図1〜図3は、パネルシャッターの基本構成を示す図である。図1に示すように、パネルシャッターのシャッターカーテンは複数枚のパネル1、1´、1´´を高さ方向に連結することで形成されており、シャッターカーテンは、開口部全閉姿勢にあるシャッターカーテンにおいて、最下位に位置するボトムパネル1´と、最上位に位置するトップパネル1´´と、トップパネル1´´とボトムパネル1´の間に位置する複数枚のパネル(中間パネル)1と、からなる。1つの態様では、中間パネル1は同形・同寸のパネルからなるが、高さ寸法が異なるパネルが含まれていてもよい。1つの態様では、トップパネル1´´とボトムパネル1´は同一パネルからなり、上下反転した態様でシャッターカーテンの上端部位、下端部位を形成する。図2に示すように、開口部開放時には、シャッターカーテンは開口部上方の収納部に収納される。
図3に示すように、パネル1は所定形状に加工した2枚の第1表面材2、第2表面材3を張り合わせることで中空状に形成されている。パネル1の第1表面材2、第2表面材3の構成について、垂直姿勢にある第1表面材2、第2表面材3に基づいて説明する。なお、説明中の「上」、「下」、「垂直」、「水平」等の文言は、説明の基礎となる第1表面材2、第2表面材3の姿勢に依存して変わり得ることが当業者に理解される。また、以下の説明において、パネル1の第1見付面側を第1側、第2見付面側を第2側とする。
図3に示すように、第1表面材2は、パネル1の第1見付面を形成する第1面部20と、第1面部20の上方部位に第2側に向かって形成した水平辺21と、水平辺21から上方に立ち上がる垂直辺22と、垂直辺22の上端から第2側に向かって水平に延びる上面23と、上面23から上方に立ち上がる立ち上がり辺24と、第1面部20の下端に第2側に向かって折り曲げ形成した下辺25と、下辺25の先端を折り曲げ形成した下側立ち上がり辺26と、を備えている。
図3に示すように、第2表面材3は、パネル1の第2見付面を形成する第2面部30と、第2面部30の下方部位に第1側に向かって形成した水平辺31と、水平辺31から垂下する垂直辺32と、垂直辺32の下端から第1側に向かって水平に延びる下面33と、下面33から垂下する垂下辺34と、第2面部30の上端に第1側に向かって折り曲げ形成した上辺35と、上辺35の先端を折り曲げ形成した上側垂下辺36と、を備えている。
本実施形態では、第1表面材2と第2表面材3は同一・同形の要素であり、上下反転した姿勢で、第2表面材3の第2面部30の上方部位に、第1表面材2の上側立ち上がり辺24を連結し、第1表面材2の第1面部20の下方部位に、第2表面材3の下側垂下辺34を連結することで、組み立てられる。第1表面材2と第2表面材3の連結手段としては、接着剤による接着、溶接、螺子による止着を例示することができる。
第1表面材2の第1面部20、上面23、第2表面材3の第2面部30、下面33が、それぞれパネル1の第1見付面、上面、第2見付面、下面を形成しており、第1見付面の上方部位には段部(水平辺21と垂直辺22からなる)が形成されており、第2見付面の下方部位には段部(水平辺31と垂直辺32からなる)が形成されている。垂直姿勢にある上下隣位のパネル1、1において、上側に位置するパネル1の第1面部20の下端部位(下面33を越えて下方に延びる部位)が下側に位置するパネル1の第1面部20の上方の段部にオーバーラップし、下側に位置するパネル1の第2面部20の上端部位(上面23を越えて上方に延びる部位)が上側に位置するパネル1の第2面部30の下方の段部にオーバーラップする(図3参照)。
図4に示すように、本実施形態では、各パネル1は、幅方向に3分割されており、主として3枚の分割パネル1A、1B、1Cから構成されている。幅方向に隣り合う分割パネル同士の連結、すなわち、分割パネル1Aと分割パネル1B、分割パネル1Bと分割パネル1Cの連結は、第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6からなる連結機構を用いて行われる。分割パネル1A、1B、1Cの連結部に位置して、当該連結部を覆うように細幅の分割パネル1Dが設けてあり、分割パネル1A、1B、1Cを連結機構によって連結し、連結部に分割パネル1Dを装着することで1枚のパネル1が形成される。各分割パネル1A、1B、1C、1Dは、従来のパネルと同様に、所定形状に折り曲げ加工した2枚の第1表面材2、第2表面材3を張り合わせることで形成される。連結機構の詳細な説明は後述する。
分割パネルの連結部には、パネル分割に伴う遮音性能の低下を防止するべく、第1塞ぎ要素7、第2塞ぎ要素8、第3塞ぎ要素9が設けられる。これらの塞ぎ要素7、8、9の詳細な説明は後述する。
図3に示すように、パネル1の中空部には芯材(グラスウール等)10が充填されている。第1表面材2の第1面部20、第2表面材3の第2面部30の内面には板状の制振材11が貼着されている。パネル1の中空部には、パネル1を厚さ方向に横断する断面形状を有し、パネル1の幅方向に亘って延びる補強材12が設けてある。本実施形態では、芯材10、制振材11、補強材12は、各分割パネル1A、1B、1C、1Dの内部にそれぞれ設けられる。
パネル1の上面23、下面33には、開口部全閉時に上下隣位のパネル1の下面33、上面23に圧接するゴム製の気密材13が設けてあり、開口部全閉時において、上下隣位のパネル1間の隙間を密閉し、閉塞するようになっている。さらに、パネル1の上面23、下面33には樹脂ブロックからなる当接材130が設けてあり(例えば、幅方向に部分的に設けられる)、開口部全閉時に当接材130がスペーサとして機能し、気密材13の過度の変形を防止し、適切な弾性変形を維持するようになっている。当接材130は、さらに、上下のパネル1の内外方向の位置決め機能を有する。
各パネル1の幅方向両端部位には、ガイドローラ14(図2参照)を設けた支軸が突設されており、各パネル1は支軸を介してチェーン15(図2参照)に連結されて吊持される。開口部の幅方向両端部には、各パネル1のガイドローラ14を案内するガイドレール16が設けてあり、開口部上方の収納部には、ガイドレール16の略上方に位置してチェーン15を巻き掛けするためのスプロケット17が設けてある。収納部の後方側に設けた開閉機18によってスプロケット17を所定方向に回転させて、チェーン15を巻き上げ、あるいは、繰り出すことで、各パネル1は、幅方向両端のガイドローラ14がガイドレール17に案内されながら、開口部高さ方向に昇降する。収納部には、前方から後方に向かって緩やかに下向き傾斜状に延出する収納レール19が設けてあり、チェーン15の巻き上げによって、パネル1は幅方向両端のガイドローラ14が開口部左右のガイドレール16に案内されながら上昇し、開口部上方に設けた収納レール19にパネル1を順次案内して収納部にパネル1を収納して開口部を開放する。開口部全閉時には、複数のパネル1、1´、1´´が気密材13を介して上下方向に互いに密接することで開口部を閉鎖する。
本実施形態では、パネル1を構成する各分割パネル1A、1B、1C、1Dは、図3に示す形状を備えた第1表面材2、第2表面材3から中空状に形成される。分割パネル1Aの一端(図4における左側端)はパネル1の端面10Aを形成し、他端は分割パネル1Bの一端と着脱可能に連結され、分割パネル1Bの他端は分割パネル1Cの一端と着脱可能に連結され、分割パネル1Cの他端(図4における右側端)はパネル1の端面11Cを形成する。分割パネル1Aと分割パネル1Bの連結部、分割パネル1Bと分割パネル1Cの連結部を覆うように分割パネル1Dが設けられる。
各分割パネル1A、1B、1Cは、パネル高さ方向の上下2ヶ所において、連結機構によって連結されている。図8に示すように、連結機構は、一方の分割パネルに固定される第1連結部材4と、他方の分割パネルに固定される第2連結部材5と、第1連結部材4と第2連結部材5を連結する第3連結部材6からなり、第1連結部材4と第2連結部材5の長さ方向端面43、53同士を当接した状態で、第1連結部材4と第2連結部材5に跨って当接させた第3連結部材6をボルトBで第1連結部材4、第2連結部材5に固定することで、一方の分割パネルと他方の分割パネルを連結するようになっている。図4と図8を対比するとわかるように、図8に示す連結機構は、分割パネル1Aと分割パネル1Bの上側部位を連結する連結機構を示している。図示の態様では、例えば、分割パネル1Bと分割パネル1Cの上側部位を連結する構成は図4に示す構成と左右対称となっているが、連結機構の基本的な構成(第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6から構成される)は同じである。
図4に示すように、分割パネル1Aの他端の上側部位には第1連結部材4が固定され、分割パネル1Bの一端の上側部位には第2連結部材5が固定され、第1連結部材4と第2連結部材5は第3連結部材6によって連結されている。分割パネル1Aの他端の下側部位には第2連結部材5が固定され、分割パネル1Bの一端の下側部位には第1連結部材4が固定され、第1連結部材4と第2連結部材5は第3連結部材6によって連結されている。
同様に分割パネル1Bの他端の上側部位には第2連結部材5が固定され、分割パネル1Cの一端の上側部位には第1連結部材4が固定され、第1連結部材4と第2連結部材5は第3連結部材6によって連結されている。分割パネル1Bの他端の下側部位には第1連結部材4が固定され、分割パネル1Cの一端の下側部位には第2連結部材5が固定され、第1連結部材4と第2連結部材5は第3連結部材6によって連結されている。
図5、図8、図10に示すように、第1連結部材4は、上下に離間対向する水平辺40、41と、水平辺40、41の基端同士を連結する垂直辺42と、から断面視コ字形状を有しており、パネル幅方向に延びる所定長(長さ方向端面43、44間の距離)を備えた長尺部材である。水平辺41の幅寸法(パネル厚方向の寸法)は水平辺40の幅寸法よりも大きい。第1連結部材4が分割パネルの上側部位に設けられる場合には、水平辺40が上辺、水平辺41が下辺となり、第1連結部材4が分割パネルの下側部位に設けられる場合には、水平辺40が下辺、水平辺41が上辺となる。
図5、図8、図11に示すように、第2連結部材5は、上下に離間対向する水平辺50、51と、水平辺50、51の基端同士を連結する垂直辺52と、から断面視コ字形状を有しており、パネル幅方向に延びる所定長(長さ方向端面53、54間の距離)を備えた長尺部材である。水平辺51の幅寸法(パネル厚方向の寸法)は水平辺50の幅寸法よりもよりも大きい。第1連結部材4と第2連結部材5は、長さ寸法が異なる(第1連結部材4が短尺で、第2連結部材5が長尺)のみで、同形・同寸の断面形状を有している。第2連結部材5が分割パネルの上側部位に設けられる場合には、水平辺50が上辺、水平辺51が下辺となり、第2連結部材5が分割パネルの下側部位に設けられる場合には、水平辺50が下辺、水平辺51が上辺となる。
図5、図8、図10、図11に示すように、第3連結部材6は、第1連結部材4と第2連結部材5を連結する部材であり、離間対向する垂直辺60、61と、垂直辺60、61の基端同士を連結する水平辺62と、から断面視略コ字形状を有しており、パネル幅方向に延びる所定長(長さ方向端面63、64間の距離)を備えた長尺部材である。垂直辺61の基端側は傾斜辺610となっている。水平辺62の幅寸法(パネル厚方向の寸法)は第1連結部材4の水平辺41、第2連結部材5の水平辺51の幅寸法よりも小さい。第3連結部材6が分割パネルの上側部位に設けられる場合には、水平辺62が上辺となり、第3連結部材6が分割パネルの下側部位に設けられる場合には、水平辺62が下辺となる。
図8に示すように、第1連結部材4と第2連結部材5の端面43、53同士を当接させた状態で、第1連結部材4の水平辺41と第2連結部材5の水平辺51は1枚の板状に連続して延びている。この状態において、第3連結部材6の水平辺62を水平辺41と水平辺51に跨って当接させ、ボルトBとナットNで一体化する。本実施形態では、第1連結部材4と第2連結部材5を、第3連結部材6を介して連結した状態において、第3連結部材6の端面63が第1連結部材4の端面44に一致しており、第3連結部材6の長さ方向の中央が、第1連結部材4と第2連結部材5の当接部(端面43、53)に位置している。すなわち、第3連結部材6の長さ方向の第1半部が第1連結部材4に当接して連結されており、第2半部が第2連結部材5に当接して連結されている。第3連結部材6の垂直辺60、61間の距離は、第1連結部材4の水平辺41(第2連結部材5の水平辺51)の幅寸法よりも小さく、第3連結部材6を第1連結部材4、第2連結部材5に連結した状態において、垂直辺61を通る垂直面上に、第1連結部材4の水平辺41(第2連結部材5の水平辺51)の先端が位置し、垂直辺60を通る垂直面の外側に第1連結部材4の垂直辺42(第2連結部材5の垂直辺52)が位置する。
分割パネルの連結について、分割パネル1Aと分割パネル1Bの連結に基づいて詳細に説明する。図9に示すように、分割パネル1Aと分割パネル1Bは、高さ方向の上下2ヶ所において、連結機構によって連結されている。分割パネル1Aの他端の上側部位、下側部位には第1連結部材4、第2連結部材5が予め固定されており、分割パネル1Bの一端の上側部位、下側部位には第2連結部材5、第1連結部材4が予め固定されている。さらに、上側の第3連結部材6の一方の半部(図9における左側半部)は、分割パネル1Aの中空部の上側部位において、第1連結部材4に予め連結されており、下側の第3連結部材6の一方の半部(図9における右側半部)は、分割パネル1Bの中空部の下側部位において、第1連結部材4に予め連結されている。現場において、第1連結部材4と第2連結部材5を、長さ方向端面43、53同士を当接させた状態で、第3連結部材6を介してボルトBとナットNで連結することで、分割パネル1Aと分割パネル1Bは連結される。より具体的には、分割パネル1Aの上側部位に固定された第1連結部材4に連結されている上側の第3連結部材6の他方の半部(図9における右側半部)と分割パネル1Bの上側部位に固定された第2連結部材5とを、分割パネル1A、1Bの端縁11A、10B間の空間において、ボルトBとナットNで連結し、分割パネル1Bの下側部位に固定された第1連結部材4に連結されている下側の第3連結部材6の他方の半部(図9における左側半部)と分割パネル1Aの下側部位に固定された第2連結部材5とを、分割パネル1A、1Bの端縁11A、10B間の空間において、ボルトBとナットNで連結する。
図10に示すように、分割パネル1Aの他端の中空部の上側部位において、第1連結部材4は、上側の水平辺40をパネルの上面23に当接させ、垂直辺42をパネルの第2面部30の上方部位(垂直辺22に対向する部位)に当接させ、下側の水平辺41の先端を水平辺21に当接させた状態で溶接されている。第1連結部材4は、分割パネル1Aの他端縁11Aより僅かに突出しており、第1連結部材4の端面43は分割パネル1Aの中空部の外に位置している。
図5に示すように、分割パネル1Bの一端の中空部の上側部位において、第2連結部材5は、上側の水平辺50をパネルの上面23に当接させ、垂直辺52をパネルの第2面部30の上方部位(垂直辺22に対向する部位)に当接させ、下側の水平辺51の先端を水平辺21に当接させた状態で溶接されている。第2連結部材5は、分割パネル1Bの一端縁10Bよりも大きく突出しており、第2連結部材5の長さ方向半部は分割パネル1Bの中空部の外に位置している。
図5、図11に示すように、分割パネル1Aの他端の中空部の下側部位において、第2連結部材5は、下側の水平辺50をパネルの下面33に当接させ、垂直辺52をパネルの第1面部20の下方部位(垂直辺32に対向する部位)に当接させ、上側の水平辺51の先端を水平辺31に当接させた状態で溶接されている。第2連結部材5は、分割パネル1Aの他端縁11Aよりも大きく突出しており、第2連結部材5の長さ方向半部は分割パネル1Aの中空部の外に位置している。
分割パネル1Bの一端の中空部の下側部位において、第1連結部材4は、下側の水平辺40をパネルの下面33に当接させ、垂直辺42をパネルの第1面部20の下方部位(垂直辺32に対向する部位)に当接させ、上側の水平辺41の先端を水平辺31に当接させた状態で溶接されている。第1連結部材4は、分割パネル1Bの一端縁10Bより僅かに突出しており、第1連結部材4の端面43は分割パネル1Bの中空部の外に位置している。
第1連結部材4の長さ方向端面43と第2連結部材5の長さ方向端面53を当接させた状態で、第1連結部材4の水平辺41と第2連結部材5の水平辺51とに跨って第3連結部材6の水平辺62を当接させ、長さ方向に間隔を存して複数箇所でボルトBとナットNを用いて第3連結部材6の水平辺62と第1連結部材4の水平辺41、第2連結部材5の水平辺51を連結する。第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6は断面視略コ字状で長さ方向両端が開放状の部材なので、現場におけるボルトBとナットNを用いた連結作業に支障はない。
連結機構は、分割パネル同士を連結する機能に加えて、分割部の強度を向上させる補強機能を備えている。分割パネル1Aの他端の中空部の上側部位において、第1連結部材4の水平辺40が上面23の内面に当接し、第1連結部材4の垂直辺42が第2面部30の上方部位(垂直辺22に対向する部位)の内面に当接し、第1連結部材4の水平辺41が分割パネル1Aのパネル全厚に亘って延び、先端が水平辺21の内面に当接している。分割パネル1Aの他端の中空部の下側部位において、第2連結部材5の水平辺50が下面33の内面に当接し、第2連結部材5の垂直辺52が第1面部20の下方部位(垂直辺32に対向する部位)の内面に当接し、第2連結部材5の水平辺51が分割パネル1Aのパネル全厚に亘って延び、先端が水平辺31の内面に当接している。
このように、分割パネル1Aの中空部の上側部位には、当該上側部位と第1連結部材4によって形成され、かつ第1連結部材4によって補強されたホロー構造(水平辺40、41、垂直辺42、垂直辺22で囲まれている)が形成され、下側部位には、当該下側部位と第2連結部材5によって形成され、かつ第2連結部材5によって補強されたホロー構造(水平辺50、51、垂直辺52、垂直辺32で囲まれている)が形成される。
分割パネル1Bの一端の中空部の上側部位において、第2連結部材5の水平辺50が上面23の内面に当接し、第2連結部材5の垂直辺52が第2面部30の上方部位(垂直辺22に対向する部位)の内面に当接し、第2連結部材5の水平辺51が分割パネル1Bのパネル全厚に亘って延び、先端が水平辺21の内面に当接している。分割パネル1Bの一端の中空部の下側部位において、第1連結部材4の水平辺40が下面33の内面に当接し、第1連結部材4の垂直辺42が第1面部20の下方部位(垂直辺32に対向する部位)の内面に当接し、第1連結部材4の水平辺41が分割パネル1Bのパネル全厚に亘って延び、先端が水平辺31の内面に当接している。
このように、分割パネル1Bの上側部位には、当該上側部位と第2連結部材5によって形成され、かつ第2連結部材5によって補強されたホロー構造(水平辺50、51、垂直辺52、垂直辺22で囲まれている)が形成され、下側部位には、当該下側部位と第1連結部材4によって形成され、かつ第1連結部材4によって補強されたホロー構造(水平辺40、41、垂直辺42、垂直辺32で囲まれている)が形成される。
分割パネル1Aと分割パネル1Bの連結部の上側部位において、第3連結部材6の垂直辺61は第1面部20に当接し、垂直辺60は第2面部30から離間しており(図10参照)、下側部位において、第3連結部材6の垂直辺61は、第2面部30に当接し、垂直辺60は第1面部20から離間している(図11参照)。
図9に示すように、分割パネル1Aと分割パネル1Bを連結機構によって連結した状態において、分割パネル1Aの他端縁11Aと分割パネル1Bの一端縁10Bとは離間しており、分割パネル1Aの他端縁11Aと分割パネル1Bの一端縁10Bとの間の空間を塞ぐように、細幅の分割パネル1Dが取り付けられる(図7参照)。分割パネル1Dは、他の分割パネル1A、1B、1Cと同様に、第1表面材2と第2表面材3からなる。分割パネル1Dを形成する第1表面材2と第2表面材3は現場において螺子Sで固定される。具体的には、第1表面材2及び第2表面材3は、第1面部20及び第2面部30を、第1面部20、第2面部30の内面に当接する第3連結部材6の垂直辺61、第2連結部材5の垂直辺52に螺子Sで連結することで取り付けられる。
図7に示すように、分割パネル1Dを装着した状態で、分割パネル1Dの幅方向の両端縁10D、11Dと隣接する分割パネル1A、1Bの端縁11A、10Bは隙間Gによって離間しており、パネルシャッターの設置用途・目的において遮音性能が要求される場合には課題が残り得る。本実施形態では、第1塞ぎ要素7、第2塞ぎ要素8、第3塞ぎ要素9を設けて隙間Gを内側から塞ぐことで、遮音性能の低下を防止する。
図15に示すように、第1塞ぎ要素7は、水平辺70と垂直辺71から断面視L形状に形成された板材である。第1塞ぎ要素7は、分割パネル1Aの他端の中空部の上側部位及び下側部位、分割パネル1Bの一端の中空部の上側部位及び下側部位に位置させて、第1連結部材4ないし第2連結部材5に固定されている。第1塞ぎ要素7の垂直辺71の高さ寸法は、第1連結部材4の水平辺40、41(第2連結部材5の水平辺50、51)間の寸法と略同じであり、水平辺70を水平辺40(50)に当接させた時に、垂直辺71の端部が水平辺41(51)に接触ないし近接するようになっており、当接部及び接触部ないし近接部を溶接することで、第1連結部材4ないし第2連結部材5に固定される。
第1塞ぎ要素7は所定の幅寸法を有しており、垂直辺71の幅方向の第1部分が垂直辺22、32に当接し、残りの第2部分が分割パネル1Aの他端縁11A、分割パネル1Bの一端縁10Bからはみ出している。第1塞ぎ要素7の垂直辺71の第2部分の幅寸法は、分割パネル1Dの端縁10D、11Dと隣接する分割パネル1A、1Bの端縁11A、10Bとの間の隙間Gよりも大きい。
図16に示すように、第2塞ぎ要素8は、対向する見付辺80、81と見込辺82から断面視コ字形状を備え、見付辺80の上端は見込辺82の上端を越えて延びる延出部800となっており、見付辺81の下端は見込辺82の下端を越えて延びる延出部810となっている。第2塞ぎ要素8は、分割パネル1Aの他端において、上側の第1連結部材4の水平辺41と下側の第2連結部材5の水平辺51との間に位置して設けられる。第2塞ぎ要素8は、分割パネル1Bの一端において、上側の第2連結部材5の水平辺51と下側の第1連結部材4の水平辺41との間に位置して設けられる。第2塞ぎ要素8は、例えば、溶接、螺子による止着によって取り付けられる。第2塞ぎ要素8の見込辺82の高さ寸法は、上側の第3連結部材6の垂直辺60、61の下端と下側の第3連結部材6の垂直辺60、61の上端との間の距離と略同じであり、延出部800が上側の第3連結部材6の垂直辺60に離間対向し、第2面部30に接触ないし近接しており、延出部810が下側の第3連結部材6の垂直辺60に離間対向し、第1面部20に接触ないし近接している。
第2塞ぎ要素8は所定の幅寸法を有しており、見付辺80、81の幅方向の第1部分が第1面部20、第2面部30に当接し、残りの第2部分が分割パネル1Aの他端縁11A、分割パネル1Bの一端縁10Bからはみ出している。第2塞ぎ要素8の見付辺81の第2部分の幅寸法は、分割パネル1Dの端縁10D、11Dと隣接する分割パネル1A、1Bの端縁11A、10Bとの間の隙間Gよりも大きい。
図17に示すように、第3塞ぎ要素9は、水平辺90と垂直辺91から断面視L形状に形成された板材であり、垂直辺91の上端には水平状の折曲辺92が形成されている。第3塞ぎ要素9は、分割パネル1Aの他端の上側部位、下側部位、分割パネル1Bの一端の上側部位、下側部位に位置させて、第1連結部材4ないし第2連結部材5に固定されている。図示の態様では、第3塞ぎ要素9は螺子Sによって取り付けられるが、取付手段は限定されない。第3塞ぎ要素9の垂直辺91の高さ寸法は、上面23から第2見付面(第2面部30)の上端までの寸法、下面33から第1見付面(第1面部20)の下端までの寸法と略同じであり、水平辺90を上面23、下面33に固定した時に、垂直辺91の上端の折曲辺92、下端の折曲辺92が、上側の折り返し部(上辺35、上側垂下辺36)、下側の折り返し部(下辺25、下側立ち上がり辺26)内にそれぞれ位置するようになっている。
第3塞ぎ要素9は所定の幅寸法を有しており、垂直辺91の幅方向の第1部分が第1面部20、第2面部30に近接し、残りの第2部分が分割パネル1Aの他端縁11A、分割パネル1Bの一端縁10Bからはみ出している。第3塞ぎ要素9の垂直辺91の第2部分の幅寸法は、分割パネル1Dの端縁10D、11Dと隣接する分割パネル1A、1Bの端縁11A、10Bとの間の隙間Gよりも大きい。
図12に示すように、上側の第3塞ぎ要素9の垂直辺91の第2部分、上側の第1塞ぎ要素7の垂直辺71の第2部分、中間の第2塞ぎ要素8の見付辺80、81の第2部分、下側の第1塞ぎ要素7の垂直辺71の第2部分、下側の第3塞ぎ要素9の第2部分が、分割パネル1Aの他端縁11A、分割パネル1Bの一端縁10Bからそれぞれ突出しており、これらの第2部分によって隙間Gを塞ぐことで、分割部における遮音性能の低下を可及的に防止している。
1つの態様では、分割パネル1A、1B、1Cは工場で製作され、分割パネル1D用の第1表面材2、第2表面材3と共に現場に搬入され、ボルトB、ナットN、螺子Sを用いて現場でパネル(中間パネル)1が組み立てられる。
分割パネル1Aは、第1表面材2と第2表面材3とから中空状に形成されており、幅方向の一端側が端面10Aとなっており、他端側の中空部の上側部位には第1連結部材4、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、下側部位には第2連結部材5、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、中間部位には第2塞ぎ要素8が固定されている。第1連結部材4の端面43は分割パネル1Aの他端縁11Aから突出した位置にあり、第2連結部材5の長さ方向半部は分割パネル1Aの他端縁11Aから突出しており、上下の第1塞ぎ要素7、中間の第2塞ぎ要素8、上下の第3塞ぎ要素9の一部は、分割パネル1Aの他端縁11Aから突出している。
分割パネル1Bは、第1表面材2と第2表面材3とから中空状に形成されており、幅方向の一端側の中空部の上側部位には第2連結部材5、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、下側部位には第1連結部材4、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、中間部位には第2塞ぎ要素8が固定されており、他端側の上側部位には第2連結部材5、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、下側部位には第1連結部材4、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、中間部位には第2塞ぎ要素8が固定されている。第1連結部材4の端面43は分割パネル1Bの端縁10B、11Bから突出した位置にあり、第2連結部材5の長さ方向半部は分割パネル1Bの端縁10B、11Bから突出しており、上下の第1塞ぎ要素7、中間の第2塞ぎ要素8、上下の第3塞ぎ要素9の一部は、分割パネル1Bの端縁10B、11Bから突出している。
分割パネル1Cは、幅方向の一端側の中空部の上側部位には第1連結部材4、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、下側部位には第2連結部材5、第1塞ぎ要素7、第3塞ぎ要素9が固定され、中間部位には第2塞ぎ要素8が固定されており、幅方向の他端側が端面11Cとなっている。第1連結部材4の端面43は分割パネル1Cの一端縁10Cから突出した位置にあり、第2連結部材5の長さ方向半部は分割パネル1Cの一端縁10Cから突出しており、上下の第1塞ぎ要素7、中間の第2塞ぎ要素8、上下の第3塞ぎ要素9の一部は、分割パネル1Cの一端縁10Cから突出している。
上述のように、分割パネル1A、1B、1Cは工場で製作されるが、工場における製作時に、第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6からなる連結機構をボルトBとナットNで組み立てた状態(図8参照)とし、この連結機構を用いて分割パネル1A、1B、1Cの一方の表面材(第1表面材2あるいは第2表面材3)を位置合わせした状態で、第1連結部材4、第2連結部材5を分割パネル1A、1B、1Cの一方の表面材(第1表面材2あるいは第2表面材3)の上側部位の所定位置に固定(溶接)する。同様に、分割パネル1A、1B、1Cの他方の表面材(第1表面材3あるいは第2表面材2)を位置合わせした状態で、第1連結部材4、第2連結部材5を分割パネル1A、1B、1Cの他方の表面材(第1表面材3あるいは第2表面材2)の下側部位の所定位置に固定(溶接)する。そして、連結機構によって上側部位が連結された分割パネル1A、1B、1Cの一方の半部(連結機構によって連結された一方の表面材)と、連結機構によって下側部位が連結された分割パネル1A、1B、1Cの他方の半部(連結機構によって連結された他方の表面材)とを張り合わせて固定することで分割パネル1A、1B、1Cからパネル1を組み立てる。次いで、連結機構において、第2連結部材5と第3連結部材6を連結しているボルトBを取り外すことで、第1連結部材4(第3連結部材6が連結されている)、第2連結部材5が固定された分割パネル1A、1B、1Cを得る。こうすることで、現場では、第1連結部材4の端面43と第2連結部材5の端面53を当接させて、第3連結部材6(分割パネル1A、1B、1Cの端縁11A、10B、11B、10Cから突出する部位)をボルトBとナットNで第2連結部材5(分割パネル1A、1B、1Cの端縁11A、10B、11B、10Cから突出する部位)に固定することで、同時に、分割パネル1A、1B、1Cの位置決めも行われ、分割部に段差等が生じることがない。このように、連結機構は、分割パネル同士を連結する機能、分割部の強度を向上させる補強機能に加えて、位置決め機構を備えている。
図18〜図23を参照しつつ、本実施形態に係るボトムパネル1´について説明する。パネル(中間パネル)1の構成要素と同一の要素については同一の参照番号が付してあり、パネル1についての上述の説明を適宜援用することができる。
図18に示すように、ボトムパネル1´は、幅方向に3分割されており、主として3枚の分割パネル1A´、1B´、1C´から構成されている。幅方向に隣り合う分割パネル同士の連結、すなわち、分割パネル1A´と分割パネル1B´、分割パネル1B´と分割パネル1C´の連結は、上側部位では、第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6からなる連結機構を用いて、下側部位では、第1連結部材4´、第2連結部材5´、第3連結部材6´からなる連結機構を用いて行われる。分割パネル1A´、1B´、1C´の連結部に位置して、当該連結部を覆うように細幅の分割パネル1D´が設けてあり、分割パネル1A´、1B´、1C´を連結機構によって連結し、連結部に分割パネル1D´を装着することで1枚のパネル1´が形成される。各分割パネル1A´、1B´、1C´、1D´は、所定形状に折り曲げ加工した2枚の第1表面材2´、第2表面材3´を張り合わせることで形成される。
図22に示すように、第1表面材2´は、ボトムパネル1´の第1見付面を形成する第1面部20´と、第1面部20´の上方部位に第2側に向かって形成した水平辺21´と、水平辺21´から上方に立ち上がる垂直辺22´と、垂直辺22´の上端から第2側に向かって水平に延びる上面23´と、上面23´から上方に立ち上がる上側立ち上がり辺24´と、を備えている。第2表面材3´は、ボトムパネル1´の第2見付面を形成する第2面部30´と、第2面部30´の下方部位に第1側に向かって形成した下面31´と、下面31´の先端から上方に立ち上がる下側立ち上がり辺32´と、第2面部30´の上端に第1側に向かって折り曲げ形成した上辺35´と、上辺35´の先端を折り曲げ形成した上側垂下辺36´と、を備えている。第2表面材3´の第2面部30´の上方部位に、第1表面材2´の上側立ち上がり辺24´を連結し、第1表面材2´の第1面部20´の下方部位に、第2表面材3´の下側立ち上がり辺32´を連結することで、組み立てられる。
分割パネル1A´と分割パネル1B´の上側部位を連結する連結機構については、既述の説明を援用することができるので、ここでは、分割パネル1A´と分割パネル1B´の下側部位を連結する連結機構(第1連結部材4´、第2連結部材5´、第3連結部材6´から構成される)について説明する。図21に示すように、分割パネル1A´の他端の下側部位には第1連結部材5´が固定され、分割パネル1B´の一端の下側部位には第1連結部材4´が固定され、第1連結部材4´と第2連結部材5´は第3連結部材6´によって連結されている。なお、第1連結部材4、第2連結部材5、第3連結部材6と、第1連結部材4´、第2連結部材5´、第3連結部材6´は主として断面形状が異なるものであり、連結機構の基本構成は同じである。
図19に示すように、第1連結部材4´は、上下に離間対向する水平辺40´、41´と、水平辺40´、41´の基端同士を連結する垂直辺42´と、から断面視コ字形状を有しており、パネル幅方向に延びる所定長を備えた長尺部材である。水平辺41´の先端には折り曲げ辺410´が形成されている。図19、図20に示すように、第2連結部材5´は、上下に離間対向する水平辺50´、51´と、水平辺50´、51´の基端同士を連結する垂直辺52´と、から断面視コ字形状を有しており、パネル幅方向に延びる所定長を備えた長尺部材である。水平辺51´の先端には折り曲げ辺510´が形成されている。第1連結部材4´と第2連結部材5´は、長さ寸法が異なる(第1連結部材4´が短尺で、第2連結部材5´が長尺)のみで、同形・同寸の断面形状を有している。図19、20に示すように、第3連結部材6´は、第1連結部材4´と第2連結部材5´を連結する部材であり、離間対向する垂直辺60´、61´と、垂直辺60´、61´の基端同士を連結する水平辺62´と、から断面視略コ字形状を有している。図19に示すように、第1連結部材4´と第2連結部材5´の端面43´、53´同士を当接させた状態で、第1連結部材4´の水平辺41´と第2連結部材5´の水平辺51´は1枚の板状に連続して延びている。この状態において、第3連結部材6´の水平辺62´を水平辺41´と水平辺51´に跨って当接させ、ボルトBとナットNを用いて一体化する。
分割パネル1A´の他端の中空部の下側部位において、第2連結部材5´の水平辺50´が下面31´の内面に当接し、第2連結部材5´の垂直辺52´が第1面部20´の下方部位の内面に当接し、第2連結部材5´の水平辺51´が分割パネル1A´のパネル全厚に亘って延び、先端の折り曲げ辺510´が第2面部30´の下方部位の内面に当接している。このように、分割パネル1A´の他端の下側部位には、当該下側部位と第2連結部材5´によって形成され、かつ第2連結部材5´によって補強されたホロー構造(水平辺51´、水平辺50´及び下面31´、垂直辺52´、第2面部30´の下方部位で囲まれている)が形成される。分割パネル1B´の一側の中空部の下側部位においても、当該下側部位と第1連結部材4´によって形成され、かつ第1連結部材4´によって補強されたホロー構造が形成されている。
パネル1と同様に、ボトムパネル1´を構成する分割パネル1A´、分割パネル1B´には、パネル分割に伴う遮音性能の低下を防止するべく、上側部位には第1塞ぎ要素7と第3塞ぎ要素(図21、図22では図示せず)が、下側部位には第1塞ぎ要素7が、中間部位には第2塞ぎ要素8´が設けられる。図23に示すように、第2塞ぎ要素8´は、対向する見付辺80´、81´と見込辺82´から断面視コ字形状を備え、見付辺80´の上端は見込辺82´の上端を越えて延びる延出部800´となっており、下端は見込辺82´の下端を越えて延びる延出部801´となっている。第2塞ぎ要素8´は所定の幅寸法を有しており、見付辺80´、81´の幅方向の第1部分が第1面部20´、第2面部30´に当接し、残りの第2部分が分割パネル1A´の他端縁11A´、分割パネル1B´の一端縁10B´からはみ出している。第2塞ぎ要素8´の見付辺81´の第2部分の幅寸法は、分割パネル1D´(図21では図示せず)の端縁と隣接する分割パネル1A´、1B´の端縁11A´、10B´との間の隙間よりも大きい。