JP2018140368A - NOx吸着材及び排ガス浄化方法 - Google Patents
NOx吸着材及び排ガス浄化方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018140368A JP2018140368A JP2017037147A JP2017037147A JP2018140368A JP 2018140368 A JP2018140368 A JP 2018140368A JP 2017037147 A JP2017037147 A JP 2017037147A JP 2017037147 A JP2017037147 A JP 2017037147A JP 2018140368 A JP2018140368 A JP 2018140368A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nox
- phosphate
- tungstophosphoric acid
- present
- nox adsorbent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【課題】 優れたNOx吸着能を有するNOx吸着材を提供すること。
【解決手段】 タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを含有することを特徴とするNOx吸着材。
【選択図】 なし
【解決手段】 タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを含有することを特徴とするNOx吸着材。
【選択図】 なし
Description
本発明は、NOx吸着材及びそれを用いた排ガス浄化方法に関する。
従来から、自動車や工場のディーゼルエンジン、燃料消費率の低い希薄燃焼式(リーンバーン)エンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)を除去するために、様々な種類のNOx吸着材やそれを用いた排ガス浄化方法が研究されている。
このような排ガス浄化方法としては、多孔質担体に貴金属等を担持させた触媒を用いる方法が広く知られており、例えば特開2009−643号公報(特許文献1)には、細孔径が1〜50nmの細孔と100〜3000m2/gの比表面積とを有するメソポーラス材料に白金を主成分とした触媒を担持したメソポーラス触媒を用いる排NOx浄化方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載されているように貴金属を用いてNOxを除去する排ガス浄化方法では、コストが高くなるという問題を有していた。
また、例えば特開2007−14903号公報(特許文献2)には、多孔質材料にヘテロポリ酸を添着してなるNO2除去材が記載されており、前記多孔質材料としては活性炭が、前記へテロポリ酸としてはヘテロ元素がリン又はケイ素であり、かつポリ元素がモリブデン及び/又はバナジウムであるヘテロポリ酸が、それぞれ開示されている。
なお、ヘテロポリ酸とは2種以上のオキソ酸が重合したものであり、中心のオキソ酸(ヘテロ元素)の周りに別種のオキソ酸(ポリ元素)が重合して、一般にKeggin型やDawson型などの結晶構造をとることが知られている。このようなヘテロポリ酸は強酸性を示すと共に、酸化力も強く、また、プロトンを対カチオンとして受容する電子受容体として機能することもできるため、主に触媒として利用されている。例えば、特開2008−173640号公報(特許文献3)には、無機酸化物担体上に、周期律表第6族金属、周期律表第8族金属、リンを含み、かつ有機酸を含有し、比表面積、細孔容積及び平均細孔直径がそれぞれ特定の範囲内にある軽油の水素化処理触媒が記載されており、前記触媒表面上で前記第6族金属とリンとがヘテロポリ酸を形成することが記載されている。また、特許文献1には、主触媒である白金触媒とのシナジー効果による触媒性能の向上を目的として異なる機能をもつ助触媒的成分を添加してもよいことが記載されており、前記助触媒的成分の一つとしてヘテロポリ酸が挙げられている。
しかしながら本発明者は、特許文献1〜3に開示されているような、従来から触媒の担体として一般的であったアルミナやチタニア、ゼオライト、活性炭等の多孔質体とヘテロポリ酸とを組み合わせてもNOx吸着量が未だ十分ではないという課題を有していることを見出した。特に、ヘテロポリ酸の一種であるタングストリン酸をこれらの多孔質体に組み合わせても十分なNOx吸着能が発揮されないということを見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れたNOx吸着能を有するNOx吸着材及びそれを用いた排ガス浄化方法を提供することを目的する。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを組み合わせてNOx吸着材として用いることにより、優れたNOx吸着能が発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のNOx吸着材は、タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを含有することを特徴とするものである。本発明のNOx吸着材においては、タングストリン酸の含有量が全質量に対して1〜75質量%であることが好ましい。
また、本発明のNOx吸着材においては、前記リン酸塩が、金属のリン酸塩であることが好ましく、前記金属が、ニオブ、セリウム、アルミ、チタン、すず、ジルコニウム、鉄、タンタル、バナジウム及びランタンからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
さらに、本発明のNOx吸着材としては、前記リン酸塩からなる担体と、前記担体に担持されたタングストリン酸とを備えることが好ましい。
また、本発明の排ガス浄化方法は、本発明のNOx吸着材に、窒素酸化物を含有する排ガスを接触せしめて前記窒素酸化物を前記排ガスから除去することを特徴とするものである。
なお、本発明のNOx吸着材によって上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、一般的な固体酸であるアルミナやチタニア、ゼオライト等の酸化物担体の酸強度は、ヘテロポリ酸であるタングストリン酸の酸強度よりも低いため、前記酸化物担体にタングストリン酸を添着させるとタングストリン酸の酸強度が低下してタングストリン酸の触媒能が低下するものと本発明者は推察する。他方、本発明においては、タングストリン酸に、当該タングストリン酸と同様にリンを含むリン酸塩を組み合わせるため、タングストリン酸の酸強度の低下度が少なく、タングストリン酸の触媒能が十分に発揮されるために優れたNOx吸着能が発揮されるものと本発明者は推察する。
本発明によれば、優れたNOx吸着能を有するNOx吸着材及びそれを用いた排ガス浄化方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のNOx吸着材は、タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを含有するものである。
本発明に係るリン酸塩としては、正リン酸塩(オルトリン酸塩)のほか、二リン酸塩(ピロリン酸塩)、ポリリン酸塩(メタリン酸塩)、亜リン酸塩などを用いることができる。これらの中でも、高温で安定であるという観点から、正リン酸塩(オルトリン酸塩)であることが好ましい。
このようなリン酸塩としては、金属のリン酸塩であることが好ましい。前記金属としては、ニオブ(Nb)、セリウム(Ce)、アルミ(Al)、チタン(Ti)、すず(Sn)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)及びランタン(La)が挙げられ、これらのうちの1種を単独であっても2種以上の混合であってもよい。これらの中でも、前記金属としては、耐熱性が高い傾向にあるという観点から、ニオブ、セリウム、タンタル及びランタンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、本発明に係るリン酸塩としては、リン酸ニオブ(NbOPO4)、リン酸セリウム(Ce(PO4)2)、リン酸タンタル(TaOPO4)及びリン酸ランタン(LaPO4)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明に係るリン酸塩としては、下記のタングストリン酸の担体として機能するものであることが好ましく、本発明のNOx吸着材としては、前記リン酸塩からなる担体を備えることが好ましい。なお、「リン酸塩からなる」とは、前記担体が前記リン酸塩のみから構成されるもの、或いは、主として前記リン酸塩からなり本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含み構成されるものであることを意味する。他の成分としては、この種の用途の担体として用いられる他の金属酸化物や添加剤などを用いることができる。他の金属酸化物としては、例えば、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、スカンジウム(Sc)などの希土類;マグネシウム(Mg);カルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属;アルカリ金属;、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などのバナジウム族金属を含む遷移金属;などの金属の酸化物が挙げられる。前記担体がこのような他の成分を含む場合、前記担体における前記リン酸塩の含有量は、担体の全質量100質量%に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。このような担体におけるリン酸塩の含有量が前記下限未満では、本発明の効果が十分に奏されない傾向にある。
前記担体としては、活性種(下記のタングストリン酸)の分散性やガス拡散性が向上し、また、NOx吸着サイトの量が増加してより優れたNOx吸着能が発揮される傾向にあるという観点から、多孔質体であることが好ましい。前記多孔質体としては、特に限定されないが、例えば、比表面積が20m2/g以上であることが好ましく、30〜200m2/gであることがより好ましい。前記比表面積が前記下限未満になると、前記活性種の分散性の向上効果が十分に期待できない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、担体自体の耐熱性が低下するために、NOx吸着材の耐熱性が低下する傾向にある。なお、このような比表面積は、窒素吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
前記多孔質体の平均細孔直径としては、特に制限されないが、0.5〜200nmであることが好ましく、1.0〜100nmであることがより好ましい。前記平均細孔直径が前記下限未満になると、細孔内におけるガス拡散性が低下してNOx吸着能の更なる向上が十分に期待できない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、比表面積が低下してNOx吸着サイトの量が減少するため、NOx吸着能の更なる向上が十分に期待できない傾向にある。なお、このような平均細孔直径は、窒素吸着等温線を測定し、BJH法により細孔径分布曲線を作成することによって求めることができる。
また、本発明に係るリン酸塩(好ましくはリン酸塩からなる担体)としては、活性種(下記のタングストリン酸)を分散性の高い状態で多く含有することができるという観点から、粒子状であることが好ましい。前記リン酸塩が粒子状である場合、該粒子の平均一次粒子径としては、1.0〜200nmであることが好ましく、2.0〜100nmであることがより好ましい。前記平均一次粒子径が前記下限未満になると、微細化にコストがかかるとともに、その取扱いが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、前記活性種の分散性が低下してNOx吸着能が低下したり、NOx吸着材を下記の基材に固定する場合に安定に固定することが困難となる傾向にある。なお、本発明において、粒子の平均一次粒子径は、X線回折装置を用いて粉末X線回折ピークの線幅からシェラーの式(Scherrer’s equation)を用いて算出することにより測定することができる。或いは、電子顕微鏡による画像の解析によって任意の100個の一次粒子径(粒子の断面の最大直径。粒子の断面が円形ではない場合には、その粒子の断面の外接円の直径)の平均としても算出することができる。
本発明に係るリン酸塩の製造方法としては、特に制限されず、従来公知の方法を適宜利用することができる。具体例として、前記リン酸塩として前記金属のリン酸塩を製造する場合には、例えば、上記に挙げた金属を含むハロゲン化金属、硫化金属、ペンタアルコキシ金属等とリン酸とを水中で反応させることにより、沈殿として当該金属のリン酸塩の粒子を生成させることができる。また、前記リン酸塩を多孔質体とする場合には、例えば、前記金属のリン酸塩の粒子を300〜700℃で1〜20時間焼成することにより、前記金属のリン酸塩を多孔質体の粒子とすることができる。さらに、前記リン酸塩の粒子としては、更にボールミルなどを用いてミリングして、そのサイズを適宜調整してもよい。
本発明に係るタングストリン酸は、タングステンのオキソ酸とリンのオキソ酸とが縮合したヘテロポリ酸であり、次式:H3PW12O40で示される化合物である。また、「タングストリン酸」は、「ホスホタングステン酸」や「リンタングステン酸」ともいわれる。本発明に係るタングストリン酸としては、四面体構造のPO4を中心にW3O13ユニットが4組縮合したKeggin構造(一次構造)を持っていることが好ましく、イオン結晶であることがより好ましい。また、水和物であっても、W3O13ユニットが回転した異性体であっても、一部のW3O13ユニットが外れた欠損型であっても、これらの混合物であってもよい。中でも、本発明に係るタングストリン酸としては、次式:H3PW12O40・nH2Oで示される水和物が少なくとも含まれていることが好ましく、水和数nとしては2.0〜7.0であることが好ましく、3.0〜6.0であることがより好ましい。このようなタングストリン酸は、従来公知の方法を適宜利用することで製造することができ、また、市販のものを適宜用いてもよい。
本発明に係るタングストリン酸の形態としては、結晶又は結晶性粉末であることが好ましく、結晶性粉末であることがより好ましく、本発明のNOx吸着材においては、前記リン酸塩からなる担体に担持されていることが更に好ましい。タングストリン酸が結晶性粉末である場合、該結晶性粉末の平均粒子径としては、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜50μmであることがより好ましい。前記結晶性粉末の大きさが前記下限未満になると、前記リン酸塩と強く結合しすぎてNOx吸着能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、反応サイト数が減ってNOx吸着能が低下する傾向にある。なお、前記結晶性粉末の平均粒子径とは、粒度分布における累積体積が50%となる粒子径D50のことをいい、光学顕微鏡を用いた画像解析又は粒度分布計を用いた測定で常法により求めることができる。
本発明のNOx吸着材において、前記リン酸塩の含有量としては、NOx吸着材の全質量(100質量%)中、25〜99質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。前記リン酸塩の含有量が前記下限未満になると、NOx吸着材が湿潤状態となって取り扱いが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、NOx吸着能が低下する傾向にある。
また、本発明のNOx吸着材において、タングストリン酸の含有量としては、NOx吸着材の全質量(100質量%)中、1〜75質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましい。前記タングストリン酸の含有量が前記下限未満になると、NOx吸着能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、NOx吸着材が湿潤状態となって取り扱いが困難となる傾向にある。
さらに、本発明のNOx吸着材において、前記リン酸塩の含有量とタングストリン酸の含有量との質量比(リン酸塩の含有量:タングストリン酸の含有量)としては、99:1〜1:3であることが好ましく、9:1〜3:7であることがより好ましく、4:1〜2:3であることがさらに好ましい。前記リン酸塩の含有量に対するタングストリン酸の含有量が前記下限未満になると、NOx吸着能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、NOx吸着材が湿潤状態となって取り扱いが困難となる傾向にある。
本発明のNOx吸着材は、前記リン酸塩とタングストリン酸とを含有するものであればよく、より好ましくは、前記リン酸塩からなる担体と、前記担体に担持されたタングストリン酸とを備えるものであることが好ましい。また、本発明のNOx吸着材は、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含んでいてもよく、他の成分としては、前記担体に含まれてもよい他の成分として挙げた金属酸化物や添加剤の他、公知の触媒、例えば、貴金属(Pt、Pd、Rh、Ir、Ru等)が挙げられる。前記貴金属は、前記リン酸塩からなる担体に更に担持されたものであってもよい。本発明のNOx吸着材がこのような他の成分を含む場合、それらの合計含有量は、前記リン酸塩及びタングストリン酸の合計100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明のNOx吸着材の形態としては、特に制限されず、粉末状であっても、ペレット状に成形したものであっても、基材上に固定されたものであってもよい。前記基材の形状としては特に制限されず、ペレット状、ハニカム状等の公知の形状を適宜採用することができ、前記基材としては、例えば、DPF基材、モノリス状基材、ペレット状基材、プレート状基材等が挙げられる。前記基材の材質としては特に制限されず、例えば、コーディエライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックスからなる基材や、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属からなる基材が挙げられる。本発明のNOx吸着材を前記基材上に固定せしめる場合、前記基材容量1Lあたりの固定量としては、特に制限されず、例えば、50〜300g/L、好ましくは100〜200g/Lである。
本発明のNOx吸着材の製造方法は特に制限されず、例えば、前記リン酸塩とタングストリン酸とを混合することで容易に得ることができる。
本発明の排ガス浄化方法は、本発明のNOx吸着材に、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスを接触せしめることを特徴とするものである。本発明のNOx吸着材はNOxを吸着することができるため、NOxを含む排ガス中のNOxを浄化(除去)すること(NOxを含む排ガスにおいて、NOxと他のガスとを分離することを含む)が可能である。
前記排ガスとしては、NOx(NO、NO2、N2O、N2O3、N2O4、N2O5等)を含むものであれば特に制限されず、例えば、ガソリン車のエンジン、ディーゼルエンジン、燃料消費率の低い希薄燃焼式(リーンバーン)エンジン等の内燃機関から排出される排ガスが挙げられる。前記排ガスを前記NOx吸着材に接触せしめる方法としては特に制限されず、例えば、排ガス管中に上記本発明のNOx吸着材を配置し、該排ガス管中において前記排ガスを前記NOx吸着材に接触させる方法等を採用してもよい。本発明の排ガス浄化方法において、前記排ガスの温度としては、120℃以上であることが好ましく、130〜300℃であることがより好ましい。
また、本発明の排ガス浄化方法において、本発明のNOx吸着材は単独で用いても他の触媒と共に用いてもよい。他の触媒としては特に制限されず、NOx還元能を有する公知のNOx還元触媒、NOx吸蔵還元型(NSR触媒)、NOx選択還元触媒(SCR触媒)、酸化触媒等を適宜用いることができる。また、このように他の触媒と組み合わせて用いる場合には、本発明のNOx吸着材を前段に配置し、他の触媒を後段に配置することが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、塩化ニオブ(三津和化学薬品株式会社製)2.7g(0.0lmol)をイオン交換水30gに溶解させた後、85%リン酸水溶液(和光純薬工業株式会社製)0.68ml(リン酸:0.0lmol)を添加し、約30分間室温で撹拌することにより前駆体溶液を得た。この前駆体溶液をオートクレーブ内に封入し、140℃で60時間熟成することによりリン酸ニオブ(NbOPO4)の沈殿物を得た。濾過により前記沈殿物を取り出し、120℃で2時間乾燥させた後、600℃で5時間焼成することにより、多孔質のリン酸ニオブ粒子を得た。このようにして得られた多孔質のリン酸ニオブ5gに対して、粉末状のタングストリン酸(Sigma−Aldrich社製「P4006−100G」)5gを混合し、リン酸ニオブ担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
先ず、塩化ニオブ(三津和化学薬品株式会社製)2.7g(0.0lmol)をイオン交換水30gに溶解させた後、85%リン酸水溶液(和光純薬工業株式会社製)0.68ml(リン酸:0.0lmol)を添加し、約30分間室温で撹拌することにより前駆体溶液を得た。この前駆体溶液をオートクレーブ内に封入し、140℃で60時間熟成することによりリン酸ニオブ(NbOPO4)の沈殿物を得た。濾過により前記沈殿物を取り出し、120℃で2時間乾燥させた後、600℃で5時間焼成することにより、多孔質のリン酸ニオブ粒子を得た。このようにして得られた多孔質のリン酸ニオブ5gに対して、粉末状のタングストリン酸(Sigma−Aldrich社製「P4006−100G」)5gを混合し、リン酸ニオブ担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(実施例2)
先ず、硝酸セリウム6水和物(0.0lmol)及びリン酸(0.0lmol)を50mLのイオン交換水中で混合し、130℃にて6時間熟成することによりリン酸セリウム(Ce(PO4)2)の沈殿物を得た。濾過により前記沈殿物を取り出し、120℃で12時間乾燥させた後、600℃で5時間焼成することにより、多孔質のリン酸セリウム粒子を得た。このようにして得られた多孔質のリン酸セリウムを、リン酸ニオブに代えて用いたこと以外は実施例1と同様にして、リン酸セリウム担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
先ず、硝酸セリウム6水和物(0.0lmol)及びリン酸(0.0lmol)を50mLのイオン交換水中で混合し、130℃にて6時間熟成することによりリン酸セリウム(Ce(PO4)2)の沈殿物を得た。濾過により前記沈殿物を取り出し、120℃で12時間乾燥させた後、600℃で5時間焼成することにより、多孔質のリン酸セリウム粒子を得た。このようにして得られた多孔質のリン酸セリウムを、リン酸ニオブに代えて用いたこと以外は実施例1と同様にして、リン酸セリウム担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(比較例1)
リン酸ニオブに代えてアルミナ(Al2O3、グレースダビソン社製「MI307」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、アルミナ担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
リン酸ニオブに代えてアルミナ(Al2O3、グレースダビソン社製「MI307」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、アルミナ担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(比較例2)
リン酸ニオブに代えてチタニア(TiO2、エボニック社製「P−25」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、チタニア担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
リン酸ニオブに代えてチタニア(TiO2、エボニック社製「P−25」)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、チタニア担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(比較例3)
リン酸ニオブに代えてゼオライト(ZSM−5、Si/A1=50)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゼオライト担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
リン酸ニオブに代えてゼオライト(ZSM−5、Si/A1=50)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ゼオライト担体にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(比較例4)
先ず、活性炭(株式会社キャタラー製「GA4−8」)5gをイオン交換水10g中に分散させた。次いで、そこにタングストリン酸(Sigma−Aldrich社製「P4006−100G」)5gを溶解させ、蒸発乾固させることにより、前記活性炭にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
先ず、活性炭(株式会社キャタラー製「GA4−8」)5gをイオン交換水10g中に分散させた。次いで、そこにタングストリン酸(Sigma−Aldrich社製「P4006−100G」)5gを溶解させ、蒸発乾固させることにより、前記活性炭にタングストリン酸が担持されたNOx吸着材を得た。
(NOx吸着量の測定試験)
常圧固定床流通型反応装置(ベスト測器株式会社製、「CATA−8000」)を用いて、以下のようにしてNOx吸着量を測定した。すなわち、先ず、ペレット状に成形した各NOx吸着材1gに対して、O2(10容量%)、CO2(10容量%)、H2O(5容量%)、NO(500ppm)、NO2(500ppm)及びN2(残部)からなるモデルガスを、150℃において、5L/分のガス流量にて15分間流通させ、入りガス中におけるNOx(NO、NO2)濃度と出ガス中におけるNOx濃度との差分から、NOx吸着材1gあたりのNOx吸着量(μmol)を算出し、NOx吸着量(μmol/g)とした。得られた結果を図1に示す。
常圧固定床流通型反応装置(ベスト測器株式会社製、「CATA−8000」)を用いて、以下のようにしてNOx吸着量を測定した。すなわち、先ず、ペレット状に成形した各NOx吸着材1gに対して、O2(10容量%)、CO2(10容量%)、H2O(5容量%)、NO(500ppm)、NO2(500ppm)及びN2(残部)からなるモデルガスを、150℃において、5L/分のガス流量にて15分間流通させ、入りガス中におけるNOx(NO、NO2)濃度と出ガス中におけるNOx濃度との差分から、NOx吸着材1gあたりのNOx吸着量(μmol)を算出し、NOx吸着量(μmol/g)とした。得られた結果を図1に示す。
図1に示した結果から明らかなように、アルミナ、チタニア、ゼオライト、活性炭等の他の多孔質担体にタングストリン酸を担持させた場合(比較例1〜4)には、NOxの吸着量が十分ではなかった。これに比べて、前記リン酸塩とタングストリン酸とを含有する本発明のNOx吸着材ではNOxの吸着量が著しく多く、優れたNOx吸着能が発揮されることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、優れたNOx吸着能を有するNOx吸着材を提供することが可能となる。また、本発明のNOx吸着材は優れたNOx吸着能を有するため、NOxを含む排ガス中のNOxを除去して同排ガスを浄化すること(NOxと他のガスとを分離することを含む)も可能であり、本発明によれば、前記NOx吸着材を用いた排ガス浄化方法も提供することが可能となる。本発明のNOx吸着材及び排ガス浄化方法は、ディーゼルエンジンや燃料消費率の低い希薄燃焼式(リーンバーン)エンジン等の内燃機関から排出される排ガスの浄化等に応用することができ、非常に有用である。
Claims (6)
- タングストリン酸と、タングストリン酸以外のリン酸塩とを含有することを特徴とするNOx吸着材。
- タングストリン酸の含有量が全質量に対して1〜75質量%であることを特徴とする請求項1に記載のNOx吸着材。
- 前記リン酸塩が、金属のリン酸塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載のNOx吸着材。
- 前記金属が、ニオブ、セリウム、アルミ、チタン、すず、ジルコニウム、鉄、タンタル、バナジウム及びランタンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項3に記載のNOx吸着材。
- 前記リン酸塩からなる担体と、前記担体に担持されたタングストリン酸とを備えることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のNOx吸着材。
- 請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のNOx吸着材に、窒素酸化物を含有する排ガスを接触せしめて前記窒素酸化物を前記排ガスから除去することを特徴とする排ガス浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017037147A JP2018140368A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | NOx吸着材及び排ガス浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017037147A JP2018140368A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | NOx吸着材及び排ガス浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018140368A true JP2018140368A (ja) | 2018-09-13 |
Family
ID=63527405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017037147A Pending JP2018140368A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | NOx吸着材及び排ガス浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018140368A (ja) |
-
2017
- 2017-02-28 JP JP2017037147A patent/JP2018140368A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5564109B2 (ja) | 特有の多孔度を有する酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムを含む組成物、この調製方法および触媒作用におけるこの使用 | |
JP5565569B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
KR20140095461A (ko) | 배기가스 정화용 촉매 | |
JP6292159B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
US7396518B2 (en) | High-temperature denitration catalysts and processes for preparing same | |
US10226755B2 (en) | NOx storage reduction catalyst for purifying exhaust gas and exhaust gas purification method using said catalyst | |
JP5164821B2 (ja) | 窒素酸化物選択的接触還元用触媒 | |
WO2007122917A1 (ja) | 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 | |
US20200306731A1 (en) | Catalytic article comprising a coprecipitate of vanadia, tungsta, and titania | |
JP5290062B2 (ja) | 排ガス浄化用触媒 | |
JP2018140368A (ja) | NOx吸着材及び排ガス浄化方法 | |
KR20170125904A (ko) | 연소 엔진을 위한 백금-함유 촉매 | |
JP6401740B2 (ja) | 排ガス浄化触媒及びその製造方法 | |
JP2008215253A (ja) | 排NOx浄化方法及び排NOx浄化装置 | |
WO2019172284A1 (ja) | 排ガス浄化触媒及び排ガス浄化システム | |
JP6681347B2 (ja) | 排気ガス浄化触媒用担体及び排気ガス浄化触媒 | |
JP6096818B2 (ja) | 排ガス浄化触媒、その製造方法、及び、それを用いた排ガス浄化方法 | |
JP2007260564A (ja) | 排ガス浄化用触媒及びその再生方法 | |
JP6774654B2 (ja) | 排ガス浄化触媒及び排ガス浄化方法 | |
JP5391640B2 (ja) | 排気ガス浄化用触媒 | |
JP6061406B2 (ja) | Pm酸化触媒、それを用いた排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化方法 | |
JP2017023999A (ja) | 排気ガス浄化用触媒 | |
JP2015196141A (ja) | 排ガス浄化用触媒、それを用いた排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化方法 | |
WO2016190294A1 (ja) | 排ガス浄化用触媒、それを用いた排ガス浄化フィルタ及び排ガス浄化方法 | |
CN111315476A (zh) | 氮氧化物吸留材料和废气净化用催化剂 |