JP2018142769A - ダミーヘッド及び耳栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】気導音を骨導音と分離して検出することが可能なダミーヘッドと、それに装着される耳栓と、を提供する。【解決手段】ダミーヘッド1は、内部に空間20が形成された筐体2と、空間20に配置され、集音口42aを有し、集音口42aから取り込んだ音波を検出するイヤシミュレータ4と、振動を減衰させる防振部材53と、を備える。筐体2は、筐体2の外部と空間20とを連通させる通路24cが形成される。イヤシミュレータ4の集音口42cは、筐体2の外部から到来する音波を、通路24cを介して取り込むように配置され、イヤシミュレータ4は、防振部材53を介して筐体2に対して固定されている。【選択図】図3

Description

本発明は、音声を検出するダミーヘッド及び耳栓に関する。
人間の耳は、耳介等で複雑に回折・反射した音波を受けることによって音を知覚する。このような耳介等の影響を受けた音波をマイクロホンで受けてそのまま記録し、再生すれば、より立体感のある音を受聴者に知覚させることができる。つまり、原音に近い音を聴いていると受聴者に感じさせることができる。
耳介等の影響を反映させた録音・再生は、バイノーラル録音・再生と称され、例えば特許文献1に記載されたダミーヘッド等を用いて行われる。ダミーヘッドは、人間の頭部を模した筐体を有しており、当該筐体には、耳介を模した突起や、外耳道を模した通路が形成されている。また、人間の内耳に相当する部位には、マイクロホンを有するイヤシミュレータが配置されている。
このようなダミーヘッドは、筐体や突起において回折・反射して通路を通過した音波をイヤシミュレータで受けることにより、実際の人間の頭部(以下「実頭」ともいう。)に準じた頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function, HRTF)を測定することができる。この頭部伝達関数や、頭部伝達関数を逆フーリエ変換することによって得られる頭部インパルス応答(Head-Related Impulse Response, HRIR)を信号に畳み込むことにより、バイノーラル録音が可能となる。
特開平5−153687号公報
人体の外部から到来する音波や、人間が口から発した音波(自己発話)は、主に2種類の経路を介して自身の耳に到達する。第1の経路は、音波が空気中を伝播して耳に到達する経路である。当該経路を介して知覚される音声を「気導音」と称する。第2の経路は、音波が頭部の骨、軟骨、筋肉等の固体の振動によって伝播され、耳に到達する経路である。当該経路を介して知覚される音声を「骨導音」と称する。
ダミーヘッドにおいても、気導音を骨導音と分離して検出できることが好ましい。このようなダミーヘッドは、ハイレゾリューション録音等の高い品質を要求される録音や、補聴器の開発、聴覚研究等、様々な用途への応用が期待できる。
しかしながら、イヤシミュレータは、人間の内耳に相当する部位において、筐体に対して固定する必要がある。このため、筐体の振動によって固体伝播する音波がイヤシミュレータに到達し、骨導音に相当する音声がイヤシミュレータによって検出されてしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、気導音を骨導音と分離して検出することが可能なダミーヘッドと、それに装着される耳栓と、を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、音声を検出するダミーヘッドであって、内部に空間が形成された筐体と、空間に配置され、集音口を有し、該集音口から取り込んだ音波を検出するイヤシミュレータと、振動を減衰させる防振部材と、を備える。筐体は、筐体の外部と空間とを連通させる通路が形成される。イヤシミュレータの集音口は、筐体の外部から到来する音波を、通路を介して取り込むように配置される。イヤシミュレータは、防振部材を介して筐体に対して固定されている。
この構成によれば、筐体が振動して音波が伝播する場合でも、当該振動のイヤシミュレータへの伝播を防振部材によって抑制することが可能になる。この結果、骨導音の影響を排除し、気導音のみの評価を行うことが可能になる。
ダミーヘッドは、空間に配置され、有底の筒形状を呈し、内部が通路を介して筐体の外部と連通するように筐体に対して固定される筒状部材を備え、イヤシミュレータは、筒状部材の内部に配置されるとともに、防振部材を介して筒状部材によって支持されていてもよい。
この構成によれば、筒状部材が有底の筒形状を呈しているため、イヤシミュレータは筐体内の空間において筒状部材によって遮蔽される。このため、筐体の振動により筐体内の空間に放射された音波(すなわち、気導音。いわゆる空気伝播音。)がイヤシミュレータに到達することを抑制できる。この結果、イヤシミュレータによる当該音波の検出を抑制することが可能になる。
ダミーヘッドは、筒状部材に対するイヤシミュレータの固定と、該固定の解除と、が可能な固定部材を備えていてもよい。
この構成によれば、固定部材を用いてイヤシミュレータを筒状部材に対して固定することにより、防振部材の防振機能を排除し、筒状部材からイヤシミュレータに振動を伝播させることができる。また、筒状部材に対するイヤシミュレータの固定を解除することにより、筒状部材からイヤシミュレータへの振動(すなわち、骨導音。いわゆる固体伝播音。)の伝播を抑制することができる。つまり、上記構成によれば、イヤシミュレータの固定状態を適宜選択することにより、イヤシミュレータによって音波を検出する際に、骨導音の影響を反映した状態と、骨導音の影響を排除した状態と、を切り替えることが可能になる。
ダミーヘッドは、空間に配置され、振動板を振動させることにより音波を発生させるスピーカを備え、筐体は、筐体の外部と空間とを連通させる口唇開口が形成され、スピーカは、空間側から口唇開口の少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。
この構成によれば、スピーカによる音波の放射と、イヤシミュレータによるその検出と、を同時に行うことにより、人間が自身の口から発した音声の聴覚への影響を評価可能なダミーヘッドを提供することができる。このようなダミーヘッドは、使用者の通話時の発声の影響を考慮した携帯電話の性能評価、補聴器の開発、聴覚研究等、様々な用途への応用が期待できる。
ダミーヘッドは、貫通孔が形成されたプレートを備え、プレートは、その周縁部が筐体の内側面に対して固定されることにより、空間を、口唇開口を介して筐体の外部と連通する部分である第1空間と、残部である第2空間と、に区分し、スピーカは、貫通孔に挿通されるとともに、振動板が第1空間に配置されるようにプレートに対して固定されており、筒状部材及びイヤシミュレータは、第2空間に配置されていてもよい。
この構成によれば、スピーカの背面側への音波の回折を、プレートによって抑制することが可能になる。この結果、スピーカから筐体内の空間に放射された音波が、当該空間を介してイヤシミュレータに到達することを抑制できる。この結果、イヤシミュレータによる当該音波の検出を抑制することが可能になる。
ダミーヘッドは、第2空間に吸音材を備えていてもよい。
この構成によれば、スピーカの背面から筐体内の第2空間に放射され、第2空間で反射する音波を、吸音材によって吸収することができる。この結果、イヤシミュレータによる当該音波の検出を抑制することが可能になる。
本発明のもう一つの態様は、ダミーヘッドに装着される耳栓である。当該耳栓は、棒状部材と、弾性を有し、棒状部材の先端部に接続された遮音部材と、を備えている。棒状部材は、その外側面に凹部が形成されている。遮音部材は、棒状部材が通路に挿入されることにより、イヤシミュレータの集音口を遮蔽する。
この構成によれば、遮音部材によってイヤシミュレータの集音口を遮蔽することにより、気導音を排除し、骨導音のみの評価を行うことが可能になる。つまり、当該構成により、イヤシミュレータによって音波を検出する際に、気導音の影響を反映した状態と、気導音の影響を排除した状態と、を切り替えることが可能になる。このような構成は、聴覚や補聴器の分析・開発に有効に利用することができる。
また、棒状部材は、その外側面に凹部が形成されている。したがって、筐体の通路の周辺に、人間の耳介を模した突起が形成されている場合であっても、凹部によって棒状部材と突起との間に隙間を形成し、両者の干渉を抑制することが可能になる。この結果、耳栓を筐体の通路に適切な角度(つまり、耳栓の中心軸が通路の中心軸と一致するような角度)で挿入し、遮音部材によってイヤシミュレータの集音口を確実に遮蔽することが可能になる。
耳栓は、遮音部材が接続された部位の近傍に、遮音部材の外側面と棒状部材の先端部の外側面とを滑らかに連結する連結部を有していてもよい。
この構成によれば、耳栓を筐体の通路に挿入した際に、遮音部材が接続された部位が通路内で引っ掛かることを抑制できる。
本発明によれば、気導音を骨導音と分離して検出することが可能なダミーヘッドと、それに装着される耳栓と、を提供することができる。
実施形態に係るダミーヘッドの外観を示す斜視図である。 図1のII−II断面を示す断面図である。 図2のIII−III断面を示す断面図である。 プレートの正面図である。 図2の口唇部近傍の拡大図である。 イヤシミュレータの固定状態を説明する説明図である。 ダミーヘッドの口唇部近傍の拡大図である。 実施形態に係る耳栓の斜視図である。 耳栓を装着したダミーヘッドを示す拡大図である。 ダミーヘッドの口唇開口から放出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。 ダミーヘッドの口唇開口から放出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。 ダミーヘッドのイヤシミュレータによって検出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。 ダミーヘッドのイヤシミュレータによって検出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。 ダミーヘッドのイヤシミュレータによって検出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、ダミーヘッド1の概要について説明する。図1は、ダミーヘッド1の外観を示す斜視図である。ダミーヘッド1は、成人の頭部を模した形状を呈する筐体2を備えている。筐体2の骨格は硬質の樹脂材料によって形成され、当該骨格の表面はウレタン等の軟質の材料によって被覆されている。
筐体2の正面部には、人間の鼻を模した突起が形成されている。また、当該突起の下方には、口唇を模した口唇部25が形成されている。口唇部25には、口唇開口25aが形成されている。口唇開口25aは、筐体2を貫通しており、筐体2の外部と、後述する筐体2内部の空間20とを連通させている。口唇開口25aの鉛直方向寸法は20mm程度であり、水平方向寸法は40mm程度である。
口唇開口25aは、音響透過性材料によって形成された膜状部材である目隠しカバー26によって遮蔽されている。目隠しカバー26として、例えば、金属繊維シート、金属繊維板、フッ素繊維シート等を採用することができる。目隠しカバー26は、20Hz−20kHzの周波数帯域にわたってほぼ100%の音響透過性を有している。また、目隠しカバー26は、僅かながら吸音性も有している。このため、目隠しカバー26は、後述する吸音材82とともに、口唇開口25aから放出される音声の品質や周波数応答特性の調整に用いることもできる。
筐体2の側面部には、人間の耳を模した耳部材24が取り付けられている。耳部材24は筐体2の左右両側面に取り付けられており、図1には右耳を模した耳部材24が示されている。耳部材24は、ウレタン等の軟質の材料によって形成されており、基部24aと、耳介部24bと、を有している。基部24aは側面視で矩形状を呈しており、耳介部24bはこの基部24aから外方に突出している。耳介部24bは、人間の耳介と同様に、外部から到来する音波の集音機として機能する。耳介部24bの内側には、外耳道を模した通路24cが形成されている。通路24cは、基部24aを貫通している。
また、筐体2の側面部には、耳部材24の基部24aが装着される凹部23が形成されている。基部24aは、凹部23に隙間無く装着される。凹部23の内側には、後述するイヤシミュレータ4が配置されている。
次に、図2から図7を参照しながら、ダミーヘッド1の構成について詳細に説明する。図2は、図1のII−II断面を示す断面図である。図3は、図2のIII−III断面を示す断面図である。図2及び図3では、筐体2の内部が模式的に示されており、簡便のため筐体2の断面のみにハッチングが付されている。また、図2及び図3は、図1に示したカバー26を取り外した状態のダミーヘッド1を示している。図4は、プレート37の正面図である。図5は、図2の口唇部25近傍の拡大図である。図6は、イヤシミュレータ4の固定状態を説明する説明図である。図7は、ダミーヘッド1の口唇部25近傍の拡大図である。
図2及び図3に示されるように、筐体2の内部には空間20が形成されている。空間20には、スピーカ3と、イヤシミュレータ4と、キャップ5と、が配置されている。また、口唇開口25aの内部には、ディフューザ7が配置されている。
スピーカ3は、不図示の制御装置から受信する制御信号に基づいて音波を発生させる音源である。スピーカ3は、バイノーラル録音された音声や、試験音等、種々の音声に対応する音波を発生させることができる。
スピーカ3は、振動板31と、機能部32と、を有している。機能部32内には、コイルやマグネット等、制御信号に基づいて機能する種々の要素が収容されている。制御信号に基づいて機能部32が動作すると、振動板31が振動して音波を発生させる。スピーカ3は、プレート37に対して固定されている。
図4に示されるプレート37は、厚みが0.1mmから5mm程度の薄板によって形成されている。当該薄板の厚みは0.1mmから5mm程度である。プレート37は、環状部371と、4つの突状部372と、を有している。4つの突状部372は、環状部371の中央部から一側方に向かって突出するように形成されている。突出した4つの突状部372の端部は互いに対向するように屈曲しており、それらの間に貫通孔37aを形成している。それぞれの突状部372の端部には、粘着剤37bが貼着されている。さらに、環状部371の一側面であって、突状部372の周囲には、ガラス繊維によって形成されたグラスウール81が貼着されている。グラスウール81は吸音材として機能する。スピーカ3は、その機能部32が貫通孔37aに挿通され、粘着剤37bと粘着することによってプレート37に対して固定される。
図2及び図3に示されるように、プレート37は、筐体2の空間20のうち口唇開口25a寄りの部位に配置され、その周縁部が筐体2の内側面20aに対して固定される。これにより、空間20は、口唇開口25a側の第1空間21と、空間20の中央部寄りの第2空間22と、に区分される。第1空間21は、口唇開口25aを介して筐体2の外部と連通する。スピーカ3の振動板31は、この第1空間21に配置される。プレート37の周縁部と内側面20aとの間には、その隙間を埋めるように不図示の粘土やパテ材が詰められる。
また、プレート37が筐体2の空間20に配置されることにより、第1空間21は、放射空間21aと、余剰空間21bと、に区分される。放射空間21aは、スピーカ3の振動板31よりも口唇開口25a側に形成される空間である。スピーカ3は、その振動板31の振動によって放射空間21aに音波を放射する。余剰空間21bは、スピーカ3の振動板31の側方に形成される空間である。余剰空間21bは、プレート37の環状部371と、4つの突状部372と、筐体2の内側面20aと、によって区画形成されている。
スピーカ3の振動板31の周縁の四隅と、筐体2の内側面20aと、の間の隙間には、スペーサ84が配置されている。スペーサ84はゴム材料によって形成され、所定の弾性を有している。振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間の隙間の寸法L(図5参照)は、筐体2の内側面20aが曲面であるため部位によって異なるが、スペーサ84によって最大で1mm以上且つ10mm以下に保たれている。
プレート37が筐体2の内側面20aに対して固定されると、スピーカ3は、空間20側から口唇開口25aの少なくとも一部を覆うように配置される。口唇開口25aを正対して見た場合に、スピーカ3は、その中心が、口唇開口25aの中心と略一致するように配置される。
放射空間21aには、グラスウール82が配置されている。グラスウール82はガラス繊維によって形成され、その厚みは1mmから5mm程度である。グラスウール82は、周波数選択性の音響透過材として機能する。また、第2空間22には、グラスウール83a,83bが配置されている。グラスウール83a,83bは、いずれもガラス繊維によって形成され、吸音材として機能する。
イヤシミュレータ4は、マイクロホンを有する音波検出機器であり、例えば国際電気標準会議の規格であるIEC60268−7に準拠したものを採用することができる。図3に示されるように、イヤシミュレータ4は、第2空間22において、両耳の内耳に相当する部位に配置されている。イヤシミュレータ4は、本体41と、集音筒42と、マイクロホン43と、を有している。本体41は、ステンレス鋼等の金属によって形成され、その内部に不図示の導波路を有している。集音筒42は、本体41から突出している筒形状の部分である。集音筒42の先端に開設されている集音口42aは、内部に向かって直径が漸次減少する円錐形状を呈している。マイクロホン43は、音波を電気信号に変換する公知の機器であり、例えばエレクトリックコンデンサマイクロホンを採用することができる。
キャップ5は、有底の筒状部材の一態様である。キャップ5は樹脂材料によって形成されており、図3に示されるように、円筒形状を呈する筒部51と、筒部51の一端を遮蔽する底部52と、を有している。キャップ5は、第2空間22において両耳の鼓膜、中耳、及び内耳に相当する部位に配置されており、その開口端が筐体2の内側面20aに対して隙間なく固定されている。筒部51には、信号線51bが挿通される連通孔51aが開設されている。連通孔51aと信号線51bとの隙間には、不図示のゴム管、ワッシャーなどが装着され、キャップ5内の気密性が保たれている。また、筒部51には、周方向において互いに異なる位置に、複数のつまみネジ6が螺入している。螺入したつまみネジ6の先端部は、キャップ5の内部に突出している。つまみネジ6の突出量は、つまみネジ6を回転させることによって適宜調整することができる。キャップ5の内部には、粘弾性を有するシリコンゴム等である防振部材53が配置されている。
前述したイヤシミュレータ4は、このキャップ5の内部に配置され、防振部材53を介してキャップ5の内側面によって支持されている。この配置により、イヤシミュレータ4は、第2空間22の他の部分から隔離される。イヤシミュレータ4は、その集音筒42の集音口42aが筐体2の両側面において外部に露出するように配置される。マイクロホン43は、筒部51の連通孔51aを挿通する信号線51bによってイヤシミュレータ出力の電気信号を外部に送信する。耳部材24が筐体2の凹部23に取り付けられると、集音筒42は耳部材24の通路24c(図1参照)に嵌入する。
また、前述したつまみネジ6の突出量を調整することにより、キャップ5に対するイヤシミュレータ4の固定状態を適宜選択することができる。具体的には、図6(A)に示されるように、先端がイヤシミュレータ4の本体41と離間するようにつまみネジ6を調整することにより、キャップ5に対するイヤシミュレータ4の固定が解除された状態となる。この状態では、矢印S1で示すように筐体2やキャップ5が振動した場合でも、キャップ5からイヤシミュレータ4への振動の伝播(すなわち、固体伝播音である骨導音の伝播)は防振部材53によって抑制される。つまり、防振部材53は、振動を絶縁、又は減衰させるように機能する。
一方、図6(B)に示されるように、先端がイヤシミュレータ4の本体41と当接するようにつまみネジ6を突出させることにより、イヤシミュレータ4はキャップ5に対して固定された状態となる。この状態では、矢印S1で示すように筐体2やキャップ5が振動すると、当該振動(すなわち、骨導音)はつまみネジ6によってイヤシミュレータ4に伝播する。つまり、防振部材53は、振動を減衰させることができず、当該振動はそのままイヤシミュレータに伝播することになる。
図7に示されるように、ディフューザ7は口唇開口25aの内部に配置されている。ディフューザ7は、球体71と、棒体72と、を有する。球体71は、パテ材やコーキング材等の硬質の材料によって形成され、直径が3mmから10mm程度の球形状を呈している。棒体72は、金属材料によって形成され、棒形状を呈している。棒体72は、その上端及び下端が口唇部25によって支持されている。また、棒体72は、球体71が口唇開口25aの略中央部に配置されるとともに、球体71が筐体2の表面から突出しないように、球体71を支持している。
次に、図8及び図9を参照しながら、ダミーヘッド1に着脱自在に装着される耳栓100について説明する。図8は、耳栓100の斜視図である。図9は、耳栓100が装着されたダミーヘッド1を示す拡大図である。図8に示されるように、耳栓100は、棒状部材110と、遮音部材120と、を有している。
棒状部材110は、木材や樹脂等の硬質の材料によって形成され、円柱形状を呈している。棒状部材110の長さは10mmから50mm程度である。棒状部材110の外側面の一部には、凹部111が形成されている。
遮音部材120は、ウレタンゴム等の弾性を有する材料によって形成され、棒状部材110の先端に接続されている。遮音部材120の厚さは1mmから5mm程度である。遮音部材120の断面形状は円形状であり、その直径は、イヤシミュレータ4の集音口42aの内径よりも僅かに小さい。
耳栓100は、遮音部材120が接続された部位の近傍に、連結部130を有している。連結部130は、パテ材やコーキング材等、成形後に硬化して形状が定まる材料によって形成されている。連結部130は、遮音部材120の外側面と棒状部材110の先端部の外側面とを滑らかに連結している。
図9に示されるように、耳栓100は、耳部材24の通路24cに挿入される。挿入された耳栓100の遮音部材120(図8参照)は、イヤシミュレータ4の集音口42a(図6参照)を遮蔽する。このとき、耳部材24の耳珠24dが棒状部材110の凹部111内に配置されることにより、耳珠24dと棒状部材110との干渉が抑制される。これにより、耳栓100は通路24cに適切な角度(つまり、耳栓100の中心軸が通路24cの中心軸と一致するような角度)で挿入され、遮音部材120によってイヤシミュレータ4の集音口42aを確実に遮蔽することが可能になる。
また、図8に示されるように、遮音部材120の外側面と棒状部材110の先端部の外側面とが連結部130によって滑らかに連結されているため、耳栓100が通路24cに挿入される際に、遮音部材120が接続された部位が通路24c内で引っ掛かることはない。
図3に示されるように、ダミーヘッド1は、耳栓100以外にも、市販のイヤマフラ88や耳栓89も装着することができる。イヤマフラ88は、筐体2の両側面に装着され、耳部材24全体を覆う。耳栓89は、耳部材24の通路24cに挿入され、通路24cの入口部分を塞ぐ。
<ダミーヘッドによる発声(音波の放出)>
ダミーヘッド1は、スピーカ3が発生させた音波を、口唇開口25aから筐体2の外部に放出することにより、あたかも人間が発声しているように動作する発声機能を有している。このように発声機能を有するダミーヘッド1は、ロボット等への搭載や、セキュリティ(防犯)関連の装置、システムへの応用が期待できる。
図10及び図11を参照しながら、実施形態に係るダミーヘッド1が放出する音波の特性について説明する。図10は、比較例に係るダミーヘッドから放出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。図11は、比較例に係るダミーヘッド、及び、ダミーヘッド1から放出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。
図10及び図11に示されるグラフは、比較例に係るダミーヘッドや、実施形態に係るダミーヘッド1に対して行った発声試験の結果に基づくものである。発声試験では、比較例に係るダミーヘッドや、実施形態に係るダミーヘッド1のスピーカ3にピンクノイズ印加するとともに、外部マイクロホンによって音圧周波数応答特性を測定した。外部マイクロホンは、口唇開口25aから前方に20mm離れた位置に配置した。その特性グラフの波形が平坦であるほど、自然な音声として違和感無く受聴者に知覚される傾向にある。
図10の波形W1は、第1比較例に係るダミーヘッドに対して行った発声試験の結果を示している。当該ダミーヘッドは、次の[a1]から[d1]の点において、実施形態に係るダミーヘッド1と構成が異なる。
[a1]ディフューザ7を備えていない。
[b1]プレート37を備えていない。
[c1]振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間の隙間の寸法Lが10mmよりも大きい。
[d1]口唇開口25aと、スピーカ3の振動板31と、の間にグラスウール82が配置されていない。
このような第1比較例に係るダミーヘッドでは、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性は、急峻なピーク(山)やディップ(谷)を有するものとなった。この結果、受聴者によって知覚される音声は、大きくひずんだものとなった。
図10の波形W2は、第2比較例に係るダミーヘッドに対して行った発声試験の結果を示している。当該ダミーヘッドは、次の[a2]から[d2]の点において、実施形態に係るダミーヘッド1と構成が異なる。
[a2]ディフューザ7を備えていない。
[b2]プレート37を備えていない。
[c2]振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間に粘土を詰め、隙間を無くした。
[d2]口唇開口25aと、スピーカ3の振動板31と、の間にグラスウール82が配置されていない。
第2比較例に係るダミーヘッドでは、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性は、第1比較例に係るダミーヘッドのものと比べて全体的に音圧レベルが上昇したが、ピークやディップは、第1比較例に係るダミーヘッドのものからさらに急峻なものとなった。この結果、受聴者が知覚される音声は、さらに大きくひずんだものとなり、自然な発声とはかけ離れたものとなった。これは、口唇開口25aを通過できなかった音波が筐体2内部の空間20で反射したことが主な要因と考えられる。
図10の波形W3は、第3比較例に係るダミーヘッドに対して行った発声試験の結果を示している。当該ダミーヘッドは、次の[a3]から[c3]の点において、実施形態に係るダミーヘッド1と構成が異なる。つまり、第3比較例に係るダミーヘッドでは、振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間に隙間が形成され、その隙間の寸法Lが最大で1mm以上且つ10mm以下となるように設定されている。
[a3]ディフューザ7を備えていない。
[b3]プレート37を備えていない。
[c3]口唇開口25aと、スピーカ3の振動板31と、の間にグラスウール82が配置されていない。
このような第3比較例に係るダミーヘッドでは、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性は、第1及び第2比較例に係るダミーヘッドのものと比べて、全体的に平坦なものとなった。これは、第3比較例に係るダミーヘッドでは、放射空間21aにおいて反射している音波が、図5に矢印A1で示されるように、振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間の隙間を介して余剰空間21bに導かれたことが要因と考えられる。つまり、多重反射した音波を放射空間21aから排除することにより、口唇開口25aを介して外部に放出されることが抑制された結果と考えられる。
また、振動板31の周縁と、筐体2の内側面20aと、の間の隙間の寸法Lが最大で1mm以上且つ10mm以下となるように設定されたことにより、隙間に伝播した音波の多重反射や共鳴が抑制されたことも要因と考えられる。
図11の波形W4は、第4比較例に係るダミーヘッドに対して行った発声試験の結果を示している。当該ダミーヘッドは、次の[a4]から[c4]の点において、実施形態に係るダミーヘッド1と構成が異なる。つまり、第4比較例に係るダミーヘッドは、グラスウール81(図4参照)が貼着されていないプレート37を備えている。
[a4]ディフューザ7を備えていない。
[b4]口唇開口25aと、スピーカ3の振動板31と、の間にグラスウール82が配置されていない。
[c4]プレート37にグラスウール81は貼着されていない。
このような第4比較例に係るダミーヘッドでは、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性は、複数のディップが表れているものの、全体として比較的平坦なものとなった。これは、スピーカ3の背面側への音波の回折がプレート37によって抑制され、スピーカ3が発生させた音波が口唇開口25aから効率良く放出されたことが要因と考えられる。
図11の波形W5は、第5比較例に係るダミーヘッドに対して行った発声試験の結果を示している。当該ダミーヘッドは、次の[a5]から[c5]の点において、実施形態に係るダミーヘッド1と構成が異なる。つまり、第5比較例に係るダミーヘッドは、プレート37の材質が第4比較例に係るダミーヘッドのプレート37のものと異なる。
[a5]ディフューザ7を備えていない。
[b5]口唇開口25aと、スピーカ3の振動板31と、の間にグラスウール82が配置されていない。
[c5]プレート37にグラスウール81は貼着されていない。
[d5]プレート37はアルミニウムによって形成されている。
このような第5比較例に係るダミーヘッドでは、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性は、第5比較例に係るダミーヘッドと比べて、ディップがより大きくなってしまうという結果が得られた。
図11の波形W6は、ダミーヘッド1に対して行った発声試験の結果を示している。
ダミーヘッド1では、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性はより平坦なものとなった。この結果、受聴者によって知覚される音声は、ひずみが少ないものとなった。これは、プレート37に貼着されたグラスウール81により、第1空間21における音波の反射が抑制され、口唇開口25aから放出される音波の周波数応答特性が調整されたことが要因と考えられる。
また、口唇開口25aを通過する音波は、ディフューザ7の球体71の外側面において回折し、その指向性を変化させながら筐体2の外部に放出される。周波数が低い音波は曲面に沿って回折し、周波数が高い音波は球体71との干渉によって拡散する傾向がある。したがって、口唇開口25aを通過する音波の指向性が球体71によって調整され、音波の周波数応答特性が調整されたことも、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性が平坦なものになった要因と考えられる。
また、ダミーヘッド1は、口唇開口25aとスピーカ3の振動板31との間に、吸音材であるグラスウール82が配置されている。この構成により、筐体2の内側面20aのうち口唇開口25a周辺の部位と、振動板31と、の間における、音波の多重反射や共鳴が軽減されたり、周波数帯域に応じた選択透過が奏効したりしたことも、口唇開口25aから放出された音波の周波数応答特性が平坦なものになった要因と考えられる。
<ダミーヘッドによる発声と受聴(音波の放出と受波)>
ダミーヘッド1は、前述した発声機能に加え、イヤシミュレータ4によって音波を受ける受聴機能も有している。このように発声と受聴とを同時に行うことが可能なダミーヘッド1は、使用者の通話時の発声の影響を考慮した携帯電話の性能評価、補聴器の開発、聴覚や自己発話に関する研究領域等、様々な用途への応用が期待できる。
図12及び図13を参照しながら、ダミーヘッド1が外部に放射し、自身のイヤシミュレータによって受音、検出した音波の特性(すなわち、自己発話受聴の特性)について説明する。併せて、耳栓100の効果についても説明する。図12及び図13は、ダミーヘッド1のスピーカ3からピンクノイズを印加し、これを同じダミーヘッド1のイヤシミュレータ4によって検出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。
図12及び図13に示されるグラフは、ダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果に基づくものである。自己発話受聴試験では、ダミーヘッド1のスピーカ3によってピンクノイズを発生させるとともに、イヤシミュレータ4によって音波を検出した。
図12及び図13の棒B1に示される特性は、イヤシミュレータ4のマイクロホン43の自己雑音を含む測定系のバックグラウンドノイズに対応するものである。すなわち、マイクロホン43は、この棒B1よりも小さい音圧レベルの音波を検出することはできない。
図12は、図6(A)に示したように、つまみネジ6によるイヤシミュレータ4の固定を解除した状態における自己発話受聴試験の結果を示している。この状態では、防振部材53によって振動が減衰するため、キャップ5からイヤシミュレータ4への振動の伝播が抑制される。つまり、筐体2を伝播する音波が遮断され、矢印A2のように空気中を伝播する音波のみがイヤシミュレータ4によって検出される。この結果、骨導音の影響を排除し、気導音のみの評価を行うことが可能となる。
図12の波形W7は、耳部材24を装着しない状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。また、波形W8は、耳部材24を装着した状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。耳部材24の装着により、イヤシミュレータ4によって検出される音波の特性が変化したことがわかる。
図12の波形W9は、耳部材24がイヤマフラ88によって覆われた状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。また、波形W10は、耳部材24の通路24cが市販の耳栓89によって塞がれた状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。いずれも、周波数が高い領域では音圧レベルの低下が認められたが、低周波数領域では音圧レベルが殆ど変化しないか、寧ろ大きくなるという結果が得られた。これは、耳穴に指を入れた時の自己発話の音質に対応する興味深い結果であり、耳栓をつけた状態での発話には留意する必要があることを示唆している。
図13の波形W11は、つまみネジ6によりイヤシミュレータ4が固定されるとともに(図6(B)参照)、耳部材24の通路24cが市販の耳栓89によって塞がれた状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。また、波形W12は、イヤシミュレータ4の固定が解除されるとともに(図6(A))、耳部材24の通路24cに耳栓100を挿入した状態のダミーヘッド1に対して行った自己発話受聴試験の結果を示している。すなわち、当該結果は、自己発話に対し気導音と骨導音の双方が遮断された状態の応答を示している。
波形W11は、波形W12と比べて20dB程度の音圧レベルの上昇が認められる。これは、波形W11では、つまみネジ6によりイヤシミュレータ4が固定され、防振部材53が振動を減衰させることができなくなり、筐体2を伝播する固体伝播音(つまり、骨導音)がイヤシミュレータ4によって検出された結果と考えられる。すなわち、実頭における骨導音に相当する音波のみを、イヤシミュレータ4が検出した結果と考えられる。
<ダミーヘッドによる外部音声の受聴(音波の受波)>
ダミーヘッド1は、受聴機能のみを有効にし、外部音声のみを受聴することもできる。イヤシミュレータ4によって外部から到達する音波を検出することにより、例えば、バイノーラル録音や、頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function, HRTF)の収録を行うことが可能である。
図14を参照しながら、外部音源から放射され、ダミーヘッド1が検出した音波の特性について説明する。図14は、イヤシミュレータ4によって検出された音波の周波数応答特性を示すグラフである。
図14に示されるグラフは、ダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果に基づくものである。受聴試験では、ダミーヘッド1から前方に略1000mm離れた位置に配置されたスピーカにピンクノイズを印加するとともに、イヤシミュレータ4によって音波を検出し、音圧応答を測定した。このとき、図6(A)に示したように、つまみネジ6によるイヤシミュレータ4の固定は解除されている。
棒B2に示される特性は、イヤシミュレータ4のマイクロホン43の自己雑音を含む測定系のバックグラウンドノイズに対応するものである。すなわち、マイクロホン43は、この棒B2よりも小さい音圧レベルの音波を検出することはできない。
波形W13は、耳部材24を装着しない状態のダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果を示している。また、波形W14は、耳部材24を装着した状態のダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果を示している。耳部材24の装着により、イヤシミュレータ4によって検出される音波の特性が変化したことがわかる。
波形W15は、耳部材24がイヤマフラ88によって覆われた状態のダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果を示している。また、波形W16は、耳部材24の通路24cが粘土によって塞がれた状態のダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果を示している。いずれも、周波数が高い領域では音圧レベルの低下が認められたが、周波数が低い領域では音圧レベルが殆ど変化しないという結果が得られた。
波形W17は、耳部材24の通路24cに耳栓100を挿入した状態のダミーヘッド1に対して行った受聴試験の結果を示している。耳栓100の遮音部材120によってイヤシミュレータ4の集音口42aが効果的に遮蔽され、音圧レベルがバックグラウンドノイズに対応する棒B2と同程度まで低下していることがわかる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されず、適宜変更することができる。
例えば、ダミーヘッド1の鼻部に、人間の鼻孔に相当する通路を形成してもよい。当該通路によって筐体2の内外を連通させることにより、音質調整範囲を広げたり、実効開口面積を増大させて音質・放射効率を改善させたりすることができる。
1:ダミーヘッド
2:筐体
3:スピーカ
4:イヤシミュレータ
5:キャップ(筒状部材)
6:つまみネジ(固定部材)
7:ディフューザ
20:空間
21:第1空間
22:第2空間
24c:通路
25a:口唇開口
31:振動板
37:プレート
37a:貫通孔
42a:集音口
51:筒部
53:防振部材
83a,83b:グラスウール(吸音材)
100:耳栓
110 棒状部材
111:凹部
120:遮音部材
130:連結部

Claims (8)

  1. 音声を検出するダミーヘッドであって、
    内部に空間が形成された筐体と、
    前記空間に配置され、集音口を有し、該集音口から取り込んだ音波を検出するイヤシミュレータと、
    振動を減衰させる防振部材と、を備え、
    前記筐体は、前記筐体の外部と前記空間とを連通させる通路が形成され、
    前記イヤシミュレータの前記集音口は、前記筐体の外部から到来する音波を、前記通路を介して取り込むように配置され、
    前記イヤシミュレータは、前記防振部材を介して前記筐体に対して固定されている、ダミーヘッド。
  2. 前記空間に配置され、有底の筒形状を呈し、内部が前記通路を介して前記筐体の外部と連通するように前記筐体に対して固定される筒状部材を備え、
    前記イヤシミュレータは、前記筒状部材の内部に配置されるとともに、前記防振部材を介して前記筒状部材によって支持されている、請求項1に記載のダミーヘッド。
  3. 前記筒状部材に対する前記イヤシミュレータの固定と、該固定の解除と、が可能な固定部材を備えている、請求項2に記載のダミーヘッド。
  4. 前記空間に配置され、振動板を振動させることにより音波を発生させるスピーカを備え、
    前記筐体は、前記筐体の外部と前記空間とを連通させる口唇開口が形成され、
    前記スピーカは、前記空間側から前記口唇開口の少なくとも一部を覆うように配置されている請求項3に記載のダミーヘッド。
  5. 貫通孔が形成されたプレートを備え、
    前記プレートは、その周縁部が前記筐体の内側面に対して固定されることにより、前記空間を、前記口唇開口を介して前記筐体の外部と連通する部分である第1空間と、残部である第2空間と、に区分し、
    前記スピーカは、前記貫通孔に挿通されるとともに、前記振動板が前記第1空間に配置されるように前記プレートに対して固定されており、
    前記筒状部材及び前記イヤシミュレータは、前記第2空間に配置されている、請求項4に記載のダミーヘッド。
  6. 前記第2空間に吸音材を備えている、請求項5に記載のダミーヘッド。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のダミーヘッドに装着される耳栓であって、
    棒状部材と、
    弾性を有し、前記棒状部材の先端部に接続された遮音部材と、を備え、
    前記棒状部材は、その外側面に凹部が形成され、
    前記遮音部材は、前記棒状部材が前記通路に挿入されることにより、前記イヤシミュレータの前記集音口を遮蔽する、耳栓。
  8. 前記遮音部材が接続された部位の近傍に、前記遮音部材の外側面と前記棒状部材の先端部の外側面とを滑らかに連結する連結部を有している、請求項7に記載の耳栓。
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