JP2018146670A - 現像装置、画像形成装置及び画像処理装置並びに画像形成方法 - Google Patents

現像装置、画像形成装置及び画像処理装置並びに画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】用紙の種類に応じてプロセススピードを変更した場合にも、印字品質が同程度となる画像形成装置のための現像装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、普通紙印刷モードと、プロセススピードの遅い厚紙印刷モードを有する。普通紙印刷モードにおける現像バイアスの直流成分(Vdc)と、厚紙印刷モードにおける現像バイアスの直流成分(Vdc)とは同じであり、厚紙印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)は、普通紙印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)よりも低く設定される。【選択図】図6

Description

本発明は、用紙の種類に応じてプロセススピードを変更して印字を行う現像装置、画像形成装置及び画像処理装置並びに画像形成方法に関する。
従来、画像形成装置では、使用される用紙の種類に応じて用紙の搬送速度や定着時の加熱温度を制御する技術がある。例えば、特許文献1には、用紙が厚紙(もしくはOHPシート)の場合、通常使用される普通紙よりも用紙の搬送速度を低くする、すなわち、プロセススピードを遅くすることが開示されている。
普通紙にトナーを定着する場合と、厚紙にトナーを定着させる場合とを比べると、厚紙の方がより加熱量を多くする必要がある。そこで、厚紙を用いる場合には、定着装置で十分に用紙が加熱されるように通紙速度を遅くしている。この場合、定着工程のみで通紙速度を遅くすることは困難であるため、現像工程等の他の工程を含むプロセス全体でプロセススピードを遅くする必要がある。
このように厚紙使用時にプロセススピードを遅くすると、定着工程は良好に行えるものの、現像工程においては感光体ドラム上(1次転写上)のトナー付着量が変わり、厚紙へのトナー付着量が普通紙へのトナー付着量より多くなる。これについては、一般的には厚紙使用時に現像バイアスの印加電圧(直流成分)を低下させ、トナー付着量を抑制することが考えられる。
しかしながら、普通紙使用時と厚紙使用時とで現像バイアスの印加電圧(直流成分)を変化させて、トナー付着量を揃えたとしても、これだけで印字品質が同じになるとは限らない。特許文献2では、厚紙使用時でプロセススピードを遅くする場合には、現像ACバイアスの周波数を高くして、更に、これのピークトゥピークを大きくすることで、カブリを抑止することが開示されている。
特開平8−305218号公報 特開2007−121906号公報 特開2016−161772号公報
しかしながら、印字品質に関しては、細線再現性の課題がある。普通紙使用時と厚紙使用時とで現像バイアスの印加電圧(直流成分)を変化させる従来方法は、トナー付着量に関する課題を解決するものの、普通紙使用時と厚紙使用時とで細線の印字幅に相違が生じるといった細線再現性に関する課題を解決しないどころか、むしろ、普通紙使用時と比較して、厚紙使用時における細線再現性をより低下させてしまう。
特許文献2に開示の発明は、カブリを抑圧する効果を持つが、普通紙使用時と厚紙使用時とで細線の印字幅に相違が生じるといった細線再現性の課題を解決しない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、用紙の種類に応じてプロセススピードを変更する画像形成装置において、プロセススピードが異なる場合であっても、印字品質が同程度となる現像装置、画像形成装置、画像形成方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、第1の印刷モードと、前記第1の印刷モードよりもプロセススピードの遅い第2の印刷モードを有する画像形成装置であって、現像装置と感光体ドラムとの間に印加される現像バイアスは、直流成分に交流成分を重畳してなるバイアス電圧であり、前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分と、前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分とは同じであり、前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティは、前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティよりも低く設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第2の印刷モードにおいて、プロセススピードを遅くすることによる画像濃度の増加と、交流成分のデューティ(Duty)を小さくすることによる画像濃度の低下とのバランスが取られる。これにより、プロセススピードの遅い厚紙印刷モード第2の印刷モードでも、第1の印刷モード時と同程度の画像濃度を得ることができる。また、第2の印刷モードにおける細線の太さも、第1の印刷モード時と同程度の太さとすることができ、細線再現性も良好なものとすることができる。
また、上記画像形成装置では、「前記第1の印刷モードでの交流成分のデューティ」に対する「前記第2の印刷モードでの交流成分のデューティ」の低下分のポイントは、マイナス0%を超えマイナス20%以下の範囲に設定されていることが好ましく、マイナス5%以上マイナス15%以下の範囲に設定されていることがより好ましい。
また、上記画像形成装置では、前記第1の印刷モードは、記録用紙として普通紙を用いる場合の印刷モードであり、前記第2の印刷モードは、記録用紙として普通紙よりも坪量の大きい厚紙を用いる場合の印刷モードである構成とすることができる。
また、上記画像形成装置では、同一の印刷モードに対しては同一のプロセススピードを適用することができる。
また、上記画像形成装置では、濃度調整をデューティの調整のみですることができるので、前記第1の印刷モードおよび前記第2の印刷モードの何れか一方のプロセスコントロールに合わせて調整された現像バイアスの直流成分を、他方の印刷モードに切り替えられた後もそのまま引き継ぐような構成とすることもできる。そして、現像バイアスの直流成分に差が無ければ、第1の印刷モードと第2の印刷モードとで同程度の印字品質を得ることができる。
上記画像形成装置では、濃度調整をデューティの調整のみですることができるので、前記第1の印刷モードおよび前記第2の印刷モードの何れか一方のプロセスコントロールに合わせて調整された現像バイアスの直流成分を、他方の印刷モードに切り替えられた後もそのまま引き継ぐような構成とすることもできるという説明をしたが、各印刷モードに対して適用したデューティが異なることによる印刷モード間の直流の差分を補償するようにしてもよい。
本発明の画像形成装置は、第2の印刷モードにおいて、プロセススピードを遅くすることによる画像濃度の増加と、交流成分のデューティ(Duty)を小さくすることによる画像濃度の低下とのバランスが取られることで、第1の印刷モードと第2の印刷モードとで同程度の印字品質を得ることができるといった効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態による複合機の概念的断面図である。 本発明の第1の実施の形態による複合機の機能ブロック図である。 図1、図2の画像形成装置における画像形成プロセスを説明する図である。 図1、図2の画像形成装置における現像装置の一部と感光体ドラムとの駆動部を示す斜視図である。 本発明の実施の形態による現像バイアスの電圧波形を示す波形図である。 本発明の実施の形態による普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替制御を行うための制御系を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替タイミングを説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態による普通紙印刷モードと厚紙印刷モードでのトナー付着量測定について実験結果を示す表である。 普通紙印刷モードと厚紙印刷モードでの細線再現性について実験結果を示す表である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態は、第2以下の実施の形態による画像形成装置を含む複合機800に関するものである。図1、図2、図3は、複合機800の構成などを示すものである。
図1及び図2に示すように、複合機800は、原稿の画像を読み取る原稿読取装置820と、シートに画像を形成する複合機本体(画像形成部本体)830と、原稿読取装置820及び複合機本体830を操作するための操作パネル部843と、操作パネル部843による操作に基づいて原稿読取装置820及び複合機本体830を制御する演算処理部841と、を備えている。
画像読取りのために原稿読取装置820を単体で用いること、画像形成のために複合機本体830を単体で用いることの他に、画像を複写するためにこれらを連動させることもできる。また、複合機800は図示しない記憶装置及びファクシミリ装置を含んでいてもよい。記憶装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像やファクシミリ装置により受信した画像を格納することができる。ファクシミリ装置は、原稿読取装置820により読み取られた画像や記憶装置に格納されている画像を送信することと、外部から画像を受信することができる。更に、複合機800は、ネットワークを介してパーソナルコンピュータと接続するためのインターフェースを含んでいてもよい。複合機800に接続されたパーソナルコンピュータは、これが管理できるデータについて複合機の機能を利用することができる。
原稿読取装置820は、原稿を自動給送する原稿自動給送部SPF(Single Pass Feeder)824と、原稿の画像を読み取る読取装置本体822と、を備えている。なお、原稿読取装置820は、図2に示す構成要素の他に、図2は示されないが図1に示される構成要素も含む。また、図1に示すように、読取装置本体822には、原稿台826が備わる。
複合機本体830は、シートを給送するシート給送部10と、シートを手差し給送可能な手差し給送部20と、シート給送部10又は手差し給送部20により給送されるシートに画像を形成する画像形成部30と、を備えている。
シート給送部10は、シートを積載するシート積載部11と、シート積載部11に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部12と、を備えている。シート積載部11は、回転軸13を中心に回動する中板14を備えており、中板14は、シートを給送する際に回動してシートを上方に持ち上げる。分離給送部12は、中板14により持ち上げられたシートを給送するピックアップローラ15と、ピックアップローラ15により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ対16と、を備えている。
手差し給送部20は、シートを積載可能な手差しトレイ21と、手差しトレイ21に積載されたシートを1枚ずつ分離給送する分離給送部22と、を備えている。手差しトレイ21は、複合機本体830に回動自在に支持されており、手差し給送する際には、所定の角度に固定させることでシートを積載可能になる。分離給送部22は、手差しトレイ21に積載されたシートを給送するピックアップローラ23と、ピックアップローラ23により給送されるシートを1枚ずつに分離する分離ローラ24及び分離パッド25と、を備えている。
画像形成部30は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kと、後述する感光体ドラム213Y〜213Kと、これらの表面を露光する露光装置211と、感光体ドラム213Y〜213Kの表面に形成されたトナー像をシートに転写する転写部(転写手段)216と、転写したトナー像をシートに定着させる定着部34と、を備えている。なお、符号の最後に付すアルファベット(Y、M、C、K)は、それぞれの色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)を示している。
4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kのそれぞれは、複合機本体830から取り外し可能に構成されており、交換可能となっている。なお、4つのプロセスカートリッジ31Y〜31Kは、形成する画像の色が異なること以外は同様な構成であるため、イエロー(Y)の画像を形成するプロセスカートリッジ31Yの構成のみの説明し、プロセスカートリッジ31M〜31Kの説明は省略する。
プロセスカートリッジ31Yは、像担持体としての感光体ドラム213Yと、感光体ドラム213Yを帯電させる帯電器215Yと、感光体ドラム213Y上に形成された静電潜像を現像する現像装置212Yと、感光体ドラム213Yの表面に残留するトナーを除去するドラムクリーナ214と、を備えている。現像装置212Yは、感光体ドラム213Yを現像する現像装置本体(詳細には図示せず)と、現像装置本体にトナーを供給するトナーカートリッジ(詳細には図示せず)と、を備えている。トナーカートリッジは、現像装置本体に着脱可能に構成されており、収容されたトナーが無くなると、現像装置本体から取り外して、交換することができるようになっている。
露光装置211は、レーザ光を照射する光源(図示せず)と、レーザ光を感光体ドラム213Y〜213Kに導く複数のミラー(図示せず)等と、を備えている。転写部216は、感光体ドラム213Y〜213Kに形成されたトナー像を担持する中間転写ベルト221と、感光体ドラム213Y〜213Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト221に一次転写する一次転写ローラ217Y〜217Kと、中間転写ベルト221に転写されたトナー像をシートに二次転写する二次転写ローラ37と、中間転写ベルト221に残留するトナーを除去するベルトクリーナ38と、を備えている。中間転写ベルト221は、駆動ローラ39a及び従動ローラ39bに掛け渡されており、一次転写ローラ217Y〜217Kによって感光体ドラム213Y〜213Kに押し付けられている。二次転写ローラ37は、駆動ローラ39aとで中間転写ベルト221をニップ(挟持)しており、ニップ部Nで中間転写ベルト221が担持するトナー像をシートに転写する。定着部34は、シートを加熱する加熱ローラ34aと、加熱ローラ34aに圧接する加圧ローラ34bと、を備えている。なお、一次転写ローラ217(217Y〜217K)には、電源218から電源が供給されている。
操作パネル部843は、所定の情報を表示する表示部845と、利用者が原稿読取装置820及び複合機本体830への指示を入力する入力部847と、を備えている。本実施形態においては、操作パネル部843は、読取装置本体822の正面側に配設されている。なお、正面側は図1の紙面の手前側に対応し、裏面側は図1の背面側に対応する。
図2に示すように、演算処理部841は、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820を駆動制御するCPU841aと、CPU841aを動作させるための各種プログラムとCPU841aが用いる各種情報等を記憶するメモリ841bと、を備えている。演算処理部841は、利用者による操作パネル部843への操作に基づいて、シート給送部10、手差し給送部20、画像形成部30及び原稿読取装置820の動作を統合して制御し、シートに画像を形成させる。
次に、上述のように構成された複合機800による画像形成動作(演算処理部841による画像形成制御)について説明する。本実施形態においては、原稿自動給送部824により給送され、読取装置本体822により読み取られた読取原稿の画像を、シート給送部10により給送されるシートに画像形成部30が形成する画像形成動作を例にとり説明する。
利用者による操作パネル部843の入力部847への入力により、画像形成開始信号が発信されると、利用者により原稿自動給送部824に載置された読取原稿が原稿読取位置に向けて自動給送され、原稿読取位置で読取装置本体822によって画像が読み取られる。
読取装置本体822により原稿の画像が読み取られると、読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置211が感光体ドラム213Y〜213Kに向けて、それぞれに対応する複数のレーザ光を照射する。このとき、感光体ドラム213Y〜213Kは、それぞれ、帯電器215Y〜215Kにより予め帯電されており、それぞれに対応するレーザ光が照射されることで感光体ドラム213Y〜213K上にそれぞれの静電潜像が形成される。その後、現像装置212Y〜212Kにより感光体ドラム213Y〜213K上にそれぞれ形成された静電潜像が現像され、感光体ドラム213Y〜213K上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のトナー像が形成される。感光体ドラム213Y〜213K上に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラ217Y〜217Kによって中間転写ベルト221に重畳転写され、重畳転写されたトナー像(フルカラーのトナー像)は、中間転写ベルト221に担持された状態でニップ部Nまで搬送される。
上述の画像形成動作に並行して、シート積載部11に積載されたシートが、分離給送部12によって1枚ずつに分離されながら、ピックアップローラ15によりシート搬送路26に給送される。そして、ニップ部Nのシート搬送方向上流にあるレジストローラ対27で、斜行が補正されると共に、所定の搬送タイミングでニップ部Nに搬送される。ニップ部Nに搬送されたシートは、二次転写ローラ37によって中間転写ベルト221が担持するフルカラーのトナー像が転写される。
トナー像が転写されたシートは、定着部34で加熱・加圧されることでトナー像が溶融定着され、排出ローラ対18により装置外に排出される。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
なお、シートの両面(第1面及び第2面)に画像を形成する場合には、第1面に画像が形成されたシートが装置外に排出される前に、排出ローラ対18を逆回転させて両面搬送路17に搬送し、両面搬送路17を介して画像形成部30に再搬送する。そして、第1面と同様に、第2面に画像を形成し、装置外に排出する。装置外に排出されたシートは、排出シート積載部19に積載される。
[第2の実施の形態]
画像形成装置100では、記録用紙に厚紙を用いる場合には、普通紙を用いる場合に比べてプロセススピードが遅くなる(印刷プロセスにおける用紙搬送速度や中間転写ベルト21の回転速度が遅くなる)ように設定されている。これは、厚紙にトナー像を定着するための熱量が、普通紙にトナー像を定着するための熱量よりも多く必要となり、そのための熱量を定着装置17において確保するためである。尚、普通紙よりも多くの定着熱量を必要とする記録用紙であれば、厚紙以外(例えばOHPシート)であってもプロセススピードが遅くされる。
すなわち、本実施の形態に係る画像形成装置100は、プロセススピードの互いに異なる少なくとも2つの印刷モードを有している。以下の説明では、画像形成装置100が、普通紙印刷モード(第1の印刷モード)と、普通紙印刷モードよりもプロセススピードの遅い厚紙印刷モード(第2の印刷モード)とを有しているものとして説明を行う。ここでは、紙の坪量値が105g/m以下の用紙を普通紙、紙の坪量値が105g/mを超える用紙を厚紙とする。
普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとでは、厚紙印刷モードの方が現像工程でのプロセススピードも遅くなる。本実施形態は、プロセススピードに応じて現像バイアスを制御し、プロセススピードの相違による現像の変化を抑制して、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとでの印刷品質を揃えるようにした点に特徴を有する。以下、この特徴について詳細に説明する。
図4は、現像装置212(図1に示す現像装置212Y、212M、212C、212K)の一部と感光体ドラム213との駆動部を示す斜視図である。ここで、現像装置212は非磁性二成分現像剤を用いる現像装置を例示し、図4では現像装置212が有するマグネットローラ212Aのみを図示している(現像剤槽等は図示を省略している)。尚、マグネットローラ212Aは、具体的には、感光体ドラム213と所定の間隔を空けて対向配置される円筒形状の現像スリーブと、現像スリーブの内周側に固定配置されるマグネットから構成される。現像スリーブおよび感光体ドラム213は、それぞれがモータ251、252によって回転駆動される。また、現像スリーブと感光体ドラム213との間には、現像バイアス電源219によって現像バイアスが印加される。この現像バイアスは、図5に示すように、直流(DC)成分に交流(AC)成分を重畳してなるバイアス電圧である。図5の例では、マイナスVdcボルトの直流バイアスに、デューティDutyがt(−)/Tの交流バイアスを重畳している。
本実施の形態に係る画像形成装置100は、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとで、現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)を変化させることを特徴としている。具体的には、プロセススピードの遅い厚紙印刷モードでの交流成分のデューティ(Duty)を、普通紙印刷モードの交流成分のデューティ(Duty)よりも小さくしている。また、現像バイアスの直流成分(Vdc)については変化させない。
図5に示すような現像バイアスを印加することにより、トナーが現像スリーブと感光体ドラム213との間を往復運動しつつ、感光体ドラム213表面の静電潜像がトナーにより現像される。この時、現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)を小さくするほど、感光体ドラム213へのトナー付着量は少なくなり、画像濃度は低下する。
本実施の形態に係る画像形成装置100では、厚紙印刷モードにおいて、プロセススピードを遅くする(単位面積あたりの現像時間が長くなる)ことによる画像濃度の増加と、交流成分のデューティ(Duty)を小さくすることによる画像濃度の低下とのバランスが取られる。これにより、プロセススピードの遅い厚紙印刷モードでも、普通紙印刷モード時と同程度の画像濃度を得ることができる。また、厚紙印刷モードにおける細線の太さも、普通紙印刷モード時と同程度の太さとすることができ、細線再現性も良好なものとすることができる。
また、本実施の形態に係る画像形成装置100では、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとで現像バイアスの直流成分は同じであるため、プロセスコントロールを両方の印刷モードで同じように実行することができる。ここでのプロセスコントロールは、連続印字等の際に、現像バイアスの直流成分を適宜調整して画像濃度を一定に保つ制御を意味する。例えば、普通紙印刷モードでの使用中にプロセスコントロールを行い、さらに、その状態で厚紙印刷モードに切り替えた場合、現像バイアスの直流成分については変化させずに、プロセスコントロールによる調整濃度をそのまま引き継いだ印字が可能となる。すなわち、普通紙印刷モードおよび厚紙印刷モードのどちらか一方でプロセスコントロールが行われることによって変更された現像バイアスの直流成分を、他方の印刷モードに切り替えられた後もそのまま引き継ぐことが可能となる。
図6は、本実施の形態に係る画像形成装置100において、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替制御を行うための制御系を示すブロック図である。図6に示すように、上記制御系は、プロセススピード制御部61、用紙判定部62、メモリ63、モータ制御部64および電源制御部65により構成されている。尚、プロセススピード制御部61は、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替において、現像に係る手段のみならず、露光/転写/定着/用紙搬送等、画像形成プロセスに関る全ての手段におけるプロセススピードを制御する。しかしながら、ここでは、現像に係る手段の制御部分のみを図示している。また、プロセススピード制御部61は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより構成される。
用紙判定部62は、使用される記録用紙の種類を判定し、その判定結果をプロセススピード制御部61に通知する。ここでの判定は、例えば、以下の(A)または(B)の手法により行われる。
(A)ユーザが用紙の種類を選択する場合、この選択入力信号に基づいて用紙種類を判定する。
(B)記録用紙の厚みを検出する厚みセンサを備え、この厚みセンサの検出信号に基づいて用紙種類を判定する。
プロセススピード制御部61は、用紙判定部62から通知される用紙判定結果に基づいて普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替制御を行う。具体的には、モータ制御部64を介してモータ251、252の回転速度制御を行うと共に、電源制御部65を介して現像バイアス電源219による現像バイアス制御を行う。上述したように、この場合の現像バイアス制御とは、現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)を変化させる制御である。上記制御を行うに当たっての制御値はメモリ63に予め格納されており、プロセススピード制御部61によりメモリ63から読み出される。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置100において、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとの切替タイミングについて、図7のフローチャートを参照して説明する。
先ず、コピーまたはプリントジョブの印刷要求が出される(S1)と、該ジョブにおいて用いられる記録用紙の種類が普通紙であるか厚紙であるかの判定がなされる(S2)。そして、S2で判定された用紙種類が、直前のジョブにおける用紙種類と同じであるか否かが判定される(S3)。同じであれば(S3でYES)、Duty値はそのままの設定から変更されること無くジョブ出力が実行される(S4)。一方、同じでなければ(S3でNO)、Duty値が変更されてジョブ出力が実行される(S5)。すなわち、S5では、直前のジョブが普通紙であり新たなジョブが厚紙であれば、普通紙印刷モードに対応するDutyから厚紙印刷モードに対応するDutyに変更される。また、直前のジョブが厚紙であり新たなジョブが普通紙であれば、厚紙印刷モードに対応するDutyから普通紙印刷モードに対応するDutyに変更される。尚、画像形成装置100の起動時には、最初に現像バイアスの交流成分のDutyは普通紙印刷モードに対応するDutyに設定されるものとする。
本発明の効果を確認するために、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードでのトナー付着量測定および細線再現性について実験を行い評価した。実験は、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとで現像バイアスの交流成分のデューティを異ならせた。実験条件は以下の通りである。
(トナー付着量測定)
測定方法:現像装置としてカラー複合機(商品名:MX−5140FN、シャープ株式会社製)を用いて現像を行い、1次転写上のトナーを吸引することにより重量を測定し、単位面積当たりのトナー重量をトナー付着量とした。
(細線再現性)
測定方法:600dpiで作成した主走査方向の1ライン画像を出力し、マイクロスコープで詳細画像を撮像し、その画像から線幅を測定した。
(用紙種類)
普通紙は坪量値90g/m(商品名:Color Copy 90g、Mondi社製)、厚紙は坪量値250g/m(商品名:Color Copy 250g、Mondi社製)を用いた。
実験結果を図8、図9に示す。これらの図は、普通紙印刷モードと厚紙印刷モードとで現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)を変化させることで、厚紙印刷モード時にプロセススピードを遅くすることによる印刷画像の画質への影響を低減していることを示す。
まず、Dutyが同じならば、普通紙モードでのトナー付着量に対し、厚紙モードはトナー付着量が増加している。例えば、Dutyが70%ならば、普通紙モードでのトナー付着量は0.38mg/cmであるのに対し、厚紙モードでのトナー付着量は0.41mg/cmである。
更に、普通紙モードで、ディーティーを増加させるとトナー付着量が増加している。例えば、普通紙モードに対しては、Dutyが62%ならば、トナー付着量は0.35mg/cmであるのに対し、Dutyが70%ならば、トナー付着量は0.38mg/cmである。また、厚紙モードに対しては、Dutyが62%ならば、トナー付着量は0.38mg/cmであるのに対し、Dutyが70%ならば、トナー付着量は0.41mg/cmである。
従って、普通紙モードと厚紙モードでトナー付着量を0.38mg/cmに揃えるためには、普通紙モードに対しては、Dutyを70%に設定し、厚紙モードに対しては、これよりも8ポイント少ないDutyを62%に設定すればよい。
ここで、図8に示すように、Duty対付着量の関係は、普通紙モードでも厚紙モードでも一次の関係であり、しかも、両方の傾きがほぼ等しいので、任意の付着量に対して、普通紙モードにおけるDutyが決定したならば、厚紙モードにおけるものは、それよりも8ポイント少ないDutyを設定すれば付着量を両モードで揃えることができることがわかる。従って、付着量を揃えるためには、普通紙モードにおいての濃度を反映したPWM制御信号に8ポイント分のオフセット調整を減らしたPWM信号を厚紙モードで用いれば良いことになる。
また、細線幅を比較する図9を参照すると、普通紙印刷モードに比較して厚紙印刷モードでの細線幅が増大している。また、デューティを増加させると細線幅が増加している。これにより、厚紙印刷モード時に現像バイアスの交流成分のデューティ(Duty)を小さくすることで細線幅の変化を低減させ、印刷画像の画質への影響を低減させることに対し、有効であることがわかる。
次に、線幅の調整方法についての説明をする。まず普通紙モードにて画質の設計を行う。その際、画質の要求レベルやトナー消費量にも左右されるが、線幅としては80〜100μm程度が設計目標になる場合が多くなる。図9から明らかなように、普通紙モードで80〜100μmに対応するデューティの設定としては、概ね50〜80%の間で設計される(80%を超えると交流バイアスの効果が薄れ逆に線幅が狭くなる。)
図9に示す実施例では、普通紙モードにて設計したデューティが70%としたうえで、同様の線幅を厚紙モードで再現にするには60%程度であることを示している。但し、一般に、画質の形成条件によってデューティの最適値は変わる。
また、デューティの他の調整方法について説明をする。モードが決定したら、そのモードにおけるデューティ対付着量の対応関係を保持するテーブル及び/又は線幅対デューティの対応関係を保持するテーブルを参照する。例えば、目的とする付着量が決まったならば、付着量対デューティの対応関係のテーブルより、その付着量に対応するデューティを取得し、それを、PWM信号のデューティとする。また、目的とする線幅が決まったならば、線幅対デューティの対応関係のテーブルより、その線幅に対応するデューティを取得し、それを、PWM信号のデューティとする。
また、上述のデューティ調整に例えば、特許文献3に記載されている交流バイアスの振幅調整を組合せることもできる。例えば、目的とする線幅や付着量を実現するためにデューティのみで全ての補正をするのではなく、一部をデューティで調整し、残りを交流バイアスの振幅で調整しても良い。これらの組み合わせにより、細線での太さをより太くすることも可能となる。また、線幅をデュティ調整及び交流バイアスの振幅調整の一方で調整し、付着量を他方で調整してもよい。線幅をデュティ調整及び交流バイアスの振幅調整の一方で主に調整し、付着量を他方で主に調整してもよい。
なお、上記で一例を示した複合機一部の機能のみを含む画像処理装置又は上述した複合機に機能を追加した画像処理装置であって、画像形成装置を含むものも本発明の実施形態に含まれる。
上記の画像形成装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組合わせにより実現することができる。また、上記の画像形成装置により行なわれる画像形成方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらに組合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、画像形成装置又は画像処理装置に適用することができる。
16 転写部
17 定着装置
21 中間転写ベルト
23 2次転写装置
24 ドラムクリーナ
61 プロセススピード制御部
62 用紙判定部
63 メモリ
64 モータ制御部
65 電源制御部
100 画像形成装置
110 本体部
120 原稿読取部
130 原稿搬送装置
211 露光装置
212 現像装置
212A マグネットローラ
213 感光体ドラム
214 ドラムクリーナ
215 帯電器
216 転写部(転写手段)
217 一次転写ローラ
218 電源
219 現像バイアス電源
251、252 モータ

Claims (12)

  1. 第1の印刷モードと、前記第1の印刷モードよりもプロセススピードの遅い第2の印刷モードを有する画像形成装置で用いられる現像装置であって、
    現像装置と感光体ドラムとの間に印加される現像バイアスは、直流成分に交流成分を重畳してなるバイアス電圧であり、
    前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分と、前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分とは同じであり、
    前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティは、前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティよりも低く設定されていることを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1に記載の現像装置であって、
    上記画像形成装置では、前記第1の印刷モードでの交流成分のデューティに対する前記第2の印刷モードでの交流成分のデューティの減少ポイントは、0%を超え且つ20%以下の範囲に設定されていることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2に記載の現像装置であって、
    前記第1の印刷モードは、記録用紙として普通紙を用いる場合の印刷モードであり、
    前記第2の印刷モードは、記録用紙として普通紙よりも坪量の大きい厚紙を用いる場合の印刷モードであることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の現像装置であって、
    前記印刷モードおよび前記第2の印刷モードの各印刷モードでは、同一のプロセススピードで印字を行うことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の現像装置であって、
    現像バイアスの直流成分を変更するプロセスコントロールが可能であり、
    前記第1の印刷モードおよび前記第2の印刷モードのどちらか一方でプロセスコントロールが行われることによって決定した現像バイアスの直流成分が、他方の印刷モードに切り替えられた後もそのまま引き継がれることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像装置であって、
    同一の線幅又は同一のトナー付着量に対する前記第1の印刷モードにおける交流成分のデューティと前記第2の印刷モードにおける交流成分のデューティとの差分と、同一の線幅又は同一のトナー付着量に対する何れか一方の印刷モードにおける交流成分のデューティに基づいて、同一の線幅又は同一のトナー付着量に対する他方の印刷モードにおける交流成分のデューティを求めることを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像装置であって、
    各印刷モードにおける線幅又は同一のトナー付着量とこれに対する交流成分のデューティとの対応関係を保持するテーブルと、各印刷モードにおける目的とする線幅又は同一のトナー付着量に基づいて、各印刷モードにおける交流成分のデューティを求めることを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像装置であって、
    前記第1の印刷モードであるか、前記第2の印刷モードであるかに応じて前記交流成分の振幅も調整することを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像処理装置。
  11. 第1の印刷モードと、前記第1の印刷モードよりもプロセススピードの遅い第2の印刷モードを有する画像形成装置で用いられる現像方法であって、
    現像装置と感光体ドラムとの間に印加される現像バイアスは、直流成分に交流成分を重畳してなるバイアス電圧であり、
    前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分と、前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの直流成分とは同じであり、
    前記第2の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティは、前記第1の印刷モードにおける現像バイアスの交流成分のデューティよりも低く設定されていることを特徴とする現像方法。
  12. 請求項1乃至8の何れか1項に記載の現像装置としてコンピュータを機能させることを特徴とする現像装置用プログラム。
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