分が、この周辺部121bの中間部に相当することとなる。
なお、水晶片121の外形がエッチングによって形成される場合、エッチングに対する水晶の異方性等によって比較的大きな誤差(系統誤差のようなもの)が生じる。当該誤差は、意図的に利用されていることもある。本開示の説明においては、このような誤差の存在は、無視するものとする。例えば、実際の水晶片121においては、側面が主面に直交せず傾斜していたり、側面が平面にならず外側に膨らむ形状となっていたりすることがあるが、そのような傾斜および/または膨らみの図示および説明は省略する。第三者の製品が本開示の技術に係るか否かを判断する場合においても、そのような誤差は無視されてよい。なお、偶然誤差のようなものが無視されてよいことはもちろんである。周辺部121bにおける中間部および平板部を特に区別し図示していなのもこのためである。
図6および図7に示すように、水晶片121の平面視における形状は、矩形である。当該矩形は、長方形(本開示では正方形を含むものとする。正方形の場合には、所定の一辺を一方の長辺とし、所定の一辺に接続している所定の他の一辺を一方の短辺とする。励振電極部123においても同様)であり、一対の長辺と、一対の長辺の両端を結ぶ短辺とを有している。なお、本開示については矩形または長方形は、角部が面取りされた形状を含むものとする(励振電極部123も同様)。水晶片121では、例えば、主面は、XZ´平面に略平行な面であり、長辺はX軸に略平行な辺であり、短辺はZ´軸に平行な辺である。
水晶片121における振動部121aの上下方向の厚みは、厚みすべり振動について所望の固有振動数(本実施形態では、振動周波数と説明する場合もある。)に基づいて設定される。例えば、厚みすべり振動の基本波振動を用いる場合において、固有振動数をF(MHz)とすると、この固有振動数Fに対応する振動部121aの上下方向の厚みt(μm)を求める基本式は、t=1670/Fである。なお、実際には、水晶片121における振動部121aの上下方向の厚みは、励振電極部123の重さ等も考慮して、基本式の値から微調整された値となる。
また、このような水晶片121は、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面を平面視(側面視)したとき、水晶片121の所定の一辺を含む側面に、凹部125が形成されている。
水晶片121の所定の一辺を含む側面に形成されている凹部125は、例えば、第一凹部125a、第二凹部125bおよび第三凹部125cからなる。第一凹部125aは、水晶片121の所定の一辺の一端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第二凹部125bは、水晶片121の所定の一辺の他端側であって水晶片121の下面に連なるように形成されている。第三凹部125cは、例えば、水晶片121の所定の一辺の中点を通過しつつ水晶片121の上面および水晶片121の下面に連なるように形成されている。
このように、接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の所定の一辺を含む側面に凹部125を形成することで、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、接続部124aがバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により接合(接着)されることとなるので、第一凹部125aおよび第二凹部125bが形成されている水晶片121の所定の一辺の両端部が接合(接着)されることとなる。別の観点では、凹部125が形成されている側面の両端部をバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により固定することができるといえる。このため、接続部124aが設けられていない水晶片121の所定の他の一辺を含む側面に凹部を形成する場合と比較して、副次的な振動である屈曲振動の発生をより抑制させることが可能となる。
この結果、副次的な振動である屈曲振動が、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減でき、電気的特性を向上させることができる。
水晶片121の各種寸法の一例は、例えば、長辺の長さが550μm〜1100μm、短辺の長さが350μm〜750μm、上下方向の厚みが20μm〜70μmとなっている。
このような水晶片121に設けられている金属パターン122は、水晶素子120の外部から交番電圧を印加するためのものである。金属パターン122は、一層となっていてもよいし、複数の金属層が積層されていてもよい。金属パターン122は、特に図示しないが、例えば、第一金属層と、第一金属層上に積層されている第二金属層とからなる。第一金属層は、水晶と密着性のよい金属が用いられ、例えば、ニッケル、クロム、ニクロムまたはチタンのいずれか一つが用いられる。第一金属層に水晶と密着性のよい金属を用いることで、水晶と密着しにくい金属を第二金属層に用いることができる。第二金属層は、金属材料の中で電気抵抗率が低く、安定した材料が用いられ、例えば、金、金を主成分とした合金、銀または銀を主成分とした合金のいずれか一つが用いられる。
電気抵抗率が低い金属を第二金属層に用いることで、金属パターン122自身の抵抗率を小さくすることができ、この結果、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。また、安定した金属材料を用いることで、水晶素子120の存在する周囲の空気と金属パターン122が反応し金属パターン122の重さが変化し水晶素子120の周波数が変化し電気的特性が変化することを低減させることができる。
金属パターン122は、励振電極部123および接続配線部124から構成されている。接続配線部124は、接続部124aと配線部124bとからなる。
励振電極部123は、水晶片121に交番電圧を印加するためのものである。励振電極部123は、一対となっており、水晶片121の両主面の中央付近、具体的には、振動部121aの中央部に互いが対向するように設けられている。励振電極部123は、平面視して、略矩形となっており、励振電極部123の中心(具体的には、励振電極部123の対角線の交点)が、振動部121aの中心(具体的には、振動部121aの対角線の交点)と一致している。このとき、励振電極部123の中心は、水晶片121の中心(具体的には、水晶片121の対角線の交点)と比較すると、接続配線部124の接続部124aが設けられている水晶片121の一方の短辺と対向する水晶片121の他方の短辺側に位置している。
ここで、水晶片121の一方の短辺とは、一対の接続配線部124の接続部124aが並んで設けられている水晶片121の短辺(または、水晶片121の所定の一辺)であり、水晶片121の他方の短辺とは、接続部124aが設けられていない水晶片121の短辺である。このようにすることで、水晶片121の一方の短辺から励振電極部123の中心までの距離(および水晶片121の一方の短辺から振動部121aの中心までの距離)を、水晶片121の一方の短辺から水晶片121の中心までの距離と比較して長くすることができる。この結果、接続配線部124の接続部124aをバンプ(本実施形態では、導電性接着剤140)で電気的に接続させた場合、バンプにより励振電極部123に挟まれている部分の振動が阻害されることを低減させることが可能となり、
水晶デバイスの等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
接続配線部124は、接続部124aと配線部124bとからなり、水晶素子120の外部から励振電極部123に交番電圧を印加するためのものである。
接続部124aは、水晶素子120を水晶デバイスとして用いる場合、基体110に実装するためのものであり、基体110の基板部110aの上面に設けられている搭載パッド111とバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)によって電気的に接着される。接続部124aは、一対となっており、基板部110aの搭載パッド111と対向する位置であって、水晶片121の一方の短辺の縁部に沿って二つ並んで設けられている。
配線部124bは、接続部124aと励振電極部123とを電気的に接続するためのものであり、一端が励振電極部123に接続されており、他端が接続部124aに接続されている。また、配線部124bは、別の観点では、励振電極部123から接続部124aまで延設されているといえる。また、配線部124bは、例えば、水晶片121の長辺と平行になるように延設されている。このようにすることで、励振電極部123から接続部124aまでの配線部124bの長さを短くすることができ、配線部124b自身の抵抗を小さくすることが可能となる。ひいては、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
このような水晶素子120は、前述したように、金属パターン122に交番電圧を印加すると、主振動である厚みすべり振動、および、副次的な振動である屈曲振動の少なくとも二種類の振動が生じる。主振動である厚みすべり振動は、励振電極部123に挟まれている部分において最も振動しているが、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へ漏れ伝搬している状態となっている。副次的な振動である屈曲振動は、水晶片121の長辺方向に、水晶片121の全体が厚み方向に屈曲するように振動している状態となっている。
ここで、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長をλxとする。なお、このλxについては、シミュレーションおよび実験によって算出している。
また、副次的な振動であって、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分は、節に対して±λx/8の範囲内となっている部分(−λx/8<節となる部分<+λx/8)である。また、副次的な振動であって、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分は腹に対して±λx/8の範囲内となっている部分(−λx/8<腹となる部分<+λx/8)である。
水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置している。
また、このとき、接続部124aが並んで設けられている水晶片121の一方の短辺上に副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置しており、水晶片121の他方の短辺上に副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。つまり、水晶片121の短辺上には、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。
また、水晶素子120は、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の二倍の長さとなっている。従って、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離をd1とすると、次の関係式を満たしているといえる。
d1=2λx
別の観点では、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって接続部124aに最も近い振動部121aの辺と、接続部124aが並んで設けられている水晶片121の一方の短辺との長さが、λxの二倍の長さとなっているといえる。
d1<2λxの場合には、接続部124aと振動部121aとの距離が近くなってしまうので、接続部124aをバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)によって電気的に接続させたときに、励振電極部123に挟まれている部分で生じている主振動である厚みすべり振動に与える影響が大きくなってしまい、等価直列抵抗値が大きくなってしまう。
d1>2λxの場合には、水晶片121の長辺の長さを一定とすると、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さが短くなってしまう。つまり、振動部121aの大きさが小さくなる。そして、ひいては、振動部121aの主面に設けられている励振電極部123の大きさも小さくなってしまう。この結果、主振動である厚みすべり振動が生じる部分の大きさが小さく振動しにくい状態となり、等価直列抵抗値が大きくなってしまう。
これらのことから、d1=2λxであることが望ましい。
また、水晶素子120は、水晶片121の他方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の他方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の0.5倍の長さとなっている。従って、水晶片121の他方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の他方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離をd2とすると、d2は、次の関係式を満たしている。
d2=0.5λx
別の観点では、水晶片121の長辺方向で(X軸およびY´軸に平行な平面で)断面視したとき、接続部124aが設けられていない端部側において、水晶片121の端部から振動部121aまでの長さが、0.5λxとなっているといえる。
d2<0.5λxの場合には、水晶片121の長辺方向に断面視したとき、水晶片121の端部と振動部121aとの距離が短くなる。このため、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分に漏れ伝搬した厚みすべり振動が、水晶片121の他方の短辺を含む側面において反射したとき、この反射した振動が励振電極部123に挟まれている部分の振動に影響を与え、等価直列抵抗値が大きくなってしまう。
d2>0.5λxの場合には、水晶片121の短辺の長さを一定とすると、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さが短くなってしまう。つまり、振動部121aの大きさが小さくなる。そして、ひいては、振動部121aの主面に設けられている励振電極部123の大きさも小さくなってしまう。この結果、主振動である厚みすべり振動が生じる部分の大きさが小さく振動しにくい状態となり、等価直列抵抗値が大きくなってしまう。
これらのことから、d2=0.5λxであることが望ましい。
特に、振動部121aの上下方向の厚みが薄い程、励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へ漏れ伝搬する速さが早くなるため、固有振動数が高い周波数帯、例えば、24MHz以上において、等価直列抵抗値が大きくなることをより軽減させることができる。
また、水晶素子120は、下面を上面側から平面透視すると、接続配線部124の接続部124aが略矩形となっている。このとき、水晶片121の短辺に平行な接続部124aの二辺間の距離は、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の0.5倍、1倍または1.5倍のいずれかとなっている。従って、水晶片121の長辺に平行な接続部124aの二辺間の距離をd3とすると、d3は、次の関係式を満たしている。
d3=n/2×λx(n:自然数かつ3≧n≧1)
d3<0.5λxの場合、接続部124aの大きさが小さくなり、バンプ(本実施形態では導電性接着剤140)での接着面積が小さくなってしまう。この結果、水晶デバイスが外部から応力を受けた場合、具体的には、落下した場合、水晶素子120と基板部110aとの接着強度が弱くなり、水晶デバイスとして用いることができなくなる虞がある。また、接続部124aが小さくなることで、接続部124aの重さにより副次的な振動である屈曲振動を抑制しているが、抑制させる量が小さくなり、水晶素子120の等価直列抵抗値が大きくなってしまう虞がある。
d3>1.5λxの場合、接続部124aと振動部121aとの距離が小さくなり、ひいては、接続部124aと励振電極部123との距離が小さくなる。このため、接続部124aをバンプ(本実施形態では導電性接着剤140)により接合(接着)したときに、このバンプが主振動である厚みすべり振動へ与える影響が大きくなってしまい、等価直列抵抗値が大きくなってしまう虞がある。
従って、0.5λx<d3<1.5λxであることが望ましい。
また、d3=n/2(n:自然数)にすることで、水晶片121の短辺に平行な接続部121aの辺上に、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置するようにすることが可能となる。従って、接続部124aが設けられている部分と接続部124aが設けられていない部分との境界部に、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。このようにすることによって、接続部124aが設けられている部分と接続部124aが設けられていない部分との境界で主振動である厚みすべり振動の伝搬状態が変化したとしても、屈曲振動により水晶片121の上下方向の厚み方向に変化する量を低減させることができ、屈曲振動による等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることができる。
以上のことから、d3=0.5λx、d3=λxまたはd3=1.5λxであることが望ましい。
(実施例1〜実施例3の概略説明)
水晶素子120の周波数が24MHz、27.12MHzおよび37.14MHzのとき、種々の寸法を作製し、その等価直列抵抗値を調べる実験を行った。本実施例では、周波数が24MHzの場合を実施例1とし、周波数が27.12MHzの場合を実施例2とし、周波数が37.14MHzの場合を実施例3として説明する。実施例1〜実施例3の結果、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しているとき、d1=2λx±0.125λxを満たしていることが望ましいことが分かった。
本実施例として、第一サンプルを10個作製した。また、比較例1〜4として、第二サンプル〜第五サンプルを各10個ずつ作製した。
第一サンプルは、実施例の一つであり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しつつ、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の二倍となっている長さとなっている。
第二サンプルは、比較例1であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しつつ、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長と同じ長さとなっている。
第三サンプルは、比較例2であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しつつ、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の1.5倍の長さとなっている。
第四サンプルは、比較例3であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しつつ、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の2.5倍の長さとなっている。
第五サンプルは、比較例4であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しつつ、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の3.0倍の長さとなっている。
従って、第一サンプル〜第五サンプルにおいては、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺上に位置しているという点で共通している。
第一サンプル〜第五サンプルにおいては、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離、つまり、d1が異なっている。
それぞれのサンプルにおけるd1は、前述したように、次のようになっている。
第一サンプル:d1=2λx
第二サンプル:d1=λx
第三サンプル:d1=1.5λx
第四サンプル:d1=2.5λx
第五サンプル:d1=3λx
ここで、第一サンプル〜第五サンプルは、d1および水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さのみ変え、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、水晶片121の他方の短辺から水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の他方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの長さ、つまり、d2、および、振動部121aの上下方向の厚みを、同じ値としている。なお、一定としたこれらの値については、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値とした。
実施例1〜実施例3における第一サンプル〜第五サンプルのそれぞれの寸法は、以下の通りとなっている。
水晶片121の短辺の長さは、550μm〜690μmの所定の値であり、水晶片121の長辺の長さは、650μm〜920μmの所定の値である。また、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さは、350μm〜580μmの所定の値である。また、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、250μm〜550μmの所定の値であり、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、450μm〜570μmの所定の値である。また、d2は、λx/2となっており、本実施例では、25μmとなっている。従って、第一サンプル〜第五サンプルにおいて、水晶片121の他方の短辺上には、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の腹となる部分が位置している。
また、振動部121aの上下方向の厚みは、実施例1においては66μm〜70μmの所定の値、実施例2においては59μm〜62μmの所定の値、実施例3においては42μm〜44μmの所定の値となっている。なお、繰り返しとなるが、それぞれの所定の値については、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値となっている。
第一サンプル〜第五サンプルにおいては、前述したように、d1、および、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さが異なっている。水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長、つまり、λxは、水晶片121の長辺の長さと大きく関係しているため、第一サンプル〜第五サンプルにおいては、水晶片121の長辺の長さが一定となるようにしているため、d1の変化に伴い、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さも変化している。
なお、本実施例において、各公差は、次のようになっている。水晶素子120の周波数の公差は、±0.5%となっている。また、水晶片121の短辺に平行な向きの長さ、具体的には、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さ、および、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さついては、±5μmとなっている。また、水晶片121の長辺に平行な向きの長さ、具体的には、水晶片121の長辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、d1およびd2については、±λx/8μmとなっている。
(実施例1)
図8は、周波数が24MHzにおけるd1と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図8では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」、第四サンプルを「□」、第五サンプルを「◇」として、実際に測定したd1に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図8において、d1とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d1をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図8では、横軸の目盛りが「2.0」に近づくにつれて、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d1が2λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図8では、横軸の目盛りが「2.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。また、横軸の目盛りが「1.0」、「1.5」、「2.5」および「3.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が、横軸の目盛りが「2.0」付近の場合と比較して、大きく変化していることが分かる。つまり、第一サンプルにおいては、d1が微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化しないが、第二サンプル〜第四サンプルにおいては、d1が微小変化した場合に等価直列抵抗値が大きく変化しているといえる。このとき、第一サンプルにおいては、d1が2λx±λx/8であれば、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。
これらのことから、周波数が24MHzの水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d1=2λx±λx/8を満たしていることが望ましいといえる。具体的には、d1は200μm±12.5μm(187.5μm〜212.5μm)となっていることが望ましい。
(実施例2)
図9は、周波数が27.12MHzにおけるd1と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図9では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」、第四サンプルを「□」、第五サンプルを「◇」として、実際に測定したd1に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図9において、d1とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d1をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図9では、横軸の目盛りが「2.0」に近づくにつれて、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d1が2λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図9では、横軸の目盛りが「2.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。また、横軸の目盛りが「1.0」、「1.5」、「2.5」および「3.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が、横軸の目盛りが「2.0」付近の場合と比較して、大きく変化していることが分かる。つまり、第一サンプルにおいては、d1が微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化しないが、第二サンプル〜第四サンプルにおいては、d1が微小変化した場合に等価直列抵抗値が大きく変化しているといえる。このとき、第一サンプルにおいては、d1が2λx±λx/8であれば、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。
これらのことから、周波数が27.12MHzの水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d1=2λx±λx/8を満たしていることが望ましいといえる。具体的には、d1は185μm±11.5625μm(173.44μm〜196.5μm)となっていることが望ましい。
(実施例3)
図10は、周波数が37.4MHzにおけるd1と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図10では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」、第四サンプルを「□」、第五サンプルを「◇」として、実際に測定したd1に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図10において、d1とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d1をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図10では、横軸の目盛りが「2.0」に近づくにつれて、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d1が2λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図10では、横軸の目盛りが「2.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。また、横軸の目盛りが「1.0」、「1.5」、「2.5」および「3.0」となっている付近においては、d1が微小変化したときに等価直列抵抗値が、横軸の目盛りが「2.0」付近の場合と比較して、大きく変化していることが分かる。つまり、第一サンプルにおいては、d1が微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化しないが、第二サンプル〜第四サンプルにおいては、d1が微小変化した場合に等価直列抵抗値が大きく変化しているといえる。このとき、第一サンプルにおいては、d1が2λx±λx/8であれば、等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。
これらのことから、周波数が37.4MHzの水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d1=2λx±λx/8を満たしていることが望ましいといえる。具体的には、d1は146μm±9.125μm(136.875μm〜155.125μm)となっていることが望ましい。
(実施例4〜実施例6の概略説明)
水晶素子120の周波数が24MHz、27.12MHzおよび37.4MHzのとき、種々の寸法を作製し、その等価直列抵抗値を調べる実験を行った。実施例4〜実施例6の結果、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺および水晶片121の短辺上に位置しているとき、d2=0.5λxとなっていることが望ましいことが分かった。
本実施例として、第六サンプルを10個作製した。また、比較例5および比較例6として、第七サンプル〜第八サンプルを各10個ずつ作製した。
第六サンプルは、実施例の一つであり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺および水晶片121の短辺上に位置している。また、第六サンプルは、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の0.5倍の長さとなっている。
第七サンプルは、比較例5であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺および水晶片121の短辺上に位置している。また、第七サンプルは、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の1.00倍の長さ、つまり同じ長さとなっている。
第八サンプルは、比較例2であり、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺および水晶片121の短辺上に位置している。また、第八サンプルは、水晶片121の一方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離が、副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長の1.50倍の長さとなっている。
従って、第六サンプル〜第八サンプルにおいては、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているという点で共通している。
第六サンプル〜第八サンプルにおいては、水晶片121の他方の短辺から、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の他方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離、つまり、d2が異なっている。
それぞれのサンプルにおけるd2は、前述したように、次のようになっている。
第六サンプル:d1=0.5λx
第七サンプル:d1=λx
第八サンプル:d1=1.5λx
ここで、第六サンプル〜第八サンプルは、d2および水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さのみ変え、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、水晶片121の一方の短辺から水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの長さ、つまり、d1、および、振動部121aの上下方向の厚みを、同じ値としている。なお、一定としたこれらの値については、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値とした。
第六サンプル〜第八サンプルのそれぞれの寸法は、以下の通りとなっている。
水晶片121の短辺の長さは、550μm〜690μmの所定の値であり、水晶片121の長辺の長さは、650μm〜920μmの所定の値である。また、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さは、350μm〜580μmの所定の値である。また、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、250μm〜550μmの所定の値であり、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さは、450μm〜570μmの所定の値である。また、d1は、2λxとなっており、本実施例では、200μmとなっている。従って、第六サンプル〜第八サンプルにおいて、水晶片121の一方の短辺上には、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。
また、振動部121aの上下方向の厚みは、実施例1においては66μm〜70μmの所定の値、実施例2においては59μm〜62μmの所定の値、実施例3においては42μm〜44μmの所定の値となっている。なお、繰り返しとなるが、それぞれの所定の値については、等価直列抵抗値を考慮した経験的に好適な値となっている。
第六サンプル〜第八サンプルにおいては、前述したように、d2、および、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さが異なっている。水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長、つまり、λxは、水晶片121の長辺の長さと大きく関係しているため、第六サンプル〜第八サンプルにおいては、水晶片121の長辺の長さが一定となるようにしているため、d2の変化に伴い、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さも変化している。
なお、本実施例において、各公差は、次のようになっている。水晶素子120の周波数の公差は、±0.5%となっている。また、水晶片121の短辺に平行な向きの長さ、具体的には、水晶片121の短辺の長さ、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺の長さ、および、水晶片121の短辺に平行な励振電極部123の辺の長さついては、±5μmとなっている。また、水晶片121の長辺に平行な向きの長さ、具体的には、水晶片121の長辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さ、水晶片121の長辺に平行な励振電極部123の辺の長さ、d1およびd2については、±λx/8μmとなっている。
(実施例4)
図11は、周波数が24MHzにおけるd2と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図11では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」として、実際に測定したd2に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図11において、d2とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d2をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図11では、横軸の目盛りが「0.50」では、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d2が0.50λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図11では、横軸の目盛りが「0.50」、「1.00」および「1.50」となっている付近においては、d2が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。つまり、第六サンプル、第七サンプルおよび第八サンプルにおいては、d2が0.125λxの範囲内で微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化していないといえる。別の観点では、第六サンプルの有効範囲は、0.5λx±0.125λxといえる。
これらのことから、水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d2=0.50λx±λx/8を満たしていることが望ましい。具体的には、d2は50μm±12.5μm(37.5μm〜62.5μm)となっていることが望ましい。
(実施例5)
図12は、周波数が27.12MHzにおけるd2と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図12では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」として、実際に測定したd2に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図12において、d2とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d2をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図12では、横軸の目盛りが「0.50」では、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d2が0.50λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図12では、横軸の目盛りが「0.50」、「1.00」および「1.50」となっている付近においては、d2が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。つまり、第六サンプル、第七サンプルおよび第八サンプルにおいては、d2が0.125λxの範囲内で微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化していないといえる。別の観点では、第六サンプルの有効範囲は、0.5λx±0.125λxといえる。
これらのことから、水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d2=0.50λx±λx/8を満たしていることが望ましい。具体的には、d2は46.25μm±11.5625μm(34.69μm〜57.82μm)となっていることが望ましい。
(実施例6)
図13は、周波数が37.4MHzにおけるd2と等価直列抵抗値との関係を示すグラフである。なお、図13では、第一サンプルを「○」、第二サンプルを「×」、第三サンプルを「△」として、実際に測定したd2に対応した等価直列抵抗値の箇所をプロットしている。なお、図12において、d2とλxとの関係をわかりやすくするために、実際の長さの数値を横軸の目盛りにするのでなく、d2をλxで割った数値を横軸の目盛りとしている。
図13では、横軸の目盛りが「0.50」では、等価直列抵抗値が小さくなっていることが分かる。つまり、d2が0.50λx付近においては、等価直列抵抗値が小さくなっているといえる。
また、図13では、横軸の目盛りが「0.50」、「1.00」および「1.50」となっている付近においては、d2が微小変化したときに等価直列抵抗値が大きく変化していないことが分かる。つまり、第六サンプル、第七サンプルおよび第八サンプルにおいては、d2が0.125λxの範囲内で微小変化した場合であっても等価直列抵抗値があまり変化していないといえる。別の観点では、第六サンプルの有効範囲は、0.5λx±0.125λxといえる。
これらのことから、水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加したときに生じる副次的な振動であって水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および、水晶片121の短辺上に位置しているとき、d2=0.50λx±λx/8を満たしていることが望ましい。具体的には、d2は36.5μm±9.125μm(27.375μm〜45.625μm)となっていることが望ましい。
以上の通り、本実施形態に係る水晶素子120は、平面視して略矩形となっており、略直方体の振動部121a、および、振動部121aの外縁に沿って設けられている振動部121aより上下方向の厚みが薄い周辺部121bを有している水晶片121と、振動部121aの両主面に設けられている励振電極部123、および、励振電極部123から水晶片121の一方の短辺側の縁部まで延設されている接続配線部124からなる金属パターン122と、を備えている水晶素子120であって、金属パターン122に交番電圧を印加したとき、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの二辺上に位置しており、
水晶片121の長辺に平行な向きに生じる屈曲振動の波長をλxとし、水晶片121の一方の短辺から水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の一方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離をd1とし、水晶片121の他方の短辺から水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺であって水晶片121の他方の短辺に隣接している振動部121aの辺までの距離をd2としたとき、d1=2λx±0.125λxおよびd2=0.5λx±0.125λxを満たしている。
別の観点では、本実施形態に係る水晶素子120は、金属パターン122に交番電圧を印加し水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が、水晶片121の短辺に平行な振動部121aの辺、および水晶片121の短辺上に位置しているといえる。
このようにすることで、励振電極部123に挟まれている部分から漏れ伝搬した主振動である厚みすべり振動が、振動部121aと周辺部121bとの境界部で反射したときの状態を一定にすることができ、振動部121aと周辺部121bとの境界部における励振電極部123に挟まれている部分の主振動である厚みすべり振動へ与える影響を一定にすることができる。
また、d1=2λx±0.125λxにすることで、水晶片121の一方短辺上に屈曲振動の節となる部分に位置させることが可能となり、励振電極部123に挟まれている部分から漏れ伝搬した振動が水晶片121の一方の短辺を含む側面で反射する状態を一定にしつつ、バンプ(本実施形態では導電性接着剤140)を用いて電気的に接続させたことによる励振電極部123に挟まれている部分の振動への影響を低減できる。
また、d2=0.50λx±0.125λxとすることで、水晶片121の他方の短辺を含む側面において、励振電極部123に挟まれている部分から漏れ伝搬した振動が反射を一定にすることができ、この反射された振動が励振電極部123に挟まれている部分の振動へ与える影響を一定にすることが可能となる。
この結果、本実施形態に係る水晶素子120は、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動および励振電極部123に挟まれている部分から励振電極部123に挟まれていない部分へ漏れ伝搬した振動が、主振動である厚みすべり振動に与える影響を低減させることができ、等価直列抵抗値をより低減させつつ、電気的特性を向上させることが可能となる。
さらに、本実施形態の水晶素子120をこのようにすることで、水晶片121の長辺の長さを一定にしたままで、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さをより長くすることができる。それに伴い、振動部121aの両主面に設けられる励振電極部123の辺であって、水晶片121の長辺に平行な振動部121aの辺の長さも、より長くすることができる。この結果、主振動である厚みすべり振動が生じる部分をより大きくすることが可能となり、主振動である厚みすべり振動が生じやすくすることができるので、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。
また、本実施形態に係る水晶素子120は、接続配線部124が、水晶片121の一方の短辺の縁部に沿って設けられている接続部124a、および、一端が接続部124aに接続され他端が励振電極部123に接続されている配線部124bからなり、接続部124aが、平面視して、略矩形形状となっており、水晶片121の短辺に平行となっている接続部124aの二辺間の距離をd3とすると、d3=0.5λx、d3=λx、または、d3=1.5λxとなっている。なお、このときの公差については、±0.125λxとなっている。
このようにすることで、バンプ(本実施形態では導電性接着剤140)で電気的に接続する部分の接続面積を確保しつつ、振動部121aと接続部124aとの距離を確保することができる。また、λxの0.5倍、1.0倍または1.5倍とすることで、接続部124aが設けられている部分と接続部124aが設けられていない部分との境界部に屈曲振動の節となる部分が位置するようにすることが可能となる。これらのことから、副次的な振動であり水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動が、励振電極部123に挟まれている部分で生じる主振動である厚みすべり振動へ与える影響を低減させることができ、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させることが可能となる。
また、本実施形態に係る水晶素子120では、周波数が24MHzの場合、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長、λxが100(μm)となるように水晶片121の長辺を設定すると、d1およびd2を下の値にすることにより、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることが可能となる。
d1=2λx=200(μm)
d2=λx/2=50(μm)
また、本実施形態に係る水晶素子120では、周波数が27.12MHzの場合、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長、λxが92.5(μm)となるように水晶片121の長辺を設定すると、d1およびd2を下の値にすることにより、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることが可能となる。
d1=2λx=185(μm)
d2=λx/2=46.25(μm)
また、本実施形態に係る水晶素子120では、周波数が37.4MHzの場合、水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の波長、λxが73(μm)となるように水晶片121の長辺を設定すると、d1およびd2を下の値にすることにより、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ、電気的特性を向上させることが可能となる。
d1=146(μm)
d2=36.5(μm)
本実施形態に係る水晶デバイスは、本実施形態に係る水晶素子120と、接続配線部124に電気的に接続される搭載パッド111が設けられている基板部110aを有した基体110と、基体110に接合される蓋体130と、を備えている。
本実施形態に係る水晶素子120は等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ電気的特性を向上させることができるので、このような水晶素子120を実装することで、本実施形態における水晶デバイスにおいても、等価直列抵抗値が大きくなることを低減させつつ電気的特性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る水晶デバイスでは、平面視して、接続部124aと搭載パッド111とを導電性接着剤140により電気的に接続させているとき、導電性接着剤140と水晶片121とが接着している部分(図4における135°の斜線にてハッチングしている部分)に、金属パターン122に交番電圧を印加したときに水晶片121の長辺に平行な向きで生じる屈曲振動の節となる部分が位置している。
このようにすることで、金属パターン122に交番電圧を印加し副次的な振動である屈曲振動が報じた場合、導電性接着剤140と水晶片121との接着部分の歪の量を低減させることが可能となる。このため、導電性接着剤140で接着していることによるし振動である厚みすべり振動へ与える影響を低減させることができ、電気的特性が低下することを径下させることが可能となる。
本発明は、以下の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
水晶素子を有するデバイスは、水晶振動子に限定されない。例えば、水晶素子に加えて水晶素子に電圧を印加して発信信号を生成する集積回路素子(IC)を有する発振器であってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、水晶素子の他にサーミスタ等の電子素子を有するものであってもよい。また、例えば、水晶デバイスは、恒温槽付きであってもよい。水晶デバイスにおいて、水晶素子を実装する基体の構造は、適宜構成されてもよい。例えば、基体は、上面および下面に凹部を有する断面H型であってもよい。
水晶素子は、水晶片の所定の一辺を含む側面に、第一凹部、第二凹部および第三凹部からなる凹部が形成されている場合について説明しているが、いくつ凹部が形成されてもよい。また、水晶片の所定の一辺を含む側面に凹部が形成されていなくてもよい。
水晶素子の接続部と蓋体の搭載パッドが導電性接着剤によって電気的に接続され基板部上に水晶素子が実装されている場合について説明しているが、水晶素子を基板上に実装しつつ接続部と搭載パッドとを電気的に接続することができれば、例えば、金属バンプを用いてもよい。
接続配線部の配線部が水晶片の長辺と平行となるように励振電極部から延設されている場合について説明しているが、励振電極部と接続部とを電気的に接続することができれば、配線部の形状は問わない。