JP2018145215A - インクジェット用水性シアンインク - Google Patents
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Abstract
【課題】静的表面張力が低く、印刷物の裏抜けを低減することが可能であり、低温下での貯蔵安定性が良好であり、かつ、耐水性に優れた印刷物を得ることができる、インクジェット用水性シアンインクを提供する。【解決手段】銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす、インクジェット用水性シアンインク。【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット用水性シアンインクに関する。
近年、インクジェットプリンタは、低騒音、低ランニングコストといった利点から広く普及しており、オフィスや家庭では、インクジェットプリンタを使用して普通紙に印刷する機会が増えている。
普通紙への印刷においては、インクが記録媒体の裏側まで浸透することにより発生する印刷物の裏抜け、及び、印刷物の耐水性が問題になる。
また、インクジェット法による印刷において、インクの紙への浸透性を確保するためには、インクの静的表面張力があまり高くない方が好ましい。しかし、インクの静的表面張力が低い場合、印刷物に顕著な裏抜けが発生する場合がある。
また、インクの貯蔵安定性が良好であることも求められる。
特許文献1には、インクの親水性を向上させて、疎水性の紙へのインクの浸透を抑え、印字滲みや裏抜けを生じにくくする手段が開示され、水、水溶性染料、HLB値が20以上の多価アルコールあるいはその誘導体、及び、HLB値が10以上で、かつ親油基の分子量が400以下の非イオン系界面活性剤を含むインクが開示されている。
特許文献2には、水性顔料インクにおいて、インクの静的表面張力差を所定範囲内に調整することで裏抜けを防止する技術が開示され、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを含有する水性顔料インクが開示されている。
特許文献3では、保存安定性及び印刷物の耐水性等に優れた水性インクを得ることを課題とし、耐水性において所定の関係を満たす2種以上の染料を組み合わせたインクが開示されている。
特許文献1では、表面がサイズ剤などで疎水化された疎水性の紙への浸透が検討されているが、インク受容層が形成されていない普通紙での検討はなされていない。
特許文献2では、顔料インクでの検討が行われているが、染料インクでの検討はなされていない。
特許文献3では、耐水性、保存安定性、及び表面張力等が検討されているが、裏抜けについては検討されていない。
特許文献2では、顔料インクでの検討が行われているが、染料インクでの検討はなされていない。
特許文献3では、耐水性、保存安定性、及び表面張力等が検討されているが、裏抜けについては検討されていない。
本発明の一目的は、静的表面張力が低く、印刷物の裏抜けを低減することが可能であり、貯蔵安定性が良好であり、かつ、耐水性に優れた印刷物を得ることができる、インクジェット用水性シアンインクを提供することである。
本発明の一側面によれば、銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす、インクジェット用水性シアンインクが提供される。
本発明の一側面によれば、静的表面張力が低く、印刷物の裏抜けを低減することが可能であり、貯蔵安定性が良好であり、かつ、耐水性に優れた印刷物を得ることができる、インクジェット用水性シアンインクを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明が下記の実施形態に限定されることはない。
一実施形態によるインクジェット用水性シアンインクは、少なくとも、銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニンを除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び銅フタロシアニン染料を除く酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす。
このインクジェット用水性シアンインクは、静的表面張力が低く、かつ、印刷物の裏抜けを低減することが可能である。また、このインクジェット用水性シアンインクは貯蔵安定性が良好である。また、このインクジェット用水性シアンインクによって耐水性に優れた印刷物を得ることができる。
静的表面張力を下げることで紙へのインクの浸透速度を上げることができ、インクがすばやく紙中に浸透することで、となり合うインク滴が混ざることを抑制し、滲みが少ない画像を得ることが出来る。また、インクの浸透速度が上がることで、記録直後に画像に触れてもインクが付着することがないため、高速記録への適用が可能となる。
アセチレングリコール系界面活性剤は分子量が比較的小さく、添加量を増やしてもインクの粘度が上がりにくい上に、インクに良好な濡れ性と消泡性を付与することが出来る。
一方、本発明者らの検討によれば、静的表面張力は、染料の種類にも影響を受ける。例えば、染料の中にはアセチレングリコール系界面活性剤となじみやすいものが多く、そのような染料とアセチレングリコール系界面活性剤とを併用した場合、アセチレングリコール系界面活性剤が、染料表面に吸着しがちとなり、気−液界面(インク表面)に吸着するアセチレングリコール系界面活性剤の量が少なくなる傾向となり、このため、インクの表面張力を下げにくい場合があると考えられる。
しかし、銅フタロシアニン染料とアセチレングリコール系界面活性剤とを組み合わせて用いるとき、インクの静的表面張力を効率よく下げやすい。この理由として、銅フタロシアニン染料はアセチレングリコール系界面活性剤となじみにくい傾向があり、このため、アセチレングリコール系界面活性剤のインク表面への吸着が影響されにくいことが考えられる。
一方、本発明者らの検討によれば、静的表面張力は、染料の種類にも影響を受ける。例えば、染料の中にはアセチレングリコール系界面活性剤となじみやすいものが多く、そのような染料とアセチレングリコール系界面活性剤とを併用した場合、アセチレングリコール系界面活性剤が、染料表面に吸着しがちとなり、気−液界面(インク表面)に吸着するアセチレングリコール系界面活性剤の量が少なくなる傾向となり、このため、インクの表面張力を下げにくい場合があると考えられる。
しかし、銅フタロシアニン染料とアセチレングリコール系界面活性剤とを組み合わせて用いるとき、インクの静的表面張力を効率よく下げやすい。この理由として、銅フタロシアニン染料はアセチレングリコール系界面活性剤となじみにくい傾向があり、このため、アセチレングリコール系界面活性剤のインク表面への吸着が影響されにくいことが考えられる。
また、アセチレングリコール系界面活性剤として、HLB値10以上のものを用いるとき、HLB値10以上の界面活性剤は水への溶解性が高いため、低温貯蔵時の析出や分離を低減することができ、インクの低温での貯蔵安定性を良好とすることができる。
また、銅フタロシアニン染料とともに、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料を用いるとき、良好な耐水性を得ることができる。
一方、銅フタロシアニンを除く酸性染料は、アセチレングリコール系界面活性剤と比較的なじみやすい傾向がある。アセチレングリコール系界面活性剤とアセチレングリコール系界面活性剤となじみやすい染料とを含むインクを普通紙に塗工した場合、染料がアセチレングリコール系界面活性剤とともに普通紙に浸透し、裏抜けの発生または増大を招く場合もある。
しかし、銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び銅フタロシアニン染料を除く酸性染料の含有量b(質量)がa>bの関係を満たすとき、インクの表面張力を低下させやすく、かつ、裏抜けを低減させやすい傾向がある。
一方、銅フタロシアニンを除く酸性染料は、アセチレングリコール系界面活性剤と比較的なじみやすい傾向がある。アセチレングリコール系界面活性剤とアセチレングリコール系界面活性剤となじみやすい染料とを含むインクを普通紙に塗工した場合、染料がアセチレングリコール系界面活性剤とともに普通紙に浸透し、裏抜けの発生または増大を招く場合もある。
しかし、銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び銅フタロシアニン染料を除く酸性染料の含有量b(質量)がa>bの関係を満たすとき、インクの表面張力を低下させやすく、かつ、裏抜けを低減させやすい傾向がある。
また、銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)がc/a≦0.5の関係を満たす場合、静的表面張力が下がり過ぎず、裏抜けを低減させやすい傾向がある。
ここで、HLB値は、下記式より算出した理論値である。
HLB = {(無機性値)/(有機性値)}×10
「有機性値」及び「無機性値」は、藤田穆により提案された「有機概念図」において用いられている概念に基づくものであり、有機化合物をその炭素領域の共有結合連鎖に起因する「有機性」と置換基(官能基)に存在する静電性の影響による「無機性」との2因子に分けてそれぞれを数値化したものであり、個々の化合物の構造等から求められる値である。「有機概念図」に関連する事項は、藤田穆著「系統的有機定性分析(混合物編)」風間書房(1974)等に詳述されている。
HLB = {(無機性値)/(有機性値)}×10
「有機性値」及び「無機性値」は、藤田穆により提案された「有機概念図」において用いられている概念に基づくものであり、有機化合物をその炭素領域の共有結合連鎖に起因する「有機性」と置換基(官能基)に存在する静電性の影響による「無機性」との2因子に分けてそれぞれを数値化したものであり、個々の化合物の構造等から求められる値である。「有機概念図」に関連する事項は、藤田穆著「系統的有機定性分析(混合物編)」風間書房(1974)等に詳述されている。
銅フタロシアニン染料としては、銅フタロシアニン骨格を有する染料であって、水に対し溶解性を示す染料であることが好ましい。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、下記式(1)で表される銅フタロシアニン骨格を有することが好ましい。そして、下記式(1)において、4つのベンゼン環A〜Dの少なくとも1つにおいて、任意の水素原子が親水性基に置換したものを用いることができる。親水性基としては、スルホ基、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホノ基、4級アンモニウム基等を挙げることができる。また、これらの親水性基は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等と塩を形成してもよい。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、下記式(1)で表される銅フタロシアニン骨格を有することが好ましい。そして、下記式(1)において、4つのベンゼン環A〜Dの少なくとも1つにおいて、任意の水素原子が親水性基に置換したものを用いることができる。親水性基としては、スルホ基、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホノ基、4級アンモニウム基等を挙げることができる。また、これらの親水性基は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等と塩を形成してもよい。
銅フタロシアニン染料としては、直接染料を好ましく用いることができる。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、ベンゼン環A及びC、またはB及びDに、それぞれ1個の親水性基(例えば、スルホ基)が導入された化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
また、銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、ベンゼン環AからDのうちのいずれか3個に、それぞれ1個の親水性基(例えば、スルホ基)が導入された化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
また、銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、任意のベンゼン環に、−SO3Na基又はSO2NH2基が導入された化合物を好ましく用いることができる。このような化合物として、例えば、4つのベンゼン環のいずれか1つ以上に−SO3Na基が導入され、残りのベンゼン環のいずれか1つ以上にSO2NH2基が導入された化合物、4つのベンゼン環すべてに−SO3Na基又はSO2NH2基が導入された化合物(例えば、1つ以上のベンゼン環に−SO3Na基が導入され、残りのベンゼン環にSO2NH2基が導入されている化合物)などが挙げられる。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー9、86、87、199等が挙げられる。銅フタロシアニン染料としては、色味の観点から、例えば、C.I.ダイレクトブルー199が好ましい。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、ベンゼン環A及びC、またはB及びDに、それぞれ1個の親水性基(例えば、スルホ基)が導入された化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
また、銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、ベンゼン環AからDのうちのいずれか3個に、それぞれ1個の親水性基(例えば、スルホ基)が導入された化合物またはその塩を好ましく用いることができる。
また、銅フタロシアニン染料としては、例えば、式(1)において、任意のベンゼン環に、−SO3Na基又はSO2NH2基が導入された化合物を好ましく用いることができる。このような化合物として、例えば、4つのベンゼン環のいずれか1つ以上に−SO3Na基が導入され、残りのベンゼン環のいずれか1つ以上にSO2NH2基が導入された化合物、4つのベンゼン環すべてに−SO3Na基又はSO2NH2基が導入された化合物(例えば、1つ以上のベンゼン環に−SO3Na基が導入され、残りのベンゼン環にSO2NH2基が導入されている化合物)などが挙げられる。
銅フタロシアニン染料としては、例えば、C.I.ダイレクトブルー9、86、87、199等が挙げられる。銅フタロシアニン染料としては、色味の観点から、例えば、C.I.ダイレクトブルー199が好ましい。
上記した銅フタロシアニン染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
銅フタロシアニン染料のインク中の含有量は、インク全量に対して、1.0〜10.0質量%が好ましく、3.0〜5.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%がさらに好ましい。
銅フタロシアニン染料のインク中の含有量は、インク全量に対して、1.0〜10.0質量%が好ましく、3.0〜5.0質量%がより好ましく、4.0〜5.0質量%がさらに好ましい。
銅フタロシアニン染料を除く酸性染料としては、特に制限されず、水に対して溶解性を示す染料であることが好ましい。
この酸性染料は、上記銅フタロシアニン染料とともに用いる際に、所望の青系色を呈色できるように、青系から黒系の染料であることが好ましい。また、この酸性染料として赤系や黄系の染料を少量添加して、色調を調整することもできる。
この酸性染料としては、例えば、アゾ系酸性染料(例えば、モノアゾ系酸性染料、ジアゾ系酸性染料)、アントラキノン系酸性染料、キサンテン系酸性染料(例えば、ローダミン系染料、フルオレセイン系染料、エオシン)トリアリールメタン系酸性染料(例えば、トリフェニルメタン系酸性染料)、インジゴ系酸性染料等を用いることができる。
この酸性染料は、上記銅フタロシアニン染料とともに用いる際に、所望の青系色を呈色できるように、青系から黒系の染料であることが好ましい。また、この酸性染料として赤系や黄系の染料を少量添加して、色調を調整することもできる。
この酸性染料としては、例えば、アゾ系酸性染料(例えば、モノアゾ系酸性染料、ジアゾ系酸性染料)、アントラキノン系酸性染料、キサンテン系酸性染料(例えば、ローダミン系染料、フルオレセイン系染料、エオシン)トリアリールメタン系酸性染料(例えば、トリフェニルメタン系酸性染料)、インジゴ系酸性染料等を用いることができる。
銅フタロシアニン染料を除く酸性染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドブルー1、4、5、7、15、25、34、38、40、51、53、56、61、62、80、83、85、87、89、90、92、112、120、123、124、128、127、129、150、324等を挙げることができる。
上記した銅フタロシアニン染料を除く酸性染料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
銅フタロシアニン染料を除く酸性染料のインク中の含有量は、インク全量に対して、0.5〜5.0質量%が好ましく、1.0〜3.0質量%がより好ましく、1.0〜2.0質量%がさらに好ましい。
銅フタロシアニン染料を除く酸性染料のインク中の含有量は、インク全量に対して、0.5〜5.0質量%が好ましく、1.0〜3.0質量%がより好ましく、1.0〜2.0質量%がさらに好ましい。
インク中の銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)、及び、インク中の銅フタロシアニン染料を除く酸性染料の含有量b(質量)は、裏抜け低減、及び、インクの静的表面張力の低下の観点から、a>bの関係を満たすことが好ましく、b/a≦0.9の関係を満たすことがより好ましく、b/a≦0.8の関係を満たすことがさらに好ましく、b/a≦0.6を満たすことがさらに好ましい。また、例えば、b/a≧0.01の関係を満たしてもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール、アセチレングリコールのアルキレンオキサイド付加物(例えば、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物など)などが挙げられる。
アセチレングリコールの例として、例えば、下記式(2)において、m及びnがいずれも0であるものが挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の例としては、例えば、下記式(2)において、m+nが1以上であるものがあげられる。アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物としては、m+nは、例えば、1以上40以下であることが好ましく、10以上30以下、または、15以上25以下であってもよい。また、m及びnは、例えば、それぞれ1以上25以下であってよい。mおよびnは同一でも異なっていてもよい。
下記式(2)において、R1 、R2 、R3 、およびR4 はそれぞれ独立に、直鎖または分岐アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基であることがより好ましい。炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。例えば、R1とR2とが同一であってもよく、及び/又は、R3とR4とが同一であってもよい。
アセチレングリコールの例として、例えば、下記式(2)において、m及びnがいずれも0であるものが挙げられる。
アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物の例としては、例えば、下記式(2)において、m+nが1以上であるものがあげられる。アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物としては、m+nは、例えば、1以上40以下であることが好ましく、10以上30以下、または、15以上25以下であってもよい。また、m及びnは、例えば、それぞれ1以上25以下であってよい。mおよびnは同一でも異なっていてもよい。
下記式(2)において、R1 、R2 、R3 、およびR4 はそれぞれ独立に、直鎖または分岐アルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基であることがより好ましい。炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。例えば、R1とR2とが同一であってもよく、及び/又は、R3とR4とが同一であってもよい。
アセチレングリコール系界面活性剤のHLB値は、貯蔵安定性が良好なインクを得るという観点から、10以上であることが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤のHLB値は、12以上がより好ましく、14以上であってもよい。また、アセチレングリコール系界面活性剤のHLB値は、例えば、20以下でよい。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、エアープロダクツ社製のサーフィノール465、サーフィノール485、日信化学工業社製のオルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンPD−001、オルフィンPD−004、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300等が挙げられる。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、エアープロダクツ社製のサーフィノール465、サーフィノール485、日信化学工業社製のオルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンPD−001、オルフィンPD−004、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300等が挙げられる。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤のインク中の含有量は、インク全量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がさらに好ましい。
HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤のインク中の含有量は、インク全量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がさらに好ましい。
裏抜け低減の観点から、インク中の銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及びインク中のHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たすことが好ましく、c/a≦0.2の関係を満たすことがより好ましい。また、例えば、c/a≧0.01の関係を満たしてもよい。
水としては、特に制限されないが、イオン成分をできる限り含まないものが好ましい。特に、インクの保存安定性の観点から、カルシウム等の多価金属イオンの含有量が低いことが好ましい。水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられる。
水は、粘度調整の観点から、インク中に、インク総量に対して、40質量%以上含まれていることが好ましく、60質量%〜80質量%含まれていることがより好ましい。
水は、粘度調整の観点から、インク中に、インク総量に対して、40質量%以上含まれていることが好ましく、60質量%〜80質量%含まれていることがより好ましい。
インクは、水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水溶性有機溶剤として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプローラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物;プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等を例示することができる。
中でも、多価アルコールを使用することが特に好ましく、良好な貯蔵安定性及び裏抜け低減の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(より好ましくは、平均分子量100〜600)がより好ましい。これらの水溶性有機溶剤は水に溶解しやすく、貯蔵安定性に影響しにくい。また、染料との親和性が比較的低いため、水溶性有機溶剤が普通紙に浸透するときに、染料は、水溶性有機溶剤とともに浸透しにくいことから、裏抜けを悪化させにくい。
中でも、多価アルコールを使用することが特に好ましく、良好な貯蔵安定性及び裏抜け低減の観点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(より好ましくは、平均分子量100〜600)がより好ましい。これらの水溶性有機溶剤は水に溶解しやすく、貯蔵安定性に影響しにくい。また、染料との親和性が比較的低いため、水溶性有機溶剤が普通紙に浸透するときに、染料は、水溶性有機溶剤とともに浸透しにくいことから、裏抜けを悪化させにくい。
これらの水溶性有機溶剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
水溶性有機溶剤は、インク中に、インク総量に対して、15〜40質量%含まれていることが好ましく、20〜35質量%含まれることがより好ましく、20〜25質量%含まれることがさらに好ましい。
水溶性有機溶剤は、インク中に、インク総量に対して、15〜40質量%含まれていることが好ましく、20〜35質量%含まれることがより好ましく、20〜25質量%含まれることがさらに好ましい。
インクは、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を適宜含んでもよい。その他の成分としては、例えば、定着剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、架橋剤等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、銅フタロシアニン染料及び酸性染料以外の染料、及び/又は、アセチレングリコール系界面活性剤以外の界面活性剤を含んでもよい。
上記インクの製造方法はとくに限定されないが、例えば、少なくとも、酸性染料以外の銅フタロシアニン染料と、酸性染料と、水と、HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤と、を混合する工程を含む製造方法で製造することができる。酸性染料以外の銅フタロシアニン染料、酸性染料、水、及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤、及びそれらの量等については、上述のとおりである。各成分は、一括または分割して混合することができる。必要に応じて、混合後にメンブレンフィルター等での濾過を行ってもよい。
インクの静的表面張力は、記録媒体(特に普通紙)への浸透性の観点から、23℃において43mN/m未満が好ましく、42mN/m以下がより好ましく、40mN/m以下がさらに好ましい。インクの静的表面張力は、裏抜け低減の観点から、23℃において32mN/m以上が好ましく、35mN/m以上がより好ましい。インクの静的表面張力は、23℃環境においてバブルプレッシャー型の表面張力計で測定した、気泡発生周期0.05Hzの時の表面張力値である。
インクの粘度は、適宜調節することができるが、たとえば吐出性の観点から、1〜30mPa・sであることが好ましく、1〜10mPa・sであることがより好ましく、1〜4mPa・s程度であることさらに好ましい。この粘度は、23℃における値を表す。
上記インクは、インクジェット記録方法による印刷物の製造方法に用いることができる。
インクジェット記録方法としては、サーマルインクジェット方式、ピエゾインクジェット方式、静電吸引方式など、いずれの方式のものであってもよく、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにする。
インクジェット記録方法としては、サーマルインクジェット方式、ピエゾインクジェット方式、静電吸引方式など、いずれの方式のものであってもよく、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにする。
記録媒体としては、特に限定されず、普通紙、上質普通紙、インクジェット(IJ)紙、IJマット紙、記録媒体上にインク吸収溶液がコートされたコート紙、コート紙よりもインク吸収層の厚みが薄い微コート紙、光沢紙(フォト光沢用紙)、特殊紙、布等を用いることができる。
本発明の実施形態は、以下のものを含むが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<1> 銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす、
インクジェット用水性シアンインク。
<2> 前記水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
<3> 前記銅フタロシアニン染料は、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87及びC.I.ダイレクトブルー199からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
<4> 前記酸性染料は、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー4、C.I.アシッドブルー5、C.I.アシッドブルー7、C.I.アシッドブルー15、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー34、C.I.アシッドブルー38、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー51、C.I.アシッドブルー53、C.I.アシッドブルー56、C.I.アシッドブルー61、C.I.アシッドブルー62、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー85、C.I.アシッドブルー87、C.I.アシッドブルー89、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー92、C.I.アシッドブルー112、C.I.アシッドブルー120、C.I.アシッドブルー123、C.I.アシッドブルー124、C.I.アシッドブルー127、C.I.アシッドブルー128、C.I.アシッドブルー129、C.I.アシッドブルー150、及びC.I.アシッドブルー324からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
<1> 銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす、
インクジェット用水性シアンインク。
<2> 前記水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
<3> 前記銅フタロシアニン染料は、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87及びC.I.ダイレクトブルー199からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
<4> 前記酸性染料は、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー4、C.I.アシッドブルー5、C.I.アシッドブルー7、C.I.アシッドブルー15、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー34、C.I.アシッドブルー38、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー51、C.I.アシッドブルー53、C.I.アシッドブルー56、C.I.アシッドブルー61、C.I.アシッドブルー62、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー85、C.I.アシッドブルー87、C.I.アシッドブルー89、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー92、C.I.アシッドブルー112、C.I.アシッドブルー120、C.I.アシッドブルー123、C.I.アシッドブルー124、C.I.アシッドブルー127、C.I.アシッドブルー128、C.I.アシッドブルー129、C.I.アシッドブルー150、及びC.I.アシッドブルー324からなる群から選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<インク調整>
表1に記載の原材料を、表1及び表2に記載の配合比で混合し、得られた混合物を孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクを得た。
表1に記載の原材料を、表1及び表2に記載の配合比で混合し、得られた混合物を孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過し、インクを得た。
使用した各原材料は以下の通りである。
(染料)
Daiwa IJ Blue 319HL:ダイワ化成株式会社製、C.I.ダイレクトブルー199、銅フタロシアニン染料
Water Blue 117−L:オリヱント化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトブルー87、銅フタロシアニン染料
Water Blue 105S:オリヱント化学工業株式会社製、C.I.アシッドブルー90、酸性染料
Daiwa IJ Blue 109H:ダイワ化成株式会社製、C.I.アシッドブルー 112、酸性染料
(染料)
Daiwa IJ Blue 319HL:ダイワ化成株式会社製、C.I.ダイレクトブルー199、銅フタロシアニン染料
Water Blue 117−L:オリヱント化学工業株式会社製、C.I.ダイレクトブルー87、銅フタロシアニン染料
Water Blue 105S:オリヱント化学工業株式会社製、C.I.アシッドブルー90、酸性染料
Daiwa IJ Blue 109H:ダイワ化成株式会社製、C.I.アシッドブルー 112、酸性染料
(水溶性有機溶剤)
ポリエチレングリコール200:和光純薬工業株式会社製、平均分子量180〜220
2−ピロリドン:和光純薬工業株式会社製
(界面活性剤)
オルフィンE1010:日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値13
サーフィノール485:エアープロダクツ社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値17
オルフィンE1004:日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値9
シルフェイスSAG503A:日信化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤、HLB値11
(水)
イオン交換水
ポリエチレングリコール200:和光純薬工業株式会社製、平均分子量180〜220
2−ピロリドン:和光純薬工業株式会社製
(界面活性剤)
オルフィンE1010:日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値13
サーフィノール485:エアープロダクツ社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値17
オルフィンE1004:日信化学工業株式会社製、アセチレングリコール系界面活性剤(アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物)、HLB値9
シルフェイスSAG503A:日信化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤、HLB値11
(水)
イオン交換水
<評価>
実施例及び比較例のインクについて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に併せて示す。
実施例及び比較例のインクについて、以下の評価を行った。結果を表1及び表2に併せて示す。
(静的表面張力)
SITA社製の動的表面張力計SITA Science Line t60にて、バブルプレッシャー方式で23℃での静的表面張力を測定し、下記の評価基準で評価した。
A:静的表面張力が43mN/m未満だった。
C:静的表面張力が43mN/m以上だった。
SITA社製の動的表面張力計SITA Science Line t60にて、バブルプレッシャー方式で23℃での静的表面張力を測定し、下記の評価基準で評価した。
A:静的表面張力が43mN/m未満だった。
C:静的表面張力が43mN/m以上だった。
(貯蔵安定性)
インク100gを密封ガラス容器に詰め、−5℃環境下に24時間保管した。保管後のインクに染料の析出が見られないかどうかを目視評価し、下記の評価基準で評価した。
A:染料の析出が見られなかった。
C:染料の析出が見られた。
インク100gを密封ガラス容器に詰め、−5℃環境下に24時間保管した。保管後のインクに染料の析出が見られないかどうかを目視評価し、下記の評価基準で評価した。
A:染料の析出が見られなかった。
C:染料の析出が見られた。
(印刷物の裏抜け)
普通紙(理想科学工業株式会社製「理想用紙薄口」)に、バーコーターP0.08H5Sを用いて、インクを、塗工量が約19g/m2)となるように塗工し、ベタ画像を形成した。形成したベタ画像の裏側のOD値(裏OD値)を、分光測色計エックスライト・イグザクト(X−Rite社製)で測定し、下記の評価基準で評価した。
A:裏OD値が0.28未満
B:裏OD値が0.28以上0.35未満
C:裏OD値が0.35以上
普通紙(理想科学工業株式会社製「理想用紙薄口」)に、バーコーターP0.08H5Sを用いて、インクを、塗工量が約19g/m2)となるように塗工し、ベタ画像を形成した。形成したベタ画像の裏側のOD値(裏OD値)を、分光測色計エックスライト・イグザクト(X−Rite社製)で測定し、下記の評価基準で評価した。
A:裏OD値が0.28未満
B:裏OD値が0.28以上0.35未満
C:裏OD値が0.35以上
(印刷物の耐水性)
普通紙(理想科学工業株式会社製「理想用紙薄口」)に、バーコーターP0.08H5Sを用いて、インクを、塗工量 約19g/m2となるように塗工し、ベタ画像を形成した。形成したベタ画像のOD値を分光測色計エックスライト・イグザクト(X−Rite社)で測定した。その後、印刷サンプル(ベタ画像が形成された普通紙)を水に3分間浸漬し、よく乾燥させた後に、再度ベタ画像のOD値をX−Rite社製エックスライト・イグザクトで測定した。水に浸漬する前のベタ画像のOD値(OD1)、及び、水に浸漬した後のベタ画像のOD値(OD2)から、下記式によってOD値低下率(水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率)を求め、下記の評価基準で色落ちを評価した。
OD値低下率(%)=[{(OD1−OD2)/OD1}×100]
A:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が20%未満
B:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が20%以上30%未満
C:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が30%以上
普通紙(理想科学工業株式会社製「理想用紙薄口」)に、バーコーターP0.08H5Sを用いて、インクを、塗工量 約19g/m2となるように塗工し、ベタ画像を形成した。形成したベタ画像のOD値を分光測色計エックスライト・イグザクト(X−Rite社)で測定した。その後、印刷サンプル(ベタ画像が形成された普通紙)を水に3分間浸漬し、よく乾燥させた後に、再度ベタ画像のOD値をX−Rite社製エックスライト・イグザクトで測定した。水に浸漬する前のベタ画像のOD値(OD1)、及び、水に浸漬した後のベタ画像のOD値(OD2)から、下記式によってOD値低下率(水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率)を求め、下記の評価基準で色落ちを評価した。
OD値低下率(%)=[{(OD1−OD2)/OD1}×100]
A:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が20%未満
B:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が20%以上30%未満
C:水に浸漬する前に比べ、水に浸漬した後のOD値の低下率が30%以上
各実施例のインクでは、静的表面張力、貯蔵安定性、印刷物の裏抜け、及び印刷物の耐水性のいずれにおいても良好な結果が得られた。
アセチレングリコール系界面活性剤と銅フタロシアニン染料との組合せが用いられていない比較例3、4及び9では、静的表面張力が43mN/m以上と高く、さらに、印刷物において裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。
銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び酸性染料の含有量b(質量)がa≦bとなる比較例6及び7でも、静的表面張力が43mN/m以上と高く、さらに、印刷物において裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及びHLB値が10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)がc/a>0.5である比較例8では、裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。
また、酸性染料を用いていない比較例1及び2では、印刷物の耐水性評価において、OD値の低下率が30%以上の色落ちがみられた。また、HLB値が10未満のアセチレングリコール系界面活性剤が用いられた比較例5は貯蔵安定性評価において染料の析出がみられた。
アセチレングリコール系界面活性剤と銅フタロシアニン染料との組合せが用いられていない比較例3、4及び9では、静的表面張力が43mN/m以上と高く、さらに、印刷物において裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。
銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び酸性染料の含有量b(質量)がa≦bとなる比較例6及び7でも、静的表面張力が43mN/m以上と高く、さらに、印刷物において裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及びHLB値が10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)がc/a>0.5である比較例8では、裏OD値0.35以上の裏抜けが生じていた。
また、酸性染料を用いていない比較例1及び2では、印刷物の耐水性評価において、OD値の低下率が30%以上の色落ちがみられた。また、HLB値が10未満のアセチレングリコール系界面活性剤が用いられた比較例5は貯蔵安定性評価において染料の析出がみられた。
Claims (4)
- 銅フタロシアニン染料、銅フタロシアニン染料を除く酸性染料、水、水溶性有機溶剤及びHLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤を含み、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記酸性染料の含有量b(質量)は、a>bの関係を満たし、
前記銅フタロシアニン染料の含有量a(質量)及び前記HLB値10以上のアセチレングリコール系界面活性剤の含有量c(質量)は、c/a≦0.5の関係を満たす、
インクジェット用水性シアンインク。 - 前記水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
- 前記銅フタロシアニン染料は、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー87及びC.I.ダイレクトブルー199からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
- 前記酸性染料は、C.I.アシッドブルー1、C.I.アシッドブルー4、C.I.アシッドブルー5、C.I.アシッドブルー7、C.I.アシッドブルー15、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー34、C.I.アシッドブルー38、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー51、C.I.アシッドブルー53、C.I.アシッドブルー56、C.I.アシッドブルー61、C.I.アシッドブルー62、C.I.アシッドブルー80、C.I.アシッドブルー83、C.I.アシッドブルー85、C.I.アシッドブルー87、C.I.アシッドブルー89、C.I.アシッドブルー90、C.I.アシッドブルー92、C.I.アシッドブルー112、C.I.アシッドブルー120、C.I.アシッドブルー123、C.I.アシッドブルー124、C.I.アシッドブルー127、C.I.アシッドブルー128、C.I.アシッドブルー129、C.I.アシッドブルー150、及びC.I.アシッドブルー324からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性シアンインク。
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