JP5641655B2 - 揮発性有機化合物の除去用吸収剤 - Google Patents

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Description

本発明は、排気中の揮発性有機化合物(以下、「VOC」という。)の除去用吸収剤および該VOC吸収剤を用いる排気の浄化方法、ならびにVOCと吸収剤の回収方法に関するものであり、さらに詳しくは、特に、印刷、塗装、繊維工業、木製品製造業、接着剤関連業、フィルム加工業、化学工業の工場および実験室等から排出される排気中に含有するトルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エステル等のエステル類、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類等からなるVOCの吸収回収に用いられる吸収剤および該吸収剤を用いるVOCを含有する排気の浄化方法に関するものである。
産業界、特に塗装、印刷等の分野、例えばグラビア印刷、オフセット印刷等の印刷分野、建造物の外壁の塗工分野、ガソリンスタンドなどの石油分野では、一般に揮発性のVOCが広く使用されている。
かかるVOCは、空気中に蒸発拡散し、臭気および光化学スモッグの発生原因となっていることはすでに指摘されてきたところである。
従って、環境保全の観点から、前記VOCの排出を抑制することが不可欠な状況となり、行政上においても平成22年3月には、環境省令でVOC排出基準の適用の猶予期間が終了し、各分野において使用済みの排出VOCの回収処理を行なう措置をとる努力が払われてきている。例えば、環境対策協議会では、業界連携によるVOC排出削減「自主的取組」が行なわれ、10回にも及ぶ実践発表会が行なわれている。
しかし、現実には未だ大量のVOCが大気中に排出され、臭気および光化学スモッグの原因となっていることは前記の通りである。
従来、排出VOCの除去方法として開発され実施されてきた対策は、第一に燃焼方式によるものであり、また、第二に、吸着方式も提案実施されている。
第一の燃焼方式は、排気をダクトで一つに集め、触媒上に通したり、新たに燃料を加えてVOCを燃焼させることにより除去する方法である。燃焼方式には直接燃焼方法と接触燃焼方法があり、いずれも高温条件下でVOCを酸化分解するものである。
かかる燃焼方式によれば、排出ガスの除去率が大きいという特長があるが、温度条件によってはダイオキシンが発生する可能性がある点、燃焼によりCOガスを多量に排出する点のほかランニングコストが高いことが欠点とされている。また、装置の大型化が必要であり、多額の投資額を要するので、小規模な発生源からの排気の処理にはコスト高となるため装置の設置が困難である。また、VOCの回収再利用ができないという問題もある。
第二の吸着方式は、特に物理的な吸着方法が一般的に普及しており、排気を固体粉末状の吸着剤、主に活性炭およびゼオライト等に接触させ、含有VOCを吸着除去する方式である。
かかる方式によれば、吸着後にVOCを脱着回収してVOCおよび吸着剤をそれぞれ再利用することができ、回収率も高いという利点がある。また、COを排出しないという環境保全上の有利な点がある。
しかし、かかる吸着方式では、吸着ゾーンに固体粉末を通過させ、吸着VOCを回収するための操作には大きなエネルギーとコストを要するという工学上の困難な問題がある。また、固体粉末が空気中に飛散するという問題もある。
一方、化学的な吸着方式としては、例えば、シクロデキストリン水溶液に排気を通し、シクロデキストリンの環状構造が形成する空洞にVOCを包摂化合物として水素結合により取り込むことにより、排気中のVOCを除去する方法を挙げることができるが、かかる方法は、未だ十分な効果を奏するまでには至っていない。
さらに、第三の方式として、液体吸収法が提案されている。液体吸収方式は、排気を吸収液と接触吸収させ、吸収後、蒸留等の方法により分離回収する方式である。排気の吸収液との接触は、吸収液をシャワー状の状態で行なうか、または排気を吸収液中にバブリングする方式により行なう方式がある。
また、吸収液としては、灯油等の高沸点炭化水素溶剤、グリコールモノアルキルエーテルとデセンとの混合物、その他の界面活性剤の水溶液またはエマルジョン等が使用されている。
かかる液体吸収法によれば、比較的小型から大型の装置の設計が可能であり、装置費が低コストで済み、COの発生もなく、VOCの回収および吸収後の再利用も可能である。
かかる状況下において、VOCを含むガスからVOCを除去するために吸収液を接触させる方法(特開昭52−37585号公報(特許文献1))がすでに提案されており、吸収液として、フタル酸エステル、珪酸エステル、燐酸エステル等と精製鉱油との混合物が記載されている。
しかしながら、VOC中のエステル類は空気中の水分と、エステル吸収剤を用いた場合は溶解している水分と反応し酸を遊離放出して吸収液中に残留し、微量であっても臭気の原因となり、さらにその酸触媒作用によって加水分解を促進させる問題があるが、かかる問題点については、前記特許文献1では何らの示唆もなく、また、前記吸収液では、前記の遊離する酸を吸収過程で除去することができないし、さらに回収VOC中に酸が含まれるので、さらに、アルカリ脱酸工程および脱酸時に生成する塩を含む水の処理工程が必要となる。
従って、排気VOCの除去における液体吸収法の採用の可否については、吸収剤がVOC中のエステルの加水分解により遊離する酸を処理できるものであるかどうかが重要なファクターであり、他のアルカリ脱酸工程等を要することなく、吸収過程で同時に遊離酸の除去が可能な吸収剤の開発が切望されてきた。

特開昭52−37585号公報 特開昭52−155176号公報
従って、本発明の課題は、排気に含有されるVOCを吸収除去するための吸収剤であって、VOCの成分の種類に拘らず高除去率を示し、さらに、その吸収過程において、VOC中のエステル類の空気との接触により遊離した酸を同時に除去することが可能な液状吸収剤および該吸収剤を用いるVOCを含有する排気の浄化方法ならびにVOCおよび吸収剤の回収方法を提供する点にある。
そこで、本発明者らは、前記の本発明の課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、本発明者らが着目したVOCの各成分と吸収剤成分との相互溶解関係から特定のエポキシ化合物がVOCの吸収と共に遊離した酸の除去も可能であり、前記課題が解決できることを見い出し、これらの知見に基いて、本発明の完成に到達した。
かくして、本発明によれば、
請求項1において、
排気中の揮発性有機化合物の除去のために用いられる吸収剤であって、該吸収剤がエポキシ化合物を含有してなることを特徴とする揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
また、本願請求項1に係る発明の好ましい実施態様として、次に示す請求項2乃至9に記載のVOCの除去用吸収剤
が提供される。
すなわち、
(1)請求項2によれば、
前記吸収剤が、−10℃においても液状を保持し、かつ沈殿物を生じない液体である請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項3によれば、
前記エポキシ化合物の分子量が250以上であり、沸点が200℃以上である請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項4によれば、
前記エポキシ化合物が、分子中に窒素、硫黄、ハロゲン、リンまたは珪素のいずれも含有しない化合物である請求項1ないし3のいずれかの1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項8によれば、
前記エポキシ化合物が、ビスフェノールAを骨格として有するポリエーテルのジグリシジルエーテルである請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項7によれば、
前記エポキシ化合物が、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルである請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項5によれば、
前記エポキシ化合物が、エポキシ化エステルである請求項1ないし4のいずれかの1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
請求項6によれば、
前記エポキシ化エステルが、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステルである請求項5に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
また、本発明によれば、
請求項9において、
前記エポキシ化合物に、さらに配合される成分が、前記エポキシ化エステル以外のエステル、ポリエーテル、鉱油系または合成油系潤滑油留分およびポリα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種の媒体である請求項1〜8のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤
が提供される。
さらに本発明によれば、
請求項10において、
揮発性有機化合物を含有する排気をエポキシ化合物を含有する吸収剤と接触させることにより、前記排気中の揮発性有機化合物を吸収除去することを特徴とする排気の浄化方法
が提供される。
また、本発明によれば、
請求項11において、
1)揮発性有機化合物を含有する排気を請求項1の揮発性有機化合物の除去用吸収剤と接触させることにより、前記排気中の前記揮発性有機化合物を溶解吸収する吸収工程、および
2)前記吸収工程で得られた揮発性有機化合物を含有する吸収剤を蒸留に供し、揮発性有機化合物と吸収剤に分離する分離工程
とからなることを特徴とする揮発性有機化合物および吸収剤の回収方法
が提供される。
さらに本発明によれば、
請求項12において、
前記分離工程にて分離された吸収剤を前記吸収工程にリサイクルするリサイクル工程を付設した請求項1に記載の揮発性有機化合物および吸収剤の回収方法
が提供される。
請求項1に係る排気中のVOCの除去用吸収剤によれば、印刷、塗装等の大量に排出される排気中の低濃度のVOCを高い除去率で吸収可能な吸収剤を提供することができる。
また、吸収されたVOC中に含まれるエステルの加水分解により遊離した酸を吸収過程で同時に除去することができる。
請求項2〜9に係る発明の吸収剤によれば、さらに吸収率が向上し、かつ吸収過程における酸の除去も容易となり、高分子量のものに特定することにより蒸留処理でのVOCとの分離が容易となる。
請求項10に係るVOC含有排気の浄化方法によれば、高吸収率および高度の酸除去が容易に達成できる。
また、請求項11および12に係る回収方法によっても本発明に係るエポキシ化合物の特性を利用することにより、VOCの吸収、酸の除去およびVOCと吸収剤の回収、再利用が可能である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明において吸収処理の対象とするVOCについては、特に限定されるものではなく、いずれのものでも処理は可能であり、前記の如く、加水分解により酸を遊離するエステル類も支障なく処理対象とすることができる。
本発明に係るVOCの除去用吸収剤にとって適用可能なVOC含有排気は、トルエン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド等のアミド類、N−メチルピロリドン等の複素環化合物、メチルエチルケトン等のケトン類、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等の一種または二種以上含有するものである。
かかるVOC含有排気は、前記の如き各種産業における製造工程から発生する排気であり、具体的にはVOCが10〜5000ppmの広範囲にわたって含有するものである。特に印刷、塗装、繊維等の各分野において大量に発生する排気であって、比較的低濃度のVOCを含有するものが本発明に係る吸収剤の効果を発揮する上で適したものである。
本発明に係る排気中のVOCの除去用吸収剤は、エポキシ化合物を含有するものであり、固体、すなわち粒状体のものであってもよいが、常態で液状のものが好ましい。
エポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を有する有機化合物であり、本発明に係る排気中のVOCの除去用吸収剤として好適なエポキシ化合物は、分子量が250以上、さらに好ましくは300以上のものであり、かつ沸点が200℃以上のものである。
かかる性状を有するエポキシ化合物は、排気中に含まれる使用済みのガス状VOCを吸収する能力を有し、かつ、吸収されたVOC中に含まれる酸を吸収過程において除去することができる。
さらに好適なエポキシ化合物を具体的に挙げると、次の一般式1〜11で表される化合物からなる群より選択されたものであり、一種または二種以上混合したものでもよい。
1.脂環式エポキシ型
Figure 0005641655
一般式1において、Rは、飽和または不飽和の炭素数11〜18の直鎖状または分岐状アルキル基、COORまたは
Figure 0005641655
であり、Rは炭素数4〜13の直鎖状または分岐状アルキル基であり、nは1または2の整数である。
Figure 0005641655
一般式2において、Rは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状アルキレン基、−COOCH−、−CHOOC(CHCOOCH−であり、nは4〜8の整数である。
2.アルコール型
Figure 0005641655
一般式3において、Rは炭素数12〜18の直鎖状または分岐状アルキル基またはフェニルアルキル基である。
Figure 0005641655
一般式4において、Rは炭素数2〜8の直鎖状アルキレン基、ネオペンチル基、水素化ビスフェノールA、またはシクロへキサンジメチル基である。
Figure 0005641655
一般式5において、RおよびR´はそれぞれ水素原子またはメチル基であり、nは1〜20の整数である。
Figure 0005641655
一般式6において、Rは炭素数2〜10の直鎖状アルキレン基、R´は水素原子またはメチル基であり、n+mは2〜6の整数である。
3.フェノール型
Figure 0005641655
一般式7において、Rは炭素数8〜18の直鎖状または分岐状アルキル基である。
Figure 0005641655
一般式8において、Rは
Figure 0005641655
であり、R´は直鎖状または分岐状アルキレン基である。
4.エステル型
Figure 0005641655
一般式9において、Rは炭素数11〜17アルキル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、またはアルキルシクロヘキシル基である。
Figure 0005641655
一般式10において、Rは炭素数4〜8の直鎖状または分岐状アルキレン基、シクロヘキシル基、またはフェニル基である。
5.アルキル型
Figure 0005641655
一般式11において、RおよびRは水素原子または直鎖状または分岐状アルキル基またはアルキルエステル基であり、R+Rの炭素数は16〜36である。
前記の脂環式エポキシ型に属する一般式1および2でそれぞれ表されるエポキシ化合物は、エポキシ基が脂環構造内に存在するものであり、分子量が250以上になるようにアルキル基Rの鎖長を制御したものが用いられる。
前記一般式1、2に属するエポキシ化合物の具体例として、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジブチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジペンチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジヘプチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ-2−エチルヘキシル(EPS)、エポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ−n−オクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ−エポキシ化ステアリル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル等を挙げることができるが、VOCに対する除去率の観点からエポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ−2−エチルヘキシル(EPS)、エポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ−n−オクチルが好ましい。
かかるエポキシ化合物は、分子量250以上であり、沸点が200℃以上のものを採用することが好ましい。
前記アルコール型に属するエポキシ化合物は、一般式4〜6で表され、具体的に例示すると、エチレングリコールジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1.4−シクロへキサンジメタノールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキシレングリコールジグリシジルエーテル、およびデカメチレングリコールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
前記フェノール型に属するエポキシ化合物は、一般式7および8で表される化合物であり、具体例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、メチレンジフェノールジクリシジルエーテル、エチレンジフェノールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
前記エステル型に属する一般式9および10で表されるエポキシ化合物の具体例としては、安息香酸グリシジルエーテル、トルイル酸グリシジルエーテル、キシレノール酸グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジクリジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエーテル、セバシン酸ジグリシジルエーテル、およびデカンジカルボン酸ジクリシジルエーテル等を挙げることができる。
前記アルキル型に属する一般式11で表されるエポキシ化合物の具体例としては、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸エポキシステアリル、エポキシヘキサデシル、オクチル酸エポキシステアリル等を挙げることができる。
これらのエポキシ化合物のうち、前記脂環式エポキシ型化合物が、排気VOCの吸収処理において、VOCに対する溶解力に優れている点、遊離酸の除去が可能である点およびVOCおよび吸収剤の回収処理において、蒸留分離に適当な分子量、沸点を有しており加水分解に対して安定である点で好適であり、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、例えば、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル等が好ましく、さらにエポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−n−オクチル等が好ましい。
また、これらの前記アルコール型化合物も排気VOCの吸収処理において、VOCに対する溶解力に優れている点、遊離酸の除去が可能である点およびVOCと吸収剤の回収処理において、蒸留分離に適当な分子量、沸点を有しており、加水分解に対して安定である点で好適であり、液状のビスフェノールA骨格を有するポリエーテルのジグリシジルエーテル(BPO)、例えば、
Figure 0005641655
の構造を有する化合物が好ましく、特に、式において、R=CH、n+m=2、R=H、n+m=6が好ましい。
さらに、前記のビスフェノールA骨格を有するポリエーテルのジグリシジルエーテルのなかでも、特に、下記の式で示す水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(HBE)が好ましい。
Figure 0005641655
本発明に係る吸収剤は、エポキシ化合物に媒体を混合したものでもよい。媒体はエポキシ化合物に対し可溶化作用を有するものであり、固体状および液体状のエポキシ化合物を溶液化させる作用を有する。かかる媒体としては、有機酸エステル、例えば、ポリエーテル、液状炭化水素類が好ましい。エステルとしてはフタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル等を挙げることができる。
フタル酸エステルとしては、特に限定されないが、フタル酸ジブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等を挙げることができる。また、脂肪族二塩基酸エステルとしては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の二塩基酸等のエステル、例えば、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等を挙げることができ、通常使用されているものを適宜選択することができる。
また、ポリエーテルとしては、ポリアルキレングリコールを用いることができる。ポリアルキレングリコールとしては、平均分子量が300〜15,000、好ましくは500〜2,000のものを選択することができ、具体的には、前記範囲の平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)等を挙げることができる。
液状炭化水素類としては、鉱油系潤滑油留分、例えば、100℃における動粘度3〜80mm/s、好ましくは2〜30mm/s、さらに好ましくは3〜10mm/sの直留油系留分または分解油系留分またはこれらの混合油系留分、流動パラフィン、また、潤滑油留分の100℃動粘度と同等の20〜80mm/s、好ましくは3〜30mm/sの100℃動粘度または、平均分子量として300〜3,000を有するα−オレフィンオリゴマー(PAO)等を挙げることができる。
かかる媒体は、一種または二種以上を混合して用いることができる。
かかるフタル酸エステルおよび脂肪族-二塩基酸エステルとしては、プラスチック可塑剤の市販品を利用することができる。
本発明に係る吸収剤は、エポキシ化合物を必須成分として含有するものであり、有効量含有するものであればよい。具体的には、エポキシ化合物は、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは50%以上であり、勿論、100%でもよいが、VOCの種類および排気中の濃度等により吸収剤中のエポキシ化合物の含有量を適宜調整することができる。
また、前記の媒体を二種以上用いる場合においては、吸収剤との相溶性等の観点から適宜混合割合を決定すればよいが、二種の場合、例えば、PPGとPEGを混合する場合、互いに90:10〜10:90、好ましくは70:30〜30:70の割合で用いることができる。
前記の媒体はエポキシ化合物の溶解作用のみならず、VOCの除去率においても相乗的効果を奏する。
本発明に係るエポキシ化合物からなる吸収剤は、排気中に含まれる使用済みのVOCを吸収する能力を有するばかりでなく、吸収されたVOC中に含まれる酸を吸収過程で除去することができる。
VOC成分中のエステル化合物は、加水分解により酸を生成することがある。VOCを回収し、再利用するためにアルカリで脱酸するには、通常、VOC吸収工程のほかに再生VOCの中和工程が必要となる。さらに、中和処理後の塩を含有する水の処理工程も必要となる。
本発明に係るエポキシ化合物からなる吸収剤は、排気VOCの吸収液として使用できるばかりでなく、次の酢酸との反応により例示するように、酸と反応して酸の同時除去ができるので、VOCの吸収と酸の除去を一段の工程で処理することが可能である。
Figure 0005641655
Figure 0005641655
吸収剤は、繰り返し使用することにより、前記の酸との反応により劣化するが、劣化した吸収剤は燃焼により廃棄できるので、特別の処理工程は不要である。
次に排気中に含まれるVOCの吸収除去による排気の浄化方法について説明する。本発明に係る排気の浄化方法において、大量に排出される排気に含有されている低濃度のVOCを吸収除去するものであり、液状吸収剤を充填した吸収塔にVOC含有排気を通過させることにより、VOCを液状吸収剤中に溶解吸収させる吸収工程を採用する。吸収工程においてVOC含有排気と吸収剤との接触は、気液接触可能ないずれの方式によるものでもよいが、吸収塔底部より吸収剤中にVOC排気を細粒化して通過させるバブリング方式または吸収塔頂部から吸収剤を散布するシャワー方式により行なうことが簡便である。
VOC含有排気の処理風量は、0.5〜200m/分の範囲、好ましくは100m/分以下の範囲が好適であり、0.5m/分に達しないと大量の廃棄を処理することができないので、実用価値がなく、一方、200m/分を超えると吸収剤が飛散し、また、VOCの吸収も不十分となり、VOCが大気中に放散される状態となるなどの問題が生ずる。
吸収処理の温度は環境温度でよい。
また、吸収塔内には気液接触に有効な障害物を存在させてもよい。
次に、本発明に係る排気VOCと吸収剤の回収方法について説明する。
本発明によれば、
1)排気VOCを吸収剤と接触させることにより、前記VOCを前記吸収剤中に吸収させることからなる吸収工程と
2)前記吸収工程で得られたVOC含有吸収剤を蒸留処理に供することにより、VOCと吸収剤に分離することからなる分離工程
とからなる排気VOCと吸収剤の回収方法が提供される。
前記吸収工程は、排気VOCと吸収剤との気液接触によるものであり、前記の通りバブリング方式、シャワー方式を採用することができる。
また、本発明に係る吸収剤を用いることにより、VOCの成分中エステル類から生ずる可能性のある遊離酸も吸収過程において同時に吸収除去することができる。
前記排気VOCを吸収した吸収剤は、VOC成分の種類により決定される所定の温度で蒸留処理に供することにより、留出成分としてVOCを、残渣成分として吸収剤を得ることができる。
蒸留により得られたVOCは、そのまま再利用することができ、吸収剤はリサイクルして使用することが可能である。
本発明に係る排気VOCと吸収剤の回収方法によれば:
吸収工程では吸収塔、分離工程では蒸留塔を少なくとも設置すればよい。吸収塔については前記の通りであり、蒸留塔についてはVOCと吸収剤との分別が可能なように段数を設けたものを採用することができる。
バブリング法によるVOC吸収試験の試験装置を示す概念図である。
符号の説明
A:空気導入口
1:VOC充填容器
2:空容器
入口サンプリング箇所
3:吸収剤充填容器
4:空容器
出口サンプリング箇所
B:出口
(ポンプ吸引による空気排出口)
以下、本発明について、実施例及び比較例により、本発明について、さらに具体的に説明する。もっとも、本発明は、実施例等により限定されるものではない。
なお、実施例等において、濃度を示す「%」は特別の表示がない限り「容量%」である。
1.吸収剤の評価
また、吸収剤の評価については、次の1)バブリング法によるVOCに対する吸収力試験および2)試験管法による酸吸収力試験を採用した。
1)バブリング法によるVOC吸収力試験
図1に示すVOC吸収試験の試験装置の容器(1)に30mlのVOC、容器(3)に200mlの吸収剤を採り、環境温度(常温)において出口からポンプで吸引し、VOCを含有する空気を約3.0リットル/分の風量で10分〜6時間吸収剤中をバブリングさせる。
容器(2)の入口および(4)の出口の気体をそれぞれサンプリングし、気中のVOC濃度を測定する。
容器(2)入口および容器(4)出口のVOC濃度の差から吸収率を求める。
気中VOC濃度の測定には、株式会社バイオレット製の簡単スピード測定VOCセンサー(高分子薄膜素子と干渉増巾反射法の組合せ)を使用する。
2)試験管法による酸吸収試験
試験管に10mlの吸収剤を採り、所定量の酢酸を加えて攪拌を続ける。一定時間毎にVOCセンサーを用いて液面上の空気中の酢酸濃度を測定する。
2.吸収剤の種類
実施例等においては、次に掲げる吸収剤および媒体を用いた。
(1)エポキシヘキサヒドロフタル酸−ジ−2−エチルヘキシル(EPS)
(2)水化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(HBE)
(3)ビスフェノールAポリエーテルジグリシジルエーテル(BPO)
(4)ポリプロピレングリコール(PPG)平均分子量:700
(5)ポリエチレングリコール(PEG) 平均分子量:700
(6)流動パラフィン
(7)フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)
実施例1
吸収剤として、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(「EPS」という。以下、同じ。)(分子量;410,沸点;>250℃)を用いて、VOCとしてメチルエチルケトン(以下、「MEK」という。)を用い、前記VOC吸収力試験方法により吸収剤のVOC吸収力を測定した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例2
VOCとしてMEKの代わりに酢酸エチルを用いたこと以外すべて、実施例1の方法および条件と同一の方法および条件で同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例3
VOCとしてMEKの代わりにトルエンを用いたこと以外、実施例1の方法および条件と同一の方法により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例4
VOCとしてMEKの代わりにメタノールを用いたこと以外、実施例1の方法および条件と同一の方法により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例5
VOCとしてMEKの代わりにテトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)を用いたこと以外、すべて実施例1の方法および条件と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例6
VOCとしてアクリル酸を用いたこと以外、すべて実施例1の吸収方法および吸収条件と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例7
VOCとしてアクリル酸エチルを用いたこと以外、すべて実施例1の吸収方法および吸収条件と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例8
VOCとしてアクリル酸ブチルを用いたこと以外、すべて実施例1の吸収方法および吸収条件と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例9
VOCとして、アクリル酸2−エチルヘキシルを用いたこと以外、すべて実施例1と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例10
VOCとして、N−メチルピロリドンを用いたこと以外、すべて実施例1と同一の方法および条件により同一の吸収剤を前記VOC吸収力試験に供した。評価結果として吸収率を表1に示す。
実施例11〜14
表1に示す吸収剤を用い、VOCとしての酢酸エチルについてVOC吸収力試験を行なった。
吸収剤として、HBE20%、PPG40%およびPEG40%の混合物(実施例11)、BPO20%、PPG40%およびPEG40%の混合物(実施例12)、EPS20%、PPG40%およびPEG40%の混合物(実施例13)、HBE20%および流動パラフィン80%の混合物(実施例14)をそれぞれ用いた。PPGおよびPEGとしては、平均分子量が、それぞれ700のものを使用した。各評価結果を同表に示す。
比較例1
吸収剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)200mlを用い、VOCとしてMEK30mlを用いて、前記VOC吸収力試験に供した。評価結果を吸収率として表1に示す。
比較例2
VOCとしてMEKの代わりに酢酸エチルを用いたこと以外、比較例1と同一の方法および条件で前記VOC吸収力試験に供した。評価結果を吸収率として表1に示す。
比較例3
VOCとしてMEKの代わりにトルエンを用いたこと以外、比較例1と同一の方法および条件により前記VOC吸収力試験に供した。評価結果を吸収率として表1に示す。
比較例4
VOCとして酢酸エチル、吸収剤としてポリプロピレングリコール(PPG)とポリエチレングリコール(PEG)の等量混合液を用いたこと以外、比較例1と同一の方法および条件でVOC吸収力試験に供した。評価結果を表1に示す。
Figure 0005641655
実施例15〜17
試験管に10mlの吸収剤としてEPSを採り、それに所定量の酢酸を加えて攪拌を続けた。表2に示すように一定時間毎にセンサーで液面上の空気中の酢酸濃度を測定した。測定結果を表2に示す。
実施例18〜21
吸収剤として(A)ビスフェノールAジグリシジルエーテル、(B)エポキシプロピルフェニルエーテル、(C)エチレングリコールジグリジシルエーテル、(D)水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルをそれぞれ表2に示す割合でフタル酸ジ−2−エチルヘキシルと混合した混合吸収剤を調製し、実施例11〜13と同様に前記試験管法によるエポキシ化合物の酸吸収力試験に供した。測定結果を表2に示す。
実施例22〜25
表2に示すように、吸収剤としての特殊エポキシ樹脂の酸吸収力を評価した。吸収剤に対し、添加した1重量%の酢酸は、同表で表わしたいずれの吸収剤によっても60分以内に消失した。
実施例26〜29
表2に示す吸収剤を用いて、酢酸について酸吸収力をそれぞれ評価した。吸収剤として、EPS20%,PPG40%およびPEG40%の混合物(実施例26)、HBE20%、PPG40%およびPEG40%の混合物(実施例27)、BPO20%、PPG40%およびPEG4%の混合物(実施例28)、HBE20%および流動パラフィン80%の混合物(実施例29)をそれぞれ用いた。PPGおよびPEGは、それぞれ平均分子量700のものを使用した。
比較例5および6
吸収剤としてフタル酸ジ−2−エチルヘキシルを用い表2に示す条件で前記試験管法による酸吸収力試験に供した。測定結果を表2に示す。
比較例7
吸収剤としてPPG50%とPEG50%との混合液を用い、酢酸について酸吸収力を表2に示す条件で評価した。
実施例および比較例の結果によれば、比較例5、6のフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)および比較例7のポリプロピレングリコール/ポリプロピレングリコール混合物は、液面上の酢酸濃度が経時的に減少傾向になく、酸の中和効果を奏しなかったが、実施例15〜17および実施例22〜25のエポキシ化合物、ならびに実施例18〜21および実施例26〜29のエポキシ化合物含有組成物によれば、液面上の酢酸濃度は経時的に減少し、組成物の酸除去の効果が示され、著しく顕著な酸の中和効果が得られた。
Figure 0005641655
実施例30
VOCとして、MEKと酢酸エチルを用い、吸収剤としてEPSを用いた場合のVOCの吸収力の経時変化を前記のバブリング法によるVOCの吸収力試験装置により測定した。測定結果を表3に示す。
表3の結果から、吸収剤としてEPSは経時変化が小さいことが明らかとされた。
Figure 0005641655
実施例31
前記のVOC吸収力試験装置との基本概念を共通に設計したVOC吸収装置を用いて、連続運転を行ない、吸収剤のVOC吸収力の耐久性を評価した。
空気ブロアーから風量30m/分で空気をVOC300mlの入口室(容積4m)に導入し、吸収槽(容積5m)の吸収剤200Lに通過させ、出口室(容積100L)を経由してVOCを除去した空気を放出した。測定点1(入口室と吸収槽との配管内)および2(出口室の出口配管内)で、VOC濃度を測定した。評価結果を表4に示す。
Figure 0005641655
評価結果からスケールアップした実装置においても、実験装置と同等のVOC吸収力が得られた。
本発明は、排気中のVOCを吸収除去する吸収剤ならびに該吸収剤を用いる排気の浄化方法およびVOCおよび吸収剤の回収方法を提供するものであり、VOCを取り扱う広範な産業分野においてVOCの除去方法として利用価値が大きく、環境保全面からも利用可能性は極めて大きい。

Claims (12)

  1. 排気中の揮発性有機化合物の除去のために用いられる吸収剤であって、該吸収剤がエポキシ化合物を含有してなることを特徴とする揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  2. 前記エポキシ化合物を含有する吸収剤が、−10℃においても液状を保持し、かつ沈殿物を生じない液体である請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  3. 前記エポキシ化合物の分子量が250以上であり、沸点が200℃以上である請求項1または2に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  4. 前記エポキシ化合物が、分子中に窒素、硫黄、ハロゲン、リンまたは珪素のいずれも含有しない化合物である請求項1ないし3のいずれかの1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  5. 前記エポキシ化合物が、エポキシ化エステルである請求項1ないし4のいずれかの1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  6. 前記エポキシ化エステルが、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステルである請求項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  7. 前記エポキシ化合物が、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテルである請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  8. 前記エポキシ化合物が、ビスフェノールAを骨格として有するポリエーテルのジグリシジルエーテルである請求項1に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  9. 前記エポキシ化エステルに、さらに配合される成分が、前記エポキシ化エステル以外のエステル、ポリエーテル、鉱油系または合成油系潤滑油留分およびポリα−オレフィンからなる群から選択される、少なくとも一種の媒体である請求項1〜8のいずれか1項に記載の揮発性有機化合物の除去用吸収剤。
  10. 揮発性有機化合物を含有する排気をエポキシ化合物を含有する吸収剤と接触させることにより、前記排気中の揮発性有機化合物を吸収除去することを特徴とする排気の浄化方法。
  11. 1)揮発性有機化合物を含有する排気を請求項1の揮発性有機化合物の除去用吸収剤と接触させることにより、前記排気中の前記揮発性有機化合物を溶解吸収する吸収工程、および
    2)前記吸収工程で得られた揮発性有機化合物を含有する吸収剤を蒸留に供し、揮発性有機化合物と吸収剤に分離する分離工程
    とからなることを特徴とする揮発性有機化合物および吸収剤の回収方法。
  12. 前記分離工程にて分離された吸収剤を前記吸収工程にリサイクルするリサイクル工程を付設した請求項11に記載の揮発性有機化合物および吸収剤の回収方法。
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