JP2018140807A - 包装体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】個数あたりの体積が低減するとともに、体積が低減した圧縮状態を長期間維持することができ、なおかつ、簡便な方法で製造できる包装体、および、その包装体の製造方法を提供する。【解決手段】包装体は、圧縮して包装可能な被包装物12と、熱収縮性のフィルム基材22を有し、被包装物12を内包するフィルム包材20と、を備える。フィルム包材20の周縁部には、包装体内の気体を排出でき、且つ、包装体内への気体の流入を制限する排気路30が設けられる。また、包装体の製造方法は、上記包装体を作製する、包装体作製工程、包装体を圧縮し、包装体内の気体を排気路30を通して排出する圧縮工程、および、圧縮工程の後、包装体を加熱してフィルム基材22を収縮させる熱収縮工程、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、包装体およびその製造方法に関する。
製品形態の一つとして、プラスチック等の合成樹脂で構成され、少なくとも1辺がシールされたフィルム包材を用いて圧縮して包装可能な被包装物を包装した包装体が知られている。このような包装体は、例えば、上下のフィルム間に包装単位の被包装物を内包した後、隣り合う被包装物間で当該フィルム同士を接合し、接合部分の中央を切断することにより、製造される。
効率化および省スペースの観点から、被包装物の個数あたりの包装体の体積が低減されていることが好ましい。従来、包装体に空気の抜き取り構造を設けることで、包装体の製造の前後において、包装体の内部の空気を排出する技術が知られている。
特許文献1には、複数の被包装物を内包した筒状連続体に横接合部を形成してなる連結包装製品の製造方法であって、筒状連続体において、被包装物の搬送方向端部に対応する箇所と横接合部の形成箇所との間に空気抜き穴を設けた後、横接合部を形成した製造方法が開示されている。特許文献1では、かかる製造方法により、横接合部の形成に際して包装袋内で余剰となる空気を適切に逃がすことができる、としている。
特許文献2には、基材層と熱接着性樹脂層を備えた四角形状の2枚の積層フイルムの少なくとも1辺に熱接着部と非熱接着部とからなる断続熱接着部が形成された袋において、2枚の積層フイルム間に熱接着性シートが挿入された状態で断続熱接着部を形成した通気性袋が開示されている。特許文献2では、断続熱接着部の非熱接着部において2枚の積層フィルム間に熱接着性シートが挿入されているので隙間が形成されその隙間を通して内部の空気を排出することができる、としている。
特許文献3には、プラスチックフイルム等から成る密封用袋本体の周縁に被収納物の挿入口を開設するとともに、本体の他の周縁に逆止弁を装設し、該逆止弁の不要流体を排出する間隙の巾を接着部により狭めて構成した密封用袋が開示されている。特許文献3では、かかる構成により、袋本体内の不要な液体を逆止弁から排出できる一方、該間隙の巾が接着部により狭められているため、外気の進入防止作用は一層向上される、としている。
特許文献4には、熱収縮フィルム単体あるいは熱収縮フィルムが2周辺もしくは4周辺にある複合フィルムよりなる1対の包材の間に綿状物体を挾持し、綿状物体を緊密に圧縮してから、1対の包材の4周辺部同士を合わせて熱接着し、次いで綿状物体の圧縮状態を保持したまま熱収縮性周辺部を加熱収縮させる、綿状物体の圧縮包装方法が開示されている。特許文献4では、綿状物体を半分以下に圧縮して包装することができる、としている。
しかしながら、特許文献1および2の技術では、それぞれの脱気構造により包装体内部から空気を排出した直後であれば包装体の体積は維持されるものの、包装体内部への外気の流入を阻止できる構造となっていない。包装体を更に梱包材等で梱包する等の処置を取れば、経時的な体積の増加を抑えることができるが、その梱包材によって少なくないスペースが占有されてしまう。また、特許文献3の技術では、外気の流入を阻止できる構造となっているが、長期的には逆止弁からの気体の流入が生じ得る。また、特許文献1〜3の技術に共通して、包装体本体が損傷して孔が形成されれば、そこから外気が流入してしまう。
一方、特許文献4の技術では、少なくとも周辺部に熱収縮性フィルムを有する包材を加熱収縮することで圧縮状態が保持できるとしている。しかしながら、包材の加熱収縮に先立って、包材の4周辺部を熱接着していることから、熱接着後の包装体内部に残存する空気は逃げ場がなく、シュリンク工程後も包装体内部に留まり続けると考えられる。よって、被包装物の圧縮率については改善の余地がある。また、プレス盤等での被包装物の圧縮と包材の周辺部の熱接着とを同時に行う必要があるため、工程が煩雑である。
そこで、本発明では、個数あたりの体積が低減するとともに、体積が低減した圧縮状態を長期間維持することができ、なおかつ、簡便な方法で製造できる包装体を提供することを目的とする。
本発明の包装体は、圧縮して包装可能な被包装物と、熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材と、を備える包装体であって、前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている、ことを特徴とする。
好適な態様では、前記フィルム包材が、前記フィルム基材の対向面をシールしたシール部を更に備え、前記排気路が、前記シール部に設けられ、前記対向面同士がシールされていない未シール部で構成されている。
更に好適な態様では、前記排気路が屈曲している。
他の好適な態様では、前記排気路が逆止弁を有する。
他の好適な態様では、前記包装体の内部にあり、前記フィルム包材と積層する仕切フィルムを更に備え、前記仕切フィルムで分割された前記包装体内部の空間のそれぞれに、少なくとも1つの前記被包装物が収納されている。
本発明の包装体の製造方法は、圧縮して包装可能な被包装物と、熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材とを備える包装体であって、前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている包装体を作製する、包装体作製工程、前記包装体を圧縮し、前記包装体内の気体を排出する圧縮工程、および、圧縮工程の後、前記包装体を加熱して前記フィルム基材を収縮させる熱収縮工程、を有する、ことを特徴とする。好適な態様では、前記フィルム包材が、前記フィルム基材の対向面をシールしたシール部を更に備え、前記排気路が、前記シール部に設けられ、前記対向面同士がシールされていない未シール部で構成されている。
本発明の包装体の他の製造方法は、圧縮して包装可能な被包装物と、熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材とを備える包装体であって、前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている包装体を作製する、包装体作製工程、および、前記包装体を加熱して前記フィルム基材を収縮させ、前記包装体内の気体を排出する熱収縮工程、を有する、ことを特徴とする。好適な態様では、前記排気路が逆止弁を有する。
本発明によれば、個数あたりの体積が低減するとともに、体積が低減した圧縮状態を長期間維持することができ、なおかつ、簡便な方法で製造できる包装体を提供できる。これにより、同じスペースに対してより多くの被包装物の保管および運搬が可能となる。
以下、図面を参照しながら、実施形態の一例について詳細に説明する。但し、本発明の包装体およびその製造方法は、以下で説明する実施形態に限定されない。実施形態の説明で参照する図面は模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法などは以下の説明を参酌して判断されるべきである。
[第1の実施形態]
図1に、実施形態の一例である包装体10を示す。図1(a)は、包装体10の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における部分断面図である。図1に示すように、包装体10は、圧縮して包装可能な被包装物12と、フィルム包材20とを備える。フィルム包材20は、熱収縮性のフィルム基材22で構成され、被包装物12を内包する。また、フィルム包材20は、周縁部に排気路30を有し、排気路30は、包装体10内の気体を排出でき、且つ、包装体10内への気体の流入を制限する。
図1に、実施形態の一例である包装体10を示す。図1(a)は、包装体10の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における部分断面図である。図1に示すように、包装体10は、圧縮して包装可能な被包装物12と、フィルム包材20とを備える。フィルム包材20は、熱収縮性のフィルム基材22で構成され、被包装物12を内包する。また、フィルム包材20は、周縁部に排気路30を有し、排気路30は、包装体10内の気体を排出でき、且つ、包装体10内への気体の流入を制限する。
なお、本明細書では、説明の便宜上、被包装物12の積層方向を「上下方向」、上下方向および後述するシール部26が延在する方向と直交する方向を縦方向、上下方向および縦方向と直交する方向を「横方向」ともいう。
包装体10には、圧縮して包装可能であり、略同一の形状および寸法を有する複数の被包装物12(以下、単に「被包装物12」という)が、フィルム包材20によって包装されている。各被包装物12は、使い捨ておむつであり、上下方向に対して縦方向および横方向が長い扁平な形状を有する。包装体10が包装する各被包装物12は、互いに異なる形状または寸法を有していてもよい。包装体10が内包する被包装物12は、例えば、弾力性または柔軟性があり、圧縮して搬送または保管可能な製品であり、その形状および寸法は制限されない。被包装物12の他の例としては、例えば、ティッシュペーパーやトイレットペーパー等の紙製品、ナプキン等の生理用品、マスクや包帯等の医療品、衣類や布団等の布製品等が挙げられる。また、被包装物12は、包装体10内への外気の流入の抑制が望まれる品、例えば、米等の食品等、所定単位量の物品が空気を介在した不定形の集合体からなるものであってもよい。また、包装体10には、1つの被包装物12がフィルム包材20によってほうそうされているものであってもよい。
図1に示す包装体10では、5個の被包装物12からなる集積物14をフィルム包材20で包装した集積包装体である。5個の被包装物12は、包装体10の上下方向に並んでいる。包装体10を構成する被包装物12の数は、4個以下または6個以上であってもよい。包装体10において、上下方向に並ぶ複数列の被包装物12が縦方向または横方向に段組みされていてもよい。
フィルム包材20は、熱収縮性のフィルム基材22を有するシュリンク包材である。フィルム基材22には、従来公知の樹脂フィルムを用いることができる。当該樹脂フィルムの具体例としては、オレフィン系樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)、エステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体等)、塩化ビニル系樹脂、アミド系樹脂、またはアクリル系樹脂を主成分とするフィルムが挙げられる。フィルム基材22は、例えばオレフィン系樹脂を主成分として構成される。オレフィン系樹脂を主成分とするフィルム基材22は、一般的に低コストでありながら、伸縮性が高く破断強度に優れる。好適なオレフィン系樹脂の一例は、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。
フィルム基材22を構成する樹脂フィルムは、単層フィルムであってもよく、同種または異種の樹脂を積層した積層フィルムであってもよい。フィルム基材22の厚みは、例えば20μm以上100μm以下である。フィルム基材22には、一般的に無色透明の樹脂フィルムが用いられるが、各種印刷層が形成されていてもよい。
フィルム基材22を構成する樹脂フィルムは、少なくとも一方向に延伸されている。当該樹脂フィルムは、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれであってもよいが、一方向に高倍率で延伸され、当該一方向と直交する方向に低倍率で延伸されたフィルムが好ましい。この場合、樹脂フィルムの主延伸方向(高倍率で延伸された方向)が、フィルム基材22の主収縮方向となる。フィルム包材20は、フィルム基材22の主収縮方向が包装体10の横方向(または縦方向)となるように成形されることが好ましい。こうすることで、排気路30から包装体10内の気体が脱気された後にフィルム基材22が収縮して排気路30を塞ぎ外気の流入を制限する効果に優れる包装体10が得られる。フィルム基材22の主収縮方向の熱収縮率は、120℃のオイルバスに20秒浸漬する条件において、例えば、オイルバス浸漬前の当該方向の長さに対して20%以上70%以下が好ましい。主収縮方向と直交する方向の熱収縮率は、例えば、オイルバス浸漬前の当該方向の長さに対して1%以上50%以下が好ましい。
フィルム包材20には、接合部24が2箇所に形成されている。各接合部24は、フィルム包材20の縦方向の全幅にわたって形成され、2枚のフィルム基材22を接合している。即ち、本実施形態では、2枚のフィルム基材22を接合してフィルム包材20が構成されている。また、接合部24は、一方のシール部26から他方のシール部26にわたって縦方向に沿って形成されている。接合部24は、例えば、各フィルム基材22の内面同士が接合される。接合部24は、フィルム基材22の内面と外面とが接合されていてもよく、外面同士が接合されていてもよい。接合部24の形成方法は、樹脂フィルムを接合する公知の方法であればよく、例えば、熱溶着による方法、溶剤溶着による方法、接着剤を用いる方法が挙げられる。外気の流入を防止するシール性の観点から、熱溶着により接合部24を形成することが好ましい。また、フィルム包材20において接合部24を形成する箇所は1箇所であってもよい。この場合、フィルム包材20は、接合部24の反対側で折り返した1枚のフィルム基材22から構成される。また、フィルム包材20は、接合部24を有さない筒状のフィルム基材22から構成されていてもよい。
図1に示す包装体10は、縦方向の両端にシール部26を有する。各シール部26は、フィルム包材20の横方向の全幅にわたって帯状に形成され、上下の2つのフィルム基材22を接合する。シール部26は、例えば、各フィルム基材22の内面同士を熱溶着により接合して形成される。シール部26の幅D1(図2参照)は、例えば、5mm以上50mm以下が好ましい。シール部26は、包装体10の縦方向の一端のみに形成されてもよいが、排気効率の観点から、包装体10の縦方向の両端にシール部26が形成されていることが好ましい。
本実施形態に係る包装体10において、排気路30は、接合されていない上下のフィルム基材22で構成され、その形状はシール部26により規定されている。換言すれば、排気路30は、シール部26を構成する帯状領域において、上下のフィルム基材22を接合しない未シール部28で囲まれた部位である。排気路30内には連続した空間が形成され、一方の端部は包装体10の内部に接続し、他方の端部は包装体10の外部に接続している。未シール部28である排気路30は、例えば、後述のように、シール部26形成に用いるシール機において、フィルム基材22に接して押圧する押圧面のパターンを適宜変更することにより形成すればよい。
図2は、排気路30の周囲の一部を拡大して示す図である。図2に示す排気路30は、経路長D3に対して、開口幅D2が狭く、開口断面積が小さい形状を有するため、包装体10内への気体の流入を制限することができる。その一方、後述する圧縮工程では、包装体10内部の気圧が外部よりも高くなるため、排気路30を通して包装体10内の気体を外部に排出することが可能になる。なお、排気路30の経路長D3は、気流が排気路30の開口断面積の中心を通って、包装体10内部の一端から包装体10外部に接続する他端まで流れるときの距離を意味する。
排気路30の開口幅D2の寸法は、特に制限されないが、3mm以上50mm以下であることが好ましく、あるいは、排気路30の経路長D3に対して10%以上50%以下であることが好ましい。排気路30の開口幅D2の寸法が上記の範囲にあると、包装体10内の気体の排出容易性と、外気の流入抑制とのバランスが好ましいためである。排気路30の経路長D3は、排気路30が横方向に延びる直線形状であるときに最小値となり、即ち、シール部26の幅D1と等しくなる(図2参照)。排気路30の経路長D3は、特に制限されないが、気流に対する抵抗を増加させて外気の流入を防止する観点から、シール部26の幅D1に対して100%以上200%以下であることが好ましい。また、排気路30は分岐していてもよい。
図1に示す包装体10では、縦方向両端のシール部26に対してそれぞれ2つの排気路30を設けているが、排気路30の個数は排気性能および外気流入抑制のバランスを鑑みて適宜設定すればよい。包装体10の縦方向両端のシール部26それぞれに排気路30を設ける場合は、排気効率の観点から、それぞれの排気路30を被包装物12を挟んで点対称の位置に配置することが好ましい。
ここで、図3を参照しながら、包装体10の製造方法の一例について説明する。図3は、後述する圧縮工程およびシュリンク工程の模式図である。包装体10は、例えば、下記の筒状連続体作製工程、シール工程、切断工程、圧縮工程、シュリンク工程を経ることにより製造することができる。本実施形態につき、筒状連続体作製工程、シール工程および切断工程を合わせて「包装体作製工程」ともいう。また、本明細書において、圧縮されていない自然状態にある包装体と区別するため、圧縮状態にある包装体を「圧縮包装体」ともいう。
本実施形態に係る包装体10の製造工程では、2枚の長尺状フィルムを用いる。長尺状フィルムは、熱収縮性のフィルム基材22であり、その主収縮軸は長手方向に沿った方向と略一致する。各長尺状フィルムの横方向の一方側の端部同士を重ね合わせ、これを熱溶着して接合部24を形成する。その後、被包装物12の集積物14を2枚の長尺状フィルムの間に挿入し、接合部24に当接させる。次に、接合部24が形成された面と反対側の面において、2枚の長尺状フィルムを熱溶着して接合部24を形成することで、被包装物12の集積物14を内包するフィルム包材20を備える筒状連続体が得られる。
シール工程では被包装物12を内包する筒状連続体における被包装物12の縦方向の前後がシールされる。被包装物12を内包した筒状連続体を搬送し、シール機に搬送される。シール機は、筒状連続体を構成するフィルム包材20の対向する面同士、例えば、上下方向の対向面同士を、加熱した押圧部材により挟んで押圧し、熱溶着する。このとき押圧部材は、筒状連続体の被包装物12とは対向しない領域において、熱溶着を行う。また、フィルム基材22を押圧する押圧部材(シールバー)の押圧面のパターン形状を変更すること、より具体的には、未シール部28に対応する位置および形状を有する非押圧領域を設けることで、未シール部28を有するシール部26が形成される。
シール工程では、例えば、シール機での1回の熱溶着により、下流側の被包装物12を内包するフィルム包材20の上流端側と、上流側の被包装物12を内包するフィルム包材20の下流端側の2つのシール部26が、同時に形成される。これにより、被包装物12の上流側および下流側のそれぞれに、所定のパターンを有するシール部26を形成する。また、同時に形成される2つのシール部26の間には、ミシン目等の弱め線を横方向の全幅にわたって形成してもよい。
切断工程では、筒状連続体が被包装物12の集積体ごとに切断され、包装体10が形成される。筒状連続体は、2つのシール部26間において、例えば上述した弱め線に沿って切断される。筒状連続体の切断は、例えば、切断刃、溶断等の公知の方法により行えばよい。上記の筒状連続体作製工程、シール工程および切断工程を経ることにより、被包装物12と、フィルム基材22を有し、被包装物12を内包するフィルム包材20とを備え、縦方向の両端部にシール部26を有する包装体10が製造される。
圧縮工程では、圧縮装置40により、被包装物12を収容する包装体10が圧縮される。すなわち、圧縮装置40の上側部材42と下側部材44(搬送路を兼ねる)とで包装体10を挟持し、両部材間の距離を縮めることで、包装体10内部の空気が排出され、包装体10の体積が低減する。このとき、包装体10内部の空気は、シール部26に設けた排気路30を通して排出される。排気路30は上記の通り気体の流通に対して抵抗を有するが、包装体10が圧縮されることで包装体10の内圧が上昇し、排気路30の両端部で圧力差が生じるため、排気路30を通して包装体10内部の空気が排出される。その一方、排気路30が抵抗を有することにより、包装体10内部への外気の流入は生じにくい。圧縮装置40の他の例としては、例えば、上下方向に互いに対向する一対の搬送ベルトで構成され、搬送方向の下流側に向かうにつれて搬送ベルト間の距離が狭くなる搬送装置であってもよい。
シュリンク工程では、圧縮工程で得られた圧縮包装体10Aを加熱し、フィルム包材20を構成するフィルム基材22を熱収縮させる。本実施形態では、被包装物12を内包し、圧縮包装体10Aを、熱風式またはスチーム式のシュリンクトンネル46に通過させることにより、フィルム基材22の熱収縮が行われる。被包装物12が、例示する使い捨ておむつを含む紙製品、生理用品、医療品等、乾燥状態が好まれる製品である場合は、熱風式のシュリンクトンネル46を用いてフィルム基材22を熱収縮することが好ましい。シュリンクトンネル46の内部の温度は、例えば80℃以上300℃以下が好ましく、シュリンクトンネル46の通過時間は、例えば3秒以上30秒以下が好ましい。また、シュリンク工程として、例えばシャワー等、シュリンクトンネル46以外の加熱装置を用いて圧縮包装体10Aを加熱してもよい。
包装体10が圧縮された状態でフィルム包材20を構成するフィルム基材22を熱収縮させると、フィルム包材20が被包装物12の形状に追従して密着するため、フィルム基材22の収縮力によって、圧縮包装体10Aの圧縮形状が保持される。これにより、被包装物12の個数あたりの体積が低減され、また体積が低減した圧縮状態を長期間維持する圧縮包装体10Aが得られる。なお、本実施形態に係る圧縮包装体10Aでは、フィルム包材20に未シール部28によって構成される排気路30を有するため、圧縮包装体10Aの内部へと外気が流入する可能性があるようにも考えられる。しかしながら、圧縮包装体10Aの形状はフィルム基材22の収縮力によって保持されているため、シュリンク工程後の圧縮包装体10Aについては、圧縮包装体10A内部への外気の流入は殆ど問題にならない。
また、本実施形態では、圧縮包装体10Aの内部への外気の流入が制限されているため、被包装物12の反発力による圧縮包装体10Aの体積増大を一定期間抑えることができる。そのため、圧縮状態を保持する機構を付けたままの状態で、圧縮包装体10Aをシュリンクトンネル46に投入する必要はなく、圧縮包装体10Aを圧縮装置40からリリースした後、通常の搬送装置によりシュリンクトンネル46を通過させればよい。よって、既存の装置を用いて簡便な方法により、圧縮包装体10Aを製造することができる。
更に、上記のシュリンク工程を行うことにより、圧縮工程とは別に、圧縮包装体10A内に残留する空気を排出することが可能となる。圧縮工程における包装体10の圧縮では、被包装物12の内外の気圧が等しくなると、包装体10内の空気の排出が困難になる。特に、上下方向の圧縮では、被包装物12と被包装物12に対向しないフィルム包材20とで囲まれる空間V(図3参照)の空気を排出することができない。しかしながら、圧縮工程後にシュリンク工程を行うことで、上述の通り、フィルム包材20を構成するフィルム基材22が収縮し、圧縮包装体10Aに密着する。このフィルム基材22の収縮力によって、圧縮包装体10A内の気圧が高まり、当該空間Vを含む圧縮包装体10A内の残留空気の更なる排出が可能となる。
圧縮装置40およびシュリンクトンネル46を含む包装体10の製造装置は、圧縮工程の終了後、圧縮包装体10Aをシュリンクトンネル46に投入してシュリンク工程を開始するまでの時間が、例えば、30秒以内、好ましくは5秒以内となるように、各装置が配置および設定される。これにより、圧縮工程の終了からシュリンク工程の開始までの間における圧縮包装体10Aの体積増加を抑え、シュリンク工程後、より低減した体積を有する圧縮包装体10Aを得ることができる。換言すれば、本実施形態に係る包装体10は、未シール部28である排気路30または他の流路を介する内部への外気の流入があったとしても、圧縮工程の終了から30秒間程度、圧縮状態を維持すること(例えば、圧縮包装体10Aの積層方向の高さの増加率が圧縮工程の終了直後に比較して30%以内)ができれば、シュリンク工程後、個数あたりの体積が低減し、なお且つ、その圧縮状態を長期間維持できる圧縮包装体10Aが得られる。
図4は、本実施形態に係る包装体10に設けられる排気路32の他の例を示す図である。図4は、排気路32の周囲の一部を拡大して示す図であり、シュリンク工程前の排気路32の形状を示す。図4に示す排気路32は、図2に示す排気路32と同様、シール部26を構成する帯状領域において、上下のフィルム基材22を接合しない未シール部28で囲まれた部位であるが、シール部26の面内で屈曲している。本実施形態に係る包装体10において、屈曲した排気路32を設けることは、下記の点で好ましい。第一に、排気路32が屈曲形状を有すると、排気路32の経路長D3が長くなり、外気流入の抵抗が増加する。第二に、排気路32が屈曲することで、排気路32の短手方向がフィルム包材20の主収縮方向(図4における横方向)に沿った区間が出現する。シュリンク工程でフィルム基材22が熱収縮すると、当該区間において排気路32の横断面の面積が狭まり、場合により排気路32が閉塞する。これにより、外気の流入防止効果が向上すると考えられる。
以上のように、本実施形態に係る包装体10は、個数あたりの体積が低減するとともに、体積が低減した圧縮状態を長期間維持することができ、なおかつ、簡便な方法で製造できる、という優れた作用効果を有する。本実施形態に係る包装体10は、圧縮状態を維持するための梱包材等を必要とせず、同じスペースあたりでより多くの被包装物12を運搬および保管することが可能になる。なお、本実施形態は、かかる作用効果を損なわない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、上述の説明では、筒状連続体作製工程、シール工程および切断工程により、縦方向の両端部に、未シール部28で構成された排気路30または32を設けたシール部26を有する包装体10を製造したが、縦方向の端部の一方のみに、当該排気路を設けたシール部26を有する包装体10を製造してもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る包装体50について図5および図6を参照して説明する。図5は、第2の実施形態の一例である包装体50を示す。また、図6(a)は、図5で示す包装体50が有する排気路52の周辺の拡大図であり、図6(b)は、図6(a)のB−B線における部分断面図である。図5および図6では、図1および図2に示す包装体10と同等の機能を有する部材に同一の符号を付している。図5および図6に示す包装体50は、シール部26に未シール部28からなる排気路52を設ける代わりに、排気路52として逆止弁54を設けたこと以外は、図1および図2に示す包装体10と共通する。
次に、第2の実施形態に係る包装体50について図5および図6を参照して説明する。図5は、第2の実施形態の一例である包装体50を示す。また、図6(a)は、図5で示す包装体50が有する排気路52の周辺の拡大図であり、図6(b)は、図6(a)のB−B線における部分断面図である。図5および図6では、図1および図2に示す包装体10と同等の機能を有する部材に同一の符号を付している。図5および図6に示す包装体50は、シール部26に未シール部28からなる排気路52を設ける代わりに、排気路52として逆止弁54を設けたこと以外は、図1および図2に示す包装体10と共通する。
本実施形態に係る包装体50では、排気路52として設けた逆止弁54は、シール部26に挿入するように取り付けられている。逆止弁54は、包装体50の内部と外部とが連続するように、樹脂製フィルムからなる扁平な外筒体56と、外筒体56の内部に設けられた弁体58とを備え、当該弁体58は、柔軟性を有する樹脂製フィルムからなる。弁体58は、その内部側の端部が外筒体56の内周面と接合し、他方の端部が外筒体56の内周面と接合されない自由端となっている。これにより、逆止弁54では、包装体50内部から外部へと流れる気流は、弁体58の自由端側を押し広げながら流れるため、弁体58によって阻害されない。その一方、外部から包装体50内部へと逆流しようとする気流に対しては、弁体58が当該気流を受け止めることで、自由端が外筒体56の内周面と密接して袋小路が形成され、気流の通過が妨げられる。これにより、本実施形態に係る包装体50では、上記の圧縮工程およびシュリンク工程等における包装体50内部の気体の排出は許容される一方、外部からの気体の流入は遮断される。
本実施形態に係る包装体50の製造方法の一例について説明するが、上述した第1の実施形態に係る包装体50の製造方法と共通する工程については説明を省略し、主に相違点について説明する。包装体50は、例えば、筒状連続体作製工程、切断工程、逆止弁54挿入工程、シール工程、圧縮工程、シュリンク工程を経て製造することができる。本実施形態については、筒状連続体作製工程、切断工程、逆止弁挿入工程、シール工程を合わせて包装体作製工程ともいう。
第1の実施形態に係る包装体10の製造方法における筒状連続体作製工程と同様にして、被包装物12の集積物14を内包するフィルム包材20を備える筒状連続体を作製する。次いで、筒状連続体の被包装物12とは対向しない領域において、横方向に沿って筒状連続体の全幅にわたって切断する切断工程を行う。切断工程により、被包装物12の集積物14をフィルム包材20で個別に内包する筒状体が製造される。当該筒状体の縦方向(搬送方向)の両端部には、フィルム包材20の開口部が形成されている。筒状連続体の切断は、例えば、切断刃、溶断等の公知の方法により行えばよい。また、切断工程に先立ち、筒状連続体の被包装物12とは対向しない領域にミシン目等からなる弱め線を形成する弱め線形成工程を行った後、切断工程において、形成された弱め線に沿って筒状連続体を切断してもよい。
逆止弁挿入工程では、切断工程で得られた筒状体の開口部に、逆止弁54を挿入する。挿入される逆止弁54は、上述の弁体58を有する外筒部で構成された逆止弁54であり、予め作製されたものである。続くシール工程において、逆止弁54の外筒体56の外周面と、フィルム包材20のシール部26形成領域の内周面とが接合されるよう、逆止弁54の外筒体56を構成する樹脂フィルムが選択されている。図5に示す包装体50では、縦方向両端のシール部26に対して排気路52としてそれぞれ1つの逆止弁54を設けているが、逆止弁54の個数は排気性能および外気流入抑制のバランスを鑑みて適宜設定すればよい。また、包装体50の縦方向両端のシール部26それぞれに逆止弁54を設ける場合は、排気効率の観点から、それぞれの逆止弁54を被包装物12を挟んで点対称の位置に配置することが好ましい。
シール工程では、被包装物12を内包する筒状体における被包装物12の縦方向前後に形成された開口部がシールされる。第1の実施形態では、シール工程において未シール部28に応じた非押圧領域を設けた押圧部材を使用したが、本実施形態に係る包装体50の製造方法では、非押圧領域を有さない押圧部材が用いられ、開口部の横方向全幅にわたってフィルム包材20の対向面同士を接合するシール部26が形成される。このようなシール部26を被包装物12の縦方向前後に設けることにより、挿入された逆止弁54以外に気体の流通が可能な流路を有さない包装体50が作製される。
次いで、第1の実施形態と同様にして圧縮工程およびシュリンク工程を行うことにより、排気路52として逆止弁54を有する包装体50が製造される。排気路52として逆止弁54を有する包装体50は、排気路52がシール部26に設けた未シール部28である第1の実施形態と比較して、逆止弁54の取り付けによりコストおよび工程数等が増加するものの、空気の排気効率および安定性が優れている。
なお、本実施形態は、かかる作用効果を損なわない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、逆止弁54の構造は、図6に示す弁体58および外筒体56で構成されるものに限定されず、同等の機能を有するものであれば、異なる形状を有する弁体58および外筒体56を使用してもよい。逆止弁54は、例えば、第1の実施形態のようにシール部26に設けた未シール部28で構成される流路に、図6に示す弁体58と同等の機能を有する構造を設けたものであってもよい。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、包装体50内の気体を排出する工程が異なること以外は、第2の実施形態と共通する。すなわち、本実施形態に係る包装体50の製造方法は、第2の実施形態と同様、筒状連続体作製工程、切断工程、逆止弁54挿入工程およびシール工程を行う点で共通するが、その後、第2の実施形態で行った圧縮工程を省略し、シール工程のすぐ後にシュリンク工程を行う点で、第2の実施形態と相違する。
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、包装体50内の気体を排出する工程が異なること以外は、第2の実施形態と共通する。すなわち、本実施形態に係る包装体50の製造方法は、第2の実施形態と同様、筒状連続体作製工程、切断工程、逆止弁54挿入工程およびシール工程を行う点で共通するが、その後、第2の実施形態で行った圧縮工程を省略し、シール工程のすぐ後にシュリンク工程を行う点で、第2の実施形態と相違する。
上述の通り、シュリンク工程を行い、フィルム包材20を構成するフィルム基材22が加熱収縮する際の収縮力によって、包装体50内の空気を排出することができる。よって、本実施形態に係る包装体50は、吸引機を用いる包装体50の内部からの強制的な排気、或いは、包装体50への外部からの圧力の付与を行うことなく、フィルム基材22に熱収縮フィルムを用いた包装体50をシュリンクトンネル46に通過させることのみで、個数あたりの体積が低減し、なお且つ、その圧縮状態を長期間維持できる圧縮包装体が得られる。
更に、本実施形態に係る包装体50をシュリンク工程に供すると、フィルム基材22の熱収縮に伴い、逆止弁54を構成する外筒体56の包装体50内部側の開口端が歪む。これにより、包装体50内部からの逆止弁54を介する気体の排出が促進され、シュリンク処理による体積の低減が進むと考えられる。このように、包装体50内部の排気をシュリンク工程のみで行う場合、排気路52として逆止弁54を用いることが好ましい。
本実施形態に係る包装体50に用いられるフィルム基材22としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレン等が挙げられるが、シュリンク処理時に大きな収縮応力が得られるため、ポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る包装体60について図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態の一例である包装体60を示す。図7では、図1に示す包装体10と同等の機能を有する部材に同一の符号を付している。図7で示す包装体60には、フィルム包材20と上下方向で積層する4枚の仕切フィルム62が内挿されており、4枚の仕切フィルム62により包装体60の内部が上下方向に5つの部屋に分割され、それぞれに1個ずつの被包装物12が収納されている。
第4の実施形態に係る包装体60について図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態の一例である包装体60を示す。図7では、図1に示す包装体10と同等の機能を有する部材に同一の符号を付している。図7で示す包装体60には、フィルム包材20と上下方向で積層する4枚の仕切フィルム62が内挿されており、4枚の仕切フィルム62により包装体60の内部が上下方向に5つの部屋に分割され、それぞれに1個ずつの被包装物12が収納されている。
例えば、図1に示すような、複数個の被包装物12を内包する包装体60では、1個の被包装物12を取り出すためにフィルム包材20を破かなければならない。そのため、一度開封された圧縮包装体については、未開封の圧縮包装体が有する体積低減効果を享受できなかった。それに対して、本実施形態に係る包装体60は、フィルム包材20を破いて開封した後であっても、仕切フィルム62により残りの被包装物12が包装されているため、当該残りの被包装物12が散逸することがなく、また、各被包装物12の体積増加を抑えることができる。次に被包装物12を取り出す際も、仕切フィルム62を1枚ずつ破ることで、同じ効果が維持される。このように構成された包装体60は、例えば、被包装物12である使い捨ておむつを携行して外出する場合に、必要な数のみを携行できるとともに、圧縮状態を維持したまま、外出先で1個ずつ使い捨ておむつを取り出すことが可能となる。
仕切フィルム62には、例えば、熱収縮性フィルムおよび伸縮性フィルムを用いることができる。熱収縮性フィルムは、フィルム基材22と同様の熱収縮性フィルムが使用できる。伸縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂を含むフィルム等が挙げられる。本実施形態に係る包装体60に内挿される仕切フィルム62は、3枚以下または5枚以上であってもよい。また仕切フィルム62で分割された部屋のそれぞれに、例えば、1個以上5個以下の被包装物12を内包していてもよい。仕切フィルム62に熱収縮性フィルムを用いることが好ましい。シュリンク工程において、フィルム基材22を熱収縮すると同時に仕切フィルム62も熱収縮され収縮状態が保持されるので、フィルム包材20を開封しても各被包装物12の体積増加を抑えることができる。
本実施形態に係る包装体60では、フィルム包材20に開封のための切断補助線を設けてもよい。切断補助線は、例えば、フィルム包材20の縦方向または横方向に沿って並ぶ複数の貫通孔から構成されるミシン目線であってもよいし、ハーフカットのような貫通しない脆弱部を設けてもよい。第1の実施形態に係る包装体10の製造方法に従って本実施形態に係る包装体60を製造する場合、包装体60内部への外気の流入がなるべく少なくなるよう、ミシン目線における貫通孔の面積および長さ等を調整して、圧縮工程からシュリンク工程に移動する間の体積の増加を抑制することが好ましい。被包装物12の種類、圧縮工程での包装体60の圧縮率、フィルム基材22の種類(特に収縮応力)等によって異なるが、目安としては、圧縮工程の終了から30秒間経過するまでの間に、圧縮包装体の圧縮方向の高さの増加率が30%以内となるように、フィルム包材20に形成される切断補助線の形状を調整することが好ましい。
本実施形態に係る包装体60の製造方法の一例について説明するが、上述した第1の実施形態に係る包装体10の製造方法と共通する工程については説明を省略する。包装体60は、例えば、筒状連続体作製工程、圧縮工程、シール工程、切断工程、シュリンク工程を経ることにより製造することができる。
第1の実施形態に係る包装体10の製造方法における筒状連続体作製工程と同様にして、被包装物12の集積物14を内包するフィルム包材20を備える筒状連続体を作製するが、このとき、2枚の熱収縮性のフィルム基材22からなる長尺状フィルムの間に、4枚の長尺状の仕切フィルム62を挟み込む。これにより、フィルム基材22(フィルム包材20)で挟まれる空間が5つに分割されることになる。次いで、長尺状のフィルム基材22の横方向の一方側の端部同士を重ね合わせ、これを熱溶着して一方側の接合部24を形成する。続いて、仕切フィルム62により分割されたそれぞれの空間に被包装物12を挿入した後、長尺状のフィルム基材22における横方向の接合部24が形成されていない端部を重ね合わせ、これを熱溶着して他方側の接合部24を形成する。
得られた筒状連続体を圧縮装置40まで搬送し、圧縮工程を行う。圧縮工程では、圧縮装置40の上側部材42と下側部材44とで、筒状連続体の被包装物12が存在する領域を挟持して、筒状連続体内部の空気を縦方向の両端の開口部から排出する。圧縮工程において、圧縮装置40により圧縮状態を維持したまま、仕切フィルム62を縦方向の両側に引っ張る。これにより、圧縮工程の終了後も、仕切フィルム62で分割される各部屋に収納される被包装物12の体積の増加を抑えることができる。
得られた筒状連続体につき、シール工程を行う。シール工程では、被包装物12を内包する筒状連続体における被包装物12の縦方向前後の領域において、シール包材と仕切フィルム62とがシールされる。シール工程では、例えば、第1の実施形態と同様にして、排気路52としての未シール部28を有するシール部26を形成する。このとき、下流側の被包装物12を内包するフィルム包材20の上流端側と、上流側の被包装物12を内包するフィルム包材20の下流端側の2つのシール部26を同時に形成してもよい。
次いで、筒状連続体を切断する切断工程、および、切断された包装体60のフィルム基材22を熱収縮するシュリンク工程を、例えば第1の実施形態と同様の方法で行う。これにより、排気路52として未シール部28を有し、内包する被包装物12が個別に包装されている圧縮包装体が得られる。なお、シュリンクトンネル46に搬送する前の包装体60の体積が外気の流入により再度増加する場合は、切断工程後、シュリンク工程前に、当該包装体60を圧縮する第2の圧縮工程を行ってもよい。また、最初の圧縮工程での筒状連続体の圧縮状態を圧縮装置40または他の機構により維持しながら、シール工程および切断工程を行ってもよい。
[他の実施形態]
上述の実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、第1〜第4の実施形態では、排気路を被包装物12の縦方向の前後のシール部26に設けた構成を例示したが、排気路は、被包装物12の横方向に形成され、縦方向に延在する接合部24に設けてもよく、シール部26および接合部24以外の周縁部に設けてもよい。排気路を接合部24に設ける場合、排気効率の観点から、接合部24が被包装物12と対向しない位置に排気路を設けることが好ましい。
上述の実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、第1〜第4の実施形態では、排気路を被包装物12の縦方向の前後のシール部26に設けた構成を例示したが、排気路は、被包装物12の横方向に形成され、縦方向に延在する接合部24に設けてもよく、シール部26および接合部24以外の周縁部に設けてもよい。排気路を接合部24に設ける場合、排気効率の観点から、接合部24が被包装物12と対向しない位置に排気路を設けることが好ましい。
第4の実施形態において述べた通り、包装体の開封のための切断補助線をフィルム包材20に設けてもよい。切断補助線は、例えば、フィルム包材20の縦方向または横方向に沿って並ぶ複数の貫通孔から構成されるミシン目線であってもよく、その貫通孔の面積および長さ等は、包装体内部への外気の流入が多くならないように適宜調整される。また、包装体の開封を補助するものとして、フィルム包材20に三角形や直線状の切込みを設けてもよく、切込みは、シール部26または接合部24に設けることが好ましい。
10,50,60 包装体、10A 圧縮包装体、12 被包装物、14 集積物、20 フィルム包材、22 フィルム基材、24 接合部、26 シール部、28 未シール部、30,32,52 排気路、40 圧縮装置、42 上側部材、44 下側部材、46 シュリンクトンネル、54 逆止弁、56 外筒体、58 弁体、62 仕切フィルム。
Claims (7)
- 圧縮して包装可能な被包装物と、
熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材と、
を備える包装体であって、
前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている、
包装体。 - 前記フィルム包材が、前記フィルム基材の対向面をシールしたシール部を更に備え、
前記排気路が、前記シール部に設けられ、前記対向面同士がシールされていない未シール部で構成されている、
請求項1に記載の包装体。 - 前記排気路が屈曲している、請求項2に記載の包装体。
- 前記排気路が逆止弁を有する、請求項1に記載の包装体。
- 前記包装体の内部にあり、前記フィルム包材と積層する仕切フィルムを更に備え、
前記仕切フィルムで分割された前記包装体内部の空間のそれぞれに、少なくとも1つの前記被包装物が収納されている、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装体。 - 圧縮して包装可能な被包装物と、熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材とを備える包装体であって、前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている包装体を作製する、包装体作製工程、
前記包装体を圧縮し、前記包装体内の気体を排出する圧縮工程、および、
圧縮工程の後、前記包装体を加熱して前記フィルム基材を収縮させる熱収縮工程、
を有する、包装体の製造方法。 - 圧縮して包装可能な被包装物と、熱収縮性のフィルム基材を有し、前記被包装物を内包するフィルム包材とを備える包装体であって、前記フィルム包材の周縁部に、前記包装体内の気体を排出でき、且つ、前記包装体内への気体の流入を制限する排気路が設けられている包装体を作製する、包装体作製工程、および、
前記包装体を加熱して前記フィルム基材を収縮させ、前記包装体内の気体を排出する熱収縮工程、
を有する、包装体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017036364A JP2018140807A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 包装体およびその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022270378A1 (ja) * | 2021-06-24 | 2022-12-29 | アイリスオーヤマ株式会社 | マスク包装体 |
JP7412994B2 (ja) | 2019-12-06 | 2024-01-15 | 株式会社フジシール | ラベル付き容器の製造方法 |
-
2017
- 2017-02-28 JP JP2017036364A patent/JP2018140807A/ja active Pending
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