JP2018144578A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両1のスモールオーバーラップ衝突時に該車両1の前部に対して横力を効率的に発生させる。
【解決手段】車両1の前部車体構造は、各フロントサイドフレーム5にそれぞれ設けられた突出部(補強部40)を有し、各フロントサイドフレーム5は、突出部(補強部40)の車両後側端の位置よりも車両前側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度が、当該突出部(補強部40)の車両後側端の位置よりも車両後側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度よりも高くなるように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両の前部車体構造に関する。
従来より、フロントサイドフレームに、該フロンサイドフレームの車幅方向外側の側壁よりも車幅方向外側に突出するように設けられた突出部を有する、車両の前部車体構造が知られている。
例えば、特許文献1に記載の車両の前部車体構造は、フロントサイドフレームの車幅方向外側の側壁に、該側壁よりも車幅方向外側へ突出するように保持部材を介して設けられるとともに、上側から見て、車両後側端部が、上記フロントサイドフレームの車幅方向内側に配置されかつエンジンマウントを介して上記フロントサイドフレームに支持されたパワーユニットの車両前側端部よりも車両後側に位置する突起部材と、上記突起部材の車両前側壁における車幅方向外側の部分に形成され、平面視で車体前後方向及び車幅方向に対して斜めに傾斜した傾斜壁とを備えている。
特許第5888217号公報
ところで、車両の前部車体構造は、車両の前突時に、該前突による車両前後方向の衝突荷重が出来る限り車室内に伝達されないように構成されることが求められている。特に、車両の前突には、車両前面におけるフロントサイドフレームよりも車幅方向外側の部分と障害物とが衝突する、いわゆるスモールオーバーラップ衝突がある。車両の前部車体構造は、上記スモールオーバーラップ衝突が発生したときに、車両前部に横力(車幅方向における上記障害物とは反対側に向かう力)を発生させ、車両の前部が車幅方向の上記障害物とは反対側に移動するように車両を車幅方向に横ずれさせて、上記衝突荷重を出来る限り車幅方向に受け流すことができるように構成されていることが望ましい。
特許文献1に記載のような車両の前部車体構造では、上記スモールオーバーラップ衝突時には、上記障害物が突出部材に当接して、上記スモールオーバーラップ衝突が発生した側のフロントサイドフレームに上記突出部材を介して衝突荷重が加えられる。その後、該衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分により、上記フロントサイドフレームが車幅方向内側に折れ曲がり、折れ曲がった部分が、上記フロントサイドフレームの車幅方向内側に配設されたパワーユニットに押し付けられる。上記パワーユニットはエンジンマウント介して上記フロントサイドフレームに支持されているため、上記パワーユニットを介して、上記衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分が車両前部に伝達される。
しかしながら、特許文献1に記載のような前部車体構造では、上記パワーユニットに、車幅方向外側かつ車両前側から車幅方向内側かつ車両後側に向かって衝突荷重が伝達されるようになっているため、上記パワーユニットには、上記衝突荷重における、車幅方向内側に向かう成分及び車両後側に向かう成分の両方が常に伝達される。上記スモールオーバーラップ衝突時に、車両を車幅方向に横ずれさせて、上記衝突荷重を車幅方向に効率的に受け流すには、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分を出来る限り小さくして、車両前部に対して上記横力を効率的に発生させることが望ましい。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両のスモールオーバーラップ衝突時に該車両の前部に対して横力を効率的に発生させることができる、車両の前部車体構造を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、車両の前部車体構造を対象として、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、上記左右一対のフロントサイドフレームの間に上記各フロントサイドフレームと離間して配設されたエンジンユニットと、上記左右一対のフロントサイドフレームの車両前側端にそれぞれ固定され、車両前後方向に延びる左右一対のクラッシュカンと、上記左右一対のクラッシュカンの車両前側端面同士を連結するように車幅方向に延びるバンパーレインフォースメントと、上記各フロントサイドフレームにそれぞれ結合されかつ各フロントサイドフレームの車幅方向外側の側壁であるフレーム外壁部よりも車幅方向外側に突出するようにそれぞれ設けられた突出部であって、車幅方向内側の部分が上記フロントサイドフレームに結合された前面部と、該前面部と車両後側に離間して設けられかつ車幅方向内側の端部が上記フロントサイドフレームに結合された後面部と、上記前面部及び上記後面部の車幅方向外側の縁部同士を連結する側面部と、上記前面部、上記後面部、上記側面部及び上記フロントサイドフレームによって形成された空間の上端及び下端を画定する上面部及び下面部とを有する突出部とを備え、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向の長さは、上側から見て、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向一側かつ車両後側の端と、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向他側の端に近い上記クラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さが、上記バンパーレインフォースメントの上記一側の端に近い上記突出部における上記前面部の上記一側の端と、上記他側の上記クラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さよりも長くなるような長さに設定され、上記各突出部の上記後面部は、車幅方向内側に向かって車両後側に傾斜されかつ車幅方向内側の端部に上記フロントサイドフレームに結合される後側結合部が設けられ、上記各突出部は、上側から見て、上記上面部及び上記下面部における上記フレーム外壁部よりも車幅方向外側の部分を外側部として、該外側部の車幅方向外側かつ車両前側の角部から車幅方向内側かつ車両後側に向かう該外側部の対角線の延長線が、上記エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該外側部に近い側面における車両前側端よりも車両後側と交わるようにそれぞれ配置されており、上側から見て、上記バンパーレインフォースメントの延びる方向と直交する方向の長さ及び上記上面部又は下面部の上記外側部における上記対角線の長さは、それらの長さを合計した値が、上記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁と上記エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該フロントサイドフレームに近い側面との間の車幅方向の長さよりも大きい値となる長さにそれぞれ設定され、上記各フロントサイドフレームは、上記突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度が、当該突出部の車両後側端の位置よりも車両後側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度よりも高くなるように構成されている、というものとした。
この構成によると、車両のスモールオーバーラップ衝突(以下、SOL衝突という)時にエンジンユニットに伝達される衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分の比率を出来る限り大きくすることができるため、上記SOL衝突時に車両前部に対して横力を効率的に発生させることができる。
すなわち、バンパーレインフォースメントの車幅方向の長さは、上側から見て、バンパーレインフォースメントの車幅方向一側の端と、バンパーレインフォースメントの車幅方向他側の端に近いクラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さが、バンパーレインフォースメントの上記一側の端に近い突出部における前面部の上記一側の端部と上記他側のクラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さよりも長くなるような長さに設定されているため、バンパーレインフォースメントは、クラッシュカンよりも車幅方向外側まで延びている。このため、上記車両が障害物とSOL衝突したときには、先ず、該障害物はバンパーレインフォースメントにおけるクラッシュカンよりも車幅方向外側の部分(以下、バンパー外側部という)に当接する。上記SOL衝突が発生した側のバンパー外側部は、上記SOL衝突の衝突荷重によって、上記SOL衝突が発生していない側のクラッシュカンの車両前側端を支点として、車両後側かつ車幅方向内側に向かって移動する。
バンパーレインフォースメントの車幅方向の長さが上記のような長さに設定されているため、上記バンパー外側部が車両後側かつ車幅方向内側に向かって移動すると、上記バンパー外側部は、突出部における前面部の車幅方向外側の端部と当接する。
上記バンパー外側部は、突出部と当接した後、さらに車両後側かつ車幅方向内側に向かって移動しようとする。突出部の後面部は、車幅方向内側の部分がフロントサイドフレームに結合されているため、突出部には、車幅方向外側かつ車両前側の端部から後面部とフロントサイドフレームとの結合部分である後側結合部に向かって衝突荷重が入力される。
突出部の後面部は車幅方向内側に向かって車両後側に傾斜しているため、上記のように突出部に衝突荷重が入力されると、突出部はフロントサイドフレームを車幅方向内側かつ車両後側に向かって斜めに押す。各フロントサイドフレームは、突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分(以下、フレーム前部という)における、車幅方向に入力される荷重に対する強度が、当該突出部の車両後側端の位置よりも車両後側の部分(以下、フレーム後部という)における、車幅方向に入力される荷重に対する強度よりも高くなるように構成されているため、上記フレーム後部は上記フレーム前部と比べて車幅方向に屈曲し易くなっている。このことから、突出部がフロントサイドフレームを車幅方向内側かつ車両後側に向かって斜めに押すと、上記フレーム後部は、突出部を車幅方向内側かつ車両後側に向かって斜めに移動させるように、車幅方向内側に向かって屈曲する。その後、フロントサイドフレームにおける車幅方向内側に向かって屈曲した部分である屈曲部は、突出部から伝達される衝突荷重によって、車幅方向内側かつ車両後側に向かって移動する。
各突出部は、上側から見て、上面部及び下面部におけるフレーム外壁部よりも車幅方向外側の部分を外側部として、該外側部の車幅方向外側かつ車両前側の角部から車幅方向内側かつ車両後側に向かう該外側部の対角線の延長線が、エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該外側部に近い側面における車両前側端よりも車両後側と交わるようにそれぞれ配置されているため、上記バンパー外側部と突出部とが当接した状態でフロントサイドフレームの上記屈曲部が車幅方向内側かつ車両後側に向かって移動すると、上記屈曲部は、エンジンユニットの車幅方向両側側面のうち上記SOL衝突が発生した側の側面に近づくように移動する。
また、上側から見て、上記バンパーレインフォースメントの延びる方向と直交する方向の長さ及び上記上面部又は下面部の上記外側部における上記対角線の長さは、それらの長さを合計した値が、上記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁と上記エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該フロントサイドフレームに近い側面との間の車幅方向の長さよりも大きい値となる長さにそれぞれ設定されているため、上記バンパー外側部と突出部とが当接した状態でフロントサイドフレームの上記屈曲部が車幅方向内側に移動すると、車幅方向内側に進入する上記バンパー外側部及び突出部によって、上記SOL衝突が発生した側のフロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁は、該フロントサイドフレームと同じ高さ位置において、エンジンユニットの上記SOL衝突が発生した側の側面と同じ車幅方向位置まで押し込まれる。
これらにより、フロントサイドフレームの上記屈曲部は、エンジンユニットにおける上記SOL衝突が発生した側の側面に当接する。
フロントサイドフレームの上記屈曲部が、エンジンユニットにおける上記SOL衝突が発生した側の側面に当接すると、突出部及び上記屈曲部を介して、エンジンユニットに車幅方向内側かつ車両後側に向かう衝突荷重、つまり、車幅方向内側に向かう成分と車両後側に向かう成分とを有する衝突荷重が入力される。これにより、車幅方向内側、つまり上記障害物とは反対側に向かう力である横力がエンジンユニットに入力される。一般に、エンジンユニットはエンジンマウントを介して左右のフロントサイドフレームと連結されており、そのため、エンジンユニットから左右のフロントサイドフレームに横力が入力される。
さらに、フロントサイドフレームにおける上記屈曲部が、エンジンユニットにおける上記SOL衝突が発生した側の側面に当接して、エンジンユニットに車幅方向内側かつ車両後側に向かう衝突荷重が入力されると、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分により、上記屈曲部とエンジンユニットとの当接点を支点として突出部を車両後側かつ車幅方向内側に向かって回動させる回転モーメントが生じる。上記フレーム後部における車幅方向の荷重に対する強度は、上記衝突荷重によって車幅方向内側に屈曲する程度の強度であるため、突出部が上記回転モーメントによって回動するときには、上記フレーム後部は突出部の回動に合わせて変形する。これにより、突出部は、上記屈曲部とエンジンユニットとの当接点を支点として車幅方向内側かつ車両後側に向かって回動する。この結果、上記バンパー外側部と突出部との当接点及び上記屈曲部とエンジンユニットとの当接点が、車幅方向に一直線上に並ぶようになるため、エンジンユニットに入力される衝突荷重における、車両後側に向かう成分の比率が減少するとともに、車幅方向内側に向かう成分の比率が増加する。
したがって、エンジンユニットから上記エンジンマウントを介して、左右のフロントサイドフレームに横力が伝達される衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分の比率を出来る限り大きくすることができるため、車両のSOL衝突時に該車両の前部に対して横力を効率的に発生させることができる。
上記車両の前部車体構造では、上記エンジンユニットは、上側から見て、車幅方向両側の側面のうち少なくとも一方側の側面における車両前後方向中間位置に、上記一方側の側面の上記中間位置よりも前側が上記一方側の側面に近い上記フロントサイドフレームに向かって突出した段差部を有しており、上記一方側の側面に近い突出部は、上側から見て、上記上面部及び上記下面部の上記外側部における上記対角線の延長線が、上記エンジンユニットの上記一方側の側面における車両前側端よりも車両後側かつ上記段差部よりも車両前側と交わるように配置され、上記バンパーレインフォースメントの延びる方向と直交する方向の長さ及び上記一方側の上記上面部又は上記下面部の上記外側部における上記対角線の長さは、それらの長さを合計した値が、上記一方側の上記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁と上記エンジンユニットの上記一方側の側面における上記段差部よりも車両前側の部分との間の車幅方向の長さよりも大きい値となる長さにそれぞれ設定されている、ことが望ましい。
この構成によると、エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち少なくとも一方側の側面に上記段差部が形成されていることによって、上記一方側の側面における上記段差部の車両後側には空隙が形成される。これにより、車両の前面における上記一方側の部分が上記障害物と上記SOL衝突したときにおいて、上記一方側の突出部が車幅方向内側かつ車両後側に十分に回動せず、上記一方側の突出部及び上記一方側のフロントサイドフレームの上記屈曲部を介してエンジンユニットに伝達される上記衝突荷重における、車両後側に向かう成分の比率が高い場合でも、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分によって上記屈曲部が段差部まで後退すれば、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分はエンジンユニットに伝達されにくくなる。このため、上記衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分を効率的にエンジンユニットに伝達させることができる。この結果、車両のSOL衝突時に、車両の前部に対して横力を一層効率的に発生させることができる。
上記車両の前部車体構造の一実施形態では、上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びる閉断面形状を有しており、上記各フロントサイドフレームの内部空間には、車両側方から見て、上記突出部の上記後面部における上記後側結合部と重複する車両前後方向の範囲に、当該内部空間を車両前後方向に仕切る節部材がそれぞれ設けられている。
すなわち、突出部の後側結合部は、上記SOL衝突時に突出部に入力された衝突荷重が集中する部分であるため、フロントサイドフレームにおける後側結合部と結合された部分は、補強しなければ上記SOL衝突時に屈曲する可能性が高い。そこで、フロントサイドフレームの内部空間の、突出部の後面部における後側結合部と重複する車両前後方向の範囲に、当該内部空間を車両前後方向に仕切る節部材を設けることで、フロントサイドフレームにおける後側結合部と結合された部分の、車幅方向の荷重に対する強度を向上させることができる。これにより、上記SOL衝突時には、特に上記フレーム後部における突出部の車両後側端の近傍部分を屈曲させやすくなる。この結果、車両のSOL衝突時においてフロントサイドフレームが屈曲する部分を制御しやすくなる。
上記車両の前部車体構造の他の実施形態では、上記各フロントサイドフレームにおいて、上記突出部の車両後側端よりも車両前側の部分の板厚は、当該突出部の車両後側端よりも車両後側の部分の板厚よりも厚い。
上述したように、上記SOL衝突時の衝突荷重はフロントサイドフレームにおける後側結合部と結合された部分に集中しやすいため、上記フレーム前部の板厚を、上記フレーム後部よりも厚くすれば、上記SOL衝突時に、上記フレーム前部と上記フレーム後部との境界部分で、フロントサイドフレームが屈曲させ易くなる。この結果、車両のSOL衝突時においてフロントサイドフレームが屈曲する部分をより制御しやすくなる。
上記車両の前部車体構造のさらに別の実施形態では、上記各フロントサイドフレームにおける上記突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分には、上記各フロントサイドフレームにおける当該部分に対して、車幅方向に入力される荷重に対して補強するための補強部材が設けられている。
この構成によると、補強レインフォースメントにより、上記フレーム前部における車幅方向の荷重に対する強度を、上記フレーム後部における車幅方向の荷重に対する強度よりも高くすることができる。この結果、車両のSOL衝突時においてフロントサイドフレームが屈曲する部分をより一層制御しやすくなる。
以上説明したように、本発明に係る車両の前部車体構造によると、車両のスモールオーバーラップ衝突時に、該スモールオーバーラップ衝突が発生した側のフロントサイドフレームにおける、突出部の車両後側端よりも車両後側の部分を車幅方向内側に屈曲させて、該屈曲した部分をエンジンユニットの側面と当接させることができる。その後、上記突出部に伝達される衝突荷重における車両後側に向かう成分により、上記突出部を、上記フロントサイドフレームにおける屈曲した部分とエンジンユニットとの当接点を支点にして車両後側かつ車幅方向内側に向かって回動させることで、上記突出部及び上記屈曲した部分を介してエンジンユニットに伝達される衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分の比率を大きくすることができるため、車両のSOL衝突時に該車両の前部に対して横力を効率的に発生させることができる。
本発明の実施形態に係る前部車体構造を適用した車両の車両前部を示す、車両左前側かつ上側から見た斜視図である。 車両前部のフロントサイドフレームと同じ高さ位置における構成を示す平面図である。 車両左側の補強部を車両左後側かつ上側から見た斜視図である。 車両左側の第1のブレースを車両左側から見た左側面図である。 図4のV-V線で切断した断面図である。 スモールオーバーラップ衝突時において、左側のバンパー外側部が左側の補強部に当接した状態を示す平面図である。 図6に示す状態の後、左側のフロントサイドフレームが右側に屈曲した状態を示す平面図である。 図7に示す状態の後、左側のフロントサイドフレームの屈曲部がエンジンユニットに当接した状態を示す平面図である。 図8に示す状態の後、衝突荷重により補強部が車幅方向内側に向かって回動した状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の説明では、車両1についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。
図1は、本実施形態に係る前部車体構造を適用した車両1の前部を示す。この車両1の前部には、前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム5が配設されており、左右のフロントサイドフレーム5の間には、車両1の前輪(図示省略)を駆動するエンジンユニットE(図2、図6〜図9参照)及びトランスミッション(図示省略)を配設するためのエンジンルーム2が形成されている。エンジンユニットEは、該エンジンルーム2内に縦置きされており、上記トランスミッションはエンジンユニットEの後側に配設されている。エンジンユニットEは、エンジンルーム2内に左右のフロントサイドフレーム5と車幅方向に離間して配設されており(図2参照)、該エンジンユニットEの左右両側側部に設けられたエンジンマウント(図示省略)を介して左右のフロントサイドフレーム5に連結されている。
左右のフロントサイドフレーム5は、略矩形状の閉断面形状をそれぞれ有しており、上壁部及び下壁部と、上壁部の車幅方向内側の縁と下壁部の車幅方向内側の縁とを連結する内側側壁部と、上壁部の車幅方向外側の縁と下壁部の車幅方向外側の縁とを連結する外側側壁部と有している。以下の説明では、フロントサイドフレーム5の内側側壁部をフレーム内壁部5aといい、フロントサイドフレーム5の外側側壁部をフレーム外壁部5bといい、フロントサイドフレーム5の上壁部をフレーム上壁部5cといい、フロントサイドフレーム5の下壁部をフレーム下壁部5dという。
左右のフロントサイドフレーム5の後部は、その高さ位置が後側に向かって徐々に低くなるキック部5eとされており、このキック部5eと略同じ前後位置には、上記エンジンルーム2と車室とを区画するダッシュパネル9が設けられている。
上記ダッシュパネル9は、上下方向かつ車幅方向に延びており、ダッシュパネル9の上端部は、カウル部材10と結合されている。また、上記ダッシュパネル9の車幅方向両側の端部には、車両1の左右のフロントドア(図示省略)を回動可能に支持するためのフロントヒンジピラー11がそれぞれ固定されている。左右のフロントヒンジピラー11の上端部には、後側に向かって上方に延びるフロントピラー12の下端部がそれぞれ固定されている。
左右のフロントサイドフレーム5の車幅方向外側には、サスペンションタワー13がそれぞれ設けられている。このサスペンションタワー13は、不図示のホイールハウスパネルと協働して、左右のフロントサイドフレーム5の車幅方向外側に、車両1の上記前輪が配置されるホイールハウスを形成する。左右のサスペンションタワー13の下端部は、左右のフロントサイドフレーム5にそれぞれ固定され、左右のサスペンションタワー13の上端部は、左右のフロントサイドフレーム5よりも上側に配設された左右のエプロンメンバ16にそれぞれ固定されている。
図示を省略しているが、サスペンションタワー13と略同じ前後位置には、左右の上記前輪を支持しかつ左右のフロントサイドフレーム5を連結するサスペンションクロスメンバが配設されている。該サスペンションクロスメンバの左右両側の端部には、左右のフロントサイドフレームよりも下側の位置で前側に向かってそれぞれ延設された前方延設部が設けられており、上記左右の前方延設部の前側端部は、上下に延びる連結部材を介して、左右のフロントサイドフレーム5の前側端部とそれぞれ連結されている。上記エンジンマウントは、その上側でフロントサイドフレーム5に連結され、その下側で上記前方延設部に連結されている。
左右のフロントサイドフレーム5の前側端には、クラッシュカン6がそれぞれ配設されている。具体的には、左右のフロントサイドフレーム5の前側端にはフランジ部7が、それぞれ対応するフロントサイドフレーム5と一体に設けられ、クラッシュカン6の後側端にはフランジ部6aが形成されている。これらフランジ部7,6a同士が互いに合わされた状態で、4つの締結部材8(ボルト及びナット)によって固定されている。
上記車両1の前側端部には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント18が設けられている。上記左右のクラッシュカン6の前側端部は、それぞれバンパーレインフォースメント18に固定されている。左右のクラッシュカン6は、バンパーレインフォースメント18が車両前突時の衝突荷重を受けたときに、前後方向に潰れることで、上記衝突荷重を吸収するように構成されている。
バンパーレインフォースメント18の車幅方向両側の端部は、左右のフロントサイドフレーム5よりも車幅方向外側に位置している。また、バンパーレインフォースメント18は、車幅方向両側の端部が車幅方向中央部よりも後側に位置するように、上側から見てアーチ状に湾曲した形状をなしている。これにより、バンパーレインフォースメント18におけるフロントサイドフレーム5よりも車幅方向外側に延びた部分(以下、バンパー外側部18aという)は、車幅方向外側に向かって後側に湾曲した形状となっている。
図2に示すように、バンパーレインフォースメント18の車幅方向の長さは、上側から見て、バンパーレインフォースメント18の車幅方向一側の端と、バンパーレインフォースメント18の車幅方向他側の端に近いクラッシュカン6における前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さL1が、バンパーレインフォースメント18の上記一側の端に近い後述の補強部40における前面部45の上記一側の端部と上記他側のクラッシュカン6における前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さL2よりも長くなるような長さに設定されている。
上記左右のエプロンメンバ16は、左右のフロントサイドフレーム5と略平行に前後方向に延びるエプロン延設部16aと、エプロン延設部16aの前側端から前側に向かって車幅方向内側に湾曲されたエプロン湾曲部16bとをそれぞれ有している。左右のエプロン延設部16aの後側端部は、左右のフロントヒンジピラー11の前部とそれぞれ接合されている。
左右のエプロン湾曲部16bの前側端部は、車幅方向に延びるシュラウドアッパメンバ19の車幅方向両側の端部に、それぞれ2つの締結部材20を介して締結固定されている。つまり、左右のエプロンメンバ16の前側端部(エプロン湾曲部16bの前側端部)同士は、シュラウドアッパメンバ19によって連結されている。
エンジンルーム2内に配設されたエンジンユニットEは、内燃機関及び該内燃機関に取り付けられる付属部品(コンプレッサを収容するのケース等)によって構成されている。エンジンユニットEの左側側面には、フロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、図2に示すように、上側から見て、前後方向中間位置に、該中間位置よりも前側が左側のフロントサイドフレーム5に向かって突出した段差部101が形成されている。これにより、フロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、エンジンユニットEの左側の部分における段差部101よりも前側には、左側に向かって突出したエンジン突出部102が形成される一方、上記左側の部分における段差部101よりも後側には、空隙103が形成される。上記エンジン突出部102は、例えば、エンジンユニットEのコンプレッサを収容するケースで構成されている。
本実施形態では、図1に示すように、左右のフロントサイドフレーム5のフランジ部7の後側には、フレーム外壁部5bとエプロンメンバ16とを、左側同士及び右側同士でそれぞれ連結する第1のブレース30と、左右のフロントサイドフレーム5とシュラウドアッパメンバ19とを連結する第2のブレース60とがそれぞれ設けられている。
以下、フロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側部分の構成について図2〜図5を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態では、左側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側部分の構成と、右側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側部分の構成は左右対称となっているため、以下の説明では、左側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側部分の構成のみを詳細に説明する。また、図2では、第1のブレース30の延設部50及び第2のブレース60の両方、図3では第1のブレース30の延設部50の図示を省略している。
上記第1のブレース30は、フロントサイドフレーム5と略同じ高さ範囲において、フロントサイドフレームと結合されかつフレーム外壁部5bよりも左側(車幅方向外側)に突出した補強部40と、該補強部40におけるフレーム外壁部5bよりも左側に突出した部分の上端縁部を、左側のエプロンメンバ16と連結する延設部50とを有している。本実施形態では、補強部40が突出部に相当する。
補強部40は、上下方向かつ左側に延びる前面部45と、該前面部と車両後側に離間して設けられ、上下方向かつ左側に延びる後面部46と、前面部45と後面部46との左側の縁部同士を連結する側面部47と、前面部45、後面部46、側面部47及び左側のフロントサイドフレーム5のフレーム外壁部5bによって形成された空間の上端及び下端を画定する上面部43及び下面部44とを有している。
上面部43及び下面部44は、図3に示すように、上面部43の基端部43aがフレーム上壁部5cと一体的に結合される一方、下面部44の基端部44aがフレーム下壁部5dと一体的に結合されている。該基端部43c,44cからはフレーム外壁部5bよりも車幅方向外側に突出するように外側部43a,44aが水平に延びている。図2及び図5に示すように、外側部43a,44aはどちらも平面視略矩形状をなしており、後側の縁部は、上側から見て、右側(車幅方向内側)に向かって後側に傾斜している(図2では、下面部44の外側部44aは上面部43の外側部43aと重なって見えていない、また、図5では下面部44のみを示す)。各外側部43a,44aには、該外側部43a,44aの左側かつ前側の角部近傍から右側かつ後側に向かう対角線に沿って延びるビード43b,44bがそれぞれ形成されている。上面部43のビード43bは、下側に向かって突出している一方、下面部44のビード44bは、上側に向かって突出している。また、図3に示すように、上面部43及び下面部44の周縁部におけるフレーム外壁部5bよりも車幅方向外側に位置する部分、つまり、外側部43a,44aの前後方向両縁及び左側側縁には、上面部43及び下面部44を前面部45、後面部46及び側面部47に溶接するための溶接代43d,44dがそれぞれ形成されている。尚、上面部43及び下面部44の基端部43c,44cが、左側のフロントサイドフレーム5のフレーム上壁部5c及びフレーム下壁部5bではなく、フレーム外壁部5bと一体的に結合されていてもよい。
図5に示すように、前面部45の右側端部は、フランジ部7の左側端部と溶接により接合されている。つまり、前面部45はフランジ部7を介してフロントサイドフレーム5と結合されている。上記側面部47の前側端には、左側に延びる前側結合フランジ47aが形成されており、該前側結合フランジ47aは、前面部45の左側端部と溶接により接合されている。また、後面部46の後側端部には、後側に向かって延びる後側結合フランジ46a(後側結合部)が形成されており、該後側結合フランジ46aは、フレーム外壁部5bに締結部材73により接合されている。
前面部45、後面部46及び側面部47の上端部は、それぞれ上面部43よりも上側まで延びており、前面部45の上端部が上面部43の前側の溶接代43dと、後面部46の上端部が上面部43の後側の溶接代43dと、側面部47の上端部が上面部43の左側の溶接代43dとそれぞれ溶接により接合されている。一方で、前面部45、後面部46及び側面部47の下端部は、それぞれ下面部44よりも下側まで延びており、前面部45の下端部が下面部44の前側の溶接代44dと、後面部46の下端部が下面部44の後側の溶接代44dと、側面部47の下端部が下面部43の左側の溶接代44dとそれぞれ溶接により接合されている。
また、図2及び図5に示すように、後面部46は、上面部43及び下面部44の外側部43a,44aの後側の縁部と接合されることによって、上側から見て、右側(車幅方向内側)に向かって後側に傾斜した状態となっている。
図2に示すように、補強部40は、フロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、上側から見て、上面部43及び下面部44の外側部43a,44aにおける左側かつ前側の角部から右側かつ後側に向かう該外側部43a,44aの対角線の延長線(図2に仮想線で示す)が、エンジンユニットEの左側側面における前側端よりも後側かつ段差部101よりも前側と交わるように、つまり、上記延長線と上記左側側面との交点Pがエンジン突出部102の左側側面に位置するように配置されている。
図5に示すように、フロントサイドフレーム5の内部の前後方向における補強部40が設けられた範囲には、フロントサイドフレーム5の内部空間を前後に仕切る第1の節部材71と第2の節部材72とが設けられている。
第1の節部材71は、車幅方向に延びる節本体部71aと、節本体部71aの車幅方向両端から前側に延びる2つの結合部71bとを有している。右側に位置する結合部70bはフレーム内壁部5aと溶接により接合され、左側に位置する結合部71bはフレーム外壁部5bと溶接により接合されている。節本体部71aは、左右の結合部72bがフロントサイドフレーム5にそれぞれ接合された状態で、フロントサイドフレーム5と上記前方延設部とを連結する上記連結部材の近傍位置に位置している。第1の節部材71は、車両走行時に上記サスペンションクロスメンバ及び上記連結部材を介してフロントサイドフレーム5に入力される、路面からの上下方向の反発荷重に対する車体剛性を向上させるために設けられている。
第2の節部材72は、車幅方向に延びる節本体部72aと、節本体部72aの右側端から前側に延びる内側結合部72bと、節本体部72aの左側端から後側に延びる外側結合部72cとを有している。内側結合部72bはフレーム内壁部5aと溶接により接合される一方、外側結合部72cは、締結部材73により後面部46の後側結合フランジ46aと共締めされて、フレーム外壁部5bと接合されている。節本体部72aは、内側結合部72b及び外側結合部72cがフロントサイドフレーム5に接合された状態で、車両1の側方から見て、後面部46の後側結合フランジ46a、特に本実施形態では、後側結合フランジ46aの前側端部(つまり、後面部46の車幅方向内側の端部)と重複する前後位置に位置している。
また、図5に示すように、本実施形態では、フロントサイドフレーム5は、補強部40の後側端の位置(厳密には後側結合フランジ46aの後側端)よりも前側の部分(以下、フレーム前部という)の板厚が、補強部40の後側端の位置(厳密には後側結合フランジ46aの後側端)よりも後側の部分(以下、フレーム後部という)の板厚よりも厚くなるように形成されている。このようなフロントサイドフレーム5は、圧延成形時に上記フレーム前部の板厚の厚みが上記フレーム後部の板厚の厚みよりも厚くなるように成形した板材を用いるか、又は、上記フレーム前部の板厚の厚みと上記フレーム後部の板厚の厚みが同じになるように成形された板材の上記フレーム前部に、補強部材としての別の板材を貼り付けることによって形成されている。尚、補強部40の後側端の位置とは、必ずしも後側結合フランジ46aの後側端と同じ前後位置である必要はなく、後側結合フランジ46aの後側端よりも若干前側又は若干後側であってもよい。
上記フレーム後部の板厚は、上記フレーム後部における車幅方向の荷重に対する強度が、車両1の前面におけるフロントサイドフレーム5よりも車幅方向外側の部分と障害物とが衝突する、いわゆるスモールオーバーラップ衝突(以下、SOL衝突という)が発生したときに、車幅方向に屈曲するような強度になる板厚に設定されている。
尚、本実施形態では、フロントサイドフレーム5は、上記第2の節部材72を設けるとともに、上記フレーム前部の板厚を上記フレーム後部の板厚よりも厚くしているが、第2の節部材72を設けるか、又は、上記フレーム前部の板厚を上記フレーム後部の板厚よりも厚くするかの一方のみであってもよい。
第1のブレース30の延設部50は、図4に示すように、上記補強部40におけるフレーム外壁部5bよりも左側に突出した部分の上端縁部、詳しくは、前面部45、後面部46及び側面部47の上端縁部から左側のエプロンメンバ16に向かって延びている。
上記延設部50は、右側(車幅方向内側)が開口された開断面形状をなしており、図4に示すように、前側に位置する前壁部51と、左側に位置する側壁部52と、後側に位置する後壁部53と、前壁部51の右側の縁部及び上側の縁部、並びに、後壁部53の右側の縁部及び上側の縁部に沿って設けられたフランジ部54とによって構成されている。
前壁部51の下端部は前面部45の上端縁部と、後壁部53の下端部は後面部46の上端縁部と、側壁部52の下端部は側面部47の上端縁部とそれぞれ溶接により接合されている。
上記フランジ部54は、上端部がエプロン湾曲部16bと溶接により接合されている。これにより、延設部50がエプロンメンバ16と接合される。
延設部50は、上記SOL衝突が発生して、補強部40が該SOL衝突の衝突荷重により車幅方向に移動するときに、当該補強部40の車幅方向の移動に合わせて変形可能に構成されている。
上記第2のブレース60は、図3に示すように、フレーム内壁部5aにおける、車両1の側方から見て、補強部40と重複する前後方向の部分から、シュラウドアッパメンバ19に向かって延びている。
第2のブレース60は、図3に示すように、左側(車幅方向外側)が開放された開断面形状をなしており、前側に位置する前壁部61と、右側に位置する側壁部62と、後側に位置する後壁部63と、前壁部61の左側の縁部及び後壁部63の左側の縁部に沿って設けられたフランジ部64とを有している。
図3に示すように、前壁部61は、フロントサイドフレーム5から略鉛直上方に延びた後、前側に向かって曲げられた曲部61aが形成され、該曲部61aからは、上側に向かって前側に傾斜して延びている。一方で、後壁部63は、シュラウドアッパメンバ19に向かって略鉛直上方に延びている。これにより、側壁部62における、上記曲部61aの高さ位置よりも下側の部分については、前後方向の長さが上下方向で略同じである一方、側壁部62における、上記曲部61aの高さ位置よりも上側の部分については、前後方向の長さがシュラウドアッパメンバ19に近づくほど大きくなるようになっている。
また、前壁部61及び後壁部63は、車幅方向の長さがシュラウドアッパメンバ19に近づくほど長くなるように形成されている。このように前壁部61及び後壁部63が形成されることで、第2のブレース60における上記曲部61aの高さ位置よりも下側の部分は、第2のブレース60における上記曲部61aの高さ位置よりも上側の部分と比べて、車幅方向の荷重に対する強度が低くなっている。これにより、第2のブレース60は、上記SOL衝突時に、補強部40が衝突荷重により車幅方向に移動するときに、当該補強部40の車幅方向の移動に合わせて変形しやすくなっている。
第2のブレース60とフロントサイドフレーム5とは溶接により接合されている。具体的には、側壁部62の下端部には、下側に向かって突出した下側接合部が設けられており、上記下側接合部が、フレーム内壁部5aと溶接により接合されている。また、前側及び後側のフランジ部64の各下端部もフレーム内壁部5aに溶接によって接合されている。
一方、第2のブレース60とシュラウドアッパメンバ19とは締結部材67(ボルト及びナット)により接合されている。具体的には、図3に示すように、第2のブレース60の上端部は、左側に向かって略垂直に曲げられた上側接合部65が形成されており、該上側接合部65が、図1に示すように、2つの締結部材67によってシュラウドアッパメンバ19の車幅方向左側の端部に接合されている。
本実施形態において、左側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側の部分は、上述のように構成されている。
右側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側の部分は、上述した、左側のフロントサイドフレーム5における、フランジ部7の後側の部分の構造と左右対称になるように構成されている。ただし、本実施形態では、エンジンユニットEの右側の部分には、段差部101及びエンジン突出部102は設けられていないため、「段差部101よりも前側」を「段差部101と同じ前後位置よりも前側」と読み替え、「エンジン突出部102の左側側面」を「エンジンユニットEの右側側面におけるエンジン突出部102と同じ前後範囲」と読み替える。
また、本実施形態に係る前部車体構造では、上側から見て、バンパーレインフォースメント18の延びる方向と直交する方向の長さL3及び左側の補強部40の外側部43a,44aにおける対角線の長さL4は、それらの長さを合計した値が、上記SOL衝突が発生していない状態における、フレーム内壁部5aとエンジンユニットEの左側側面におけるフロントサイドフレーム5と同じ高さ位置かつ段差部101よりも前側の部分(すなわちエンジン突出部102の左側側面)との間の車幅方向の長さL5よりも大きい値となる長さにそれぞれ設定されている。
ここで、車両1の前部車体構造は、上記SOL衝突が発生したときに、車両前部に横力(車幅方向内側に向かう力、つまり車幅方向における上記障害物とは反対側に向かう力)を発生させ、車両1を車幅方向に横ずれさせて、上記衝突荷重を出来る限り車幅方向に受け流すことができるように構成されていることが望ましい。
本実施形態では、バンパーレインフォースメント18、補強部40及びフロントサイドフレーム5が協働して、車両前部に対して上記横力を効率的に発生させるようになっている。以下、図6〜図9を参照しながら、上記SOL衝突時のバンパーレインフォースメント18、補強部40及びフロントサイドフレーム5の動きについて説明する。尚、図6〜図9は、車両1の前面における左側部分が障害物Aと上記SOL衝突を起こした場合を示している。また、図6〜図9では、第1のブレース30の延設部50及び第2のブレース60については図示を省略している。さらに、図6〜図9では、下面部44については上面部43と重なって見えていない。
本実施形態では、バンパーレインフォースメント18のバンパー外側部18aは、フロントサイドフレーム5よりも車幅方向外側に突出しているため、車両1の前面における左側部分が障害物Aと上記SOL衝突したときには、該障害物Aは、先ず左側のバンパー外側部18aに当接する。左側のバンパー外側部18aは、上記SOL衝突の衝突荷重によって、右側のクラッシュカン6の前側端を支点として、右側(車幅方向内側、つまり車幅方向における障害物Aとは反対側)かつ後側に向かって移動する。このとき、図6に示すように、バンパーレインフォースメント18の変形に伴い左側のクラッシュカン6は前後方向に潰れる。
バンパーレインフォースメント18の車幅方向の長さは、上側から見て、バンパーレインフォースメント18の車幅方向一側(ここでは左側)の端と、バンパーレインフォースメント18の車幅方向他側(ここでは右側)の端に近いクラッシュカン6における前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さL1が、バンパーレインフォースメント18の上記一側の端に近い補強部40(ここでは左側の補強部40)における前面部45の上記一側の端部と上記他側のクラッシュカン6における前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さL2よりも長くなるような長さに設定されている。そのため、左側のバンパー外側部18aが右側かつ後側に向かって移動すると、図6に示すように、左側のバンパー外側部18aは、左側の補強部40における左側かつ前側の端部(つまり、前面部45の左側端部)に当接する。
左側のバンパー外側部18aは、左側の補強部40と当接した後、さらに右側かつ後側に向かって移動しようとする。このとき、左側の補強部40には、左側かつ前側の端部から上記後側結合フランジ46aに向かって衝突荷重が入力される。特に、本実施形態では、上面部43及び下面部44の外側部43a,44aにビード43b,44bが形成されており、上記衝突荷重は、上記ビード43b,44bに沿う方向に、つまり、外側部43a,44aの左側かつ前側の角部から右側かつ後側に向かう対角線に沿うような方向に入力される。
左側の補強部40の後面部46は右側に向かって後側に傾斜しているため、左側の補強部40に上記のように上記衝突荷重が入力されると、該補強部40は左側のフロントサイドフレーム5を右側かつ後側に向かって斜めに押す。本実施形態では、フロントサイドフレーム5は、上記フレーム前部の板厚が上記フレーム後部の板厚よりも厚くなるように形成されているため、上記フレーム前部における車幅方向に入力される荷重に対する強度は、上記フレーム後部における車幅方向に入力される荷重に対する強度よりも高くなっている。つまり、上記フレーム後部は上記フレーム前部と比べて車幅方向に屈曲し易くなっている。このことから、左側の補強部40が左側のフロントサイドフレーム5を右側かつ後側に向かって斜めに押すと、図7に示すように、左側のフロントサイドフレーム5の上記フレーム後部、特に、左側のフロントサイドフレーム5の板厚が変わる部分の近傍部分が右側に向かって押し出されるように屈曲する。その後、左側のフロントサイドフレーム5における屈曲した部分である屈曲部5fは、右側かつ後側に向かって移動する。
本実施形態では、左側の補強部40は、フロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、上側から見て、上面部43及び下面部44の外側部43a,44aにおける左側かつ前側の角部から右側かつ後側に向かう該外側部43a,44aの対角線の延長線が、エンジンユニットEのエンジン突出部102の上記左側側面と交わるように配置されている。これにより、左側のバンパー外側部18aと左側の補強部40とが当接した状態で、左側の補強部40及び左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fが右側かつ後側に向かって移動すると、該屈曲部5fは、左側のフロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、エンジンユニットEのエンジン突出部102の左側側面に近づくように移動する。
また、本実施形態では、上側から見て、バンパーレインフォースメント18の延びる方向と直交する方向の長さL3及び左側の補強部40の外側部43a,44aにおける対角線の長さL4は、それらの長さを合計した値が、上記SOL衝突が発生していない状態における、フレーム内壁部5aとエンジンユニットEのエンジン突出部102の左側側面との間の車幅方向の長さL5よりも大きい値となる長さにそれぞれ設定されている。このため、左側のバンパー外側部18aと左側の補強部40とが当接した状態で左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fが右側に移動すると、右側に進入する左側のバンパー外側部18a及び左側の補強部40によって、左側のフロントサイドフレーム5のフレーム内壁部5aは、該フロントサイドフレーム5と同じ高さ位置において、エンジンユニットEのエンジン突出部102の左側側面と同じ車幅方向位置まで押し込まれる。
これらにより、図8に示すように、左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fはエンジン突出部102の左側側面に当接する。
左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fがエンジン突出部102の左側側面に当接すると、左側の補強部40及び上記屈曲部5fを介して、エンジンユニットEに、右側かつ後側に向かう衝突荷重、つまり、右側に向かう成分と後側に向かう成分とを有する衝突荷重が入力される。これにより、右側、つまり上記障害物Aとは反対側に向かう力である横力がエンジンユニットEに入力される。エンジンユニットEは左右の上記エンジンマウントを介して左右のフロントサイドフレーム5と連結されているため、エンジンユニットEに上記横力が入力されると、エンジンユニットEから左右のフロントサイドフレーム5に上記横力が伝達される。
さらに、左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fがエンジンユニットEのエンジン突出部102の左側側面に当接して、エンジンユニットEに右側かつ後側に向かう衝突荷重が入力されると、上記衝突荷重における後側に向かう成分により、上記屈曲部5fとエンジンユニットE(厳密にはエンジン突出部102)との当接点を支点として左側の補強部40を右側かつ後側に向かって回動させる回転モーメントが生じる。上記フレーム後部における車幅方向の荷重に対する強度は、上記衝突荷重によって右側に屈曲する程度の強度であるため、上記回転モーメントによって左側の補強部40が回動するときには、上記フレーム後部は当該補強部40の回動に合わせて変形する。このため、左側の補強部40は、上記屈曲部5fとエンジンユニットEとの当接点を支点として右側かつ後側に向かって回動する。これにより、図9に示すように、左側のバンパー外側部18aと左側の補強部40との当接点及び上記屈曲部5fとエンジンユニットEとの当接点が、車幅方向に一直線上に並ぶようになる。この結果、エンジンユニットEに入力される上記衝突荷重における、後側に向かう成分の比率が減少するとともに、右側に向かう成分の比率が増加する。
以上のようにして、車両1のSOL衝突時に該車両1の前部に対して上記横力が効率的に発生される。車両1の前面の右側部分が上記障害物Aと上記SOL衝突を起こした場合は、バンパーレインフォースメント18、右側の補強部40及び右側のフロントサイドフレーム5が、上述した動作と左右対称な動作をして、車両前部に対して上記横力を発生させる。ただし、本実施形態では、エンジンユニットEの右側の部分には、段差部101及びエンジン突出部102は設けられていないため、「段差部101よりも前側」を「段差部101と同じ前後位置よりも前側」と読み替え、「エンジン突出部102の左側側面」を「エンジンユニットEの右側側面におけるエンジン突出部102と同じ前後範囲」と読み替える。
したがって、本実施形態では、フロントサイドフレーム5の屈曲部5fがエンジンユニットEにおける車幅方向の側面に当接した後、補強部40が屈曲部5fと当該側面との当接点を支点にして回動することができるため、エンジンユニットEから左右のフロントサイドフレーム5に伝達される衝突荷重における、上記障害物Aとは反対側である車幅方向内側に向かう成分の比率を出来る限り大きくすることができる。この結果、上記SOL衝突時に車両前部に対して横力を効率的に発生させることができる。
また、本実施形態では、バンパーレインフォースメント18は、車幅方向両側の端部が車幅方向中央部よりも後側に位置するように、上側から見てアーチ状に湾曲した形状をなしているため、上記SOL衝突時に、バンパーレインフォースメント18が衝突荷重によって車幅方向内側に向かって湾曲変形しやすくなっている。これにより、上記SOL衝突時に、上記SOL衝突が発生した側のバンパー外側部18aが車幅方向内側に移動しやすくなる。そのため、当該バンパー外側部18aを介して、上記SOL衝突が発生した側の補強部40に入力される衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分の比率を出来る限り大きくすることができる。これにより、車両1のSOL衝突時に該車両1の前部に対して上記横力をより効率的に発生させることができる。
また、本実施形態では、エンジンユニットEは、上側から見て、車幅方向両側の側面のうち左側側面における前後方向中間位置に、該中間位置よりも前側が左側に突出した段差部101が形成されており、段差部101の後側には空隙103が形成されている。これにより、車両1の前面の左側部分が上記障害物Aと上記SOL衝突したときに、左側の補強部40が十分に回動せず、左側の補強部40及び左側のフロントサイドフレーム5の屈曲部5fを介してエンジンユニットEに伝達される上記衝突荷重における後側に向かう成分の比率が比較的高い場合でも、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分によって屈曲部5fが段差部101の位置まで後退すれば、上記衝突荷重における車両後側に向かう成分はエンジンユニットに伝達されにくくなる。このため、上記衝突荷重における車幅方向内側に向かう成分を効率的にエンジンユニットEに伝達させることができる。この結果、車両1のSOL衝突時に該車両1の前部に対して上記横力を一層効率的に発生させることができる。
さらに、本実施形態1では、補強部40の上面部43の基端部43cはフレーム上壁部5cと一体的に接合され、補強部40の下面部44の基端部44cはフレーム下壁部5dと一体的に接合されているため、フロントサイドフレーム5における補強部40が結合された部分は、フロントサイドフレーム5における他の部分よりも車幅方向の荷重に対する強度が高くなっている。そのため、上記SOL衝突時に、上記SOL衝突が発生した側の補強部40に、上面部43及び下面部44の外側部43a,44aの対角線に沿うように荷重が入力されたときには、上記SOL衝突が発生した側のフロントサイドフレーム5は、上記フレーム後部で車幅方向内側に向かって屈曲しやすい。これにより、上記SOL衝突時に、フロントサイドフレーム5の屈曲部5fをエンジンユニットEに当接させやすくなる。この結果、車両1のSOL衝突時に該車両1の前部に対して上記横力をより効率的に発生させることができる。
また、本実施形態では、車両1の側方から見て、補強部40の後側結合フランジ46aと重複する前後位置に、第2の節部材72が配設されているため、フロントサイドフレーム5における第2の節部材72が設けられた部分は、フロントサイドフレーム5における他の部分よりも車幅方向の荷重に対する強度が高くなっている。補強部40の後側結合フランジ46aは、上記SOL衝突時に補強部40に入力された衝突荷重が集中する部分であるため、フロントサイドフレーム5における後側結合フランジ46aと結合された部分は、補強しなければ上記SOL衝突時に屈曲する可能性が高い。そのため、補強部40の後側結合フランジ46aと重複する前後位置に第2の節部材72が配設されていることによって、上記SOL衝突時には、上記SOL衝突が発生した側のフロントサイドフレーム5は、特に補強部40の後側結合フランジ46aの後端付近で屈曲しやすくなる。これにより、上記SOL衝突時に、フロントサイドフレーム5が屈曲する位置を制御しやすくなり、車両1のSOL衝突時に該車両1の前部に対して上記横力をより一層効率的に発生させることができる。
特に、本実施形態では、第2の節部材72は、節本体部72aが後面部46の車幅方向内側の端部と同じ前後位置に位置するように、フロントサイドフレーム5の内部空間に配置されているため、上記SOL衝突時に、フロントサイドフレーム5における補強部40が設けられた部分がより屈曲しにくくするとともに、フロントサイドフレーム5における補強部40の後側結合フランジ46aの後端付近をより屈曲しやすくすることができる。この結果、上記SOL衝突時に、フロントサイドフレーム5が屈曲する位置をより制御しやすくすることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上述の実施形態では、段差部101は、エンジンユニットEの左側側部にのみ設けられていたが、これに限らず、エンジンユニットEの右側側部にも形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、バンパーレインフォースメント18は、車幅方向両側の端部が車幅方向中央部よりも後側に位置するように、上側から見てアーチ状に湾曲した形状をなしているが、これに限らず、バンパーレインフォースメント18の全体のうちバンパー外側部18aのみが車幅方向外側に向かって後側に湾曲し、残りの部分が車幅方向に沿って真っ直ぐに伸びる形状であってもよい。また、バンパー外側部18aの形状が上記のような湾曲形状ではなく、車幅方向外側に向かって後側に傾斜した形状であってもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、スモールオーバーラップ衝突時に車両前部に対して横力を効率的に発生させるための、車両の前部車体構造として有用である。
1 車両
5 フロントサイドフレーム
5b フレーム外壁部
6 クラッシュカン
18 バンパーレインフォースメント
40 補強部(突出部)
43 上面部
43a 外側部
44 下面部
44a 外側部
45 前面部
46 後面部
46a 後側結合フランジ部(後側結合部)
47 側面部
72 第2の節部材
101 段差部

Claims (5)

  1. 車両の前部車体構造であって、
    車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレームと、
    上記左右一対のフロントサイドフレームの間に上記各フロントサイドフレームと離間して配設されたエンジンユニットと、
    上記左右一対のフロントサイドフレームの車両前側端にそれぞれ固定され、車両前後方向に延びる左右一対のクラッシュカンと、
    上記左右一対のクラッシュカンの車両前側端面同士を連結するように車幅方向に延びるバンパーレインフォースメントと、
    上記各フロントサイドフレームにそれぞれ結合されかつ各フロントサイドフレームの車幅方向外側の側壁であるフレーム外壁部よりも車幅方向外側に突出するようにそれぞれ設けられた突出部であって、車幅方向内側の部分が上記フロントサイドフレームに結合された前面部と、該前面部と車両後側に離間して設けられかつ車幅方向内側の端部が上記フロントサイドフレームに結合された後面部と、上記前面部及び上記後面部の車幅方向外側の縁部同士を連結する側面部と、上記前面部、上記後面部、上記側面部及び上記フロントサイドフレームによって形成された空間の上端及び下端を画定する上面部及び下面部とを有する突出部とを備え、
    上記バンパーレインフォースメントの車幅方向の長さは、上側から見て、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向一側かつ車両後側の端と、上記バンパーレインフォースメントの車幅方向他側の端に近い上記クラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さが、上記バンパーレインフォースメントの上記一側の端に近い上記突出部における上記前面部の上記一側の端と、上記他側の上記クラッシュカンにおける車両前側端面の車幅方向中央とを結ぶ直線の長さよりも長くなるような長さに設定され、
    上記各突出部の上記後面部は、車幅方向内側に向かって車両後側に傾斜されかつ車幅方向内側の端部に上記フロントサイドフレームに結合される後側結合部が設けられ、
    上記各突出部は、上側から見て、上記上面部及び上記下面部における上記フレーム外壁部よりも車幅方向外側の部分を外側部として、該外側部の車幅方向外側かつ車両前側の角部から車幅方向内側かつ車両後側に向かう該外側部の対角線の延長線が、上記エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該外側部に近い側面における車両前側端よりも車両後側と交わるようにそれぞれ配置されており、
    上側から見て、上記バンパーレインフォースメントの延びる方向と直交する方向の長さ及び上記上面部又は下面部の上記外側部における上記対角線の長さは、それらの長さを合計した値が、上記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁と上記エンジンユニットの車幅方向両側の側面のうち当該フロントサイドフレームに近い側面との間の車幅方向の長さよりも大きい値となる長さにそれぞれ設定され、
    上記各フロントサイドフレームは、上記突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度が、当該突出部の車両後側端の位置よりも車両後側の部分における、車幅方向に入力される荷重に対する強度よりも高くなるように構成されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 請求項1に記載の車両の前部車体構造において、
    上記エンジンユニットは、上側から見て、車幅方向両側の側面のうち少なくとも一方側の側面における車両前後方向中間位置に、上記一方側の側面の上記中間位置よりも前側が上記一方側の側面に近い上記フロントサイドフレームに向かって突出した段差部を有しており、
    上記一方側の側面に近い突出部は、上側から見て、上記上面部及び上記下面部の上記外側部における上記対角線の延長線が、上記エンジンユニットの上記一方側の側面における車両前側端よりも車両後側かつ上記段差部よりも車両前側と交わるように配置され、
    上記バンパーレインフォースメントの延びる方向と直交する方向の長さ及び上記一方側の上記上面部又は上記下面部の上記外側部における上記対角線の長さは、それらの長さを合計した値が、上記一方側の上記フロントサイドフレームの車幅方向内側の側壁と上記エンジンユニットの上記一方側の側面における上記段差部よりも車両前側の部分との間の車幅方向の長さよりも大きい値となる長さにそれぞれ設定されていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の前部車体構造において、
    上記各フロントサイドフレームは、車両前後方向に延びる閉断面形状を有しており、
    上記各フロントサイドフレームの内部空間には、車両側方から見て、上記突出部の上記後面部における上記後側結合部と重複する車両前後方向の範囲に、当該内部空間を車両前後方向に仕切る節部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする車両の前部車体構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両の前部車体構造において、
    上記各フロントサイドフレームにおいて、上記突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分の板厚は、当該突出部の車両後側端の位置よりも車両後側の部分の板厚よりも厚いことを特徴とする車両の前部車体構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両の前部車体構造において、
    上記各フロントサイドフレームにおける上記突出部の車両後側端の位置よりも車両前側の部分には、上記各フロントサイドフレームにおける当該部分に対して、車幅方向に入力される荷重に対して補強するための補強部材が設けられていることを特徴とする車両の前部車体構造。
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