JP2018141621A - 空気調和機の室内ユニット - Google Patents

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康史 鵜飼
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裕介 樽木
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太志 梅村
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Abstract

【課題】中性能エアフィルタを備える空気調和機の室内ユニットの大型化を抑制する。
【解決手段】室内ファン32,33は、室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させる。中性能エアフィルタ35は、室内ファン32,33の下流側に配置されている。ケーシング40は、室内ファン32,33の羽根32a,33aを収納する羽根収納室RM2と中性能エアフィルタ35を収納するフィルタ収納室RM3とを有する。ケーシング40は、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、中性能エアフィルタ35の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積が、羽根収納室RM2の吹出開口52の第2断面積よりも大きくなるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本開示は、空気調和機の室内ユニットに関する。
従来より、空気調和機の室内ユニットから吹出される調和空気から非常に細かい粒子を除去する場合には、室内ユニットの内部に高性能エアフィルタを設ける場合がある。例えば、特許文献1(特開平11−311446号公報)には、吸込口と室内熱交換器の間に高性能エアフィルタを設ける室内ユニットが示唆されている。
しかしながら、高性能エアフィルタを用いていても室内ユニットを長い間使用することによって室内熱交換器及び室内ファンが汚れ、高性能エアフィルタの下流に配置されている室内熱交換器及び室内ファンの汚れによって調和空気に細かい粒子が含まれてしまう場合がある。また、室内熱交換器で発生した凝縮水が高性能エアフィルタに付着すると、圧力損失の増加や悪臭の発生に繋がる場合がある。
そこで、高性能エアフィルタを室内ユニットの吹出口と室内ファンとの間に設けることが考えられる。
ところが、高性能エアフィルタを室内ユニットの吹出口と室内ファンとの間に設けようとすると、高性能エアフィルタで大きな圧力損失が発生するために、室内ファンの大型化や大きな高性能エアフィルタを用いなければならなくなり、室内ユニットが大型化してしまって、工場などの大型の施設では使用できるものの、一般的な家屋や店舗などの小さな建物の室内で使用しづらいものとなる。このような不具合は、中性能エアフィルタを用いる場合においても生じ得る。
本開示の課題は、中性能エアフィルタを備える空気調和機の室内ユニットの大型化を抑制することである。
本開示の第1観点に係る空気調和機の室内ユニットは、室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させる室内ファンと、室内ファンの下流側に配置されている中性能エアフィルタと、室内ファンの羽根を収納する羽根収納室と中性能エアフィルタを収納するフィルタ収納室とを有するケーシングとを備え、ケーシングは、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、中性能エアフィルタの配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室の第1断面積が、羽根収納室の吹出開口の第2断面積よりも大きくなるように構成されている。
本開示の第1観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室の第1断面積が、羽根収納室の吹出開口の第2断面積よりも大きくなるように構成されていることから、中性能エアフィルタでの圧力損失を小さくして室内ファンを小型化できる。また、空気流れに直交する方向についてフィルタ収納室の第1断面積が吹出開口の第2断面積よりも大きいことから、フィルタ収納室の空気流れに沿った方向の長さを短くできる。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングに収納され、室内ファンの上流側に配置されている室内熱交換器をさらに備える、ものである。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、室内熱交換器が室内ファンの上流側に配置され、中性能エアフィルタが室内ファンの下流側に配置されていることから、室内熱交換器、室内ファン、中性能エアフィルタの順に空気が流れるので室内熱交換器と中性能エアフィルタとの間に室内ファンが存在し、室内熱交換器から中性能エアフィルタに凝縮水が掛かるのを防止することができる。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第2観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、中性能エアフィルタの少なくとも一部の上下方向位置が室内熱交換器の上下方向位置と同じになるように配置されている、ものである。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの少なくとも一部の上下方向位置が室内熱交換器の上下方向位置と同じになっていることから、室内熱交換器の上下方向の範囲に中性能エアフィルタの少なくとも一部を納めることができる。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第3観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、ケーシングの側部に吹出口が形成され、フィルタ収納室では上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じる、ものである。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、ケーシングの側部の吹出口から横に調和空気を吹きださせ且つフィルタ収納室の上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じることから、フィルタ収納室を上下に拡張することができる。
本開示の第5観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第4観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、フィルタ収納室の上下寸法が羽根収納室の上下寸法よりも大きくなるように構成されている、ものである。
本開示の第5観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、フィルタ収納室の上下寸法が羽根収納室の上下寸法よりも大きいことから、室内ファンの送風能力と中性能エアフィルタの圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室と羽根収納室とをコンパクト化できる。
本開示の第6観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第5観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、フィルタ収納室の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定されている、ものである。
本開示の第6観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、フィルタ収納室の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定されていることから、室内ファンの送風能力と中性能エアフィルタの圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室と羽根収納室とをコンパクト化できる。
本開示の第7観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第6観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、ケーシングから吹出される調和空気の風速を上げるためにフィルタ収納室において中性能エアフィルタの下流側で空気流路が狭められている、ものである。
本開示の第7観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの下流側で空気流路を狭めることから、ケーシングから吹出される調和空気の風速を上げる一方で、中性能エアフィルタでの風速を抑えて中性能エアフィルタでの圧力損失を抑えることができる。
本開示の第8観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第7観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する、ものである。
本開示の第8観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタを用いていることから、中性能エアフィルタを空気が通過する断面積を大きくしながら、空気流れに直交する方向の中性能エアフィルタの寸法を小さくすることができる。
本開示の第9観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第8観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、立体的な第1フィルタ部と立体的な第2フィルタ部を折り曲げるように接続してなる、ものである。
本開示の第9観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタを容易に実現することができる。
本開示の第1観点、第5観点、第6観点、第7観点、第8観点または第9観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、室内ユニットの大型化を抑制することができる。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、中性能エアフィルタの汚染及び圧力損失の増加を防止することができる。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、室内ユニットが上下方向に拡大するのを抑制することができ、室内ユニットの大型化を抑制することができる。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、中性能エアフィルタでの圧力損失を抑えながらケーシングが横方向へ拡大されるのを抑制することができる。
実施形態に係る室内ユニットが組み込まれている空気調和機の冷媒回路を示す回路図。 実施形態に係る室内ユニットの重要な構成部分の概要を模式的に示す斜視図。 実施形態に係る室内ユニットの重要な構成部分の外観を示す斜視図。 図3の室内ユニットから天板及び右側板を取り外した状態を示す斜視図。 右側板を取り外した状態の図3の室内ユニットを右側面から見た状態を示す側面図。 室内ユニットの羽根収納室を示す平面図。 (a)変形例1Gに係る室内ユニットの構成の一例を説明するための模式図、(b)変形例1Hに係る室内ユニットの構成の一例を説明するための模式図。
以下、本開示の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットについて図に基づいて説明する。本開示に係る室内ユニットは、種々の空気調和機に組み込まれて用いられる。以下に説明する実施形態では、図1に示されているように、1台の室外ユニット20と1台の室内ユニット30とが組み合わせられるペア型の空気調和機10を例に挙げて説明する。
(1)空気調和機10の全体構成
図1には、実施形態に係る室内ユニット30が組み込まれている空気調和機10の全体構成が示されている。図1に示されている空気調和機10は、室外ユニット20と室内ユニット30とが冷媒連絡管12,13で接続されて形成された冷媒回路11を含んでいる。空気調和機10は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにより、冷房運転及び暖房運転を行うことができる。冷媒回路11には、室外ユニット20が備えている圧縮機21と四方弁22と室外熱交換器23と膨張弁24とアキュムレータ25と閉鎖弁26,27及び、室内ユニット30が備えている室内熱交換器31が接続されている。冷房運転及び暖房運転が行われるときには閉鎖弁26,27は開いた状態になっている。四方弁22は、冷房運転時には実線で示された接続状態になり、暖房運転時には破線で示された接続状態になる。
冷房運転時には、圧縮機21で圧縮されたガス冷媒が、四方弁22を通って室外熱交換器23に送られる。この冷媒は、室外熱交換器23で室外空気に放熱し、膨張弁24で減圧されて膨張し、閉鎖弁26及び冷媒連絡管12を通って室内熱交換器31に送られる。膨張弁24から送られてきた低温低圧の冷媒は、室内熱交換器31で熱交換を行って室内空気から熱を奪う。室内熱交換器31で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、冷媒連絡管13、閉鎖弁27、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。
暖房運転時には、圧縮機21で圧縮されたガス冷媒が、四方弁22、閉鎖弁27及び冷媒連絡管13を通って室内熱交換器31に送られる。この冷媒は、室内熱交換器31で室内空気と熱交換を行って室内空気に熱を与える。室内熱交換器31で熱交換を行った冷媒は、冷媒連絡管12及び閉鎖弁26を通って膨張弁24に送られる。膨張弁24で減圧されて膨張した低温低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られ、室外熱交換器23で熱交換を行って室外空気から熱を得る。室外熱交換器23で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。
冷房運転時及び暖房運転時に、室外熱交換器23での室外空気と冷媒との熱交換を促進するために、室外空気の気流を室外熱交換器23において発生させるための室外ファン28を室外ユニット20が備えている。また、冷房運転時及び暖房運転時に、室内熱交換器31での室内空気と冷媒との熱交換を促進するとともに熱交換後の室内空気を室内に供給するために、室内空気の気流を室内熱交換器31において発生させるための室内ファン32,33を室内ユニット30が備えている。
室外ファン28及び室内ファン32,33は、ファンモータ28m,32m,33mによって駆動され、回転数を変更できるように構成されている。室外ファン28のファンモータ28mは、室外制御装置91によって制御されている。室内ファン32,33のファンモータ32m,33mは、室内制御装置92によって制御されている。また、圧縮機21は、圧縮機モータ21mによって駆動され、運転周波数を変更できるように構成されている。この圧縮機21、四方弁22及び膨張弁24も室外制御装置91によって制御されている。これら室外制御装置91と室内制御装置92は、互いに接続されており、互いに協働して空気調和機10を制御する空調制御装置90として機能する。なお、図示が省略されているが、室外制御装置91と室内制御装置92には、空気調和機10を制御するための種々のセンサが接続されている。
ここで、室内ユニット30における空気の流れの概要を説明する。室内ユニット30は、室内空気を内部に取り込むための吸込口41と、内部から調和空気を吹き出すための吹出口42とを有している。また、室内ユニット30は、吸込口41に設けられているプレフィルタ34と、吹出口42に設けられている中性能エアフィルタ35とを備えている。
室内ファン32,33が駆動されると、吸込口41を通って室内ユニット30の中に室内空気が流入する。図1においては、矢印Ar1が吸込口41に吸い込まれる室内空気の流れを象徴している。室内空気は、吸込口41を通過して室内ユニット30に取り込まれるときにプレフィルタ34を通過する。プレフィルタ34を通過した室内空気は、室内熱交換器31で熱交換されることによって調和空気になる。調和空気は、室内熱交換器31から室内ファン32,33と中性能エアフィルタ35を通って吹出口42から吹出される。図1においては、矢印Ar2が吹出口42から吹出される調和空気の流れを象徴している。
(2)室内ユニット30の概要
図2には、室内ユニット30の構成のうちの本開示にとって重要な構成部分の概要が示されている。室内ファン32,33がX軸方向に並べて配置されているので、図2において、室内ファン33の羽根33aが破線で示されている。以下に説明する図において、X軸方向が室内ユニット30の左右方向であり、Y軸方向が室内ユニット30の前後方向であり、Z軸方向が室内ユニット30の上下方向である。
室内ファン32,33は、室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させる。図2に示されている矢印Ar3が吹出口42から室内に吹出される調和空気の空気流れを示している。中性能エアフィルタ35は、室内ファン32,33の下流側に配置されている。中性能エアフィルタ35は、JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径2.0μmに対する初期捕集率が70%以上である集塵フィルタである。室内ユニット30に用いる集塵フィルタは、JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径0.4μmに対する初期捕集率が80%以上である高性能エアフィルタであってもよい。他の観点から、集塵フィルタに用いる高性能エアフィルタは、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して90%以上の粒子捕集率を持つ集塵フィルタであってもよい。ここで定格流量とは、室内ユニット30の最大流量(JIS Z 8122に準拠して定められるもの)である。なお、高性能エアフィルタであっても「JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径2.0μmに対する初期捕集率が70%以上」の条件を満たすものは中性能エアフィルタに含まれる。つまり、中性能エアフィルタでもあり且つ高性能エアフィルタでもあるエアフィルタが存在するということである。
ケーシング40は、室内ファン32,33の羽根32a,33aを収納する羽根収納室RM2と中性能エアフィルタ35を収納するフィルタ収納室RM3とを有する。ケーシング40は、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、中性能エアフィルタ35の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積が、羽根収納室RM2の吹出開口52の第2断面積よりも大きくなるように構成されている。中性能エアフィルタ35の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積は、配置箇所Pi1におけるフィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1と左右方向の長さX1の積で与えられる。また、吹出開口52の第2断面積は、吹出開口52の上下方向の長さZ2と左右方向の長さX2の積で与えられる。多くの場合、フィルタ収納室RM3の左右方向の長さX1と吹出開口52の左右方向の長さX2が実質的に等しい(X1≒X2)から、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1が吹出開口52の上下方向の長さZ2よりも大きければ(Z1>Z2)、第1断面積が第2断面積よりも大きくなる。
吹出開口52の上下方向の長さZ2は、吹出開口52の上辺と下辺の距離に対応する。吹出開口52の上辺は、図2に示されている天井前側壁51のように天井壁50から下方に突出する部分がある場合には、突出する部分の下辺つまり天井前側壁の前端辺51aになる。吹出開口52において、このような下方に突出する部分がない場合には、天井壁50の前端辺が吹出開口52の上辺になる。同様に、吹出開口52の下辺は、図2に示されている仕切壁48のように上方に突出する部分がない場合には、仕切壁48の前端辺48aが吹出開口52の下辺になる。仕切壁48から上方に突出する部分がある場合には、突出する部分の上辺が吹出開口52の上辺になる。
(3)室内ユニット30の具体的構成
図3には、室内ユニット30の重要な構成部分を、室内ユニット30に向かって右斜め上から見た状態が示されている。また、図4には、図3に示されている状態の室内ユニット30のケーシング40から、天板40a、右側板40bを取り外した状態が示されている。なお、製品となるときには、図3において図示省略されている化粧板及び風向を変更するためのルーバなどが取り付けられる。室内ユニット30においては、室内熱交換器31、室内ファン32,33、プレフィルタ34及び中性能エアフィルタ38が、ケーシング40の中に収納されている。ここで示されている中性能エアフィルタ38は、図2に示されている中性能エアフィルタ35を実現するための具体的な中性能エアフィルタの一例である。この室内ユニット30は、側方に調和空気を吹き出すことができるタイプの室内ユニットであり、例えば、壁掛け型または天井吊り下げ型である。ここに示すケーシング40は、壁に取り付けられるように構成されている。なお、ここで説明する室内ユニット30の具体的構成は一例であって本開示の技術的範囲をこの具体的構成に限定するものではない。
(3−1)ケーシング40
ケーシング40は、上部に天板40a、右側面に右側板40b、左側面に左側板40c、及び背面に背面板40dを備えている。この室内ユニット30が壁掛け型であることから、背面板40dは、室内の壁に取り付けられる金具に固定される。図5には、ケーシング40の右側板40bを取り外した状態の室内ユニット30を右側面から見た状態が示されている。
ケーシング40の底部には、底部材45が配置されている。底部材45には、左右方向に向って互いに平行に延びる2つのドレンパン46,47が形成されている。ドレンパン46,47には、4つに分割された室内熱交換器31を支持する支持部材46a,46b,47a,47bが形成されている。
底部材45には、ドレンパン46の前側、2つのドレンパン46,47の間及びドレンパン47の後側に複数の開口部45aが左右方向に並べて形成されている。上方から下方に向って見たときの開口部45aの形状は、実質的に長方形である。互いに隣接する開口部45aの間には、細長い棒状のリブ45bが前後方向に延びている。これら複数の開口部45aが吸込口41になっている。これら複数の開口部45aの上には、プレフィルタ34が配置されている。従って、開口部45aを通過した室内空気は、全てプレフィルタ34を通過し、プレフィルタ34により塵埃が除去される。吹出口42の近傍に配置されている中性能エアフィルタ38は、プレフィルタ34よりも高い性能を有しており、細かい粒子に対してプレフィルタ34よりも高い粒子捕集率を持っている。換言すると、プレフィルタ34は、定格流量における0.3μmの粒子の粒子捕集率が中性能エアフィルタ38よりも少なく且つ圧力損失の小さいものである。
この吸込口41の上は、底部材45と右側板40bと左側板40cとで囲まれた熱交換器収納室RM1になっている。熱交換器収納室RM1の形状は、実質的に直方体である。この熱交換器収納室RM1は、左右に長く延びている。熱交換器収納室RM1に室内熱交換器31が収納されている。
熱交換器収納室RM1の上には、羽根収納室RM2が設けられている。図6には、羽根収納室RM2を上方から見た状態が示されている。羽根収納室RM2には、室内ファン32,33の羽根32a,33aが左右に並べて収納されている。熱交換器収納室RM1の上部、つまり熱交換器収納室RM1と羽根収納室RM2を仕切っている仕切壁48には、室内ファン32,33の吸入口に合わせて2つの円形の開口部(図示せず)が形成されている。室内ファン32,33の羽根32a,33aの後側には、上方から見て2つの半円状の第1案内面49a及び第2案内面49bを有する案内板49が形成されている。この案内板49の前側が開放されており、室内ファン32,33が駆動されると、室内ファン32,33によって熱交換器収納室RM1から上方に向かって吸い上げられた空気が案内板49によって前方に向って案内される。そして、羽根収納室RM2の前側の吹出開口52から前側の吹出口42に向う気流が生じる。羽根収納室RM2の天井壁50は、XY平面に沿うように前後左右に広がっているが、羽根32aをファンモータ32mに接続するための開口部50a、及び羽根33aをファンモータ33mに接続するための開口部(図示せず)が形成されている。羽根収納室RM2の天井壁50の前側にある天井前側壁51は、前下がりになっていて側面から見て斜めに下がる曲線を描く(図5参照)。羽根収納室RM2の前側の吹出開口52の上下方向の長さZ2は、仕切壁48から天井壁50までの距離R1よりも短くなっている。
羽根収納室RM2と吹出口42との間に、フィルタ収納室RM3が設けられている。フィルタ収納室RM3の上部には、フィルタ収納室RM3の前後方向(Y軸方向)の中央部に左右方向(X軸方向)に水平に延びる板状の上部中央壁54がある。フィルタ収納室RM3の上部中央壁54のZ軸方向(上下方向)の位置は、羽根収納室RM2の天井壁50のZ軸方向の位置と実質的に同じになっている。羽根収納室RM2の天井前側壁51によって羽根収納室RM2の上部が低くなるが、フィルタ収納室RM3の上部後側壁55は、羽根収納室RM2の天井前側壁51の前端辺51aからフィルタ収納室RM3の上部中央壁54に向って側面から見て斜め上方に延びていて、前上がりになっている。つまり、上部後側壁55の後端辺55aに比べて前端辺55bが上下方向において高所に位置している。なお、ここでは、天井前側壁51の前端辺51aと上部後側壁55の後端辺55aが実質的に一致している。天井前側壁51の前端辺51aが吹出開口52の上辺に相当するため、羽根収納室RM2の吹出開口52の上辺のZ軸方向の位置よりも、上部中央壁54のZ軸方向の位置の方が高くなっている。そして、フィルタ収納室RM3の上部中央壁54の前方には、上部前側壁56が、側面から見て斜め下方に向って前下がりに延びている。言い換えると、上部前側壁56においては、前側に在る前端辺56bの方が後端辺56aよりもZ軸方向に下がった低所に位置している。この上部前側壁56の前端辺56bが吹出口42の上辺に相当するため、吹出口42の上辺のZ軸方向の位置は、フィルタ収納室RM3の上部中央壁54のZ軸方向の位置よりも低くなっている。
フィルタ収納室RM3の下部の後側には、左右方向に延びる下部後側壁57がある。下部後側壁57の後端辺57aは、仕切壁48の前端辺48a(図6参照)からZ軸方向に下がった低所に位置している。仕切壁48の前端辺48aが吹出開口52の下辺に相当するため、羽根収納室RM2の吹出開口52のZ軸方向の長さZ2(吹出開口52の上辺と下辺との距離)に比べて、中性能エアフィルタ38の配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室RM3のZ軸方向の長さZ1が大きくなっている。この長さZ1は、長さZ2の2倍以上に設定されることが好ましい。また、フィルタ収納室RM3の後側の吸込開口のZ軸方向の長さ(上部後側壁55の後端辺55aと下部後側壁57の後端辺57aとの距離)が吹出開口52のZ軸方向の長さZ2よりも大きくなっている。このフィルタ収納室RM3の後側の吸込開口のZ軸方向の長さも、中性能エアフィルタ38のZ軸方向の十分な長さを得るために、吹出開口52のZ軸方向の長さZ2の2倍以上に設定されることが好ましい。なお、コンパクト化の観点から、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1は、熱交換器収納室RM1と羽根収納室RM2と機械室RM4の全体の上下方向の長さよりも短く構成されることが好ましい。
この下部後側壁57は、側面から見て後端辺57aから斜め下方に向って前下がりに延びている。言い換えると、下部後側壁57においては、前側に在る前端辺57bの方が後端辺57aよりもZ軸方向において低所に位置している。下部後側壁57の前側には、下部中央壁58が左右方向に延びている。下部中央壁58は、側面から見て下部後側壁57の前端辺57bから斜め上方に向って前上がりに延びている。言い換えると、下部中央壁58においては、前側に在る前端辺58bの方が後端辺58aよりもZ軸方向において高所に位置している。さらに、下部前側壁59は、側面から見て下部中央壁58の前端辺58bから斜め上方に向って前上がりに延びている。言い換えると、下部前側壁59においては、前側に在る前端辺59bの方が後端辺59aよりもZ軸方向において高所に位置している。下部前側壁59の前端辺59bからZ軸方向に沿って上にリブ60が延びている。このリブ60の上端辺60aが吹出口42の下辺に相当する。
このように形成された吹出口42の上下方向の長さZ3(図3参照)は、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1よりも小さくなっている。吹出口42の上下方向の長さZ3は、上部前側壁56の前端辺56bとリブ60の上端辺60aの距離に対応する。フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1は、上部中央壁54と下部中央壁58の後端辺58aの距離に対応する。また、吹出口42の上下方向の長さZ3は、羽根収納室RM2の吹出開口52の上下方向の長さZ2よりも大きくなっている。
なお、ここでは図示を省略しているが、吹出口42には、上下方向の風向及び/または左右方向の風向を調整するルーバが設けられる。
羽根収納室RM2の上には、機械室RM4が設けられている。機械室RM4には、ファンモータ32m,33m及び電装品箱95(図4参照)が設置されている。電装品箱95には、例えば室内制御装置92が含まれる。
(3−2)室内熱交換器31
室内熱交換器31は、第1熱交換部31aから第4熱交換部31dの4つの部分に分割されている。室内熱交換器31の第1熱交換部31aから第4熱交換部31dは、図5に示されているように、右側面から見てW字形を呈するように配置されている。すなわち、第1熱交換部31aは、右側面から見て斜め下方に向って後下がりに延び、第2熱交換部31bは、右側面から見て第1熱交換部31aの右側から斜め上方に向って後上がりに延び、第3熱交換部31cは、右側面から見て第2熱交換部31bの右側から斜め下方に向って後下がりに延び、第4熱交換部31dは、右側面から見て第3熱交換部31cの右側から斜め上方に向って後上がりに延びている。第1熱交換部31aの後端部は支持部材46aによって支持され、第2熱交換部31bの前端部は支持部材46bによって支持され、第3熱交換部31cの後端部は支持部材47aによって支持され、第4熱交換部31dの前端部は支持部材47bによって支持されている。そして、第1熱交換部31aの後端部と第2熱交換部31bの前端部とが接続され、第2熱交換部31bの後端部と第3熱交換部31cの前端部とが接続され、第3熱交換部31cの後端部と第4熱交換部31dの前端部とが接続されている。
室内熱交換器31は、例えば、X軸方向に延びる複数の伝熱管(図示せず)と、X軸方向に複数並べて配置され複数の伝熱管が貫く伝熱フィン(図示せず)とによって構成されるフィンアンドチューブ式の熱交換器である。複数の伝熱フィンの各々がYZ平面に平行に延びるように配置されているので、吸込口41から吸込まれる室内空気が伝熱フィン間を通って上に向って流れる。そして、伝熱フィン間を通る室内空気と伝熱管の中を通る冷媒との間で熱交換が行われる。
(3−3)室内ファン32,33
図5に示されている室内ファン32,33には、遠心ファンを用いることができる。室内ファン32,33には、例えば、比較的多くの風量及び比較的高い風圧を得やすいことから、ターボファンが好適に用いられる。なお、室内ファン32,33に用いられる遠心ファンは、ターボファン以外の遠心ファンであってもよい。上方から羽根32a,33bを見たときに円形に見えるように、羽根32a,33aが配置されている。羽根32a,33aが回転すると、上下方向(Z軸方向)に沿って下から空気が吸い上げられて、水平方向(XY平面に沿う方向)に空気が吹き出される。前から向って右側に配置されている室内ファン32の羽根32aは上方から見て反時計回りに回転し、左側に配置されている室内ファン33の羽根33aは上方から見て時計回りに回転するように構成されている。つまり、左右に並んだ室内ファン32,33の羽根32a,33aの回転方向が互いに逆向きになっている。なお、羽根32aを時計回りに回転し、羽根33aを反時計回りに回転するように構成してもよい。
(3−4)中性能エアフィルタ38
ここで用いられている中性能エアフィルタ38は、初期性能として、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して90%以上の粒子捕集率を持つ。通常のエアフィルタでは使用時間が長くなるほどフィルタ性能が低下するのが一般的であるので、初めて使用する場合のフィルタ性能で中性能エアフィルタを定義している。中性能エアフィルタ38は、中性能エアフィルタ38での圧力損失を低下させるために、機械的濾過と静電気的な吸着作用を併せ持つフィルタであることが好ましい。例えば、初期性能として、0.3μmの粒子に対する機械的濾過の捕集効率よりも静電気的な吸着作用による集塵効率が高いものが好ましい。中性能エアフィルタ38の空気流れに沿う方向の厚みD1が10mm以上あれば十分な塵埃の除去機能が得られる。この中性能エアフィルタ38の厚みD1は、例えば、側面から見て、10mm〜100mm程度である。中性能エアフィルタ38の厚みは、換言すると、空気が流れる方向の厚みということができる。なお、10mm以上の厚みD1を持つ中性能エアフィルタ38は、圧力損失を下げるために、プリーツフィルタであることが好ましい。中性能エアフィルタ38に代えて用いられる高性能エアフィルタにおいても空気流れに沿う方向の厚みD1が10mm以上あれば十分な塵埃の除去機能が得られる。この高性能エアフィルタの厚みD1は、空気が流れる方向の厚みであり、例えば、側面から見て10mm〜100mm程度である。10mm以上の厚みを持つ高性能エアフィルタも、圧力損失を下げるために、プリーツフィルタであることが好ましい。
中性能エアフィルタ38は、第1フィルタ部36と第2フィルタ部37とから構成されている。第1フィルタ部36と第2フィルタ部37は、楔形に組み合わされている。この楔形を呈する中性能エアフィルタ38は、吹出口42に向って凸状になるように配置されている。つまり、第1フィルタ部36の後端部36aは、上部後側壁55に固定されている。第1フィルタ部36は、側面から見て上部後側壁55から真っ直ぐ斜め下方に向って前下がりに延びている。第2フィルタ部37の後端部37aは、下部後側壁57に固定されている。第2フィルタ部37は、側面から見て下部後側壁57から真っ直ぐ斜め上方に向って前上がりに延びている。そして、第1フィルタ部36の前端部36bと第2フィルタ部37の前端部37bとがLアングルの接続部材39によって接続されている。
第1フィルタ部36と第2フィルタ部37の接続位置が吹出口42の上下方向位置に対応するように第1フィルタ部36の長さL1が第2フィルタ部37の長さL2よりも短くなっている。中性能エアフィルタ38のZ軸方向の配置位置は、羽根収納室RM2の吹出開口52の上辺と下辺との間の範囲と中性能エアフィルタ38の上端と下端との間の範囲が一部重なる上下方向位置に設定されている。中性能エアフィルタ38を通過する空気は、第1フィルタ部36では斜め上方に向かう流れを形成し、第2フィルタ部37では斜め下方に向う流れを形成する。
図5に示されているように、吹出開口52の下辺(ここでは仕切壁48の前端辺48a)とフィルタ収納室RM3の下部後端部(ここでは下部後側壁57の後端辺57a)とが離れるように形成されていると、フィルタ収納室RM3の前後方向(Y軸方向)の長さを短く形成できる。そして、図5に示されているように凸状に配置された中性能エアフィルタ38が吹出開口52から離れているので、中性能エアフィルタ38の全体を効率良く使用することができ、中性能エアフィルタ38が吹出開口52の近くにある場合に比べて中性能エアフィルタ38で生じる圧力損失を小さくすることができている。
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、室内熱交換器31について、その形状が側面から見てW字形を呈するものについて説明した。しかし、室内熱交換器31の形状は、上述のような形状に限られるものではなく、例えば側面から見て逆V字形であってもよい。
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、室内ユニット30が2台の室内ファン32,33を備える場合について説明したが、室内ファンは、1台でもよく、また3台以上であってもよい。
(4−3)変形例1C
上記実施形態では、室内ユニット30が壁掛け型である場合について説明したが、室内ユニット30を天井吊り下げ型とする場合には、例えば天井から吊り下げるためのボルトをケーシング40に固定することができるように構成すればよい。
(4−4)変形例1D
上記実施形態では、1台の室外ユニット20に1台の室内ユニット30が接続される場合について説明したが、1台または複数台の室外ユニットに複数台の室内ユニットが接続されるものであってもよい。その場合に、膨張弁は、室外ユニットに配置されてもよく、室内ユニットに配置されてもよい。
(4−5)変形例1E
上記実施形態では、室内熱交換器31に流れる冷媒が蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路11を流れる冷媒である場合について説明した。しかし、室内熱交換器31に流れる冷媒は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を流れる冷媒に限られるものでなく、例えば給湯器から供給される熱水であってもよい。
(4−6)変形例1F
上記実施形態では、第1フィルタ部36及び第2フィルタ部37が、側面から見て真っ直ぐに延びている場合について説明したが、第1フィルタ部36及び第2フィルタ部37は側面から見て曲線状に延びるように構成されてもよい。また、吹出口42に向って凸状に構成されている中性能エアフィルタ38は、側面から見て曲線状に延びるように1つの部材を湾曲させて形成してもよく、複数の部材に分割しなくてもよい。例えば、中性能エアフィルタ38は、側面から見て、直線状または曲線状に延びる1つのフィルタ部からなるものであってもよい。
(4−7)変形例1G
上記実施形態では、風向を変更するためのルーバの構成例の記載を省いたが、例えば図7(a)に示されているように、吹出口42の前端辺56bの近傍に回転軸76を有する上部ルーバ71と、吹出口42の中央部に回転軸77を有する下部ルーバ72とを設けてもよい。上部ルーバ71及び下部ルーバ72は、上部ルーバ71の先端部71a及び下部ルーバ72の先端部72aが最下端まで回動した状態で、吹出口42の全体を覆うことができる。
(4−8)変形例1H
上記実施形態では、風向を変更するためのルーバの構成例の記載を省いたが、例えば図7(b)に示されているように、吹出口42の前端辺56bの近傍に回転軸78を有する上部ルーバ73と、リブ60に沿う回転軸79を有する下部ルーバ74とを設けてもよい。上部ルーバ73は、上部ルーバ73の先端部73aが最下端まで回動した状態で、吹出口42の全体を覆うことができる。また、下部ルーバ74は、下部ルーバ74の先端部74aを下方に向って回動すると、吹出口42を下方に向って開くことができる。
(5)特徴
(5−1)
図2を用いて説明したように、中性能エアフィルタ35,38の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積が、羽根収納室RM2の吹出開口52の第2断面積よりも大きくなるように構成されていることから、中性能エアフィルタ35,38での圧力損失を小さくして室内ファン32,33を小型化できる。また、空気流れに直交する方向についてフィルタ収納室RM3の第1断面積が吹出開口52の第2断面積よりも大きいことから、中性能エアフィルタ35,38の配置箇所Pi1を短くしてフィルタ収納室RM3の空気流れに沿った方向の長さを短くできるので、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−2)
室内熱交換器31が室内ファン32,33の上流側に配置され、中性能エアフィルタ35,38が室内ファンの下流側に配置されていることから、室内熱交換器31、室内ファン32,33、中性能エアフィルタ35,38の順に空気が流れるので、室内熱交換器31と中性能エアフィルタ35,38との間に室内ファン32,33が存在している。この室内ファン32,33の存在によって、室内熱交換器31から中性能エアフィルタ35,38に凝縮水が掛かるのを防止することができ、中性能エアフィルタ35,38の汚染及び圧力損失の増加を防止することができている。
(5−3)
図5に示されている中性能エアフィルタ38の少なくとも一部の上下方向位置38zが室内熱交換器31の上下方向位置31zと同じになっていることから、室内熱交換器31の上下方向の範囲に中性能エアフィルタ38の少なくとも一部が納まるので、室内ユニット30が上下方向に拡大するのを抑制することができ、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−4)
図2及び図5に示されているように、ケーシング40の側部の吹出口42から横に調和空気を吹きださせ且つフィルタ収納室RM3の上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じている。このような構成により、フィルタ収納室RM3を上下に拡張することができている。その結果、中性能エアフィルタ35,38での圧力損失を抑えながらケーシング40が横方向(Y軸方向)へ拡大されるのを抑制することができている。
(5−5)
フィルタ収納室RM3の上下寸法が羽根収納室RM2の上下寸法よりも大きいことから、室内ファン32,33の送風能力と中性能エアフィルタ35,38の圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室RM3と羽根収納室RM2とをコンパクト化できる。その結果、ケーシング40を小型化してすることができ、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−6)
室内ユニット30においては、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1が吹出開口の上下方向の長さZ2の2倍以上に設定されることにより、フィルタ収納室RM3の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定される。このような構成の場合には、室内ファン32,33の送風能力と中性能エアフィルタ38の圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室RM3と羽根収納室RM2とをコンパクト化できるので、ケーシング40を小型化することができる。
(5−7)
図5に示されている室内ユニット30では、中性能エアフィルタ38の下流側で空気流路を狭めることから、ケーシング40から吹出される調和空気の風速を上げる一方で、中性能エアフィルタ38での風速を抑えて構成の上ありふたでの圧力損失を抑えることができるので、室内ファン32,33を小型化し易くなり、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−8)
図5に示されている室内ユニット30では、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタ38を用いている。中性能エアフィルタ38を空気が通過する断面積を大きくしながら、空気流れに直交する方向の中性能エアフィルタ38の寸法を小さくすることができ、中性能エアフィルタ38の圧力損失を小さくするためにフィルタ収納室RM3の上下方向の寸法が大きくなるのを防いで、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−9)
直方体状の第1フィルタ部36と第2フィルタ部37をLアングルの接続部材39により接続することによって中性能エアフィルタ38が得られている。このように、立体的な第1フィルタ部36と立体的な第2フィルタ部37を接続することにより、楔形に折り曲げた形状の中性能エアフィルタ38を簡単に造ることができる。そして、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタ38を容易に実現することができている。なお、立体的な第1フィルタ部36と立体的な第2フィルタ部37は、直方体以外の形状であってもよく、例えば三角柱または直方体以外の四角柱のような形状であってもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10 空気調和機
20 室外ユニット
30 室内ユニット
31 室内熱交換器
32,33 室内ファン
35,38 中性能エアフィルタ
40 ケーシング
41 吸込口
42 吹出口
52 吹出開口
RM1 熱交換器収納室
RM2 羽根収納室
RM3 フィルタ収納室
特開平11−311446号公報
本開示は、空気調和機の室内ユニットに関する。
従来より、空気調和機の室内ユニットから吹出される調和空気から非常に細かい粒子を除去する場合には、室内ユニットの内部に高性能エアフィルタを設ける場合がある。例えば、特許文献1(特開平11−311446号公報)には、吸込口と室内熱交換器の間に高性能エアフィルタを設ける室内ユニットが示唆されている。
しかしながら、高性能エアフィルタを用いていても室内ユニットを長い間使用することによって室内熱交換器及び室内ファンが汚れ、高性能エアフィルタの下流に配置されている室内熱交換器及び室内ファンの汚れによって調和空気に細かい粒子が含まれてしまう場合がある。また、室内熱交換器で発生した凝縮水が高性能エアフィルタに付着すると、圧力損失の増加や悪臭の発生に繋がる場合がある。
そこで、高性能エアフィルタを室内ユニットの吹出口と室内ファンとの間に設けることが考えられる。
ところが、高性能エアフィルタを室内ユニットの吹出口と室内ファンとの間に設けようとすると、高性能エアフィルタで大きな圧力損失が発生するために、室内ファンの大型化や大きな高性能エアフィルタを用いなければならなくなり、室内ユニットが大型化してしまって、工場などの大型の施設では使用できるものの、一般的な家屋や店舗などの小さな建物の室内で使用しづらいものとなる。このような不具合は、中性能エアフィルタを用いる場合においても生じ得る。
本開示の課題は、中性能エアフィルタを備える空気調和機の室内ユニットの大型化を抑制することである。
本開示の第1観点に係る空気調和機の室内ユニットは、室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させる室内ファンと、室内ファンの下流側に配置されている中性能エアフィルタと、室内に設置され、室内ファンの羽根を収納する羽根収納室と中性能エアフィルタを収納するフィルタ収納室とを有するケーシングとを備え、ケーシングは、フィルタ収納室の上下寸法が羽根収納室の上下寸法よりも大きくなるように且つ、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、中性能エアフィルタの配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室の第1断面積が、羽根収納室の吹出開口の第2断面積よりも大きくなるように構成されている。
本開示の第1観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室の第1断面積が、羽根収納室の吹出開口の第2断面積よりも大きくなるように構成されていることから、中性能エアフィルタでの圧力損失を小さくして室内ファンを小型化できる。また、空気流れに直交する方向についてフィルタ収納室の第1断面積が吹出開口の第2断面積よりも大きいことから、フィルタ収納室の空気流れに沿った方向の長さを短くできる。また、第1観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、フィルタ収納室の上下寸法が羽根収納室の上下寸法よりも大きいことから、室内ファンの送風能力と中性能エアフィルタの圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室と羽根収納室とをコンパクト化できる。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングに収納され、室内ファンの上流側に配置されている室内熱交換器をさらに備える、ものである。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、室内熱交換器が室内ファンの上流側に配置され、中性能エアフィルタが室内ファンの下流側に配置されていることから、室内熱交換器、室内ファン、中性能エアフィルタの順に空気が流れるので室内熱交換器と中性能エアフィルタとの間に室内ファンが存在し、室内熱交換器から中性能エアフィルタに凝縮水が掛かるのを防止することができる。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第2観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、中性能エアフィルタの少なくとも一部の上下方向位置が室内熱交換器の上下方向位置と同じになるように配置されている、ものである。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの少なくとも一部の上下方向位置が室内熱交換器の上下方向位置と同じになっていることから、室内熱交換器の上下方向の範囲に中性能エアフィルタの少なくとも一部を納めることができる。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第3観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、ケーシングの側部に吹出口を有し、フィルタ収納室では上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じる、ものである。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、ケーシングの側部の吹出口から横に調和空気を吹きださせ且つフィルタ収納室の上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じることから、フィルタ収納室を上下に拡張することができる。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、フィルタ収納室の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定されている、ものである。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、フィルタ収納室の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定されていることから、室内ファンの送風能力と中性能エアフィルタの圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室と羽根収納室とをコンパクト化できる。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングは、ケーシングから吹出される調和空気の風速を上げるためにフィルタ収納室において中性能エアフィルタの下流側で空気流路が狭められている、ものである。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、中性能エアフィルタの下流側で空気流路を狭めることから、ケーシングから吹出される調和空気の風速を上げる一方で、中性能エアフィルタでの風速を抑えて中性能エアフィルタでの圧力損失を抑えることができる。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する、ものである。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタを用いていることから、中性能エアフィルタを空気が通過する断面積を大きくしながら、空気流れに直交する方向の中性能エアフィルタの寸法を小さくすることができる。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第観点の空気調和機の室内ユニットにおいて、中性能エアフィルタは、立体的な第1フィルタ部と立体的な第2フィルタ部を折り曲げるように接続してなる、ものである。
本開示の第観点に係る空気調和機の室内ユニットにおいては、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタを容易に実現することができる。
本開示の第9観点に係る空気調和機の室内ユニットは、本開示の第1観点から第8観点のいずれかの空気調和機の室内ユニットにおいて、ケーシングの吹出口に設けられ、上下方向の風向及び/または左右方向の風向を調整するルーバをさらに備える、ものである。
本開示の第1観点、第5観点、第6観点、第7観点、第8観点または第9観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、室内ユニットの大型化を抑制することができる。
本開示の第2観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、中性能エアフィルタの汚染及び圧力損失の増加を防止することができる。
本開示の第3観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、室内ユニットが上下方向に拡大するのを抑制することができ、室内ユニットの大型化を抑制することができる。
本開示の第4観点に係る空気調和機の室内ユニットでは、中性能エアフィルタでの圧力損失を抑えながらケーシングが横方向へ拡大されるのを抑制することができる。
実施形態に係る室内ユニットが組み込まれている空気調和機の冷媒回路を示す回路図。 実施形態に係る室内ユニットの重要な構成部分の概要を模式的に示す斜視図。 実施形態に係る室内ユニットの重要な構成部分の外観を示す斜視図。 図3の室内ユニットから天板及び右側板を取り外した状態を示す斜視図。 右側板を取り外した状態の図3の室内ユニットを右側面から見た状態を示す側面図。 室内ユニットの羽根収納室を示す平面図。 (a)変形例1Gに係る室内ユニットの構成の一例を説明するための模式図、(b)変形例1Hに係る室内ユニットの構成の一例を説明するための模式図。
以下、本開示の実施形態に係る空気調和機の室内ユニットについて図に基づいて説明する。本開示に係る室内ユニットは、種々の空気調和機に組み込まれて用いられる。以下に説明する実施形態では、図1に示されているように、1台の室外ユニット20と1台の室内ユニット30とが組み合わせられるペア型の空気調和機10を例に挙げて説明する。
(1)空気調和機10の全体構成
図1には、実施形態に係る室内ユニット30が組み込まれている空気調和機10の全体構成が示されている。図1に示されている空気調和機10は、室外ユニット20と室内ユニット30とが冷媒連絡管12,13で接続されて形成された冷媒回路11を含んでいる。空気調和機10は、蒸気圧縮式冷凍サイクルにより、冷房運転及び暖房運転を行うことができる。冷媒回路11には、室外ユニット20が備えている圧縮機21と四方弁22と室外熱交換器23と膨張弁24とアキュムレータ25と閉鎖弁26,27及び、室内ユニット30が備えている室内熱交換器31が接続されている。冷房運転及び暖房運転が行われるときには閉鎖弁26,27は開いた状態になっている。四方弁22は、冷房運転時には実線で示された接続状態になり、暖房運転時には破線で示された接続状態になる。
冷房運転時には、圧縮機21で圧縮されたガス冷媒が、四方弁22を通って室外熱交換器23に送られる。この冷媒は、室外熱交換器23で室外空気に放熱し、膨張弁24で減圧されて膨張し、閉鎖弁26及び冷媒連絡管12を通って室内熱交換器31に送られる。膨張弁24から送られてきた低温低圧の冷媒は、室内熱交換器31で熱交換を行って室内空気から熱を奪う。室内熱交換器31で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、冷媒連絡管13、閉鎖弁27、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。
暖房運転時には、圧縮機21で圧縮されたガス冷媒が、四方弁22、閉鎖弁27及び冷媒連絡管13を通って室内熱交換器31に送られる。この冷媒は、室内熱交換器31で室内空気と熱交換を行って室内空気に熱を与える。室内熱交換器31で熱交換を行った冷媒は、冷媒連絡管12及び閉鎖弁26を通って膨張弁24に送られる。膨張弁24で減圧されて膨張した低温低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られ、室外熱交換器23で熱交換を行って室外空気から熱を得る。室外熱交換器23で熱交換を終えたガス冷媒または気液二相の冷媒は、四方弁22及びアキュムレータ25を通って圧縮機21に吸入される。
冷房運転時及び暖房運転時に、室外熱交換器23での室外空気と冷媒との熱交換を促進するために、室外空気の気流を室外熱交換器23において発生させるための室外ファン28を室外ユニット20が備えている。また、冷房運転時及び暖房運転時に、室内熱交換器31での室内空気と冷媒との熱交換を促進するとともに熱交換後の室内空気を室内に供給するために、室内空気の気流を室内熱交換器31において発生させるための室内ファン32,33を室内ユニット30が備えている。
室外ファン28及び室内ファン32,33は、ファンモータ28m,32m,33mによって駆動され、回転数を変更できるように構成されている。室外ファン28のファンモータ28mは、室外制御装置91によって制御されている。室内ファン32,33のファンモータ32m,33mは、室内制御装置92によって制御されている。また、圧縮機21は、圧縮機モータ21mによって駆動され、運転周波数を変更できるように構成されている。この圧縮機21、四方弁22及び膨張弁24も室外制御装置91によって制御されている。これら室外制御装置91と室内制御装置92は、互いに接続されており、互いに協働して空気調和機10を制御する空調制御装置90として機能する。なお、図示が省略されているが、室外制御装置91と室内制御装置92には、空気調和機10を制御するための種々のセンサが接続されている。
ここで、室内ユニット30における空気の流れの概要を説明する。室内ユニット30は、室内空気を内部に取り込むための吸込口41と、内部から調和空気を吹き出すための吹出口42とを有している。また、室内ユニット30は、吸込口41に設けられているプレフィルタ34と、吹出口42に設けられている中性能エアフィルタ35とを備えている。
室内ファン32,33が駆動されると、吸込口41を通って室内ユニット30の中に室内空気が流入する。図1においては、矢印Ar1が吸込口41に吸い込まれる室内空気の流れを象徴している。室内空気は、吸込口41を通過して室内ユニット30に取り込まれるときにプレフィルタ34を通過する。プレフィルタ34を通過した室内空気は、室内熱交換器31で熱交換されることによって調和空気になる。調和空気は、室内熱交換器31から室内ファン32,33と中性能エアフィルタ35を通って吹出口42から吹出される。図1においては、矢印Ar2が吹出口42から吹出される調和空気の流れを象徴している。
(2)室内ユニット30の概要
図2には、室内ユニット30の構成のうちの本開示にとって重要な構成部分の概要が示されている。室内ファン32,33がX軸方向に並べて配置されているので、図2において、室内ファン33の羽根33aが破線で示されている。以下に説明する図において、X軸方向が室内ユニット30の左右方向であり、Y軸方向が室内ユニット30の前後方向であり、Z軸方向が室内ユニット30の上下方向である。
室内ファン32,33は、室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させる。図2に示されている矢印Ar3が吹出口42から室内に吹出される調和空気の空気流れを示している。中性能エアフィルタ35は、室内ファン32,33の下流側に配置されている。中性能エアフィルタ35は、JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径2.0μmに対する初期捕集率が70%以上である集塵フィルタである。室内ユニット30に用いる集塵フィルタは、JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径0.4μmに対する初期捕集率が80%以上である高性能エアフィルタであってもよい。他の観点から、集塵フィルタに用いる高性能エアフィルタは、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して90%以上の粒子捕集率を持つ集塵フィルタであってもよい。ここで定格流量とは、室内ユニット30の最大流量(JIS Z 8122に準拠して定められるもの)である。なお、高性能エアフィルタであっても「JIS B9908(2011)の試験方法形式2に準拠してJIS Z8901(2006)の試験用粉体1の11種を用いて定格風量25m/分で測定した粒径2.0μmに対する初期捕集率が70%以上」の条件を満たすものは中性能エアフィルタに含まれる。つまり、中性能エアフィルタでもあり且つ高性能エアフィルタでもあるエアフィルタが存在するということである。
ケーシング40は、室内ファン32,33の羽根32a,33aを収納する羽根収納室RM2と中性能エアフィルタ35を収納するフィルタ収納室RM3とを有する。ケーシング40は、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、中性能エアフィルタ35の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積が、羽根収納室RM2の吹出開口52の第2断面積よりも大きくなるように構成されている。中性能エアフィルタ35の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積は、配置箇所Pi1におけるフィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1と左右方向の長さX1の積で与えられる。また、吹出開口52の第2断面積は、吹出開口52の上下方向の長さZ2と左右方向の長さX2の積で与えられる。多くの場合、フィルタ収納室RM3の左右方向の長さX1と吹出開口52の左右方向の長さX2が実質的に等しい(X1≒X2)から、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1が吹出開口52の上下方向の長さZ2よりも大きければ(Z1>Z2)、第1断面積が第2断面積よりも大きくなる。
吹出開口52の上下方向の長さZ2は、吹出開口52の上辺と下辺の距離に対応する。吹出開口52の上辺は、図2に示されている天井前側壁51のように天井壁50から下方に突出する部分がある場合には、突出する部分の下辺つまり天井前側壁の前端辺51aになる。吹出開口52において、このような下方に突出する部分がない場合には、天井壁50の前端辺が吹出開口52の上辺になる。同様に、吹出開口52の下辺は、図2に示されている仕切壁48のように上方に突出する部分がない場合には、仕切壁48の前端辺48aが吹出開口52の下辺になる。仕切壁48から上方に突出する部分がある場合には、突出する部分の上辺が吹出開口52の上辺になる。
(3)室内ユニット30の具体的構成
図3には、室内ユニット30の重要な構成部分を、室内ユニット30に向かって右斜め上から見た状態が示されている。また、図4には、図3に示されている状態の室内ユニット30のケーシング40から、天板40a、右側板40bを取り外した状態が示されている。なお、製品となるときには、図3において図示省略されている化粧板及び風向を変更するためのルーバなどが取り付けられる。室内ユニット30においては、室内熱交換器31、室内ファン32,33、プレフィルタ34及び中性能エアフィルタ38が、ケーシング40の中に収納されている。ここで示されている中性能エアフィルタ38は、図2に示されている中性能エアフィルタ35を実現するための具体的な中性能エアフィルタの一例である。この室内ユニット30は、側方に調和空気を吹き出すことができるタイプの室内ユニットであり、例えば、壁掛け型または天井吊り下げ型である。ここに示すケーシング40は、壁に取り付けられるように構成されている。なお、ここで説明する室内ユニット30の具体的構成は一例であって本開示の技術的範囲をこの具体的構成に限定するものではない。
(3−1)ケーシング40
ケーシング40は、上部に天板40a、右側面に右側板40b、左側面に左側板40c、及び背面に背面板40dを備えている。この室内ユニット30が壁掛け型であることから、背面板40dは、室内の壁に取り付けられる金具に固定される。図5には、ケーシング40の右側板40bを取り外した状態の室内ユニット30を右側面から見た状態が示されている。
ケーシング40の底部には、底部材45が配置されている。底部材45には、左右方向に向って互いに平行に延びる2つのドレンパン46,47が形成されている。ドレンパン46,47には、4つに分割された室内熱交換器31を支持する支持部材46a,46b,47a,47bが形成されている。
底部材45には、ドレンパン46の前側、2つのドレンパン46,47の間及びドレンパン47の後側に複数の開口部45aが左右方向に並べて形成されている。上方から下方に向って見たときの開口部45aの形状は、実質的に長方形である。互いに隣接する開口部45aの間には、細長い棒状のリブ45bが前後方向に延びている。これら複数の開口部45aが吸込口41になっている。これら複数の開口部45aの上には、プレフィルタ34が配置されている。従って、開口部45aを通過した室内空気は、全てプレフィルタ34を通過し、プレフィルタ34により塵埃が除去される。吹出口42の近傍に配置されている中性能エアフィルタ38は、プレフィルタ34よりも高い性能を有しており、細かい粒子に対してプレフィルタ34よりも高い粒子捕集率を持っている。換言すると、プレフィルタ34は、定格流量における0.3μmの粒子の粒子捕集率が中性能エアフィルタ38よりも少なく且つ圧力損失の小さいものである。
この吸込口41の上は、底部材45と右側板40bと左側板40cとで囲まれた熱交換器収納室RM1になっている。熱交換器収納室RM1の形状は、実質的に直方体である。この熱交換器収納室RM1は、左右に長く延びている。熱交換器収納室RM1に室内熱交換器31が収納されている。
熱交換器収納室RM1の上には、羽根収納室RM2が設けられている。図6には、羽根収納室RM2を上方から見た状態が示されている。羽根収納室RM2には、室内ファン32,33の羽根32a,33aが左右に並べて収納されている。熱交換器収納室RM1の上部、つまり熱交換器収納室RM1と羽根収納室RM2を仕切っている仕切壁48には、室内ファン32,33の吸入口に合わせて2つの円形の開口部(図示せず)が形成されている。室内ファン32,33の羽根32a,33aの後側には、上方から見て2つの半円状の第1案内面49a及び第2案内面49bを有する案内板49が形成されている。この案内板49の前側が開放されており、室内ファン32,33が駆動されると、室内ファン32,33によって熱交換器収納室RM1から上方に向かって吸い上げられた空気が案内板49によって前方に向って案内される。そして、羽根収納室RM2の前側の吹出開口52から前側の吹出口42に向う気流が生じる。羽根収納室RM2の天井壁50は、XY平面に沿うように前後左右に広がっているが、羽根32aをファンモータ32mに接続するための開口部50a、及び羽根33aをファンモータ33mに接続するための開口部(図示せず)が形成されている。羽根収納室RM2の天井壁50の前側にある天井前側壁51は、前下がりになっていて側面から見て斜めに下がる曲線を描く(図5参照)。羽根収納室RM2の前側の吹出開口52の上下方向の長さZ2は、仕切壁48から天井壁50までの距離R1よりも短くなっている。
羽根収納室RM2と吹出口42との間に、フィルタ収納室RM3が設けられている。フィルタ収納室RM3の上部には、フィルタ収納室RM3の前後方向(Y軸方向)の中央部に左右方向(X軸方向)に水平に延びる板状の上部中央壁54がある。フィルタ収納室RM3の上部中央壁54のZ軸方向(上下方向)の位置は、羽根収納室RM2の天井壁50のZ軸方向の位置と実質的に同じになっている。羽根収納室RM2の天井前側壁51によって羽根収納室RM2の上部が低くなるが、フィルタ収納室RM3の上部後側壁55は、羽根収納室RM2の天井前側壁51の前端辺51aからフィルタ収納室RM3の上部中央壁54に向って側面から見て斜め上方に延びていて、前上がりになっている。つまり、上部後側壁55の後端辺55aに比べて前端辺55bが上下方向において高所に位置している。なお、ここでは、天井前側壁51の前端辺51aと上部後側壁55の後端辺55aが実質的に一致している。天井前側壁51の前端辺51aが吹出開口52の上辺に相当するため、羽根収納室RM2の吹出開口52の上辺のZ軸方向の位置よりも、上部中央壁54のZ軸方向の位置の方が高くなっている。そして、フィルタ収納室RM3の上部中央壁54の前方には、上部前側壁56が、側面から見て斜め下方に向って前下がりに延びている。言い換えると、上部前側壁56においては、前側に在る前端辺56bの方が後端辺56aよりもZ軸方向に下がった低所に位置している。この上部前側壁56の前端辺56bが吹出口42の上辺に相当するため、吹出口42の上辺のZ軸方向の位置は、フィルタ収納室RM3の上部中央壁54のZ軸方向の位置よりも低くなっている。
フィルタ収納室RM3の下部の後側には、左右方向に延びる下部後側壁57がある。下部後側壁57の後端辺57aは、仕切壁48の前端辺48a(図6参照)からZ軸方向に下がった低所に位置している。仕切壁48の前端辺48aが吹出開口52の下辺に相当するため、羽根収納室RM2の吹出開口52のZ軸方向の長さZ2(吹出開口52の上辺と下辺との距離)に比べて、中性能エアフィルタ38の配置箇所のうちで最大となるフィルタ収納室RM3のZ軸方向の長さZ1が大きくなっている。この長さZ1は、長さZ2の2倍以上に設定されることが好ましい。また、フィルタ収納室RM3の後側の吸込開口のZ軸方向の長さ(上部後側壁55の後端辺55aと下部後側壁57の後端辺57aとの距離)が吹出開口52のZ軸方向の長さZ2よりも大きくなっている。このフィルタ収納室RM3の後側の吸込開口のZ軸方向の長さも、中性能エアフィルタ38のZ軸方向の十分な長さを得るために、吹出開口52のZ軸方向の長さZ2の2倍以上に設定されることが好ましい。なお、コンパクト化の観点から、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1は、熱交換器収納室RM1と羽根収納室RM2と機械室RM4の全体の上下方向の長さよりも短く構成されることが好ましい。
この下部後側壁57は、側面から見て後端辺57aから斜め下方に向って前下がりに延びている。言い換えると、下部後側壁57においては、前側に在る前端辺57bの方が後端辺57aよりもZ軸方向において低所に位置している。下部後側壁57の前側には、下部中央壁58が左右方向に延びている。下部中央壁58は、側面から見て下部後側壁57の前端辺57bから斜め上方に向って前上がりに延びている。言い換えると、下部中央壁58においては、前側に在る前端辺58bの方が後端辺58aよりもZ軸方向において高所に位置している。さらに、下部前側壁59は、側面から見て下部中央壁58の前端辺58bから斜め上方に向って前上がりに延びている。言い換えると、下部前側壁59においては、前側に在る前端辺59bの方が後端辺59aよりもZ軸方向において高所に位置している。下部前側壁59の前端辺59bからZ軸方向に沿って上にリブ60が延びている。このリブ60の上端辺60aが吹出口42の下辺に相当する。
このように形成された吹出口42の上下方向の長さZ3(図3参照)は、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1よりも小さくなっている。吹出口42の上下方向の長さZ3は、上部前側壁56の前端辺56bとリブ60の上端辺60aの距離に対応する。フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1は、上部中央壁54と下部中央壁58の後端辺58aの距離に対応する。また、吹出口42の上下方向の長さZ3は、羽根収納室RM2の吹出開口52の上下方向の長さZ2よりも大きくなっている。
なお、ここでは図示を省略しているが、吹出口42には、上下方向の風向及び/または左右方向の風向を調整するルーバが設けられる。
羽根収納室RM2の上には、機械室RM4が設けられている。機械室RM4には、ファンモータ32m,33m及び電装品箱95(図4参照)が設置されている。電装品箱95には、例えば室内制御装置92が含まれる。
(3−2)室内熱交換器31
室内熱交換器31は、第1熱交換部31aから第4熱交換部31dの4つの部分に分割されている。室内熱交換器31の第1熱交換部31aから第4熱交換部31dは、図5に示されているように、右側面から見てW字形を呈するように配置されている。すなわち、第1熱交換部31aは、右側面から見て斜め下方に向って後下がりに延び、第2熱交換部31bは、右側面から見て第1熱交換部31aの右側から斜め上方に向って後上がりに延び、第3熱交換部31cは、右側面から見て第2熱交換部31bの右側から斜め下方に向って後下がりに延び、第4熱交換部31dは、右側面から見て第3熱交換部31cの右側から斜め上方に向って後上がりに延びている。第1熱交換部31aの後端部は支持部材46aによって支持され、第2熱交換部31bの前端部は支持部材46bによって支持され、第3熱交換部31cの後端部は支持部材47aによって支持され、第4熱交換部31dの前端部は支持部材47bによって支持されている。そして、第1熱交換部31aの後端部と第2熱交換部31bの前端部とが接続され、第2熱交換部31bの後端部と第3熱交換部31cの前端部とが接続され、第3熱交換部31cの後端部と第4熱交換部31dの前端部とが接続されている。
室内熱交換器31は、例えば、X軸方向に延びる複数の伝熱管(図示せず)と、X軸方向に複数並べて配置され複数の伝熱管が貫く伝熱フィン(図示せず)とによって構成されるフィンアンドチューブ式の熱交換器である。複数の伝熱フィンの各々がYZ平面に平行に延びるように配置されているので、吸込口41から吸込まれる室内空気が伝熱フィン間を通って上に向って流れる。そして、伝熱フィン間を通る室内空気と伝熱管の中を通る冷媒との間で熱交換が行われる。
(3−3)室内ファン32,33
図5に示されている室内ファン32,33には、遠心ファンを用いることができる。室内ファン32,33には、例えば、比較的多くの風量及び比較的高い風圧を得やすいことから、ターボファンが好適に用いられる。なお、室内ファン32,33に用いられる遠心ファンは、ターボファン以外の遠心ファンであってもよい。上方から羽根32a,33bを見たときに円形に見えるように、羽根32a,33aが配置されている。羽根32a,33aが回転すると、上下方向(Z軸方向)に沿って下から空気が吸い上げられて、水平方向(XY平面に沿う方向)に空気が吹き出される。前から向って右側に配置されている室内ファン32の羽根32aは上方から見て反時計回りに回転し、左側に配置されている室内ファン33の羽根33aは上方から見て時計回りに回転するように構成されている。つまり、左右に並んだ室内ファン32,33の羽根32a,33aの回転方向が互いに逆向きになっている。なお、羽根32aを時計回りに回転し、羽根33aを反時計回りに回転するように構成してもよい。
(3−4)中性能エアフィルタ38
ここで用いられている中性能エアフィルタ38は、初期性能として、定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して90%以上の粒子捕集率を持つ。通常のエアフィルタでは使用時間が長くなるほどフィルタ性能が低下するのが一般的であるので、初めて使用する場合のフィルタ性能で中性能エアフィルタを定義している。中性能エアフィルタ38は、中性能エアフィルタ38での圧力損失を低下させるために、機械的濾過と静電気的な吸着作用を併せ持つフィルタであることが好ましい。例えば、初期性能として、0.3μmの粒子に対する機械的濾過の捕集効率よりも静電気的な吸着作用による集塵効率が高いものが好ましい。中性能エアフィルタ38の空気流れに沿う方向の厚みD1が10mm以上あれば十分な塵埃の除去機能が得られる。この中性能エアフィルタ38の厚みD1は、例えば、側面から見て、10mm〜100mm程度である。中性能エアフィルタ38の厚みは、換言すると、空気が流れる方向の厚みということができる。なお、10mm以上の厚みD1を持つ中性能エアフィルタ38は、圧力損失を下げるために、プリーツフィルタであることが好ましい。中性能エアフィルタ38に代えて用いられる高性能エアフィルタにおいても空気流れに沿う方向の厚みD1が10mm以上あれば十分な塵埃の除去機能が得られる。この高性能エアフィルタの厚みD1は、空気が流れる方向の厚みであり、例えば、側面から見て10mm〜100mm程度である。10mm以上の厚みを持つ高性能エアフィルタも、圧力損失を下げるために、プリーツフィルタであることが好ましい。
中性能エアフィルタ38は、第1フィルタ部36と第2フィルタ部37とから構成されている。第1フィルタ部36と第2フィルタ部37は、楔形に組み合わされている。この楔形を呈する中性能エアフィルタ38は、吹出口42に向って凸状になるように配置されている。つまり、第1フィルタ部36の後端部36aは、上部後側壁55に固定されている。第1フィルタ部36は、側面から見て上部後側壁55から真っ直ぐ斜め下方に向って前下がりに延びている。第2フィルタ部37の後端部37aは、下部後側壁57に固定されている。第2フィルタ部37は、側面から見て下部後側壁57から真っ直ぐ斜め上方に向って前上がりに延びている。そして、第1フィルタ部36の前端部36bと第2フィルタ部37の前端部37bとがLアングルの接続部材39によって接続されている。
第1フィルタ部36と第2フィルタ部37の接続位置が吹出口42の上下方向位置に対応するように第1フィルタ部36の長さL1が第2フィルタ部37の長さL2よりも短くなっている。中性能エアフィルタ38のZ軸方向の配置位置は、羽根収納室RM2の吹出開口52の上辺と下辺との間の範囲と中性能エアフィルタ38の上端と下端との間の範囲が一部重なる上下方向位置に設定されている。中性能エアフィルタ38を通過する空気は、第1フィルタ部36では斜め上方に向かう流れを形成し、第2フィルタ部37では斜め下方に向う流れを形成する。
図5に示されているように、吹出開口52の下辺(ここでは仕切壁48の前端辺48a)とフィルタ収納室RM3の下部後端部(ここでは下部後側壁57の後端辺57a)とが離れるように形成されていると、フィルタ収納室RM3の前後方向(Y軸方向)の長さを短く形成できる。そして、図5に示されているように凸状に配置された中性能エアフィルタ38が吹出開口52から離れているので、中性能エアフィルタ38の全体を効率良く使用することができ、中性能エアフィルタ38が吹出開口52の近くにある場合に比べて中性能エアフィルタ38で生じる圧力損失を小さくすることができている。
(4)変形例
(4−1)変形例1A
上記実施形態では、室内熱交換器31について、その形状が側面から見てW字形を呈するものについて説明した。しかし、室内熱交換器31の形状は、上述のような形状に限られるものではなく、例えば側面から見て逆V字形であってもよい。
(4−2)変形例1B
上記実施形態では、室内ユニット30が2台の室内ファン32,33を備える場合について説明したが、室内ファンは、1台でもよく、また3台以上であってもよい。
(4−3)変形例1C
上記実施形態では、室内ユニット30が壁掛け型である場合について説明したが、室内ユニット30を天井吊り下げ型とする場合には、例えば天井から吊り下げるためのボルトをケーシング40に固定することができるように構成すればよい。
(4−4)変形例1D
上記実施形態では、1台の室外ユニット20に1台の室内ユニット30が接続される場合について説明したが、1台または複数台の室外ユニットに複数台の室内ユニットが接続されるものであってもよい。その場合に、膨張弁は、室外ユニットに配置されてもよく、室内ユニットに配置されてもよい。
(4−5)変形例1E
上記実施形態では、室内熱交換器31に流れる冷媒が蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路11を流れる冷媒である場合について説明した。しかし、室内熱交換器31に流れる冷媒は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路を流れる冷媒に限られるものでなく、例えば給湯器から供給される熱水であってもよい。
(4−6)変形例1F
上記実施形態では、第1フィルタ部36及び第2フィルタ部37が、側面から見て真っ直ぐに延びている場合について説明したが、第1フィルタ部36及び第2フィルタ部37は側面から見て曲線状に延びるように構成されてもよい。また、吹出口42に向って凸状に構成されている中性能エアフィルタ38は、側面から見て曲線状に延びるように1つの部材を湾曲させて形成してもよく、複数の部材に分割しなくてもよい。例えば、中性能エアフィルタ38は、側面から見て、直線状または曲線状に延びる1つのフィルタ部からなるものであってもよい。
(4−7)変形例1G
上記実施形態では、風向を変更するためのルーバの構成例の記載を省いたが、例えば図7(a)に示されているように、吹出口42の前端辺56bの近傍に回転軸76を有する上部ルーバ71と、吹出口42の中央部に回転軸77を有する下部ルーバ72とを設けてもよい。上部ルーバ71及び下部ルーバ72は、上部ルーバ71の先端部71a及び下部ルーバ72の先端部72aが最下端まで回動した状態で、吹出口42の全体を覆うことができる。
(4−8)変形例1H
上記実施形態では、風向を変更するためのルーバの構成例の記載を省いたが、例えば図7(b)に示されているように、吹出口42の前端辺56bの近傍に回転軸78を有する上部ルーバ73と、リブ60に沿う回転軸79を有する下部ルーバ74とを設けてもよい。上部ルーバ73は、上部ルーバ73の先端部73aが最下端まで回動した状態で、吹出口42の全体を覆うことができる。また、下部ルーバ74は、下部ルーバ74の先端部74aを下方に向って回動すると、吹出口42を下方に向って開くことができる。
(5)特徴
(5−1)
図2を用いて説明したように、中性能エアフィルタ35,38の配置箇所Pi1のうちで最大となるフィルタ収納室RM3の第1断面積が、羽根収納室RM2の吹出開口52の第2断面積よりも大きくなるように構成されていることから、中性能エアフィルタ35,38での圧力損失を小さくして室内ファン32,33を小型化できる。また、空気流れに直交する方向についてフィルタ収納室RM3の第1断面積が吹出開口52の第2断面積よりも大きいことから、中性能エアフィルタ35,38の配置箇所Pi1を短くしてフィルタ収納室RM3の空気流れに沿った方向の長さを短くできるので、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−2)
室内熱交換器31が室内ファン32,33の上流側に配置され、中性能エアフィルタ35,38が室内ファンの下流側に配置されていることから、室内熱交換器31、室内ファン32,33、中性能エアフィルタ35,38の順に空気が流れるので、室内熱交換器31と中性能エアフィルタ35,38との間に室内ファン32,33が存在している。この室内ファン32,33の存在によって、室内熱交換器31から中性能エアフィルタ35,38に凝縮水が掛かるのを防止することができ、中性能エアフィルタ35,38の汚染及び圧力損失の増加を防止することができている。
(5−3)
図5に示されている中性能エアフィルタ38の少なくとも一部の上下方向位置38zが室内熱交換器31の上下方向位置31zと同じになっていることから、室内熱交換器31の上下方向の範囲に中性能エアフィルタ38の少なくとも一部が納まるので、室内ユニット30が上下方向に拡大するのを抑制することができ、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−4)
図2及び図5に示されているように、ケーシング40の側部の吹出口42から横に調和空気を吹きださせ且つフィルタ収納室RM3の上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じている。このような構成により、フィルタ収納室RM3を上下に拡張することができている。その結果、中性能エアフィルタ35,38での圧力損失を抑えながらケーシング40が横方向(Y軸方向)へ拡大されるのを抑制することができている。
(5−5)
フィルタ収納室RM3の上下寸法が羽根収納室RM2の上下寸法よりも大きいことから、室内ファン32,33の送風能力と中性能エアフィルタ35,38の圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室RM3と羽根収納室RM2とをコンパクト化できる。その結果、ケーシング40を小型化してすることができ、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−6)
室内ユニット30においては、フィルタ収納室RM3の上下方向の長さZ1が吹出開口の上下方向の長さZ2の2倍以上に設定されることにより、フィルタ収納室RM3の第1断面積が羽根収納室の吹出開口の第2断面積の2倍以上に設定される。このような構成の場合には、室内ファン32,33の送風能力と中性能エアフィルタ38の圧力損失の適正化を図り易くなり、フィルタ収納室RM3と羽根収納室RM2とをコンパクト化できるので、ケーシング40を小型化することができる。
(5−7)
図5に示されている室内ユニット30では、中性能エアフィルタ38の下流側で空気流路を狭めることから、ケーシング40から吹出される調和空気の風速を上げる一方で、中性能エアフィルタ38での風速を抑えて構成の上ありふたでの圧力損失を抑えることができるので、室内ファン32,33を小型化し易くなり、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−8)
図5に示されている室内ユニット30では、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタ38を用いている。中性能エアフィルタ38を空気が通過する断面積を大きくしながら、空気流れに直交する方向の中性能エアフィルタ38の寸法を小さくすることができ、中性能エアフィルタ38の圧力損失を小さくするためにフィルタ収納室RM3の上下方向の寸法が大きくなるのを防いで、室内ユニット30の大型化を抑制することができる。
(5−9)
直方体状の第1フィルタ部36と第2フィルタ部37をLアングルの接続部材39により接続することによって中性能エアフィルタ38が得られている。このように、立体的な第1フィルタ部36と立体的な第2フィルタ部37を接続することにより、楔形に折り曲げた形状の中性能エアフィルタ38を簡単に造ることができる。そして、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する中性能エアフィルタ38を容易に実現することができている。なお、立体的な第1フィルタ部36と立体的な第2フィルタ部37は、直方体以外の形状であってもよく、例えば三角柱または直方体以外の四角柱のような形状であってもよい。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
10 空気調和機
20 室外ユニット
30 室内ユニット
31 室内熱交換器
32,33 室内ファン
35,38 中性能エアフィルタ
40 ケーシング
41 吸込口
42 吹出口
52 吹出開口
RM1 熱交換器収納室
RM2 羽根収納室
RM3 フィルタ収納室
特開平11−311446号公報

Claims (9)

  1. 室内に吹出される調和空気の空気流れを発生させるように構成されている室内ファン(32,33)と、
    前記室内ファンの下流側に配置されている中性能エアフィルタ(35,38)と、
    前記室内ファンの羽根を収納する羽根収納室と前記中性能エアフィルタを収納するフィルタ収納室とを有するケーシング(40)と
    を備え、
    前記ケーシングは、空気流れに直交する方向の空気流路の断面積について、前記中性能エアフィルタの配置箇所のうちで最大となる前記フィルタ収納室の第1断面積が、前記羽根収納室の吹出開口の第2断面積よりも大きくなるように構成されている、空気調和機の室内ユニット。
  2. 前記ケーシングに収納され、前記室内ファンの上流側に配置されている室内熱交換器(31)をさらに備える、
    請求項1に記載の空気調和機の室内ユニット。
  3. 前記中性能エアフィルタは、前記中性能エアフィルタの少なくとも一部の上下方向位置が前記室内熱交換器の上下方向位置と同じになるように配置されている、
    請求項2に記載の空気調和機の室内ユニット。
  4. 前記ケーシングは、前記ケーシングの側部に吹出口が形成され、前記フィルタ収納室では上下方向に対して交差する向きに空気流れが生じる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の空気調和機の室内ユニット。
  5. 前記ケーシングは、前記フィルタ収納室の上下寸法が前記羽根収納室の上下寸法よりも大きくなるように構成されている、
    請求項4に記載の空気調和機の室内ユニット。
  6. 前記ケーシングは、前記フィルタ収納室の前記第1断面積が前記羽根収納室の前記吹出開口の前記第2断面積の2倍以上に設定されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の空気調和機の室内ユニット。
  7. 前記ケーシングは、前記ケーシングから吹出される調和空気の風速を上げるために前記フィルタ収納室において前記中性能エアフィルタの下流側で空気流路が狭められている、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和機の室内ユニット。
  8. 前記中性能エアフィルタ(38)は、空気流れの下流側に向って凸の形状を有する、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和機の室内ユニット。
  9. 前記中性能エアフィルタ(38)は、立体的な第1フィルタ部と立体的な第2フィルタ部を折り曲げるように接続してなる、
    請求項8に記載の空気調和機の室内ユニット。
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