JP2018144492A - デジタル印刷機のためのマルチレベル濃淡度補償 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、印刷ノズルと計算機とを備えたインクジェット印刷機において、印刷過程の間に色濃淡度の不均衡を修正する方法を記載する。【解決手段】計算機は、網目スクリーン化された印刷像の処理後に、目標の色濃淡度値を得るために、被印刷材料上に塗布されるべきインク滴の数または大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）を変える。本発明は、テスト版の計測によって、各印刷ノズルに対して、色測定機器によって、種々の実際のトーンバリューのもとで、目標の色調を得るためにどのような目標のトーンバリューが必要であるかが求められ、ここから、網点面積率に関連する補償プロファイルが求められ、計算機内に格納され、補償プロファイルは、印刷過程時に、インク滴の数または大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）を計算するために、計算機において適用される、ということを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、印刷ノズルと計算機とを備えたインクジェット印刷機において、印刷過程の間に色濃淡度の不均衡を修正する方法に関する。ここでこの計算機は、網目スクリーン化された印刷像の処理後に、目標の色濃淡度値を得るために、被印刷材料上に塗布されるべきインク滴の数または大きさを変える。

色濃淡度の不均衡を修正する、上位概念に記載されている方法は、色濃淡度修正を、印刷像の網目スクリーン化後に、実行することができる。この際に、印刷像を再度、網目スクリーン化する必要はない。これは重要である。なぜなら、印刷像の再度の網目スクリーン化には、膨大な計算能力と時間とが必要になるからである。特に、色濃淡度における修正が少ない場合には、時間のかかる、印刷像の再度の網目スクリーン化は不経済である。なぜなら、印刷過程が相応に遅延してしまうからである。これは特に、部数が少ない場合に不経済である。これはデジタル印刷機、例えば、インクジェット印刷機においてしばしば発生する。したがって被印刷材料上に塗布されるべきインク滴の数または大きさを変えることによって、印刷像の再度の網目スクリーン化を回避し、かつ色濃淡度の不均衡を修正する。これは、インクジェット印刷ヘッドの制御カード内の相応する修正アルゴリズムによって行われる。すなわちこれは、色濃淡度の修正が、印刷像の網目スクリーンプロセス後に行われることを意味している。

従来技術から、さらに、網目スクリーン化された印刷像を修正する方法が公知である。これらの方法は、再度の網目スクリーン化プロセスを必要とする。ここでは、印刷像の網目スクリーン値に修正値が重ねられ、画像が相応に新たに網目スクリーン化される。この方法は極めて時間がかかり、特に米国特許出願公開第２００６／０２６２１５１号明細書（US 2006/0262151 A1）から公知である。再度の網目スクリーン化を伴うこの方法は、質的に極めて良好な結果をもたらすが、印刷像が新たに網目スクリーン化されなければならないという欠点を有している。これは相応に、長い時間を要する。

印刷像の再度の網目スクリーン化を伴わない、インク滴の数および大きさの後から行われる修正を伴う上述の方法は、目下、次のような欠点を有している。すなわち、補償がある１つのトーンバリュー領域に対してしか最適化可能でないという欠点である。このトーンバリュー領域から偏差するトーンバリューを伴う印刷像における画像領域は、多くの場合、十分には補償されない。この不十分な補償は、印刷像において、隣接する印刷ヘッドの重畳領域、いわゆるスティッチング領域において強く作用する。なぜなら、この領域は、複数の印刷ヘッドの調量特性に基づいて、一般的に、特に強い補償を必要とするからである。

本発明の課題は、色濃淡度値修正時の印刷像の再度の網目スクリーン化を回避し、かつ偏差するトーンバリューを有する複数の画像領域に対しても、色濃淡度の不均衡を補償することができる、印刷ノズルおよび計算機を有するインクジェット印刷機において、印刷過程の間に色濃淡度の不均衡を修正する方法を提供することである。

上述の課題は、本発明では、請求項１によって解決される。本発明の有利な構成は、従属する特許請求の範囲、明細書および図面から明らかである。

本発明では、テスト版の計測によって、インクジェット印刷機の印刷ヘッド内の各印刷ノズルに対して、色測定機器によって、種々の実際のトーンバリューのもとで、目標の色調を得るためにどのような目標のトーンバリューが必要であるかが求められる。すなわちこれは、テスト版上に、その目標の色調が所望されている種々のトーンバリューが載せられていることを意味する。色測定機器によって求められた実際のトーンバリューに基づいて、次に、所望の目標の色調を得るために必要な適切な目標のトーンバリューが求められる。求められたこの目標のトーンバリュー／目標の色調の対から、次に、網点面積率に関連する補償プロファイルが求められ、インクジェット印刷機の計算機内に格納される。次に、この網点面積率に関連する補償プロファイルが、各印刷過程において、既に網目スクリーン化された印刷像に適用され、これによって、インク滴の適切な数または大きさが、インクジェットヘッドの調量時に、計算機において計算される。このようにして容易かつ迅速に、色濃淡度の修正を行うことができる。これは、種々のトーンバリュー領域に対しても、色濃淡度における顕著な改善をもたらす。

本発明の方法の有利な実施形態では、計算機は、網点面積率に関連する補償プロファイルを次のことによって適用する。すなわち、計算機が印刷過程の間、インク滴の必要な数および大きさをリアルタイムで計算することによって適用する。リアルタイムでのこの計算によって、本発明に相応した色濃淡度の不均衡の修正によって時間遅延は発生しない。したがってこの修正方法を各印刷過程において、付加的な時間損失を伴わずに適用することができる。リアルタイムでのインク滴の必要な数および大きさの計算は、ここで、インクジェットヘッドの駆動制御電子回路、特に制御カード上で実行される。これは、印刷前段階のラスタイメージプロセッサ（ＲＩＰ）での印刷像の時間のかかる再度の網目スクリーン化を回避する。

本発明の別の構成では、インク滴は２つの大きさで存在し、計算機は、この２つの大きさにおけるインク滴の必要数を計算する。ここで、インク滴は有利には大きさＳおよびＭで存在する。さらにインク滴の大きさ０が存在する。これは零インク滴とも称される。すなわち、インク滴が塗布されない。このようにして、２つのインク滴の大きさだけで、トーンバリュー領域が異なる場合でも、色濃淡度の不均衡を効率的に修正することができる。当然ながら、この方法は、より多くの数の大きさ、特に付加的な大きさＬを伴っても機能する。しかしこれは、より多くの計算能力を必要とするのに、色濃淡度の不均衡の修正をそれほどは改善しない。

さらに本発明では、計算機は、補償プロファイルの計算時に複数のステップを行う。このステップには特に、強度プロファイルの計算、空白行の除去、強度プロファイルの整合、印刷ノズルへの画像点の割り当てならびに目標値の計算が属する。このようにして、この修正方法では、色濃淡度の不均衡が修正されだけではなく、別の画像エラーも回避される。ここでは空白行はマスキングされ、これに加えて濃淡度プロファイルが計算機によってならされる。

有利には、網点面積率スケール（Ｆｌａｅｃｈｅｎｄｅｃｋｕｎｇｓｋｅｉｌ）の形態の原稿から、インク滴の数および大きさが、網点面積率に関連して計算され、この結果がインク滴混合テーブルの形態で格納される。このインク滴混合テーブルは、その後、印刷過程の際に、色濃淡度の不均衡の修正のために用いられる。

さらに、計算機は、各ノズルに対して、実際の網点面積率と目標の網点面積率とを計算する。この目標の網点面積率は、ここで、印刷されたテスト版の濃淡度プロファイルの分析から生じる。また各ノズルに対する実際の網点面積率は、測定値から、テスト版を用いて、計算機によって導出される。ここで重要なのは、計算機の終端部で、各ノズルに対して、実際の網点面積率と属する目標の網点面積率とが既知であり、したがって各ノズルに対して相応の修正値が提供可能であり、インク滴混合テーブルの作成時にこれを考慮することができる、ということである。

さらに、計算機が、補償ファクタを目標の網点面積率と実際の網点面積率とから計算してよい。インク滴混合テーブルは、例えば大きさＳのインク滴と大きさＭのインク滴とがどのくらい、特定の網点面積率のために必要なのかを求めるために必要とされる。

本発明を以降で、複数の図面に基づいて、詳細に説明する。

インク滴混合テーブルを用いた色濃淡度を修正する本発明の方法 インク滴混合テーブルの構造 網点面積率スケールの分析からのインク滴混合テーブルと補償ファクタの作成 印刷過程での色濃淡度の修正のためのインク滴テーブルと補償ファクタの適用

図１は、インクジェット印刷機の駆動制御のための、インク滴の生成時の、網目スクリーン化された印刷像上の新式の種類のマルチレベル濃淡度補償方法の流れを示している。まずは、従来技術の場合のように、網目スクリーン化プロセス５によって、印刷像が複数の色分解版で網目スクリーン化される。網目スクリーン化プロセス５では、各インクに対して１つの色分解版がグレースケールで作成される。このグレースケールピクセルは、その後、インクジェット印刷機の印刷ノズルの駆動制御のための相応する駆動制御パラメータに変換されなければならない。ここで図１では、２つの異なるインク滴の大きさで、すなわち、インク滴の大きさＳおよびＭで作業が行われる。さらに、網目スクリーンタイプＬｉｎｏｐｒｉｎｔ ０２（Ｐｕｒｅ Ｓ）での網目スクリーンソフトウェアの変換テーブルから、次のことが判明している。すなわち、０から５０％の網点面積率の領域での網点面積率の上昇時には、存在していない画像点から、小さいインク滴Ｓが作成され、５０から１００％の網点面積率値では、網点面積率の上昇時には、Ｓインク滴から、大きさＭのインク滴が作成され、網点面積率の低下時には、５０から１００％の網点面積率の場合には、Ｍインク滴がＳインク滴に変換され、０から５０％の網点面積率の場合には、Ｓインク滴が空白箇所に変換される、ということが判明している。このようにして、網点面積率がインクジェット印刷機内でまたは印刷前段階において、操作者によって意図的に上昇または低減される。

混合網目スクリーンの使用も可能であり、したがって例えば零インク滴が７０％の網点面積率まで発生し、Ｍインク滴が３０％の網点面積率から発生してよい。

左側の画像縁部では、インク滴の分配および大きさがインク滴混合テーブル４によって、種々のトーンバリュー領域でどのように細かく段階付けされ得るのかが見て取れる。図２において拡大して示されているこのインク滴混合テーブル４は、０％の網点面積率において、インク滴を含んでいない。１３％の網点面積率の場合には、２０個のＳインク滴と３個のＭインク滴とが使用される。２５％の網点面積率の場合には、４０個のＳインク滴と５個のＭインク滴とが使用される。３８％の網点面積率の場合には、６０個のＳインク滴と、８個のＭインク滴とが使用される。これは、１００％の網点面積率まで上昇する。ここでは、Ｍインク滴が１００％使用される。図２も参照。このインク滴混合テーブル４は、本発明の濃淡度偏差検出方法および補償方法１で使用される。インク滴の大きさの修正２による網点面積率の上昇は、ここでこれまでの方法と同様に行われる。濃淡度偏差検出方法および補償方法１におけるインク滴混合テーブル４での適用の後に、かつ網点面積率値を所期のように上昇または低減するためのインク滴の大きさの修正２による所望の変化の後に、印刷ノズルの駆動制御に適した印刷像３が生じる。印刷像３に属しているインク滴駆動制御信号による印刷ノズルの駆動制御によって、インクジェット印刷機において、駆動制御されたインクジェットプリントヘッドによって、所望の印刷された色濃淡度６で印刷像が作成される。

本発明の中心となる部分は、インク滴混合テーブル４である。インク滴混合テーブルは図２に拡大して示されている。このインク滴混合テーブル４は、特定の網点面積率値で、大きさＳおよびＭもしくはインク滴が存在していない場合の０（Ｚインク滴とも称される）で、それぞれ相応する、属するインク滴の数を含んでいる。インク滴混合テーブル４はここで、デジタルの前段階印刷像から、有利には、ＴＩＦＦフォーマットで導出される。このデジタルの印刷像はテスト版であり、これは、網点面積率スケールを含んでいる。すなわち、網点面積率値は、有利にはインク滴混合テーブル４の網点面積率の段階付けに適合する特定の段階付けで存在し、インクジェット印刷機において印刷される。網点面積率スケールから、次に、網点面積率に関連して、インク滴組成が計算される。これは、インク滴混合テーブル４の形態で、インクジェット印刷機の計算機内に格納される。

図３において、濃淡度偏差の補償および検出時の手法が詳細に説明されている。ここでも、デジタルのテスト版が印刷像の形態で、網点面積率スケールを含んでいるＴＩＦＦフォーマットで、まずは、デジタル印刷機によってプリントアウトされ、計測されることが見て取れる。この計測は、ここで色測定機器によって行われる。この色測定機器は被印刷材料を、インクジェット印刷機内でまたはインクジェット印刷機外で計測する。実際の網点面積率が提供され、目標の網点面積率が格納され、これによって、目標のトーンバリューが得られる。さらに、計算機において、いわゆる、網点面積率に関連する目標のトーンバリューが求められる。これは、例えば、実際の網点面積率が存在している際の、ある印刷インクの全てのノズルの平均の強度もしくは濃淡度から得られる。測定された実際のトーンバリューに関連して、各ノズルに対して、計算機内で、相応する実際の網点面積率Ｉｓｔ−ＦＤが計算され、網点面積率に関連する目標のトーンバリューから、相応する目標の網点面積率Ｓｏｌｌ−ＦＤが計算される。これら２つの値から、計算機は、補償ファクタＣｏｍｐを計算する。これは、計算機が目標の網点面積率から実際の網点面積率を減じ、実際の網点面積率によって除算することによって行われる。この補償ファクタＣｏｍｐは、各ノズルに対する数値として格納される。これに並行して、網点面積率スケールのデジタル印刷像が計算機内で分析され、ここから、相応するインク滴混合テーブル４が導出される。インク滴混合テーブル４は、網目スクリーン化プロセス毎に１度だけ求められる。なぜなら、インク滴混合テーブル４は、網目スクリーン化パラメータが変更されない場合には、変更されないままだからである。

図４に、濃淡度偏差検出方法および補償方法１の適用を詳細に記載する。印刷像に関連して、インク滴の大きさ０、Ｓ、Ｍに相応するインク滴の大きさ０、１、２を有する特定の駆動制御周波数が生じることが識別される。実際の網点面積率から、および実際の画像段に有効な網点面積率に関連する補償特性曲線から、補償ファクタＣｏｍｐが計算され、ここから同様に、目標の網点面積率が計算される。この結果として、印刷ノズルの駆動制御のために、一連のインク滴の入力シーケンスが出力シーケンスに変化する。図４では、このシーケンスの６番目のインク滴が、大きさＳから大きさＭに変更されることが見て取れる。９番目のインク滴も同様である。付加的に、１０番目のインク滴が、インク滴が塗布されないことから、大きさＳの形態で塗布される。

本発明の方法は、網目スクリーンの正確な構造を、種々の網点面積率において、インク滴混合テーブル４を用いて考慮する、という利点を有している。基本的に、インクジェット印刷ヘッドの駆動制御のための画像網目スクリーン化と同じ数の０、ＳおよびＭインク滴も得られる。しかしこれは、場合によっては、インク滴を網目スクリーン化プロセスとは異なる箇所に位置付ける。

図４の手法に対して択一的に、ここで使用されている加算修正の代わりに、乗算によるアプローチを使用することも可能である。画像境界でのアーチファクトを回避するために、加算修正は、エッジフィルターを使用し、これによって、エラーカウンターがリセットされる。このようなエラーカウンターは、計算機において、付加的なメモリ場所を必要とし、これは特に、印刷ノズルの、ＦＰＧＡの形態で構築された駆動制御カード上に実装する場合に、リソース問題の原因となる。これは、エッジフィルターが必要なく、したがって実装の利点を有している、乗算によるアプローチが使用される場合に、回避される。

１ 濃淡度偏差検出および補償方法
２ インク滴の大きさの修正
３ 印刷像
４ インク滴混合テーブル
５ 網目スクリーン化プロセス
６ 印刷された濃淡度
０ インク滴無し
Ｓ 比較的小さいインク滴
Ｍ 中程度のインク滴
Ｌ 比較的大きいインク滴
ＦＤ 網点面積率
Ｃｏｍｐ 補償ファクタ

Claims (9)

1. 印刷ノズルと計算機とを備えたインクジェット印刷機において、印刷過程の間に色濃淡度の不均衡を修正する方法であって、
   前記計算機は、網目スクリーン化された印刷像の処理後に、目標の色濃淡度値を得るために、被印刷材料上に塗布されるべきインク滴の数または大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）を変える形式の方法において、
   テスト版の計測によって、各印刷ノズルに対して、色測定機器によって、種々の実際のトーンバリューのもとで、目標の色調を得るためにどのような目標のトーンバリューが必要であるかが求められ、ここから網点面積率に関連する補償プロファイルが求められ、前記計算機内に格納され、前記補償プロファイルは、前記印刷過程時に、前記インク滴の数または大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）を計算するために、前記計算機において適用される、
   ことを特徴とする、
   方法。
2. 前記計算機が前記印刷過程の間に、前記インク滴の必要な数および大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）をリアルタイムで計算することによって、前記計算機は、前記網点面積率に関連する補償プロファイルを適用する、
   請求項１記載の方法。
3. 前記インク滴は、２つの大きさ（Ｓ，Ｍ）で存在しており、前記計算機は、前記２つの大きさ（Ｓ，Ｍ）において、前記インク滴の必要な数を計算する、
   請求項１または２記載の方法。
4. 前記インク滴は、両方の大きさＳとＭとで存在している、
   請求項３記載の方法。
5. 前記計算機は、前記補償プロファイルの計算時に、複数のステップを行う、
   請求項１から４までのいずれか１項記載の方法。
6. 前記ステップは、強度プロファイルの計算、空白行のマスキング、強度プロファイルの整合、印刷ノズルへの画像点の割り当てならびに目標値の計算を含んでいる、
   請求項５記載の方法。
7. デジタルの形態の原稿から網点面積率スケールを計算し、前記計算機は、前記インク滴の数および大きさ（０，Ｓ，Ｍ，Ｌ）を、網点面積率（ＦＤ）に関連して計算し、結果をインク滴混合テーブルの形態で格納する、
   請求項１から６までのいずれか１項記載の方法。
8. 前記計算機は各ノズルに対して、実際の網点面積率と目標の網点面積率とを計算する、
   請求項１から７までのいずれか１項記載の方法。
9. 前記計算機は、補償ファクタを前記目標の網点面積率と前記実際の網点面積率とから計算する、
   請求項８記載の方法。

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