JP2018140720A - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
Description
コントローラ32により(オートモード)、或いは、空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房運転が選択されると、コントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁22(除湿用)、電磁弁20(バイパス用)を閉じる。
次に、除湿暖房運転では、コントローラ32は上記暖房運転の状態において電磁弁22を開放する。これにより、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の一部が分流され、この一部が電磁弁22を経て冷媒配管13Fに流入し、冷媒配管13Bから内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に流れ、残りが室外膨張弁6に流れるようになる。即ち、分流された一部の冷媒が室内膨張弁8にて減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。
次に、内部サイクル運転では、コントローラ32は上記除湿暖房運転の状態において室外膨張弁6を全閉とする(全閉位置)と共に、電磁弁21を閉じる。即ち、この内部サイクル運転は除湿暖房運転における室外膨張弁6の制御で当該室外膨張弁6を全閉とした状態であるので、この内部サイクル運転も除湿暖房運転の一部と捉えることができる。
次に、除湿冷房運転では、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁22、電磁弁20を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
次に、冷房運転では、コントローラ32は上記除湿冷房運転の状態において電磁弁20を開く(室外膨張弁6の弁開度は自由)。尚、エアミックスダンパ28は放熱器4に空気が通風される割合を調整する状態とする。補助ヒータ23には通電されない。
コントローラ32は下記式(I)から前述した目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度の目標値である。
TAO=(Tset−Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する車室内空気の温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
次に、図3〜図12を参照しながらコントローラ32によるバッテリ55の温度調整制御について説明する。前述した如くバッテリ55は低温環境下では充放電性能が低下すると共に、高温環境下で充放電を行うと、劣化が進行する。そこで、本発明の車両用空気調和装置1のコントローラ32は、上記の如き空調運転を実行しながら、バッテリ温度調整装置61により、バッテリ55の温度を適温範囲内に調整する。このバッテリ55の適温範囲は一般的には+25℃以上+45℃以下とされているため、実施例ではこの適温範囲内に所定の下限温度BTLと上限温度BTHを設定するものとする。
前述した暖房運転を実行しているときに、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ55の温度がその自己発熱等により上限温度BTHまで上昇した場合、コントローラ32は暖房/バッテリ冷却モードを実行する(図3)。この暖房/バッテリ冷却モードでは、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の他方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66には通電せず、補助膨張弁73は全閉とする。
一方、例えば外気温度Tamが低い環境下で車両を停車し、室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器7の温度である室外熱交換器温度TXOが低い(少なくとも上限温度BTHより低い)状況下でバッテリ55を充電しているとき等に、バッテリ55の温度が自己発熱等で上限温度BTHまで上昇した場合、コントローラ32は第1のバッテリ冷却単独モードを実行する(図4)。この第1のバッテリ冷却単独モードでは、車室内に搭乗者がおらず、空調する必要はないので圧縮機2は停止している。但し、コントローラ32は室外送風機15は運転する。また、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の他方の出口を開き、熱媒体加熱ヒータ66には通電しない(圧縮機2は停止しているので、補助膨張弁73は自由である)。
尚、上記第1のバッテリ冷却単独モードを実行している状態で例えば外気温度Tamが上昇して室外熱交換器温度TXOが高くなった場合、或いは、外気温度Tamが高い環境下で車両を停車し、バッテリ55を充電している際等に室外熱交換器温度TXOが高い場合には、コントローラ32は第2のバッテリ冷却単独モードを実行する(図5)。この第2のバッテリ冷却単独モードでも車室内に搭乗者はいないので、車室内を空調する必要はないが、コントローラ32は圧縮機2を運転し、室外送風機15も運転する。また、電磁弁20を開き、補助膨張弁73も開いて冷媒を減圧する。
次に、前述した冷房運転を実行しているときに、外気温度Tamが比較的低く、室外熱交換器温度TXOも低い(バッテリ55の温度より低い)環境下で、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ55の温度が上限温度BTHまで上昇した場合、コントローラ32は第1の冷房/バッテリ冷却モードを実行する(図6)。この第1の冷房/バッテリ冷却モードでは、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の他方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66には通電せず、補助膨張弁73は全閉又は冷媒を減圧する状態で開く。
尚、上記第1の冷房/バッテリ冷却モードを実行している状態で例えば外気温度Tamが上昇し、室外熱交換器温度TXOが高くなった場合、或いは、外気温度Tamが高い環境下で冷房運転を実行していて室外熱交換器温度TXOが高い場合には、第2の冷房/バッテリ冷却モードを実行する(図7)。この第2の冷房/バッテリ冷却モードでは、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の一方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66には通電せず、補助膨張弁73は開いて冷媒を減圧する状態とする。
次に、前述した冷房運転を実行しているときに、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ55の温度が下限温度BTLまで低下した場合、コントローラ32はバッテリ加熱モードの一つとしての冷房/バッテリ加熱モードを実行する(図8)。この冷房/バッテリ加熱モードでは、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の一方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66に通電し、補助膨張弁73は全閉とする。
次に、前述した暖房運転を実行しているときに、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ55の温度が下限温度BTLまで低下した場合、コントローラ32はもう一つのバッテリ加熱モードの一つとしての暖房/バッテリ加熱モードを実行する(図9)。この暖房/バッテリ加熱モードでも、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の一方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66に通電し、補助膨張弁73は全閉とする。
次に、車両を停車してバッテリ55に充電しているとき等に、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ55の温度が下限温度BTLまで低下した場合、コントローラ32は更にもう一つのバッテリ加熱モードの一つとしてのバッテリ加熱単独モードを実行する(図10)。このバッテリ加熱単独モードでも、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の一方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66に通電する。尚、圧縮機2、各送風機15、27は停止する(補助膨張弁73は自由とする)。
次に、暖房運転中に例えば室外熱交換器7に着霜が生じ、放熱器4による暖房能力が不足するようになった場合、或いは、室外熱交換器7に着霜が生じ易い環境(外気温度Tamが極めて低くなったとき等)となった場合、コントローラ32は暖房/バッテリ熱HP利用モードを実行する(図11)。この暖房/バッテリ熱HP利用モードでは、コントローラ32は循環ポンプ62を運転すると共に、三方弁63の一方の出口を開く。また、熱媒体加熱ヒータ66は通電制御を行う。
次に、コントローラ32による室外熱交換器7の逆サイクル除霜時の制御について説明する。暖房運転中には前述した如く室外熱交換器7は蒸発器として機能するため、室外熱交換器7には外気中の水分が霜となって成長し、熱交換効率が低下して来る。コントローラ32は、例えば外気温度Tamや圧縮機2の回転数等から算出される無着霜時の室外熱交換器温度TXObaseを算出し、この無着霜時の室外熱交換器温度TXObaseと室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器温度TXOとを常時比較しており、室外熱交換器温度TXOが無着霜時の室外熱交換器温度TXObaseより低下してその差が所定値以上となった場合、室外熱交換器7の逆サイクル除霜/バッテリ冷却/加熱モードを実行する(図12)。
尚、室外熱交換器7の除霜方法としては前述した逆サイクル除霜に限らず、圧縮機2を運転し、電磁弁21を開放し、電磁弁17、20、22を閉じ、室外膨張弁6は開け気味として圧縮機2を運転する三角サイクル除霜と称される除霜方法でもよい。この場合には、圧縮機2から吐出された冷媒は放熱器4で放熱するので車室内の暖房は可能となる。一方、室外熱交換器7には開き気味の室外膨張弁6を経た冷媒が流入するので、室外熱交換器7でも冷媒は放熱するかたちとなり、除霜が実行されることになる。
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
15 室外送風機
17、20、21、22 電磁弁(開閉弁)
32 コントローラ(制御装置)
55 バッテリ
61 バッテリ温度調整装置
62 循環ポンプ(循環装置)
63 三方弁(流路切換装置)
64 冷媒−熱媒体熱交換器
66 熱媒体加熱ヒータ(加熱装置)
67 空気−熱媒体熱交換器
73 補助膨張弁(膨張弁)
R 冷媒回路
Claims (10)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
前記冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
前記冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
車室外に設けられて前記冷媒を吸熱又は放熱させるための室外熱交換器と、
該室外熱交換器に外気を通風する室外送風機と、
制御装置を備え、
該制御装置により少なくとも、
前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房運転と、
前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる冷房運転を実行する車両用空気調和装置において、
車両に搭載されたバッテリと、
該バッテリに熱媒体を循環させて当該バッテリの温度を調整するための循環装置と、
空気と前記熱媒体とを熱交換させるための空気−熱媒体熱交換器と、
前記室外熱交換器から出た前記冷媒の一部、又は、全部と前記熱媒体とを熱交換させるための冷媒−熱媒体熱交換器と、
該冷媒−熱媒体熱交換器に流入する前記冷媒を減圧し、又は、当該冷媒−熱媒体熱交換器への前記冷媒の流入を阻止するための膨張弁と、
前記空気−熱媒体熱交換器に前記熱媒体を循環させるか否かを切り換えるための流路切換装置を有し、
前記空気−熱媒体熱交換器を、前記室外熱交換器の風下側に配置したことを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記室外熱交換器の冷媒出口側に設けられ、前記暖房運転時に開放される暖房用の開閉弁と、
前記室外熱交換器の冷媒出口側に設けられ、前記冷房運転時に開放される冷房用の開閉弁を備え、
前記室外熱交換器から出て前記各開閉弁に至る前の冷媒を前記冷媒−熱媒体熱交換器に流すことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。 - 前記制御装置は、前記暖房運転において、前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させることで前記室外熱交換器と熱交換した後の外気により前記熱媒体を冷却し、当該熱媒体により前記バッテリを冷却する暖房/バッテリ冷却モードを実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。
- 前記制御装置は、室外熱交換器の温度が低い場合、前記圧縮機を停止した状態で前記室外送風機を運転すると共に、
前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させることで前記室外送風機により通風される外気により前記熱媒体を冷却し、当該熱媒体により前記バッテリを冷却する第1のバッテリ冷却単独モードを実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。 - 前記制御装置は、室外熱交換器の温度が高い場合、前記圧縮機を運転して当該圧縮機から吐出された前記冷媒を前記室外熱交換器にて放熱させると共に、
前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させること無く、前記室外熱交換器から出た全ての冷媒を前記膨張弁により減圧した後、前記冷媒−熱媒体熱交換器に流入させ、前記熱媒体から吸熱させることで当該熱媒体を冷却し、該熱媒体により前記バッテリを冷却する第2のバッテリ冷却単独モードを実行することを特徴とする請求項4に記載の車両用空気調和装置。 - 前記制御装置は、前記冷房運転において室外熱交換器の温度が低い場合、前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させることで前記室外送風機により通風される外気により前記熱媒体を冷却し、当該熱媒体により前記バッテリを冷却する第1の冷房/バッテリ冷却モードを実行することを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 前記制御装置は、前記冷房運転において室外熱交換器の温度が高い場合、前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させること無く、前記室外熱交換器から出た冷媒の一部を前記膨張弁により減圧した後、前記冷媒−熱媒体熱交換器に流入させ、前記熱媒体から吸熱させることで当該熱媒体を冷却し、該熱媒体により前記バッテリを冷却する第2の冷房/バッテリ冷却モードを実行することを特徴とする請求項6に記載の車両用空気調和装置。
- 前記熱媒体を加熱する加熱装置を備え、
前記制御装置は、前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させること無く、前記膨張弁により前記冷媒−熱媒体熱交換器への前記冷媒の流入を阻止し、前記加熱装置により前記熱媒体を加熱することで、当該熱媒体により前記バッテリを加熱するバッテリ加熱モードを実行することを特徴とする請求項3乃至請求項7のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。 - 前記制御装置は、前記暖房運転において、前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させること無く、前記室外熱交換器から出た全ての冷媒を前記膨張弁により減圧した後、前記冷媒−熱媒体熱交換器に流入させ、前記熱媒体から吸熱させることで前記バッテリの熱を前記冷媒に搬送する暖房/バッテリ熱HP利用モードを実行することを特徴とする請求項3乃至請求項8のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 前記熱媒体を加熱する加熱装置を備え、
前記制御装置は、前記圧縮機から吐出された前記冷媒を前記室外熱交換器にて放熱させて当該室外熱交換器を除霜すると共に、
前記流路切換装置により前記熱媒体を前記空気−熱媒体熱交換器に循環させること無く、前記室外熱交換器から出た全ての冷媒を前記膨張弁により減圧した後、前記冷媒−熱媒体熱交換器に流入させ、前記熱媒体から吸熱させることで前記バッテリ、及び/又は、前記加熱装置の熱を前記冷媒に搬送する除霜/バッテリ冷却/加熱モードを実行することを特徴とする請求項3乃至請求項9のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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