以下、本発明の第1実施形態に係る改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態の改装サッシユニット1は、例えば、新たに設けられる改装サッシ10と、建物の室内外を連通する開口2に設けられている既設サッシの既設枠50の内周側に改装サッシ10を取り付けるための接合部材35、36、37と、既設枠50及び躯体3に取り付けるための固定部材としての上枠接合部材固定金具40、下枠接合部材固定金具41、縦枠接合部材固定金具42と、を有している。第1実施形態では、図1に示すように、室内外を連通する開口2に設けられた半外付けタイプの既設枠50の内周側に設けられる改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について説明する。
以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態の既設枠50及び改装サッシ10を室内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向または見付け方向、室内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、改装サッシユニットが備える各部材は、単体として説明する場合であっても開口2に取り付けられた状態で上下方向、見付け方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。また、開口の上部に取り付けられる枠部材の下側、開口2の下部に取り付けられる枠部材の上側、開口2の左側に取り付けられる枠部材の右側、開口2の右側に取り付けられる枠部材の左側を、開口2及び枠部材の中央側又は内側として説明する。
第1実施形態においては、建物に既に設けられている既存の既設枠50と、既設枠50を開口2の内側から覆うように改装される改装サッシ10とが登場するが、同じ名称を有する部位、部材には、各名称の前に「既設」または「改装」を付して説明する。例えば、既設枠が有する下枠や縦枠等は、既設下枠、既設縦枠等とし、改装サッシ10が有する縦枠や障子等は、改装縦枠、改装障子等として説明する。
既設サッシの既設枠50は、引き違い障子用の枠体であり、既設サッシの既設障子(不図示)が案内される既設レール51a、51b、52a、52bを有する既設上枠51及び既設下枠52と、既設障子の既設戸先框(不図示)と係合する既設係合片53aを有する左右の既設縦枠53とが矩形状に枠組みされて開口2に設けられている。尚、既設上枠51、既設下枠52、及び、左右の既設縦枠53は押出成形部材であり、左右の既設縦枠53は、既設障子と係合する既設係合片53aの形状及び位置は異なるものの、互いにほぼ左右対称の形状をなしている。
既設枠50は、既設上枠51が躯体3をなす窓まぐさ3aに、既設下枠52が躯体3をなす窓台3bに、左右の既設縦枠53が躯体3をなす柱(方立)3cにそれぞれ固定されている。既設上枠51、既設下枠52、既設縦枠53は、いずれも、見込み方向において、窓まぐさ3a、窓台3b、柱3cの見込み方向におけるほぼ中央から室外側に設けられている。
既設上枠51は、既設内障子(不図示)を案内するための既設内上レール51aと、既設外障子(不図示)を案内するための既設外上レール51bと、既設網戸(不図示)を案内するための既設網戸上レール51cと、既設額縁30と対向する既設上額縁対向部51dとを有している。既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51c、既設上額縁対向部51dは、上端側にて繋がっている。また既設上枠51は、上部に設けられ上方に向かって突出された固定フィン51eにて窓まぐさ3aに固定されている。既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51c、既設上額縁対向部51dは、いずれも見付け方向の全域に渡って鉛直方向に垂設された板状の部位である。そして、室内側から既設上額縁対向部51d、既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51c、の順で配置され、見込み方向に互いに間隔を隔てて対面するように設けられている。また、既設内上レール51aと既設外上レール51bとの下端は、ほぼ同じ位置まで延出されている。
既設下枠52は、既設内障子(不図示)を案内するための既設内下レール52aと、既設外障子(不図示)を案内するための既設外下レール52bと、既設網戸(不図示)を案内するための既設網戸下レール52cと、既設額縁30に当接される既設下額縁対向部52dとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸下レール52c、既設下額縁対向部52dは、いずれも見付け方向の全域に渡って上方に突出させて設けられた板状の部位である。そして、室内側から既設下額縁対向部52d、既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸下レール52c、の順で、見込み方向に互いに間隔を隔てて配置されている。また、既設下額縁対向部52d及び既設内下レール52aと、既設外下レール52bと、既設網戸下レール52cとは、室内側から室外側に向かって順次低くなるように階段状に形成されている。
既設下枠52は、室内側の部位が窓台3b上に載置されるとともに下方に向かって突出された固定フィン52eにて窓台3bに固定されている。
既設縦枠53は、見込み方向に沿う平面でなる既設縦枠本体部53bと、既設縦枠本体部53bから開口2の中央側に突出され既設障子の既設戸先框が係合される既設係合片53aと、既設枠50の室外側にて配置され既設縦枠本体部53bから開口2の中央側に突出され既設網戸の既設縦框に挿入される既設挿入片53dと、既設挿入片53dと見付け方向において反対側に既設縦枠本体部53bから突出された固定フィン53eと、を有している。
改装サッシユニット1は、新たに取り付けられる改装サッシ10と、改装サッシ10を取り付けるための上枠接合部材35、下枠接合部材36、縦枠接合部材37と、上枠接合部材35を既設枠50に固定するための上枠接合部材固定金具40と、下枠接合部材36を窓台3bに固定するための下枠接合部材固定金具41と、縦枠接合部材37を柱3cに固定するための縦枠接合部材固定金具42と、既設縦枠53と改装縦枠23とを室外側から覆う縦枠カバー部材45と、室外側にて改装枠20の下端側の左右の角部を覆うキャップ部材46と、を有している。
改装サッシ10は、建物等の開口に直接新設可能な一般的なサッシである。すなわち、改装専用のサッシではない。改装サッシ10の改装枠20も引き違い障子用の枠体であり、改装サッシ10の改装障子12が案内される改装レール21a、21b、22a、22bを有する改装上枠21及び改装下枠22と、左右の改装縦枠23が矩形状に枠組みされている。改装上枠21、改装下枠22、及び、左右の改装縦枠23は押出成形部材であり、左右の改装縦枠23は改装障子12a、12bとの改装係合片23aを除いて互いに左右対称の形状をなしている。
改装上枠21は、改装内障子12aを案内するための改装内上レール21aと、改装外障子12bを案内するための改装外上レール21bと、改装網戸14を案内するための改装網戸上レール21cとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。改装内上レール21aと、改装外上レール21bと、改装網戸上レール21cとは、改装上枠21の見付け方向の全域に渡って鉛直方向に垂設されている。また、改装網戸上レール21cは、改装上枠21の最も室外側に設けられている。改装上枠21の室内側の端部には、改装額縁60と対向する改装額縁対向部21dが設けられている。
また、改装上枠21は、改装内上レール21aと改装外上レール21bとの間にて分断されており、室外側の部位と室内側の部位とが断熱材24を介して接合されて断熱性が確保されている。
改装上枠21の、断熱材24より室外側の部位の上面は、見込み方向の中央より室内側がほぼ水平面をなし、中央より室外側は室外側に向かって低くなるように僅かな傾斜が設けられた滑らかな面をなしている。また、断熱材24より室内側は、室外側の部位より低く窪みが形成されている。このため、改装上枠21は、水平面をなす部位より上方に突出しないように形成されている。
改装下枠22は、改装内障子12aを案内するための改装内下レール22aと、改装外障子12bを案内するための改装外下レール22bと、改装網戸14を案内するための改装網戸下レール22cとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。改装下枠22の室内側の端部は、改装サッシ10の室内側に設けられた改装額縁60と対向する平面を有する額縁対向部22dが設けられている。額縁対向部22dの下端は、後述する下枠接合部材36に設けられた下枠接合部材固定金具41に当接されるとともに、下枠接合部材固定金具41に設けられた鉛直壁部41aに皿ビス65にて固定される。
額縁対向部22dと改装内下レール22aとを繋ぐ部位のほぼ中央には、下方に延出されて下枠接合部材固定金具41に支持される室内側脚部22eと、改装内下レール22aの下方に延出されて下枠接合部材36に支持される中央脚部22fと、改装外下レール22bの下方に延出されて下枠接合部材36に支持される室外側脚部22gと、を有し、中央脚部22fと室外側脚部22gとが下端側にて連結された連結部22hを有している。また、連結部22hから室外側に、改装網戸下レール22cとほぼ同じ位置まで延出された延出部22iが形成され、延出部22iの先端には、下枠接合部材36と係合する下枠係合部22kが設けられている。
改装縦枠23は、見込み方向に沿う平面を有する改装縦枠本体部23bと、改装縦枠本体部23bから開口2の中央側に突出され改装障子12a、12bの改装戸先框12cが係合される改装係合片23aと、改装縦枠本体部23bの最も室内側にて改装額縁60と対向する額縁対向部23cと、改装枠20の最も室外側に配置され改装縦枠本体部23bから開口2の中央側に突出され改装網戸14の改装縦框14aに挿入される改装挿入片23dと、改装枠20の最も室外側に配置され改装挿入片23dと見付け方向において反対側に突出された縁部23eと、を有している。ここで、額縁対向部23cは、後述する縦枠接合部材37に設けられた縦枠接合部材固定金具42に当接される部位である。
上枠接合部材35は、アルミニウム製の押し出し成形部材である。
上枠接合部材35は、既設上枠51の下方を覆い平板状をなして改装上枠21が固定される上枠固定板部35aと、上枠固定板部35aの室外側の端部側にて上方に突出させて設けられ既設上枠51に室内側から当接される既設上枠当接部35bと、上枠固定板部35aの室外側の縁から下方に突出させて設けられ改装上枠21が室内側から当接される改装上枠当接部35cとを有している。上枠固定板部35aは、ほぼ平坦な板状をなし、取り付けられた際に既設上枠51の既設上額縁対向部51dより室内側に突出し、突出した部位が既設額縁30の下面と対向するように形成されている。
既設上枠当接部35bは、上枠固定板部35aと一体をなす既設上枠当接片35dと、既設上枠当接片35dの上端側に設けられた水密材34とを有し、改装上枠当接部35cは、上枠固定板部35aと一体をなす改装上枠当接片35eと、改装上枠当接片35eの下端側に設けられた水密材34と、を有している。また、既設上枠当接片35dの上端側には室内側に窪む既設側凹部35fが、また、改装上枠当接片35eの下端側には室外側に窪む改装側凹部35gが設けられており、水密材34は既設側凹部35fと改装側凹部35gとにそれぞれ嵌合されている。
固定部材としての上枠接合部材固定金具40は、既設内上レール51a及び既設外上レール51bの下縁に当接され、既設内上レール51aの室内側及び既設外上レール51bの室外側に延び下面が平坦な2つのレール当接部40aと、2つのレール当接部40a間を繋ぎ上方に窪む連結部40bと、を備えたアルミニウム製の押出成形部材である。連結部40bは、2つのレール当接部40aのうちの第1レール当接部としての室外側のレール当接部40aの室内側の縁から室内側に向かって順次上昇する方向に延出された室外側延出部40cと、2つのレール当接部40aのうちの第2レール当接部としての室内側のレール当接部40aの室外側の縁から室外側に向かって順次上昇する方向に延出された室内側延出部40dと、室外側のレール当接部40aの室外側の縁から上方に延出された位置決め片40eと、を有している。
室外側延出部40cは室内側延出部40dの下面側と繋がり、室内側延出部40dは室外側延出部40cが繋がった部位より更に延出されている。また、室外側延出部40cの傾斜角度は室内側延出部40dの傾斜角度より大きく、室外側延出部40cと室内側延出部40dとがなす角度は約90度である。
室外側のレール当接部40aの見込み方向の幅は室外側のレール当接部40aより狭く、室外側延出部40c、室外側のレール当接部40a、位置決め片40eとは、上方に開放された溝状をなしている。そして、既設外上レール51bの下縁が室外側のレール当接部40aの上面に当接するように、溝状をなす部位の内側に既設外上レール51bを挿入することにより上枠接合部材固定金具40が位置決めされる。
下枠接合部材36、左右の縦枠接合部材37はいずれも、室外側に配置されるアルミニウム製のアルミ枠部36a、37aと、室内側に配置される木製の木枠部36b、37bとを有し、アルミ枠部36a、37aと木枠部36b、37bとが皿ビス64にて固定されている。下枠接合部材36の木枠部36bの室外側に面は、木枠部36bがアルミ枠部36aに固定されて、改装サッシが配置された際に、額縁対向部22dとほぼ同一平面を形成するように構成されている。
下枠接合部材36のアルミ枠部36aは、直方体状をなす木枠部36bの室外側の面と対面する外対面部36cと、木枠部36bの下面と対面する下対面部36dとがほぼL字状に形成された木枠対面部36eと、下対面部36dが室外側に延出された延出部36fと、延出部36fの室外側の端部に設けられ、改装下枠22の下枠係合部22kと係合する係合凹部36hと、係合凹部36hから下方に垂設され、既設網戸下レール52cに下枠ブラケット39を介して固定される室外側固定部36gとを有している。下枠ブラケット39は、既設下枠52の既設外下レール52aの室外側に当接されてビス止めされるレール固定部39aと、レール固定部39aがビス止めされた状態で既設網戸下レール52cの室内側に配置される網戸レール室内壁部39bとが上方で繋がったアルミニウム製の押出成形部材である。室外側固定部36gは、レール固定部39aがビス止めされた下枠ブラケット39の網戸レール室内壁部39bとの間に既設網戸下レール52cを挟み、室外側固定部36gを貫通するビスが網戸レール室内壁部39bに螺合されて固定されている。
また、下枠接合部材36の室内側は、下枠接合部材固定金具41にて固定されている。
下枠接合部材固定金具41は、下枠接合部材36の木枠部36bの室内側の面と額縁対向部22dとに亘って当接される鉛直壁部41aと、鉛直壁部41aとほぼ直角をなし室外側に延出された水平板部41bと、鉛直壁部41aから室内側に延出された取付片41cとを有している。鉛直壁部41aは、上側の部位が額縁対向部22dに当接されてビス止めされ、下側の部位が木枠部36bの室内側の面に当接される。水平板部41bの下面は下枠接合部材36の木枠部36bの上面に当接される。また、取付片41cは、鉛直壁部41aの下縁から室内側に向かって延出され、鉛直壁部41aから離れるに従って高さが低くなる傾斜を有している。
下枠接合部材固定金具41が取り付けられた改装枠20が既設枠50の内側に配置されると、取付片41cの上面が室内側に臨み、取付片41cを貫通した皿ビス68は、室外側に傾きつつ下方に進入して窓台3bに至るように構成されている。
左右の縦枠接合部材37のアルミ枠部37aは、直方体状をなす木枠部37bの室外側の端が挿入される溝部37cと、溝部37cの室外側の壁部37dを共有して溝部37cの室外側に形成され、木枠部37bとは隔離された隔離空間としての中空部37eとを有している。縦枠接合部材37の中空部37eは、水平断面がほぼ長方形状をなしている。また、縦外面部37fは、開口2の中央側に延出されるとともに、その先端に、改装縦枠23の縁部23eと係合する係合部37hが形成されている。
左の縦枠接合部材37の左側面と右の縦枠接合部材37の右側面とは、室外側に位置するアルミ枠部37aの平坦な側面と、室内側に位置する木枠部37bの平坦な側面とで形成されている。すなわち、左の縦枠接合部材37はアルミ枠部37aの左側面より左側に突出する部位はなく、また、右の縦枠接合部材37はアルミ枠部37aの右側面より右側に突出する部位はないように形成されている。
左右の縦枠接合部材37の室内側は、縦枠接合部材固定金具42にて固定されている。
縦枠接合部材固定金具42は、縦枠接合部材37の木枠部37bの室内側の面と額縁対向部23cとに亘って当接される室内側壁部42aと、室内側壁部42aとほぼ直角をなし室外側に延出された鉛直片42bと、室内側壁部42aから室内側に延出され室内側壁部42aから離れつつ室内側に傾斜する縦取付片42cとを有している。
室内側壁部42aは、開口の内側に位置する部位が額縁対向部23cに当接されてビス止めされ、開口の外側に位置する部位が木枠部37bの室内側の面に当接される。鉛直片42bにおける開口の外側の面は縦枠接合部材37の木枠部37bに当接される。また、縦取付片42cは、室内側壁部42aにおける開口の外側の縁から室内側に向かって延出され、室内側壁部42aから離れるに従って開口の外方側に傾斜している。
縦枠接合部材固定金具42が取り付けられた改装枠20が既設枠50の内側に配置されると、縦取付片42cが室内側に臨み、縦取付片42cを貫通した皿ビス68は、室外側に傾きつつ開口の外方に進入して柱3cに至るように構成されている。
縦枠カバー部材45は、改装枠20が上枠接合部材35、下枠接合部材36、縦枠接合部材37を介して既設枠50に取り付けられた際に、既設縦枠53、縦枠接合部材37、改装縦枠23が隣接する境界部分が室外側に露出しないように既設縦枠53、縦枠接合部材37、改装縦枠23の室外側の面に亘って設けられるカバー部材である。縦枠カバー部材45は、上枠接合部材35、下枠接合部材36、縦枠接合部材37に跨って配置される幅を有する平板状の部材である。縦枠カバー部材45は、縦枠接合部材37の室外に臨む面と既設縦枠53の既設挿入片53dとにビス止めされる。
第1実施形態の改装サッシユニット1の取付方法は、図3に示すように、既設上枠51に上枠接合部材35を取り付ける既設枠側接合部材取付工程S1と、改装枠20に下枠接合部材36及び縦枠接合部材37を取り付ける改装枠側接合部材取付工程S2とが独立して実行され、その後、下枠接合部材36と縦枠接合部材37とが取り付けられた改装枠20を、その下部を上部より先行させて既設枠50の内周側へ進入させた後に上部を室内側から室外側に移動させて上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間に配置する改装枠配置工程S3を実行する。
より具体的には、まず、改装枠20を矩形状に枠組みする。このとき、改装枠20の改装下枠22、改装縦枠23の外周側に水密材としてのシール部材28を設けておく。このシール部材28は、改装枠20に下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた状態で、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37の木枠部36b、37bより室外側に位置して、アルミ枠部36a、37aと改装枠20とに圧縮される。
次に、下枠接合部材36に下枠接合部材固定金具41を、また、縦枠接合部材37に縦枠接合部材固定金具42をそれぞれ取り付ける。このとき、下枠接合部材36のアルミ枠部36aに固定された木枠部36bの上面に水平板部41bが載置された状態で、上方から水平板部41bを貫通する皿ビス64にて水平板部41bを木枠部36bに固定する。下枠接合部材固定金具41は、図4に示すように、見付け方向に適宜間隔を隔てて例えば3カ所に取り付ける。また、縦枠接合部材37のアルミ枠部37aに固定された木枠部37bにおける開口2の中央側の面に鉛直片42bを当接させた状態で、開口2の中央側から鉛直片42bを貫通する皿ビス64にて鉛直片42bを木枠部37bに固定する。縦枠接合部材固定金具42も、図4に示すように上下方向に適宜間隔を隔てて例えば3カ所に取り付ける。
次に、下枠接合部材固定金具41が取り付けられた下枠接合部材36を、枠組みされた改装枠20の改装下枠22に、また、縦枠接合部材固定金具42が取り付けられ縦枠接合部材37を、枠組みされた改装枠20の左右の改装縦枠23にそれぞれ取り付ける(改装枠側接合部材取付工程S2)。このとき、改装下枠22の下枠係合部22kを下枠接合部材36の係合凹部36hに係合させて、改装下枠22の下側に下枠接合部材36を配置すると額縁対向部22dが鉛直壁部41aの室外側に配置されるので室内側から鉛直壁部41aを貫通する皿ビス65にて鉛直壁部41aを額縁対向部22dに固定する。また、改装縦枠23における開口2の外方側に縦枠接合部材37を配置すると額縁対向部23cが室内側壁部42aの室外側に配置されるので室内側から室内側壁部42aを貫通する皿ビス65にて室内側壁部42aを額縁対向部23cに固定する。
改装枠20に下枠接合部材36及び左右の縦枠接合部材37が取り付けられた状態では、改装上枠21の水平面をなす上面より上方に突出する部位はなく、また、左の縦枠接合部材37のアルミ枠部37aより左側及び右の縦枠接合部材37のアルミ枠部37aより右側に突出する部位はない。このため、下枠接合部材36及び左右の縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20の見付け方向の最大幅は、左の縦枠接合部材37が有するアルミ枠部37aの左側面と右の縦枠接合部材37が有するアルミ枠部37aの右側面とのなす幅である。この左右のアルミ枠部37aがなす幅は、左右の既設縦枠53間における見付け方向の最も狭い部位の間隔より狭くなっている。
ここで、改装枠20の枠組みから下枠接合部材固定金具41及び縦枠接合部材固定金具42を改装枠20に取り付ける工程は施工現場で行っても良いが、予め工場にて行うとより精度良く枠組みすることが可能である。
一方、既設上枠51には上枠接合部材固定金具40を取り付け、さらに上枠接合部材35を取り付けておく(既設枠側接合部材取付工程S1)。このとき、既設上枠当接部35bは、上枠固定板部35aと一体をなす既設上枠当接片35dの上端側に設けられた既設側凹部35fと、上枠固定板部35aと一体をなす改装上枠当接片35eの下端側に設けられた改装側凹部35gとに予め水密材34を嵌合しておく。そして、上枠接合部材固定金具40は、既設上枠51の下方から、位置決め片40eと室外側延出部40cとの間に既設外上レール51bを挿入し、室外側のレール当接部40aの上面に既設外上レール51bの下縁を当接させて配置する。この状態で、室内側延出部40dの先端が既設外上レール51bの室内側の面に当接され、室外側延出部40cが室内側に臨むように配置される。そして、室内側に臨む室外側延出部40cに皿ビス65を貫通させるとともに既設外上レール51bに螺合する。既設外上レール51bにビス止めされた上枠接合部材固定金具40は、既設内上レール51aと既設外上レール51bとに押し当てられて安定した状態で既設上枠51に取り付けられる。
次に、既設上枠51に取り付けられた上枠接合部材固定金具40の下方から上枠接合部材35を配置して皿ビス65、67にて固定する。このとき、既設上枠当接部35bを既設上枠51が有する既設網戸上レール51cの室内側の面に押圧し既設上枠当接片35dの上端側に設けられた水密材34を圧縮させる。そして、水密材34が圧縮された状態にて、上枠固定板部35aの下方から既設内上レール51aと既設外上レール51bとの間に、上枠固定板部35aを貫通する皿ビス65を進入させて上枠接合部材固定金具40の室内側延出部40dに螺合し、上枠固定板部35aの、既設上額縁対向部51dより室内側に突出して既設額縁30と対向する部位を窓まぐさ3aまで至る皿ビス67にて固定する。
また、既設下枠52の既設外下レール52aには、図4に示すように、見付け方向に適宜間隔を隔てて例えば3カ所に下枠ブラケット39を取り付けておく。
次に、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20を、上枠接合部材35及び下枠ブラケット39が取り付けられた既設枠50の内周側に室内側から配置する(改装枠配置工程S3)。具体的には、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20の下部が室外側に、上部が室内側に位置するように改装枠20を傾斜させた状態で、上枠接合部材35及び下枠ブラケット39が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間に移動させる。そして、図5に示すように、改装枠20に取り付けられた下枠接合部材36を既設下枠52に取り付けられた下枠ブラケット39の上方近傍に位置させて、改装枠20の上部を室内側から室外側に移動させ、改装枠20を既設枠50の内周側に配置する。このとき、下枠接合部材36は既設内下レール52aに載置され、改装上枠21の上面と上枠接合部材35の下面とが対向する。
そして、改装上枠21の改装網戸上レール21cの室外側の面を改装上枠当接部35cに押圧し改装上枠当接片35eの下端側に設けられた水密材34を圧縮させた状態で、下枠接合部材固定金具41の取付片41cと縦枠接合部材固定金具42の縦取付片42cとを、窓台3b及び柱3cまで至る皿ビス68にて固定する。すなわち、改装下枠22は、下枠接合部材36、下枠接合部材固定金具41、及び、下枠ブラケット39を介して既設枠50に取り付けられる。このとき、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20と既設額縁30との間に空隙が生じる場合には適宜飼木70を備えた後にビス止めする。
その後、改装上枠21の改装額縁対向部21dと改装内上レール21aとの間にて窓まぐさ3aまで至る皿ビス69で固定し、改装網戸上レール21cと改装外上レール21bとの間にて上枠固定板部35aに至るビス66で改装上枠21を固定する。すなわち、改装上枠21は、上枠接合部材35及び上枠接合部材固定金具40を介して既設枠50に取り付けられる。このとき、上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51及び既設額縁30と改装枠20との間に空隙が生じる場合には適宜飼木70を備えた後にビス止めする。
下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20が既設枠50の内側に配置された状態で、下枠ブラケット39の網戸レール室内壁部39bとの間に既設網戸下レール52cを挟むように配置されている下枠接合部材36の室外側固定部36gを、開口2を利用して室内側からの作業により網戸レール室内壁部39bにビス止めする。
次に、縦枠カバー部材45を室外側から縦枠接合部材37及び改装縦枠23に当接させて縦枠接合部材37と既設縦枠53の既設挿入片53dにビス止めし、キャップ部材46を取り付ける。ここで、縦枠カバー部材45及びキャップ部材46は室外側から縦枠接合部材37及び改装縦枠23に当接させるが、作業者は、改装障子12a、12bの取り付けられていない改装枠20の内側の開口を利用して室内側から施工する。
最後に、既設額縁30の内側に下地材62を備え、下地材62の内側に改装額縁60を配置して固定する。
第1実施形態の改装サッシユニットによれば、改装枠20が取り付けられる際には、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が改装枠20に取り付けられ、上枠接合部材35が既設枠50に取り付けられている。そして、上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間にて、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20の上部を室内側から室外側に移動すると対向する改装上枠21の水平面をなす上面と上枠接合部材35の下面とが固定されている。このため、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20は、室内側からの作業により既設上枠51と既設下枠52との間に配置することが可能であり、また、既設枠50に取り付けることが可能である。よって、室外側から取り付けるための足場を組む必要がなく、改装サッシ10を既設枠50に室内側から容易に取り付けることが可能である。
このような改装サッシユニット1は、改装枠20の上部を室内側から室外側に移動させて既設枠50に取り付けるので、既設上枠51に取り付けられた上枠接合部材35と、既設下枠52との間隔は広い方が望ましく、また、上枠接合部材35の下面は平坦であることが望ましい。この点において、上記改装サッシユニット1は、上枠接合部材35の上枠固定板部35aが固定される上枠接合部材固定金具40が、既設上枠51が有する既設内上レール51a及び既設外上レール51bの下縁に当接されて下面が平坦なレール当接部40aを有しているので、上枠接合部材35と既設下枠52との間隔を広く確保することが可能である。また、上枠接合部材固定金具40はレール当接部40aを繋ぎ上方に窪む連結部40bにて既設外上レール51bに固定されるので、上枠接合部材固定金具40が既設上枠51に固定されることによりレール当接部40aより下方にビス65の頭部等が突出することを防止することが可能である。さらに、上枠接合部材35を上枠接合部材固定金具40に固定するビスは皿ビス65、67なので、上枠固定板部35aの下面にビス頭部が突出することを防止することが可能である。
また、上枠接合部材35は、既設上枠51の下方を覆い改装上枠21が固定される上枠固定板部35aが平坦な下面をなしているので、改装上枠21を室内側から室外側に移動させる際にスムーズに移動させることが可能である。また、上枠接合部材35には、上枠固定板部35aの室外側の端部側に上方に突出されて既設上枠51に室内側から当接される既設上枠当接部35bと、上枠固定板部35aの室外側の縁から下方に突出されて改装上枠21が室内側から当接される改装上枠当接部35cとが設けられているので、改装枠20の上部を室内側から室外側に移動させて、既設枠50に取り付けられた上枠接合部材35の改装上枠当接部35cに当接させるだけで、改装枠20を適切な位置に配置することが可能である。このため、より取り付け易い改装サッシユニット1を提供することが可能である。
また、既設サッシにて既設障子が移動する際に支持されて高い強度を有する既設外上レール51bに上枠接合部材固定金具40が固定されるので、上枠接合部材35の下側に向く面を平坦に維持しつつ高い強度を備えた既設外上レール51bに固定された上枠接合部材固定金具40に上枠接合部材35を固定することが可能である。このため、上枠接合部材35に固定される改装枠20を強固に固定することが可能である。
また、第1実施形態の改装サッシユニット1の取付方法によれば、上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間にて、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20の上部を室内側から室外側に移動させることにより、改装上枠21の上面と上枠接合部材35の下面とを対向させることが可能である。このため、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠20を、室内側からの作業により既設上枠51と既設下枠52との間に容易に配置することが可能であり、また、既設枠50に容易に取り付けることが可能である。よって、室外側から取り付けるための足場を組むことなく、改装サッシユニット1を既設枠50に室内側から容易に取り付けることが可能である。
<第2実施形態>
第2実施形態の改装サッシユニット101は、例えば、新たに設けられる改装サッシ110が樹脂製であり、建物の室内外を連通する開口2に設けられている既設サッシの既設枠50に改装サッシ110を取り付けるため接合部材として、第1実施形態の上枠接合部材35を使用するが、下枠接合部材136は、第1実施形態の下枠接合部材36の外対面部36cが切除されたアルミ枠部36aのみを使用し、縦枠接合部材37は使用せずに改装縦枠123を既設縦枠53に直接固定するように構成されている。また、改装枠120を躯体3に取り付けるための固定金具90は、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123のいずれにも同一の部材を使用する。
第2実施形態も第1実施形態と同様に、室内外を連通する開口2に設けられた半外付けタイプの既設枠50に取り付ける改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同じ部材及び部位には同符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の改装サッシユニット101は、図6、図7に示すように、新たに取り付けられる改装サッシ110と、既設枠50に改装サッシ110を取り付けるための上枠接合部材35及び下枠接合部材136と、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123を躯体3に固定するための固定金具90と、改装縦枠123と既設縦枠53との間を室外側から覆う縦枠カバー部材45と、を有している。
改装サッシ110は、建物等の開口2に直接新設可能な一般的なサッシである。すなわち、改装専用のサッシではない。改装サッシ110の改装枠120は、見付け方向におけるほぼ半分の領域を占めるFIX障子112bと残り半分の領域を閉塞可能かつ移動可能な移動障子112a及び室外側に設けられた改装網戸14を備えた片引き窓用のサッシである。このため、改装サッシ110の改装枠120は、FIX障子112bが取り付けられるFIX障子取付領域を室外側に備え、移動障子112aが案内される溝部122dを有する障子移動領域を備えた改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123が矩形状に枠組みされている。
第2実施形態の改装サッシ110は樹脂製なので、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123を溶着にて枠組みし易いように、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123の断面形状が同一の押し出し成形部材にて構成されている。このため、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123の説明は、改装下枠122を例に挙げて説明する。改装下枠122の説明においては、改装上枠121、改装縦枠123の方向と共通な方向として示すために、改装下枠122に対する上下の方向を、枠組みされた改装枠120の内外方向、すなわち、改装枠120の中央側(内周側)を内方、改装枠120の外側(外周側)を外方ともいう。また、以下の説明では、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123における同一の部位は、同名称で示し符号を異ならせる。例えば、改装上枠121において、改装下枠122の中空部122aと同一の中空部を示す場合には、中空部121aとする。
改装下枠122には、見付け方向に延びる3つの中空部122a、122b、122cが見込み方向に並べて形成されており、3つの中空部122a、122b、122cの外方面122q、すなわち、改装下枠122の外方面122qは平坦に形成されている。3つの中空部122a、122b、122cは、障子移動領域側に2つの中空部122a、122bが、FIX障子取付領域側に1つの中空部122cが配置されている。障子移動領域の中空部122a、122bの内周側には、移動障子112aの外周端の一部が収容されて移動する溝部122dが形成されている。
溝部122dは、障子移動領域の室内側に配置された中空部122aを形成する室外側の室内壁部122eから内方に延出された室内溝壁部122fと、障子移動領域の室外側の中空部122bとFIX障子取付領域側の中空部122cとの境界となる中央壁部122gから内方に延出された中央溝壁部122hと、障子移動領域の2つの中空部122a、122bの上面となる内周側の面とで形成されている。
中央溝壁部122hの室外側には、中空部122cの内周面が、FIX障子112bが嵌め込まれてFIX障子112bの框の外周面と対向する障子対向部122iをなしている。改装下枠122の最も室外側には改装網戸14を案内する改装網戸下レール122jを有し、改装網戸下レール122jと障子対向部122iとの間には、改装網戸下レール122jを挟む改装網戸14が有する下框の室内側の部位が入り込む凹部122kが形成されている。
障子対向部122iの内周面には、嵌め込まれるFIX障子112bの外周面に形成され連結部材80が嵌合される障子側嵌合溝112eと対向する枠側嵌合溝122lが形成されている。また、室内壁部122eには、固定金具90の係合片91が係合される係合凹部122mが、改装枠120の内外方向におけるほぼ中央に形成されている。係合凹部122mより内方側となる室内溝壁部122fの室内側に臨む面からは室内側に延出させて改装額縁160と対向する額縁対向部122nが形成されている。
固定金具90は、改装枠120の室内壁部122eに当接される枠当接部92と、枠当接部92の改装枠120の内外方向における一方の縁からほぼ直角をなして延出され躯体3に固定される躯体固定板部93と、枠当接部92の他方の縁からほぼ直角をなし躯体固定板部93と対向する対向板部94と、対向板部94と見込み方向において反対側に延出され先端が枠当接部92と反対方向に延出され係合凹部122mに係合される係合片91と、を有している。
躯体固定板部93は、対向板部94より室内側に長く延出されており、対向していない部位にて窓台3bに至る皿ビス68が貫通されて固定される。対向板部94の先端側、すなわち室内側には改装額縁160を係合するフック部94aが形成されており、対向板部94は躯体固定板部93との間隔が変化する方向に弾性変形可能に形成されている。
固定金具90は、係合片91が改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123の各係合凹部121m、122m、123mに係合されるとともに枠当接部92が室内壁部121e、122e、123eに当接されてビス止めされると、躯体固定板部93の外側面93aが改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123の各外方面とほぼ平坦な面を形成し、対向板部94は、改装枠20の内外方向に間隔を隔てて額縁対向部121n、122n、123nと対向する。
第2実施形態の改装サッシユニット101の取付方法は、図3に示すように、既設上枠51に上枠接合部材35を取り付ける既設枠側接合部材取付工程S1と、改装枠20に下枠接合部材136を取り付ける改装枠側接合部材取付工程S2とが独立して実行され、その後、下枠接合部材136が取り付けられた改装枠120の下部を上部より先行させて既設枠50内に進入させた後に上部を室内側から室外側に移動させて上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間に配置する改装枠配置工程S3を実行する。
より具体的には、まず、改装枠120を矩形状に枠組みし、改装下枠122に下枠接合部材136を取り付け(改装枠側接合部材取付工程S2)、また、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123に固定金具90をそれぞれ取り付ける。このとき、下枠接合部材136の室外側固定部136gの上部側と、改装下枠122の凹部122kの下方に延びる脚部122pとの室外側の面がほぼ平坦な面を形成するように下枠接合部材136を配置する。そして、下枠接合部材136の延出部136fの下方から上方に貫通する皿ビス65にて改装下枠122に下枠接合部材136を固定する。改装下枠122と下枠接合部材136との境界部分には、室外側から水密材86を充填する。また、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123の係合凹部121m、122m、123mに固定金具90の係合片91を係合させるとともに、室内壁部121e、122e、123eに当接された枠当接部92にビス95を貫通させて固定金具90を固定する。
改装枠120に下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた状態では、改装上枠121の上面(外周面)121qより上方に突出する部位はなく、また、左の改装縦枠123の左側外周面123qより左側及び右の改装縦枠123の右側外周面123rより右側に突出する部位はない。このため、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120の見付け方向の最大幅は、左右の改装縦枠123の左側外周面123qと右側外周面123rとのなす幅である。この左右の改装縦枠123の左側外周面123qと右側外周面123rとのなす幅は、左右の既設縦枠53間における見付け方向の最も狭い部位の間隔より狭くなっている。
一方、既設上枠51には、第1実施形態と同様に、上枠接合部材固定金具40を取り付け、さらに上枠接合部材35を取り付けておく(既設枠側接合部材取付工程S1)。すなわち、上枠接合部材固定金具40を既設上枠51の下方から室外側のレール当接部40aの上面に既設外上レール51bの下縁を当接させて配置し、室内側に臨むように配置された室外側延出部40cに皿ビス65を貫通さて既設外上レール51bに螺合させる。
次に、既設上枠51に取り付けられた上枠接合部材固定金具40の下方から上枠接合部材35を配置して皿ビス65、67にて固定する。また、既設下枠52の既設外下レール52aには、見付け方向に適宜間隔を隔てて例えば3カ所に下枠ブラケット39を取り付けておく。
次に、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120を、上枠接合部材35及び下枠ブラケット39が取り付けられた既設枠50の内周側に室内側から配置する(改装枠配置工程S3)。具体的には、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120の下部が室外側に、上部が室内側に位置するように改装枠120を傾斜させた状態で、上枠接合部材35及び下枠ブラケット39が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間に移動させる。そして、第1実施形態の改装枠20と同様に、改装枠120に取り付けられた下枠接合部材136を既設下枠52に取り付けられた下枠ブラケット39の上方近傍に位置させて、改装枠120の上部を室内側から室外側に移動させ、改装枠120を既設枠50の内周側に配置する。このとき、下枠接合部材136は既設内下レール52aに載置され、改装上枠21の上面と上枠接合部材35の下面とが対向する。
そして、改装上枠121の凹部121kの上方に延びる脚部121pの室外側の面を改装上枠当接部35cに押圧し改装上枠当接片35eの下端側に設けられた水密材34を圧縮させた状態で、固定金具90の躯体固定板部93を窓台3bまで至る皿ビス68にて固定する。また、改装枠120の枠側嵌合溝122lから挿入させたビス97を、中空部121cを貫通させるとともに上枠接合部材35の上枠固定板部35aに螺合させる。このとき、改装縦枠123の枠側嵌合溝123lから挿入させたビス97を、中空部123cを貫通させるとともに左右の既設縦枠53の既設縦枠本体部53bに螺合させる。
また、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120が既設枠50の内側に配置された状態で、下枠ブラケット39の網戸レール室内壁部39bとの間に既設網戸下レール52cを挟むように配置されている下枠接合部材136の室外側固定部136gを、開口を利用して室内側からの作業により網戸レール室内壁部39bにビス止めする。このとき、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠20と既設額縁30、上枠接合部材35、下枠接合部材136及び既設縦枠本体部53bとの間に空隙が生じる場合には適宜飼木70を備えた後にビス止めする。
次に、縦枠カバー部材45を室外側から改装縦枠123の脚部123pに当接させるとともにビス止めし、改装縦枠123と既設縦枠53との間を覆う。ここで、縦枠カバー部材45は室外側から改装縦枠123に当接させるが、作業者は、移動障子112a及びFIX障子112bが取り付けられていない改装枠120の内側の開口を利用して室内側から施工する。
最後に、既設額縁30の内側に下地材62を備え、下地材62の内側に改装額縁160を配置して固定する。このとき、矩形状に枠組みした改装額縁160の室外側の端部を、改装上枠121、改装下枠122、改装縦枠123が有する額縁対向部121n、122n、123nと、対向する各対向板部94との間に嵌合して固定する。
第2実施形態の改装サッシユニット101によれば、改装枠120が取り付けられる際には、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が改装枠120に取り付けられ、上枠接合部材35が既設枠50に取り付けられている。そして、上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間にて、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120の上部を室内側から室外側に移動すると、改装上枠121の水平面をなす上面と上枠接合部材35の下面とが対向し、対向した改装上枠121の上面と上枠接合部材35の下面とが固定される。このため、下枠接合部材36及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120は、室内側からの作業により既設上枠51と既設下枠52との間に配置することが可能であり、また、既設枠50に取り付けることが可能である。よって、室外側から取り付けるための足場を組む必要がなく、改装サッシ110を既設枠50に室内側から容易に取り付けることが可能である。
また、上枠接合部材35は、既設上枠51の下方を覆い改装上枠121が固定される上枠固定板部35aが平坦な下面をなしているので、改装上枠121を室内側から室外側に移動させる際にスムーズに移動させることが可能である。また、上枠接合部材35には、上枠固定板部35aの室外側の端部側に上方に突出されて既設上枠51に室内側から当接される既設上枠当接部35bと、上枠固定板部35aの室外側の縁から下方に突出されて改装上枠121が室内側から当接される改装上枠当接部35cとが設けられているので、改装枠120の上部を室内側から室外側に移動させて、既設枠50に取り付けられた上枠接合部材35の改装上枠当接部35cに当接させるだけで、改装枠120を適切な位置に配置することが可能である。このため、より取り付け易い改装サッシユニット101を提供することが可能である。
このような改装サッシユニット101は、改装枠120の上部を室内側から室外側に移動させて既設枠50に取り付けるので、既設上枠51に取り付けられた上枠接合部材35と、既設下枠52との間隔は広い方が望ましく、また、上枠接合部材35の下面は平坦であることが望ましい。この点において、上記改装サッシユニット101は、上枠接合部材35の上枠固定板部35aが、既設上枠51が有する既設内上レール51a及び既設外上レール51bの下縁に当接されて下面が平坦なので、上枠接合部材35と既設下枠52との間隔を広く確保することが可能である。
また、第2実施形態の改装サッシユニット101の取付方法によれば、上枠接合部材35が取り付けられた既設上枠51と既設下枠52との間にて、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120の上部を室内側から室外側に移動させることにより、改装上枠121の上面と上枠接合部材35の下面とを対向させることが可能である。このため、下枠接合部材136及び4つの固定金具90が取り付けられた改装枠120を、室内側からの作業により既設上枠51と既設下枠52との間に容易に配置することが可能であり、また、既設枠50に容易に取り付けることが可能である。よって、室外側から取り付けるための足場を組むことなく、改装サッシユニット101を既設枠50に室内側から容易に取り付けることが可能である。
第2実施形態では、改装サッシユニット101が備える改装サッシ110を移動障子112aとFIX障子112bとを有する片引き窓タイプのサッシを例に挙げて説明したが、第1実施形態のような引き違い窓用のサッシであっても構わない。また、第2実施形態では、改装サッシを樹脂製としたが、施工場所によっては断熱性を考慮する必要があるもののアルミニウム製であっても構わない。
上記実施形態においては、半外付けタイプの既設枠50に取り付ける改装サッシユニット1、101について説明したが、内付けタイプの既設枠50に取り付ける場合には、既設上枠と上枠接合部材の上方に躯体が見付け方向のほぼ全域に存在するので、上枠接合部材をレールに固定する必要がなく、直接躯体に取り付けることが可能である。このため、内付けタイプの既設枠50に取り付ける場合には、上枠接合部材固定金具40を用いることなく、既設枠のレール間にて既設枠を貫通するビスにて上枠接合部材を躯体にビス止めする。
上記実施形態にて説明した下枠接合部材36、上枠接合部材固定金具40、及び、改装上枠21と改装下枠22に取り付けられる固定金具90は、見付け方向における全領域に設けられていても良いが、見付け方向の幅が短い各部材を複数設けても良い。また、縦枠接合部材37、及び、改装縦枠23に取り付けられる固定金具90は、上下方向における全領域に設けられていても良いが、上下方向の幅が短い各部材を複数設けても良い。
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。