JP2018140850A - 荷役機械、天井クレーン及びエレベータ - Google Patents

荷役機械、天井クレーン及びエレベータ Download PDF

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Abstract

【課題】電子ビーム加工機など加工機械の加工精度への影響を抑制することができる荷役機械を提供する。【解決手段】一実施形態の荷役機械100は、工場内に設けられる荷役機械である。また、荷役機械100は、工場内を一定方向に移動し、かつ、ガーダ140を備え、ガーダ140には電源と接続されるコイル180が巻かれている。【選択図】図2

Description

本発明は、荷役機械に関し、特に、工場などの建屋内で用いられる荷役機械に関する。
工場内には、その工場内で製造・加工が行われる部品以外に、当該部品の加工を行う電子ビーム加工機や、クレーン、エレベータといった荷役機械など、さまざまな設備が存在する。このような荷役機械には、例えば、特許文献1に記載のような天井クレーンなどがある。
特開2016−216199号公報
ところで、電子ビーム加工機などの精密加工を行う加工機械は、その周囲の磁場の影響を受けやすい。従って、電子ビーム加工機は、あらかじめ地磁気の影響を加味して調整され、工場内に設置される。しかし、電子ビーム加工機が設置されている工場の建屋内で荷役機械などが移動すると、これが電子ビーム加工機周辺の地磁気に変化をもたらす。この地磁気の変化によって、電子ビーム加工機が発するビームの軌道が曲げられ照射位置が変化し、その加工精度に影響が出る。例えば、電子ビーム加工機のビーム軌道長が1.5mの場合、ビーム照射位置が0.1〜1.0mm程度移動する場合がある。つまり、工場などの建屋内で用いられる荷役機械の移動が、電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度に影響を与えるという問題があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる荷役機械を提供することを目的とする。
本発明に基づく荷役機械は、工場内に設けられる荷役機械であって、工場内を一定方向に移動し、かつ、磁性体から成る部分を備え、磁性体から成る部分には電源と接続されるコイルが巻かれていることを特徴とする。
本発明によれば、荷役機械の移動による電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。
実施の形態1に係る荷役機械を鉛直上側から見た平面図である。 実施の形態1に係る荷役機械を東から見た側面図である。 実施の形態1に係るガーダ及び横行レールの断面図である。 実施の形態1に係るガーダ及び横行レールの端部付近の平面図である。 実施の形態1に係るガーダ、横行レール及びコイルの平面図である。 比較例に係る荷役機械と地磁気による磁束を表した図である。 図6のA−A断面における断面図である。 図6のB−B断面における断面図である。 実施の形態1に係る荷役機械と地磁気による磁束及びコイルにより発生する磁束を表した図である。 図9のC−C断面における断面図である。 図9のD−D断面における断面図である。 実施の形態1に係る磁場解析の結果を示すグラフである。 実施の形態2に係る荷役機械を鉛直上側から見た平面図である。 実施の形態2に係るガーダ及び横行レールの端部付近の斜視図である。 実施の形態2に係るガーダ及び横行レールの端部付近の平面図である。 実施の形態2に係るガーダ、横行レール及びコイルの平面図である。 実施の形態3に係る荷役機械を鉛直上側から見た平面図である。 実施の形態3に係る荷役機械をランウェイと直交する方向から見た側面図である。 実施の形態3に係るガーダ、横行レール、トロリー及びコイルの斜視図である。 比較例に係る荷役機械と地磁気による磁束を表した図である。 実施の形態3に係る荷役機械と地磁気による磁束を表した図である。 図21のE−E断面における断面図である。 図21のF−F断面における断面図である。 実施の形態3に係る磁場解析の結果を示すグラフである。 実施の形態3に係る磁場解析の結果を示すグラフである。 実施の形態4に係る荷役機械を鉛直上側から見た平面図である。 実施の形態4に係る荷役機械を東から見た側面図である。 実施の形態5に係る荷役機械の斜視図である。
本発明の各実施形態に係る荷役機械について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明において、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。荷役機械としては、天井クレーン及びエレベータなどが含まれる。また、各図において、南北方向をx軸、東西方向をy軸、鉛直方向をz軸で表し、x軸方向の正方向側が北、x軸方向の負方向側が南、y軸方向の正方向側が西、y軸方向の負方向側が東を示す。
実施の形態1.
本実施形態に係る荷役機械100は、工場などの建屋内に設置されている、いわゆる天井クレーンである。また、荷役機械100は、図1に示すように、荷を吊り上げるための巻上装置110、巻上装置110を横行させるためのトロリー120、トロリー120を支持しトロリー120が横行するための横行レール130を有するガーダ140、ガーダ140を支持するサドル150、サドル150が走行する走行レールを有するランウェイ170、及び巻上装置110、トロリー120、サドル150等を操作するためのコントローラを備える。なお、荷役機械100が設置された建屋内には、電子ビーム加工機600などが設置されている。従って、図2に示すように、荷役機械100は、電子ビーム加工機600の上方を移動する。
巻上装置110は、重量物を吊り上げるための装置である。具体的には、図2に示すように、巻上装置110は、これに取り付けられたワイヤーロープ112を巻上げ又は巻戻すことで、ワイヤーロープ112の下端に取り付けられたフック114、及びフック114に吊られた吊り荷を昇降させることができる。なお、巻上装置110は、トロリー120に取り付けられている。
トロリー120は、図示しない駆動装置、車輪等からなる横行装置を有し、横行装置を介してガーダ140に敷設された横行レール130(図1に示す)上を南北方向に横行する。これにより、荷役機械100は吊り荷を移動させることができる。
ガーダ140は、鉄製の部材である。つまり、荷役機械100では、ガーダ140全体が磁性体である。また、ガーダ140は、トロリー120を支持する。従って、ガーダ140には、その上面にトロリー120が走行するための横行レール130が設けられている。そして、ガーダ140は、略直方体状の形状を成し、その長手方向(南北方向)の全長は18mである。なお、荷役機械100は、二本のガーダ140を備える、いわゆるダブルガーダ式のクレーンであり、これら二本のガーダの両端がサドル150により支持されている。
サドル150は、ガーダ140を支持すると共に、下部に車輪を有する。これにより、サドル150はランウェイ170に敷設された走行レール上を東西方向に移動することができる。
ランウェイ170は、ガーダ140が一定方向、本実施形態では、東西方向に走行するための走行軌道である。上述の通り、ランウェイ170には、走行レールが敷設され、この上をガーダ140が動くことができる。また、ランウェイ170は、荷役機械100が設置された建屋内の南北で対向する2つの壁面それぞれに設けられている。従って、ガーダ140は、北側の壁面から、これと対向する南側の壁面に向かって伸びている。なお、ランウェイ170は、地上から約5m付近の高さに設けられている。
上記の荷役機械100の構成は、従来から一般的に使用されている天井クレーンと大きく変わるところはない。ただし、本実施形態に係る荷役機械100が有する2本のガーダ140それぞれには、コイル180が巻かれている。
コイル180は、Cu等からなる導線である。コイル180の中心軸は、ガーダ140の長手方向と平行である。つまり、本実施形態において、コイル180の中心軸は、一方のランウェイ170が設けられた北側の壁面から、他方のランウェイ170が設けられた南側の壁面に向かう方向である南北方向と平行である。また、コイル180のターン数は60であり、図5に示すように、10ターン毎に間隔d1を空けてガーダ140に巻かれている。間隔d1は、図3に示すガーダ140の断面における対角線L1の長さの5倍以下、特に、2から3倍程度が好ましい。以下で、コイル180についてさらに具体的に説明する。
コイル180は、図5に示すように引き出し部181〜187、巻回部188〜193に分けることができる。
引き出し部181は、図4及び図5に示すように、ガーダ140の上面に位置し、ガーダ140の北側に位置する一端から、ガーダ140の南側に向かってほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部181の北側に位置する一端は、ガーダ140の一端付近に設けられた端子200と接続されている。そして、引き出し部181の南側に位置する他端は、巻回部188の北側に位置する一端と接続されている。なお、端子200は、コイル180に電力を供給する電源のマイナス側の出力端子と電気的に接続されている。
巻回部188は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部188がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、図3に示すように、巻回部188はガーダ140に設けられた孔Hを通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部188の一端は、引き出し部181の他端と接続されている。さらに、巻回部188の南側に位置する他端は、引き出し部182の北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部188は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部182は、図5に示すように、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部182の一端は、上述のとおり、巻回部188の他端と接続されている。そして、引き出し部182の南側に位置する他端は、巻回部189の北側に位置する一端と接続されている。なお、引き出し部182の長さはd1である。
巻回部189は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部189がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、巻回部188と同様に、巻回部189はガーダ140に設けられた孔を通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部189の一端は、引き出し部182の他端と接続されている。さらに、巻回部189の南側に位置する他端は、引き出し部183の北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部189は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部183は、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部183の一端は、上述のとおり、巻回部189の他端と接続されている。そして、引き出し部183の南側に位置する他端は、巻回部190の北側に位置する一端と接続されている。なお、引き出し部183の長さはd1である。
巻回部190は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部190がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、巻回部188と同様に、巻回部190はガーダ140に設けられた孔を通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部190の一端は、引き出し部183の他端と接続されている。さらに、巻回部190の南側に位置する他端は、引き出し部184の北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部190は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部184は、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部184の一端は、上述のとおり、巻回部190の他端と接続されている。そして、引き出し部184の南側に位置する他端は、巻回部191の北側に位置する一端と接続されている。なお、引き出し部184の長さはd1である。
巻回部191は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部191がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、巻回部188と同様に、巻回部191はガーダ140に設けられた孔を通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部191の一端は、引き出し部184の他端と接続されている。さらに、巻回部191の南側に位置する他端は、引き出し部185の北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部191は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部185は、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部185の一端は、上述のとおり、巻回部191の他端と接続されている。そして、引き出し部185の南側に位置する他端は、巻回部192の北側に位置する一端と接続されている。なお、引き出し部185の長さはd1である。
巻回部192は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部192がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、巻回部188と同様に、巻回部192はガーダ140の上面に設けられた孔を通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部192の一端は、引き出し部185の他端と接続されている。さらに、巻回部192の南側に位置する他端は、引き出し部186の北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部192は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部186は、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部186の一端は、上述のとおり、巻回部192の他端と接続されている。そして、引き出し部186の南側に位置する他端は、巻回部193の北側に位置する一端と接続されている。なお、引き出し部186の長さはd1である。
巻回部193は、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は10ターンである。ここで、巻回部193がガーダ140を周回する際に横行レール130と交差する部分では、巻回部188と同様に、巻回部193はガーダ140に設けられた孔を通過することで、レール130を避けている。また、上述のとおり、巻回部193の一端は、引き出し部186の他端と接続されている。さらに、巻回部193の南側に位置する他端は、引き出し部187の一端と接続されている。なお、巻回部193は、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。
引き出し部187は、ガーダ140の上面に位置し、上方から見たときにL字を成す部分である。具体的には、引き出し部187は、巻回部193と接続されている点から東へ進行する。その後、北に向きを変えて、ガーダ140の一端まで向かう。そして、ガーダ140の一端で、ガーダ140の一端付近に設けられた端子202と接続されている。端子202は、コイル180に電力を供給する電源のプラス側の出力端子と電気的に接続されている。なお、図4に示すように、引き出し部187における北に向かう部分と、引き出し部181〜186との東西方向における間隔d2は、10cm以内、特に5cm程度が好ましい。このように間隔d2を設定することで、浮遊インダクタンスを低減できるだけなく、余計な磁場の発生も抑制することができる。
以上のように構成された荷役機械100では、コイル180に電流を流すことで、荷役機械100の移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。これについて、比較例として、一般的な天井クレーンである荷役機械700を用いて、以下で説明する。なお、荷役機械700の構成は、ガーダ140にコイル180が巻かれていないこと以外は、荷役機械100と同じである。また、図6から図11において、地磁気による磁束を二点鎖線の矢印で示した。
一般的な天井クレーンである荷役機械700は、その周囲の磁場に影響を与える。具体的には、荷役機械700が空気よりも透磁率の高い鉄などの磁性体で構成されているため、図6から図8に示すように、地磁気による磁束B1が荷役機械700の内部に流入する。そして、地磁気による磁束B1が荷役機械700の内部に流入すると該磁束は大きく曲げられて、荷役機械700の周囲における磁束密度は低下する。従って、図6に示すように、荷役機械700のガーダが、例えば、東に向かって移動し、電子ビーム加工機の上部を通過すると、電子ビーム加工機600の周囲の磁束密度が一旦低下し、再び回復する。つまり、電子ビーム加工機600の周囲の磁場が変化する。結果として、電子ビーム加工機が発するビームの軌道が曲げられ照射位置が変化し、その加工精度に影響が出る。
一方、荷役機械100では、端子202からコイル180を経由して端子200に向かう電流I1(図5に示す)を流すことで、図9及び図10に示すように、南方向を向く磁束B2を発生させることができる。この磁束B2の方向は、北へ向かう地磁気の方向と対向する。これにより、地磁気による磁束が荷役機械100の内部に流入して大きく曲げられることを抑制できる。その結果、荷役機械100周辺の磁場の変化が減少するため、荷役機械100が電子ビーム加工機600の上部を移動しても、電子ビーム加工機600周辺の磁場の変化は、一般的な荷役機械700の場合と比較して小さい。従って、荷役機械100では、その移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。なお、コイル180により発生する磁束B2が、地磁気と完全に対向する必要はなく、南方向へ向かう成分を有していれば、上記の効果を得ることができる。
また、コイル180に流す電流I1を調整し、磁束B2の磁束密度を地磁気による磁束B1の磁束密度と釣り合うようにすることで、上記の効果をさらに向上させることができる。
本願発明者は、上記の効果を確認するために磁場解析によるシミュレーションを行った。シミュレーションは、上記実施例に係る荷役機械100を用いて行われた。また、本シミュレーションにおいて、コイル180に流す電流I1は、7.5Aの直流である。この7.5Aという値は、地磁気の磁場強度水平成分の値である24A/m(北緯35°日本付近の場合)にガーダ140の全長である18mを乗じて求めた起磁力の430ATと、コイル180のターン数を考慮して決定した。
図12が、磁場解析によるシミュレーションの結果である。図12の縦軸が、電子ビーム加工機600が有する電子銃の周囲における水平方向に平行な磁束密度Bxを示し、横軸が電子ビーム加工機600と荷役機械100との東西方向における距離d3を示している。荷役機械100が西から東に進むに従って、図の横軸の値はマイナスからプラスになる。また、荷役機械100が電子ビーム加工機600の直上にあるときは、図12における横軸の値は0である。また、図12における実線がコイル180に7.5Aの電流を流した場合を示し、破線が電流を流さない場合を示す。
図12の破線からわかるように、コイル180に電流を流さない場合、荷役機械100が電子ビーム加工機600に近づくにつれて、磁束密度Bxは徐々に減少する。そして、荷役機械100が電子ビーム加工機600の直上に来たときに、磁束密度Bxは極小値になる。この値は、荷役機械が存在しないと仮定した場合の磁束密度Bxと比較して28%低い値である。
一方、図12の実線からわかるように、コイル180に7.5Aの電流を流した場合、荷役機械100が電子ビーム加工機600の近傍、距離d3が約4mあたりから磁束密度Bxは減少する。しかし、その減少量は極めて小さい。そして、荷役機械100が電子ビーム加工機600の直上に来たときの磁束密度Bxの値は極小値となり、その値は、荷役機械が存在しないと仮定した場合の磁束密度Bxと比較して1%だけ低い値である。以上より、荷役機械100のコイル180に7.5Aの電流を流したことで、荷役機械100周辺の地磁気の変化を抑制できたことがわかる。なお、地磁気の変化量が1%以下であれば、電子ビーム加工機におけるビーム照射位置の移動量は、10μm以下である。
ところで、上記のシミュレーションでは、ガーダ140や走行レール160の磁化を考慮していない。しかし、ガーダ140等が磁化した場合であっても、これに合わせて、コイル180に流す電流の大きさを決めれば、上記のような効果が得られる。例えば、ガーダ140が南から北に向かう方向に磁化されたとして、その起磁力を2000ATとする。このとき、地磁気による起磁力と併せて、約2500ATの起磁力に対応する電流をコイル180に流せばよい。このような条件で磁場解析によるシミュレーションを行った結果、地磁気の変化量を2%程度に抑えることができた。この変化量の場合、電子ビーム加工機におけるビーム照射位置の移動量は、20μm以下である。
また、荷役機械100では、コイル180が10ターン毎に間隔d1を空けて、つまり、巻回部188〜193それぞれが間隔を空けてガーダ140に巻かれている。このようにコイル180をガーダ140に巻くことで、コイル180をガーダ140全体に亘って巻くよりも、ガーダ140におけるコイル180を巻く範囲が狭められる。結果として、巻回作業や保守作業を簡略化できる。
さらに、荷役機械100では、何らかの理由でガーダ140が磁化された場合であっても、ガーダ140に巻かれたコイル180に通電することで脱磁を行うことが可能である。この脱磁に際しては、コイル180に順方向の電流と逆方向の電流を、その電流値を徐々に小さくしながら繰り返し流す。このようにして、電流値を0に近づけていくことで、脱磁が行われる。なお、脱磁を行う際のコイル180に対する通電時間に特に制約はない。しかし、通電時間は0.1秒から5秒程度が好ましい。また、この脱磁は、50Hzや60Hzの交流電源を用いて、その電流を減衰させる方法で行ってもよい。
ところで、電子ビーム加工機等の周囲の磁場の影響を受ける加工機では、その周囲に磁場を遮蔽する磁気シールドを設けているものがある。例えば、電子ビーム加工機の周囲にパーマロイなどでできた鋼板を設置する場合などである。このような磁気シールドを設けた場合、加工される物を出し入れする際の遮蔽を考慮して、磁気シールドの構造が複雑になってしまう。その結果、清掃やメンテナンスに多くの時間を要する。また、地磁気のような弱い磁場を遮蔽するには、鋼板に肉厚のものが必要となるなど、遮蔽用の材料のコストや質量が嵩む。さらに、磁気シールド自体が磁化され、それが電子ビーム加工機の加工精度に影響を与えてしまう可能性もある。電子ビーム加工機等の工作機械の周囲に磁気シールドを設ける方法では、以上のような問題がある。しかし、荷役機械100では、それらの問題は発生しない。
実施の形態2.
実施の形態2である荷役機械102と実施の形態1である荷役機械100との主たる相違点は、図13に示すように、コイル180の構成とガーダ140に対するコイル180の巻き方である。以下では、実施の形態2である荷役機械102のガーダ140に巻かれたコイルをコイル180aとして、具体的に説明する。
コイル180aは、引き出し部181a,182a,187a、巻回部188a,189aに分けることができる。
引き出し部181aは、図14〜図16に示すように、ガーダ140の上面に位置し、ガーダ140の北側に位置する一端から、ガーダ140の南側に向かってほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部181aの北側に位置する一端は、ガーダ140の一端付近に設けられた端子200と接続されている。そして、引き出し部181aの南側に位置する他端は、巻回部188aの北側に位置する一端と接続されている。なお、端子200は、コイル180に電力を供給する電源のマイナス側の出力端子と電気的に接続されている。
巻回部188aは、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は3ターンである。ここで、巻回部188aは、ガーダ140の上面、東側の側面、下面、西側の側面、上面の順で周回する。その後、横行レール130と交差する前に、ガーダ140の一端、つまり、北に向かって進行する。さらに、巻回部188aは、横行レール130の北側の一端付近で、上部から見たときに、南を開口部とするコの字を描くように、南側に向かってUターンする。このとき、該コの字の開口部に横行レール130の一端が収まる。また、巻回部188aは、横行レール130が伸びる方向である南北方向において、横行レールの一端とガーダ140の縁の間を通過している。そして、図15に示すように、巻回部188aと引き出し部181aの接続点P1近傍を南に向かって通過する。以上を巻回部188aの1ターンとし、巻回部188aは、上記と同様の巻回方法でガーダ140をさらに2ターン周回する。また、巻回部188aの一端は、引き出し部181aの他端と接続されている。さらに、巻回部188aの南側に位置する他端は、引き出し部182aの北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部188aは、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。なお、図16に示すように、巻回部188a(接続点P1)と横行レール130の一端との南北方向における距離d4は、巻回部188aと横行レール130の他端との南北方向における距離d5よりも小さい。
引き出し部182aは、ガーダ140の上面に位置し、南北方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。また、引き出し部182aの一端は、上述のとおり、巻回部188aの他端と接続されている。そして、引き出し部182aの南側に位置する他端は、巻回部189aの北側に位置する一端と接続されている。
巻回部189aは、ガーダ140を周回している部分である。その周回数は3ターンである。ここで、巻回部189aは、ガーダ140の上面、東側の側面、下面、西側の側面、上面の順で周回する。その後、横行レール130と交差する前に、ガーダ140の他端、つまり、南に進行する。さらに、巻回部189aは、横行レール130の南側の他端付近で、上部から見たときに、北を開口部とするコの字を描くように、北側に向かってUターンする。このとき、該コの字の開口部に横行レール130の他端が収まる。また、巻回部189aは、横行レール130が伸びる方向である南北方向において、横行レールの他端とガーダ140の縁の間を通過している。そして、巻回部189aと引き出し部182aの接続点近傍に達する。以上を巻回部189aの1ターンとし、巻回部189aは、上記と同様の巻回方法でさらにガーダ140をさらに2ターン周回する。また、巻回部189aの一端は、上述のとおり、引き出し部182aの他端と接続されている。さらに、巻回部189aの南側に位置する他端は、引き出し部187aの北側に位置する一端と接続されている。なお、巻回部189aは、北側から見たときに、その一端から他端までを反時計回りに周回している。なお、巻回部189aと横行レール130の他端との南北方向における距離は、巻回部189aと横行レール130の一端との南北方向における距離よりも小さい。
引き出し部187aは、ガーダ140の上面に位置し、上部から見たときにL字を成す部分である。具体的には、引き出し部187aは、巻回部189aと接続されている点から東へ進行する。その後、北に向きを変えて、ガーダ140の一端まで向かう。そして、ガーダ140の一端で、ガーダ140の一端付近に設けられた端子202と接続されている。端子202は、コイル180に電力を供給する電源のプラス側の出力端子と電気的に接続されている。
上記のようにガーダ140にコイル180aが巻かれた荷役機械102では、コイル180aが横行レール130を跨がないため、コイル180aがトロリー120の横行を妨げない。
また、荷役機械102では、コイル180aの巻回部188a,189aが横行レール130の端部まで迂回してガーダ140を周回する。これにより、コイル180aの巻回部188a,189aが、横行レール130を東西方向に横切るための孔をガーダ140に設ける必要がなくなり、ガーダ140の構造を簡易にできる。
さらに、荷役機械102では、コイル180aの巻回部188a,189aが、横行レール130を東西方向に横切るための孔をガーダ140に設ける必要がないため、荷役機械102におけるコイル180aは、ガーダの形状等を変更できない既設の荷役機械に応用することができる。
これに加え、荷役機械102では、巻回部188aと横行レール130の一端との南北方向における距離d4は、巻回部188aと横行レール130の他端との南北方向における距離d5よりも小さい。つまり、コイル180aの巻回部188aが横行レール130の端部まで迂回する際には、巻回部188aは、巻回部188aに対して近い方の横行レール130の端部付近を通過する。その結果、巻回部188aが、巻回部188aに対して横行レール130の遠い方の端部付近を通過する場合よりも、コイル180aの全長を短くできる。これにより、コイル180aでの電気抵抗や発熱等を抑制することができる。巻回部189aについても同様である。荷役機械102における他の構成は、荷役機械100と同様である。従って、コイルの構成及びガーダ140に対するコイルの巻き方に関する説明以外の説明は、荷役機械100での説明のとおりである。
実施の形態3.
実施の形態3である荷役機械103と実施の形態1である荷役機械100との主たる相違点は、ガーダ140の走行方向が北東と南西を結ぶ方向と平行な方向である点、及び、図17から図19に示すように、ガーダ140だけでなくランウェイ170にもコイルが巻かれている点である。以下では、実施の形態3である荷役機械103におけるコイルをコイル180bとして、具体的に説明する。
荷役機械103におけるランウェイ170は、荷役機械100が設置された建屋内で対向する2つの壁面それぞれに設けられている。従って、ガーダ140は、建屋内の対向する一方の壁面から、他方の壁面に向かって伸びている。そして、ガーダ140は、北東と南西を結ぶ方向(以下で、ランウェイ方向Rと称す)と平行な方向に走行する。
コイル180bは、ランウェイ部181b及びガーダ部188bに分けられる。
ランウェイ部181bは、さらに、巻回部281b〜285b及び引き出し部286b〜291bに分けられる。
図17及び図18に示すように、巻回部281b〜285bは、ランウェイ170を周回する部分であり、その中心軸の方向はランウェイ方向Rと略平行である。また、巻回部281b〜285bは、間隔を空けて北東側から南西側に向かってこの順で配置され、かつ、直列に接続されている。さらに、巻回部281b〜285bそれぞれがランウェイ170を周回する数、つまり、ターン数は10である。従って、ランウェイ部181bの合計のターン数は50ターンである。さらに、巻回部281bがランウェイ170を周回する際に走行レールと交差する部分では、巻回部281b〜285bは、ランウェイ170に設けられた孔を通過することで、走行レールを避けている。
引き出し部286b〜291bは、ランウェイ170の側面に位置し、ランウェイ170上をランウェイ方向と平行にほぼ直線状に伸びている部分である。引き出し部286bは、ランウェイ170の北東側の一端付近に設けられた図示しない電源端子と巻回部281bとを接続している。引き出し部287bは、巻回部281bと巻回部282bとを接続している。引き出し部288bは、巻回部282bと巻回部283bとを接続している。引き出し部289bは、巻回部283bと巻回部284bとを接続している。引き出し部290bは、巻回部284bと巻回部285bとを接続している。引き出し部291bは、巻回部285bとランウェイ170の南西側の他端付近に設けられた図示しない電源端子とを接続している。なお、ランウェイ部181bは、荷役機械103が備える2つのランウェイ170双方に設けられている。
ガーダ部188bは、コイル180bのうち、ガーダ140に設けられた部分であり、4つの巻回部381b〜384bに分けることができる。
巻回部381b〜384bは、図17〜図19に示すように、コイル180bにおけるガーダ140を周回する部分であり、その中心軸の方向はランウェイ方向Rと略平行である。ここで、荷役機械103におけるガーダ140の長手方向は、ランウェイ方向Rと直交する方向である。したがって、巻回部381b〜384bの中心軸は、ガーダ140の長手方向と直交している。また、巻回部381b〜384bは、間隔を空けて北東側から南西側に向かってこの順で配置され、かつ、直列に接続されている。そして、巻回部381b,384bが、図示しない電源端子と接続されている。さらに、巻回部381b〜384bそれぞれがガーダ140を周回する数、つまり、ターン数は10である。従って、ガーダ部188bの合計のターン数は40ターンである。なお、実施の形態3である荷役機械103は、実施の形態1である荷役機械100と同様にダブルガーダ式のクレーンである。そして、巻回部381b,382bは、荷役機械103が有する北東側のガーダに設けられ、巻回部383b,384bは、荷役機械103が有する南西側のガーダに設けられている。また、巻回部382b,383bは、ランウェイ方向Rにおいて、北東側のガーダに敷設された横行レール130と南西側のガーダに敷設された横行レール130とに挟まれた位置に設けられている。なお、各巻回部381b〜384bは、図示しないリード線により直列に接続されている。
以上のように構成された荷役機械103では、コイル180bに電流を流すことで、荷役機械103の移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。具体的には、以下で説明する。なお、図20では、地磁気による磁束のうちランウェイ方向Rと平行な成分を破線の矢印で、これと直交する方向の成分を二点鎖線の矢印で表した。また、図21から図23においては、地磁気による磁束のうちランウェイ方向Rと平行な成分のみを記載し、コイル180bに電流を流した場合の地磁気による磁束を二点鎖線の矢印で、電流を流さない場合の磁束を破線の矢印で表した。さらに、図21から図23において、見易さのために、引き出し部286b〜291bの記載を省略した。
図20に示される一般的な天井クレーンである荷役機械700では、地磁気による磁束が荷役機械700の内部に流入して大きく曲げられ、荷役機械700の周囲における磁束密度は低下する。また、仮に、荷役機械103のコイル108bに電流を流さないと、図21から図23の破線の矢印に示すように、地磁気による磁束が荷役機械103の内部に流入して大きく曲げられ、荷役機械103の周囲における磁束密度は低下する。従って、荷役機械103が移動し、電子ビーム加工機600の上部を通過すると、電子ビーム加工機600の周囲の磁束密度が一旦低下し、再び回復する。つまり、電子ビーム加工機600の周囲の磁場が変化する。結果として、電子ビーム加工機600が発するビームの軌道が曲げられ照射位置が変化し、その加工精度に影響が出る。
しかし、実施の形態3に係る荷役機械103では、コイル180bに所定の電流を流すことで、地磁気と対向する磁束を発生させることができる。これにより、図21から図23の二点鎖線の矢印のように、地磁気による磁束が荷役機械103の内部に流入して大きく曲げられることを抑制できる。その結果、荷役機械103周辺の地磁気の変化が減少するため、荷役機械103が電子ビーム加工機600の上部を移動しても、電子ビーム加工機600周辺の磁場の変化は、上述の一般的な荷役機械700の場合と比較して小さい。従って、荷役機械103では、その移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。
本願発明者は、上記の効果を確認するために磁場解析によるシミュレーションを行った。本シミュレーションは、上記実施例に係る荷役機械103を用いて行われた。また、本シミュレーションでは、実施の形態1に係る荷役機械100のときと同様に、地磁気、ガーダ140の全長、及びコイル180bのターン数を考慮して、コイル180bに流す電流値を決定した。
図24が、磁場解析によるシミュレーションの結果である。また、図24の縦軸が、電子ビーム加工機600が有する電子銃周辺におけるランウェイ方向に平行な磁束密度Bxを示し、横軸が電子ビーム加工機600と荷役機械103との距離d6を示している。荷役機械103が南西から北東に進むに従って、図の横軸の値はマイナスからプラスになる。また、荷役機械103が電子ビーム加工機600の直上にあるときは、図24における横軸の値は0である。また、図24の実線がコイル180bに電流を流した場合を示し、破線が電流を流さない場合を示す。
図24の破線から、コイル180bに電流を流さない場合、荷役機械103が電子ビーム加工機600に近づくにつれて、磁束密度Bxは減少する。そして、荷役機械103が電子ビーム加工機600の略直上に来たときに、磁束密度Bxは極小値になる。
一方、図24の実線から、コイル180bに電流を流した場合、荷役機械103が電子ビーム加工機600に近づいても磁束密度Bxの変化はほとんど見られない。以上より、荷役機械103のコイル180bに電流を流したことで、荷役機械103周辺の地磁気の変化を抑制できたことがわかる。
図25にも、磁場解析によるシミュレーションの結果を示す。図25に示す縦軸の磁束密度Byは、ランウェイ方向と直交する方向の磁束密度を示している。横軸は前述のとおり電子ビーム加工機600と荷役機械103との距離d6を示している。また、図25の実線がコイル180bに電流を流した場合を示し、破線が電流を流さない場合を示す。
図25においても、図24と同様に、コイル180bに電流を流さない場合、荷役機械103が電子ビーム加工機600に近づくにつれて、磁束密度Byは減少する。しかし、コイル180bに電流を流した場合、荷役機械103が電子ビーム加工機600に近づいても磁束密度Byの変化はほとんど見られない。以上より、荷役機械103のコイル180bに電流を流したことで、荷役機械103周辺の地磁気の変化を抑制できたことが、図25からもわかる。荷役機械103における他の構成は、荷役機械100と同様である。従って、ガーダ140の走行方向がランウェイ方向Rである点、及びガーダ140だけでなくランウェイ170にもコイルが巻かれている点に関する説明以外の説明は、荷役機械100での説明のとおりである。
実施の形態4.
実施の形態4である荷役機械104と実施の形態1である荷役機械100との主たる相違点は、図26及び図27に示すように、ガーダ140だけでなくトロリー120にもコイルが巻かれている点である。具体的には、トロリー120が横行する方向をその中心軸の方向とするコイル180cが、トロリー120に巻かれている。
荷役機械104では、トロリー120にもコイル180cを巻回し、これに電流を流すことで、トロリー120周辺の地磁気の変化が減少する。このため、トロリー120が電子ビーム加工機の上部を移動しても、電子ビーム加工機周辺の磁場の変化は抑制される。従って、荷役機械104では、トロリー120の移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。なお、コイル180cにより発生する磁束が、地磁気と完全に対向する必要はなく、南方向へ向かう成分を有していれば、上記の効果を得ることができる。荷役機械104における他の構成は、荷役機械100と同様である。従って、トロリー120にもコイルが巻かれている点に関する説明以外の説明は、荷役機械100での説明のとおりである。
実施の形態5.
実施の形態5における荷役機械105は、図28に示すように、ローピング方式のエレベータ装置である。
荷役機械105のかご601は、主ロープ602によって昇降路603に吊り下げられる箱状の部材であり、鉄などの磁性体で構成されている。つり合いおもり604も、主ロープ602によって昇降路603に吊り下げられる直方体状の部材であり、鉄などの磁性体で構成されている。主ロープ602の一端は、かご601に連結され、他端は、つり合いおもり604に連結される。また、かご601の側面には、かご601の昇降を案内する一対のかごガイドレール612が設置されている。さらに、つり合いおもり604の側面にも、つり合いおもり604の昇降を案内する一対のつり合いおもりガイドレール614が設置されている。
昇降路603の上方には、機械室が設けられている。そして、機械室には、巻き上げ機607が設けられている。主ロープ602は、巻き上げ機607が有する駆動綱車608に巻きかけられている。駆動綱車608が回転すると、主ロープ602は駆動綱車608の回転方向に応じた方向に移動する。これにより、かご601は、昇降路を上昇及び下降する。このとき、つり合いおもり604は、かご601が移動する方向とは逆の方向に昇降路603を上昇及び下降する。
そして、本実施例に係る荷役機械105では、かご601に、電源と接続されたコイル180dが巻かれている。このコイル180dの中心軸の方向は、南北方向と平行である。さらに、荷役機械105では、つり合いおもり604にも、電源と接続されたコイル180eが巻かれている。このコイル180eの中心軸の方向も、南北方向と平行である。
実施の形態5に係る荷役機械105では、コイル180d,180eに電流を流すことで、地磁気の方向と対向する南方向を向く磁束を発生させることができる。これにより、地磁気による磁束が荷役機械105の内部に流入して大きく曲げられることを抑制できる。従って、荷役機械105周辺の地磁気の変化が減少する。その結果、荷役機械105が電子ビーム加工機の近くに設けられ、荷役機械105が移動した場合であっても、電子ビーム加工機周辺の磁場の変化は、地磁気による磁束が荷役機械105の内部に流入して大きく曲げられる場合と比較して小さい。従って、荷役機械105では、その移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響を抑制することができる。なお、コイル180d,180eにより発生する磁束が、地磁気と完全に対向する必要はなく、南方向へ向かう成分を有していれば、上記の効果を得ることができる。
他の実施形態.
本発明に係る荷役機械は、上記実施の形態に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
例えば、本発明に係る荷役機械は、ダブルガーダ式のクレーンに限らず、シングルガーダ式のクレーンであってもよい。また、ガーダの全部が鉄等の磁性体で構成されている必要はなく、その一部が磁性体で構成されていてもよい。
さらに、ガーダ140を中心軸としてコイル180をらせん状に巻いてもよいし、実施の形態1におけるコイル180の巻回部の個数を4つにしてもよい。つまり、ガーダ140へのコイルの巻き方やターン数は任意である。これに加え、コイル180への電源の接続は、各巻回部を直列接続する場合に限らず、巻回部毎に電源を接続してもよい。そして、各巻回部の間に端子台等の中継箇所を設けてもよい。このようにすることで、コイル180を設置する作業が容易になる。
ところで、実施の形態1である荷役機械100では、各巻回部の間隔d1が一定の場合を示した。しかし、これらの間隔は一定である必要はなく、例えばガーダ140の長手方向(南北方向)において、ランウェイに最も近い2つの巻回部の間隔を、ガーダ140中心に最も近い巻回部の間隔よりも狭くしてもよい。これとは逆に、ガーダ140の長手方向(南北方向)において、ランウェイに最も近い2つの巻回部の間隔を、ガーダ140中心に最も近い巻回部の間隔よりも広くしてもよい。これは、ランウェイ170の近傍と、ガーダ140の中央付近とでは、磁場の状態が異なるため、これを加味するためである。このようにすることで、荷役機械へ地磁気による磁束が流入して大きく曲げられることをより効果的に抑制でき、荷役機械の移動に伴う電子ビーム加工機などの加工機械の加工精度への影響をさらに抑制することができる。
また、電子ビーム加工機等の加工機に影響を与える外部磁界として、地磁気に限らず、他の直流磁界、交流磁界であってもよい。なお、交流磁界の場合には、スイッチなどを用いて、コイル180に流す電流の方向を周期的に変えればよい。
100,102〜104 荷役機械(天井クレーン)、105 荷役機械(エレベータ)、120 トロリー、130 横行レール、140 ガーダ、180,180b〜180e コイル、188〜193,188a,189a,381b〜384b 巻回部、181〜187,181a,182a,187a 引き出し部、601 かご、604 つり合いおもり

Claims (10)

  1. 工場内に設けられる荷役機械であって、
    前記工場内を一定方向に移動し、かつ、磁性体から成る部分を備え、
    前記磁性体から成る部分には電源と接続されるコイルが巻かれていること、
    を特徴とする荷役機械。
  2. ガーダを備え、
    前記ガーダの磁性体から成る部分には、電源と接続されるコイルが巻かれていること、
    を特徴とする天井クレーン。
  3. 前記コイルは、前記ガーダの磁性体から成る部分を周回する巻回部、及び前記巻回部の端部から前記巻回部の外部に向かって伸びる引き出し部を有すること、
    を特徴とする請求項2に記載の天井クレーン。
  4. 前記コイルは、前記巻回部を複数有し、
    前記巻回部それぞれは、間隔を空けて設けられていること、
    を特徴とする請求項3に記載の天井クレーン。
  5. 前記ガーダ上に敷設された横行レールを備え、
    前記巻回部の一部は、前記横行レールが伸びる方向において、前記横行レールの一端と前記一端に最も近い前記ガーダの縁との間を通過すること、
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の天井クレーン。
  6. 前記コイルの中心軸は、前記ガーダの長手方向と平行であることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の天井クレーン。
  7. 前記コイルの中心軸は、前記ガーダの長手方向と直交する方向と平行であること、
    を特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の天井クレーン。
  8. 前記ガーダ上を移動するトロリーを備え、
    前記トロリーには電源と接続されるコイルが巻かれていること、
    を特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の天井クレーン。
  9. 工場内を移動するエレベータであって、
    かごを備え、
    前記かごの磁性体から成る部分である磁性体部には、電源と接続されるコイルが巻かれていること、
    を特徴とするエレベータ。
  10. つり合いおもりを備え、
    前記つり合いおもりには、電源と接続されたコイルが巻かれていること、
    を特徴とする請求項9に記載のエレベータ。
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