JP2018140333A - 不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気の脱臭方法 - Google Patents

不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気の脱臭方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排気中に含有される不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーの効率的で完全な脱臭方法を提供する。【解決手段】分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気を重質の有機液体からなる吸収液と連続的または断続的に接触させることにより、前記不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを前記重質の有機液体からなる吸収液に吸収させた後、前記吸収液の存在下において重合させることにより脱臭する排気の脱臭方法。前記不飽和結合を有する揮発性有機化合物が(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等の一種以上である、排気の脱臭方法。前記重質の有機液体からなる吸収液の分子量が250以上で沸点が200℃以上であり、好ましくは−10℃でもでも液状を保持し、沈殿物を生じないものであることが好ましい、排気の脱臭方法。【選択図】図1

Description

本発明は、分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマー(以下、「モノマー」と称することがある。)を含有する排気の脱臭方法に関するものであり、さらに詳しくは、各種化学工場、実験室などから放出される排気中に含まれる稀薄であっても強い臭気をもつ分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーの脱臭浄化方法に関するものである。
分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーは、空気に拡散すると、不飽和結合を有しない揮発性有機化合物、例えば、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)などに比較して、少量であっても強い臭気を発する。
化学工場および実験室、特に塗料、印刷、繊維、ゴム、粘接着剤、有機ガラス等の関連分野においては、前記の不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーの製造工程、該モノマーを原料とする製品の製造工程およびかかる製品の用途、例えば塗料、粘接着剤等の使用面において、前記不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーが多量使用されており、その一部が空気中に拡散し易く、空気中に拡散すると臭気及び光化学スモッグの発生原因となるなど環境汚染の原因となっている。
環境保全上においては、これらの不飽和結合を有する揮発性化合物モノマーの気中への拡散を抑えることが不可欠である。 従来、排出された揮発性有機化合物の除去方法として開発され実施されてきた対策は、第一に燃焼方式によるものであり、また、第二に吸着方式も従来実施されている。
前記の燃焼方式は、排気をダクトで一つに集め、触媒上に通したり、新たに燃料を加えてVOCを燃焼させることにより除去する方法である。燃焼方式には直接燃焼方式と接触燃焼方式があり、いずれも高温条件において揮発性有機化合物を酸化分解するものである。
かかる燃焼方式によれば、排出ガス中の揮発性有機化合物の除去率が大きいという特徴があるが、モノマーの種類と温度条件によってはダイオキシンおよびNOが発生する可能性がある点、燃焼によりCOガスを多量に排出する点のほかランニングコストが高いことが欠点とされている。また、装置の大型化が必要であり、多額の投資額を要するので、小規模な発生源からの排気の処理にはコスト高となるため装置の設置が困難である。また、揮発性有機化合物の回収再利用ができないという問題もある。
第二の吸着方式は、特に物理的な吸着方法が一般的に普及しており、排気を固体粉末状の吸着剤、主に活性炭及びゼオライト等に接触させ、含有する揮発性有機化合物を吸着除去する方法である。
かかる方式によれば、吸着後に揮発性有機化合物を脱着回収して揮発性有機化合物および吸着剤をそれぞれ再利用することができ、回収率も高いという利点がある。また、COを排出しないという環境保全上の有利な点がある。
しかし、かかる吸着方法では、吸着ゾーンに固体粉末を通過させ、吸着された揮発性有機化合物を回収するための操作には大きなエネルギーとコストを要するという工学上の困難な問題がある。また、固体粉末が空気中に飛散するという問題もある。
一方、化学的な吸着方式としては、例えば、シクロデキストリン水溶液に排気を通し、シクロデキストリンの環状構造が形成する空洞に揮発性有機化合物を包摂化合物として水素結合により取り込むことにより、排気中の揮発性有機化合物を除去する方法を挙げることができるが、かかる方法は、未だ十分な効果を奏するまでには至っていない。
さらに、第三の方法として、液体吸収方法が提案されている。液体吸収方法は、排気を吸収液と接触吸収させ、吸収後、蒸留等の方法により分離回収する方法である。排気の吸収液との接触は、吸収液をシャワー状の状態で行うか、または排気を吸収液中にバブリングする方法により行う方法がある。
また、吸収液としては、灯油等の高沸点炭化水素溶剤、グリコールモノアルキルエーテルとデセンとの混合物、その他の界面活性剤の水溶液またはエマルジョン等が使用されている。
かかる液体吸収法によれば、比較的小型から大型の装置の設計が可能であり、装置費が低コストで済み、COの発生もなく、揮発性有機化合物の回収および吸収後の再利用も可能である。
かかる状況下において、揮発性有機化合物を含むガスから揮発性有機化合物を除去するために吸収液を接触させる方法(特開昭52−37585号公報(特許文献1))がすでに提案されており、吸収液として、フタル酸エステル、珪酸エステル、燐酸エステル等と精製鉱油との混合物が記載されている。
しかしながら、かかる液体吸収法によっても揮発性有機化合物の臭気の解消については開示がなく十分な解決策が示されていない。
特に、分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーの除去については、従来の排気中の揮発性有機化合物の除去方法においては十分に開示されておらず、使用開始後短期間のうちに吸収液の再生を必要とするなど、十分な効果も奏するものではなかった。
前記の化学工場等から排出される排気中に含有されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和結合を分子内に有する揮発性有機化合物モノマーは、空気中に拡散すると、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の二重結合を有しない揮発性溶剤に比較して微量であっても強い臭気を呈することは前記の通りであり、かかる揮発性有機化合物モノマーの脱臭方法の開発が切望されてきた。
一方、一般に揮発性有機化合物の除去方法においては、前記揮発性有機化合物が吸収液に吸収されて、溶解濃度が増加すると吸収液の吸収能力が低下するので、蒸留等の操作により、吸収液の吸収能力を再活性化させなければならないから液体吸収法では工程が複雑化するという問題もあった。
[特許文献1]特開昭52−37858号公報
従って、本発明の課題は、前記の如き化学工場等から排出される排気中の揮発性有機化合物の臭気を簡便な操作により効率よく完全に除去可能であり、かつ長期間にわたる連続処理が可能な排気の脱臭方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、本発明の前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、臭気の原因物質として、排気に含有される分子内に不飽和結合を有する有機化合物モノマーに着目し、かかる分子内に不飽和結合を有する有機化合物モノマーを重質の有機液体からなる吸収液と接触させ、前記吸収液の存在下において前記有機化合物モノマーを重合させることにより、吸収液の再生処理を要することなく、環境に問題がない程度までに、特に、実質的に完全に無臭化が可能である点に着目し、本発明に想到するに至った。
かくして、本発明の要旨は次の(1)〜(7)に示す通りである。

(1)分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気を重質の有機液体からなる吸収液と連続的または断続的に接触させることにより、前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを前記吸収液に吸収させた後、前記吸収液の存在下において重合させることにより脱臭することを特徴とする排気の脱臭方法。
(2)前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モーマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、およびアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の排気の脱臭方法。
(3)前記重質の有機液体からなる吸収液の分子量が、250以上であり、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする前記(1)に記載の排気の脱臭方法。
(4)前記重質の有機液体からなる吸収液が、−10℃においても液状を保有し、かつ沈殿物を生じないものであることを特徴とする前記(1)に記載の排気の脱臭方法。
(5)前記重質の有機液体からなる吸収液が、エポキシ化合物、可塑剤用エステル、ポリオレフィングリコール、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油、およびリン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする前記(1)に記載の排気の脱臭方法。
(6)前記エポキシ化合物が、分子中にエポキシ基を有する有機化合物であり、脂環式エポキシ型化合物、アルコール型化合物、およびフェノール型化合物からなる群より選択された化合物である前記(5)に記載の排気の脱臭方法。
(7)前記エポキシ化合物が、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルへキシルおよび水素化ビスフェノールAグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である前記(6)に記載の排気の脱臭方法。
(8)前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを有する排気は、重合禁止剤が除去されたものである前記(1)に記載の排気の脱臭方法。
本発明は、揮発性有機化合物のなかでも特に微量でも強い臭気発生の原因である分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを、重質の有機液体からなる吸収液と接触させることにより、該吸収液の存在下において前記揮発性有機化合物モノマーを重合させ、重合により生成された重合体を吸収液中に溶解共存させることにより、吸収液中に連続的に導入される揮発性有機化合物モノマーを効率よく脱臭する方法を提供するものである。
本発明に係る排気の脱臭方法において、対象可能な排気は、各種産業における製造工程から排出されるものであり、具体的には、分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを10〜5000ppmの範囲にわたって含有するものである。特に、印刷、塗装、繊維等の各分野において大量に発生する排気であって、前記の濃度範囲においても比較的低濃度の前記の揮発性有機化合物モノマーを含有する排気が、本発明の顕著な効果を奏する点で適したものである。
本発明の実施にとって、不飽和結合を有する揮発性有機化合物の排気中における好ましい含有量は15〜100ppm%である。
本発明に係る排気の脱臭方法において、分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーが重質の有機液体からなる吸収液の中に蓄積されると、該揮発性有機化合物モノマーは、ラジカル重合反応により重合し、分子量が高くなると揮発性が喪失し、その結果、無臭化する。すなわち、前記揮発性有機化合物モノマーの吸収工程において前記モノマーが連続的または断続的操作により、前記吸収液中に吸収され、前記モノマーが前記吸収液に吸収されると同時に重合反応が進行する。
前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーがそれだけで活性種(モノマーラジカル)を発生し易く、それがスタートとなって重合反応が進行するものと推定される。
本発明に係る排気の脱臭方法において、対象とされる分子中に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーとしては、印刷、塗料、粘接着剤等の製造工程で発生する排気中に含有される臭気の強い化合物であり、かかる化合物はラジカル重合性化合物であり、ラジカル性重合化合物として具体的には、アクリル酸系化合物、メタクリル酸系化合物、クロトン酸系化合物、イソクロトン酸系化合物、ビニル系化合物、スチレン系化合物、等のほか、アクリロニトル等を挙げることができる。アクリル酸系化合物としては、アクリル酸、アクリル酸エステルを挙げることができ、また、メタクリル酸系化合物としては、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸とアルコールとから合成される生成物であり、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル等を挙げることができる。また、メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロビル、メタクリル酸ブチル、メタクリ酸ヘキシル、メタクリ酸ヘプチルなどを挙げることができる。
普通、揮発性有機化合物モノマーには重合禁止剤(ハイドロキノン等)が微量添加され、自動的に重合反応を抑制しているが、重合禁止剤は、一般に沸点が高いので、製造行程中で蒸発しにくく、モノマーのみが蒸発し、それが吸収液に溶解されるので、脱臭処理には支障がない。本発明の排気の脱臭方法を実施する上で、排気中に重合禁止剤が含有する場合には、適宜、除去処理を行なえばよい。
本発明に係る排気の脱臭方法において、排気と吸収液との接触の方法は、特に限定されるものではなく、吸収液中に排気を通過させるバブリング方式または、排気の充填空間に吸収液のシャワーを導入するか、吸収液のシャワー中に、排気を通過させるなどのシャワー方式のいずれも採用することができるが、装置および操作の簡便性の観点より、バブリング方式が好ましい。
本発明に係る排気の脱臭方法において、前記の如き分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物を含有する排気の処理風量は、0.5〜200m/分の範囲、好ましくは5〜50m/分の範囲であり、重質の有機液体からなる吸収液1Lに対しては2〜1000L/分の割合、好ましくは20〜200L/分、さらに好ましくは30〜350L/分の割合で接触させることができる。
次に、本発明に係る不飽和結合を有する揮発性有機化合物を含有する排気の脱臭方法において、重質の有機液体からなる吸収液としては、分子量250以上、好ましくは300以上であり、かつ沸点が200℃以上、好ましくは300℃以上のものであることが選択される。分子量が250未満であると吸収液自体が揮発する恐れが生ずる状態となる。
また、前記吸収液として−10℃においても液状を保持することができ、かつ、沈殿物を生じないものが好ましい。
かかる性状を有する吸収液としては、重質の有機液体からなるものであり、具体的にはエポキシ化合物、可塑剤用エステル、ポリオレフィングリコール、鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油等を挙げることができる。
前記エポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を有する化合物であり、具体的には脂環式エポキシ型化合物、アルコール型化合物、およびフェノール型化合物からなる群より選択される。
前記脂環式エポキシ型化合物は、エポキシ基が脂環構造内に存在するものであり、具体例としてエポキシヘキサヒドロフタル酸ジブチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジペンチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸―ジ―2―エチルヘキシル(EPS)、エポキシヘキサヒドロフタル酸―ジ―n―オクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸―ジ―エポキシ化ステアリル等を挙げることができる。
前記アルコール型化合物の具体例は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1.4―シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等を例示することができる。
また、前記フェノール型化合物は、具体例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、メチレンジフェノールジグリシジルエーテル、エチレンジフェノールジグリシジルエーテル等を例示することができる。
可塑剤用エステルとしては、具体的には、フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、アジピン酸エステル、エポキシステアリン酸メチル、エポキシ大豆油、多価アルコールエステル、塩素系パラフィン等を挙げることができる。
また、前記ポリオレフィングリコールは、平均分子量が300〜15,000、好ましくは、500〜2,000のものを選択することができる。具体的には、前記範囲の平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)を挙げることができる。
前記鉱油系潤滑油留分は、液状炭化水素油類であり、例えば、100℃における動粘度3〜80mm/sの直留油系留分または分解油系留分またはこれらの混合油系留分、流動パラフィンを挙げることができる。
また、前記合成油系潤滑油留分としては、平均分子量300〜3000を有するα−オレフィンオリゴマー(PAO)等を挙げることができる。
次に本発明の排気の脱臭方法を実施する脱臭装置について説明する。
図1によれば、脱臭装置は、揮発性有機化合物臭気ガスを吸収塔2に導入するブロアー1と、吸収液22を下層に充填した吸収塔2と吸収塔2の吸収液22において吸収され無臭化された清浄化ガスが移送される移送管23と、飛沫フィルター3とから構成されたものである。
かかる脱臭装置において、導入管4に入口測定位置Aを設け、飛沫フィルターの出口に出口測定位置Bを設け、それぞれ、揮発性有機化合物の濃度を測定すれば、揮発性有機化合物の吸収率を求めることができ、脱臭装置の性能を評価することができる。
本発明は、前記の通りの構成からなり、排気中に微量含有する不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを重質の有機液体からなる吸収液に吹き込むだけのシンプルな操作のみで、吸収操作を行うことにより付随的に重合を行うことができ、前記不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーの重合により重合体とすることができ、重合体は蒸発しないので実質的に完全に無臭化することができる。
また、前記揮発性有機化合物モノマーを重合体化し、重合体は吸収液中に溶解しており、かつ、モノマーに対する吸収液としての吸収能力を有することから、重合体の濃度が増加しても、吸収液の吸収能力を低下させることがなく、例えば、1年間の長期間にわたって、吸収液の吸収能力を低下させずに、連続吸収処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る不飽和結合を有する有機化合物モノマーの脱臭方法を実施するための脱臭装置を示す。 本発明の一実施形態に係る不飽和結合を有する有機化合物モノマーの脱臭方法による効果を示すVOC吸収率と処理時間との関係図である。
本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明に係る排気の脱臭方法における分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーとして、前記の通りであるが、本発明の排気の脱臭方法にとって効果的な処理が行なうことのできるモノマーとして、次のものを挙げることができる。すなわち、前記アクリル系化合物、メタクリル系化合物の具体例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、さらに具体的には、アクリル酸エチル(エチルアクリレート)、アクリル酸ブチル(ブチルアクリレート)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシルメタクリレート)、メタクリル酸シクロヘキシル(シクロヘキシルメタクリレート)、メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)、メタクリル酸ブチル(ブチルメタクリレート)、また、ビニル系化合物として、酢酸ビニル、塩化ビニル等を、スチレン系化合物としてスチレン等を挙げることができる。
本発明に係る排気の脱臭方法において、重質の有機化合物からなる吸収液としてのエポキシ化合物の具体例としては、エポキシ化エステルを挙げることができ、エポキシ化エステルとしては、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを挙げることができる。
図1に示す脱臭装置において、アクリレート系化合物、メタクリレート系化合物、酢酸ビニル、スチレン等を混合したVOC臭気ガス(モノマー__%)をブロアー1により風量30m/分の条件で導入管4を介して吸収塔2に充填した吸収液22に下部からバブリングにより導入した。
吸収処理後、清浄化ガスを導管23により飛沫フィルター3に導入し、脱臭されたガスを飛沫フィルター3の出口で採取することができる。具体的な処理条件については、実施例で示す。
以下、本発明について、実施例と共に、比較例により対比することにより具体的に説明する。もちろん、本発明はかかる実施例等により限定されるものではない。
尚、下記の実施例および比較例において用いたVOC吸収液としてVOC吸収用試験液およびVOC濃度測定装置を次に示す。
・VOC吸収用実験液;
EPS100mlにVOC液体10mlを添加して調製した。
・VOC液体;
VOC液体としては、各実施例および各比較例で示すものを用いた。
尚、VOC液体として用いる液体アクリル酸エチル試薬中に含まれる微量の重合禁止剤は、炭酸ソーダで振蕩濾過して除去した。
・VOC濃度測定装置;
有限会社オー・エス・ピー社製 ハンディVOCセンサー

・VOC濃度測定方法;
VOC濃度の測定は、測定温度を室温約20℃において、試験毎に4回測定し、測定結果は、4回の測定値の平均値を採用した。
実施例1
容量200mlのガラス容器に、VOC液体として下表に示すアクリル酸エチルを含むVOC吸収用試験液をガラス容器に100ml採り、ガラス容器は、ラップ蓋でカバーした。試験液を撹拌した後、液面上約1cmの位置でアクリル酸エチルの濃度(気中アクリル酸エチル濃度)を測定した。
試験開始時および12時間経過時の気中アクリル酸エチル濃度をそれぞれ測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
VOC液体としてアクリル酸エチルの代わりにトルエンを用いたこと以外すべて実施例1に記載の方法と同様に処理し、試験開始時および12時間経過時の気中トルエン濃度をそれぞれ、測定した。測定結果を表1に示す。
比較例2
VOC液体としてアクリル酸エチルの代わりに酢酸エチルを用いたこと以外すべて実施例1に記載の方法と同様に処理し、試験開始時および12時間経過時の気中酢酸エチル濃度をそれぞれ測定した。測定結果を表1に示す。
前記の測定結果から、二重結合を有するアクリル酸エチルは、飽和化合物であるトルエン、酢酸エチルとそれぞれ比較すると、飽和化合物であるトルエン、酢酸エチルと比べ気中アクリル酸エチルの濃度の低下が大きく、多量のVOC液体としてのアクリル酸エチルが、VOC吸収用試験液中に溶解可能であることが立証されている

実施例2
容量10mlの試験管に、VOC液体としてアクリル酸エチルを含むVOC吸収用試験液を5ml採り、ラップで蓋をし、40℃の湯液に浸漬加温し、試験開始時および試験開始後12時間経過時の液面上約1cmの位置における気中アクリル酸エチル濃度を測定した。測定結果を表2に示す。
比較例3
VOC液体としてアクリル酸エチルの代わりにトルエンを用いたこと以外すべて実施例2に記載の方法と同様に処理し、気中トルエン濃度をそれぞれ測定した。測定結果を表2に示す。
比較例4
VOC液体としてアクリル酸エチルの代わりに酢酸エチルを用いたこと以外すべて実施例2に記載の方法および条件により気中酢酸エチル濃度を測定した。測定結果を表2に示す。
表2に示すようにアクリル酸エチルは、トルエン、酢酸エチルと比較して気中濃度の低下が大きいことが観察された。
実施例3
図1に示すVOC脱臭装置において、アクリレート系化合物、メタクリレート系化合物、酢酸ビニルおよびスチレンのVOC臭気混合ガスを含む排気をポンプ1により吸収液注)を充填した吸収塔2の下部に導入し、VOC臭気混合ガスと吸収液との接触により、VOC臭気混合ガスを吸収液中をバブリングさせながら通過させ吸収塔2の頂部より除き、導管3を介して飛沫フィルター3に導入し、飛沫(ミスト)を除去した後、飛沫フィルター3の出口から脱臭された排気を回収した。一年間の連続運転におけるVOC吸収率の推移を図2に示す。運転開始後、1ヶ月経過時においてVOC吸収率82%、6ヵ月経過時78%、12ヶ月経過時73%の結果を得た。
注)吸収液V−107(EPSを主剤とし、添加剤を加えて調製した混合液)

運転条件;
風量:30m/分
入口測定位置AのVOC濃度:100ppm
VOC濃度測定:有限会社オー・エス・ピー社製 ハンディVOCセンサー

前記の条件および操作により、1年間を通し週日は毎日日中8時間の運転を行った。各種VOC混合物中の成分は、アクリル酸エチル換算値で表示し、入口測定位置Aと出口測定位置Bにおいて、それぞれの気中のVOC濃度を測定し、その結果をベースにしてVOCの吸収率を示す。
吸収率は、図2に示すように、年間を通じて82〜73%に維持された。

Claims (8)

  1. 分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気を重質の有機液体からなる吸収液と連続的または断続的に接触させることにより、前記不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを前記重質の有機液体からなる吸収液に吸収させた後、前記吸収液の存在下において重合させることにより脱臭することを特徴とする排気の脱臭方法。
  2. 前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モーマーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、およびアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の排気の脱臭方法。
  3. 前記重質の有機液体からなる吸収液の分子量が、250以上であり、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の排気の脱臭方法。
  4. 前記重質の有機液体からなる吸収液が、−10℃においても液状を保有し、かつ沈殿物を生じないものであることを特徴とする請求項1または3に記載の排気の脱臭方法。
  5. 前記重質の有機液体からなる吸収液が、エポキシ化合物、可塑剤用エステル、ポリオレフィングリコール、リン酸エステル、鉱油系潤滑油留分又は合成油系潤滑油留分からなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の排気の脱臭方法。
  6. 前記エポキシ化合物が、分子中にエポキシ基を有する有機化合物であり、脂環式エポキシ型化合物、アルコール型化合物およびフェノール型化合物からなる群より選択された少なくとも一種の化合物である請求項5に記載の排気の脱臭方法である請求項1に記載の排気の脱臭方法。
  7. 前記エポキシ化合物が、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルへキシル、および、水素化ビスフェノールAグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物である請求項6に記載の排気の脱臭方法。
  8. 前記分子内に不飽和結合を有する揮発性有機化合物モノマーを含有する排気は、重合禁止剤が除去されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の排気の脱臭方法。
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