JP2018147795A - 非水系蓄電素子及びその運転方法 - Google Patents

非水系蓄電素子及びその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生を抑制することが可能な非水系蓄電素子を提供する。【解決手段】非水系蓄電素子10は、アニオンを挿入乃至脱離することが可能な炭素質材料を含む正極11と、チタン酸リチウムを含む負極12と、非非水電解液を有する。非水系蓄電素子10は、正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.2Vにおける充電容量をA[mAh]、正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.0Vにおける充電容量をB[mAh]、負極のリチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量をC[mAh]としたとき、式A>C>Bを満たし、かつ、B[mAh]以下の充電が実施される。【選択図】図1

Description

本発明は、非水系蓄電素子及び非水系蓄電素子の運転方法に関する。
近年、携帯機器の小型化、高性能化に伴い、エネルギー密度が高い非水系二次電池の特性が向上しており、非水系二次電池が普及している。また、電気自動車への応用展開を目指して非水系二次電池の重量エネルギー密度を向上させる試みが進められている。
従来より、非水系二次電池としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質と、炭素等の負極活物質と、非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる非水電解液とを有するリチウムイオン二次電池が多く使用されている。
一方、正極活物質及び負極活物質として、炭素を用い、非水電解液中のアニオンが正極活物質へ挿入乃至脱離し、非水電解液中のリチウムイオンが負極活物質へ挿入乃至脱離して充放電される非水系二次電池(デュアルカーボン電池)が存在する(例えば、特許文献1参照)。
デュアルカーボン電池においては、例えば、非水電解液中から正極活物質にPF 等のアニオンが挿入され、非水電解液中から負極活物質にLiが挿入されることにより充電される。一方、正極活物質からPF 等のアニオンが非水電解液へ脱離し、負極活物質からLiが非水電解液へ脱離することにより放電される。
Figure 2018147795
デュアルカーボン電池の正極反応では、リチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質を用いる場合と異なり、アニオンが利用される。アニオンは、リチウムイオンと異なり、ほとんど溶媒和しない。このため、デュアルカーボン電池の正極反応では、リチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質を用いる場合と異なり、アニオンが挿入される過程で、脱溶媒和を必要としない。このことは、デュアルカーボン電池を用いると、急速な充放電が可能であることを意味している。また、炭素は、リチウムコバルト複合酸化物等の正極活物質と異なり、構造中に酸素を含まない。このため、炭素は、加熱状態や、過充電状態においても、酸素を放出することなく、使用することができる安全な材料となっている。
負極活物質として、スピネル構造を有するチタン酸リチウム(LTO)を用いた二次電池を充放電したときに、LTOは、結晶格子のサイズ及び構造がほとんど変化しない。このため、LTOは、サイクル安定性が極めて高く、負極活物質として、LTOを用いた二次電池は、サイクル安定性と安全性が高いことが知られている。
以上のことから、正極活物質として、炭素を用い、負極活物質として、LTOを用いた二次電池は、急速な充放電が可能であり、サイクル安定性と安全性が高い電池である(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、正極活物質として用いられる炭素は、5V vs Li/Liを超える電位範囲において、自己放電が大きく、充放電に伴い、アニオンの分解と思われるFが発生して二次電池が劣化する問題がある。このため、通常使用される、即ち、汎用的に連続使用される電位範囲として、5V vs Li/Liを超える電位範囲を使用することは好ましくない。
また、負極活物質として、LTOを用いた二次電池は、特に、使用初期において、充放電を繰り返すと、多量のガスが発生することが報告されている。その原因は、LTOが水酸基(−OH)及びヒドロキシラジカル(・OH)などの固体酸点を有しているためであるとされている。これらの固体酸点に対応したOHが存在し、これらのOHが水素源となり、水素ガスが発生すると考えられている。
負極材料は、比較的高温で乾燥させるが、乾燥温度は、負極の他の材料の耐熱性から、150℃以下であり、吸着水を完全に取り除くのは困難である。また、脱水反応により、LTOの表面に存在するOHや吸着水を除去する場合、300℃以上に加熱して乾燥させる必要がある。しかしながら、前述のように、負極の他の部材の耐熱性の観点から、負極を製造した後に、300℃以上に加熱して乾燥させることはできない。
本発明は、使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生を抑制することが可能な非水系蓄電素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、非水系蓄電素子において、アニオンを挿入乃至脱離することが可能な炭素質材料を含む正極と、チタン酸リチウムを含む負極と、非水電解液を有し、前記正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.2Vにおける充電容量をA[mAh]、前記正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.0Vにおける充電容量をB[mAh]、前記負極のリチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量をC[mAh]としたとき、式
A>C>B
を満たし、かつ、B[mAh]以下の充電が実施される。
本発明によれば、使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生を抑制することが可能な非水系蓄電素子を提供することができる。
本実施形態の非水系蓄電素子の一例を示す概略図である。 正極aの3.0〜5.2V vs Li/Li+における充放電曲線を示す図である。 正極aの3.0〜5.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す図である。 負極aの1.0〜2.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す図である。 負極bの1.0〜2.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す図である。 実施例2の非水系蓄電素子の初期充電における正極と負極の電位変化を示す図である。 実施例2の初期充電を実施した非水系蓄電素子の正極と負極の電位変化を示す図である。 実施例2の充放電サイクルを5回実施した非水系蓄電素子の充放電曲線と負極の電位変化を示す図である。 比較例2の非水系蓄電素子の初期充電における正極と負極の電位変化を示す図である。
(非水系蓄電素子)
本実施形態の非水系蓄電素子は、アニオンを挿入乃至脱離することが可能な炭素質材料を含む正極と、チタン酸リチウム(LTO)を含む負極と、非水電解液を有する。本実施形態の非水系蓄電素子は、セパレータを有することが好ましく、必要に応じて、その他の部材を更に有する。
本実施形態の非水系蓄電素子は、正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.2Vにおける充電容量をA[mAh]、正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.0Vにおける充電容量をB[mAh]、負極のリチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量をC[mAh]としたとき、式
A>C>B
を満たし、かつ、B[mAh]以下の充電が実施される。これにより、使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生を抑制することができる。
以下、本実施形態の非水系蓄電素子の効果についてさらに説明する。
本願の発明者は、LTOの表面に存在するOHの影響をなくす方法として、すべてのLTOを充電状態とする手法が有効であることを見出した。これは、LTOにリチウムイオンが吸蔵された状態では、OHを有する化合物が不安定であるため、LTOの表面に存在するOHが他の構造(例えば、OLi+)に変化し、OHの構造が変化した後のLTOからのガスの発生を抑制することができるものと推測される。
したがって、正極活物質として用いた炭素質材料の安定な電位範囲(5.0V vs Li/Li以下)における正極の充電容量に対して、負極の充電容量を小さくすれば、非水系蓄電素子を充電する時に、満充電状態になった後のLTOからのガスの発生を抑制することができる。
しかしながら、この系においては、LTOが満充電状態になると、負極の電位が急激に低下する。この状態で充電を継続すると、負極の電位は0Vに達し、Liが析出してしまう。Liが析出する前に非水系蓄電素子の充電を停止すればよいが、負極の電位の変化が急峻であるため、非水系蓄電素子の電圧の制御が難しいという難点が生じていた。
このような負極の電位の変化を抑えるためには、LTOを負極活物質として用いた負極の電位平坦部を利用することが好ましいが、この場合、正極活物質として用いた炭素質材料の安定な電位範囲(5.0V vs Li/Li以下)における正極の充電容量は、負極の充電容量に対して、小さくなるため、LTOを満充電状態にすることができない。
本願の発明者は、正極活物質として用いた炭素質材料の5.0V vs Li/Liを超える電位範囲に発現する充電容量を初期充電に使用すると共に、初期充電以降の通常の充電を5.0V vs Li/Li以下の電位範囲とすることにより、LTOが満充電状態になりつつ、非水系蓄電素子の電圧を容易に制御できることを見出した。すなわち、正極の所定の電位範囲における充電容量と、負極の所定の電位範囲における充電容量が所定の関係を満たすことにより、非水系蓄電素子の使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生を抑制できることを見出した。
以下、本実施形態の非水系蓄電素子の正極、負極、非水電解液及びセパレータについて順次説明する。
<正極>
正極としては、正極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、正極集電体上に正極活物質を含む正極材を備えた正極などが挙げられる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
<<正極材>>
正極材は、正極活物質を含み、必要に応じて、導電剤、バインダ、増粘剤などを更に含む。
−正極活物質−
正極活物質は、アニオンを可逆的に挿入乃至脱離することが可能な炭素質材料である。
炭素質材料としては、例えば、コークス、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛(グラファイト)、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、人造黒鉛、天然黒鉛が特に好ましい。
炭素質材料は、結晶性が高いことが好ましい。
炭素質材料の結晶性は、X線回折、ラマン分析などにより評価することができる。
炭素質材料は、例えば、CuKα線を用いた粉末X線回折パターンにおいて、2θ=22.3°における回折ピーク強度I2θ=22.3°と、2θ=26.4°における回折ピーク強度I2θ=26.4°の強度比I2θ=22.3°/I2θ=26.4°が0.4以下であることが好ましい。
炭素質材料は、窒素吸着によるBET比表面積が1m/g以上100m/g以下であることが好ましく、レーザー回折・散乱法により求められるメジアン径が0.1μm以上100μm以下であることが好ましい。
−バインダ−
バインダとしては、正極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−増粘剤−
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化デンプン、リン酸化デンプン、カゼインなどが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−導電剤−
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<正極集電体>>
正極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の材質としては、導電性材料で、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、チタン、タンタルなどが挙げられる。これらの中でも、軽量であること、安価であること、耐酸化性が高いことから、アルミニウムが特に好ましい。
正極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極集電体の大きさとしては、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−正極の作製方法−
正極は、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤、溶媒等を加えて、スラリー状とした正極材用塗布液を、正極集電体上に塗布した後、乾燥させて、正極材を形成することで、作製することができる。
溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系溶媒、有機系溶媒などが挙げられる。
水系溶媒としては、例えば、水、アルコールなどが挙げられる。
有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエンなどが挙げられる。
なお、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤等を加えた正極用組成物をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。
<負極>
負極としては、負極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、負極集電体上に負極活物質を含む負極材を備えた負極などが挙げられる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
<<負極材>>
負極材は、負極活物質を含み、必要に応じて、バインダ、導電剤などを更に含む。
−負極活物質−
負極活物質は、LTOを含み、LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.05Vより大きい範囲でリチウムイオンを吸蔵することが可能な材料をさらに含むことが好ましい。
LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.05Vより大きい範囲でリチウムイオンを吸蔵することが可能な材料は、リチウム基準に対する電位が0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能であることが好ましい。
LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位は、約1.55V vs Li/Liであり、LTOを含む負極は、この電位において優れた電位平坦性を示す。
しかしながら、前述したように、LTOが満充電状態になると、LTOを含む負極は、1.55V vs Li/Liから急激に電位が低下するため、非水系蓄電素子の電圧の制御が難しくなる。また、過剰な充電や急速な充電が実行された場合においては、負極の電位が0V以下となりやすく、Liの析出により安全性が低下する原因となる。
これに対して、負極活物質として、前述の材料を添加することにより、LTOを含む負極の急激な電位の低下を軽減することができる。
LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.05Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料としては、例えば、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化炭素、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、リチウムを吸蔵することにより、なだらかに電位が低下する易黒鉛化性炭素、難黒鉛化炭素が特に好ましい。
さらに、LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料を使用することにより、後述する負極集電体を構成する材料として、アルミニウムを使用しやすくなる。これは、リチウム基準に対する電位が0.6V以下になると、アルミニウムとリチウムイオンの電気化学反応が始まるためである。
LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料としては、例えば、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化炭素、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などが挙げられる。これらの中でも、リチウムを吸蔵することにより、なだらかに電位が低下する易黒鉛化性炭素、難黒鉛化炭素が特に好ましい。
LTOに対する、LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.05Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料の質量比は、1/9〜1であることが好ましく、1/9:〜3/7であることがさらに好ましい。上記質量比が1/9以上であると、LTOを含む負極の電位の急峻な変化を抑制することができ、1以下であると、非水系蓄電素子のエネルギー密度が向上する。
−バインダ−
バインダとしては、負極を製造する時に使用する溶媒や非水電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
−導電剤−
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<負極集電体>>
負極集電体の材質、形状、大きさ、構造としては、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の材質としては、導電性材料で、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、銅などが挙げられる。これらの中でも、ステンレス鋼、銅、アルミニウムが好ましく、軽量である点、安価である点から、アルミニウムが特に好ましい。
負極集電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極集電体の大きさとしては、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−負極の作製方法−
負極は、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤、溶媒等を加えて、スラリー状とした負極材用塗布液を、負極集電体上に塗布した後、乾燥させて、負極材を形成することで、作製することができる。
溶媒としては、正極の作製方法と同様の溶媒を用いることができる。
なお、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤等を加えた負極用組成物をロール成形してシート電極としたり、圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。
また、蒸着、スパッタ、メッキ等の手法により、負極集電体上に負極活物質の薄膜を形成して、負極材を形成することもできる。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解している。
<<非水溶媒>>
非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適に用いられる。
非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒が用いられ、粘度が低い溶媒が好ましい。これらの中でも、電解質塩の溶解性が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)などが挙げられる。これらの中でも、ジメチルカーボネート(DMC)が好ましい。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、50質量%以上であることが好ましい。これにより、3M以上の高濃度の非水電解液を作製しても、粘度が低くなるため、非水電解液が電極にしみ込みやすくなることに加え、イオン拡散しやすくなる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などが挙げられる。
なお、非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒などを用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)などが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテルなどが挙げられる。
<<電解質塩>>
電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、高いイオン伝導度を示す化合物であれば、特に制限はないが、ハロゲン原子を含む化合物が好ましい。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、スピロ系4級アンモニウムイオンなどが挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、例えば、Cl、Br、I、ClO 、BF 、PF 、SbF 、CFSO 、(CFSO、(CSOなどが挙げられる。
電解質塩の中でも、非水系蓄電素子の容量を向上させる点から、リチウム塩が特に好ましい。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CSO)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、炭素質材料中へのアニオンの挿入量の大きさの観点から、LiPFが好ましい。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、1mol/L〜5mol/Lであることが好ましいが、非水系蓄電素子の容量と出力の両立の点から、2mol/L〜4mol/Lであることがより好ましい。
<セパレータ>
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために、正極と負極の間に設けられる。
セパレータの材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータとしては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜などが挙げられる。
セパレータは、非水電解液を保持する観点より、気孔率が50%以上であることが好ましい。
セパレータの形状としては、気孔率が高いため、微多孔(マイクロポア)を有する薄膜タイプよりも、不織布系の方が好ましい。
セパレータの平均厚みは、15μ以上100μm以下であることが好ましい。セパレータの平均厚みが15μm以上であると、非水電解液の保持量が多くなり、100μm以下であると、非水系蓄電素子のエネルギー密度が向上する。
セパレータの大きさとしては、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
<その他の部材>
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、外装缶、引き出し線などが挙げられる。
<非水系蓄電素子の製造方法>
本実施形態の非水系蓄電素子は、例えば、正極、負極及び非水電解液と、セパレータとを、適切な形状に組み立てることにより製造することができる。このとき、必要に応じて、外装缶等のその他の部材を更に用いることも可能である。
非水系蓄電素子を組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
−正極と負極の大きさ−
正極と負極の大きさは、任意に設定することが可能である。
正極の蓄電部分の面積は、負極の蓄電部分の面積より大きく、負極の蓄電部分の全面に正極の蓄電部分が対向していることが好ましい。これにより、負極のLTOの充電状態が良好となる。
−非水系蓄電素子の形状−
本実施形態の非水系蓄電素子の形状としては、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができるが、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層した後、ラミネートフィルムで外装したタイプなどが挙げられる。
図1に、本実施形態の非水系蓄電素子の一例を示す。
非水系蓄電素子10は、正極11、負極12及びセパレータ13が外装缶14内に収容されており、セパレータ13内に非水電解液が充填されている。また、正極11及び負極12に、それぞれ引き出し線15及び16が設けられている。
本実施形態の非水系蓄電素子としては、二次電池、キャパシタ等が挙げられる。
<非水系蓄電素子の運転方法>
本実施形態の非水系蓄電素子は、C[mAh]以上で、A[mAh]以下の初期充電を実施することが好ましい。C[mAh]は、LTOの充電容量に相当するため、この条件で初期充電を実施することにより、LTOを満充電状態にすることが可能である。
なお、本願明細書及び特許請求の範囲において、初期充電とは、出荷前に実施される充電を意味する。
本実施形態の非水系蓄電素子は、B[mAh]以下の充電を実施することが好ましい。これにより、炭素質材料が相対的に不安定な5.0V vs Li/Li以上の電位範囲を使用しないことになるため、非水系蓄電素子の信頼性が相対的に向上する。
<非水系蓄電素子の用途>
本実施形態の非水系蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラなどが挙げられる。
以下、実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<正極の作製>
−正極a−
正極活物質としての、炭素粉末KS−6(TIMCAL社製)2.7g及び導電剤(アセチレンブラック)0.2gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の2質量%水溶液5gを加えて混練し、正極材用スラリーを作製した。
ここで、炭素粉末KS−6(TIMCAL社製)は、窒素吸着によるBET比表面積が20m/gであり、レーザー回折粒度分布計SALD−2200(島津製作所社製)により測定したメジアン径が3.4μmであった。
次に、正極集電体としての、アルミニウム箔上に正極材用スラリーを塗工した後、130℃で12時間真空乾燥させ、正極材を形成した。正極材が形成されたアルミニウム箔を直径15mmの丸型に打ち抜き加工して、正極aを作製した。
<負極の作製>
−負極a−
負極活物質としての、チタン酸リチウム(石原産業社製)2.19g、炭素粉末MAGD(日立化成工業社製)0.6g、導電剤(アセチレンブラック)0.15gに水を加えて混錬した後、増粘剤としての、カルボキシメチルセルロース(CMC)の3質量%水溶液4gを加えて混練し、負極材用スラリーを作製した。
ここで、炭素粉末MAGD(日立化成工業社製)は、チタン酸リチウムのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料である。
次に、負極集電体としての、アルミニウム箔上に負極材用スラリーを塗工した後、130℃で12時間真空乾燥させ、負極材を形成した。負極材が形成されたアルミニウム箔を直径15mmの丸型に打ち抜き加工して、負極aを作製した。
−負極b−
チタン酸リチウム(石原産業社製)及び炭素粉末MAGD(日立化成工業社製)の添加量を、それぞれ2.19g及び0.24gに変更した以外は、負極aと同様にして、負極bを作製した。
<非水電解液の作製>
−非水電解液a−
プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを、1:1:1の質量比で混合した後、1.8mol/LのLiPF、0.2mol/LのLiBFを溶解させ、非水電解液aを作製した。
<セパレータ>
−セパレータa−
平均厚み25μmのセルロース製のセパレータ(日本高度紙社製)を5枚重ねて、セパレータaとして、使用した。
<充電容量>
参照電極付きの電気化学試験セルECC−Ref(EL−CELL社製)に、作用極、対向極、セパレータa、非水電解液aを入れて、作用極の充電容量を測定した。
−正極a−
作用極として、正極a、対向極として、平均厚み200μmのリチウム(本庄金属社製)、参照極として、平均厚み200μmのリチウム(本庄金属社製)を使用し、正極aの充電容量を測定した。
具体的には、室温(25℃)において、0.08mAの定電流で充電終止電位5.2V vs Li/Liまで充電した後、0.08mAの定電流で電位3.0V vs Li/Liまで放電した。正極aは、リチウム基準に対する電位3.0〜5.2Vにおける充電容量が0.59mAhであった。
図2に、正極aの3.0〜5.2V vs Li/Li+における充放電曲線を示す。
同様に、非水系蓄電素子に、室温(25℃)において、0.08mAの定電流で充電終止電位5.0V vs Li/Liまで充電した後、0.08mAの定電流で3.0V vs Li/Liまで放電した。正極aは、リチウム基準に対する電位3.0〜5.0Vにおける充電容量が0.44mAhであった。
図3に、正極aの3.0〜5.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す。
−負極a−
作用極として、負極a、対向極として、平均厚み200μmのリチウム(本庄金属社製)、参照極として、平均厚み200μmのリチウム(本庄金属社製)を使用し、負極aの充電容量を測定した。
具体的には、室温(25℃)において、0.08mAの定電流で充電終止電位1.0V vs Li/Liまで充電した後、0.08mAの定電流で電位2.0Vvs Li/Liまで放電した。負極aは、リチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量が0.54mAhであった。
図4に、負極aの1.0〜2.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す。
−負極b−
作用極として、負極を用いた以外は、負極aの充電容量と同様にして、負極bの充電容量を測定した。負極bは、リチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量が0.48mAhであった。
図5に、負極bの1.0〜2.0V vs Li/Li+における充放電曲線を示す。
図4及び図5から、炭素粉末MAGD(日立化成工業社製)が多く添加されている負極aの方が、LTOのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位(約1.55V vs Li/Li)からの電位の低下が急峻でなく、なだらかであることが判る。
このことから、炭素粉末MAGD(日立化成工業社製)は、約1.55V vs Li/Liより小さく、0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料であることが判る。
[実施例1]
放出ガス圧力測定用の電気化学試験セルECC−Press(EL−CELL社製)セルに、正極a、負極a、セパレータa、非水電解液aを入れて、非水系蓄電素子を作製した。
室温(25℃)において、非水系蓄電素子に0.08mAの定電流で充電終止電圧4.5Vまで充電し、充電状態で24時間放置した後、0.08mAの定電流で1.7Vまで放電して、初期充放電を実施した。そして、非水系蓄電素子の内部に発生しているガスを放出させた後、非水系蓄電素子に0.08mAの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電した後、0.08mAの定電流で1.7Vまで放電する充放電サイクルを100回実施した。この時の非水系蓄電素子は、内圧が1.23barであった。
[実施例2]
電気化学試験セルECC−Ref(EL−CELL社製)に、作用極、対向極、セパレータa、非水電解液aを入れて、非水系蓄電素子を作製した。このとき、作用極として、正極a、対向極として、負極aを用いた。
室温(25℃)において、非水系蓄電素子に0.08mAの定電流で5.2V vs Li/Liまで初期充電を実施した。
図6に、非水系蓄電素子の初期充電における正極と負極の電位変化を示す。
図6から、負極の電位は、LTOの平衡電位である1.55V vs Li/Liより下がっており、LTOが十分充電状態になっていることが判る。また、充電終止時の正負極間の電位差(非水系蓄電素子の電圧)は4.5Vであり、実施例1の非水系蓄電素子の充電終止電圧に相当している。
室温(25℃)において、初期充電を実施した非水系蓄電素子に0.08mAの定電流で5.0V vs Li/Liまで充電した後、0.08mAの定電流で3.0V vs Li/Liまで放電する充放電サイクルを5回実施した。
図7に、初期充電を実施した非水系蓄電素子の正極と負極の電位変化を示す。
図7から、初期充電を実施した非水系蓄電素子は、安定に動作しているのが判る。
室温(25℃)において、充放電サイクルを5回実施した非水系蓄電素子に0.6mAの定電流で充電終止電圧3.5Vまで充電した後、0.6mAの定電流で1.7Vまで放電する充放電サイクルを5回実施した。このとき、参照極は、負極の電位のモニターに使用した。
図8に、充放電サイクルを5回実施した非水系蓄電素子の充放電曲線と負極の電位変化を示す。
図8から、充放電サイクルを5回実施した非水系蓄電素子は、制御が容易な正負極間の電位差(非水系蓄電素子の電圧)を制御する場合においても、安定に動作しているのが判る。
[比較例1]
初期充放電における充電終止電圧を3.5Vに変更した以外は、実施例1と同様にして、非水系蓄電素子に初期充放電及び充放電サイクルを実施した。この時の非水系蓄電素子は、内圧が1.65barであった。
実施例1と比較例1を対比することにより、初期充放電における充電終止電圧を4.5Vにすると、使用初期において、充放電を繰り返しても、ガスの発生が抑制されていることが判る。
[比較例2]
5.0V vs Li/Liまで初期充電を実施した以外は、実施例2と同様にして、非水系蓄電素子に初期充電を実施した。
図9に、非水系蓄電素子の初期充電における正極と負極の電位変化を示す。
図9から、負極の電位は、LTOの平衡電位である1.55V vs Li/Li程度であり、LTOのすべてが充電状態に到達していないことが判る。また、充電終止時の正負極間の電位差(非水系蓄電素子の電圧)は3.5Vであり、比較例1の非水系蓄電素子の充電終止電圧に相当している。
実施例2と比較例2を対比することにより、5.2V vs Li/Liまで初期充電を実施すると、LTOが十分充電できていることが判る。
10 非水系蓄電素子
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 外装缶
15、16 引き出し線
特開2005−251472号公報 特開2003−77544号公報

Claims (5)

  1. アニオンを挿入乃至脱離することが可能な炭素質材料を含む正極と、
    チタン酸リチウムを含む負極と、
    非水電解液を有し、
    前記正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.2Vにおける充電容量をA[mAh]、前記正極のリチウム基準に対する電位3.0〜5.0Vにおける充電容量をB[mAh]、前記負極のリチウム基準に対する電位1.0〜2.0Vにおける充電容量をC[mAh]としたとき、式
    A>C>B
    を満たし、かつ、B[mAh]以下の充電が実施されることを特徴とする非水系蓄電素子。
  2. 前記負極は、チタン酸リチウムのリチウムイオンの吸蔵放出の平衡電位より小さく、リチウム基準に対する電位が0.05Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能な材料をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の非水系蓄電素子。
  3. 前記負極は、アルミニウムを含む集電体をさらに含み、
    前記材料は、リチウム基準に対する電位が0.6Vより大きい範囲で、リチウムイオンを吸蔵することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の非水系蓄電素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非水系蓄電素子を運転する方法であって、
    C[mAh]以上、A[mAh]以下の初期充電を実施することを特徴とする非水系蓄電素子の運転方法。
  5. 前記初期充電を実施した後に、B[mAh]以下の充電を実施することを特徴とする請求項4に記載の非水系蓄電素子の運転方法。
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