以下、図面を用いてこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の音響調整卓を適用した実施の形態であるディジタルミキサのハードウエア構成を示すブロック図である。このディジタルミキサは、中央処理装置(CPU)101、フラッシュメモリ102、ランダムアクセスメモリ(RAM)103、表示器104、電動フェーダ105、操作子106、波形入出力インターフェース(I/O)107、信号処理部(DSP)108、操作者用モニタ109、その他I/O110、及びバスライン111を備える。
CPU101は、このミキサ全体の動作を制御する処理装置である。フラッシュメモリ102は、CPU101が実行する各種のプログラムや各種のデータなどを格納した不揮発性メモリである。RAM103は、CPU101が実行するプログラムのロード領域やワーク領域に使用する揮発性メモリである。表示器104は、このミキサの操作パネル上に設けられた各種の情報を表示するためのディスプレイである。表示器104は、タッチパネルになっており、指などで触れた位置を入力できる。電動フェーダ105は、操作パネル上に設けられたレベル設定用の操作子である。CPU101の指示に応じて、電動フェーダ105のレベル設定値を設定し、つまみ位置をその設定値に対応する位置まで電動駆動することができる。操作子106は、操作パネル上に設けられたユーザが操作するための各種の操作子(電動フェーダ以外のもの)である。波形I/O107は、外部機器との間で波形信号をやり取りするためのインターフェースである。DSP108は、CPU101の指示に基づいて各種のマイクロプログラムを実行することにより、波形I/O107経由で入力した波形信号のミキシング処理、効果付与処理、及び音量レベル制御処理などを行い、処理後の波形信号を波形I/O107経由で出力する。操作者用モニタ109は、このミキサの操作者(オペレータ)が使用するモニタ用のヘッドホンへの出力を示す。その他I/O110は、その他の機器を接続するためのインターフェースである。
図2は、図1のディジタル・ミキサの機能構成を示すブロック図である。201はマイクなどで入力したアナログ音響信号をディジタル信号に変換した入力を示す。202はディジタル音響信号の入力を示す。これらの入力は、それぞれ複数本(その本数は装置構成に応じた上限がある)設けることができる。入力パッチ203は、上述した入力のラインから、入力チャンネル(ch)204やステレオ入力ch205への任意結線を行う。その結線の設定は、ユーザが所定の画面を見ながら任意に行うことができる。入力ch204は、シングルで48chが設けられている。ステレオ入力ch205は4組(2×4ch)が設けられ、各組の左信号(L)と右信号(R)はペアで制御されようになっている。
各入力ch204及びステレオ入力ch205の信号は、16本のMIXバス206、ステレオバス(Stereo_L/R,C)207、あるいはCUEバス208の任意のバスへ選択的に出力することができ、その送出レベルをそれぞれ独立に設定することができる。
MIXバス206の16本の各バスは、入力ch204やステレオ入力ch205から入力する信号をミキシングする。ミキシングされた信号は、そのMIXバスに対応するMIX出力チャンネル210(1〜16ch)に出力される。MIXバス206とMIX出力ch210とは1対1の対応で各chが対応づけられている。MIX出力ch210の出力は、出力パッチ213に入力する。ステレオバス207は、入力ch204やステレオ入力ch205から入力する信号をミキシングする。ミキシングされたステレオ信号は、ステレオ出力ch209へ出力される。なお、ステレオバス207とステレオ出力ch209は、L(左)とR(右)の信号ライン(Lバス、Rバス、L出力ch、R出力ch)のほか、C(中央)の信号ライン(Cバス、C出力ch)も備えている。例えば、LRにステレオで音楽などを流して左右のスピーカから放音し、Cには講演者の音声を流して中央部のスピーカから放音する、というような態様で使用する。ステレオ出力ch209では、LRはペアで制御され、LRとCとは独立に制御される。ステレオ出力ch209の出力は、出力パッチ213に入力する。CUEバス208は、各chにどのような信号が入力しているかを確認するためのバスである。後述する各chのCUEスイッチをオンすると、そのchの信号のみがこのバス208を経由してモニタ用ミキサ217に入力する。
ステレオ出力ch209の出力信号は、出力パッチ213及びマトリックスバス211へ出力される。MIX出力ch210の出力信号は、出力パッチ213、マトリックスバス211、及びCUEバス208へ出力される。マトリックスバス211は、ステレオ出力ch209及びMIX出力ch210の任意のch出力を選択的に入力して混合する1〜8chのバスである。マトリックスバス211で混合された信号は、マトリックス出力ch212に出力される。マトリックスバス211とマトリックス出力ch212とは、1対1の対応で各chが対応づけられている。マトリックス出力ch212の出力は、出力パッチ213及びCUEバス208に入力する。出力パッチ213は、上述した3種類の出力ch209,210,212から出力ラインへの任意の結線を行う。その結線の設定は、ユーザが所定の画面を見ながら任意に行うことができる。A出力214はアナログの出力ライン、D出力215はディジタルの出力ラインを示す。モニタ用セレクタ216、モニタ用ミキサ217、及びモニタ用A出力218は、モニタ用に設けられているものである。
図3は、図2の入力ch204のうちの1つのchの信号処理の概略構成を示す。入力chは、アッテネータ(ATT)301、ハイパスフィルタ(HPF)302、パラメトリックイコライザ(PEQ)303、第1ダイナミックス(DYNAMICS1)304、第2ダイナミックス(DYNAMICS2)305、オンスイッチ(ON)306、フェーダ307、及びパンや混合レベル調整部308を備えている。
アッテネータ(ATT)301は、入力chの先頭部分でレベル制御を行う部分である。HPF302及びPEQ303は、周波数特性を調整する機能を果たす部分である。ダイナミックス304,305は、それぞれ信号の振幅を変形する部分であり、例えばノイズゲート(信号レベルが下がったときノイズが残らないように閉じるゲート)やコンプレッサ(自動ゲイン調整を行う)などである。ON306は、当該chの信号出力のオン/オフを行うスイッチである。フェーダ307は、レベル調整のためのボリュームである。調整部308は、ステレオバスやその他のバスへ信号をステレオで出力する場合の左右定位(パン)の制御と、各バスへの信号出力のオンオフ制御と、各バスへの出力信号の個別のレベル調整(送出レベル)とを行う部分である。ステレオ入力ch205の構成も図3と同様のものである。ただし、ステレオ入力ch113ではステレオの左信号(L)と右信号(R)がペアで制御されるようになっている。また、ステレオ出力ch209、MIX出力ch210、及びマトリックス出力ch212の各chの構成も(信号処理の要素機能は異なるが)同様のものである。
図4は、この実施形態のミキサの操作パネル上の操作子の配列を示す。操作者から向かって、左側に左セクション410が、中央にマスタセクション420が、右側に右セクション430が、それぞれ設けられている。左セクション410には、入力chストリップ部411〜414が設けられ、右セクション430には入力chストリップ部431,432が設けられている。入力chストリップ部411〜414,431,432は、順に図2の入力ch204のうち、第1〜8ch、第9〜16ch、第17〜24ch、第25〜32ch、第33〜40ch、第41〜48chのそれぞれ8ch分の操作子を備える。ST入力chストリップ部415は、図2のステレオ入力ch205に対応する操作子である。右セクション430のST出力chストリップ部433は、図2のステレオ出力ch209に対応する操作子である。マスタセクション420は、レベルメータ421、パラメータ操作部422、表示器423、割当chストリップ部424、シーン操作部425、及びG(グループ)選択操作部426を備える。
図5(a)は、図4のパラメータ操作部422の詳細な構成を示す。パラメータ操作部422は、各々複数の入力ch204、ステレオ入力ch205、ステレオ出力ch209、MIX出力ch210、マトリクス出力ch212の内のユーザにより選択されているchの複数のパラメータを並列的に制御するための複数の操作子を備える。ここで、現在選択されているchに関する情報は、表示器423に表示された画面中の選択ch表示領域(図6、図7の640)に常時表示される。500はロータリエンコーダ領域であり、16個のロータリエンコーダ501−1〜501−16が設けられている。511〜515は、指定されたchにおける各種のパラメータ設定用のロータリエンコーダである。516〜519の各領域にそれぞれ3つずつ備えられているロータリエンコーダは、指定されたchにおけるイコライザの調整用のものである。これら全てのロータリエンコーダは、押し下げるとプッシュ操作イベントを発生する機能を持つ。
図5(b)は、図4の割当chストリップ部424の詳細な構成を示す。割当chストリップ部は、530−1〜530−8の8本のchストリップを備える。1本のchストリップ、例えば530−1は、SELスイッチ531、CUEスイッチ532、レベルメータ用のLED533、ONスイッチ534、及び電動フェーダ535を備える。各スイッチ531,532,534は、当該スイッチがオンされたときに点灯しオフされたときに消灯するLEDを備えている。SELスイッチ531は、当該chストリップに割当てられたchを選択し、当該chに関する詳細なパラメータ設定を後述する選択ch画面(図7)で行うことを選択するスイッチである。CUEスイッチ532は、図2で説明したCUEバス208への、当該chからの信号出力のオン/オフを切り替えるスイッチである。LED533は、当該chに入力する信号のレベルの値をリアルタイム表示するメータである。ONスイッチ534は、各chの信号のオン/オフを切り替えるスイッチであり、図3のON306に相当する。電動フェーダ535は、当該chのレベルを設定するための操作子であり、通常は図3のフェーダ307に相当し、センドモードでは図3の308における送出レベル制御用のフェーダとなる。CPU101からの指示により、電動フェーダ535のつまみの位置を所定の位置に設定することができる。536は、割当chストリップ部424のみに設けられているロータリエンコーダである。各chストリップ530−1〜530−8のロータリエンコーダ536は、表示器423に表示されたストリップ画面(図6で後述)において選択状態にある表示要素に対応するパラメータの値、あるいは後述するパラメータウィンドウにおける所定のパラメータの値を、変更する機能を持つ。また、これらのロータリエンコーダ536は、押し下げるとプッシュ操作イベントを発生する機能を持つ。なお、他のchストリップ部411〜415,431〜433も同様の構成である(ただし、ロータリエンコーダ536は無い)。
図5(c)は、図4のG(グループ)選択操作部426の詳細な構成を示す。6個の選択スイッチ551〜556は、それぞれ図4の入力chストリップ部411〜414,431,432に対応し、それらの各入力chストリップ部を割当chストリップ部424に割当てる(呼び出す)ための操作子である。例えば、選択スイッチ551をオンすると、入力chストリップ部411が割当chストリップ部424に割当てられ、これにより図5(b)に示した8本の割当chストリップ530−1〜8が、それぞれ第1〜8chの入力chストリップとして機能することになる。同様にして、選択スイッチ552をオンすると入力chのうち第9〜16chが、選択スイッチ553をオンすると入力chのうち第17〜24chが、…というように各入力chストリップ部411〜416が中央部のマスタセクション420にある割当chストリップ部424に割当てられる。同様に、G選択操作部426のSTINスイッチ557をオンすると図4のST入力chストリップ部415が、マスタースイッチ558がオンされると図4のST出力chストリップ部433が、それぞれ割当chストリップ部424に割当てられる。なお、ST入力chストリップ部415は4本のchストリップ、ST出力chストリップ部433は2本のchストリップから構成されているので、割当chストリップ部424に割当てたときは、それぞれ左寄りの4本または2本のchストリップのみが有効となる。561〜564は、操作パネル上には存在しない内部的なchの操作を行うための割当スイッチである。561は図2のマトリックス出力ch212(8ch分)の各chを操作するための操作子として割当chストリップ部424を用いることを指定する選択スイッチである。562は図2のMIX出力ch210のうち第1〜8ch、563はMIX出力ch210のうち第9〜16chについて、それぞれ操作するための操作子として割当chストリップ部424を用いることを指定する選択スイッチである。564は不図示のDCA機能を用いたときの各chを操作するための操作子として割当chストリップ部424を用いることを指定する選択スイッチである。
これらのG選択操作部426の各選択スイッチ551〜558,561〜564は、それぞれ択一的にオンされるものであり、オンされたときに点灯してどの選択スイッチが選択状態にあるかを示すためのLEDを備えている。消灯されている選択スイッチが新たにオンされると、そのスイッチが点灯し、それまで点灯されていたスイッチは消灯される。なお、各選択スイッチ551〜558,561〜564によって割当chストリップ部424に呼び出すことができる複数chのセットをそれぞれグループと呼ぶ。
図6は、図4の表示器423に表示される8chストリップ画面の表示例を示す。8chストリップ画面は、図5(c)で説明したG選択操作部426の各選択スイッチ551〜558,561〜564により選択されたグループの各ch(8ch分)の設定状況を表示する画面であり、これらの選択スイッチの何れかがオンされたとき、対応する8chストリップ画面が表示される。図6は、選択スイッチ551がオンされ、入力chストリップ部411が割当chストリップ部424に割当てられたときの表示器423の表示例を示している。600−1〜600−8は、選択されたグループの各ch(ここでは第1〜8入力ch)のパラメータ設定状況を表示する領域である。各表示領域600−1〜600−8は、それぞれ表示器423の下側に設けられている割当chストリップ部424の各chストリップ530−1〜530−8に上下方向で対応するように表示される。
1ch分の表示領域、例えば600−1において、601は当該入力chのch番号と当該chに付けられた名称と当該chへ入力する入力系統の表示、602は入力パッチで当該入力chへ接続されたヘッドアンプ(図2のA入力の内部にある)のアナログゲインの設定値を示すノブ及びその値の表示、603−1〜603−4は当該入力chにおける各種の信号処理の設定状況を示す領域である。ノブ602は、ロータリエンコーダのつまみを模した表示であり、そのレベル設定値に応じた量だけつまみが回転されているように表示される。領域603−1〜603−4の信号処理の設定状況とは、図3で説明した当該chの、HPF302、PEQ303、並びに、第1及び第2DYNAMICS304,305のパラメータ設定状況を順に示すものである。なお、図3のATT301は図6の画面では表示されない。本ストリップ画面で表示するほどの重要なパラメータではないと評価しているからである。ただし、後述するパラメータウィンドウではATT301の設定を行うことができる。領域603−1の右側のINS及びD.OUTと書かれた矩形はINSボタン及びD.OUTボタンを示す。これらのボタンは、タッチ(指などで触れる)することによりオン/オフすることができる。INSボタンは、図2で非表示の内部エフェクタの当該入力chへの挿入の有効/無効を設定するためのボタンであり、D.OUTボタンは、当該入力chから図2の出力パッチ213への信号の直接出力の有効/無効を設定するためのボタンである。
604−1〜604−16は、当該入力chから16本の各MIXバス(図2の206)へ出力する信号の送出レベルの設定値を示すノブの表示である(ノブ604−nがMIXn(第n番目のMIXバス)に対応している)。605は、当該入力chからステレオバス(図2の207)等へ信号をステレオで出力する場合の左右定位(パン/Panning)の設定値を示すノブの表示である。この送出レベルやパンに関する信号処理は、図3の308で行われる。ノブ605の右側のST及びMONOと書かれた矩形はSTボタン及びMONOボタンを示す。これらのボタンをタッチしてオン/オフすることにより、当該入力chからステレオバス207のLとRのバスへ出力する信号をオン/オフしたり(STボタン)、Cバスへ出力する信号をオン/オフしたり(MONOボタン)することができる。
なお、説明の便宜のため、表示領域600−2〜600−8内の表示要素についても、表示領域600−1内の表示要素に付した番号を用いるものとする。例えば、表示領域600−2内のノブ604−1と言うときは、表示領域600−2と表示領域600−1とを重ね合わせたとき、表示領域600−1のノブ604−1に重なる表示領域600−2のノブを指すものとする。図5で説明したchストリップについても同様とする。
ノブ602,604−1〜604−16,605のうちの何れかをタッチすることにより、当該ノブが選択状態となる。選択状態のノブにはカーソル606がセットされる。カーソル606は、ノブの表示に重なるリング状の形状を持つ。特に、各chの表示領域600−1〜600−8内のどのchのどのノブをタッチしても、全chの表示領域600−1〜600−8内で同じ位置のノブが並列的に同時に選択される(なお、既に選択状態にあるノブを再びタッチしたときの動作については後述する)。例えば、表示領域600−2内のノブ604−3をタッチすると、表示領域600−1〜600−8の8つのノブ604−3が全て選択状態となる。このとき並列に表示される8つのカーソルを8chリングと呼ぶ。並列的に選択状態になったノブに対応するパラメータの値を、各割当chストリップ530−1〜530−8のロータリエンコーダ536−1〜536−8で、それぞれ独立に変更することができる。上述したパラメータ操作部422では、選択された1つのchに着目して、そのchの複数のパラメータの並列的な操作が行えるのに対して、ロータリエンコーダ536では、タッチにより選択された1つのパラメータ(例えば、MIXバス206の何れか1つへの送出レベル)に着目して、割り当てchストリップ530−1〜530−8に割り当てられた8ch分の該パラメータの並列的な操作が行える。これにより、例えば送出レベルであれば、着目した入力chから複数のMIXバスへの送出レベルの並列的な操作と、8つの入力chから1つの着目したMIXバスへの送出レベルの並列的な操作といったような、ch側からとパラメータ側からの2つの見方でのバランス調整が容易に行える。
なお、表示領域600−1〜600−8内で何れかのノブが選択状態にあるとき、何れかのボタンをタッチすると、そのボタン操作に対応する機能が実行されるが、ノブの選択状態に変更はないものとする。なお、ノブのタッチにより、そのノブと同じ位置の8つのノブを選択状態とするだけでなく、それと同時に、そのタッチしたノブが属する割当chストリップに割り当てられているchが、パラメータ操作部422の制御対象のchとして選択されるようにしてもよい。また、その制御対象のchを連動して選択する機能を、ユーザの希望に応じて有効/無効にできるようにしてもよい。
620は、ミキサの各種の設定を行う際に利用するボタンやステレオ出力chのL/R及びCの出力信号レベルを示すメータなどの表示領域である。621は、図1の電動フェーダ105(図5の535など)の動作モードを切り換えるボタンである。ボタン621がオフ状態のときは「通常モード」であり、各chストリップの電動フェーダは、対応するchの信号のレベルを制御するフェーダとして、図3のフェーダ307の位置における信号のレベル(ゲイン)を制御する。ボタン621がオン状態のときは「センドモード」であり、各chストリップの電動フェーダは、対応するchからの送出レベル制御用のフェーダとして、選択されたバスへの図3の308における送出レベル(ゲイン)を制御する。なお、「センドモード」では、領域620のメーター(METER)の表示領域に、16本のMIXバス及びステレオバスから1本(ないしペア)のバスを選択するためのボタンが表示される。そのボタン操作によって、電動フェーダで送出レベルを制御する対象となるバスを選択することができる。630は現在呼び出されているシーンの表示である。この表示630の下側にあるシーン操作部425(図4)の操作子を用いてシーンナンバを増減したり、シーンのリコールやストアを行うことができる。640は現在選択されているchの表示であり、ここでは名称「Vocal」が付けられた入力ch「CH1」が選択されている。このchの選択は、chストリップのSELスイッチによって行うことができるほか、640の左右に配置されたボタンでも行うことができる。
なお、図6では、選択スイッチ551をオンしたときに表示される第1〜8入力chの8chストリップ画面を例として説明したが、他の選択スイッチ552〜558,561〜564をオンしたときに表示されるストリップ画面も同様の構成である。ただし、選択スイッチ557がオンされたときは左寄り4ch分の表示(600−1〜600−4)、選択スイッチ558がオンされたときは左寄りに2ch分の表示(600−1〜600−2)が、それぞれ為されることになる。また、選択スイッチ558,561〜564のオンでは、出力側chの表示となるが、それらのchでは信号処理の内容が図3で説明した入力chとは若干異なる部分があるので、ストリップ画面での1ch分の表示領域の部分領域601〜606などの表示は図6とは異なるものとなる。例えば、それらのchの信号の入力元はバスなので602のヘッドアンプに相当する表示は存在せず、また、603−1のINSボタン、605のノブ、STボタン、MONOボタンなども存在しない。また、送出レベルを制御するノブは、ステレオ出力chとMIX出力chについてのみ、信号の出力先である8本のマトリクスバス211に対応する8つのノブ604−1〜604−8が表示される。
図7は、図4の表示器423に表示される選択ch画面の表示例を示す。図4の入力chストリップ部411〜416、ステレオ入力chストリップ部417、ステレオ出力chストリップ部418、及び割当chストリップ部424の何れかのchストリップのSELスイッチ(図5の531など)がオンされると、そのchストリップに対応するchがパラメータ操作部422でのパラメータ操作の対象chとして選択されるが、その際に、その選択chの詳細なパラメータの設定状態を表示する画面としてこの選択ch画面が表示される。図7の選択ch画面は、入力chのうち第1chについての選択ch画面を示す。なお、ここではSELスイッチの操作で選択ch画面に切替えるものとして説明したが、選択ch画面に切替える機能の有効/無効をユーザが設定できるオプションがあるものとする(操作対象のchの選択は行われる)。
701は当該入力chから16本の各MIXバス206への送出レベルを示す16個のノブ701−1〜701−16の表示領域である。各ノブの右側にはPREボタン及びONボタンが設けられている。702は当該入力chの前段に設けられるヘッドアンプのゲインのレベルを示すノブの表示領域である。703〜706は、それぞれ、図3で説明した当該入力chの、HPF302、PEQ303、並びに、第1及び第2DYNAMICS304,305のパラメータ設定状況を表示するための部分領域である。各部分領域703〜706には、それぞれ必要な数のノブが表示される。707は、当該入力chからステレオバス(図2の207)への出力信号のパン(Panning)の設定値を示すノブの表示領域である。その他、必要に応じて当該chについてのパラメータ設定状況を表示する部分領域が表示される。右側の620,621,630,640の表示は、図6のストリップ画面と同様である。
部分領域701〜707に表示されているノブ(ただし、部分領域705,706は左側のTHRESHOLD調整用のノブのみ)の配置は、図5(a)で説明した表示器423の左側のパラメータ操作部422のロータリエンコーダの配置に対応しており、パラメータ操作部422のロータリエンコーダを操作することにより、対応するノブのパラメータ値を変更することができる。配置が対応しているため、操作は分かりやすい。
選択ch画面の各部分領域内には必要に応じてボタンが設けられている。例えば、領域707のST及びMONOと書かれた矩形はSTボタン及びMONOボタンを示す。STボタンの部分をタッチすると、当該入力chからステレオバス207のLとRのバスへの信号の出力をオン/オフすることができ、MONOボタンをタッチすると、Cバスへの信号の出力をオン/オフすることができる。
なお、図7では、第1入力chの選択ch画面を例として説明したが、他のchの選択ch画面も同様の構成である。ただし、chの構成に応じて、部分領域701〜707などの表示が図7とは異なる場合がある。
ここで、割当chストリップ部424とパラメータ操作部422のロータリエンコーダのプッシュ操作イベントによる画面の切り換えについて説明する。上記のロータリエンコーダの何れかを押し下げると、現在ストリップ画面が表示されているなら最後に表示された選択ch画面(退避してあるもの)に、現在選択ch画面が表示されているなら最後に表示されたグループ画面(退避してあるもの)に、それぞれ切り換わる。これにより、ロータリエンコーダに手を掛けた状態で簡単に画面切り換えができる。例えば、通常はグループ画面で操作するが、あるchの所定のパラメータのみ確認・修正したい場合などは、ロータリエンコーダのプッシュ操作イベントによる画面の切り換え機能を利用するのが便利である。画面が切り換わっても割当chストリップ部424とパラメータ操作部422の操作子の機能は変わるわけではない。従って、パラメータ操作部422のロータリエンコーダをプッシュして選択ch画面でそのロータリエンコーダで変更できるパラメータを確認した後、再びそのロータリエンコーダをプッシュしてグループ画面としても、そのロータリエンコーダで対応するパラメータの微調整などを行うことができる。
図6のストリップ画面及び図7の選択ch画面の何れも、画面上のボタンやノブをタッチすることでボタンのオン/オフ操作やノブの選択を行うことができる。しかし、ノブが示すパラメータ値の変更は、画面に触れる操作では行うことができず、パネル上に設けられているロータリエンコーダを用いて行う。従って、画面を誤って触れることによりノブのパラメータ値が変化してしまうことはない。なお、ストリップ画面や選択ch画面及び各操作部の操作子の操作では、カレントメモリに記憶されている対応するパラメータの値が変更され、その結果として、変更されたパラメータ値が各ボタンのオン/オフ状態や各ノブの設定値に反映される。なお、図6のストリップ画面及び図7の選択ch画面は、操作の基本になる画面であるので、これらを合わせてベース画面と呼ぶ。
パラメータ操作部422と選択ch画面との対応、及び、割当chストリップ部424とグループ画面との対応を分かりやすくするため、パラメータ操作部422の背景色と選択ch画面の背景色とを第1の同系色とし、割当chストリップ部424の背景色とグループ画面の背景色とを前記第1の同系色とは異なる第2の同系色とするとよい。これにより、現在表示されているのがグループ画面か選択ch画面かが一目で分かり、パラメータ操作部と割当chストリップ部のどちらを操作すべき状態なのかを容易に把握できる。さらに、ロータリエンコーダのつまみの色で画面上のノブ表示と対応を取ってもよい。
次に、図6のストリップ画面の各部分領域内に表示されている下向き三角印及び2重の下向き三角印について説明する。これらの下向き三角印または2重の下向き三角印は、その部分領域(ただし、明示的にボタンになっている部分は除く)が、当該部分領域で表示しているパラメータを選択するボタンの役割を果たす領域になっていることを示す表示である。下向き三角印の領域はそのパラメータが「第1種パラメータ」であることを示し、2重の下向き三角印の領域はそのパラメータが「第2種パラメータ」であることを示している。第1種パラメータが選択されると(すなわち、第1種のパラメータが表示されている部分領域(下向き三角印の部分領域)中のボタン以外の領域をタッチすると)、当該パラメータに関連する詳細な設定を行う8chパラメータウィンドウ(以下、8chウィンドウと呼ぶ)が表示される。選択状態にない第2種パラメータが選択されると(すなわち、第2種のパラメータが表示されている部分領域(2重の下向き三角印の部分領域)中のボタン以外の領域をタッチすると)、今回選択操作された第2種のパラメータが選択状態となる。選択状態にある第2種パラメータが再び選択されると、当該パラメータに関連する詳細な設定を行う8chウィンドウが表示される。例えば、図6のノブ604−1〜604−16が表示されている領域は2重の下向き三角印の領域であるので、ここに表示されている各ノブのパラメータ(各MIXバスへのセンドレベル)は第2種パラメータである。従って、選択状態にないノブをタッチすると(そのノブの周辺の背景部分をタッチした場合も、一番近いそのノブがタッチされたとみなすものとする)、8chリングが移動してタッチされた位置の8つのノブが選択状態になる。選択状態にあるノブを再びタッチすると、8chウィンドウが表示される。なお、下向き三角印の第1種パラメータは比較的使用頻度の低いものを想定しており、2重の下向き三角印の第2種パラメータは比較的使用頻度の高いものを想定している。第1種パラメータはパラメータウィンドウで設定変更しなければならないので、パラメータの切替は面倒であるが、使用頻度が低いので問題はない。第2種パラメータは、パラメータウィンドウを開くことなくベース画面で選択状態を切替えて設定変更できる。
図8は、図6の8chストリップ画面において、4列目の表示600−4の第1DYNAMICS(第1種パラメータ)603−3(図8の802)が選択されて、8chウィンドウ801が表示された様子を示す。8chウィンドウには複数の種類がある。選択された第1種または第2種のパラメータに応じて、表示される8chウィンドウが決まる。図10(a)は、DYNAMICS1の8chウィンドウである。図10(b)は、図6のいずれかのchの部分領域603−1または603−2をタッチしたときに表示される8chウィンドウを示す。図11は、各chから各MIXバスへの送出レベルを示すノブ604−1〜604−16の何れかを選択することにより表示される8chウィンドウを示す。
図7の選択ch画面の各部分領域に表示されている下向き三角印も同様である。ただし、図6の8chストリップ画面から表示されるパラメータウィンドウが8chウィンドウであるのに対し、選択ch画面から表示されるパラメータウィンドウは1chウィンドウ(1chパラメータウィンドウ)とする。1chウィンドウは、選択chに関する当該パラメータの、より詳細な設定を行うウィンドウであり、選択されたパラメータに応じて複数の種類がある。例えば、図9(a)は、図7のDYNAMICS1の部分領域705をタッチしたときに表示される1chウィンドウを示す。(部分領域705は第1種パラメータであることを示す下向き三角印が表示されているので、この部分領域705の中のどこでも1回タッチすれば図9(a)の1chウィンドウが表示される。)図9(b)は、図7の選択ch画面で部分領域703または704をタッチしたときに表示される1chウィンドウを示す。なお、図7の選択ch画面の各MIXバス(あるいはMATRIXバス)への送出レベルを示すノブ701−1〜701−16の部分領域701において何れかのノブを選択したときには、そのMIXバス(またはMATRIXバス)への送出レベルを示す8chウィンドウ(図11)が表示されるものとする。この送出レベルについては1chウィンドウを作るほどの詳細なパラメータはないため、8chウィンドウとしているものである。
図9〜図13を参照して、各パラメータウィンドウの詳細を説明する。
図9(a)は、第1ダイナミックス(図3のDYNAMICS1)の1chウィンドウ900の表示例である。901はこの1chウィンドウがDYNAMICS1に関連する詳細なパラメータ設定を行うものであることを示す見出し、902はこのウィンドウを閉じるボタン、905はデフォルトボタン、906は1chボタン、907は8chボタン、908はALLボタンである。911はこの1chウィンドウがどのchについてのウィンドウであるかを示すch番号とch名(ユーザが任意に付けられる)の表示であり、912はch名を付けたときに同時に選択したアイコンの表示(不図示)である。913はこのchにおけるDYNAMICS1のオン/オフを設定するボタンである。ボタン913がオンされているとき、図3で説明した信号処理の流れの中でDYNAMICS1は有効に機能する。オフされているとき、DYNAMICS1は信号をスルーするだけである。914−1〜914−8,915,916などは、DYNAMICS1の詳細なパラメータ設定を行うためのボタンやノブなどを示す。特に、ノブ914−1〜914−8は画面下のエンコーダ536−1〜536−8で操作することができるパラメータを示している。
なお、ベース画面(図6,7)のみが表示され、それに重ねられてパラメータウィンドウが表示されていない場合には、エンコーダ536−1〜536−8は8chストリップ画面(図6)で8chリングがセットされている選択状態のパラメータを設定する操作子に割り当てられているが、図9〜図13に示すパラメータウィンドウが表示されている場合には、これらのエンコーダ536−1〜536−8はそのパラメータウィンドウ中の所定のパラメータを設定する操作子に切り換わるものとする。パラメータウィンドウが閉じると、エンコーダ536−1〜536−8の割り当ては元に戻る。
デフォルトボタン905をタッチしてオンすることにより、このchのDYNAMICS1のパラメータをデフォルトの値に設定することができる。1chボタン906はグレーアウトしていて操作できない。8chボタン907をタッチすると、当該chを含むダイナミックス1に関する8chウィンドウ(後述する図10(a))に移行する。ALLボタン908をタッチすると、ダイナミックス1に関するオールchウィンドウ(後述する図12(a))に移行する。
図9(b)は、HPF及びEQ(図3のATTとHPFとEQ)関連の1chウィンドウ930の表示例を示す。画面下部の要素931〜938は、図9(a)の要素901〜908に対応しており、その役割・機能は同様である。8chボタン937で図10(b)に移行し、ALLボタン938で図12(b)に移行する。要素941〜943も図9(a)の要素911〜913と同様である。944−1〜944−8,945,946などは、ATT、HPF、及びEQの詳細なパラメータ設定を行うためのボタンやノブなどであり、ノブ944−1〜944−8は画面下のエンコーダ536−1〜536−8で操作することができるパラメータとなる。
図10(a)は、DYNAMICS1の8chウィンドウ801の表示例である。見出し表示1001、閉じるボタン1002、1chボタン1006、8chボタン1007、及びALLボタン1008は、1chウィンドウと同様のものである。このウィンドウ801は8chウィンドウであるので、8chボタン1007はグレーアウト表示で操作できないようになっており、1chボタン1006で図9(a)に移行し、ALLボタン1008で図12(a)に移行する。
1010−1〜1010−8は、元の8chストリップ画面に表示されている8chに順に対応する表示である。1つのchの表示、例えば1010−1は、当該chのアイコンとch名の表示1011、当該パラメータの設定状況を表すグラフ等の表示1012,1013、代表パラメータを表すノブ1014、及びオン/オフボタン1015からなる。代表パラメータとは、図3に示した各信号処理要素(機能)の1つを実現するために必要な複数のパラメータのうち、その機能を代表するパラメータである。例えば、DYNAMICS1ではTHRESHOLDが代表パラメータである。8chウィンドウでは、各chの代表パラメータを表示し、順に対応するエンコーダ536−1〜536−8でそれらを操作することができる。オン/オフボタン1015は、当該chにおいて見出し1001で特定される機能の有効/無効を指定するボタンであり、図9(a)のボタン913と同じである。
1020はカーソルであり、表示されている8chの各領域1010−1〜1010−8の何れかにタッチすることで任意のchにセットできる。コピーボタン1003によりカーソル1020がセットされているchのDYNAMICS1のパラメータをコピーし、カーソル1020を別のchにセットしてペーストボタン1004をタッチすることにより、コピーしたDYNAMICS1のパラメータをそのchにペーストできる。デフォルトボタン1005により、カーソル1020がセットされているchのDYNAMICS1のパラメータをデフォルト値に戻すことができる。
図10(b)は、ATT/HPF/EQの8chウィンドウ1030の表示例である。画面下部の要素1031〜1038は、図10(a)の要素1001〜1008に対応しており、その役割・機能は同様である。1chボタン1037で図9(b)に移行し、ALLボタン1038で図12(b)に移行する。元の8chストリップ画面に表示されている8chに順に対応する表示1040−1〜1040−8やカーソル1050も図10(a)と同様のものである。各chごとの要素のうち、1041はアイコンとch名の表示、1042〜1046は、ATT/HPF/EQの詳細なパラメータ設定を行うためのボタンやノブなどである。なお、この8chウィンドウ1030は、複数の信号処理要素についてまとめたものなので、HPFをオン/オフするボタン1044と、EQをオン/オフするボタン1046とが、独立に設けられている。ATT/HPF/EQでは、代表パラメータはEQ1045とする。
なお、このウィンドウ1030では、各chのATTのレベルに対応するノブ1042とHPFの周波数に対応するノブ1043の両方が表示されるので、何れかのchのノブ1042を選ぶと各chの同じノブ1042が明度を上げて表示され(このときノブ1043はグレーアウト)エンコーダ536−1〜536−8で操作することができるようになり、一方、何れかのchのノブ1043を選ぶと各chの同じノブ1043が明度を上げて表示され(このときノブ1042はグレーアウト)エンコーダ536−1〜536−8で操作することができるようになる。
図11は、MIX4SEND(MIXバス4への送出レベル)の8chウィンドウ1100の表示例である。MIXバス4への送出レベルであるので、図6の何れかのchのノブ604−4を選択状態で再度タッチしたときに開くウィンドウである、ということになる。画面下部の要素1101〜1108は、図10(a)の要素1001〜1008に対応しており、その役割・機能は同様である。ALLボタン1108で図13に移行する。なお、MIXバスへの送出レベルについては、1chウィンドウで詳細表示するほどのパラメータがないので、対応する1chウィンドウは存在しない。従って、8chボタン1107とともに1chボタン1106もグレーアウトしている。元の8chストリップ画面に表示されている8chに対応する表示1110−1〜1110−8やカーソルも図10(a)と同様のものである。各chごとの要素1111〜1114も図10(a)の要素1011〜1015と同様のものである。オン/オフボタン1113で、そのchからMIXバス4への信号送出のオン/オフを切替えることができる。ノブ1114が示す送出レベルはエンコーダ536−1〜536−8で操作することができる。代表パラメータは送出レベルの数値表示である。
図12(a)(b)と図13は、パラメータウィンドウのうちall_chウィンドウを示す。これらは、ベース画面から直接開くことはできず、1chまたは8chウィンドウのALLボタンのタッチにより開くものである。
図12(a)は、DYNAMICS1に関するall_chウィンドウ1200の表示例を示す。第1〜第48chまでの各chのアイコン1212、ch名1211(ch番号を同時に表示しても良い)、DYNAMICS1の代表パラメータのグラフ表示1213(数値で表示しても良い)が表示されている。任意のch部分をタッチすることにより、カーソル1220がそのchにセットされる。
ウィンドウの下部には、パラメータ名の表示1201、閉じるボタン1202、コピーボタン1203、ペーストボタン1204、デフォルトボタン1205、1chボタン1206、8chボタン1207、及びALLボタン1208(グレーアウト表示され、オンできないようにしてある)が表示されている。カーソル1220とコピーボタン1203とペーストボタン1204により、任意のchのDYNAMICS1のパラメータを別のchにコピー&ペーストできるのは、8chウィンドウと同様である。デフォルトボタン1205により、任意のchのDYNAMICS1のパラメータをデフォルト状態に戻せることも、8chウィンドウと同様である。また、1chボタン1206と8chボタン1207により、1chウィンドウや8chウィンドウに移行できるのも、他のパラメータウィンドウと同様である。
図12(b)は、ATT/HPF/EQに関するall_chウィンドウ1230の表示例を示す。第1〜第48chまでの各chのアイコン1242、ch名1241、代表パラメータのグラフ表示1243は、図12(a)と同様である。ここでは代表パラメータとして、EQの設定状態をグラフ表示している。画面下部の要素1231〜1238は、図12(a)の要素1201〜1208に対応しており、その役割・機能は同様である。
図13は、MIX4SEND(MIXバス4への送出レベル)に関するall_chウィンドウ1300の表示例を示す。第1〜第48chまでの各chのアイコン1312、ch名1311、代表パラメータの表示1313は、図12(a)や(b)と同様である。ここでは代表パラメータとして、当該chからMIXバス4への送出レベルを数値表示している。加えてPREボタンを表示している。画面下部の要素1301〜1308は、図12(a)の要素1201〜1208に対応しており、その役割・機能は同様である。
上述したように、同じパラメータに関しては、1chウィンドウ、8chウィンドウ、及びall_chウィンドウの間で、1chボタン、8chボタン、及びALLボタンを用いて相互に移行できる。さらに、all_chウィンドウでカーソルがセットされているchを再度タッチすると、対応する8chウィンドウに移行する。8chウィンドウでカーソルがセットされているchを再度タッチすると、対応する1chウィンドウに移行する。
1chウィンドウでは、1つのchに関して詳細なパラメータを参照・設定できる。8chウィンドウでは、8ch分の代表パラメータを並列的に参照・設定できる。all_chウィンドウでは、全chの代表パラメータを参照できる。また、例えばDYNAMICS1であれば、そのパラメータを任意のch間でコピー&ペーストできる。また、1chウィンドウや8chウィンドウでは、各chの信号処理要素機能のオン/オフが指定できる。なお、all_chウィンドウではエンコーダ536−1〜536−8は効かないようにしているが、例えば指定した1行分の8chについてエンコーダ536−1〜536−8により代表パラメータの変更ができるようにしてもよい。
図14は、8chストリップ画面(図6)におけるタッチスクリーン処理のフローチャートである。この処理は、8chストリップ画面上で任意の位置をタッチ操作されたときに起動される。ステップ1401で操作された領域が、第1種パラメータ、第2種パラメータ、あるいはその他領域であるか判定する。(なお、操作されたのがボタンの場合は、そのボタンの操作に応じた処理を行って終了するものとするが、図14では省略した。)第1種パラメータのときは、ステップ1402で8chリングを消去し、ステップ1403でタッチ操作された当該パラメータを代表パラメータとする8chウィンドウを表示する。タッチ操作されたのが第2種パラメータのときは、ステップ1404で、当該パラメータが選択状態にあるかを判定する。選択状態にないときは、ステップ1405で8chリングを移動する。これは、前に選択状態にあって8chリングが表示されていたパラメータから、今回タッチ操作されたパラメータの位置まで8chリングを移動する処理である。次にステップ1406で、タッチ操作された当該パラメータを選択状態にする(前に選択状態にあったパラメータは非選択状態となる)。ステップ1404でタッチ操作されたパラメータが選択状態にあった場合は、ステップ1407で8chリングを消去し、ステップ1408でタッチ操作された当該パラメータを代表パラメータとする8chウィンドウを表示する。ステップ1401でタッチ操作されたのがその他の領域であるときは、ステップ1409で8chリングを消去し、ステップ1410で当該領域に対応するパラメータウィンドウを表示する。
図15(a)は、8chエンコーダ処理のフローチャートである。この処理は、表示画面の下側にある8つの操作子(エンコーダ)536−1〜536−8のいずれかが操作されたとき実行される処理である。ステップ1501で、現在パラメータウィンドウが表示されているか判定する。パラメータウィンドウが開かれていないときは、ステップ1502で、操作された当該エンコーダに対応するchの現在選択状態にあるパラメータの値を、当該エンコーダの操作に応じて変更する。次にステップ1503で、当該パラメータが表示中であるか判定し、そうであるなら、ステップ1504で表示の更新を行い、終了する。表示中でないときはそのまま終了する。ステップ1501でパラメータウィンドウが表示されている場合は、ステップ1505で該ウィンドウ中の当該エンコーダに対応するパラメータの値を、当該エンコーダの操作に応じて変更する。次にステップ1506で表示を更新して、終了する。
図15(b)は、選択chエンコーダ処理のフローチャートである。この処理は、選択ch画面(図7)が表示されている状態で、画面左側のパラメータ操作部422(図5(a))内のいずれかの操作子(エンコーダ)が操作されたときに実行される処理である。ステップ1511で、現在選択されているchの当該エンコーダに対応するパラメータの値を、当該エンコーダの操作に応じて変更する。次にステップ1512で、当該パラメータが表示中であれば、ステップ1513で表示を更新して終了する。表示中でなければ、そのまま終了する。
図16は、選択ch画面におけるタッチスクリーン処理のフローチャートである。この処理は、選択ch画面(図7)において画面内の任意の位置がタッチされたとき実行される処理である。ステップ1601で、タッチ操作された領域を判別する。オン/オフボタンであるときは、ステップ1602で選択chの当該パラメータのオン/オフを反転させ、ステップ1603で表示を更新して、終了する。タッチ操作されたのがAUXパラメータ(部分領域701のノブ)であるときは、ステップ1604で当該パラメータを代表パラメータとする8chウィンドウ(図11)を表示して、終了する。タッチ操作された領域がAUX以外のパラメータ領域であるときは、ステップ1605で当該パラメータを代表パラメータとする1chウィンドウを表示し、終了する。タッチ操作されたのがその他の領域であるときは、ステップ1606で当該領域に対応するパラメータウィンドウを表示し、終了する。
図17は、8chウィンドウ(図10,11)におけるタッチスクリーン処理のフローチャートである。この処理は、8chウィンドウ内でタッチ操作されたとき実行される。なおここでは、カーソルを移動させる処理や、コピーボタン、ペーストボタン、デフォルトボタンによる処理については省略した。まずステップ1701で、操作された領域を判別する。オン/オフボタンであるときは、ステップ1702で操作されたボタンに対応するパラメータのオン/オフを反転させ、ステップ1703で表示を更新して、終了する。タッチ操作されたのが1chボタンであるときは、ステップ1704で当該パラメータを代表パラメータとする1chウィンドウを表示して(本8chウィンドウは消す)、終了する。タッチ操作されたのがALLボタンであるときは、ステップ1705で当該パラメータを代表パラメータとするall_chウィンドウを表示し、終了する。タッチ操作されたのが閉ボタンであるときは、ステップ1706で当該ウィンドウを閉じ、ステップ1707でベース画面が8chストリップ画面であるか判別する。そうであるときは、ステップ1708で8chリングを復活させ、終了する。ベース画面が選択ch画面のときは、そのまま終了する。
1chウィンドウまたはall_chウィンドウにおけるタッチスクリーン処理も同様である。
なお、8chストリップ画面では、第2種パラメータを1タッチすると該パラメータが選択状態となり、2タッチでパラメータウィンドウを開くようになっていたが、必ずしもそうしなくてもよい。例えば、シフトキーを押さずにタッチすると、それが第1種パラメータか第2種パラメータかに関わらずパラメータウィンドウが開き、シフトキーを押しながらタッチすると、それが第2種パラメータの場合のみ、そのパラメータが選択状態になるようにしてもよい。
上記実施形態では8chを1つのまとまりとして取り扱ったが、8chに限るものではない。パラメータウィンドウではATT/HPF/EQをまとめたが分けても良い。
なお、代表パラメータ選択操作が行われたとき、必ずしも開いている画面(選択ch画面、kch(8ch)ストリップ画面)に応じたウィンドウを開くようになっていなくてもよい。例えば、各選択パラメータ毎に1chウィンドウとkch(8ch)ウィンドウの何れを開くかを予め決めておくようにしてもよいし、1chウィンドウ、kch(8ch)ウィンドウ、全chウィンドウの3種類のウィンドウに、他のウィンドウに切り替えるための操作子を設けておき、該操作子によりそれらのウィンドウ相互間での切り替えを自由に行えるようにしてもよい。
上記実施形態では、第1種のパラメータであることを示す下向き三角印および第2種のパラメータであることを示す2重の下向き三角印を、図6のストリップ画面の各部分領域内に表示するものとして説明したが、これらの表示は三角印による表示に限らず適宜他の形態の表示を採用してもよく、また、三角印等による表示を省略して第1種のパラメータと第2種のパラメータとを区別することなく表示してもよい。
101…中央処理装置(CPU)、102…フラッシュメモリ、103…ランダムアクセスメモリ(RAM)、104…表示器、105…電動フェーダ、106…操作子、107…波形入出力インターフェース(I/O)、108…信号処理部(DSP)、109…操作者用モニタ、110…その他I/O、111…バスライン。