JP2018145968A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機 Download PDF

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健吾 榊原
Kengo Sakakibara
健吾 榊原
健一 角口
Kenichi Kadoguchi
健一 角口
小林 裕之
Hiroyuki Kobayashi
裕之 小林
秀晴 山下
Hideharu Yamashita
秀晴 山下
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
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【課題】区画体と移動体とで制御圧室を区画するとともに、抽気通路に設けられた制御弁によって、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を調整し、制御圧室の圧力が斜板室内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室は傾斜角度が増大するように移動体を移動させる容量可変型斜板式圧縮機において、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な増大化を実現可能とする。【解決手段】本発明の圧縮機では、制御機構15が抽気通路22と、給気通路24と、制御弁26と、可変絞り機構28とを有している。制御弁26は抽気通路22に設けられており、抽気通路22の開度を変更可能である。可変絞り機構28は、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が吐出逆止弁32の開弁圧よりも大きいときに給気通路24の開度を最小にする。【選択図】図3

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、斜板と、リンク機構と、複数のピストンと、制御機構とを備えている。ハウジングには、吸入室、吐出室、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されている。また、ハウジングには、吐出口と吐出逆止弁とが設けられている。吐出口はハウジングの外部に開口しており、吐出室内の冷媒を圧縮機の外部に流出させる。吐出逆止弁は、吐出室と吐出口との間に配置されている。吐出逆止弁には所定の開弁圧が設定されており、吐出室の圧力が開弁圧よりも大きくなれば、吐出室と吐出口とを連通させる。
駆動軸はハウジングに回転可能に支承されている。斜板は、駆動軸に挿通されて斜板室内に配置されており、駆動軸とともに斜板室内で回転可能となっている。リンク機構は、斜板室内において駆動軸と斜板との間に配置されており、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対して斜板がなす角度である。各ピストンはシリンダボアにそれぞれ収納されている。これにより、各ピストンは、シリンダボアに圧縮室を区画するとともに、斜板の回転によって傾斜角度に応じたストロークでシリンダボアを往復動可能となっている。
制御機構は、抽気通路と、給気通路と、制御弁と、可変絞り機構とを有している。抽気通路は、斜板室と吸入室とを接続している。給気通路は、吐出室と斜板室とを接続している。制御弁は給気通路に設けられており、給気通路の開度を変更可能である。可変絞り機構は抽気通路に設けられており、制御弁と連動しつつ、抽気通路の開度を変更可能である。
制御機構は、吐出室から斜板室に導入される冷媒の流量と、斜板室から吸入室に導出される冷媒の流量とを調整することで、斜板室内の圧力を制御する。これにより、この圧縮機では、斜板の傾斜角度を変更し、冷媒の吐出容量を変更可能である。そして、この圧縮機では、斜板の傾斜角度が最小値である場合には、吐出室に吐出される冷媒が殆どなく、吐出室の圧力が吐出逆止弁の開弁圧を下回る。このため、駆動軸が回転しても、吐出室の冷媒が吐出口から流出しない状態(以下、このような状態をOFF運転という。)となる。
この種の圧縮機において、給気通路を通じて吐出室から斜板室に導入される冷媒は、圧縮室で圧縮されたものである。このため、抽気通路を通じて斜板室から吸入室へ導出される冷媒を多く設定すると、圧縮機の作動効率が悪くなる。また、斜板室から吸入室へ導出される冷媒を多く設定すると、斜板室を高圧に維持し難くなるため、OFF運転も維持し難くなる。これらのため、圧縮機の作動効率やOFF運転の維持の観点からは、抽気通路の開度をなるべく小さく設定し、斜板室から吸入室へ導出される冷媒の流量を少なくすることが好ましい。他方、抽気通路の開度を小さく設定すると、斜板室の圧力を減少させ難くなるため、素早く吐出容量を増大し難くなる問題がある。
この点、この圧縮機において、可変絞り機構は、制御弁が給気通路の開度を大きくしているときには、抽気通路の開度を小さくする。これにより、斜板室の圧力を増大している間は、斜板室から吸入室へ導出される冷媒の流量を少なくできるため、圧縮機の作動効率の低下を抑制できる。また、この状態では、斜板室から吸入室へ導出される冷媒の流量が少なくなるため、斜板室を高圧で維持し易くなり、OFF運転も維持し易くなる。
一方、可変絞り機構は、制御弁が給気通路の開度を小さくしているときには、抽気通路の開度を大きくする。このため、斜板室の圧力を減少させている間は、斜板室から吸入室へ導出される冷媒の流量を多くできる。これにより、斜板室の圧力を減少させ易くできるため、素早く吐出容量を増大させることができる。
こうして、この圧縮機では、作動効率の低下の抑制とOFF運転の維持とを実現しつつ、吐出容量の迅速な増大化も実現している。
特開2011−185138号公報
しかし、上記従来の圧縮機では、容積の大きい斜板室の圧力を変更するため、吐出容量を迅速に変更し難い問題がある。そこで、斜板室内に区画体と移動体とを設け、これらの区画体と移動体とによって、斜板室よりも小さい制御圧室を区画する圧縮機も提案されている。この圧縮機では、給気通路に制御弁を設ける場合と、抽気通路に制御弁を設ける場合とがある。これらのような圧縮機においても、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な変化が要求される。このため、上記従来の圧縮機のような可変絞り機構をこれらの圧縮機に設けることが考えられる。
しかしながら、区画体と移動体とで制御圧室を区画するとともに、抽気通路に設けられた制御弁によって、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を調整する圧縮機であって、制御圧室の圧力が斜板室内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室は傾斜角度が増大するように移動体を移動させるものにおいては、以下の不具合が存在する。
すなわち、この圧縮機において、可変絞り機構が制御弁と連動して抽気通路の開度を変更すると、制御弁が抽気通路の開度を大きくしているときに、可変絞り機構が抽気通路の開度を小さくしてしまう。これにより、たとえ制御弁が抽気通路の開度を大きくし、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を増大させようとしても、可変絞り機構がそれを阻害してしまうことから、結果として、制御圧室から吸入室に冷媒を導出し難くなる。このため、吐出室、制御圧室及び吸入室の間で冷媒が循環し難くなり、制御圧室を低圧で維持して傾斜角度を最小値で維持し難くなることから、OFF運転を維持し難くなる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、区画体と移動体とで制御圧室を区画するとともに、抽気通路に設けられた制御弁によって、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を調整し、制御圧室の圧力が斜板室内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室は傾斜角度が増大するように移動体を移動させる容量可変型斜板式圧縮機において、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な増大化を実現可能とすることを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、吐出室、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
前記ハウジングには、前記ハウジングの外部に開口する吐出口と、所定の開弁圧が設定され、前記吐出室の圧力が前記開弁圧よりも大きくなれば前記吐出室と前記吐出口とを連通する吐出逆止弁とが設けられ、
前記制御圧室は、内部の圧力が前記斜板室内の圧力よりも大きくなれば、前記傾斜角度が増大するように前記移動体を移動させ、
前記制御機構は、前記制御圧室と前記吸入室とに接続する抽気通路と、前記吐出室と前記制御圧室とに接続する給気通路と、前記抽気通路に設けられて前記抽気通路の開度を変更可能な制御弁と、前記制御弁による前記抽気通路の開度の変更から独立して前記給気通路の開度を変更可能な可変絞り機構とを有し、
前記可変絞り機構は、前記吐出室と前記制御圧室との差圧が前記開弁圧よりも大きいときに前記給気通路の開度を最小にすることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、可変絞り機構が制御弁による抽気通路の開度の変更とは独立して給気通路の開度を変更する。そして、可変絞り機構は、吐出室と制御圧室との差圧が吐出逆止弁に設定された開弁圧よりも大きいときに給気通路の開度を最小にする。ここで、吐出室と制御圧室との差圧が吐出逆止弁に設定された開弁圧よりも大きいときとは、制御弁が抽気通路の開度を大きくして制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量が多くなる状態、すなわち、制御圧室の圧力が減少して斜板の傾斜角度が小さくなる状態である。このように制御圧室の圧力を減少させている間は、吐出室から制御圧室に導入される冷媒の流量を少なくすることで、吐出室から制御圧室を経由して吸入室へ流通する冷媒を少なくすることができるため、作動効率の低下を抑制することができる。
また、斜板の傾斜角度が最小値となり、吐出室の圧力が吐出逆止弁の開弁圧よりも低い場合には、吐出室と制御圧室との差圧は、吐出逆止弁の開弁圧に至らない。この場合には、可変絞り機構は、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときに比べて、給気通路の開度を大きくする。このため、吐出室内の冷媒が制御圧室に導入されても、その冷媒は抽気通路を通じて制御圧室から吸入室へ導出され易い。これにより、吐出室、制御圧室及び吸入室の間で冷媒が好適に循環し、制御圧室内を低圧で維持し易くなる。このため、OFF運転を維持し易い。
一方、この圧縮機において、斜板の傾斜角度を増大させる場合には、吐出室から制御圧室に導入された冷媒によって制御圧室の圧力を増大させる。これにより、傾斜角度が増大し、吐出室の圧力が吐出逆止弁の開弁圧を超えることで、OFF運転が終了する。このため、吐出逆止弁は吐出室と吐出口とを連通させる。この場合も、吐出室と制御圧室との差圧は小さく、その差圧は、吐出逆止弁の開弁圧には至らない。このため、可変絞り機構は、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときに比べて、給気通路の開度を大きくする。これにより、吐出室から制御圧室に冷媒が好適に導入されるため、傾斜角度を素早く増大させることができ、素早く吐出容量を増大することができる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機によれば、区画体と移動体とで制御圧室を区画するとともに、抽気通路に設けられた制御弁によって、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を調整し、制御圧室の圧力が斜板室内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室は傾斜角度が増大するように移動体を移動させる容量可変型斜板式圧縮機において、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な増大化を実現できる。
給気通路は、吐出室と制御圧室とに接続する第1給気通路及び第2給気通路からなり得る。そして、可変絞り機構は、第1給気通路に設けられて第1給気通路の開度を減少させる固定絞りと、第2給気通路に設けられ、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときのみ第2給気通路を閉鎖する開閉弁とからなることが好ましい。
この場合、可変絞り機構では、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときには、開閉弁が第2給気通路を閉鎖するため、第1給気通路のみを通じて吐出室から制御圧室へ冷媒が導入される。つまり、給気通路全体では開度が最小となり、吐出室から制御圧室に導入される冷媒の流量を好適に少なくすることができる。一方、吐出室と制御圧室との差圧が吐出逆止弁に設定された開弁圧に至っていない場合には、開閉弁が第2給気通路を開くため、第1給気通路及び第2給気通路のそれぞれを通じて吐出室から制御圧室へ冷媒を導入することが可能となる。つまり、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときに比べて、給気通路全体では開度が大きくなり、吐出室から制御圧室へ冷媒を好適に導入することができる。
開閉弁は、弾性変形により第2給気通路を開閉可能な第1リード弁を有していることが好ましい。この場合には、開閉弁の構成を簡素化しつつ、開閉弁によって第2給気通路を好適に開閉することが可能となる。
また、可変絞り機構は、給気通路に設けられた弁室と、
弁室内に移動可能に設けられ、給気通路を最小の第1開度で連通させる第1位置と、給気通路を第1開度よりも大きい第2開度で連通させる第2位置とに変位可能なスプールと、
スプールを第2位置に付勢する第1付勢部材とを有し得る。
そして、スプールは、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときのみ第1位置に変位することも好ましい。
また、可変絞り機構は、弾性変形により、給気通路を最小の第3開度で連通させる第3位置と、給気通路を第3開度よりも大きい第4開度で連通させる第4位置とに変位可能な第2リード弁であり得る。そして、第2リード弁は、吐出室と制御圧室との差圧が開弁圧よりも大きいときのみ第3位置に変位することも好ましい。
ハウジングは、吸入室及び吐出室が形成されたカバーと、各シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、カバーとシリンダブロックとの間に配置され、第2リード弁が形成された弁機構とを有し得る。また、給気通路は、カバーに形成されて吐出室に接続する第3給気通路と、カバーに形成されて制御圧室に接続する圧力調整室と、シリンダブロックに形成されて第3給気通路と圧力調整室とに接続する第4給気通路とを有し得る。そして、第2リード弁は、第3位置では第3給気通路と第4給気通路とを第3開度で連通し、第4位置では第3給気通路と第4給気通路とを第4開度で連通することが好ましい。
これらの場合には、可変絞り機構の構成を簡素化することができるため、制御機構、ひいては圧縮機を小型化することができる。
また、第4給気通路には、第3位置にある第2リード弁が着座する弁座が形成され得る。そして、第2リード弁又は弁座には、第3給気通路と第4給気通路とを連通する絞り通路が形成されていることが好ましい。この場合には、絞り通路の大きさによって第3開度の大きさを設定することが可能となる。
弁機構は、第2リード弁が形成されるとともに、弾性変形により吸入室と各シリンダブロックとを連通可能な複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板と、吸入弁板とシリンダブロックとの間を封止するとともに、吸入弁板とシリンダブロックとの間において、第2リード弁が第3位置と第4位置とに変位可能な空間を確保するガスケットとを有していることが好ましい。この場合には、第2リード弁が第3位置と第4位置とに変位するための空間を容易に設けることが可能となる。
また、弁機構は、第2リード弁が形成されるとともに、弾性変形により吸入室と各シリンダブロックとを連通可能な複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板を有し得る。そして、第2リード弁には、第2リード弁を第4位置に付勢する第2付勢部材が設けられていることも好ましい。この場合には、第2リード弁を第4位置に好適に位置させることが可能となる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機によれば、区画体と移動体とで制御圧室を区画するとともに、抽気通路に設けられた制御弁によって、制御圧室から吸入室へ導出される冷媒の流量を調整し、制御圧室の圧力が斜板室内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室は傾斜角度が増大するように移動体を移動させる容量可変型斜板式圧縮機において、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な増大化を実現できる。
図1は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最大の状態を示す断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、開閉弁が第2給気通路を開いている状態を示す模式図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、開閉弁が第2給気通路を閉じている状態を示す模式図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、作動時における第1吐出室及び制御圧室の圧力変化を示すグラフである。 図6は、実施例2の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図7は、実施例2の圧縮機に係り、スプールが第1位置に変位している状態を示す要部拡大断面図である。 図8は、実施例2の圧縮機に係り、スプールが第2位置に変位している状態を示す要部拡大断面図である。 図9は、実施例3の圧縮機に係り、開閉弁が第2給気通路を開いている状態を示す模式図である。 図10は、実施例3の圧縮機に係り、開閉弁が第2給気通路を閉じている状態を示す模式図である。 図11は、実施例4の圧縮機の要部拡大断面図である。 図12は、実施例4の圧縮機に係り、第2シリンダブロックをリヤハウジング側から見た正面図である。 図13は、実施例4の圧縮機に係り、第2吸入弁プレートの正面図である。 図14は、実施例4の圧縮機に係り、第2リード弁が第4位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図15は、実施例4の圧縮機に係り、第2リード弁が第3位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図16は、実施例5の圧縮機に係り、第2リード弁が第4位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図17は、実施例5の圧縮機に係り、第2リード弁が第3位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図18は、実施例6の圧縮機に係り、第2リード弁が第4位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図19は、実施例6の圧縮機に係り、第2リード弁が第3位置にある際の制御機構を示す要部拡大断面図である。 図20は、実施例7の圧縮機に係り、弁座及び切欠き等を示す要部拡大正面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜7を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、制御機構15とを備えている。
ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。リヤハウジング19は本発明の「カバー」の一例であり、第2シリンダブロック23は本発明の「シリンダブロック」の一例である。また、第2弁形成プレート41は、本発明の「弁機構」の一例である。なお、本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。なお、実施例1における前後方向等は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている。ボス17a内には軸封装置25が設けられている。また、フロントハウジング17には、第1吸入室27a及び第1吐出室29aが形成されている。第1吸入室27aは第1ハウジング17の内周側に位置している。第1吐出室29aは環状に形成されており、第1吸入室27aの外周側に位置している。
さらに、フロントハウジング17には、第1前方側連通路18aが形成されている。第1前方側連通路18aは、前端側が第1吐出室29aに連通しており、後端側がフロントハウジング17の後端面に開口している。
リヤハウジング19には、第2吸入室27b、第2吐出室29b及び圧力調整室31が形成されている。圧力調整室31は、リヤハウジング19の中心部分に位置している。第2吸入室27bは環状に形成されており、圧力調整室31の外周側に位置している。第2吐出室29bも環状に形成されており、第2吸入室27bの外周側に位置している。
また、リヤハウジング19には、第1後方側連通路20aが形成されている。この第1後方側連通路20aは、後端が第2吐出室29bに連通しており、前端がリヤハウジング19の前端面に開口している。
さらに、リヤハウジング19には、第1、2低圧通路221、222、第1高圧通路241、上流側第2高圧通路242a、下流側第2高圧通路242b及び制御弁26が設けられている。第1、2低圧通路221、222等についての詳細は後述する。
第1シリンダブロック21は、フロントハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。各第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第1軸孔21bが形成されている。さらに、第1シリンダブロック21には、第1軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第1軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第1軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。
また、第1シリンダブロック21には、前後方向に延びる第1連絡路37aと第2前方側連通路18bとが形成されている。これらの第1連絡路37a及び第2前方側連通路18bは、それぞれ前端が第1シリンダブロック21の前端面に開口しており、後端が第1シリンダブロック21の後端面に開口している。
第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21とリヤハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3の駆動軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている(図12参照)。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心は、ずれていても良い。
図1及び図2に示すように、第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔23bが形成されている。なお、図示を省略しているものの、第1軸孔21b及び第2軸孔23b内には、それぞれ滑り軸受が設けられている。
また、第2シリンダブロック23には、第2軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第2軸孔23bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第2軸孔23bよりも内径が大きくされている。第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。第2凹部23c内には、第2スラスト軸受35bが設けられている。
また、第2シリンダブロック23には、吸入口330と、第2連絡路37bとが形成されている。吸入口330は、斜板室33と連通するとともに、第2シリンダブロック23の外部に開口している。図12に示すように、第2連絡路37bは第2シリンダブロック23に複数形成されている。上記の第1連絡路37aについても第1シリンダブロック21に対して同様に形成されている。図1及び図2に示すように、第2連絡路37bは、前後方向に延びており、斜板室33と連通している。
また、第2シリンダブロック23には、第3前方側連通路18cと、第2後方側連通路20bと、合流吐出室230とが形成されている。第3前方側連通路18cは、前端が第2シリンダブロック23の前端面に開口しており、後端が合流吐出室230に連通している。そして、第3前方側連通路18cは、第1シリンダブロック21と第2シリンダブロック23とが接合されることにより、第2前方側連通路18bと連通する。第2後方側連通路20bは、前端が合流吐出室230に連通しており、後端が第2シリンダブロック23の後端面に開口している。
さらに、第2シリンダブロック23には、吐出口231と、収容室232と、吐出逆止弁32とが設けられている。吐出口231は、第2シリンダブロック23において吸入口330とは異なる位置に設けられており、第2シリンダブロック23の外部に開口している。収容室232は、合流吐出室230と吐出口231との間に設けられている。吐出逆止弁32は、収容室232内に収容されている。これにより、吐出逆止弁32は、第2シリンダブロック23において、合流吐出室230と吐出口231との間に位置している。
吐出逆止弁32は、第1ケース32aと、第1弁体32bと、第1付勢ばね32cとを有している。第1ケース32aは、第1サークリップ34によって収容室232に固定されている。また、第1ケース32aには、第1弁室300と、第1弁室300と合流吐出室230とを連通する第1通路301と、第1弁室300と吐出口231とを連通する第2通路302とが形成されている。第1弁体32b及び第1付勢ばね32cは、第1弁室300内に配置されている。第1付勢ばね32cは、第1弁体32bを第1通路301に向けて付勢している。
吐出逆止弁32では、開弁圧として圧力X(KPa)が設定されている。これにより、吐出逆止弁32では、第1、2吐出室29a、29bの圧力が圧力X以下であるときには、図1に示すように、第1付勢ばね32cの付勢力により、第1弁体32bが第1通路301を閉鎖する。これにより、吐出逆止弁32は、合流吐出室230と吐出口231とを非連通とする。一方、第1、2吐出室29a、29bの圧力が圧力Xよりも大きくなれば、図2に示すように、第1弁体32bが第1付勢ばね32cの付勢力に抗して第1通路301を開放する。このため、第1弁室300が第1、2連通路301、302によって合流吐出室230及び吐出口231と連通する状態となる。つまり、吐出逆止弁32は、合流吐出室230と吐出口231とを連通する。なお、吐出逆止弁32における開弁圧の値は適宜設定することができる。
第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21との間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39は、第1バルブプレート390と、第1吸入弁プレート391と、第1吐出弁プレート392と、第1リテーナプレート393とを有している。第1バルブプレート390、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入ポート390aが形成されている。第1バルブプレート390及び第1吸入弁プレート391には、第1シリンダボア21aと同数の第1吐出ポート390bが形成されている。さらに、第1バルブプレート390、第1吸入弁プレート391、第1吐出弁プレート392及び第1リテーナプレート393には、第1吸入連通孔390cと、第1吐出連通孔390dと、第1貫通孔390eとが形成されている。
各第1シリンダボア21aは、各第1吸入ポート390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出ポート390bを通じて第1吐出室29aと連通する。そして、第1吸入連通ポート390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。また、第1吐出連通ポート390dを通じて、第1前方側連通路18aと第2前方側連通路18bとが連通する
第1吸入弁プレート391には、弾性変形により各第1吸入ポート390aを開閉可能な第1吸入リード弁391aが形成されている。第1吐出弁プレート392には、弾性変形により各第1吐出ポート390bを開閉可能な第1吐出リード弁392aが形成されている。第1リテーナプレート393は、第1吐出弁プレート392の前面に設けられており、各第1吐出リード弁392aの最大開度を規制する。また、第1シリンダブロック21には、各第1吸入リード弁391aの最大開度を規制するリテーナ溝21dが形成されている。
第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19と第2シリンダブロック23との間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、リヤハウジング19と第2シリンダブロック23とが接合されている。
第2弁形成プレート41は、第2バルブプレート410と、第2吸入弁プレート411と、第2吐出弁プレート412と、第2リテーナプレート413とを有している。第2吸入弁プレート411は、本発明の「吸入弁板」の一例である。第2バルブプレート410、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入ポート410aが形成されている。第2バルブプレート410及び第2吸入弁プレート411には、第2シリンダボア23aと同数の第2吐出ポート410bが形成されている。さらに、第2バルブプレート410、第2吸入弁プレート411、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413には、第2吸入連通孔410cと、第2吐出連通孔410dと、第2貫通孔410eとが形成されている。
各第2シリンダボア23aは、各第2吸入ポート410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出ポート410bを通じて第2吐出室29bと連通する。そして、第2吸入連通ポート410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。また、第2吐出連通ポート410dを通じて、第1後方側連通路20aと第2後方側連通路20bとが連通する。
第2吸入弁プレート411には、弾性変形により各第2吸入ポート410aを開閉可能な第2吸入リード弁411aが形成されている。第2吐出弁プレート412には、弾性変形により各第2吐出ポート410bを開閉可能な第2吐出リード弁412aが形成されている。第2リテーナプレート413は、第2吐出弁プレート412の後面に設けられており、各第2吐出リード弁412aの最大開度を規制する。また、第2シリンダブロック23には、各第2吸入リード弁411aの最大開度を規制するリテーナ溝23dが形成されている。図1及び図2では図示を省略するものの、第2吸入弁プレート411と第2シリンダブロック23との間の他、第2リテーナプレート413とリヤハウジング19との間には、それぞれガスケットが設けられている。第1吸入弁プレート391と第1シリンダブロック21との間及び第1リテーナプレート393とフロントハウジング17と間についても同様である。
この圧縮機では、第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通ポート390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入口330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
また、この圧縮機では、第1前方側連通路18a、第1吐出連通ポート390d、第2前方側連通路18b及び第3前方側連通路18cによって、第1吐出連通路18が形成されている。さらに、第1後方側連通路20a、第2吐出連通ポート410d及び第2後方側連通路20bによって、第2吐出連通路20が形成されている。そして、第1吐出室29aと第2吐出室29bとは、第1吐出連通路18、第2吐出連通路20及び合流吐出室230を通じて、互いに連通している。これにより、第1吐出室29a、第2吐出室29b、第1吐出連通路18、第2吐出連通路20及び合流吐出室230では、圧力がほぼ等しくなっている。
駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25内及び第1、2軸孔21b、23b内に挿通されている。これにより、駆動軸3はハウジング1に支承されており、圧縮機の前後方向と平行な駆動軸心O周りで回転可能となっている。また、駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、軸封装置25は、駆動軸3を挿通した状態でフロントハウジング17の外部と第1吸入室27aとの間を封止する。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。また、駆動軸3の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。
駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30の前方側には、第1小径部30aが形成されている。駆動軸本体30の後方側には、第2小径部30bが形成されている。駆動軸本体30には、軸路3b及び径路3cが形成されている。これらの軸路3b及び径路3cについての詳細は後述する。
また、駆動軸本体30には、上記の斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
第1支持部材43aは、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第1小径部30aに圧入されている。第1支持部材43aの後端には、第1フランジ430が形成されている。
第2支持部材43bについても、駆動軸3の駆動軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第2小径部30bの後端側に圧入されている。第2支持部材43bには、第2フランジ431が形成されている他、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。また、第2支持部材43bには、シールリング44a、44bが設けられている。
上記のように、駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、第1支持部材43aは、第1弁形成プレート39の第1貫通孔390eに挿通される。一方、第2支持部材43bは、第2弁形成プレート41の第2貫通孔410eに挿通される。これにより、第2小径部30bの後端及び第2支持部材43bの後端は、圧力調整室31内に進入する。また、シールリング44a、44bは、圧力調整室31と斜板室33との間を封止する。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側、つまり、フロントハウジング17側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側、つまり、リヤハウジング19側に面している。
斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。また、リングプレート45には、前面5a側から後面5b側まで貫通する溝部45bが形成されている。また、リングプレート45と、第2支持部材43bの第2フランジ431との間には、駆動軸3周りで復帰ばね(図示略)が設けられている。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも後方に配置されており、斜板5と第2支持部材43bとの間に位置している。ラグアーム49は、前方から後方に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49には、ウェイト部49aが形成されている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の前端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。
ラグアーム49の後端側は、第2ピン47bによって第2支持部材43bと連結されている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第2支持部材43b、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する連結アーム132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の前端側、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の前面、つまり斜板5の前面5a側に位置する。そして、斜板5が駆動軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の前面5a側でウェイト部49aにも作用する。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。
図1及び図2に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端に第1頭部9aを有しており、後端に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、各第1シリンダボア21a内に第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、各第2シリンダボア23a内に第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらの各シュー11a、11bは、変換機構として斜板5の回転をピストン9の往復動に変換する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、リンク機構7は、各第1頭部9aと各第2頭部9bとの各上死点位置を移動させる。具体的には、図1に示すように、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が小さくなるのに伴って、各第2頭部9bの上死点位置よりも各第1頭部9aの上死点位置を大きく移動させる。
アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも前方側に配置されている。より具体的には、アクチュエータ13は、斜板室33内において、斜板5を基準として第1シリンダブロック21側に位置している。これにより、アクチュエータ13は、第1凹部21c内に進入することが可能となっている。
アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。制御圧室13cは、移動体13aと区画体13bとの間に形成されている。
移動体13aは、前壁130と、周壁131と、一対の連結アーム132とを有している。なお、図1及び図2では、連結アーム132の一方のみを図示している。
前壁130は移動体13aの前方に位置しており、駆動軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。また、前壁130には挿通孔130aが貫設されている。周壁131は、前壁130の外周縁と連続し、移動体13aの後方に向かって延びている。これらの前壁130及び周壁131により、移動体13aは有底の円筒状をなしている。各連結アーム132は周壁131の後端にそれぞれ形成されており、周壁131から圧縮機の後方に向かって延びている。移動体13aの挿通孔130aには、駆動軸本体30が挿通されている。これにより、移動体13aは駆動軸本体30と共に回転可能となっているとともに、駆動軸本体30を駆動軸心O方向に移動することが可能となっている。
区画体13bは、移動体13aの内径とほぼ同径をなす略円板状に形成されている。区画体13bは、駆動軸本体30に圧入されている。これにより、区画体13bは駆動軸本体30に固定され、区画体13bは駆動軸本体30と共に回転可能となっている。なお、区画体13bについても駆動軸心O方向に移動可能に駆動軸本体30に挿通する構成としても良い。
こうして、区画体13bは、移動体13a内に配置されており、その周囲が周壁131によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが駆動軸心O方向に移動するに当たり、周壁131の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁131によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、前壁130と周壁131と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。
各連結アーム132と、リングプレート45とは、第3ピン47cによって連結されている。これにより、斜板5は、第3ピン47cの軸心を第3軸心M3として、第3軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に連結されている。ここで、第1ピン47aと第3ピン47cとは、駆動軸本体30を挟んで対向して配置されている。つまり、各連結アーム132は、駆動軸心Oを基準として、溝部45bとは反対側でリングプレート45に連結されている。また、区画体13bとリングプレート45との間には、駆動軸3周りで傾角減少ばね(図示略)が設けられている。
軸路3bは、駆動軸本体30内において、駆動軸心O方向に延びている。軸路3bの後端は駆動軸本体30の後端面に開口しており、圧力調整室31に連通している。径路3cは、軸路3bの前端と接続しつつ駆動軸本体30の径方向に延びており、駆動軸本体30の外周面に開口している。上記のように駆動軸本体30にアクチュエータ13が設けられることにより、径路3cは制御圧室13c内に開口する。こうして、軸路3b及び径路3cによって、圧力調整室31と制御圧室13cとが連通している。
図3及び図4に示すように、制御機構15は、抽気通路22と、給気通路24と、制御弁26と、可変絞り機構28とを有している。
抽気通路22は、第1低圧通路221、第2低圧通路222、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。第1低圧通路221は第2吸入室27bと制御弁26とに接続している。第2低圧通路222は制御弁26と圧力調整室31とに接続している。これにより、抽気通路22は、制御圧室13cと第2吸入室27bとを接続している。制御弁26は、第2吸入室27bの圧力に基づいて第1、2低圧通路221、222に対する開度を変更することにより、抽気通路22の開度を変更する。
給気通路24は、第1給気通路24aと第2給気通路24bとを有している。第1給気通路24aは、第1高圧通路241、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。第2給気通路24bは、上流側第2高圧通路242a、下流側第2高圧通路242b、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。第1高圧通路241は、第2吐出室29bと圧力調整室31とに接続している。上流側第2高圧通路242aは第2吐出室29bに接続している。下流側第2高圧通路242bは圧力調整室31に接続している。そして、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとは、後述する開閉弁28bを介して接続している。これにより、第2給気通路24bも、第2吐出室29bと制御圧室13cとを接続している。
この制御機構15において、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cは、抽気通路22の一部と、第1給気通路24aの一部と、第2給気通路24bの一部とを兼ねている。
可変絞り機構28は、固定絞り28aと開閉弁28bとで構成されている。固定絞り28aは、第1給気通路24aの第1高圧通路241に設けられている。固定絞り28aは、第1高圧通路241の開度を一定量で減少させることにより、第1給気通路24aの開度を一定量で減少させている。開閉弁28bは、第2給気通路24b、より具体的には、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとの間に設けられている。
開閉弁28bは、第2ケース281と、第2弁体282と、第2付勢ばね283と、第2サークリップ284とを有している。第2ケース281には、第2弁室281a、第1通路281b及び第2通路281cが形成されている。第2弁室281aは、第1、2通路281b、281cと連通している。第1通路281bは下流側第2高圧通路242bと連通している。第2通路281cは上流側第2高圧通路242aと連通している。これにより、第2弁室281aは、上流側第2高圧通路242a及び下流側第2高圧通路242bと連通可能となっている。第2弁体282、第2付勢ばね283及び第2サークリップ284は、第2ケース281内に設けられている。第2付勢ばね283は、第2ケース281内において、第2弁体282が第1通路281bから離れるように第2弁体282を付勢している。第2サークリップ284は、第2ケース281内で第2付勢ばね283を支持している。
開閉弁28bでは、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が吐出逆止弁32の開弁圧である圧力Xよりも小さいときには、図3に示すように、第2付勢ばね283の付勢力によって、第2弁体282が第1通路281bから離れる。このため、第2弁室281a及び第1、2通路281b、281cを通じて、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとが連通する。こうして、開閉弁28bは第2給気通路24bを開く状態となり、第2給気通路24b内に冷媒ガスを流通させる。一方、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きいときには、開閉弁28bでは、図4に示すように、第1、2吐出室29a、29bの圧力によって、第2弁体282が第2付勢ばね283の付勢力に抗して第1通路281bを閉鎖する。これにより、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとが非連通となる。こうして、開閉弁28bは第2給気通路24bを閉じる状態となり、第2給気通路24b内に冷媒ガスを流通させない。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入口330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出口231に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転する。これにより、各ピストン9では、各第1頭部9aが各第1シリンダボア21a内を往復動し、各第2頭部9bが各第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2吸入室27a、27bから第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。第1吐出室29aに吐出された冷媒ガスは、第1吐出連通路18を経て合流吐出室230に至る。同様に、第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスは、第2吐出連通路20を経て合流吐出室230に至る。そして、合流吐出室230に至った冷媒ガスは、吐出逆止弁32を経て、吐出口231から配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、制御機構15によって制御圧室13cの圧力が変更されて斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による吐出容量の制御を行うことが可能である。
ここで、この圧縮機では、制御圧室13cは移動体13aと区画体13bとによって斜板室33から区画されており、制御圧室13cは斜板室33に比べて容積が小さくなっている。このため、制御機構15は制御圧室13cの圧力を変更し易く、吐出容量を素早く変更することが可能となっている。また、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が図1に示す最小値から図2に示す最大値まで変位し、斜板5の傾斜角度が最大値から再び図1に示す最小値まで変位する間、第1、2吐出室29a、29b及び制御圧室13cでは、図5に示すグラフのように圧力が変化する。
この圧縮機において、斜板5の傾斜角度を最小値にするためには、制御機構15では、制御弁26が抽気通路22の開度を最大にする。このため、抽気通路22を通じて、制御圧室13cから第2吸入室27b内へ導出される冷媒ガスの流量が増大する。つまり、制御圧室13cの冷媒ガスは、径路3c、軸路3b、圧力調整室31、第2低圧通路222及び第1低圧通路221を経て第2吸入室27b内へ導出される(図3の実線矢印参照。)。この結果、制御圧室13cの圧力は、第2吸入室27bの圧力、ひいては斜板室33の圧力とほぼ等しくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図1に示すように、アクチュエータ13の移動体13aが斜板室33の後方に向かって移動する。これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢され、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が最小値となることにより、各ピストン9のストロークが最小となる。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。また、斜板5の傾斜角度が減少する際の具体的な態様については後述する。
そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が小さくなり、各ピストン9のストロークが減少することにより、各第1頭部9aの上死点位置が第1弁形成プレート39から遠ざかる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小値である場合を含め、斜板5の傾斜角度が最小値に近づくことで、第2圧縮室53bでは、冷媒ガスが第2吐出リード弁412aを僅かに開いて圧縮仕事を行うものの、第1圧縮室53aでは、冷媒ガスが第1吐出リード弁392aを開くことができず、圧縮仕事を行わない。
このように、斜板5の傾斜角度が最小値である場合には、第2圧縮室53bから第2吐出室29bに吐出される冷媒ガスが非常に少ないため、第1、2吐出室29a、29bや合流吐出室230の圧力が吐出逆止弁32の開弁圧である圧力Xを下回ことになる。このため、吐出逆止弁32では、第1付勢ばね32cの付勢力により、第1弁体32bが第1通路301を閉鎖するため、合流吐出室230と吐出口231とが非連通となる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最小値である場合にはOFF運転となり、第1、2吐出室29a、29b内、ひいては合流吐出室230内の冷媒ガスが吐出口231から凝縮器に吐出されなくなる。また、吐出逆止弁32が合流吐出室230と吐出口231とを非連通とすることにより、OFF運転中に吐出口231を通じて凝縮器側から合流吐出室230側へ冷媒ガスが逆流することが防止される。
このように、第2吐出室29bの圧力が圧力Xよりも低い場合には、制御弁26が抽気通路22の開度を最大として制御圧室13cの圧力を低くしていても、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧は、圧力Xに至らない。このため、開閉弁28bでは、第2付勢ばね283の付勢力によって、第2弁体282が第1通路281bから離れる状態となる。こうして、可変絞り機構28では、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して開閉弁28bが第2給気通路24bを開く状態とする。このため、図3の実線矢印で示すように、第1給気通路24a及び第2給気通路24bのそれぞれを通じて、第2吐出室29bから制御圧室13cへ冷媒ガスを導入することが可能となる。つまり、給気通路24の全体では開度が大きくなり、第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量を多くすることができる。ここで、第1給気通路24aを構成する第1高圧通路241には固定絞り28aが設けられている。このため、第1高圧通路241、ひいては、第1給気通路24aを通じて第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスは、第2給気通路24bを通じて第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量に比べて少なくなる。
このように、斜板5の傾斜角度が最小値である場合には、第1給気通路24a及び第2給気通路24bを通じて第2吐出室29b内の冷媒ガスが制御圧室13cに導入されても、その冷媒ガスは抽気通路22を通じて制御圧室13cから第2吸入室27bへ導出される。これにより、第2吐出室29b、制御圧室13c及び第2吸入室27bの間で冷媒ガスが好適に循環するため、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧を圧力Xよりも低い状態で維持し易くなっている。このため、この圧縮機では、制御圧室13cの圧力を低く維持して斜板5の傾斜角度を最小値で維持し易いことから、OFF運転を維持し易くなっている。
一方、この圧縮機において、斜板5の傾斜角度を増大させる場合には、制御機構15では、制御弁26が抽気通路22の開度を小さくする。これにより、抽気通路22を通じて制御圧室13cから第2吸入室27bへ導出される冷媒ガスの流量が減少する。この結果、給気通路24を通じて第2吐出室29bから導入された冷媒ガスの圧力によって、制御圧室13cの圧力が増大する。これにより、アクチュエータ13では、斜板5に作用するピストン圧縮力に抗して、移動体13aが図1に示す位置から斜板室33を駆動軸心O方向で前方に向かって移動し、図2に示すように、第1凹部21c内に進入する。
これにより、この圧縮機では、各連結アーム132を通じて、移動体13aは斜板5を駆動軸心O方向で斜板室33の前方へ牽引する。このため、この圧縮機では、斜板5が作用軸心M3周りに揺動する。また、ラグアーム49の前端側が第1揺動軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の後端側が第2支持部材43bの第2フランジ431から前方に遠ざかる。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点として揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
このように斜板5の傾斜角度が増大し、第1、2吐出室29a、29bの圧力が圧力Xを超えることで、OFF運転が終了する。このため、吐出逆止弁32では、第1弁体32bが第1付勢ばね32cの付勢力に抗して第1通路301を開放することで、合流吐出室230と吐出口231とを連通する。これにより、第1、2吐出室29a、29bから合流吐出室230に至った冷媒ガスが吐出口231から配管を介して凝縮器に吐出される。
ここで、制御圧室13cの圧力が高くなるにつれて、斜板5の傾斜角度もより増大して第1、2吐出室29a、29bの圧力が増大するため、斜板5の傾斜角度が増大する際には、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧は小さい。つまり、斜板5の傾斜角度を増大させる場合には、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧は圧力Xには至らないことになる。このため、斜板5の傾斜角度を増大させる場合にも、可変絞り機構28では、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して開閉弁28bが第2給気通路24bを開く状態とする。このため、斜板5の傾斜角度を増大させる場合も、給気通路24の全体では開度が大きくなり、第1給気通路24a及び第2給気通路24bのそれぞれを通じて、第2吐出室29bから制御圧室13cへ冷媒ガスを導入することが可能となる。これにより、第2吐出室29bから制御圧室13cに冷媒ガスが好適に導入されるため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を素早く増大させることができ、素早く吐出容量を増大することが可能となっている。
また、斜板5の傾斜角度が図2に示す最大値となることにより、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が最大となる。ここで、斜板5の傾斜角度が最大値となっている場合にも、図5に示すように、第1、2吐出室29a、29bの圧力と制御圧室13cの圧力とが共に高い状態であることから、両者の差圧は小さい。このため、開閉弁28bは第2給気通路24bを開く状態を維持する。このため、制御圧室13cの圧力を高圧で維持することで、この圧縮機では、吐出容量が最大の状態を維持した状態で好適に作動することが可能となっている。
そして、この圧縮機において、斜板5の傾斜角度を最大値の状態から減少させる場合には、制御機構15では、制御弁26が抽気通路22の開度を大きくする。このため、抽気通路22を通じて制御圧室13cから第2吸入室27bへ導出される冷媒ガスの流量が増大する。この結果、斜板5の傾斜角度を最小値にする場合と同様、図1に示すように、アクチュエータ13の移動体13aが斜板室33の後方に向かって移動する。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。このため、各連結アーム132を通じて、移動体13aは斜板5に牽引される状態となり、駆動軸心O方向で斜板室33の後方へ移動する。そして、移動体13aが斜板室33の後方へ移動することにより、この圧縮機では、傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向で斜板5が作用軸心M3周りで揺動する。また、傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向でラグアーム49の前端側が第1揺軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の後端側が第2支持部材43bの第2フランジ431に近づく。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として傾斜角度が大きくなる場合とは反対方向で揺動する。このため、駆動軸3の駆動軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
このように、斜板5の傾斜角度を最大値の状態から減少させる場合には、図5に示すように、制御弁26が抽気通路22の開度を大きくすることによる制御圧室13cの圧力と、斜板5の傾斜角度の減少による第1、2吐出室29a、29bの圧力とに差が生じる。このため、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなる。このため、図4に示すように、開閉弁28bでは、第1、2吐出室29a、29bの圧力によって、第2弁体282が第2付勢ばね283の付勢力に抗して第1通路281bを閉鎖する。
こうして、可変絞り機構28は、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して開閉弁28bが第2給気通路24bを閉じる状態とする。このため、図4の実線矢印で示すように、第1給気通路24aのみを通じて第2吐出室29bから制御圧室13cへ冷媒ガスが導入される。つまり、給気通路24の全体では、開度が最小となる。ここで、第1給気通路24aを構成する第1高圧通路241には固定絞り28aが設けられている。このため、上記のように、第1高圧通路241、ひいては、第1給気通路24aを通じて第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスは、固定絞り28aによって流量が減少する。このように、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を最大値の状態から減少させるに当たって、制御圧室13cの圧力を減少させている間は、第2吐出室29bから制御圧室13cに導入される冷媒ガスの流量を少なくすることができる。このため、この圧縮機では、制御圧室13cを経由して第2吐出室29bから第2吸入室27bへ流通する冷媒ガスを少なくすることができ、作動効率の低下を抑制することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機によれば、区画体13aと移動体13bとで制御圧室13cを区画するとともに、抽気通路22に設けられた制御弁26によって、制御圧室13cから第2吸入室27bへ導出される冷媒ガスの流量を調整し、制御圧室13cの圧力が斜板室33内の圧力よりも大きくなれば、制御圧室13cは傾斜角度が増大するように移動体13bを移動させる圧縮機において、作動効率の低下の抑制、OFF運転の維持及び吐出容量の迅速な増大化を実現できる。
(実施例2)
実施例2の圧縮機は、制御機構15に換えて、図6に示す制御機構16を備えている。制御機構16は、抽気通路22と、給気通路54と、制御弁26と、可変絞り機構56とを有している。
給気通路54は、上流側高圧通路540a、下流側高圧通路540b、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。上流側高圧通路540aは第2吐出室29bに接続している。下流側高圧通路540bは圧力調整室31に接続している。そして、上流側高圧通路540aと下流側高圧通路540bとは、後述する可変絞り機構56を介して接続している。これにより、給気通路54は、第2吐出室29bと制御圧室13cとを接続している。なお、この制御機構16においても、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cは、抽気通路22の一部を兼ねている他、給気通路54の一部を兼ねている。
図7及び図8に示すように、可変絞り機構56は、給気通路54、より具体的には、上流側高圧通路540aと下流側高圧通路540bとの間に設けられている。可変絞り機構56は、第3ケース56aと、スプール56bと、第3付勢ばね56cと、第3サークリップ56dとを有している。第3付勢ばね56cは、本発明における「第1付勢部材」の一例である。
第3ケース56a内には、第3弁室560が形成されている。第3弁室560は、本発明における「弁室」の一例である。第3弁室560は、大径部560a、第1小径部560b及び第2小径部560cを有している。大径部560aは、第1、2小径部560b、560cと連通している。第1小径部560bは下流側高圧通路540bと連通している。第2小径部560cは上流側高圧通路540aと連通している。これにより、大径部560aは、上流高圧通路540a及び下流側高圧通路540bと連通している。第1、2小径部560b、560cは、大径部560よりも小径をなしている。これにより、大径部560と第1小径部560bとの間には第1壁部561が形成されており、大径部560と第2小径部560cとの間には第2壁部562が形成されている。
スプール56b、第3付勢ばね56c及び第3サークリップ56dは、それぞれ第3弁室560内に設けられている。具体的には、スプール56bは、大径部560a内に配置されている。スプール56bは、大径部560aよりも小径であって、第1、2小径部560b、560cよりも大径をなす略円柱状に形成されている。また、スプール56bには、径方向に延びて外周面に開口する溝部563が形成されている。スプール56bは、大径部560a内を移動可能となっている。これにより、スプール56bは、図7に示すように第1壁部561に当接する第1位置と、図8に示すように第1壁部561から離れる第2位置とに変位可能となっている。
第3付勢ばね56cは、第1小径部560b内に配置されている。第3付勢ばね56cは、スプール56を第2位置に向けて付勢している。第3サークリップ56dは、第1小径部560b内で第3付勢ばね56cを支持している。
可変絞り機構56は、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が吐出逆止弁32の開弁圧である圧力Xよりも大きいときには、第1、2吐出室29a、29bの圧力によって、図7に示すように、スプール56bが第3付勢ばね56cの付勢力に抗して第1位置となる。一方、1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、可変絞り機構56では、第3付勢ばね56cの付勢力によって、図8に示すように、スプール56bが第2位置となる。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、可変絞り機構56では、スプール56bが第2位置となることにより、第3弁室560を通じて、上流側高圧通路540aと下流側高圧通路540bとを第2開度で連通させる。こうして、可変絞り機構56は、第2位置に変位したスプール56bが給気通路54を第2開度で連通させる。このため、斜板5の傾斜角度が最小値である場合や斜板5の傾斜角度を増大させている場合には、図8の実線矢印で示すように、第3弁室560では、上流側高圧通路540aから第2小径部560cを経て大径部560aを流通する冷媒ガスは、大径部560aとスプール56bの外周面との間を流通しつつ、大径部560aから第1小径部560bへ向かい、下流側高圧通路540bを流通する。つまり、可変絞り機構56は給気通路54の開度を大きくする。こうして、この圧縮機においても、第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量を多くすることができる。
そして、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなれば、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、可変絞り機構56では、図7に示すように、スプール56bが第1位置となることにより、第3弁室560を通じて、上流側高圧通路540aと下流側高圧通路540bとを第1開度で連通させる。こうして、可変絞り機構56は、第1位置に変位したスプール56bが給気通路54を第1開度で連通させる。このため、斜板5の傾斜角度を最大値の状態から減少させるに当たって、制御圧室13cの圧力を減少させている間は、図7の実線矢印で示すように、第3弁室560では、大径部560aを流通する冷媒ガスは、溝部563のみを流通しつつ、大径部560aから第1小径部560bへ向かう。つまり、第3弁室560において、大径部560aと第1小径部560bの連通面積は、スプール56bが第2位置にある場合、つまり第2開度にあるときに比べて小さくなる。こうして、可変絞り機構56は給気通路54の開度を最小とし、第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量を少なくすることができる。こうして、この圧縮機においても実施例1の圧縮機と同様の作用を奏することが可能となっている。
また、この圧縮機では、給気通路54が上流側高圧通路540a、下流側高圧通路540b、圧力調整室31、軸路3b及び径路3cによって構成されている。そして、可変絞り機構56は、上流側高圧通路540aと下流側高圧通路540bとの間のみに設けられている。このため、この圧縮機では、実施例1の圧縮機における可変絞り機構28に比べて、可変絞り機構56の構成を簡素化することが可能となっている。これにより、制御機構16を小型化することができ、この圧縮機では、より小型化を実現することが可能となっている。
(実施例3)
図9及び図10に示すように、実施例3の圧縮機は、可変絞り機構28が固定絞り28aと開閉弁28cとで構成されている。開閉弁28cは、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとの間に設けられている。開閉弁28cは、第4ケース285と開閉弁板286とを有している。第4ケース285内には、第4弁室285aが形成されている。第4ケース285には、上流側第2高圧通路242a及び下流側第2高圧通路242bが挿通されている。開閉弁板286は金属板によって形成されており、第4弁室285a内に配置されている。開閉弁板286は第1リード弁286aを有している。第1リード弁286aは、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧に基づいて弾性変形することにより、図9に示す開放状態と、図10に示す閉鎖状態とに変形可能となっている。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、図9に示すように、第1リード弁286aが開放状態となり、下流側第2高圧通路242bから離れる。このため、第4弁室285aを通じて、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとが連通する。こうして、開閉弁28cは、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して第2給気通路24bを開く状態とする。一方、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなることで、開閉弁28cでは、図10に示すように、第1リード弁286aが閉鎖状態となり、下流側第2高圧通路242bに着座する。これにより、第1リード弁286aは、下流側第2高圧通路242bを閉鎖して、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとを非連通にする。こうして、開閉弁28cは、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して第2給気通路24bを閉じる状態とする。これらのように、開閉弁28cは、実施例1の圧縮機における開閉弁28bと同様に機能する。
このように、この圧縮機では、開閉弁28cが第1リード弁286aによって、上流側第2高圧通路242aと下流側第2高圧通路242bとの連通及び非連通を切り替える。これにより、この圧縮機では、開閉弁28bに比べて開閉弁28cの構成をより簡素化しつつ、開閉弁28cによって第2給気通路24bを好適に開閉することが可能となっている。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例4)
実施例4の圧縮機は、制御機構15に換えて、図11に示す制御機構60を備えている。制御機構60は、抽気通路22と、給気通路61と、制御弁26と、図13〜15に示す第2リード弁63とを有している。
また、図11に示すように、この圧縮機では、リヤハウジング19に第1圧力調整室36aが形成されている。さらに、この圧縮機では、実施例1の圧縮機に比べて駆動軸3の軸長が短く設計されている。このため、この圧縮機では、駆動軸3がハウジング1に支承された際、第2小径部30bの後端及び第2支持部材43bの後端は、第1圧力調整室36a内に進入せずに、第2軸孔23b内に位置する。これにより、第2軸孔23bの後方側には、駆動軸3によって第2圧力調整室36bが区画されている。そして、第1圧力調整室36aと第2圧力調整室36bとは、第2貫通孔410eによって連通している。こうして、この圧縮機では、第1、2圧力調整室36a、36b及び第2貫通孔410eによって、圧力調整室36が構成されている。そして、この圧縮機では、抽気通路22の第2低圧通路222が制御弁26と圧力調整室36とに接続している。なお、実施例1の圧縮機と同様、圧力調整室36と斜板室33との間はシールリング44a、44bによって封止されている。
給気通路61は、第3給気通路610、接続路611、第4給気通路612、圧力調整室36、軸路3b及び径路3cを有している。第3給気通路610はリヤハウジング19に形成されている。第3給気通路610は、上流側第3高圧通路610aと下流側第3高圧通路610bとで構成されている。上流側第3高圧通路610aは、第2吐出室29bと接続しており、リヤハウジング19の径方向に延びている。下流側第3高圧通路610bは、上流側第3高圧通路610aと接続しており、リヤハウジング19の軸方向に延びている。下流側第3高圧通路610bの前端は、リヤハウジング19の前端面に開口している。
接続路611は、第2弁形成プレート41に形成されている。より具体的には、図14及び図15に示すように、接続路611は、第2バルブプレート410、第2吐出弁プレート412及び第2リテーナプレート413を貫通するように形成されている。接続路611は、下流側第3高圧通路610bと同径に形成されている。
図11に示すように、第4給気通路612は第2シリンダブロック23に形成されている。第4給気通路612は、上流側第4高圧通路612aと下流側第4高圧通路612bとで構成されている。上流側第4高圧通路612aは、第2シリンダブロック23の軸方向に延びている。上流側第4高圧通路612aの後端は、第2シリンダブロック23の後端面に開口している。これにより、上流側第4高圧通路612aは、接続路611を通じて第3給気通路610と連通している。上流側第4高圧通路612aは、接続路611及び下流側第3高圧通路610bよりも小径に形成されている。
下流側第4高圧通路612bは、第2シリンダブロック23の径方向に傾斜しつつ延びており、上流側第4高圧通路612aと第2圧力調整室36bとに接続している。こうして、第4給気通路612は、第3給気通路610と圧力調整室36とに接続している。
図14及び図15に示すように、圧力調整室36は、軸路3b及び径路3cを通じて制御圧室13cに接続している。つまり、この制御機構60では、圧力調整室36、軸路3b及び径路3cは、抽気通路22の一部を兼ねている他、給気通路61の一部を兼ねている。こうして、この圧縮機でも、抽気通路22によって第2吸入室27bと制御圧室13cとが接続されているとともに、給気通路61によって第2吐出室29bと制御圧室13cとが接続されている。
また、図12に示すように、この圧縮機では、第2シリンダブロック23の後端面に凹部23eが形成されている。凹部23eは、上流側第4高圧通路612aを囲うように設けられており、第2シリンダブロック23の径方向に延びている。図14及び図15に示すように、凹部23eは、第2シリンダブロック23の径外方向に向かうにつれて、次第に深くなるように、すなわち、第2弁形成プレート41から遠ざかるように形成されている。これにより、凹部23eは、第2シリンダブロック23と第2弁形成プレート41との間、より具体的には、第2シリンダブロック23と第2吸入弁プレート411との間に、空間65を形成している。この空間65は、給気通路61の一部を構成している。また、上流側第4高圧通路612aには、弁座612cが形成されている。弁座612cは、凹部23e内に位置しており、第2リード弁63が着座可能となっている。なお、説明を容易にするため、図11では、凹部23eや弁座612c等の図示を省略している。
図13に示すように、第2リード弁63は、第2吸入弁プレート411に形成されている。より具体的には、第2リード弁63は、第2吸入弁プレート411において、凹部23e及び上流側第4高圧通路612aに対応する位置に形成されている。これにより、第2リード弁63は、図14及び図15に示す空間65内において、接続路611と上流側第4高圧通路612aとの間に位置している。
図13に示すように、第2リード弁63は、弁部63aと連結部63bとを有している。弁部63aは、上流側第4高圧通路612aとほぼ同径に形成されている。弁部63aには、細孔630が形成されている。細孔630は弁部63aを貫通している。細孔630は、本発明における「絞り通路」の一例である。連結部63bは、弁部63aと一体をなしており、第2吸入弁プレート411の径方向に延びている。第2リード弁63は、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧に基づいて弾性変形することにより、図15に示す第3位置と、図14に示す第4位置とに変位可能となっている。この圧縮機における他の構成は、実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、図14に示すように、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第2リード弁63が空間65内において弾性変形し、第4位置となる。このため、弁部63aが弁座612cから離れる。ここで、弁部63aは、上流側第4高圧通路612aとほぼ同径に形成されている。つまり、弁部63aは、接続路611及び下流側第3高圧通路610bよりも小径となっている。このため、第2リード弁63が第4位置となっても、弁部63aは接続路611を完全に閉鎖することがない。これにより、図14の実線矢印で示すように、第2吐出室29bから第3給気通路610及び接続路611を流通する冷媒ガスは、弁部63aと接続路611との隙間を経て第4給気通路612、ひいては、制御圧室13cに至る。また、冷媒ガスの一部は、細孔630を通じて、第4給気通路612を流通する。このように、第4位置に変位した第2リード弁63は、第3給気通路610と第4給気通路612とを第4開度で連通する。つまり、第2リード弁63は給気通路61の開度を大きくする。こうして、この圧縮機においても、第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量を多くすることができる。
そして、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなれば、図15に示すように、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第2リード弁63が空間65内において弾性変形し、第3位置となる。このため、弁部63aが弁座612cに着座する。これにより、第3給気通路610及び接続路611と、第4給気通路612とは、細孔630のみで連通する。このため、図15の実線矢印で示すように、第2吐出室29bから第3給気通路610及び接続路611を流通する冷媒ガスは、細孔630のみを経て、第4給気通路612、ひいては、制御圧室13cに至る。つまり、第3位置に変位した第2リード弁63は、第3給気通路610と第4給気通路612とを第3開度で連通する。こうして、第2リード弁63は給気通路61の開度を最小とする。これにより、この圧縮機においても、第2吐出室29bから制御圧室13cへ導入される冷媒ガスの流量を少なくすることができる。ここで、この圧縮機では、細孔630の大きさによって、第3開度の大きさを調整することが可能となっている。この圧縮機における他の作用は、実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例5)
実施例5の圧縮機では、図16及び図17に示すように、第2弁形成プレート41がガスケット414を有している。一方、この圧縮機では、実施例4の圧縮機と異なり、第2シリンダブロック23に凹部23eが形成されていない。
ガスケット414は、第2吸入弁プレート411と第2シリンダブロック23との間に設けられている。ガスケット414は、第2リード弁63の周囲となる箇所が切り欠かれている。これにより、この圧縮機では、ガスケット414によって、第2シリンダブロック23と第2吸入弁プレート411との間に空間66が形成されている。この空間66も給気通路61の一部を構成している。ここで、この圧縮機では、空間66内において、第2リード弁63が第3位置と第4位置とに変位可能となるように、ガスケット414の厚みが設定されている。この圧縮機における他の構成は、実施例4の圧縮機と同様である。
この圧縮機においても、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、図16に示すように、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第2リード弁63が空間66内において第4位置となる。一方、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなれば、図17に示すように、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第2リード弁63が空間66内において第3位置となる。こうして、この圧縮機も、実施例4の圧縮機と同様に作用する。
特に、この圧縮機では、ガスケット414によって、第2シリンダブロック23と第2吸入弁プレート411との間を封止しつつ、双方の間に空間66を形成することが可能となっている。このため、この圧縮機では、空間66を形成するに当たって、第2シリンダブロック23に凹部23eを形成する必要がない。このため、この圧縮機は、実施例4の圧縮機に比べて製造を容易化することが可能となっている。
(実施例6)
実施例6の圧縮機では、図18及び図19に示すように、第2リード弁63が第4付勢ばね63cを有している。第4付勢ばね63cは、本発明における「第2付勢部材」の一例である。第4付勢ばね63cは、第2シリンダブロック23に向かって延びている。また、この圧縮機では、第2シリンダブロック23の後端面に凹部23fが形成されている。上記の凹部23eと同様、凹部23fも上流側第4高圧通路612aを囲うように設けられている。これにより、凹部23fは、第2シリンダブロック23と第2吸入弁プレート411との間に、空間67を形成している。この空間67も給気通路61の一部を構成しており、空間67内において、第2リード弁63は第3位置と第4位置とに変位可能となっている。また、凹部23f内には収容凹部23gが形成されている。収容凹部23g内には、第4付勢ばね63cの前端が収容されている。これにより、第4付勢ばね63cは、第2リード弁63を第4位置に付勢している。この圧縮機における他の構成は、実施例4の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときには、図18に示すように、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第4付勢ばね63cが第2リード弁63を付勢する。このため、第2リード弁63は空間67内において第4位置となる。一方、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも大きくなれば、図19に示すように、第2リード弁63は、制御弁26による抽気通路22の開度の変更とは独立して、第4付勢ばね63cの付勢力に抗しつつ第3位置に変位する。これらにより、この圧縮機も、実施例4の圧縮機と同様に作用する。
特に、この圧縮機では、第4付勢ばね63cによって、第2リード弁63を第4位置に好適に位置させることが可能となっている。このため、第1、2吐出室29a、29bと制御圧室13cとの差圧が圧力Xよりも小さいときに、第2リード弁63を確実性高く第4位置にすることが可能となっている。
(実施例7)
実施例7の圧縮機では、図20に示すように、弁座612cに切欠き613が形成されている。切欠き613も本発明における「絞り通路」の一例である。切欠き613は、上流側第4給気通路612aと凹部23eとを連通している。図示を省略するものの、この圧縮機では、第2リード弁63の弁部63aに細孔630が形成されていない。この圧縮機における他の構成は実施例4の圧縮機と同様である。
詳細な図示を省略するものの、この圧縮機では、第2リード弁63の弁部63aが弁座612cに着座することにより、第3給気通路610及び接続路611と、第4給気通路612とは、切欠き613のみで連通する。このため、第3給気通路610及び接続路611を流通する冷媒ガスは、切欠き613のみを経て、第4給気通路612、ひいては、制御圧室13cに至る。そして、この圧縮機では、切欠き613の大きさによって、第3開度の大きさを調整することが可能となっている。こうして、この圧縮機も、実施例4の圧縮機と同様に作用する。
以上において、本発明を実施例1〜7に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜7に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、第2シリンダブロック23にのみ第2シリンダボア23aを形成し、各ピストン9は第2頭部9bのみを有することにより、片頭式の圧縮機としても良い。
また、第1、2給気通路24a、24b及び給気通路54は、第1吐出室29aと制御圧室13cとを接続しても良い。
さらに、実施例4〜7の圧縮機において、第2吐出弁プレート412や第2リテーナプレート413に第2リード弁63を設ける構成としても良い。
また、実施例6の圧縮機では、第4付勢ばね63cによって、第2リード弁63を第4位置に付勢しているが、これに限らず、弾性変形によって第2リード弁63を第4位置に付勢可能な第2付勢部材を第2リード弁63に一体で形成しても良い。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15、16…制御機構
19…リヤハウジング(カバー)
22…抽気通路
23…第2シリンダブロック(シリンダブロック)
24…給気通路
24a…第1給気通路
24a…第2給気通路
26…制御弁
28…可変絞り機構
28a…固定絞り
28b…開閉弁
28c…開閉弁
31…圧力調整室
32…吐出逆止弁
36…圧力調整室
41…第2弁形成プレート(弁機構)
54…給気通路
56…可変絞り機構
56b…スプール
56c…第3付勢ばね(第1付勢部材)
60…制御機構
61…給気通路
63…第2リード弁
63c…第4付勢ばね(第2付勢部材)
65〜67…空間
231…吐出口
286a…第1リード弁
411…第2吸入弁プレート(吸入弁板)
411a…第2吸入リード弁
414…ガスケット
560…第3弁室(弁室)
610…第3給気通路
612…第4給気通路
613…切欠き(絞り通路)
612c…弁座
630…細孔(絞り通路)

Claims (9)

  1. 吸入室、吐出室、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
    前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
    前記駆動軸の駆動軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
    前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記駆動軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
    前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
    前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
    前記ハウジングには、前記ハウジングの外部に開口する吐出口と、所定の開弁圧が設定され、前記吐出室の圧力が前記開弁圧よりも大きくなれば前記吐出室と前記吐出口とを連通する吐出逆止弁とが設けられ、
    前記制御圧室は、内部の圧力が前記斜板室内の圧力よりも大きくなれば、前記傾斜角度が増大するように前記移動体を移動させ、
    前記制御機構は、前記制御圧室と前記吸入室とに接続する抽気通路と、前記吐出室と前記制御圧室とに接続する給気通路と、前記抽気通路に設けられて前記抽気通路の開度を変更可能な制御弁と、前記制御弁による前記抽気通路の開度の変更から独立して前記給気通路の開度を変更可能な可変絞り機構とを有し、
    前記可変絞り機構は、前記吐出室と前記制御圧室との差圧が前記開弁圧よりも大きいときに前記給気通路の開度を最小にすることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記給気通路は、前記吐出室と前記制御圧室とに接続する第1給気通路及び第2給気通路からなり、
    前記可変絞り機構は、前記第1給気通路に設けられて前記第1給気通路の開度を減少させる固定絞りと、前記第2給気通路に設けられ、前記吐出室と前記制御圧室との前記差圧が前記開弁圧よりも大きいときのみ前記第2給気通路を閉鎖する開閉弁とからなる請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記開閉弁は、弾性変形により前記第2給気通路を開閉可能な第1リード弁を有している請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記可変絞り機構は、前記給気通路に設けられた弁室と、
    前記弁室内に移動可能に設けられ、前記給気通路を最小の第1開度で連通させる第1位置と、前記給気通路を前記第1開度よりも大きい第2開度で連通させる第2位置とに変位可能なスプールと、
    前記スプールを前記第2位置に付勢する第1付勢部材とを有し、
    前記スプールは、前記吐出室と前記制御圧室との前記差圧が前記開弁圧よりも大きいときのみ前記第1位置に変位する請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 前記可変絞り機構は、弾性変形により、前記給気通路を最小の第3開度で連通させる第3位置と、前記給気通路を前記第3開度よりも大きい第4開度で連通させる第4位置とに変位可能な第2リード弁であり、
    前記第2リード弁は、前記吐出室と前記制御圧室との前記差圧が前記開弁圧よりも大きいときのみ前記第3位置に変位する請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  6. 前記ハウジングは、前記吸入室及び前記吐出室が形成されたカバーと、前記各シリンダボアが形成されたシリンダブロックと、前記カバーと前記シリンダブロックとの間に配置され、前記第2リード弁が形成された弁機構とを有し、
    前記給気通路は、前記カバーに形成されて前記吐出室に接続する第3給気通路と、前記カバーに形成されて前記制御圧室に接続する圧力調整室と、前記シリンダブロックに形成されて前記第3給気通路と前記圧力調整室とに接続する第4給気通路とを有し、
    前記第2リード弁は、前記第3位置では前記第3給気通路と前記第4給気通路とを前記第3開度で連通し、前記第4位置では前記第3給気通路と前記第4給気通路とを前記第4開度で連通する請求項5記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  7. 前記第4給気通路には、前記第3位置にある前記第2リード弁が着座する弁座が形成され、
    前記第2リード弁又は前記弁座には、前記第3給気通路と前記第4給気通路とを連通する絞り通路が形成されている請求項6記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  8. 前記弁機構は、前記第2リード弁が形成されるとともに、弾性変形により前記吸入室と前記各シリンダブロックとを連通可能な複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板と、
    前記吸入弁板と前記シリンダブロックとの間を封止するとともに、前記吸入弁板と前記シリンダブロックとの間において、前記第2リード弁が前記第3位置と前記第4位置とに変位可能な空間を確保するガスケットとを有している請求項7記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  9. 前記弁機構は、前記第2リード弁が形成されるとともに、弾性変形により前記吸入室と前記各シリンダブロックとを連通可能な複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板を有し、
    前記第2リード弁には、前記第2リード弁を前記第4位置に付勢する第2付勢部材が設けられている請求項7記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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