JP6997567B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の車室内を空調するヒートポンプ方式の空気調和装置、特にバッテリを備えたハイブリッド自動車や電気自動車に好適な車両用空気調和装置に関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、バッテリ(発熱機器)から供給される電力で走行用モータを駆動するハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、車室内側に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室内側に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、車室外側に設けられて外気が通風されると共に、冷媒を吸熱又は放熱させる室外熱交換器が接続された冷媒回路を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房モード等の空調モードを切り換えて実行するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、車両に搭載されたバッテリは充電中、或いは、放電中の自己発熱で高温となる。このような状態で充放電を行うと、劣化が進行し、やがては作動不良を起こして破損する危険性がある。そこで、冷媒回路を循環する冷媒により冷却された空気(熱媒体)をバッテリに循環させることでバッテリ(二次電池)を冷却することができるようにしたものも開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014-213765号公報 特開2016-90201号公報
ここで、特許文献1では冷房モードで室外熱交換器の冷媒出口に設けられた冷房用の電磁弁を開き、吸熱器に冷媒を流すものであるが、この電磁弁の冷媒下流側からバッテリ冷却用の熱交換器に冷媒を流す冷媒供給配管を分岐させた場合、バッテリを冷却する必要が無い場合には、冷媒供給配管に流入する冷媒量分、吸熱器に流れる冷媒量が減少して空調性能が低下するため、冷媒供給配管には弁装置(電磁弁等)を設けて当該配管への冷媒の流入を阻止する必要がある。
しかしながら、暖房モードでは冷房用の電磁弁は閉じられるので、弁装置を閉じると、冷媒供給配管内に冷媒とオイルが閉じ込められ、寝込んでしまうことになる。このような状態で暖房モードを実行すると、冷媒回路内のオイル循環率(OCR)が低くなって、圧縮機の摺動部の摩耗が激しくなり、破損が生じる等、信頼性が低下する。
特に、冷媒回路は車両の前方側に配置され、バッテリはそれ以外の位置(後部座席下等、車両の後方側)に配置されることが多いため、冷媒供給配管の寸法は長くなり、多量のオイルの寝込みによって上記問題が発生し易くなる。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、発熱機器冷却用の冷媒供給配管内にオイルが寝込むことで生じる信頼性の低下を、防止若しくは抑制することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱又は放熱させるための室外熱交換器と、吸熱器に冷媒を流す際に開放される開閉弁と、制御装置を備え、この制御装置により、開閉弁を開いて冷媒を吸熱器に流す第1の空調モードと、開閉弁を閉じ吸熱器に冷媒を流さない第2の空調モードを実行するものであって、車両に搭載された発熱機器に熱媒体を循環させて当該発熱機器を冷却するための発熱機器冷却装置を備え、この発熱機器冷却装置は、冷媒と熱媒体とを熱交換させるための冷媒-熱媒体熱交換器と、開閉弁の冷媒下流側から分岐し、冷媒を冷媒-熱媒体熱交換器に供給する冷媒供給配管と、冷媒-熱媒体熱交換器の冷媒入口に設けられた弁装置を有し、制御装置は、開閉弁及び弁装置を開いて冷媒-熱媒体熱交換器に冷媒を供給し、吸熱させる発熱機器冷却モードを更に有し、第1の空調モードでは弁装置を閉じ、第2の空調モードでは弁装置を開く制御を実行することを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、第2の空調モード中、弁装置を開けておくことを特徴とする。
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、請求項1の発明において制御装置は、第2の空調モードにおいて、圧縮機の吸込冷媒圧力Psが所定値以下に低下した場合、弁装置を開くことを特徴とする。
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、請求項1の発明において制御装置は、第2の空調モードにおいて、圧縮機の吸込冷媒圧力Psと外気温度から求められる冷媒の飽和圧力Pavapとの差が所定値以上となった場合、弁装置を開くことを特徴とする。
請求項5の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において圧縮機、放熱器、吸熱器、室外熱交換器、及び、開閉弁は車両の前方側に配置され、弁装置、及び、冷媒-熱媒体熱交換器は車両の前方側以外の位置に配置されていることを特徴とする。
請求項6の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において第1の空調モードは、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器と室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モード、のうちの何れか、又は、それらの組み合わせ、若しくは、それらの全てであり、第2の空調モードは、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードであることを特徴とする。
請求項7の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において第2の空調モードには、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器にて放熱させ、当該室外熱交換器を除霜する除霜モードを含み、制御装置は、発熱機器冷却モードにおいて、室外熱交換器で放熱した冷媒を冷媒-熱媒体熱交換器に供給し、吸熱させると共に、この発熱機器冷却モードを実行した後は、除霜モードを実行しないことを特徴とする。
本発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、冷媒を吸熱させて車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられて冷媒を吸熱又は放熱させるための室外熱交換器と、吸熱器に冷媒を流す際に開放される開閉弁と、制御装置を備え、この制御装置により、開閉弁を開いて冷媒を吸熱器に流す第1の空調モードと、開閉弁を閉じ吸熱器に冷媒を流さない第2の空調モードを実行する車両用空気調和装置において、車両に搭載された発熱機器に熱媒体を循環させて当該発熱機器を冷却するための発熱機器冷却装置を備え、この発熱機器冷却装置が、冷媒と熱媒体とを熱交換させるための冷媒-熱媒体熱交換器と、開閉弁の冷媒下流側から分岐し、冷媒を冷媒-熱媒体熱交換器に供給する冷媒供給配管と、冷媒-熱媒体熱交換器の冷媒入口に設けられた弁装置を有し、制御装置が、開閉弁及び弁装置を開いて冷媒-熱媒体熱交換器に冷媒を供給し、吸熱させる発熱機器冷却モードを更に有する場合に、第1の空調モードでは弁装置を閉じるようにしたので、請求項6の発明に示す除湿暖房モードや除湿冷房モード、冷房モードの如き第1の空調モードにおいて、冷媒-熱媒体熱交換器に流れる冷媒を弁装置で阻止し、吸熱器に流れる冷媒量の減少を防止して、空調性能の低下を回避することができるようになる。
特に、請求項6の発明に示す暖房モードの如き第2の空調モードでは、制御装置が弁装置を開く制御を実行するようにしたので、発熱機器冷却モードや第1の空調モードで冷媒供給配管内に流入し、その中に寝込んだ冷媒やオイルを、第2の空調モード中に回収して圧縮機に吸い込ませることができるようになる。これにより、冷媒供給配管内に冷媒とオイルが寝込むことで発生するオイル循環率の低下を防止若しくは抑制し、圧縮機の破損を防いで信頼性の改善を図ることができるようになる。
特に、請求項5の発明の如く圧縮機、放熱器、吸熱器、室外熱交換器、及び、開閉弁が車両の前方側に配置され、弁装置、及び、冷媒-熱媒体熱交換器が車両の前方側以外の位置に配置されている場合は、冷媒供給配管の寸法が長くなり、寝込む量も多くなるため、本発明は極めて有効となる。
この場合、請求項2の発明の如く制御装置により、第2の空調モード中、弁装置を開けておくようにすれば制御が簡素化される。
一方、請求項3の発明の如く制御装置が、第2の空調モードにおいて、圧縮機の吸込冷媒圧力Psが所定値以下に低下した場合、弁装置を開くようにすれば、圧縮機の吸込冷媒圧力Psが低下することで冷媒供給配管内に多量の冷媒とオイルが寝込んでいることを的確に判断し、弁装置を開けることができるようになる。
他方、冷媒供給配管内の冷媒やオイルの温度は外気温度と同じと考えられるので、請求項4の発明の如く制御装置が、第2の空調モードにおいて、圧縮機の吸込冷媒圧力Psと外気温度から求められる冷媒の飽和圧力Pavapとの差が所定値以上となった場合、弁装置を開くようにしても、冷媒供給配管内に多量の冷媒とオイルが寝込んでいることを的確認判断して、弁装置を開けることができるようになる。
また、発熱機器冷却モードでは室外熱交換器で冷媒が放熱するので、請求項7の発明の如く第2の空調モードとして制御装置が、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器にて放熱させ、当該室外熱交換器を除霜する除霜モードを有するとき、発熱機器冷却モードを実行した後は、除霜モードを実行しないようにすれば、不必要な除霜モードの実行を回避することができるようになる。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である。 図1の車両用空気調和装置の制御装置の電気回路のブロック図である。 図2の制御装置のヒートポンプコントローラによる発熱機器冷却モードを説明する車両用空気調和装置の構成図である。 図2の制御装置のヒートポンプコントローラによる暖房モード/除霜モードを説明する車両用空気調和装置の構成図である。 図2の制御装置のヒートポンプコントローラによる除湿暖房モードを説明する車両用空気調和装置の構成図である。 図2の制御装置のヒートポンプコントローラによる除湿冷房モード/冷房モードを説明する車両用空気調和装置の構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、車両にバッテリ(発熱機器)75が搭載され、このバッテリ75に充電された電力を走行用の電動モータ(図示せず)に供給することで駆動し、走行するものであり、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリ75の電力で駆動されるものとする。
即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路Rを用いたヒートポンプ運転により暖房モード(第2の空調モード)と、除湿暖房モード(第1の空調モード)、除湿冷房モード(第1の空調モード)、冷房モード(第1の空調モード)の各空調モードを選択的に実行することで車室内の空調を行うものである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明が有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
また、以下の実施例では本発明における発熱機器の一例として車両に搭載されたバッテリ75を採り上げて説明するが、発熱機器として走行用モータやそれを駆動するインバータ等も含まれるものとする。また、実施例では後述する圧縮機2、放熱器4、室外膨張弁6、室外熱交換器7、室内膨張弁8、吸熱器9、アキュムレータ12、各電磁弁17、20、21、22、30等の冷媒回路Rの殆どの部分は車両の前方側に配置され、バッテリ75は車両の前方側以外の位置、例えば、車両の後方側に位置する後部座席の下やトランクルーム内等に配置されているものとする。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、車室内空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を車室内に放熱させる放熱器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁(電子膨張弁)から成る室外膨張弁6と、冷房時には冷媒を放熱させる放熱器として機能し、暖房時には冷媒を吸熱させる蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる機械式膨張弁から成る室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させる吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。
そして、この冷媒回路R内に冷媒と圧縮機2の潤滑用のオイルが所定量封入されている。また、室外膨張弁6は放熱器4から出て室外熱交換器7に流入する冷媒を減圧膨張させると共に、全閉も可能とされている。また、実施例では機械式膨張弁が使用された室内膨張弁8は、吸熱器9に流入する冷媒を減圧膨張させると共に、吸熱器9における冷媒の過熱度を調整する。
尚、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは、吸熱器9に冷媒を流す際に開放される開閉弁としての電磁弁17(冷房用)を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは逆止弁18、電磁弁(吸熱器前の開閉弁)30、及び、室内膨張弁8を順次介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。また、逆止弁18は電磁弁30の方向が順方向とされている。
過冷却部16と逆止弁18間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される開閉弁としての電磁弁21(暖房用)を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。
更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6の手前(冷媒上流側)で冷媒配管13Jと冷媒配管13Fに分岐しており、分岐した一方の冷媒配管13Jが室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の冷媒入口側に接続されている。また、分岐した他方の冷媒配管13Fは除湿時に開放される開閉弁としての電磁弁22(除湿用)を介して逆止弁18の冷媒下流側であって、電磁弁30の冷媒上流側に位置する冷媒配管13Bに連通接続されている。
これにより、冷媒配管13Fは室外膨張弁6、室外熱交換器7及び逆止弁18の直列回路に対して並列に接続されたかたちとなり、室外膨張弁6、室外熱交換器7及び逆止弁18をバイパスするバイパス回路となる。また、室外膨張弁6にはバイパス用の開閉弁としての電磁弁20が並列に接続されている。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されており(図1では吸込口25で代表して示す)、この吸込口25には空気流通路3内に導入する空気を車室内の空気である内気(内気循環)と、車室外の空気である外気(外気導入)とに切り換える吸込切換ダンパ26が設けられている。更に、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
また、放熱器4の空気下流側における空気流通路3内には、実施例ではPTCヒータから成る補助ヒータ23が設けられている。更に、放熱器4の空気上流側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を放熱器4及び補助ヒータ23に通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。
更にまた、放熱器4の空気下流側における空気流通路3には、FOOT(フット)、VENT(ベント)、DEF(デフ)の各吹出口(図1では代表して吹出口29で示す)が形成されており、この吹出口29には上記各吹出口から空気の吹き出しを切換制御する吹出口切換ダンパ31が設けられている。
更に、本発明の車両用空気調和装置1は、バッテリ75に熱媒体を循環させて当該バッテリ75を冷却するための発熱機器冷却装置61を備えている。実施例の発熱機器冷却装置61は、バッテリ75に熱媒体を循環させるための循環装置としての循環ポンプ62と、冷媒-熱媒体熱交換器64を備え、それらとバッテリ75が熱媒体配管68にて環状に接続されている。尚、前述した如くバッテリ75が車両の後方側に配置されている関係上、発熱機器冷却装置61もバッテリ75周囲の車両の後方側に設けられる。
この実施例の場合、循環ポンプ62の吐出側に冷媒-熱媒体熱交換器64の熱媒体流路64Aの入口が接続され、この熱媒体流路64Aの出口にバッテリ75の入口が接続され、バッテリ75の出口が循環ポンプ62の吸込側に接続されている。
この発熱機器冷却装置61で使用される熱媒体としては、例えば水、HFO-1234fのような冷媒、クーラント等の液体、空気等の気体が採用可能である。尚、実施例では水を熱媒体として採用している。また、バッテリ75の周囲には例えば熱媒体が当該バッテリ75と熱交換関係で流通可能なジャケット構造が施されているものとする。
そして、循環ポンプ62が運転されると、循環ポンプ62から吐出された熱媒体は冷媒-熱媒体熱交換器64の熱媒体流路64Aに流入する。この冷媒-熱媒体熱交換器64の熱媒体流路64Aを出た熱媒体はバッテリ75に至る。熱媒体はそこでバッテリ75と熱交換した後、循環ポンプ62に吸い込まれることで熱媒体配管68内を循環される。
一方、冷媒回路Rの冷媒配管13Fの出口、即ち、冷媒配管13Fと冷媒配管13Bとの接続部には、逆止弁18の冷媒下流側(順方向側)であって、電磁弁30の冷媒上流側に位置して分岐配管としての冷媒供給配管72の一端が接続されている。従って、この冷媒供給配管72は冷房用の電磁弁17の冷媒下流側から分岐していることになる。
この冷媒供給配管72は、車両の前方側から後方側まで渡った後、電磁弁40(バッテリ用)及び機械式膨張弁から成る補助膨張弁73を順次介して冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流64Bの入口に接続されている。即ち、電磁弁40及び補助膨張弁73は冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒入口に接続されている。実施例ではこれら電磁弁40及び補助膨張弁73が本発明における弁装置を構成する。また、前述した如く発熱機器冷却装置61及びバッテリ75が車両の後方側に配置されている関係上、これら電磁弁40及び補助膨張弁73(弁装置)も車両の前方側以外の部分、即ち、後方側に配置される。
補助膨張弁73は冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bに流入する冷媒を減圧膨張させると共に、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bにおける冷媒の過熱度を調整する。そして、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bの出口には冷媒戻し配管74の一端が接続され、この冷媒戻し配管74は車両を後方側から前方側に渡った後、その他端はアキュムレータ12の手前(冷媒上流側)の冷媒配管13Cに接続されている。そして、これら冷媒供給配管72、冷媒戻し配管74、電磁弁40、補助膨張弁73、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bも冷媒回路Rの一部を構成すると同時に、発熱機器冷却装置61の一部をも構成することになる。
上述の如く冷媒供給配管72と冷媒戻し配管74は車両を前後に渡っているため、それらの配管長は長くなる。そして、電磁弁40が開いている場合、冷媒配管13Fから出た冷媒は冷媒供給配管72から電磁弁40を経て補助膨張弁73に至り、そこで減圧された後、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bに流入し、そこで蒸発する。冷媒は冷媒流路64Bを流れる過程で熱媒体流路64Aを流れる熱媒体から吸熱した後、冷媒戻し配管74を経てアキュムレータ12に流入し、圧縮機2に吸い込まれることになる。
次に、図2は実施例の車両用空気調和装置1の制御装置11のブロック図を示している。制御装置11は、何れもプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された空調コントローラ45及びヒートポンプコントローラ32から構成されており、これらがCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)を構成する車両通信バス65に接続されている。また、圧縮機2と補助ヒータ23も車両通信バス65に接続され、これら空調コントローラ45、ヒートポンプコントローラ32、圧縮機2及び補助ヒータ23が車両通信バス65を介してデータの送受信を行うように構成されている。
空調コントローラ45は、車両の車室内空調の制御を司る上位のコントローラであり、この空調コントローラ45の入力には、車両の外気温度Tamを検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれて吸熱器9に流入する空気の温度(吸込空気温度Tas)を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気(内気)の温度(室内温度Tin)を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力Pdを検出する吐出圧力センサ42と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52の各出力と、バッテリ75の温度(バッテリ75自体の温度、又は、バッテリ75を出た熱媒体の温度、或いは、バッテリ75に入る熱媒体の温度)を検出するバッテリ温度センサ76と、設定温度や運転モードの切り換え等の車室内の空調設定操作を行うための空調操作部(エアコン操作部)53が接続されている。
また、空調コントローラ45の出力には、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28と、吹出口切換ダンパ31と、循環ポンプ62が接続され、それらは空調コントローラ45により制御される。尚、バッテリ75はコントローラを内蔵しており、バッテリ75のコントローラは車両通信バス65を介して空調コントローラ45とデータの送受信を行い、この空調コントローラ45にバッテリ75が充電中であるか否かの情報やバッテリ75の残量(充電量)に関する情報が送信される構成とされている。
ヒートポンプコントローラ32は、主に冷媒回路Rの制御を司るコントローラであり、このヒートポンプコントローラ32の入力には、圧縮機2の吐出冷媒温度Tdを検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力Psを検出する吸込圧力センサ44と、圧縮機2の吸込冷媒温度Tsを検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の冷媒入口側の冷媒温度(放熱器入口温度TCIin)を検出する放熱器入口温度センサ46Aと、放熱器4の冷媒出口側の冷媒温度(放熱器出口温度TCIout)を検出する放熱器出口温度センサ46Bと、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の冷媒温度(吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力を検出する吸熱器圧力センサ49と、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ温度Tptc)を検出する補助ヒータ温度センサ50と、室外熱交換器7の出口の冷媒温度(室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXO、室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の出口の冷媒圧力(室外熱交換器7の冷媒蒸発圧力PXO、室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。
また、ヒートポンプコントローラ32の出力には、室外膨張弁6、電磁弁30(吸熱器前)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁20(バイパス用)、電磁弁22(除湿用)、電磁弁40(バッテリ用)の各電磁弁が接続され、それらはヒートポンプコントローラ32により制御される。尚、圧縮機2と補助ヒータ23はそれぞれコントローラを内蔵しており、圧縮機2と補助ヒータ23のコントローラは車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32とデータの送受信を行い、このヒートポンプコントローラ32によって制御される。
ヒートポンプコントローラ32と空調コントローラ45は車両通信バス65を介して相互にデータの送受信を行い、各センサの出力や空調操作部53にて入力された設定に基づき、各機器を制御するものであるが、この場合の実施例では外気温度センサ33、吐出圧力センサ42、車速センサ52、バッテリ温度センサ76、空気流通路3に流入した空気の体積風量Ga(空調コントローラ45が算出)、エアミックスダンパ28による風量割合SW(空調コントローラ45が算出)、空調操作部53の出力は空調コントローラ45から車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32に送信され、ヒートポンプコントローラ32による制御に供される構成とされている。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。この実施例では制御装置11(空調コントローラ45、ヒートポンプコントローラ32)は、暖房モードと、除湿暖房モードと、除湿冷房モードと、冷房モードの各空調モードを切り換えて実行すると共に、室外熱交換器7を除霜する除霜モードと、バッテリ75を冷却する発熱機器冷却モードを切り換えて実行する。
(1)発熱機器冷却モード
先ず、図3を参照しながら冷媒回路Rと発熱機器冷却装置61によりバッテリ75を冷却する発熱機器冷却モードについて説明する。バッテリ75の適温範囲は一般的には+25℃以上+45℃以下とされている。空調コントローラ45は、バッテリ温度センサ76が検出するバッテリ75の温度が例えば上記+45℃(上限温度)以上に上昇した場合、バッテリ75の冷却が必要と判断して発熱機器冷却モードの実行を要求する指示データ(バッテリ75の冷却要求)をヒートポンプコントローラ32に送信する。
ヒートポンプコントローラ32は車両通信バス65を介して係る空調コントローラ45からの発熱機器冷却モードの実行要求指示データを受信すると、以下に説明する発熱機器冷却モードを実行する。この発熱機器冷却モードでは、ヒートポンプコントローラ32は圧縮機2を運転し、室外送風機15も運転する。また、電磁弁20、電磁弁17、及び、電磁弁40を開き、電磁弁21、電磁弁22、及び、電磁弁30を閉じ、室内送風機27は停止する。
一方、空調コントローラ45は発熱機器冷却装置61の循環ポンプ62を運転し、冷媒-熱媒体熱交換器64において冷媒と熱媒体を熱交換させる状態とする。図3はこの発熱機器冷却モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れ(実線矢印)と発熱機器冷却装置61の熱媒体の流れ(破線矢印)を示している。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4を経て冷媒配管13Eから室外膨張弁6に至る。このとき電磁弁20は開放されているので冷媒は電磁弁20を経てそのまま室外熱交換器7に流入し、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、放熱して凝縮液化する。尚、室外熱交換器7に着霜が成長していた場合は、このときの放熱作用で室外熱交換器7は除霜されることになる。
室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aに入り、電磁弁17、レシーバドライヤ部14、過冷却部16を順次経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て逆止弁18に至るが、このとき電磁弁30、電磁弁22は閉じているので、室外熱交換器7を出た全ての冷媒は冷媒供給配管72に入り、電磁弁40を経て補助膨張弁73に至る。冷媒はこの補助膨張弁73で減圧された後、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64Bに流入して蒸発する。このときに吸熱作用を発揮する。この冷媒流路64Bで蒸発した冷媒は冷媒戻し配管74、冷媒配管13C、及び、アキュムレータ12を順次経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す(図3に実線矢印で示す)。
一方、循環ポンプ62から吐出された熱媒体は熱媒体配管68内を冷媒-熱媒体熱交換器64の熱媒体流路64Aに至り、そこで冷媒流路64B内で蒸発する冷媒により吸熱され、熱媒体は冷却される。冷媒の吸熱作用で冷却された熱媒体は冷媒-熱媒体熱交換器64を出てバッテリ75に至り、当該バッテリ75を冷却した後、循環ポンプ62に吸い込まれる循環を繰り返す。
このようにしてバッテリ75は冷却される。そして、バッテリ75の温度が例えば前記+25℃(下限温度)以下に低下した場合、空調コントローラ45は循環ポンプ62を停止し、ヒートポンプコントローラ32には発熱機器冷却モードの停止を要求する指示データを送信する。ヒートポンプコントローラ32は車両通信バス65を介して係る空調コントローラ45からの発熱機器冷却モードの停止要求指示データを受信すると、圧縮機2や室外送風機15を停止し、発熱機器冷却モードを終了する。このようにして、制御装置11(空調コントローラ45、ヒートポンプコントローラ32)はバッテリ75の温度を前述した適温範囲に維持する。
次に、冷媒回路Rによる前述した各空調モードについて説明する。制御装置11(空調コントローラ45、ヒートポンプコントローラ32)は上述した発熱機器冷却モードを実行する必要が無い状態(バッテリ75の冷却要求が無い状態)において、以下に説明する各空調モードと除霜モードを実行する。
(2)冷房モード(第1の空調モード)
最初に、図4を参照しながら冷房モードについて説明する。図4は冷房モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れ(実線矢印)を示している。ヒートポンプコントローラ32により(オートモード)或いは空調コントローラ45の空調操作部53へのマニュアルの空調設定操作(マニュアルモード)により冷房モードが選択されると、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17、電磁弁30、及び、電磁弁20を開き、電磁弁21、電磁弁22、及び、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気は通風されるものの、その割合は小さくなるので(冷房時のリヒートのみのため)、ここは殆ど通過するのみとなり、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て冷媒配管13Jに至る。このとき電磁弁20は開放されているので冷媒は電磁弁20を通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。
室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13A、電磁弁17、レシーバドライヤ部14、過冷却部16を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19、逆止弁18、電磁弁30を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着し、空気は冷却される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19、冷媒配管13Cを経てアキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は吹出口29から車室内に吹き出されるので、これにより車室内の冷房が行われることになる。この冷房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて圧縮機2の回転数を制御する。
(3)除湿冷房モード(第1の空調モード)
次に、除湿冷房モードについて説明する。尚、冷媒の流れは図4の場合と殆ど同様であるが、この除湿冷房モードでは冷媒は後述する如く電磁弁20では無く室外膨張弁6に流れることになる(破線矢印)。除湿冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17、電磁弁30を開き、電磁弁20、電磁弁21、電磁弁22、及び、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する(図4中に破線矢印で示す)。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13A、電磁弁17、レシーバドライヤ部14、過冷却部16を経て冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19、逆止弁18、電磁弁30を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着し、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19、冷媒配管13Cを経てアキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程でリヒート(再加熱:暖房時よりも放熱能力は低い)されるので、これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEOに基づき、吸熱器温度Teを目標吸熱器温度TEOにするように圧縮機2の回転数を制御すると共に、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCI(冷媒回路Rの高圧圧力)と目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)に基づき、放熱器圧力PCIを目標放熱器圧力PCOにするように室外膨張弁6の弁開度を制御することで放熱器4による必要なリヒート量を得る。
(4)除湿暖房モード(第1の空調モード)
次に、図5を参照しながら除湿暖房モードについて説明する。図5は除湿暖房モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れ(実線矢印)を示している。除湿暖房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁21、電磁弁22、及び、電磁弁30を開き、電磁弁17、電磁弁40は閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て一部は冷媒配管13Jに入り、室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる(吸熱)。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A及び冷媒配管13D、電磁弁21を経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
一方、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の残りは分流され、この分流された冷媒が電磁弁22を経て冷媒配管13Fに流入し、冷媒配管13Bに至る。次に、冷媒は電磁弁30を経て室内膨張弁8に至り、この室内膨張弁8にて減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときに吸熱器9で生じる冷媒の吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は、冷媒配管13Cに出て冷媒配管13Dからの冷媒(室外熱交換器7からの冷媒)と合流した後、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCI(冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御する。
以上の冷房モード、除湿冷房モード、及び、除湿暖房モードでは、発熱機器冷却装置61の冷媒供給配管72の分岐点に冷媒が流れることになるが、前述した如く電磁弁40が閉じているので、冷媒が冷媒-熱媒体熱交換器64に流通されることは無く、従って、吸熱器9における冷房/除湿能力が低下することも無い。
(5)暖房モード(第2の空調モード)
次に、図6を参照しながら暖房モードについて説明する。図6は暖房モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れ(実線矢印)を示している。暖房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁21を開き、電磁弁17、電磁弁20、電磁弁22、電磁弁30は閉じる。尚、電磁弁40について後述する。
そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は放熱器4を出た後、冷媒配管13E、13Jを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる(吸熱)。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A及び冷媒配管13D、電磁弁21を経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。放熱器4にて加熱された空気は吹出口29から吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は、目標吹出温度TAOから算出される目標ヒータ温度TCO(放熱器4の空気下流側の空気温度THの目標値)から目標放熱器圧力PCOを算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数を制御すると共に、放熱器出口温度センサ46Aが検出する放熱器4の冷媒出口側の温度TCIout及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度を制御する。前記目標ヒータ温度TCOは基本的にはTCO=TAOとされるが、制御上の所定の制限が設けられる。
また、ヒートポンプコントローラ32は、放熱器4による暖房能力が不足する場合、この不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完する。これにより、低外気温時等にも車室内を支障無く暖房する。
(6)空調モードの切り換え
ヒートポンプコントローラ32は下記式(I)から前述した目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度の目標値である。
TAO=(Tset-Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する車室内空気の温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
そして、コントローラ32は起動時には外気温度センサ33が検出する外気温度Tamと目標吹出温度TAOとに基づいて上記各空調モードのうちの何れかの空調モードを選択する。また、起動後は外気温度Tamや目標吹出温度TAO等の環境や設定条件の変化に応じて前記各空調モードを選択し、切り換えていくものである。
(7)除霜モード
次に、室外熱交換器7の除霜モードについて説明する。上述した如く暖房モードでは、室外熱交換器7では冷媒が蒸発し、外気から吸熱して低温となるため、室外熱交換器7には外気中の水分が霜となって付着する。この着霜が成長すると、室外熱交換器7とそれに通風される外気との間の熱交換が阻害されるため、圧縮機2の運転効率が低下する。また、過着霜となれば室外送風機15等の破損が発生する場合もある。そこで、ヒートポンプコントローラ32は以下の如く室外熱交換器7への着霜の進行状態を判定する。
(7-1)室外熱交換器への着霜の進行状態の判定と圧縮機等の制御
この実施例では、ヒートポンプコントローラ32は室外熱交換器温度センサ54から得られる室外熱交換器7の現在の冷媒蒸発温度TXOと、外気が低湿環境で室外熱交換器7に着霜していない無着霜時における当該室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXObaseとに基づき、室外熱交換器7への着霜の進行状態を判定する。
即ち、ヒートポンプコントローラ32は無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseと現在の冷媒蒸発温度TXOとの差ΔTXO(ΔTXO=TXObase-TXO)を演算(算出)する。この場合、ヒートポンプコントローラ32は、無着霜時における室外熱交換器7の冷媒蒸発温度TXObaseを、次式(II)を用いて演算することで推定する。
TXObase=f(Tam、NC、Ga*SW、VSP、PCI)
=k1×Tam+k2×NC+k3×Ga*SW+k4×VSP+k5×PCI
・・(II)
ここで、式(II)のパラメータであるTamは外気温度センサ33から得られる外気温度、NCは圧縮機2の回転数、Ga*SWは放熱器4への風量、VSPは車速センサ52から得られる車速、PCIは放熱器圧力であり、k1~k5は係数で、予め実験により求めておく。
外気温度Tamは室外熱交換器7の吸込空気温度(環境条件)を示す指標であり、外気温度Tam(室外熱交換器7の吸込空気温度)が低くなる程、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k1は正の値となる。尚、同様に室外熱交換器7の吸込空気温度を示す指標としては外気温度Tamに限られない。
また、圧縮機2の回転数NCは冷媒回路R内の冷媒流量(運転状況)を示す指標であり、回転数NCが高い程(冷媒流量が多い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k2は負の値となる。
また、Ga*SWは放熱器4の通過風量(運転状況)を示す指標であり、Ga*SWが大きい程(放熱器4の通過風量が大きい程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k3は負の値となる。尚、放熱器4の通過風量を示す指標としてはこれに限らず、室内送風機27のブロワ電圧BLVでもよい。
また、車速VSPは室外熱交換器7の通過風速(運転状況)を示す指標であり、車速VSPが低い程(室外熱交換器7の通過風速が低い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k4は正の値となる。尚、室外熱交換器7の通過風速を示す指標としてはこれに限らず、室外送風機15の電圧でもよい。
また、放熱器圧力PCIは放熱器4の冷媒圧力(運転状況)を示す指標であり、放熱器圧力PCIが高い程、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k5は負の値となる。
尚、この実施例の式(II)のパラメータとして外気温度Tam、圧縮機2の回転数NC、放熱器4の通過風量Ga*SW、車速VSP、放熱器圧力PCIを用いているが、式(II)のパラメータとしては、上記全てに限らず、それらのうちの何れか一つ、若しくは、それらの組み合わせでもよい。
そして、ヒートポンプコントローラ32は、式(II)に現在の各パラメータの値を代入することで得られる無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseと現在の冷媒蒸発温度TXOとの差ΔTXO(ΔTXO=TXObase-TXO)を算出する。次に、ヒートポンプコントローラ32は冷媒蒸発温度TXOが無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseより低下して、その差ΔTXOが所定の閾値(例えば、5deg等)より大きくなっているか否か判断する。
そして、ヒートポンプコントローラ32は、冷媒蒸発温度TXOが無着霜時における冷媒蒸発温度TXObaseより低下し、その差ΔTXOが上記閾値より大きくなっている場合、室外熱交換器7に着霜が成長して除霜が必要と判断して除霜要求フラグfDFSTReqをセット(「1」)する。この除霜要求フラグfDFSTReqがセット(「1」)されたことは除霜要求としてヒートポンプコントローラ32から空調コントローラ45に通知され、また、ヒートポンプコントローラ32が有する不揮発性メモリ(EEP-ROM)80に記憶される(図2)。
空調コントローラ45は、ヒートポンプコントローラ32から除霜要求フラグfDFSTReqがセットされたことが除霜要求として通知された場合、現在の車両の状態が室外熱交換器7の除霜許可条件を満たしているか否か判断することで、室外熱交換器7の除霜の可否判断を行う。実施例の場合の除霜許可条件は、車室内の空調要求が無く、且つ、バッテリ75が充電中(車両は停車)であるかバッテリ75の残量が所定値以上あることである。
空調コントローラ45は、現在の車両の状態が上記除霜許可条件を満たしている場合、除霜許可フラグfDFSTPermをセット(「1」)する。この除霜許可フラグfDFSTPermがセット(「1」)されたことは除霜許可として空調コントローラ45からヒートポンプコントローラ32に通知される(図2)。ヒートポンプコントローラ32は空調コントローラ45から除霜許可が通知された場合、室外熱交換器温度TXOが所定値(例えば、3℃等)以下であることを条件として室外熱交換器7の除霜モードを実行する。
(7-2)室外熱交換器7の除霜モード(第2の空調モード)
ヒートポンプコントローラ32は除霜モードで、冷媒回路Rを図6の暖房モードの状態とした上で、室外膨張弁6の弁開度を全開とし、エアミックスダンパ28による風量割合SWを「0」として放熱器4に通風しない状態とする。これも本発明における第2の空調モードに含める。そして、圧縮機2を運転し、当該圧縮機2から吐出された高温の冷媒を放熱器4、室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入させ、当該室外膨張弁7の着霜を融解させる。
そして、ヒートポンプコントローラ32は室外熱交換器温度センサ54が検出する室外熱交換器7の温度(室外熱交換器温度TXO)が所定の除霜終了温度(例えば、+3℃等)より高くなった場合、室外熱交換器7の除霜が完了したものとし、前述した除霜要求フラグfDFSTReqをリセット(「0」)する。
(8)暖房モード及び除霜モードにおける電磁弁40を開く制御(その1)
次に、上述した暖房モード及び除霜モードにおける発熱機器冷却装置61の電磁弁40の制御について説明する。前述した冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード(第1の空調モード)では、室外熱交換器7の冷媒出口側に設けられた電磁弁17を開き、電磁弁30も開いて吸熱器9に冷媒を流すものであるが、電磁弁17の冷媒下流側であって、電磁弁30の冷媒上流側の分岐点から冷媒供給配管72が分岐しているため、電磁弁40を閉じていても、冷媒供給配管72には冷媒とオイルが流入する。
また、前述した発熱機器冷却モードにおいては電磁弁40が開放されて冷媒供給配管72に冷媒が流通されるため、上記各モードから暖房モードや除霜モードに移行した場合、電磁弁17や電磁弁30は閉じられるので、電磁弁40を閉じてしまうと、冷媒供給配管72内に冷媒とオイルが閉じ込められ、寝込んでしまうことになる。そして、そのような状態で暖房モードや除霜モードを実行すると、冷媒回路R内のオイル循環率(OCR)が低くなって、圧縮機2の摺動部の摩耗が激しくなり、破損が生じる等、信頼性が低下する。
特に、冷媒回路Rは車両の前方側に配置され、バッテリ75や電磁弁40はそれ以外の位置(後部座席下等、車両の後方側)に配置されているため、冷媒供給配管72の寸法(配管長)は長くなり、多量のオイルの寝込みによって上記問題が発生し易くなる。
そこで、この実施例ではヒートポンプコントローラ32は、前述した暖房モード及び除霜モードを実行している間、電磁弁40を開放したままに維持する(この実施例での電磁弁40を開く制御)。これにより、発熱機器冷却モードや冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード(第1の空調モード)で冷媒供給配管72内に入った冷媒やオイルを、暖房モードや除霜モード中に、電磁弁40、補助膨張弁73、冷媒-熱媒体熱交換器64の冷媒流路64B、冷媒戻し配管74を介して、アキュムレータ12に回収し、圧縮機2に吸い込ませることができるようになる。
特に、実施例の如く圧縮機2、放熱器4、吸熱器9、室外熱交換器7、及び、電磁弁17等が車両の前方側に配置され、電磁弁40や冷媒-熱媒体熱交換器64が車両の前方側以外の位置に配置されている場合は、冷媒供給配管72の寸法が長くなり、寝込む量も多くなるが、本発明によれば簡単な制御で効果的にそれらをアキュムレータ12に回収し、冷媒供給配管72内に冷媒とオイルが寝込むことで発生するオイル循環率の低下を防止若しくは抑制し、圧縮機2の破損を防いで信頼性の改善を図ることができるようになる。
(9)発熱機器冷却モード後の除霜モード
尚、前述した発熱機器冷却モードでは室外熱交換器7で冷媒が放熱するので、室外熱交換器7の着霜は融解されることになる。また、ヒートポンプコントローラ32は、前述した如く室外熱交換器温度TXOが所定値(3℃)以下であることを除霜モードの実行条件としている。そして、発熱機器冷却モード後は室外熱交換器温度TXOも所定値より高くなるため、ヒートポンプコントローラ32は発熱機器冷却モードを実行した後は、除霜モードを実行しないようになる。
これにより、不必要な除霜モードの実行を回避することができるようになる。尚、発熱機器冷却モード後の除霜モードを禁止するため、発熱機器冷却モードを実行した場合は、前述した除霜要求フラグfDFSTReq及び除霜許可フラグfDFSTPermをリセットするようにしてもよい。
(10)暖房モード及び除霜モードにおける電磁弁40を開く制御(その2)
尚、上記実施例では暖房モード及び除霜モード(第2の空調モード)を実行している間中、電磁弁40を開くようにしたが、それに限らず、暖房モード及び除霜モードでは基本的には電磁弁40を閉じるものの、暖房モード及び除霜モードを開始後、圧縮機2の吸込冷媒圧力Psが所定値Psvap以下になった場合、電磁弁40を開くようにしてもよい(この実施例での電磁弁40を開く制御)。そして、吸込冷媒圧力Psが(Psvap+α)以上になったらヒートポンプコントローラ32は電磁弁40を閉じる。
この場合、吸込冷媒圧力Psは実施例の如く吸込圧力センサ44がある場合はその検出値を、無い場合は吸込温度センサ55が検出する吸込冷媒温度Tsから算出した値を用いる。そして、冷媒供給配管72内に多量の冷媒とオイルが寝込んでいる場合、圧縮機2の吸込冷媒圧力Psが低下して来るので、この実施例の如く吸込冷媒圧力Psが所定値Psvap以下になった場合、電磁弁40を開くようにすれば、係る冷媒及びオイルの寝込みを的確に判断して電磁弁40を開け、アキュムレータ12に回収することができるようになる。
(11)暖房モード及び除霜モードにおける電磁弁40を開く制御(その3)
また、冷媒供給配管72内の冷媒やオイルの温度は外気温度Tamと同じと考えられるので、ヒートポンプコントローラ32が、暖房モード及び除霜モード(第2の空調モード)において、圧縮機2の吸込冷媒圧力Psと外気温度Tamから求められる冷媒の飽和圧力Pavapとの差ΔPs(=Pavap-Ps)が所定値X1以上となった場合、電磁弁40を開くようにしても、冷媒供給配管72内に多量の冷媒とオイルが寝込んでいることを的確認判断して、電磁弁40を開けることができるようになる(この実施例での電磁弁40を開く制御)。この場合も、ヒートポンプコントローラ32は、差ΔPsが(X1-β)以下となったら電磁弁40を閉じるものである。
尚、上記各実施例では電磁弁40と補助膨張弁73で本発明における弁装置を構成したが、それに限らず、弁装置を全閉が可能な電動弁(電子膨張弁)で構成してもよい。また、上記各実施例で説明した冷媒回路Rや発熱機器冷却装置61の構成はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であることは云うまでもない。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
11 制御装置
17、20、21、22、30 電磁弁(開閉弁)
32 ヒートポンプコントローラ(制御装置)
40 電磁弁(弁装置)
45 空調コントローラ(制御装置)
61 発熱機器冷却装置
62 循環ポンプ
64 冷媒-熱媒体熱交換器
72 冷媒供給配管
73 補助膨張弁
74 冷媒戻し配管
75 バッテリ(発熱機器)
R 冷媒回路

Claims (7)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    前記冷媒を吸熱させて前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    車室外に設けられて前記冷媒を吸熱又は放熱させるための室外熱交換器と、
    前記吸熱器に冷媒を流す際に開放される開閉弁と、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記開閉弁を開いて前記冷媒を前記吸熱器に流す第1の空調モードと、前記開閉弁を閉じ前記吸熱器に冷媒を流さない第2の空調モードを実行する車両用空気調和装置において、
    車両に搭載された発熱機器に熱媒体を循環させて当該発熱機器を冷却するための発熱機器冷却装置を備え、
    該発熱機器冷却装置は、前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させるための冷媒-熱媒体熱交換器と、前記開閉弁の冷媒下流側から分岐し、前記冷媒を前記冷媒-熱媒体熱交換器に供給する冷媒供給配管と、前記冷媒-熱媒体熱交換器の冷媒入口に設けられた弁装置を有し、
    前記制御装置は、前記開閉弁及び前記弁装置を開いて前記冷媒-熱媒体熱交換器に冷媒を供給し、吸熱させる発熱機器冷却モードを更に有し、
    前記第1の空調モードでは前記弁装置を閉じ、前記第2の空調モードでは前記弁装置を開く制御を実行することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、前記第2の空調モード中、前記弁装置を開けておくことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記制御装置は、前記第2の空調モードにおいて、前記圧縮機の吸込冷媒圧力Psが所定値以下に低下した場合、前記弁装置を開くことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記制御装置は、前記第2の空調モードにおいて、前記圧縮機の吸込冷媒圧力Psと外気温度から求められる冷媒の飽和圧力Pavapとの差が所定値以上となった場合、前記弁装置を開くことを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  5. 前記圧縮機、前記放熱器、前記吸熱器、前記室外熱交換器、及び、前記開閉弁は前記車両の前方側に配置され、前記弁装置、及び、前記冷媒-熱媒体熱交換器は前記車両の前方側以外の位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
  6. 前記第1の空調モードは、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器と前記室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードと、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器及び前記室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モードと、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる冷房モード、のうちの何れか、又は、それらの組み合わせ、若しくは、それらの全てであり、
    前記第2の空調モードは、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
  7. 前記第2の空調モードには、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器にて放熱させ、当該室外熱交換器を除霜する除霜モードを含み、
    前記制御装置は、前記発熱機器冷却モードにおいて、前記室外熱交換器で放熱した冷媒を前記冷媒-熱媒体熱交換器に供給し、吸熱させると共に、該発熱機器冷却モードを実行した後は、前記除霜モードを実行しないことを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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