JP2018145937A - エンジンのオイル通路構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルクーラを通過した熱風がライダーに与える影響を抑制すると共に、オイル通路の加工性向上等を図るエンジンのオイル通路構造を提供する。【解決手段】クランクケース11Aの前方に配置されるオイルクーラと、エンジンの側方を覆うと共にその内側空間にオイルクーラが配置されるカウリングとを備える。エンジン内にはオイルポンプから吐出されるオイルをエンジン内各部に供給するメインギャラリ26と、オイルクーラへの入口と出口をバイパスするバイパス通路30を有する。メインギャラリ26の下方にバイパス通路30を開閉する差圧バルブ34が配置され、差圧バルブ34を収納する差圧バルブ収納部35はクランクケース11Aにおいて、メインギャラリ26と平行に上下に並んで配置される。【選択図】図6

Description

本発明は、クランクケース前方に空冷式のオイルクーラが配置されるエンジンのオイル通路構造に関する。
自動二輪車等において、例えば特許文献1に開示されるようにエンジン側方がカウリングで覆われ、クランクケース前方に空冷式のオイルクーラが配置される。
この種の機種において、オイルクーラの入口と出口をバイパスするバイパス通路がクランクケースに設けられるオイル通路構造を持ち、バイパス通路内に差圧バルブが配置される。この場合、オイルフィルタ通過後にオイルクーラホースへ向かう通路とバイパス通路に分岐している。
特開2010−64706号公報
従来のエンジンのオイル通路構造では、オイルクーラを通過した熱風がクランクケースとカウリングの隙間を通ってライダーの足に当たると、そのままではライダーが不快に感じることがある。
また、差圧バルブを配置する場合、差圧バルブを収容するための空間の確保、オイル通路の増加が必要になる。そのためオイル通路の複雑化、クランクケースの生産性(加工、鋳造性)の低下が懸念される。
更に、オイルパンに差圧バルブの収納部とオイル通路が設けられることもあるが、これはオイルパンとクランクケースに跨りオイル通路が形成されるため、そのままでは両者の合せ面のシール性が不利になる。また、オイルパンの軽量化のためにマグネシウム合金や合成樹脂を使用することが考えられる。この場合、差圧バルブの収納部やオイル通路を設けると、オイルパン自体の強度補強が必要になり、構造や加工の複雑化の原因になる。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、オイルクーラを通過した熱風がライダーに与える影響を抑制すると共に、オイル通路の加工性向上等を図るエンジンのオイル通路構造を提供することを目的とする。
本発明のエンジンのオイル通路構造は、クランクケースの前方に配置されるオイルクーラと、エンジンの側方を覆うと共にその内側空間にオイルクーラが配置されるカウリングとを備えたエンジンにおいて、前記エンジン内にはオイルポンプから吐出されるオイルを該エンジン内各部に供給するメインギャラリと、前記オイルクーラへの入口と出口をバイパスするバイパス通路を有するエンジンのオイル通路構造であって、前記メインギャラリの下方に前記バイパス通路を開閉する差圧バルブが配置され、前記差圧バルブを収納する差圧バルブ収納部は前記クランクケースにおいて、前記メインギャラリと平行に上下に並んで配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、走行風がオイルクーラ等を通過してできる熱風がライダーの足に当たるのを防ぎ、熱風によるライダーの足への熱害を抑制することができる。
本発明に係る冷却装置を備えた自動二輪車の全体構成を示した図である。 本発明に係るエンジンユニットまわりを右から見た右側面図である。 本発明に係るエンジンユニットまわりを前方から見た正面図である。 本発明に係るエンジンユニットのクランクケースの前面正面図である。 本発明に係るエンジンユニットのクランクケースの右側面図である。 本発明に係るエンジンユニットのメインギャラリを通るように略鉛直方向に破断したクランクケースロアの破断斜視図である。 本発明に係るオイルポンプ及びオイルフィルタ間を接続するオイル通路まわりを示す図4のI−I線に沿う断面図である。 本発明に係るオイルフィルタの軸線を通るオイル通路まわりを示す図4のII−II線に沿う断面図である。 本発明に係るメインギャラリを通るオイル通路まわりを示す図5のIII−III線に沿う断面図である。 本発明に係るエンジンユニットまわりを前方から右方斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明によるエンジンのオイル通路構造の好適な実施の形態を説明する。
本発明の一実施の形態に係るエンジンのオイル通路構造は、クランクケースの前方に配置されるオイルクーラと、エンジンの側方を覆うと共にその内側空間にオイルクーラが配置されるカウリングとを備えたエンジンにおいて、前記エンジン内にはオイルポンプから吐出されるオイルを該エンジン内各部に供給するメインギャラリと、前記オイルクーラへの入口と出口をバイパスするバイパス通路を有するエンジンのオイル通路構造であって、前記メインギャラリの下方に前記バイパス通路を開閉する差圧バルブが配置され、前記差圧バルブを収納する差圧バルブ収納部は前記クランクケースにおいて、前記メインギャラリと平行に上下に並んで配置されている。
本発明に係るエンジンのオイル通路構造において、走行風がオイルクーラ等を通過してできる熱風がライダーの足に当たるのを防ぎ、熱風によるライダーの足への熱害を抑制することができる。
また、メインギャラリ及び差圧バルブ収納部が平行であることで同方向から鋳抜きピンが立てられ、あるいは機械加工をすることができるので生産性が向上する。
図1は、本発明に係る冷却装置を備えた自動二輪車100の全体構成を示した図である。先ず図1を用いて自動二輪車100全体の概略構成を説明する。なお、以下の説明で用いる図において必要に応じて、自動二輪車100に乗車したライダーが車両前方を見る方向を前方とし、その逆方向を後方とする。また、ライダーの右側を右方、左側を左方とし、これらの方向をそれぞれ必要に応じて適宜、矢印により示す。
図1において鋼製あるいはアルミニウム合金材でなる左右一対の車体フレーム101の前部には、ステアリングヘッドパイプ102によって左右に回動可能に支持された左右2本のフロントフォーク103が設けられる。なお、左右一対の車体フレーム101は車両前方において結合しており、この結合部位にステアリングヘッドパイプ102が設けられ、ここに操舵中心が配されることになる。フロントフォーク103の上端にはハンドルバー104が固定され、ハンドルバー104は、その両端にグリップ105を有する。フロントフォーク103の下部には前輪106が回転可能に支持されると共に、前輪106上部を覆うようにフロントフェンダ107が固定される。前輪106は、前輪106と一体回転するブレーキディスク108を有している。
車体フレーム101はステアリングヘッドパイプ102から後方に向けて左右二又状に分岐し、それぞれが後下がりに傾斜して延出する。車体フレーム101の後部にはスイングアーム109が揺動可能に結合すると共に、両者間にリヤショックアブソーバ110が装架される。スイングアーム109の後端には後輪111が回転可能に支持される。後輪111は、後述するエンジンの動力を伝達するチェーン112が巻回されたドリブンスプロケット113を介して、回転駆動されるようになっている。後輪111の直近周囲にはその前上部付近を覆うインナフェンダ114が設けられると共に、上方にはリヤフェンダ115が配置される。
車体フレーム101の所定部位に搭載されたエンジンユニット10(一点鎖線部)には、燃料噴射装置116から混合気が供給されると共に、エンジン内での燃焼後の排気ガスが排気管117を通って排気される。本実施の形態において、エンジンは例えば4サイクル多気筒(4気筒)エンジンであってよい。それぞれの気筒の排気管117はエンジンユニット10の下側にて結合し、その後、排気チャンバ118を経て車両後端付近でマフラ119から排気される。
また、エンジンユニット10の上方には、燃料タンク120が搭載され、燃料タンク120の後方にシート121(ライダシート121A及びタンデムシート121B)が連設される。ライダシート121A及びタンデムシート121Bの下方には、それぞれに対応して、フットレスト122A,122Bが配置される。なお、この例では車両左側において、前後方向略中央下部にプロップスタンド123を有している。なお、燃料タンク120の内側凹所には、燃料噴射装置116が配置され、エンジンユニット10の上方に位置してコンパクトに収容される。
また、ハンドルバー104の前方には、各種付属機器が設けられる。例えば、ヘッドランプ124は車両本体の最前方においてフェアリング128に組み込まれて設けられ、スピードメータ、タコメータ或いは各種インジケータランプ等を含むメータユニット125はフェアリング128で覆われる空間内のハンドルバー104の前方に設けられる。また、フェアリング128の上部には、ステー127を介してバックミラー126が設けられる。
また車両外装においては、カウリングであるフェアリング128及びサイドカウル129によって車両の主に前部及び側部が覆われ、車両後部にはサイドカバー130あるいはシートカウル131が被着し、これらにより所謂、流線型を有する車両の外観フォルムが形成される。このうちフェアリング128の前端部には、燃料噴射装置116の一部を構成するエアクリーナ(図示省略)に空気を送給するための空気取入口132が開口している。
次に図2及び図3を用いて、本実施例におけるエンジンユニット10まわりの構成を説明する。図2はエンジンユニット10まわりを右から見た右側面図であり、図3はエンジンユニット10まわりを前方から見た正面図である。
エンジンユニット10は、左右一対の車体フレーム101に挟持されるように適度に前傾されて支持され、自動二輪車100の車体中央下部における燃料タンク120の下方に配置される。エンジンユニット10においてエンジンケースであるクランクケース11の上部に順次、シリンダブロック12、シリンダヘッド13及びシリンダヘッドカバー14が一体的に結合してなる。複数のシリンダ(気筒)を一体に備えたシリンダブロック12は、やや前傾した状態で車体の幅方向に配置される。この例ではシリンダブロック12に含まれる4気筒が左右(車幅)方向に並置され、左側から順に1番(♯1)、2番(♯2)、3番(♯3)及び4番(♯4)気筒とする。このようにエンジンユニット10は4気筒であってよいが、各気筒軸を垂直よりもやや前傾させて搭載するサイドカムチェーンタイプの並列多気筒エンジンである。
エンジンユニット10には吸気装置、排気装置及び冷却装置等の付属装置や補機類等が付属もしくは搭載される。吸気装置としては、燃料タンク120(図1)の前方に配置されたエアクリーナによって清浄化された空気がインテークポートに供給される。このインテークポートに供給される空気量は、スロットルバルブによって制御される。そして、インテークポートには、燃料タンク120からの燃料が燃料噴射装置116の一部を構成するインジェクタによって噴射供給されるようになっている。
排気装置としては、前述したシリンダヘッド13の前面側に排気管117(この例では4本のエグゾーストパイプを有する)が接続され、その下流側にはマフラ119が接続される。冷却装置としては、エンジンユニット10の前方において、ラジエータ15及びオイルクーラ16が配置される。これらラジエータ15及びオイルクーラ16は、エンジンユニット10の両側方を覆うサイドカウル129の内側空間に配置されることになる(図10も参照のこと)。
以上がエンジンユニット10まわりの主な構成の説明であるが、本発明はオイルクーラ16を含む潤滑系におけるオイル通路に関するものである。従って以下では、先ず潤滑系の基本構造について、図4〜図9をも参照して説明する。
エンジンユニット10内において、そのクランクシャフトの周辺部位(具体的には、ジャーナルベアリングやクランクピンベアリング等)や変速装置、並びにシリンダヘッド内の動弁装置等にオイルクーラ16により冷却された潤滑オイルが供給される。オイルクーラ16は、エンジンユニット10の前方においてラジエータ15の下側に配置されており、図3に参照されるように車両前面視で、その長辺がラジエータ15の下辺よりも短い長方形の形状を有している。
オイルクーラ16は、ステー17等を介してシリンダブロックあるいはラジエータ15に支持される。オイルクーラ16は空冷式のオイルクーラであり、例えば潤滑オイルの入口(インレット)及び出口(アウトレット)を左右に有し、その入口から流入する潤滑オイルが出口から流出する間に、受けた走行風により流通する潤滑オイルを冷却するようになっている。走行風はオイルクーラ16に当たり、オイルクーラ16を通過する間に潤滑オイルを冷却し、その後、後方へ排風として流れる。オイルクーラ16のコア部分は図3に示されるように車両前面視で、サイドカウル129から露出し、図2も参照して全体としてはサイドカウル129の内側に配置される。
ここで、潤滑系における潤滑オイルの循環の基本構造について説明する。なお、図4はクランクケース11(クランクケースロア11A)の前面正面図、図5はクランクケースロア11Aの右側面図、図6はメインギャラリを通るように略鉛直方向に破断したクランクケースロア11Aの破断斜視図、図7はオイルポンプ及びオイルフィルタ間を接続するオイル通路まわりを示す図4のI−I線に沿う断面図、図8はオイルフィルタの軸線を通るオイル通路まわりを示す図4のII−II線に沿う断面図、図9はメインギャラリを通るオイル通路まわりを示す図5のIII−III線に沿う断面図である。先ず、クランクケースロア11Aの下部に取り付けられたオイルパン18(図2、図3参照)に貯留された潤滑オイルは、クランクケースロア11Aの右側面部に設置されたオイルポンプ19(図5において一点鎖線により略記する)によりストレーナ(図示せず)を介して吸い上げられる。
オイルポンプ19によってオイルパン18から吸い上げられた潤滑オイルは、図7のようにクランクケースロア11Aにおいて前後方向にオイルフィルタ20まで形成されたオイル通路21を通って、オイルフィルタ20に供給される。オイルフィルタ20は図2及び図4から分かるように概略円筒形に形成され、その軸線(中心軸)20A(図4参照)が前後方向に沿うように略♯3気筒に対応してクランクケースロア11Aの前面部に装着される。オイル通路21は図4のようにオイルフィルタ20の軸線20Aに対してこの例では左上方に偏倚した位置でオイルフィルタ20と接続し、この接続部に形成されるオイル流入部22からオイルフィルタ20に潤滑オイルが流入する。オイルフィルタ20において、潤滑オイルに含まれる異物等を除去して潤滑オイルを清浄化し、その後、潤滑オイルは図4のようにクランクケースロア11Aに形成されたオイル通路23に流出する。この場合、オイルフィルタ20の流出側はその基部中央でオイル通路23と接続し、この接続部に形成されるオイル流出部24(図8参照)に潤滑オイルが流出する。
オイル通路23は、図4のようにクランクケースロア11Aの前面部付近で左右方向に沿って形成される。オイル流出部24を起点として右方へ延設されたオイル通路23のオイル流出部24とは反対側端部が図5に示すように右方へ開口し、この開口部23aにオイルクーラ16に対するインレットホース25の一端が接続される(図2)。インレットホース25の他端は、オイルクーラ16の潤滑オイルの入口に接続され、インレットホース25は図2に示されるように側面視で開口部23aから概略前上方に傾斜して配策される。また、クランクケースロア11Aにおいて、図5及び図6のようにオイル通路23と略同一高さ位置でその後方に所定間隔あけて、左右方向に沿ってオイル通路23と略平行にメインギャラリ26が形成される。メインギャラリ26の右側端部は図5に示すように右方へ開口し、この開口部26aにオイルクーラ16に対するアウトレットホース27の一端が接続される(図2)。
メインギャラリ26の開口部26aは、図4に示されるようにオイル通路23の開口部23aよりも右方に偏倚して設定され、即ちメインギャラリ26は開口部23aよりも右方へ突出するように延設される。アウトレットホース27の他端は、オイルクーラ16の潤滑オイルの出口に接続され、アウトレットホース27は図2に示されるように側面視で開口部26aから概略前上方に傾斜して配策される。
図6に示されるようにメインギャラリ26から上方へ、図示しないクランクシャフトのクランクジャーナルを支持するジャーナル軸受が装着される複数(本例では5つ)のリブもしくは壁状の仕切り28がクランクケースロア11Aの底部付近に立設されている。各リブ28にはメインギャラリ26と連通するオイル通路29が略上下方向に形成され、つまり図9にも示すようにクランクケースロア11A及びクランクケースアッパ11B(図2)の合せ面11Cに垂直に形成される。これらのオイル通路29を介してメインギャラリ26から各ジャーナル軸受に潤滑オイルが供給される。
潤滑系における基本的な潤滑オイルの循環において、オイルパン18の潤滑オイルが、オイルポンプ19により吸い出され、オイル通路21を通ってオイルフィルタ20に圧送される。オイルフィルタ20により清浄化された潤滑オイルは、オイル流出部24からオイル通路23を通って、開口部23aからインレットホース25を介してオイルクーラ16に流入する。
オイルクーラ16に流入した潤滑オイルは、オイルクーラ16内を流通する間に、オイルクーラ16に当たる走行風により冷却され、その後、アウトレットホース27を介してメインギャラリ26に送られる。潤滑オイルは更に、メインギャラリ26からオイル通路29を通ってクランクシャフトまわり及びその周辺部位をはじめてとして潤滑を必要とするエンジンユニット10各部に供給され、それらを潤滑する。
本発明に係るエンジン潤滑系のオイル通路構造において更に、オイルクーラ16への入口とその出口をバイパスするバイパス通路30(図8)を有する。潤滑オイルの基本的な流れは上述のように、オイルフィルタ20からインレットホース25を介してオイルクーラ16に流入し、アウトレットホース27を介してメインギャラリ26、即ちクランクケースロア11Aに還流される。オイルフィルタ20からの潤滑オイルの流出側であるオイル通路23の油圧が所定の圧力以上になった場合、オイル通路23内の潤滑油をオイルクーラ16へ流さず、即ちオイルクーラ16をバイパスさせてメインギャラリ26へ送給する。潤滑オイルのバイパスにより、オイルクーラ16に高圧の潤滑オイルが流入するのを回避して、オイルクーラ16の保護を図るようにしている。
バイパス通路30の具体的構成において、図8に示すようにオイル流出部24からクランクケースロア11Aの内方(後方)に穿設されたバイパス通路30は、後下方に傾斜してメインギャラリ26の下方まで達している。バイパス通路30のクランクケースロア11Aの底部における開口部はプラグ31により栓止される。図6及び図9にも示されるようにバイパス通路30はメインギャラリ26の下方まで延設されており、両者は連通路32を介して相互に連通する。連通路32は、バイパス通路30の一部を構成する。連通路32は図6及び図9のように、例えば♯3気筒と♯4気筒の間のオイル通路29Aと重なるように、即ち連通路32及びオイル通路29Aそれぞれの軸線が実質的に一致するように形成される。従って連通路32についても、クランクケースロア11A及びクランクケースアッパ11Bの合せ面11Cに垂直に形成される。なお、連通路32のクランクケースロア11Aの底部における開口部はプラグ33により栓止される。
図6及び図9にも示されるようにメインギャラリ26の下方に、バイパス通路30を開閉する差圧バルブ34が配置される。差圧バルブ34は、常態ではバイパス通路30及び連通路32間を閉塞するバルブ34aと、バルブ34aを閉塞状態にするように付勢する弾性体34b(コイルスプリング等であってよい)とを含み、差圧バルブ収納部35に収納される。差圧バルブ34を収納する差圧バルブ収納部35はクランクケースロア11Aにおいて、メインギャラリ26の下方でメインギャラリ26と平行に上下に並んで配置される。オイル通路23、従ってオイル通路23に繋がるバイパス通路30の潤滑オイルの油圧が所定の圧力以上になった場合、その油圧によりバルブ34aが弾性体34bの弾力に抗して、図9の矢印で示されるように右方へ移動する。そして、バルブ34aが右方へ移動することで、バイパス通路30及び連通路32間が開放される。差圧バルブ収納部35のクランクケースロア11Aの側面部における開口部35aはプラグ36により栓止される。
上記の場合更に、図3のように車両前面視でオイルクーラ16の側面は、差圧バルブ収納部35の端部(プラグ36により栓止される部位)よりも適度に車両内側(幅w)に位置する。つまり差圧バルブ収納部35はメインギャラリ26の下方で、オイルクーラ16の側面よりも車両外側に突出する。
また、車両側面視でオイルクーラ16の下面はバイパス通路30の下端部と略同じ高さに位置している。図9から分かるようにバイパス通路30の下端部に対して、差圧バルブ34及び差圧バルブ収納部35がクランクケースロア11Aの側面から右方に突出するように配置される。また、好ましくはオイルクーラ16の下面が差圧バルブ34と略同じ高さとなり、この場合、図2に示されるようにオイルクーラ16の下面が差圧バルブ34よりも適度に高く(高さh)、即ち差圧バルブ34側が低くなるようにする。
また、図8等に示されるように車両側面視でバイパス通路30は、オイルフィルタ20と略同じ高さに位置している。
エンジン潤滑系の潤滑オイルの流れは前述のように、オイルフィルタ20により清浄化された潤滑オイルは、オイル流出部24からオイル通路23を通って、インレットホース25を介してオイルクーラ16に流入する。オイルクーラ16で冷却された潤滑油オイルは、アウトレットホース27を介してメインギャラリ26に送られる。一方、オイル通路23の潤滑オイルの油圧が所定の圧力以上になった場合、バルブ34aが移動してバイパス通路30及び連通路32間を連通させることで、図6、図8及び図9の点線矢印で示されるようにバイパス通路30を通る潤滑オイルの流れが形成される。即ちこの場合、潤滑オイルはオイル通路23、バイパス通路30及び連通路32を通って、メインギャラリ26に流入する。
本発明に係るオイル通路構造によれば先ず、差圧バルブ収納部35はメインギャラリ26の下方で、右方に突出して形成される。このようにメインギャラリ26の下方でクランクケースロア11Aの側面に出っ張りを設けることで、図2の矢印で示すようにオイルクーラ16やラジエータ15からの排風である熱風Wが差圧バルブ収納部35に当たり、熱風Wを車両下側へ導くことができる。この場合、差圧バルブ収納部35の上方にはアウトレットホース27やインレットホース25が配策され、また、クランクケースロア11Aまわりを覆うサイドカウル129の下部には排風用の開口等が開設されている。このような周辺構造を持つ差圧バルブ収納部35に当たった熱風Wは、サイドカウル129の排風用の開口等へ誘導され、その開口等から排風される。従って、走行風がオイルクーラ16等を通過してできる熱風Wがライダーの足に当たるのを防ぎ、熱風Wによるライダーの足への熱害を抑制することができる。
この場合、車両前面視でオイルクーラ16の側面は、差圧バルブ収納部35の端部よりも適度に車両内側に位置し、また、車両側面視でオイルクーラ16の下面はバイパス通路30の下端部と略同じ高さに位置している。オイルクーラ16の後方においてクランクケースロア11Aの一部である差圧バルブ収納部35等が、オイルクーラ16の外形に対して特に側方及び下方へ張り出すように設けられる。これによりオイルクーラ16からの排風が差圧バルブ収納部35等に的確に当たり、熱風Wがライダーの足に当たるのを確実に遮ることができる。
また、図6等に示されるように差圧バルブ収納部35はクランクケースロア11Aの側面部において、メインギャラリ26の下方でメインギャラリ26と平行に上下に並んで配置される。この場合、メインギャラリ26の開口部26aと差圧バルブ収納部35の開口部35aが極めて接近して共に右方に開口する。クランクケースロア11Aをダイカスト成形する際、メインギャラリ26及び差圧バルブ収納部35の2つが平行であることで同方向から鋳抜きピンが立てられ、あるいは機械加工をすることができるので生産性が向上する。
また、本発明のオイル通路構造に含まれるメインギャラリ26及び差圧バルブ収納部35を始めとしてオイル通路23、バイパス通路30及び連通路32等のオイル通路がオイルパン18等の他部品を跨ぐことなく形成される。つまり、実質的に全てのオイル通路がクランクケースロア11Aに集約して配置形成され、これにより他部品との合せ面からのオイル滲みや油圧による部品の圧損を回避することができる。
また、連通路32は、クランクケースロア11A及びクランクケースアッパ11Bの合せ面11Cに垂直で、オイル通路29Aと軸線が実質的に一致するように形成される。
連通路32をクランクケースロア11Aの合せ面11Cに対して垂直にすることで連通路32の加工が容易になる。この場合、連通路32がオイル通路29Aと重なることで、バイパス通路30を通ってきた潤滑オイルの排出性が向上し、メインギャラリ26やクランクジャーナルへのオイル流量が増加する。これによりクランクシャフトまわり等に対する潤滑性が向上する。
また、バイパス通路30は、車両側面視でオイルフィルタ20と略同じ高さに位置している。
バイパス通路30は、オイルフィルタ20の後端にあるオイル流出部24からクランクケースロア11Aに穿設されて、オイルフィルタ20からバイパス通路30に繋がる通路を短くすることができる。バイパス通路30の通路長を実質的に短縮することで、バイパス通路30における潤滑オイルの流通性を円滑化し、同時に構造の簡素化を図る。
また、差圧バルブ収納部35の上方にはオイルクーラ16に接続されるインレットホース25やアウトレットホース27が配策される。
差圧バルブ収納部35自体による効果に加えて、インレットホース25及びアウトレットホース27等の周辺の部品レイアウトにおいても熱風Wがライダーの足に当たるのを防ぎ、熱風Wによるライダーの足への熱害を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態を実施例と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
通常はオイルクーラの上方にはラジエータが配置されるが、下側がラジエータでも同じ効果を得ることができる。
また、バイパス通路はオイルパンに設けられてもよく、オイルパンに同様の出っ張りを設ければ同じ効果を得ることができる。
10 エンジンユニット、11 クランクケース、11A クランクケースロア、11B クランクケースアッパ、11C 合せ面、12 シリンダブロック、13 シリンダヘッド、14 シリンダヘッドカバー、15 ラジエータ、16 オイルクーラ、17 ステー、18 オイルパン、19 オイルポンプ、20 オイルフィルタ、21,23 オイル通路、22 オイル流入部、24 オイル流出部、25 インレットホース、26 メインギャラリ、27 アウトレットホース、28 リブ、29 オイル通路、30 バイパス通路、31,33 プラグ、32 連通路、34 差圧バルブ、35 差圧バルブ収納部、100 自動二輪車。

Claims (5)

  1. クランクケースの前方に配置されるオイルクーラと、エンジンの側方を覆うと共にその内側空間にオイルクーラが配置されるカウリングとを備えたエンジンにおいて、
    前記エンジン内にはオイルポンプから吐出されるオイルを該エンジン内各部に供給するメインギャラリと、前記オイルクーラへの入口と出口をバイパスするバイパス通路を有するエンジンのオイル通路構造であって、
    前記メインギャラリの下方に前記バイパス通路を開閉する差圧バルブが配置され、
    前記差圧バルブを収納する差圧バルブ収納部は前記クランクケースにおいて、前記メインギャラリと平行に上下に並んで配置されていることを特徴とするエンジンのオイル通路構造。
  2. 車両前面視で前記オイルクーラの側面は前記差圧バルブ収納部の端部よりも車両内側に位置し、車両側面視で前記オイルクーラの下面は前記バイパス通路の下端部と略同じ高さに位置していることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのオイル通路構造。
  3. 前記メインギャラリと前記バイパス通路を接続する連通路は、クランクケース合せ面に垂直に設けられ、前記連通路は車両幅方向でクランクジャーナルに潤滑オイルを供給するオイル通路と重なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンのオイル通路構造。
  4. 車両側面視で前記バイパス通路は、前記オイルフィルタと略同じ高さに位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンのオイル通路構造。
  5. 前記メインギャラリにはオイルクーラホースが取付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンのオイル通路構造。
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