JP2018142931A - 音制御システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】グループとして一括調整される複数チャンネルストリップのパラメータ設定状態を不都合なく個別チャンネルに展開し提示する。
【解決手段】音制御装置(10)で、複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して該複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループが割り当てられ、該1つのチャンネルストリップの操作に応じて、該グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて音信号調整用パラメータを連動制御する。展開制御部(13)は、展開指示に応じて、グループに属する前記1以上のチャンネルにおける各調整用パラメータの値を提示するために、外部機器(15)のディスプレイ(12)及び複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおける各調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する。
【選択図】 図1
【解決手段】音制御装置(10)で、複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して該複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループが割り当てられ、該1つのチャンネルストリップの操作に応じて、該グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて音信号調整用パラメータを連動制御する。展開制御部(13)は、展開指示に応じて、グループに属する前記1以上のチャンネルにおける各調整用パラメータの値を提示するために、外部機器(15)のディスプレイ(12)及び複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおける各調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、操作パネル上に設けられた1チャンネルストリップに1チャンネルグループを割り当て、該グループに属する複数チャンネルで処理する音信号の調整用パラメータを該チャンネルストリップ内の操作子によって一括して調整しうる音制御システムに関し、詳しくは、該チャンネルグループに属する各チャンネルの調整用パラメータの値を可視的に展開する技術の改良に関する。
オーディオミキサ(以下単に「ミキサ」とも言う)は、大略、各チャンネルにおいて、入力された音信号の音特性調整処理を行い、処理後の音信号をバスに選択的に出力し、各バスにおいて、1又は複数のチャンネルから供給された音信号を混合して、混合結果を出力先に出力するように構成される。デジタルミキサは、専ら、デジタル音信号に対するデジタル信号処理により、チャンネル毎の音特性処理や音信号の経路設定処理などの各種信号処理を行う。ミキサのメモリには、それら信号処理に用いる全てのパラメータの値が記憶される。ミキサの操作パネル上に、フェーダ、エンコーダ及び各種ボタンなど複数の操作子を備えたチャンネルストリップを複数備え、各チャンネルストリップに対して、例えば1つのチャンネルなど任意の操作対象を割り当て、そのチャンネルストリップの操作子を用いて、該割り当てられた操作対象のパラメータの値を調整するように構成される。
また、従来、複数のチャンネルをグループ化し、そのチャンネルグループ(以下単に「グループ」とも言う)に属する各チャンネルを一括制御するグループ化機能が知られている(例えば、非特許文献1,2を参照)。例えば、1つのグループに属する各チャンネルについて、1つのグループ用フェーダ操作子で一括してレベルを調整したり、一括してミュートのオン/オフを行ったりすることができる(非特許文献1の第92〜98頁の第7章DCAグループ/ミュートグループ、非特許文献2の第113〜121頁の第11章グルーピング/リンク)。さらに、非特許文献2の第120,121頁には、グループに属する複数のチャンネルの所望のパラメータを連動(リンク)させるチャンネルリンク機能が開示されている。
上述したように複数チャンネルを1つのグループにまとめて、そのグループに属する複数チャンネルを1つの操作子で操作するグループ化機能は便利であるが、その一方で、そのグループ内の複数のチャンネルを個別に操作したい場合もある。そこで、グループを構成する個々のチャンネルを、所定の操作でCHストリップへ展開できるデジタルミキサが知られている。展開先のCHストリップを柔軟に指定する工夫として、下記特許文献1は、操作パネル上の複数のCHストリップを複数のブロックに分け、そのうち1ブロックを展開先として指定する構成により、指定された1ブロックに属する複数チャンネルストリップに対して、グループを構成する複数チャンネルをそれぞれ展開することを開示している。
また、下記特許文献2は、複数のチャンネルストリップ中のチャンネルストリップ毎に、操作対象としてチャンネル又はグループを指定するか/若しくはそのチャンネルストリップを該グループに属する各チャンネルを個別に展開するための展開用チャンネルストリップに指定する、操作対象指定情報を記憶しておき、該操作対象指定情報に基づいて前記複数のチャンネルストリップに対して操作対象を割り当てるようにし、その際、展開用チャンネルストリップに指定されたチャンネルストリップにはチャンネル及びグループの何れも割り当てずに展開用チャンネルストリップとして空き状態に設定しておき、或るグループの展開指示に応じて該展開用チャンネルストリップに対して該展開指示されたグループに属する各チャンネルを割り当てることを開示している。
「YAMAHA DIGITAL MIXING CONSOLE PM5D/PM5DRH取扱説明書」、[online]、ヤマハ株式会社、2004年、[平成27年3月10日検索]、インターネット〈URL:http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/cs1d_ja_om_r21.pdf?_ga=1.189649067.145683692.1426226024〉
「DIGITAL MIXING CONSOLE M7CL、取扱説明書」、[online]、ヤマハ株式会社、2005年、[平成27年3月10日検索]、インターネット〈URL: http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/m7cl_ja_om_e0.pdf?_ga=1.261478797.145683692.1426226024〉
上記特許文献1、2に示されたような従来技術においては、いずれも、複数のチャンネルストリップのうち所定の1ブロック分のチャンネルストリップ又は指定された複数のチャンネルストリップが、展開用チャンネルストリップとして専用に設定される構成であるため、非展開時においては展開専用チャンネルストリップを空き状態にしておく必要があり、チャンネルストリップの利用効率が悪いという問題がある。よって、チャンネルストリップの総数が少ない小規模のミキサには適していない。なお、展開専用チャンネルストリップを設けることなく、展開指示に応じて任意のチャンネルストリップを展開用チャンネルストリップとして使い分けることも可能であるが、そうすると、展開指示直前における該任意のチャンネルストリップの調整状態が展開内容によって上書きされることで無効にされるので好ましくない。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、1グループとして一括調整される複数チャンネルストリップのパラメータ設定状態を個別チャンネルに展開してユーザに提示することを不都合なく行うことができる音制御システム及び方法を提供することを目的とする。
この発明は、音制御装置と、ディスプレイを備えた外部機器とからなる音制御システムであって、前記音制御装置は、音信号処理用の複数のチャンネルと、複数のチャンネルストリップであって、各チャンネルストリップが音信号を制御するための操作子を備えるものと、前記複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して前記複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当てるグループ割り当て部であって、該1グループが割り当てられた前記1つのチャンネルストリップの前記操作子の操作に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるようにするものと、前記外部機器と通信するための通信インターフェースと、展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示するための展開制御部であって、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する、前記展開制御部を備える音制御装置である。
この発明によれば、展開指示に応じて、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示するので、展開専用のチャンネルストリップを用意する必要がないため、チャンネルストリップを無駄なく効率的に利用することができる。また、展開指示がなされたとき、それまで使用していたチャンネルストリップの設定内容が、そのまま維持されるか若しくは外部機器のディスプレイ装置で表示されることにより、提示され続けるので、展開内容で上書きされて無効にされるようなことが起こらない。また、音制御装置それ自体がディスプレイを具備することなく、適宜の外部機器が持つディスプレイを使用することができるので、音制御装置それ自体の構成を簡素化かつ低コスト化することができる。
また、この発明は、装置(システム)の発明として構成及び実施し得るのみならず、前記装置(システム)を構成する各構成要素に対応するステップを備える方法の発明として実施及び構成されてよい。
この発明によれば、展開専用のチャンネルストリップを用意する必要がないので、チャンネルストリップを無駄なく効率的に利用することができ、また、展開指示がなされたとき、それまで使用していたチャンネルストリップの設定内容が展開内容で上書きされて無効にされるようなことが起こらない、等の優れた効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、この発明の一実施形態について詳細に説明する。
図1は、この発明に係る音制御システムの構成例を説明する概念的ブロック図を示す。図1において、音制御システムは、音制御装置10と、外部機器15とからなる。音制御装置10は、音信号処理用の複数のチャンネルCH1〜CHnと複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkとを少なくとも備える。各チャンネルストリップSTP1〜STPkは、音信号を制御するための1以上の操作子OP1〜OPkを備える。これらの操作子OP1〜OPkは、オーディオミキサなどで知られた音量制御用フェーダあるいは回転ノブあるいはスイッチのような、ユーザ操作可能且つ電気的に自動制御可能な物理的操作子である。音制御装置10が有する音信号処理用のチャンネルCH1〜CHnの数(n)はかなり多数であるが、これに比べて、チャンネルストリップSTP1〜STPkの数(k)は少ない(例えば、nが100以上であるのに対して、kは10数個程度)。このため、チャンネルストリップSTP1〜STPkの各々に対して任意のチャンネルを割り当て、各チャンネルストリップSTP1〜STPkではそこに割り当てられたチャンネルで処理する音信号を処理するための音量その他のパラメータを、該ストリップSTP1〜STPkに設けられた操作子OP1〜OPkの操作に応じて設定・調整できるように構成されている。このように、限られた数からなる複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkのうちの任意の1チャンネルストリップに対して任意の1チャンネルを割り当て、該1チャンネルにおける音信号の処理のための設定・調整操作を該1チャンネルストリップ内の操作子によって行うこと(便宜上、これを「個別チャンネル割り当て」機能という)は公知であるため、詳しい説明は省略する。
一方、チャンネルストリップに対するチャンネル割り当て機能の一種として、1つのチャンネルストリップに対して複数のチャンネルを割り当てる「グループ割り当て」機能も公知である。そのような「グループ割り当て」機能のために、音制御装置10は、さらに、グループ割り当て部11を備えている。グループ割り当て部11は、前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPk中の1つのチャンネルストリップに対して前記複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当て、該1グループが割り当てられた前記1つのチャンネルストリップ内の前記操作子の操作に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるように、動作する。
そして、本発明によれば、このような「グループ割り当て」機能に関連して、外部機器15に備わるディスプレイ12が使用され、さらに、音制御装置10においては、展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示するための展開制御部13が設けられる。また、音制御装置10においては、外部機器15との間で情報を授受するために通信インターフェース14が設けられる。展開制御部13は、前記外部機器15のディスプレイ12及び前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkの前記操作子OP1〜OPkの設定内容を提示する。これにより、1グループを指定した展開指示に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を、外部機器15のディスプレイ12に表示する、若しくは、前記複数のチャンネルストリップ中の1以上のチャンネルストリップにそれぞれ設定することで、該調整用パラメータをチャンネル別に展開して提示する。ユーザはこの提示を見て、該グループ内の複数チャンネルそれぞれの音信号の調整用パラメータの設定状態を確認することができる。したがって、展開専用のチャンネルストリップを用意する必要がないので、チャンネルストリップSTP1〜STPkを無駄なく効率的に利用することができる。また、展開指示がなされたとき、それまで使用していたチャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容が、そのまま維持されるか若しくは外部機器15のディスプレイ12で表示されることにより、提示され続けるので、展開内容で上書きされて無効にされるようなことが起こらない。
前記展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を前記外部機器15のディスプレイ12に表示し、前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkの前記操作子OP1〜OPkの設定内容を維持する態様を、便宜上、第1展開モードということにする。また、前記展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を、前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPk中の1以上のチャンネルストリップにそれぞれ設定し、少なくとも該複数のチャンネルストリップSTP1〜STPk中の該1以上のチャンネルストリップの前記操作子OP1〜OPkの設定内容を前記外部機器15のディスプレイ12に表示する態様を、便宜上、第2展開モードということにする。本発明に従う音制御システムは、この第1展開モードと第2展開モードの両方が実施可能である必要はなく、どちらか一方のみが実施可能であればよい。以下、説明する実施例では、上記第1展開モードのみを実施可能な構成について主に説明し、その変形例として、上記第2展開モードを選択的に実施可能な構成について説明する。なお、上記第2展開モードを実施可能な構成は、自動フリップ処理として説明される。
図1の音制御システムは、例えば、オーディオミキサ等の音信号を扱う音響機器に適用され得る。以下の一実施形態は、一例として、音制御システムにおける音制御装置10がオーディオミキサ(以下単に「ミキサ」とも言う)により構成され、外部機器15がモバイル式のタブレット型パーソナルコンピュータTPCにより構成された例について説明する。ミキサ20は、専らデジタル信号処理により音信号を処理するデジタルミキサとする。
図2は、ミキサ20の電気的ハードウェア構成例を示すブロック図を示す。図2において、ミキサ20は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)21、メモリ22、ミキシング部(図において「MIX」)23、チャンネルストリップパネル24、及び外部通信インターフェース(I/F)26等を含み、各部21〜26が内部通信バス27を介して接続される。
CPU21は、メモリ22に記憶された各種のプログラムを実行して、ミキサ20を制御する。メモリ22は、CPU21が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを不揮発に格納するほか、CPU21が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用される。メモリ22は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリあるいはハードディスク等の各種メモリ装置を適宜組み合わせて構成されてよい。また、メモリ22は、ミキシング部23による信号処理に用いる全てのパラメータの値を記憶する。さらに、ミキサ20は、外部通信インターフェース(I/F)26を介して、図1の前記外部機器15に相当するタブレット型パーソナルコンピュータTPCと通信可能である。公知のように、タブレット型パーソナルコンピュータTPCはタッチ入力操作可能なタッチ式ディスプレイパネル25を具備している。該タッチ式ディスプレイパネル25が図1の前記ディスプレイ装置12として機能する。
ミキシング部23は、例えばDSP(Digital Signal Processor)や、CPU21およびメモリ22に記憶されたソフトウェアにより仮想的に実現された信号処理装置で構成される。ミキシング部23は、信号処理用のプログラムを実行することにより、図示しない入力機器から供給された1又は複数の音信号を処理して、該処理した音信号を、図示しない出力機器へ出力する。
図3は、ミキシング部23における信号処理構成例を示すブロック図である。ミキシング部23は、一例として、複数の入力チャンネルCH1〜CHjからなる入力チャンネルブロック30と、複数のミキシングバス40を有する。各入力チャンネルCH1〜CHjは、入力された音信号に対して音量調整を含む各種信号処理を施し、処理された音信号をユーザにより選択された1又は複数のミキシングバス40に供給する。各ミキシングバス40は、1以上の入力チャンネルCH1〜CHjから供給された音信号を混合して、該混合された音信号を、該ミキシングバス40に対応する出力チャンネル(不図示)を介して、出力する。ミキシング部23における信号処理用のチャンネルCH1〜CHnには、上述の入力チャンネルCH1〜CHj及び出力チャンネルの他にモニタチャンネルなどその他種々のタイプのチャンネルがあり得るが、詳細は省略する。ミキシング部23における各チャンネルCH1〜CHnの信号処理は、各チャンネルCH1〜CHnに対応づけてメモリ22内のカレントバッファに記憶されている各種のパラメータの値に基づいて制御される。各チャンネルCH1〜CHnの該カレントバッファの内容は、チャンネルストリップパネル24におけるユーザ操作に応じて更新され、さらには必要に応じてタブレット型パーソナルコンピュータTPCのディスプレイパネル25におけるユーザ操作に応じて更新され得る。
図2に戻り、ミキサ20の操作パネルは、チャンネルストリップパネル24により構成される。チャンネルストリップパネル24は、前述の複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkおよびその他操作子群並びにそれらに関連するインターフェース回路からなる。ディスプレイパネル25は、前述のディスプレイ装置12に相当し、一例として、タッチ入力操作可能なディスプレイパネルとそれに関連するインターフェース回路からなる。さらに、タブレット型パーソナルコンピュータTPCのディスプレイパネル25が、ミキサ20用の操作パネルの拡張コンポーネント(拡張操作パネル)として機能する。タッチ入力操作可能なディスプレイパネル25は、具体的には、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELなどからなる表示機構と、ユーザ(操作者)の指等による画面への接触を検出する検出機構とを含む。検出機構は、接触位置を検出し、検出された位置に対応する検出信号をタブレット型パーソナルコンピュータTPCの内部CPU(不図示)へ出力する。検出機構は、一例として、画面に対する2点以上の接触(マルチタッチ)を個別に検出及び認識できるよう構成されてよい。この明細書では、タッチ式ディスプレイパネル25への接触による入力操作を「タッチ」という。該タブレット型パーソナルコンピュータTPCの内部CPUは該検出信号とディスプレイパネル25の画面情報とに基づきタッチ操作情報を生成し、該タブレット型パーソナルコンピュータTPCの外部通信インターフェース(不図示)からミキサ20の外部通信インターフェース26に該タッチ操作情報を送信する。ミキサ20の外部通信インターフェース26で受信された該タッチ操作情報はミキサ20のCPU21に送られる。
図4(a)は、ミキサ20の操作パネルの構成例を示す。一例として、操作パネルは、チャンネルストリップパネル24とその他操作子群28とからなる。チャンネルストリップパネル24において、複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkが横方向に並設されており、さらにその横に、その他操作子群28が設けられている。なお、本明細書において、「上下方向」とは、操作パネルの手前側(操作者の位置)から見た奥行き方向、すなわち、図4における上下方向を表す。
1つのチャンネルストリップSTP1は、一例として、音量調整用のフェーダ操作子51、任意のパラメータを割当可能な多用途の回転ノブ操作子52、CUEオン/オフを切り替えるCUEキー53、当該チャンネルのオン/オフを制御するオンオフキー54、及び、当該チャンネルを選択する選択キー55等を有する。他のチャンネルストリップSTP2〜STPkも同様に構成される。前述の「個別チャンネル割り当て」機能においては、各チャンネルストリップSTP1〜STPkに対して、それぞれの操作対象として1つのチャンネルが割り当てられる。一方、前述の「グループ割り当て」機能においては、或る1つのチャンネルストリップに対して複数のチャンネルからなる1グループが割り当てられる。操作者は、各チャンネルストリップSTP1〜STPkに備わる各種操作子を用いて、該割り当てられたチャンネル又はグループの音量等の各種パラメータの値を調整できる。
タブレット型パーソナルコンピュータTPCは、本発明に係る音制御システムの一員として機能するために、所定のアプリケーションプログラムに従って動作するように構成される。該所定のアプリケーションプログラムとは、該タブレット型パーソナルコンピュータTPCのタッチ式ディスプレイパネル25を、ミキサ20のための拡張操作パネルとして機能させるものであり、以下で例示的に説明されるようなディスプレイパネル25の本発明に従う諸機能を、ミキサ20側のCPU21と協働して、実現するものである。タブレット型パーソナルコンピュータTPCのディスプレイパネル25においては、ミキサ20側のCPU21による制御に従って、処理の様々な段階に応じて種々の画像が表示されるようになっており、操作者によるタッチ操作の対象となる画像オブジェクトも適宜表示され得る。操作者は、ディスプレイパネル25に表示された画像オブジェクトをタッチ操作することによっても、適宜チャンネル又はグループの音量等の各種パラメータの値を調整し得る。
図4(b)は、ミキサ20用の拡張操作パネルとして機能しているときのタブレット型パーソナルコンピュータTPCのタッチ式ディスプレイパネル25上の表示例を示す図であり、ディスプレイパネル25が横長になるように置かれた状態を示している。なお、概して、タブレット型パーソナルコンピュータTPCは、ミキサ20のチャンネルストリップパネル24よりもかなり小型である。よって、図4(b)は(a)よりもかなり拡大して示されている。本発明に従う機能を実行するとき、ディスプレイパネル25の画面の下寄りの領域にストリップセレクタ29のイメージが表示される。ストリップセレクタ29は、複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkのいずれかを選択するための複数のストリップ選択スイッチSL1〜SLkを、チャンネルストリップSTP1〜STPkの横方向の並びに対応付けて、横方向に配置してなるものである。図示例では、個々のチャンネルストリップSTP1〜STPkと同じサフィックス1,2,...kが付けられたストリップ選択スイッチSL1〜SLkが1対1で各チャンネルストリップに対応している。前記「グループ割り当て」機能に従って各チャンネルストリップSTP1〜STPkに個別のグループが割り当てられているときは、各ストリップ選択スイッチSL1〜SLkは、それに対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkに割り当てられているグループを選択して、該グループの所属メンバーである複数チャンネルに展開するよう指示する展開指示手段として機能する。一方、前記「個別チャンネル割り当て」機能に従って各チャンネルストリップSTP1〜STPkに個別のチャンネルが割り当てられているときは、各ストリップ選択スイッチSL1〜SLkは、前記展開指示手段とは別の所定機能を担うようになっており、多目的に利用される。
一例として、チャンネルストリップパネル24のチャンネルストリップSTP1〜STPkは、レイヤーで管理され、複数のレイヤーのいずれかが選択されると、該選択されたレイヤーの定義に従う組み合わせで、1組のチャンネルストリップSTP1〜STPkに対して、チャンネル若しくはグループが割り当てられる。例えば、DCAグループレイヤーが選択された場合、1組のチャンネルストリップSTP1〜STPkの各ストリップに対して、12個のDCAグループ1〜12の各1が割り当てられる。その場合、ストリップセレクタ29の各ストリップ選択スイッチSL1〜SLkは、それに対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkに割り当てられているグループ1〜12を選択して展開指示する展開指示手段として機能する。なお、DCAは「Digital-Controlled Amplifier」の略であり、当該チャンネルの音信号の音量レベルをデジタル的に制御しうる増幅器であり、フェーダ操作子51および/又はその他操作子若しくはスイッチの操作に応じて、その音量レベル調整用のパラメータ値が可変調整され得るものである。以下の実施例では、本発明が適用されるグループの一例として、主にDCAグループについて説明するが、DCAグループに限らず、任意のタイプのグループに関して本発明を適用してよい。
ストリップセレクタ29は、図示例では、ディスプレイパネル25の画面上の所定の下部領域において、バーチャルな選択スイッチとして表示される。このようなバーチャルな選択スイッチからなる場合、ストリップセレクタ29は、ディスプレイパネル25の画面上の所定の下部領域に常時表示されている必要はなく、必要なときにのみ表示される(出現する)ようになっていればよい。別の例として、ストリップセレクタ29は、ディスプレイパネル25における所定の下部領域に表示されるバーチャルな選択スイッチではなく、ディスプレイパネル25とは別の、物理的な選択スイッチ群からなっていてもよい。ストリップセレクタ29が物理的な選択スイッチからなる場合は、該ストリップセレクタ29は、ミキサ20側の操作パネルにおいて、チャンネルストリップSTP1〜STPkの上側又は下側等任意に配置されていてもよい。さらに、グループを選択してそのメンバーチャンネル構成の展開指示を行うための手段は、操作者によって操作可能な物理的及び/又はバーチャルなセレクタ若しくはスイッチに限らず、シーケンス演奏情報あるいはシーンデータ等に含まれる電子データからなっていてもよい。
図5は、ミキサ20のCPU21によって実行されるグループ割り当て機能に関連する処理の概略を示すフローチャートである。CPU21は、ステップS1において「グループ設定処理」を実行し、ステップS2において「グループ選択処理」を実行し、ステップS3において「一括調整処理」を実行する。これらのステップS1〜S3で実行される処理は、図1におけるグループ割り当て部11によって実行される処理に相当する。ステップS1の「グループ設定処理」においては、操作者の所望により、各グループについて該グループのメンバー構成を設定し(該グループにどのチャンネルが所属するかを設定する)、設定した各グループのメンバー構成をメモリ22内のグループ化テーブルに記憶する。この「グループ設定処理」のために、操作者は、チャンネルストリップパネル24およびディスプレイパネル25を適宜に使用し得る。なお、ステップS1の「グループ設定処理」を省略して、各グループのメンバー構成のデフォルト値を記憶したグループ化テーブルを使用してもよい。
ステップS2の「グループ選択処理」において、CPU21は、操作者によって前記DCAグループレイヤーが選択されたことを判定し、チャンネルストリップパネル24の各チャンネルストリップSTP1〜STPkを、各グループ1〜12のための一括調整用チャンネルストリップとしてそれぞれ割り当てる。各グループにどのチャンネルが所属しているのかは前記グループ化テーブルから判る。従って、該グループ化テーブル(又は前記ステップS1)とステップS2の「グループ選択処理」の組み合わせにより、複数のチャンネルストリップSTP1〜STPk中の1つのチャンネルストリップに対して複数のチャンネルCH1〜CHn中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当てるための処理がなされることになる。なお、ステップS2の「グループ選択処理」は、操作者によるDCAグループレイヤーの選択操作に限らず、シーンリコール情報に含まれるDCAグループレイヤー選択データに基づき、あるいは外部通信I/F26を介して外部から与えられるグループレイヤー選択データに基づき、DCAグループレイヤーが選択されたことを判定するようになっていてもよい。
ステップS3の「一括調整処理」において、CPU21は、各DCAグループのための一括調整用チャンネルストリップとして割り当てられた各チャンネルストリップSTP1〜STPkの前記フェーダ操作子51および/又はその他操作子若しくはスイッチの操作を検出し、該フェーダ操作子51および/又はその他操作子若しくはスイッチの操作に応じて、該グループに属する複数チャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるように処理する。具体的には、当該グループに所属する複数チャンネルの各々について、メモリ22内の前記カレントバッファ内に記憶された当該チャンネルに関する所定タイプのパラメータ値(DCAグループの場合はフェーダ操作子51により制御される音量パラメータ値)が、当該グループに係るチャンネルストリップの所定の操作子(DCAグループの場合はフェーダ操作子51)の操作に応じて、それぞれ一括調整される。例えば、グループ1のメンバーとしてチャンネルCH1,CH2,CH3,CH4が所属するようにDCAグループ割り当てがなされている場合、操作者がグループ1用のチャンネルストリップSTP1の前記所定の操作子(DCAグループの場合はフェーダ操作子51)を操作すると、このステップS3が実行され、該グループ1に所属する前記チャンネルCH1,CH2,CH3,CH4の音信号調整用の所定タイプのパラメータ値(DCAグループの場合はフェーダ操作子51により制御される音量パラメータ値)が連動して制御される。詳しくは、前記カレントバッファ内に記憶された各チャンネルの該所定タイプのパラメータ値(オリジナル値)は更新されることなく記憶保持され、当該グループに係るチャンネルストリップの前記所定の操作子の操作量に応じて、これら各チャンネルのパラメータ値を変更する演算(例えば前記操作量を係数とするリニア乗算又はデシベル加算)がそれぞれ行われ、その演算結果(変更値)が各チャンネルの音信号の音量パラメータとして出力され、該出力された音量パラメータ(変更値)によって各チャンネルの音信号が制御される。従って、グループ制御を解除した場合は、カレントバッファ内に記憶保持されている各チャンネルの前記パラメータ値(オリジナル値)を該各チャンネルの音信号の音量パラメータとして出力することにより、該グループに係るチャンネルストリップの前記所定の操作子の操作による影響を即座に除外しうる。なお、前記カレントバッファにおいては、各グループに係るチャンネルストリップの前記所定の操作子の現操作量を示す情報がそれぞれ記憶され、前記一括調整のための前記演算が該記憶した情報を使用して行われ得る。
図5のステップS4において、CPU21は「展開処理」を実行する。このステップS4で実行される「展開処理」は、図1における展開制御部13によって実行される処理に相当し、一例として、前記第1展開モードで展開処理を行うものとする。すなわち、前記第1展開モードの場合、ステップS4において、CPU21は、操作者により展開指示がなされたことを検出し、この展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネル(メンバー)におけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を、ディスプレイパネル25の画面上に表示させる。
図6は、ステップS4で実行される「展開処理」の詳細例を示す。ステップS41において、CPU21は、チャンネルストリップパネル24のレイヤーとして、前記DCAグループレイヤーが選択されているかどうかを判定する。YESであれば、次に、ステップS42において、CPU21は、操作者によってストリップセレクタ29のいずれかのストリップ選択スイッチSL1〜SLkが操作されたかどうか、つまり、特定のDCAグループ(チャンネルストリップ)を選択して展開指示がなされたかどうか、を判定する。YESであれば、次に、ステップS43において、CPU21は、展開指示されたDCAグループに属するメンバー(複数チャンネル)それぞれの音信号の前記所定タイプのパラメータ値を、ディスプレイパネル25の画面上に表示する(第1展開モード)。この表示は、前記グループ化テーブルと前記カレントバッファを参照することにより、遂行することができる。なお、ここで表示する各メンバーチャンネルの前記所定タイプのパラメータ値は、前記変更値であるとする。しかし、前記変更値に限らず、前記オリジナル値も併せて表示するようにしてもよい。あるいは、変形例として、前記変更値を表示することなく、前記オリジナル値と前記一括調整用の操作量を併せて表示するようにしてもよい。なお、ステップS43の処理が行われるとき、チャンネルストリップパネル24の各チャンネルストリップSTP1〜STPkの現設定内容は、展開内容によって上書きされることなく、そのまま維持される。
図7は、前記ステップS43によって実行される表示例を示す。この例では、ストリップセレクタ29のストリップ選択スイッチSL1が操作されることでDCAグループ1の展開が指示され、DCAグループ1のメンバーが4つのチャンネルCH1,CH2,CH3,CH4からなっている。例えば、ストリップセレクタ29のスイッチSL1のインジケータが変化して、該スイッチSL1がONされたことを示している。また、ディスプレイパネル25においては、該DCAグループ1のメンバーである4つのチャンネルCH1,CH2,CH3,CH4のストリップイメージが横並びで表示され、各ストリップイメージ内にはフェーダ操作子51のイメージF1〜F4が表示され、かつ、フェーダイメージF1〜F4の摘み位置がそれぞれの一括調整後の現パラメータ値(前記変更値)に対応する位置に来るように描画される。また、各ストリップイメージ内には、当該DCAグループの名前を示す表示G1とそれぞれのチャンネル名を示す表示CH1,CH2,CH3,CH4が表示され、各フェーダイメージF1〜F4によって示されたパラメータ値がどのチャンネルのものであるかを、ユーザに対して報知する。一例として、これらのグループ名表示G1とチャンネル名表示CH1,CH2,CH3,CH4がなされている枠内を、該DCAグループ1に固有の色で彩色してもよい。なお、図中で、符号F1’で例示的に描いたように、各メンバーチャンネルの前記オリジナル値を併せて表示してもよい。
図8は、前記ステップS43によって実行される別の表示例を示す。この例では、ストリップセレクタ29のストリップ選択スイッチSL1,SL2,SL3,SL4が操作されることで複数のDCAグループ1,2,3,4の展開が指示され、DCAグループ1(G1)のメンバーが4つのチャンネルCH1,CH2,CH3,CH4からなり、DCAグループ2(G2)のメンバーが2つのチャンネルCH5,CH6からなり、DCAグループ3(G3)のメンバーが3つのチャンネルCH7,CH8,CH9,CH10からなり、DCAグループ4(G4)のメンバーが2つのチャンネルCH11,CH12からなっている。図7と同様に、図8においても、展開指示された各DCAグループのメンバーに対応するストリップイメージ内には、フェーダイメージがそれぞれの現パラメータ値を示すように表示され、また、DCAグループ名とそれぞれのチャンネル名が表示される。また、DCAグループ名とそれぞれのチャンネル名が表示されている枠内を、各DCAグループに固有の異なる色で彩色することで、一目でDCAグループを見分け易くしてもよい。
ディスプレイパネル25の画面上で同時に展開表示すべきチャンネル数が多くなった場合(例えば13以上の場合)は、各ストリップイメージを適宜縮小して表示する、若しくは表示画面デザインを適宜変更すればよい。例えば、13乃至24個のチャンネルを同時に展開表示する場合は、図7又は図8に示したストリップイメージを縦方向に半分のサイズに縮小して、横方向に12個のストリップイメージを2段で配置することにより、合計24個のストリップイメージを表示してもよい。あるいは、1頁につき12個のストリップイメージを2頁にわたって表示し、操作者による頁めくり操作に応じて表示する頁を切り換えるようにしてもよい。また、図7及び図8では、各チャンネルの現パラメータ値を摘み位置の変位で示しているが、これに限らず、適宜のインジケータ目盛り図形の変位で示してもよいし、あるいはデジタル数値で示してもよいし、その他どのような表示形態でもよい。
以上のようなステップS43の処理に基づきDCAグループメンバーの現パラメータ値をディスプレイ画面上で展開表示することにより、操作者は該DCAグループに所属する各チャンネルに設定されている現パラメータ値を速やかに目視で確認することができる。さらに、ディスプレイ画面上に展開表示された該DCAグループメンバーの各パラメータ値を、ディスプレイパネル25に表示された操作子(フェーダイメージ)に対する操作者によるタッチ操作によって、チャンネル別に任意に調整/制御できるようにしてもよい。そのために、図6の例では、ステップS43に続いてステップS44が実行されるように構成されている。ステップS44において、CPU21は、ディスプレイパネル25に表示された各チャンネルのストリップイメージ内の操作子(フェーダイメージ)のいずれかに対して操作者によるタッチ操作がなされたか否かを判定し、タッチ操作がなされた場合、該タッチ操作された操作子(フェーダイメージ)に対応する該チャンネルのパラメータ値を該タッチ操作量に応じて個別に制御若しくは調整する。このタッチ操作に応じて、ディスプレイパネル25の画面上に表示される該チャンネルの該操作子(フェーダイメージ)の操作位置が変化し、かつ、前記カレントバッファに記憶する該チャンネルの現パラメータ値が更新される。つまり、展開指示に応じてディスプレイパネル25上に展開表示された該グループの各メンバーチャンネルのストリップイメージが、現パラメータ値を表示するように機能するのみならず、バーチャル操作子として実際のパラメータ可変調整手段としても機能する。
なお、ステップS44は省略可能である。すなわち、展開処理におけるディスプレイパネル25の機能として、ステップS43における表示機能のみを担い、ステップS44におけるパラメータ可変調整手段(バーチャル操作子)としての機能は担わないようにしてもよい。さらなる変形例として、ステップS44は省略することなく、ただし、ステップS44におけるパラメータ可変調整手段(バーチャル操作子)としての機能は、ディスプレイパネル25に対するタッチ操作ではなく、適宜の物理的操作子によって実現されるようにしてもよい。すなわち、該適宜の物理的操作子の操作に応じて、ディスプレイパネル25上に展開表示されているいずれかのチャンネルのパラメータ値が変化する(表示されるフェーダイメージの操作位置が変化する)ように構成してもよい。そのような適宜の物理的操作子として、例えば、チャンネルストリップパネル24の各チャンネルストリップの最上部に配置された多用途の回転ノブ操作子52を使用してもよい。すなわち、各チャンネルストリップの最上部に配置された多用途の回転ノブ操作子52の1機能として、展開時においてディスプレイ上に展開表示された各チャンネルのパラメータ値を可変調整するための操作子としての機能をもたせてもよい。
以上のように展開指示に応じたDCAグループのメンバーの現パラメータ値をディスプレイパネル25上に展開表示し(S43)、かつ、表示された操作子(フェーダイメージ)に対する操作を受け付け可能としている(S44)とき、チャンネルストリップパネル24のレイヤーはDCAグループレイヤーが選択されたままになっている。従って、展開指示がなされたとき、それまで使用していたチャンネルストリップ24の設定内容を展開内容で上書きして無効にするようなことが起こらず、DCAグループレイヤーからなるチャンネルストリップパネル24の設定状態が維持される。こうして、ディスプレイパネル25上で展開表示中のDCAグループについて、チャンネルストリップパネル24内の該DCAグループが割り当てられたチャンネルストリップで何らかの操作子が操作されると、図5の前記ステップS3の処理が実行され、該展開表示中のDCAグループのメンバーである全チャンネルのパラメータ値が一括調整され、これに応じて、ディスプレイパネル25上で展開表示中の該DCAグループに属する各チャンネルの操作子(フェーダイメージ)の操作位置が変化し、かつ、前記カレントバッファに記憶する該DCAグループに属する各チャンネルの現パラメータ値が更新される。これにより、操作者は、ディスプレイパネル25上で展開表示中の該DCAグループに属する各チャンネルの現パラメータ値を目視確認しながら、それらパラメータ値を一括調整することができる。
次に、ディスプレイパネル25上に展開表示されたDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値をチャンネルストリップパネル24の対応するチャンネルストリップに反映させる「フリップ」処理について説明する。チャンネルストリップパネル24及び/又はディスプレイパネル25上に物理的な又はバーチャルな「フリップ」スイッチ(図示せず)が設けられる。図9は、該「フリップ」スイッチの操作に応じたフリップ処理の一例を示す。ステップS11において、ディスプレイパネル25の画面上で何らかのチャンネルストリップイメージが表示されているか否かを判定する。YESであれば、ステップS12に進み、CPU21は前記「フリップ」スイッチが操作されたかどうかを判定する。前記「フリップ」スイッチが操作された場合は、ステップS13に進み、CPU21は、チャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容とディスプレイパネル25の表示内容とを入れ替える処理を実行する。つまり、チャンネルストリップSTP1〜STPkに現れているDCAレイヤーの設定内容がそっくりディスプレイパネル25の画面上でストリップイメージとして表示されると共に、ディスプレイパネル25の画面上に展開表示されていたDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)がチャンネルストリップパネル24における各対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkに設定される。つまり、1以上のDCAグループを個別チャンネルに展開したものが1レイヤーとしてチャンネルストリップSTP1〜STPkに割り当てられる。この場合、チャンネルストリップSTP1〜STPkのフェーダ操作子51等各操作子及びスイッチは、電動制御されて、前記展開表示された現パラメータ値(前記変更値)に対応する操作位置を提示するように自動的に動かされる。このように「フリップ」操作を行った場合、展開表示されたDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)をそれぞれに対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkの操作によって個別に適宜変更・調整することができる。このように、展開状態において物理的なチャンネルストリップSTP1〜STPkを使用してメンバーチャンネル毎の個別のパラメータ調整を行うことは、操作者が操作し易い環境を提供し得る。例えば、ディスプレイパネル25が小型の場合は、それよりも大型のチャンネルストリップパネル24を使用できるので、操作者が操作し易い環境を提供し得ることになる。あるいは、表示機能のみを持ち、タッチ検出機能を持たないディスプレイパネル25を使用する場合は、展開したメンバーチャンネル毎の個別のパラメータ調整をチャンネルストリップパネル24を使用して行えるので、その点でも、該フリップ操作は有利である。なお、チャンネルストリップパネル24を使用して行ったメンバーチャンネル毎の前記所定タイプのパラメータの個別の調整量は、前記カレントバッファに記憶されている当該チャンネルの該所定タイプのパラメータ値(前記オリジナル値)に反映され得る。すなわち、該個別調整に応じて前記カレントバッファにおける前記オリジナル値の記憶が更新されるようになっていてもよい。
なお、上記「フリップ」操作によってDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)がチャンネルストリップパネル24に展開されるようになった状態で、再度「フリップ」スイッチを操作すると、図9のステップS12がYESと判定され、ステップS13の処理が実行される。したがって、チャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容とディスプレイパネル25の表示内容とを再び入れ替える(つまり、グループ展開状態をディスプレイに戻して表示し、DCAグループレイヤーをチャンネルストリップパネル24に戻す)ことができる。
CPU21が図9のフリップ処理を実行するとき、該CPU21は、前記ディスプレイ装置12(ディスプレイパネル25)及び前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkを使用して提示されている、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値と、前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkの前記操作子(51)の設定内容とを、フリップ指示に応じて、前記ディスプレイ12(ディスプレイパネル25)及び前記複数のチャンネルストリップSTP1〜STPkの一方から他方に互いに入れ替えて提示する、フリップ処理部として機能する。
図10は、図6に示した展開処理の変形例を示し、展開指示がなされたときに自動的に「フリップ」処理を行うようにしたものである。図6と同じ参照番号が付されたステップでは同一処理が行われるので、重複説明を省略する。この自動「フリップ」処理は、展開指示されたDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)をディスプレイパネル25上に展開表示することなく、該DCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)をチャンネルストリップパネル24の対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkに即座に展開し、その代わりに、直前までチャンネルストリップSTP1〜STPkに現れていたDCAレイヤーの設定内容をそっくりディスプレイパネル25の画面上でストリップイメージとして表示することからなり、前記第2展開モードに相当する。この自動「フリップ」処理は、操作者によって若しくはデフォルトとして、自動「フリップ」モードに予め設定されることにより、実行される。
図10において、ステップS42とS43の間にステップS45が挿入されている。ステップS45において、CPU21は前記自動「フリップ」モード(第2展開モード)に予め設定されるかどうかを判定する。自動「フリップ」モードに設定されていない場合は、ステップS45のNOから前記ステップS43に進み、前述した第1展開モードに従う展開処理が行われ、自動「フリップ」処理(第2展開モード)は行われない。自動「フリップ」モードに設定されている場合は、ステップS45のYESからステップS46に進み、第2展開モードによる展開処理が行われる。ステップS46において、CPU21は、チャンネルストリップパネル24の各チャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容を示すストリップイメージをディスプレイパネル25の画面上に表示すると共に、展開指示されたDCAグループ内の各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)を、チャンネルストリップパネル24の各対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkに設定する(展開する)。この場合も、チャンネルストリップSTP1〜STPkのフェーダ操作子51等各操作子及びスイッチは、電動制御されて、展開された現パラメータ値(前記変更値)に対応する操作位置を提示するように自動的に動かされる。ステップS46の後、ステップS44に進む。なお、この変形例においても、前述と同様にステップS44は省略され得る。このように、自動「フリップ」処理を行った場合も、展開されたDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値(前記変更値)をそれぞれに対応するチャンネルストリップSTP1〜STPkの操作によって個別に適宜変更・調整することができる。また、展開指示直前のチャンネルストリップパネル24におけるDCAレイヤーの各ストリップの設定状態は、ディスプレイパネル25上で表示されるストリップイメージとして維持されるので、展開指示直前まで使用されていたチャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容を展開内容で上書きして無効にするようなことが起こらない。
なお、図10の前記ステップS46で行われる上記自動「フリップ」処理によってDCAグループの各メンバーチャンネルの現パラメータ値がチャンネルストリップパネル24に展開されるようになった状態で、前記「フリップ」スイッチを操作することにより、図9の前記ステップS13が実行され得る。これにより、チャンネルストリップSTP1〜STPkの設定内容とディスプレイパネル25の表示内容とを入れ替える(つまり、グループ展開状態をディスプレイに表示し、DCAグループレイヤーをチャンネルストリップパネル24に戻す)ことができる。
図10の例では、自動「フリップ」処理のオン/オフによって前記第1展開モードと第2展開モードを選択的に実行できる構成である。しかし、これに限らず、自動「フリップ」処理つまり第2展開モードのみを実行するように構成してもよい。そのためには、例えば、図11に示すように、図10におけるステップS45とS43を削除し、ステップS42のYESとステップS44との間にステップS46が挿入されるように変更すればよい。
本発明は、DCAグループに限らず、その他任意のタイプのグループとそのマスターという関係性に対して適用し得る。例えば、ミュートグループにおけるグループマスターとメンバーとの関係、チャンネルリンクグループにおけるグループマスターとメンバーとの関係、ミキシングバスに入力する複数のチャンネルとバスマスターとの関係、サラウンドチャンネルグループにおけるマスターとメンバーとの関係など、グループ内のメンバーチャンネルのパラメータをマスター操作子で連動制御しうるような、任意のグループに関連して本発明を適用し得る。ミュートグループとは、グループ化した複数チャンネルのミュートのオン・オフを一括制御/調整する態様からなる。チャンネルリンクグループとは、グループ化した複数チャンネルの音量以外の任意のパラメータ値を一括制御/調整する態様からなる。複数のチャンネルとバスマスターとの関係とは、グループ化した複数チャンネルの各チャンネルからミキシングバスに対するセンドレベルをバスマスターによって一括制御/調整する態様からなる。サラウンドチャンネルグループとは、5.1チャンネルサラウンドのようなサラウンド効果のためにグループ化した複数チャンネルの音量レベルを一括制御/調整する態様からなる。
上記実施例において、ディスプレイ12(ディスプレイパネル25)は外部機器15に設けられていて、音制御装置10(ミキサ20)と有線又は無線(赤外線通信を含む)で通信可能となっているが、これに限らず、音制御装置10(ミキサ20)の操作パネルに予め設置してもよい。
上記実施例において、ミキサ20は、ミキサ専用機として構成されたものに限らず、汎用のパーソナルコンピュータなど、音信号のミキシング処理動作を行うためのプログラムを実装したコンピュータ装置により構成されてもよい。また、外部機器15は、タブレット型パーソナルコンピュータTPCに限らず、ディスプレイ機能と情報通信機能を有する如何なる機器であってもよい。
また、本発明に係る音制御システムの一構成要素である音制御装置10は、ミキサ20に限らず、レコーダ、プロセッサなど、どのような音信号処理装置であってもよい。また、音制御装置10は、汎用のパーソナルコンピュータ上で実行されるDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトウェアアプリケーションによって実現してもよい。また、音制御装置10は、上記実施例で説明した諸機能を実行するように構成された専用ハードウェア装置(集積回路等)からなっていてもよい。
また、この発明は、音制御装置と、ディスプレイを備えた外部機器とからなるシステムにおけるパラメータ展開方法であって、音制御装置は、音信号処理用の複数のチャンネルと、複数のチャンネルストリップであって、各チャンネルストリップが音信号を制御するための操作子を備えるものと、前記複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して前記複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当てるグループ割り当て部であって、該1グループが割り当てられた前記1つのチャンネルストリップの前記操作子の操作に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるようにするものとを備え、前記音制御装置において、展開指示を受け付けること、前記展開指示に応じて、前記音制御装置のプロセッサにより、前記外部機器と通信し、かつ、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する処理を行うことからなるパラメータ展開方法の発明として、構成及び実施されてもよい。また、前記方法を構成する各ステップを、コンピュータに実行させるプログラムの発明として、構成及び実施されてもよい。
以上、この発明の一実施形態を説明したが、この発明は上記各種の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
10 音制御装置、11 グループ割り当て部、12 ディスプレイ、13 展開制御部、14 通信インターフェース、15 外部機器、CH1〜CHn チャンネル、STP1〜STPk チャンネルストリップ、20 ミキサ、21 CPU、22 メモリ、23 ミキシング部、24 チャンネルストリップパネル、25 ディスプレイパネル、26 外部通信インターフェース、TPC タブレット型パーソナルコンピュータ。
Claims (5)
- 音制御装置と、ディスプレイを備えた外部機器とからなる音制御システムであって、
前記音制御装置は、
音信号処理用の複数のチャンネルと、
複数のチャンネルストリップであって、各チャンネルストリップが音信号を制御するための操作子を備えるものと、
前記複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して前記複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当てるグループ割り当て部であって、該1グループが割り当てられた前記1つのチャンネルストリップの前記操作子の操作に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるようにするものと、
前記外部機器と通信するための通信インターフェースと、
展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示するための展開制御部であって、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する、前記展開制御部
を備える音制御システム。 - 前記展開制御部は、前記展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を前記外部機器の前記ディスプレイに表示させ、前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を維持する請求項1に記載の音制御システム。
- 前記展開制御部は、前記展開指示に応じて、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の調整用パラメータの値を、前記複数のチャンネルストリップ中の1以上のチャンネルストリップにそれぞれ設定し、少なくとも該複数のチャンネルストリップ中の該1以上のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を前記外部機器の前記ディスプレイに表示させる請求項1に記載の音制御システム。
- 前記音制御装置は、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップを使用して提示されている、前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値と、前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容とを、フリップ指示に応じて、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方から他方に互いに入れ替えて提示する、フリップ処理部をさらに備える請求項1乃至3の何れかに記載の音制御システム。
- 音制御装置と、ディスプレイを備えた外部機器とからなるシステムにおけるパラメータ展開方法であって、
音制御装置は、
音信号処理用の複数のチャンネルと、
複数のチャンネルストリップであって、各チャンネルストリップが音信号を制御するための操作子を備えるものと、
前記複数のチャンネルストリップ中の1つのチャンネルストリップに対して前記複数のチャンネル中の1以上のチャンネルからなる1グループを割り当てるグループ割り当て部であって、該1グループが割り当てられた前記1つのチャンネルストリップの前記操作子の操作に応じて、該1グループに属する前記1以上のチャンネルにおいて、それぞれの音信号の調整用パラメータが連動して制御されるようにするものと
を備え、
前記音制御装置において、展開指示を受け付けることと、
前記展開指示に応じて、前記音制御装置のプロセッサにより、前記外部機器と通信し、かつ、前記外部機器の前記ディスプレイ及び前記複数のチャンネルストリップの一方を使用して前記1グループに属する前記1以上のチャンネルにおけるそれぞれの音信号の前記調整用パラメータの値を提示し、他方を使用して前記複数のチャンネルストリップの前記操作子の設定内容を提示する処理を行うこと
からなるパラメータ展開方法。
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JP2021069028A (ja) * | 2019-10-24 | 2021-04-30 | ティアック株式会社 | ミキシングコンソール |
-
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- 2017-02-28 JP JP2017037610A patent/JP2018142931A/ja active Pending
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