JP2018139779A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
第2の手法では、前記の撮像によって得られた複数の平面の画像を用いて、MPR(multi planar reconstruction)処理を用いて、湾曲した脊髄における曲面に沿った画像(以下、曲面の画像)を計算処理により生成し、その曲面の画像で読影することとなる。
また、磁気共鳴イメージング装置は、スライス曲線を延長する入力を受け付けた場合、延長されたスライス曲線に応じて表示中の曲面断層画像を更新する。これにより、操作者は、最初に入力したスライス曲線で指定されたスライス曲面に沿った曲面断層画像の表示を参照し、画面上でインタラクティブに、最初に入力したスライス曲線を延伸することができる。したがって、曲面の撮像を継続的に実施しながら追加された位置における画像の再構成処理を行うので、撮像を一旦中止して再度位置決めして撮像することなく、所望の曲面をインタラクティブに設定できリアルタイムに近い時間で断層画像が容易に得られる。
また、本発明に係る磁気共鳴イメージング装置によれば、操作者は、画面上でインタラクティブに、最初に入力したスライス曲線を延伸することができるので、撮像を一旦中止して再度位置決めして撮像することなく、所望の位置における曲面の断層画像を容易に得ることができる。
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置1は、核磁気共鳴現象(NMR現象)を利用して、被検体Pの断層画像を得るもので、静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系4と、受信系5と、制御部(制御手段)6と、信号処理部7とを備えている。
撮像手段9は、所定の撮像条件で被検体Pに核磁気共鳴信号(NMR信号)を発生させると共に当該核磁気共鳴信号を検出する。
スライス曲面の設定は、例えばディスプレイ20に、被検体Pの所定のスライス曲面に直交する断面画像としてスカウト画像が表示された状態で行われる。ここで、スカウト画像は、短時間で撮像された分解能が低い位置決め用の画像であって、例えばトランスバース、サジタルおよびコロナルのいずれかの画像を用いる。例えば、被検体の脊髄を含む曲面の撮像を行う場合、被検体の脊髄を含むスカウト画像を事前に撮像しておく。
例えばスカウト画像として表示された矢状断面の画像(サジタル画像)上に、操作者がマウス等の入力デバイス22を操作することにより曲線を描くことで、計算機19が、この曲線を受け付けて、曲線を含み且つコロナル断面(冠状断面)に対応した湾曲した曲面を撮像すべき曲面として設定することができる。
画像再構成処理部23は、撮像手段9により検出されたNMR信号を用いて被検体の画像を作成する。再構成された画像は、その撮像条件と共に記憶部21に格納される。画像再構成処理部23が行う画像再構成では、フーリエ変換を行い、絶対値画像を作成する。
本実施形態では、位置計算部24は、柱状領域を、スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させる。
以下、柱状領域の励起によるエコー信号(磁気共鳴信号)の収集の詳細について説明する。
まず、パルスシーケンスについて図2を参照(適宜図1および図3参照)して説明する。図2において横軸は時間を示し、縦軸は、各項目の強度を示している。
制御部6の制御の下、撮像手段9により行うパルスシーケンスの概要は次の通りである。
まず、撮像手段9は、磁化を90度励起する第1の高周波パルス201と同時に、第1のスライス方向傾斜磁場203を被検体に印加する。このとき第1のスライス方向傾斜磁場203と同時に第2のスライス方向傾斜磁場205を被検体に印加する。これにより、被検体において、第1のスライス断面225(図3参照)が励起される。
これにより、第1のスライス断面225と第2のスライス断面226とが交差する柱状領域227(図3においてハッチングで示す菱形領域)だけが、磁化を90度励起する第1の高周波パルス201と、磁化を180度励起する第2の高周波パルス202との2つの高周波パルスによる励起を受けることになる。
次に、柱状領域の励起について図3を参照(適宜図2参照)して説明する。図3では、柱状領域の断面がXY平面に配置されているものとしており、横軸は位置座標Xを示し、縦軸は位置座標Yを示している。
F1=γ・(G1・R1+H0) … 式(1)
ここで、γは水素原子核の核磁気回転比であり、具体的には42.5MHz/Tである。また、H0は、静磁場強度である。
F2=γ・(G2・R2+H0) … 式(2)
なお、γは水素原子核の核磁気回転比であり、H0は、静磁場強度である。
次に、スライス曲面について図5を参照(適宜図2参照)して説明する。図5では、柱状領域227の長手方向を図面の上下方向に一致させて配置している。
図5に示す柱状領域227を移動させること、すなわち、入力されたスライス曲線に沿ってオーバーラップするように配置された複数の柱状領域227を想定することは、被検体において励起する3次元領域(柱状領域227)の位置を変化させることに対応する。
次に、柱状領域の形状について図6を参照(適宜図3及び図5参照)して説明する。図6には、柱状領域の断面形状を示している。
本実施形態では、柱状領域227の断面の形状は菱形としている。また、図6では、菱形の水平方向の対角線(一方の対角線)が垂直方向の対角線(他方の対角線)よりも短くなるように図示されている。柱状領域227を形成する菱形の垂直方向の対角線の長さは、スライス厚Tの1.5〜2.5倍であることが好ましく、菱形の水平方向の対角線の長さは、画素サイズの1.5〜2.5倍であることが好ましい。ここで、画素サイズは、スライス曲線に沿って配置される柱状領域227の個数(スライス曲線に沿ったデータ点数)Nと、柱状領域227の連鎖方向の長さをFOV(2)(図5参照)によって決定される。すなわち、画素サイズは、FOV(2)/Nで表される。
次に柱状領域のオーバーラップについて図7および図8を参照して説明する。
本実施形態では、菱形の柱状領域227を、柱状領域の連鎖方向にオーバーラップするような位置で励起する。この場合、隣接する菱形の柱状領域227同士の距離は、柱状領域の連鎖方向における対角線の長さの1/2であるFOV/Nとする。これにより菱形の柱状領域227は図7に示すようにオーバーラップする。なお、この場合、オーバーラップした領域の長手方向の長さはスライス厚Tとなる。
本実施形態では、柱状領域227を菱形の短い対角線の向きに移動させるので、画像空間分解能を高めることができる。
この場合、図8(a)では、柱状領域が図6および図7に示した形状および配置としていることから、図8(b)に示すプロファイルにおいて、MR信号の強度のFWHM(半値幅)で評価すると、FWHMは、ユーザーが撮像条件で設定したスライス厚T(mm)となる。
次に、柱状領域の好ましい励起順序について説明する。菱形の柱状領域227の位置を移動させながら曲面を撮像する際、隣接する柱状領域を連続的に励起していくことも可能である。ただし、柱状領域の磁化の緩和が十分に進んでいないうちに隣接する柱状領域を励起すると、干渉により、信号強度が低下してしまう。そのため、隣接する柱状領域を励起するためには、時間を空ける必要がある。このような待ち時間のため、撮像時間が長くなってしまう。そこで、撮像時間を短縮できるような柱状領域の励起順序について図9を参照して説明する。
また、第2のグループでは、励起の順番を、P9、P12、P8、P11、P7、P10として、3本おきに励起することで、隣接する柱状領域を連続励起しないようにする。
なお、第3グループ以降も、以下同様に、すべての柱状領域の励起を行う。
次に、磁気共鳴イメージング装置1の処理の流れについて図10を参照(適宜図1、図2、図9および図11〜図14参照)して説明する。
まず、磁気共鳴イメージング装置1は、信号処理部7によって、ディスプレイ20の画面上にスカウト画像を表示し、ユーザーは、そのスカウト画像上に撮像したい曲面を指定するためのスライス曲線を、マウス等の入力デバイス22を用いて描く。これにより、信号処理部7の位置計算部24は、スカウト画像に入力されたスライス曲線を受け付ける(ステップS1)。
そして、信号処理部7は、一部のMR信号(P1〜P6)を用いて再構成された画像である曲面断層画像をディスプレイ20に表示する(ステップS5)。ここで、ディスプレイ20には、撮像したい曲面を指定するためのスライス曲線と共にスカウト画像が表示されているが、ディスプレイ20の同じモニタ画面上に、再構成された曲面断層画像も表示される。
このようにして、信号処理部7は、各グループのデータが収集できた度に、曲面断層画像を更新していき、ユーザーが、撮像とリアルタイムに近い時間で曲面断層画像を確認できるようにする。
そして、指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集が終了した場合(ステップS6においてYes)、信号処理部7は、徐々に更新された曲面断層画像について現在の表示状態を保つ。
例えば、指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集が終了し(ステップS6においてYes)、現在の表示状態を保っている場合、ユーザーは、ディスプレイ20の画面上に表示された曲面断層画像を参考にして、図11のスカウト画像上のスライス曲線を、マウス等の入力デバイス22を用いて延長させることができる。これにより、信号処理部7の位置計算部24は、スカウト画像に入力されたスライス曲線の延伸を受け付けることができる(ステップS7A)。なお、スライス曲線の延伸ができるタイミングはこれに限定されず、撮像中でも、再構成中でもスライス曲線の延伸は画面上で随時受け付けている。
そして、例えば、スライス曲線が延伸されず(ステップS7BにおいてNo)、撮像終了の指示がなければ(ステップS8においてNo)、磁気共鳴イメージング装置1は、待機状態となる。
図13は、ユーザーが、スカウト画像上のスライス曲線を延伸した状態を示す模式図であり、破線部分が延伸したスライス曲線305である。図13は、延伸したスライス曲線305が追加された点が図11と異なっている。ここでは、例えば腰椎302に関して、背から腹にかけての横断面(アキシャル面)を観察したくなった場合に当該位置を含むようにユーザーがスライス曲線を延伸したこととしている。
このような場合であっても、磁気共鳴イメージング装置1は、延伸したスライス曲線305で指定されたスライス曲面における柱状領域から発生するMR信号の収集と画像再構成、画像表示を前記の手順と同様に行う。
図14(a)は、図11に示す実線のスライス曲線228で指定されるスライス曲面について再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。
図14(b)は、図11に示す実線のスライス曲線228と、図13に示す破線のスライス曲線305とで指定されるスライス曲面について撮像の途中までに再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。ここでは、腰椎302の横断面(アキシャル面)の一部まで画像再構成が行われている。
図14(c)は、図14(b)と同様であるが、延伸されたスライス曲線305で指定されるスライス曲面における柱状領域から発生するすべてのMR信号が収集されて再構成された曲面断層画像をモニタ画面に再構成画像として表示した模式図である。
このように、磁気共鳴イメージング装置1は、撮像の進捗とリアルタイムに近い時間で再構成画像が増加し、これを反映して再構成された曲面断層画像を徐々に更新しながらディスプレイ20に表示することができる。
次に、延伸されたスライス曲線305に対応したMR信号の収集が終了し、スライス曲線がそれ以上延長されず(ステップS7BにおいてNo)、この曲面撮像を終了する場合(ステップS8においてYes)、信号処理部7は、撮像により得られた画像を記憶部21に保存した上で、曲面撮像を終了する(ステップS9)。
また、スライス曲面として指定する部位を脊椎としたが、これに限るものではない。
また、スカウト画像はサジタル画像であるものとしたが、これに限らず、コロナルやトランスバースの画像であってもよい。
2 静磁場発生系
3 傾斜磁場発生系
4 送信系
5 受信系
6 制御部(制御手段)
7 信号処理部
8 静磁場発生部
9 撮像手段
10 傾斜磁場コイル
15a 送信側高周波コイル
15b 受信側高周波コイル
19 計算機
20 ディスプレイ(表示手段)
21 記憶部
22 入力デバイス(入力手段)
23 画像再構成処理部(画像再構成処理手段)
24 位置計算部(位置計算手段)
Claims (5)
- 被検体の所定のスライス曲面に直交する断面画像として表示されたスカウト画像に対して重畳するように前記スライス曲面を指定するためのスライス曲線を入力する入力手段と、
入力されたスライス曲線を受け付けて、前記被検体における所定の柱状領域を、前記スライス曲線に沿ってオーバーラップするように移動させるときのそれぞれの位置を算出すると共に、算出したそれぞれの位置情報および前記スライス曲線の位置情報を保持する位置計算手段と、
前記位置計算手段で算出されたそれぞれの位置に配置される前記柱状領域を、傾斜磁場の印加および高周波磁場の照射により励起して前記柱状領域から発生する磁気共鳴信号を検出する撮像手段と、
前記柱状領域の位置を所定の順序で変化させながら前記撮像手段による一連の動作を前記撮像手段に繰り返し行わせる制御手段と、
検出された複数の前記磁気共鳴信号を用いて画像を再構成する画像再構成処理手段と、
再構成された画像である曲面断層画像を表示する表示手段と、を備え、
撮像中および画像の再構成中であっても前記スライス曲線を延長する入力を受け付け可能であり、前記スライス曲線を延長する入力を受け付けた場合、延長されたスライス曲線に応じて表示中の曲面断層画像を更新することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 前記柱状領域の断面の形状は菱形であり、前記菱形の一方の対角線は他方の対角線よりも短く、前記一方の対角線の向きに前記柱状領域を移動させる請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記柱状領域を形成する前記菱形の他方の対角線の長さは、スライス厚の1.5〜2.5倍である請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記柱状領域を形成する前記菱形の一方の対角線の長さは、画素サイズの1.5〜2.5倍である請求項2または請求項3に記載の磁気共鳴イメージング装置。
- 前記制御手段は、前記柱状領域の位置を変化させることで前記スライス曲線に沿って形成される前記柱状領域を1以上前方または後方に飛び越えて、前記撮像手段による一連の動作を繰り返し行わせながら、前記スライス曲線で指定されるスライス曲面内のすべての前記柱状領域を励起させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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