JP2018140826A - 樹脂被覆ボトル型缶およびその製造方法ならびに樹脂被覆金属板 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂被覆金属板から、首部、肩部、胴部および底部が一体形成された樹脂被覆ボトル型缶を製造可能とする。【解決手段】本発明の樹脂被覆ボトル型缶100は、アルミニウム板と、その両面に位置し、各々が5乃至50mg/m2の範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含んだ樹脂被覆金属板に対して、絞り加工と、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工と、トリミング加工とを施してカップ状の第1の中間体を成形し、前記第1の中間体の開口部にネッキング加工を施して、首部、肩部、胴部および底部を有する第2の中間体を成形し、前記第2の中間体の前記首部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施すことで得られる樹脂被覆ボトル型缶である。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂被覆ボトル型缶およびその製造方法ならびに樹脂被覆金属板に関する。
カップ状の缶胴とタブ付き蓋とから構成される2ピース缶は、一旦開栓すると再栓する機能がない。そのため、2ピース缶入りの飲料には、その場で飲みきらなければならないという不便さがある。こうした問題を解決するために、スクリューキャップを取り付けられるようにした再栓可能なボトル型缶が普及し始めている。
ボトル型缶の第1の製造方法として、以下の方法がある。まず、金属薄板材から打ち抜いた円盤に絞り加工としごき加工とを施すことで、これを底部と胴部とが一体の有底円筒缶に成形する。そして、この有底円筒缶の底部に複数回の絞り加工を行って小径の有底円筒部を形成するとともに肩部を滑らかな曲面にするための再成形(リフォーム)を行い、飲み口になる部分を開口後、小径の円筒部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施してボトル型缶の口首部を得る。また、飲み口とは反対側の下端開口部に対して、別途作成した底蓋を嵌合させるためのフランジ加工を施し、底蓋を巻き締める。
また、ボトル型缶の第2の製造方法としては、有底円筒缶の開口部を加工して肩部および首部を成形する方法がある。すなわち、まず、金属薄板材から打ち抜いた円盤に絞り加工としごき加工とを施すことで、これを底部と胴部とが一体の有底円筒缶に成形する。そして、有底円筒缶を、その胴部の開口端側でネッキング加工して、肩部および首部円筒部を成形することでボトル型の中間成形品とする。その後、首部円筒部に対してねじ、ビード加工を施し開口端をカール加工して口首部を最終形状に成形する。
ところで、従来より、コーヒー、ジュース、およびビールなどの飲料を詰めた金属缶の内外面には、腐食防止を目的として塗料が塗布されてきた。
特許文献1には、上述した第2の製造方法において、ネッキング加工を行なう前の有底円筒缶の内面に、エポキシアクリル共重合体樹脂およびフェノール樹脂を含有する内面塗料の塗布を行ない、その後、ネッキング加工、ねじ加工、ビード加工およびカール加工を施してボトル型缶を成形する方法が記載されている。
特開2005−8166号公報
近年、金属容器内面への塗料の塗布は、塗膜からの溶出物の人体への有害性や、溶剤の環境への悪影響が懸念されている。
これに対し、2ピース缶の製造においては、スチール、ブリキ、およびアルミニウムなどの金属からなる金属板にポリエステル系フィルムをラミネートしてなる樹脂被覆金属板から2ピース缶を成形する技術が実用化されている。
製造効率と塗料の塗布に伴う問題とを考慮すると、前述した第2の製造方法によって、樹脂被覆金属板から首部、肩部、胴部および底部が一体のボトル型缶を製造することが望ましい。
しかしながら、本発明者らは、樹脂被覆金属板からボトル型缶を成形しようとした場合、ボトル型缶の首部における被覆樹脂の剥離、カール部のヘアー状の被覆樹脂剥離などの問題が生じやすいことを見出した。
本発明の目的は、樹脂被覆金属板から、首部、肩部、胴部および底部が一体に形成された樹脂被覆ボトル型缶を製造可能とすることにある。
本発明の第1側面によれば、アルミニウム板と、その両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含んだ樹脂被覆金属板に対して、絞り加工と、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工と、トリミング加工とを施してカップ状の第1の中間体を成形し、前記第1の中間体の開口部にネッキング加工を施して、首部、肩部、胴部および底部を有する第2の中間体を成形し、前記第2の中間体の前記首部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施すことで得られる樹脂被覆ボトル型缶が提供される。
本発明の第2側面によれば、首部、肩部、胴部および底部が一体に成形され、前記首部に、ねじ部、ビード部およびカール部を有する樹脂被覆ボトル型缶の製造に使用する樹脂被覆金属板であって、アルミニウム板と、前記アルミニウム板の両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含む樹脂被覆金属板が提供される。
本発明の第3側面によれば、アルミニウム板と、その両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している樹脂層とを含んだ樹脂被覆金属板に対して、絞り加工と、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工と、トリミング加工とを施して、カップ状の第1の中間体を成形する工程と、前記第1の中間体の開口部にネッキング加工を施して、首部、肩部、胴部および底部を有する第2の中間体を成形する工程と、前記第2の中間体の前記首部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施す工程と、前記ネッキング加工の前、後またはその途中で、前記ねじ加工受ける予定の領域、前記ビード加工受ける予定の領域および前記カール加工を受ける予定の領域の1以上の領域を1回以上加熱して、前記樹脂層を前記領域において無配向にする工程とを含む樹脂被覆ボトル型缶の製造方法が提供される。
本発明によれば、樹脂被覆金属板から、首部、肩部、胴部および底部が一体形成された樹脂被覆ボトル型缶が製造可能となる。
本発明の一実施形態に係る樹脂被覆ボトル型缶を概略的に示す断面図。 図1の樹脂被覆ボトル型缶の一部を拡大して示す断面図。 (A)は樹脂被覆金属板を概略的に示す側面図、(B)は(A)の樹脂被覆金属板をカップ状に絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図。 (C)は図3(B)に示す構造に1回目の再絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図、(D)は(C)に示す構造に2回目の再絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図、(E)は(D)に示す構造にしごき加工およびボトム成形を施した状態を概略的に示す側面図、(F)は(E)に示す構造の破線部でトリミングして得られた第1の中間体を概略的に示す側面図。 (G)は図4(F)の第1の中間体の開口部にネッキング加工を施した状態を概略的に示す側面図、(H)は(G)に示す構造へさらにネッキング加工を施した状態を概略的に示す側面図、(I)はネッキング加工を施して得られた第2の中間体を概略的に示す側面図、(J)は(I)の第2の中間体にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施して得られた樹脂被覆ボトル型缶を概略的に示す側面図。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同様または類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
<樹脂被覆ボトル型缶>
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂被覆ボトル型缶100を概略的に示す断面図である。図2は、図1の樹脂被覆ボトル型缶100の一部を拡大して示す断面図である。
図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100は、底部10、胴部20、肩部30および首部40を一体に有している。また、図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100は、図2に示すように、アルミニウム板110と、その両面に位置する一対の化成皮膜120と、これら一対の化成皮膜120をそれぞれ被覆している一対の樹脂層130とを含んでいる。
樹脂被覆ボトル型缶100は、250mL乃至500mLの容積を有していることが好ましい。樹脂被覆ボトル型缶100は、例えば、290mL用ボトル缶、300mL用ボトル缶または400mL用ボトル缶である。
樹脂被覆ボトル型缶100の高さH1は、120mm乃至200mmの範囲内にあることが好ましく、129mm乃至197mmの範囲内にあることがより好ましい。例えば、290mL用ボトル缶の場合、高さH1は131mmとすることができ、300mL用ボトル缶の場合、高さH1は133mmとすることができ、400mL用ボトル缶の場合、高さH1は164mmとすることができる。
底部10は、図1に示すように樹脂被覆ボトル型缶100の内部空間に向かってドーム状に凹んでいる。樹脂被覆ボトル型缶100は、このような構造を有することで、缶の内圧が高まった場合でも底部10の変形を生じにくい。なお、底部10は平らであってもよい。
底部10におけるアルミニウム板110の厚さT1は、0.22mm乃至0.40mmの範囲内にあることが好ましく、0.24mm乃至0.32mmの範囲内にあることがより好ましい。
胴部20は、底部10と肩部30との間を一定の外径で連絡している。胴部20の外径W1は、50mm乃至70mmの範囲内にあることが好ましく、52mm乃至67mmの範囲内にあることがより好ましい。胴部20の高さH4は、60mm乃至140mmの範囲内にあることが好ましく、75mm乃至130mmの範囲内にあることがより好ましい。
胴部20において、底部10と肩部30との中間位置でのアルミニウム板110の厚さT2は、0.08mm乃至0.20mmの範囲内にあることが好ましく、0.10mm乃至0.18mmの範囲内にあることがより好ましい。また、胴部20の肩部30と隣接した位置でのアルミニウム板110の厚さT3は、0.16mm乃至0.24mmの範囲内にあることが好ましく、0.17mm乃至0.23mmの範囲内にあることがより好ましい。
典型的には、胴部20において、樹脂層130の面配向係数ΔPは小さい。例えば、樹脂被覆ボトル型缶100の製造において、胴部20を形成した後に樹脂層130の配向度を低減させる熱処理をこの構造全体に対して行なった場合、胴部20における樹脂層130の面配向係数ΔPは0.04以下である。また、上記の熱処理を首部40に対応した部分または肩部30と首部40とに対応した部分に対してのみ行なった場合には、胴部20における樹脂層130の面配向係数ΔPは、例えば、0.05乃至0.08の範囲内にある。
ここで、面配向係数ΔPは、面内における最大屈折率Nxと、面内において最大屈折率Nxを示す方向に対して直交する方向における屈折率Nyと、厚さ方向の屈折率Nzとを測定し、これら測定結果を用いて、以下の式から算出される値である。
ΔP=(Nx+Ny)/2−Nz
屈折率Nx、Ny及びNzは、例えば、アッベ屈折計を用いて測定することができる。アッベ屈折計を用いた測定は、JIS K7142:2014(「プラスチック−屈折率の求め方」)において規定されている。
ところで、アッベ屈折計で測定するのに十分なサイズの平滑な試験片が採取できない場合などは面配向係数を直接に求めることができない。こうした場合はX線回折装置で測定してもよい。ポリエチレンテレフタレートフィルムの配向度は回折角2θ=26°付近の回折強度から求められ、このX線回折強度と面配向係数には相関があることが知られており、同一組成のフィルムで互いの相関関係を求めることで面配向係数が分る。
なお、面配向係数ΔPが0.04以下である場合、樹脂層を構成する高分子の配向状態は無配向であるとする。
肩部30は、胴部20と首部40との間に位置し、胴部30から首部40へ向けて縮径している。肩部30の高さH3は、10mm乃至60mmの範囲内にあることが好ましく、15mm乃至45mmの範囲内にあることがより好ましい。
肩部30において、アルミニウム板110の厚さT4は、0.18mm乃至0.36mmの範囲内にあることが好ましく、0.19mm乃至0.30mmの範囲内にあることがより好ましい。
樹脂被覆ボトル型缶100の製造において、肩部30を形成した後に樹脂層130の配向度を低減させる熱処理を肩部30を含む部分又は全体に対して行なった場合、肩部30における樹脂層130の面配向係数ΔPは、例えば、0.04以下である。また、肩部30を形成した後に上記の熱処理を首部40に対してのみ行なった場合には、肩部30における樹脂層130の面配向係数ΔPは、例えば、0.05乃至0.08の範囲内にある。
首部40は、肩部30と連絡している。首部40は、カール部41とねじ部42とビード部43とを有している。首部40の外径W2は、26mm乃至48mmの範囲内にあることが好ましく、27mm乃至47mmの範囲内にあることがより好ましい。首部40の高さH2は、15mm乃至55mmの範囲内にあることが好ましく、25mm乃至36mmの範囲内にあることがより好ましい。
首部40において、肩部30と隣接した位置でのアルミニウム板110の厚さT5は、0.25mm乃至0.39mmの範囲内にあることが好ましく、0.26mm乃至0.37mmの範囲内にあることがより好ましい。
典型的には、首部40において、樹脂層130の面配向係数ΔPは大きい。例えば、首部40における樹脂層130の面配向係数ΔPは、0.06乃至0.09の範囲内にある。
カール部41は、首部40の上端の開口端であって、外巻きにカール加工された部分である。カール部41は、首部40の上端の開口端であって、内巻きにカールされた部分であってもよい。カール部41の外径W3は、23mm乃至45mmの範囲内にあることが好ましく、24mm乃至43mmの範囲内にあることがより好ましい。
カール部41の外径W3に対する胴部20の外径W1の比W1/W3は1.2以上であることが好ましく、1.7以上であることがより好ましい。比W1/W3が大きいほど、ここで説明する技術はより有益である。なお、比W1/W3に上限はないが、多くのボトル型缶は、比W1/W3が2.7以下である。
カール部41において、アルミニウム板の厚さT6は、0.25mm乃至0.39mmの範囲内にあることが好ましく、0.26mm乃至0.37mmの範囲内にあることがより好ましい。
ねじ部42は、カール部41の下方に位置し、ねじ溝またはねじ山が設けられている部分である。ねじ部42は、図示しないキャップと螺合する。これにより、樹脂被覆ボトル型缶の再栓が可能となる。図示しないキャップは、例えば、ピルファープルーフキャップである。
ビード部43は、ねじ部42の下方に位置し、縮径している部分であって、首部40の周方向に沿ってのびた溝を有している。ビード部43は、例えば、上述したピルファープルーフキャップを開栓したあとにキャップのスカート部の下端部が、上記溝の側壁に係止するように形成されている。
<樹脂被覆ボトル型缶の製造方法>
図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100は、例えば、図3乃至図5に示す方法によって製造する。図3(A)は樹脂被覆金属板を概略的に示す側面図である。図3(B)は図3(A)の樹脂被覆金属板100aをカップ状に絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図である。図4(C)は図3(B)に示す構造100bに1回目の再絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図である。図4(D)は図4(C)に示す構造100cに2回目の再絞り加工を施した状態を概略的に示す側面図である。図4(E)は図4(D)に示す構造100dにしごき加工およびボトム成形を施した状態を概略的に示す側面図である。図4(F)は図4(E)に示す構造100eに破線部BLでトリミングして得られた第1の中間体100fを概略的に示す側面図である。図5(G)は図4(F)の第1の中間体100fの開口部にネッキング加工を施した状態を概略的に示す側面図である。図5(H)は図5(G)に示す構造100gにさらにネッキング加工を施した状態を概略的に示す側面図である。図5(I)はネッキング加工を施して得られた第2の中間体100iを概略的に示す側面図である。図5(J)は図5(I)の第2の中間体100iにねじ加工、ビード加工およびカール加工を施して得られた樹脂被覆ボトル型缶100を概略的に示す側面図である。以下に、図3乃至図5に示す方法を工程順に説明する。
(準備)
図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100の製造に先立って、図3に示す樹脂被覆金属板100aを準備する。
樹脂被覆金属板100aは、図2の樹脂被覆ボトル型缶100の一部を拡大した断面図に示すように、アルミニウム板と、その両面に位置した一対の化成皮膜と、これら化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含んでいる。なお、図3(A)に示す樹脂被覆金属板100aは、プレス等の加工を施す前の状態である。したがって、図3(A)に示す樹脂被覆金属板100aは、図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100を構成している板とは、各層の厚さ等が異なっている。
樹脂被覆金属板100aに含まれるアルミニウム板としては、純アルミニウムからなるアルミニウム板を用いてもよいし、アルミニウムに、銅、マグネシウム、マンガンおよび鉄等の合金用金属を少量含有させてなるアルミニウム合金板を用いてもよい。このようなアルミニウム合金板としては、例えば、A3004材やA3104材を使用することができる。アルミニウム板の厚さは、缶の大きさや用途に応じて決定する。アルミニウム板110の厚さは、例えば、0.22mm乃至0.40mmの範囲内にあることが好ましい。このような厚さを有するアルミニウム板110は、高い成形性、内容物充填時のキャッピング荷重に対する高い耐性および優れた経済性を達成する上で有利である。
樹脂被覆金属板に含まれる化成皮膜120は、アルミニウム板110の両面に施された表面処理によって形成される皮膜である。表面処理は、りん酸クロメート処理であることが好ましい。りん酸クロメート処理は、公知の方法、例えば、りん酸クロメート処理液にアルミニウム板を浸漬させるか、もしくは、アルミニウム板に処理液をスプレーし、その後に、アルミニウム板を水洗し、乾燥する方法、または、りん酸クロメート処理液をアルミニウム板に塗布し、その後に加熱し、乾燥する方法によって行なうことができる。りん酸クロメート処理を施すことにより、アルミニウム板の腐食が生じにくくなる。
化成皮膜に含まれるトータルクロム量は、5mg/m乃至50mg/mの範囲内にある。化成皮膜に含まれるトータルクロム量は、10mg/m乃至30mg/mの範囲内にあることが好ましく、10mg/m乃至20mg/mの範囲内にあることがより好ましい。トータルクロム量は、従来公知の方法、例えば、蛍光X線分析装置により測定することができる。トータルクロム量が小さすぎる場合、アルミニウム板と樹脂層との密着力が、首部40の成形に不十分となる虞がある。また、トータルクロム量が大きすぎる場合、加工途中に化成皮膜が割れて、樹脂層がアルミニウム板から剥離し易くなる虞がある。このことは、化成皮膜が割れ易い性質を有しており、膜厚が大きくなりすぎると、化成皮膜自体が高度な加工に耐えられなくなり、凝集破壊が起こり易くなることに起因すると考えられる。
なお、トータルクロム量は、例えば、りん酸クロメート処理の処理時間および処理温度の少なくとも一方を変更することによって、調整することができる。
樹脂被覆金属板100aに含まれる樹脂層は、ポリエステルを含み、一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している。これら樹脂層の各々は、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。これら樹脂層のうち、樹脂被覆ボトル型缶100の内面を構成する第1の樹脂層の厚さは、10μm乃至30μmの範囲内にあることが好ましく、18μm乃至25μmの範囲内にあることがより好ましい。また、これら樹脂層のうち樹脂被覆ボトル型缶100の外面を構成する第2の樹脂層の厚さは、8μm乃至20μmの範囲内にあることが好ましく、10μm乃至15μmの範囲内にあることがより好ましい。
樹脂層には、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用することが好ましい。
この場合、樹脂層に含まれるジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率は、1.5乃至15%の範囲内にあることが好ましく、3乃至10%の範囲内にあることがより好ましい。イソフタル酸成分のモル分率が上述した範囲内にある場合、アルミニウム板と樹脂層との密着性およびしごき加工性に特に有利である。ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が小さすぎる場合、アルミニウム板と樹脂層との密着性が低く、成形段階で樹脂層が剥離する虞がある。また、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が大きすぎる場合、成形段階の加熱工程において、表面にクレーター状の肌荒れが発生する虞がある。なお、この肌荒れは、樹脂層中の低分子成分が増加したことに起因すると考えられる。
樹脂層に含まれるジカルボン酸におけるテレフタル酸成分のモル分率は、75乃至98.5%の範囲内にあることが好ましく、84乃至97%の範囲内にあることがより好ましい。ジカルボン酸におけるテレフタル酸成分のモル分率が小さすぎる場合、成形段階の加熱工程において、表面にクレーター状の肌荒れが発生する虞がある。また、ジカルボン酸におけるテレフタル酸成分のモル分率が大きすぎる場合、アルミニウム板と樹脂層との密着性が低く、成形段階で樹脂層が剥離する虞がある。
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂において、テレフタル酸は、アルミニウム板へのラミネート性および缶成形時の特性を損なわない範囲で、その一部をテレフタル酸及びイソフタル酸以外のジカルボン酸(以下、「他のジカルボン酸成分」という)へ置き換えてもよい。樹脂層に含まれるジカルボン酸における他のジカルボン酸成分のモル分率は、10%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましい。他のジカルボン酸成分としては、例えば、ダイマー酸、コハク酸、アジピン酸、トリメリット酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,12−ドデカン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などを使用することができる。他のジカルボン酸成分としては、1種類を単独で使用してもよいし、上述したモル分率の範囲内で2種類以上使用してもよい。
エチレングリコールは、アルミニウム板へのラミネート性および缶成形時の特性を損なわない範囲で、その一部を他のジオール成分へ置き換えてもよい。ジオール成分における他のジオール成分のモル分率は、10%以下であることが好ましく、6%以下であることがより好ましい。他のジオール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、およびシクロヘキサンジメタノールなどを使用することができる。他のジオール成分としては、1種類を単独で使用してもよいし、上述したモル分率の範囲内で2種類以上を使用してもよい。
樹脂層は、極限粘度(IV)が0.65dL/g以上であることが好ましく、0.7dL/g以上であることがより好ましい。極限粘度(IV)が小さすぎる場合、成形段階の加熱工程において、表面にクレーター状の肌荒れが発生する虞がある。このことは、樹脂層中の低分子成分が多すぎることに起因すると考えられる。極限粘度(IV)は、大きいほど好ましいが、0.8dL/g以上にすることは技術的に困難である。なお、極限粘度(IV)は、JIS K7367−1:2002(「プラスチック−毛細管粘度計を用いたポリマー希釈溶液の粘度の求め方−第1部:通則」)において規定された方法によって求めることができる。
なお、樹脂被覆金属板100aに含まれる樹脂層が多層構造を有している場合、これを構成している各層が、樹脂の極限粘度および樹脂組成について上述した条件を満たしていることが好ましい。
樹脂層は、アルミニウム板へのラミネート性および缶成形時の特性を損なわない範囲で改質材を含んでいてもよい。改質材としては、アンチブロッキング材、酸化防止剤、熱安定剤、着色顔料、およびポリエチレンワックス等の滑性向上材を使用することができる。
化成皮膜で被覆されたアルミニウム板へ樹脂層を設ける手段としては、フィルムラミネート法および押出ラミネート法などの公知の手段を利用することができる。フィルムラミネート法とは、例えば、加熱されたアルミニウム板と、その両面に設置したラミネートロールとの間に樹脂フィルムを挟み込み、アルミニウム板の熱でフィルムを溶融圧着させる方法である。押出ラミネート法とは、例えば、押出機から押し出した溶融樹脂をTダイを介してアルミニウム板上にコートする方法である。
図1に示す樹脂被覆ボトル型缶100は、アルミニウム板110と樹脂層130との間に接着剤を含んでいない。ただし、アルミニウム板への樹脂層のラミネートは、アルミニウム板へのラミネート性および缶成形時の特性を損なわない範囲の厚さの接着剤層を間に挟んで行ってもよい。接着剤層を含んでいる場合、接着剤層の厚さは、0.5μm乃至3μmの範囲内にあることが好ましい。接着剤層の厚さが大きすぎる場合、硬化後の加工性が樹脂層と比較して劣り、首部40の成形段階で樹脂層が剥離する虞がある。接着剤としては、エポキシ/フェノール、エポキシ/メラミン、ポリエステル/フェノール、およびポリエステル/メラミンなどの熱硬化型接着剤を使用することができる。
(打ち抜き工程)
打ち抜き工程では、準備した樹脂被覆金属板100aを、プレスにより、例えば、円盤状に打ち抜く。
プレスによる打ち抜きに先立ち、準備した樹脂被覆金属板100aの両面を成形潤滑剤で被覆してもよい。ここで、成形潤滑剤としては、合成パラフィン、流動パラフィン、天然ワックスおよび食用油などを用いることができる。成形潤滑剤としては、これらのうち1種類を単独で塗布してもよいし、2種類以上を塗布してもよい。なお、成形潤滑剤の塗布は、公知の方法で行なってよい。
プレスによる打ち抜きは、樹脂被覆金属板100aを円盤状に打ち抜くように行うことが好ましい。円盤状に打ち抜くことによって、缶の成形において材料に無駄が生じにくく、優れた経済性の達成において有利である。樹脂被覆金属板100aを円盤状に打ち抜く場合、円盤の直径は120mm乃至180mmの範囲内にあることが好ましく、130mm乃至170mmの範囲内にあることがより好ましい。
(カッピング工程)
カッピング工程では、図3(A)に示す樹脂被覆金属板100aに対して、絞り加工を施す。これにより、図3(B)に示す構造100bを得る。構造100bは、底部10と胴部20とを有する有底円筒缶である。
(再絞り加工および/またはしごき加工工程)
次に、構造100bに、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工を施す。これにより、例えば、図4(C)乃至図4(E)に示すように、構造100bの伸長と縮径とを行なう。すなわち、まず、再絞り加工を行なって、図4(C)に示すように、構造100bと比較してより高く且つ径がより小さな構造100cを得る。次に、2回目の再絞り加工を行なって、図4(D)に示すように、構造100cと比較してより高く且つ径がより小さな構造100dを得る。続いて、しごき加工を行ない、ボトム成形を行なって、図4(E)に示すように、構造100dと比較してより高く、底部10にドーム状の凹みを有する構造100eを得る。
再絞り加工および/またはしごき加工は、例えば、1以上の再絞り加工ダイと1以上のしごきダイとパンチとを備えた装置(ボディメーカー)によって行なう。再絞り加工および/またはしごき加工は、通常、合計で3乃至4回行なう。
(トリミング加工工程)
続いて、構造100eに対して、その開口端を図4(E)に示す破線部BLの位置で切断するトリミング加工を施す。これにより、第1の中間体100fを得る。ここで、破線部BLは、樹脂被覆ボトル型缶100の高さ方向に対して垂直な線である。
(印刷および/または塗装工程)
樹脂被覆ボトル型缶100として、印刷および/または塗装が施されているものを製造する場合には、第1の中間体100fに対して印刷および/または塗装を行なうことが好ましい。この場合、第1の中間体100fへの印刷および/または塗装に先立ち、第1の中間体100fに付着した成形潤滑剤を除去してもよい。成形潤滑剤は、例えば、150乃至200℃の熱風を第1の中間体100fへ吹き付けることにより除去することができる。第1の中間体100fは、肩部30および首部40が成形される前の構造であるため、胴部20が直線性を維持しており、印刷および/または塗装を行ない易い。
第1の中間体100fへ印刷および/または塗装を施した場合、例えば、200℃乃至230℃の加熱乾燥オーブンで加熱することによって印刷インキおよび/または塗料の熱硬化を促進してもよい。なお、印刷されたシュリンクフィルムを、内容物が充填された後の缶に巻きつける場合には、印刷および/または塗装の工程は省略することができる。
(ネッキング加工工程)
次に、第1の中間体100fの開口部に対して、ネッキング加工を施す。これにより、図5(I)に示す第2の中間体100iを得る。ネッキング工程では、例えば、図5(G)及び図5(H)に示すように、第1の中間体100fの開口部の縮径を行なう。すなわち、まず、図5(G)に示すように、第1の中間体100fと比較して開口部の径がより小さな構造100gを得る。次に、図5(H)に示すように、構造100gと比較して開口部の径がより小さな構造100hを得る。このような縮径を複数の段階に分けて行い、図5(I)に示すように、首部40、肩部30、胴部20および底部10を一体に有する第2の中間体100iを得る。ネッキング加工は、外観的に要求される肩部曲線の滑らかさに応じて通常、4乃至40回の段階に分けて行なう。
このネッキング加工では、図5(I)に示すように、開口部付近に、肩部30であるテーパー部と、首部40となるストレート部とを形成する。このストレート部は、胴部20に対して縮径しており、ねじ加工、ビード加工、及びカール加工が行われる部分である。
この縮径ストレート部の高さは、15mm以上であることが好ましい。縮径ストレート部の高さが低いと、十分な数のねじ山またはねじ溝を形成できず、キャッピングした時の密封性を確保することが難しくなる。
このストレート部として、ビード加工用のストレート部、ねじ加工用のストレート部、及びカール加工用のストレート部というように、それぞれの加工に適した直径を有する多段のストレート部を形成してもよい。
また、カール加工を行う際、開口部先端が円周方向に歪んでいることは好ましくない。したがって、そのような歪みが問題となる場合は、第2の中間体100iの開口端部に対してトリミングを行い、その開口部近傍の形状を整えてもよい。
ネッキング加工に先立ち、第1の中間体100fを、上述した成形潤滑剤で再度被覆することが好ましい。また、この成形潤滑剤による被覆は、後述する加熱処理、具体的には、樹脂層を無配向するための加熱処理と、それに続くネッキング加工との間に行うことが好ましい。
ネッキング加工の前、後またはその途中に、ねじ加工を受ける予定の領域、ビード加工を受ける予定の領域およびカール加工を受ける予定の領域の1以上の領域に対して1回以上の加熱処理を行ない、樹脂層を無配向にすることが好ましい。なお、加熱処理については、後に詳細を記載する。
(ねじ加工、ビード加工、およびカール加工工程)
ネッキング加工及び加熱処理を行なった後に、第2の中間体100iの首部40にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施す。ねじ加工、ビード加工およびカール加工は、例えば、以下のように行なう。まず、首部40の円筒部にキャップ螺合用のねじ溝を設けてねじ部42を成形する。ねじ加工は、例えば、首部40の円筒部の内面側と外面側とからそれぞれねじ成形用ローラを押し付けて行なう。ねじ加工と同時か、ねじ加工に続けて、ねじ部42の下方にビード部43を成形する。ビード部43は、首部40の周方向に沿って延び、内側に向かって凹んだ環状凹部を形成することによって成形する。続いて、首部40の開口端部をカール成形装置によって外巻きに加工し、カール部41を成形する。なお、ねじ加工、ビード加工およびカール加工を行なう順番は、変更してもよい。また、カール加工を施す前に、開口端部をトリミングしてもよい。
(加熱処理)
ねじ加工を受ける予定の領域、ビード加工を受ける予定の領域およびカール加工を受ける予定の領域の1以上の領域を1回以上加熱して、樹脂層を上記領域において無配向にすることが好ましい。加熱は、印刷および/または塗装を行なった後であって、ネッキング加工を行なう前、ネッキング加工を行なった後であって、ねじ加工、ビード加工およびカール加工を行なう前、または、ネッキング加工の途中で行なうことが好ましい。加熱処理の少なくとも1回は、印刷および/または塗装を行なった後であって、ネッキング加工を行なう前に行なうことがより好ましい。このようなタイミングで加熱処理を行なう場合、一つのオーブンを通過する過程の前半でインキおよびクリアコートの硬化を行い、後半で樹脂層の溶融を行なうことができる。このプロセスは、低い設備費、低い加熱エネルギー、および樹脂層の低い熱劣化を達成する上で有利である。
ねじ加工、ビード加工およびカール加工を受ける予定の領域において樹脂層を無配向にするうえで、上記領域の表面温度は、「被覆樹脂の融点−10℃」乃至「被覆樹脂の融点+50℃」の範囲内にあることが好ましく、「被覆樹脂の融点−5℃」乃至「被覆樹脂の融点+20℃」の範囲内にあることがより好ましい。
ここで、被覆樹脂の融点とは、示差走査型熱量計(DSC)で5mgの試料を1分あたり10℃の昇温速度で測定したときの吸熱ピークの読み取り温度のことであり、溶融を示す吸熱反応は、そのピーク(融点)からおよそ10℃低いところから急激に始まる。このような温度範囲で樹脂層を加熱することで、樹脂層を構成している分子の配向はランダムになり、その後に行なう加工の際に、樹脂層の剥離等を生じにくくなる。
表面温度が低すぎる場合、樹脂層の溶融が不十分となり、樹脂層を構成している分子が配向しているため、その後に行なう加工の際に、樹脂層の剥離等を十分に防止できなくなる虞がある。また、表面温度が高すぎる場合には、被覆樹脂の溶融粘度が低下しすぎることとなり、ボトル型缶の表面にクレーター状の外観不備が発生する虞がある。このことは、樹脂層の熱分解が始まり、低分子成分が増加してしまうことに起因すると考えられる。
加熱処理は、ねじ加工を受ける予定の領域、ビード加工を受ける予定の領域およびカール加工を受ける予定の領域の全ての領域を加熱するように行うことが好ましい。加熱処理は、加熱オーブンを使用して、中間体の開口部先端のみがコンベアに触れるようなボトムアップの姿勢で行なうことが好ましい。また、このとき、複数の中間体が互いに接触しないように配置するとともに、この状態を、中間体が加熱オーブンを出て、樹脂層が冷えて固化するまで維持することが好ましい。
樹脂層を冷却固化する方法は、特に限定されない。樹脂層を冷却固化する方法としては、例えば、室温以下の風が供給される冷却ゾーンを加熱オーブンの出口に設けて強制的に冷却する方法が挙げられる。この方法によれば、製造ラインの設置面積の節約が可能となる。なお、加熱および冷却は、加工を行なう領域に対してのみ行なってもよく、全体に対して行なってもよい。
樹脂被覆金属板100aに、絞り成形および絞りしごき成形などを施してカップ状の立体的な形状へと加工すると、その側壁部では、樹脂層を構成している高分子が高さ方向に配向して、配向結晶を生じる。しかしながら、加熱処理が施された領域では、樹脂層を構成している高分子の配向状態が消滅し、無配向になっている。これら配向の状態は、アッベ屈折計やX線回折装置などによって調べることが可能である。
この加熱処理は、カール部41の外径W3に対する胴部20の外径W1の比W1/W3が1.2未満である場合には、省略してもよい。加工に伴う変形の程度が小さい場合には、アルミニウム板に対する樹脂層の密着性の低下は、それほど大きくはない。したがって、この場合、上記の加熱処理なしでも、ねじ加工、ビード加工またはカール加工の際に、樹脂層の剥離を防止できる。また、上記の加熱処理を省略すれば、樹脂被覆ボトル型缶100の製造において消費するエネルギーを節約できる。
カール部41の外径W3に対する胴部20の外径W1の比W1/W3が2.0を超える場合は、多段で行うネッキング加工の途中で、上記の加熱処理を1回以上行うことが好ましい。この場合、ネッキング加工の前に上記の加熱処理をさらに行ってもよく、ネッキング加工の前に上記の加熱処理を行わなくてもよい。
なお、上記の通り、この加熱処理を行った場合には、これに続くプレス加工の前に、成形潤滑剤による被覆を再度行うことが好ましい。
<充填工程およびキャッピング工程>
上述した樹脂被覆ボトル型缶100には、通常、内容物を充填し、キャッピングを行う。一例によれば、内容物は、飲料などの液体である。キャッピングには、例えば、ピルファープルーフキャップを使用する。
ピルファープルーフキャップは、例えば、キャップ本体と柔軟性樹脂層とを含んでいる。
キャップ本体は、例えば、樹脂被覆金属板からなる成形品である。キャップ本体は、円形の天板部と、その一方の主面の周縁部から円筒状に突き出た側壁部とを含んでいる。キャップ本体の側壁部、すなわち、ピルファーキャップのスカート部には、ミシン目状のスリットが周方向に設けられている。
柔軟性樹脂層は、天板部の上記主面に設けられている。柔軟性樹脂層は、樹脂被覆ボトル型缶100のキャッピングを行った場合にカール部41と密着して、内容物入りボトル型缶の密閉状態を確実にする。
キャッピングに際しては、このピルファープルーフキャップを樹脂被覆型ボトル缶100の首部40に被せ、天板部全面に所定の荷重をかけてカール部41が柔軟性樹脂に食い込んだ状態を維持しながら、キャップの横からねじ切りロールが寄ってきてネジ部42をなぞるようにキャップ本体の側壁部を成形することで内容物入りボトル缶の密封状態が維持される。
また、キャッピングに際しては、ピルファープルーフキャップのスカート部の下端部を、ビード部43に設けられた溝の壁面と密着するように縮径させる。こうすると、開栓するべくピルファープルーフキャップを回転させたときに、ピルファープルーフキャップのうち、ミシン目状のスリットよりも上方に位置した部分は持ちあがり、ピルファープルーフキャップの残りの部分は、スカート部の下端部とビード部43との係合により上方へ移動できずに、その場に留まる。その結果、スリットとスリットとの間のブリッジが切れ、後者の部分は、前者の部分からリング状に切り離され、樹脂被覆ボトル型缶100のビード部43上に残ることになる。このブリッジが切れているか切れていないかによって、内容物入りボトル型缶が未開封であるか否かを判別できる。それ故、いたずらによる事故を防止できる。
以上のように、ねじ加工、ビード加工、及びカール加工は、樹脂被覆金属缶にとって不可欠であり、その部分に被覆樹脂の剥離欠陥があってはならない。
<効果>
樹脂被覆金属板から一体構造のボトル型缶を成形する方法によると、樹脂層からの溶出物が少ないボトル型缶を、塗料を使用して樹脂層を形成した場合に生じる溶剤の問題なしに製造することが可能である。さらに、そのような樹脂被覆ボトル型缶は、底部と、胴部と、肩部と、首部とが一体成形されるため、高い製造効率を達成することが可能である。
但し、このような方法では、円盤状に打ち抜いた樹脂被覆金属板に様々なプレス加工を施して複雑な立体形状へ成形するため、特に、成形歪が最も大きな開口部先端で、樹脂層のアルミニウム板に対する密着力が低下し、その剥離を生じやすい。この剥離の問題は、特に、カール部の外径に対する胴部の外径の比が1.2以上である場合に顕著である。
これに対し、上述した方法では、有底円筒缶の開口部を加工して、樹脂被覆ボトル型缶を成形しても、首部における被覆樹脂の剥離、カール部のヘアー状の被覆樹脂剥離などの問題は生じにくい。そのため、この方法によって得られる樹脂被覆ボトル型缶100は、樹脂被覆金属板の変形量が大きいにも関わらず、ねじ部、ビード部およびカール部における樹脂層とアルミニウム板との密着性に優れている。また、この方法では、剥離した樹脂が缶の内部に落ちることによる異物混入や、内容物充填後のキャップ装着時にヘアー状になった樹脂が密封部に挟みこまれることによる密封性の低下などの虞を低減することができる。すなわち、上記の方法によると、樹脂被覆金属板から、首部、肩部、胴部および底部が一体形成された樹脂被覆ボトル型缶が製造可能となる。
以下に、本発明の具体例を記載する。
(例1)
図1及び図2を参照しながら説明した樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。まず、樹脂被覆金属板100aを準備した。具体的には、厚さ0.34mmの3014−H19材をアルミニウム板として使用し、このアルミニウム板にりん酸クロメート処理を施し、その両面に一対の化成皮膜を設けた。なお、これら化成皮膜の各々に含まれるトータルクロム量は10mg/mであった。さらに、これら化成皮膜のうち、缶の内面側に位置する面に厚さが20μmの樹脂層を設け、外面側に位置する面に厚さが12μmの樹脂層を設けた。これら樹脂層には、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した。このイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度は0.72dL/gであった。また、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂は、これに含まれるジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が5%であり、融点が241℃であった。
この樹脂被覆金属板100aを使用して、図3乃至図5を参照しながら説明した方法により、樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。まず、上記の樹脂被覆金属板100aの両面に流動パラフィンを塗布し、プレスにより直径が155mmの円盤を打ち抜いた。そして、この円盤に絞り加工を施し、構造100bを得た。次に、構造100bに対し、2回の再絞り加工としごき加工と開口部端部のトリミングを施し、外径W1が66mm、高さが165mmの第1の中間体100fを得た。
続いて、この第1の中間体100fに180℃の熱風を約30秒吹きつけて、流動パラフィンを消失させた。その後、第1の中間体100fの胴部20に、印刷機による印刷およびクリアコートの塗装を施し、加熱処理を行なった。
加熱処理は、加熱オーブンを第1乃至第3の領域に分け、それらをこの順で通過するように第1の中間体100fをボトムアップの姿勢でコンベアで運搬させて行なった。
まず、第1の領域では、第1の中間体100fの表面温度が210℃となるように加熱を行い、インキおよびクリアコートの熱硬化を促した。続いて、第2の領域では、第1の中間体100fのうち、少なくともネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が260℃となるように加熱を行った。最後に、第3の領域では、加熱されていない空気を第1の中間体100fへ吹きかけて、その冷却を行なった。
次に、この第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域に流動パラフィンを塗布し、第1の中間体100fの開口部に1回あたり平均で1mmの縮径を28回繰り返し、外径W2が38mm、高さが28mmの首部40を成形した。
最後に、首部40に対して、環状凹部の段差が1.3mmであるビード部43と、ねじ山の高さが0.7mmであるねじ部42と、外径W3が33.5mmであるカール部41とを成形した。
(例2)
各化成皮膜のトータルクロム量を5mg/mとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例3)
各化成皮膜のトータルクロム量を50mg/mとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例4)
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂として、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が2%であり、融点が250℃であるものを使用したこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例5)
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂として、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が12%であり、融点が223℃であるものを使用したこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例6)
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度(IV)を0.65dL/gとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例7)
加熱処理において、加熱オーブンの第2の領域で、第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が231℃となるように加熱を行ったこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例8)
加熱処理において、加熱オーブンの第2の領域で、第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が291℃となるように加熱を行ったこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例9)
ネッキング加工において、第1の中間体100fの開口部に1回あたり平均で1mmの縮径を13回繰り返し、外径W2が53mm、高さが28mmの首部40を成形し、カール部41の外径W3を49mmとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(例10)
以下の点を除いて、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。すなわち、ネッキング加工において、第1の中間体100fの開口部に1回あたり平均で1mmの縮径を21回繰り返し、外径を45mmまで縮径した。その後、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が260℃となるように2回目の加熱処理を行なった。続いて、この構造のネッキング加工を受ける予定の領域に流動パラフィンを塗布し、45mmの外径を有する開口部に対して1回あたり平均で1mmの縮径加工を22回行った。これにより、首部40の外径W2を28mmとし、カール部41の外径W3を24mmとした。
(比較例1)
各化成皮膜のトータルクロム量を3mg/mとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(比較例2)
各化成皮膜のトータルクロム量を60mg/mとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(比較例3)
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂として、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が1%であり、融点が253℃であるものを使用したこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100の製造を試みた。しかしながら、第1の中間体100fの開口部付近で樹脂層130の剥離が生じた。そのため、それ以降の成形は実施しなかった。
(比較例4)
以下の点を除いて、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100の製造を試みた。すなわち、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂として、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分のモル分率が16%であり、融点が210℃であるものを使用した。そして、加熱処理において、加熱オーブンの第2の領域で、第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が230℃となるように加熱を行った。しかしながら、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。そのため、それ以降の成形は実施しなかった
(比較例5)
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度(IV)を0.62dL/gとしたこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100の製造を試みた。しかしながら、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。そのため、それ以降の成形は実施しなかった。
(比較例6)
加熱処理において、加熱オーブンの第2の領域で、第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が225℃となるように加熱を行ったこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100を製造した。
(比較例7)
加熱処理において、加熱オーブンの第2の領域で、第1の中間体100fのうち、ネッキング加工を受ける予定の領域の表面温度が300℃となるように加熱を行ったこと以外は、例1と同様の方法で樹脂被覆ボトル型缶100の製造を試みた。しかしながら、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。そのため、それ以降の成形は実施しなかった。
<評価>
上述した方法によって得られた樹脂被覆ボトル型缶100について、開口部の成形性評価を行なった。具体的には、第1の中間体の開口部における樹脂層の状態と、ねじ部およびビード部における樹脂層の状態と、カール部における樹脂層の状態とを目視で評価した。そして、樹脂層の状態が全ての項目について良好であった樹脂被覆ボトル型缶は「○」、樹脂層の剥離や肌荒れ等の異常が1つでも認められた樹脂被覆ボトル型缶または中間体は「×」と評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
表1に示す通り、例1乃至10に係る樹脂被覆ボトル型缶100では、第1の中間体100fの開口部と、ねじ部42およびビード部43と、カール部41との全ての部位で樹脂層130の状態に問題は認められなかった。
これに対し、表2に示す通り、比較例1乃至7に係る樹脂被覆ボトル型缶100では、以下のように、第1の中間体100fの開口部、ねじ部42およびビード部43、またはカール部41のうち少なくとも1つについて問題が認められた。
比較例1に係る樹脂被覆ボトル型缶100では、カール部41において、各々が円周方向に延び、0.3mmの幅、数mmの長さを有しているヘアー状の剥離が認められた。
比較例2に係る樹脂被覆ボトル型缶100では、ねじ部42およびビード部43と、カール部41とにおいて広範囲に及ぶ剥離が散見された。
比較例3では、上記の通り、第1の中間体100fの開口部付近で樹脂層130の剥離を生じた。
比較例4では、上記の通り、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。
比較例5でも、上記の通り、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。
比較例6に係る樹脂被覆ボトル型缶100では、ねじ部42およびビード部43と、カール部41において樹脂層130の剥離が認められた。
比較例7では、上記の通り、第1の中間体100fに加熱処理を行なった際に、樹脂層130の表面にクレーター状の肌荒れが発生した。
以上の通り、比較例1乃至7では、樹脂層130の剥離や肌荒れが認められた。これに対し、例1乃至10では、樹脂層130の状態が良好であった。
また、上記の例1乃至10及び比較例1乃至7について、樹脂層のうち、胴部、肩部およびカール部に位置した部分の面配向係数を測定した。具体的には、各部分において、樹脂被覆ボトル型缶100の内面を構成する樹脂層130の面配向係数をアッベ屈折計によって調べた。その結果を表3に示す。
表1乃至表3に示す通り、樹脂層を加熱処理により無配向にした後に、首部40へねじ加工、ビード加工およびカール加工を施した場合、樹脂層を無配向にしなかった場合と比較して、開口部先端部における樹脂層の状態が良好であった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
10…底部、20…胴部、30…肩部、40…首部、41…カール部、42…ねじ部、43…ビード部、100…樹脂被覆ボトル型缶、110…アルミニウム板、120…化成皮膜、130…樹脂層。

Claims (5)

  1. アルミニウム板と、その両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含んだ樹脂被覆金属板に対して、絞り加工と、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工と、トリミング加工とを施してカップ状の第1の中間体を成形し、
    前記第1の中間体の開口部にネッキング加工を施して、首部、肩部、胴部および底部を有する第2の中間体を成形し、
    前記第2の中間体の前記首部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施すことで得られる樹脂被覆ボトル型缶。
  2. 前記樹脂は、極限粘度(IV)が0.65dL/g以上であり、ジカルボン酸におけるイソフタル酸成分およびテレフタル酸成分のモル分率が、それぞれ、1.5乃至15%の範囲内、および75乃至98.5%の範囲内にあるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である請求項1に記載の樹脂被覆ボトル型缶。
  3. 前記カール加工を施して得られるカール部の外径に対する前記胴部の外径の比が1.2以上である請求項1または2に記載の樹脂被覆ボトル型缶。
  4. 首部、肩部、胴部および底部が一体に成形され、前記首部に、ねじ部、ビード部およびカール部を有する樹脂被覆ボトル型缶の製造に使用する樹脂被覆金属板であって、
    アルミニウム板と、
    前記アルミニウム板の両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、
    ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層と
    を含む樹脂被覆金属板。
  5. アルミニウム板と、その両面に位置し、各々が5乃至50mg/mの範囲でクロムを含んでいる一対の化成皮膜と、ポリエステルを含み、前記一対の化成皮膜をそれぞれ被覆している一対の樹脂層とを含んだ樹脂被覆金属板に対して、絞り加工と、1回以上の再絞り加工および/またはしごき加工と、トリミング加工とを施して、カップ状の第1の中間体を成形する工程と、
    前記第1の中間体の開口部にネッキング加工を施して、首部、肩部、胴部および底部を有する第2の中間体を成形する工程と、
    前記第2の中間体の前記首部にねじ加工、ビード加工およびカール加工を施す工程と、
    前記ネッキング加工の前、後またはその途中で、前記ねじ加工を受ける予定の領域、前記ビード加工を受ける予定の領域および前記カール加工を受ける予定の領域の1以上の領域を1回以上加熱して、前記樹脂層を前記領域において無配向にする工程と
    を含む樹脂被覆ボトル型缶の製造方法。
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