以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る情報機器10の正面図である。この情報機器10は、独立して動作する複数の装置が一つの筐体に収容されたものである。この実施形態では、複数の装置は画像形成装置100とサーバ200からなる。
情報機器10は図1に示されるように、下側にサーバ200が上側に画像処理装置100がそれぞれ配置された状態で、これらのサーバ200と画像処理装置100が1つの筐体に収容されており、これら両装置で共用される1個の操作表示装置300を有している。
なお、画像処理装置100とサーバ200は必ずしも1つの筐体に収容されていなくても良く、画像処理装置100とサーバ200が隣接配置されているようなものも情報機器10に含まれる。
画像処理装置100は、この実施形態では、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の機能を有する多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals)が用いられている。以下の説明では、画像処理装置をMFPともいう。一方、サーバ200はパーソナルコンピュータによって構成されている。
図2は情報機器10の内部構成を示すブロック図である。
MFP100はそれ自体が独立して動作するため、制御CPU110と電源制御CPU120を有している。
制御CPU110は、MFP100の全体動作に関する制御を行うためのCPUであり、機能的に、描画制御部111、全体制御部112、画像制御部113、エンジン制御部114、ネットワーク通信部115等を構成する。
描画制御部111は、主として制御CPU110と操作表示装置300との間で送受されるデータに関する制御を行うものである。制御の一例としては、表示メモリであるVRAM131に記憶されている表示データを操作表示装置300に転送して表示させたり、自装置に保有されている操作ボタン、メッセージ等の多数の表示パーツを組み合わせて表示データを生成してVRAM131に記憶させ、必要に応じてVRAM131の内容の更新等を行う。さらに、ユーザがMFP100の機能を使用するために操作表示装置300を操作したときに、操作表示装置300から送付された、操作に対応する操作情報を全体制御部112や電源制御CPU120のタイマー制御部123に送付する。
全体制御部112は、MFP100の全体を統括的に制御し、ユーザ操作の受け付け、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能等の機能の実行等を行う。
画像制御部113は、図示しないスキャナ部で読み取った原稿の画像データや、ネットワーク通信部115を介して外部装置から送信されたプリントデータ等の画像処理等を行う制御部である。
エンジン制御部114は、コピー機能やプリンタ機能の実行時に、画像形成に関わるエンジン部を制御する。ネットワーク通信部115は、ネットワークを介して外部装置とデータの送受信を行う。
電源制御CPU120は、MFP100の電源のオン、オフ、節電モードであるスリープモードへの移行やスリープモードからの復帰等、MFP100の電源に関する制御を行うものであり、機能的に、状態検出部121、電源制御部122、タイマー制御部123等を構成する。
状態検出部121は、MFP100の電源状態、換言すれば電源がオンになっているか、スリープモードかあるいは通常モードか等を検出する。電源制御部122はMFP100の各部を形成するユニット毎に、あるいは複数のユニットをまとめた一定の単位で、電力の供給や遮断を制御する。
タイマー制御部123は、操作がなされなかった時間を計測するとともに、計測した時間が予め設定された時間に達したタイミングを検出するものであり、検出したタイミングを電源制御部122に通知する。電源制御部122は通知されたタイミングで、MFP100の全体あるいは各単位でスリープモードに移行させる。タイマー制御部123による時間計測がスタートしたのち、所定の時間に達するまでにリセット信号によりリセットがかかった場合は、スリープモードへの移行が一旦解除され、時間計測が再度スタートする。
MFP100は、さらに、ROM132、RAM133、ハードディスク装置(HDD)等からなる記憶部140等を備えている。
ROM132は、制御CPU110及び電源制御CPU120の動作プログラムや設定値等が格納された記憶媒体であり、RAM133は、制御CPU110及び電源制御CPU120が、ROM132に格納された動作プログラムに従って動作するときの作業領域を提供するメモリである。記憶部140は、スキャナ部で読み取られたが画像データ、各種のアプリケーションその他のデータが記憶されている。
一方、サーバ200はそれ自体が独立して動作するため、制御CPU210と電源制御CPU220を有している。
制御CPU210は、サーバ200の全体動作に関する制御を行うためのCPUであり、機能的に、描画制御部211、全体制御部212、ネットワーク通信部213等を構成する。
描画制御部211は、主として制御CPU210と操作表示装置300との間で送受されるデータに関する制御を行うものである。制御の一例としては、表示メモリであるVRAM231に記憶されている表示データを操作表示装置300に転送して表示させたり、自装置に保有されている操作ボタン、メッセージ等の多数の表示パーツを組み合わせて表示データを生成してVRAM231に記憶させ、必要に応じてVRAM231の内容の更新等を行う。さらに、ユーザがサーバ機能を使用するために操作表示装置300を操作したときに、操作表示装置300から送付された、操作に対応する操作情報を全体制御部212や電源制御CPU220のタイマー制御部223に送付する。
全体制御部212は、サーバ200の全体を統括的に制御し、ユーザ操作の受け付け、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能等の機能の実行等を行う。ネットワーク通信部213は、ネットワークを介して外部装置とデータの送受信を行う。
この実施形態では、MFP100とサーバ200とは、ネットワーク通信部115、213によりネットワークを介して相互に通信が可能となっている。また、ネットワークに依らず、MFP100の制御CPU110とサーバ200の制御CPU210が所定のインターフェースにより直接に接続されて、データの送受信を行うことが可能となっている。
電源制御CPU220は、サーバ200の電源のオン、オフ、節電モードであるスリープモードへの移行やスリープモードからの復帰等、サーバ200の電源に関する制御を行うものであり、機能的に、状態検出部221、電源制御部222、タイマー制御部223等を構成する。
状態検出部221は、サーバ200の電源状態、換言すれば電源がオンになっているか、スリープモードかあるいは通常モードか等を検出する。電源制御部222はサーバ200の各部に対する電力の供給や遮断を制御する。
タイマー制御部223は、操作がなされなかった時間を計測するとともに、計測した時間が予め設定された時間に達したタイミングを検出するものであり、検出したタイミングを電源制御部222に通知する。電源制御部222は通知されたタイミングで、サーバ200をスリープモードに移行させる。タイマー制御部223による時間計測がスタートしたのち、所定の時間に達するまでにリセット信号によりリセットがかかった場合は、時間計測を再度スタートする。
サーバ200は、さらに、ROM232、RAM233、ハードディスク装置(HDD)等からなる記憶部240等を備えている。
ROM232は、制御CPU210及び電源制御CPU220の動作プログラムや設定値等が格納された記憶媒体であり、RAM233は、制御CPU210及び電源制御CPU220が、ROM232に格納された動作プログラムに従って動作するときの作業領域を提供するメモリである。記憶部240は、スキャナ部で読み取られたが画像データ、各種のアプリケーションその他のデータが記憶されている。
操作表示装置300は、パネル制御マイコン301と、表示部302と、操作部303等を備えている。
パネル制御マイコン301は、図示しないCPU、ROM、RAM等を有し、操作表示部300の全体を制御するものである。特にこの実施形態では、MFP100の描画制御部111から送付された表示データや、サーバ200の描画制御部211から送付された表示データの一方を、表示部302に選択的に表示させたり、表示された画面に対して操作部303によりユーザ操作が行われた場合は、操作内容を判断して、操作内容を示す操作情報をMFP100あるいはサーバ200に送付するといった制御を行う。
表示部302は、MFP100側の表示データ104及びサーバ200側の表示データ204を表示するものであり、液晶表示装置(LCD)によって構成されている。
操作部303は、表示部302の表面に積層されたタッチパネルからなる。ユーザーが画面をタッチするとタッチパネル304上のタッチ座標の情報を含む操作情報がMFP100またはサーバ200に送信され、MFP100またはサーバ200が操作情報に対応する処理を実行したり、表示メモリ105、205に記憶された次の表示データを表示制御部301に転送して表示させるようになっている。
次に、操作部303に対してユーザ操作が行われたときのパネル制御マイコン301による操作内容の判断方法について説明する。
1つの方法は、ユーザ操作の内容がMFP100の機能の設定操作か、サーバ200の機能の設定操作かを判断し、MFP100の機能の設定操作であれば操作情報をMFP100に送付し、サーバ200には送付しない。従って、この場合はMFP100のスリープモードへの移行するためのタイマーはリセットされ、スリープモードへの移行は一旦解除される(移行が妨げられる)。一方、サーバ200の機能の設定操作であれば操作情報をサーバ200に送付し、MFP100には送付しない。従って、この場合はMFP100のスリープモードへの移行するためのタイマーはリセットされることはなく、スリープモードへの移行は解除されることなく継続される。
パネル制御マイコン301が、ユーザ操作の内容がMFP100の機能の設定操作か、サーバ200の機能の設定操作かを判断するために、操作表示装置300にはMFP100及びサーバ200の画面情報が予め保存されており、この画面情報に基づいて、いずれの機能の設定操作がなされたかを判断するようになっている。
操作内容の他の判断方法として、MFP100側が有する設定画面に対する操作かサーバ200側が有する設定画面に対する操作かについての判断する方法がある。つまり、表示部302に表示されている画面の描画制御権限がMFP100側かサーバ側のどちらにあるのかを判断する。MFP100側が有する設定画面に対する操作であれば操作情報をMFP100に送付し、サーバ200には送付しない。従って、この場合はMFP100のスリープモードへの移行するためのタイマーはリセットされ、スリープモードへの移行は一旦解除される。一方、サーバ200側が有する設定画面に対する操作であれば操作情報をサーバ200に送付し、MFP100には送付しない。従って、この場合はMFP100のスリープモードへの移行するためのタイマーはリセットされることはなく、スリープモードへの移行は解除されることなく継続される。
後者の判断方法は、この実施形態のように、MFP100とサーバ200のうち、サーバ200が主システムに設定されており、MFP100の機能がサーバ200の機能の一部であるものとして使用できるようになっている場合に、特に有効である。
具体的には、サーバ200は、MFP100の機能を使用するための設定画面の一部を保有しており、これらの設定画面によりサーバ200側で設定されたMFP100に対する設定値をサーバ200側で保持でき、MFP100の機能の実行時には、サーバ200側で保持した設定値をMFP100に送付して機能を実行させることが可能になっている。
図3に示す画面は、情報機器10の起動時に操作表示装置300の表示部302に表示された初期設定画面であり、サーバ200側で作成された表示データに基づいて表示されている。つまり、図3の画面の描画表示権限はサーバ200側にある。この初期設定画面には、ユーザが使用可能なサーバ200とMFP100のそれぞれの機能を示す機能ボタンが表示されている。画面中、「IT機能」の項目の下方に表示されている「IT機能1」「IT機能2」「IT機能3」「IT機能4」の各機能ボタンが、サーバ200側の各機能を使用するための機能ボタン群である。また、「MFP機能」の項目の下方に表示されている「MFP機能1(コピー)」「MFP機能2(スキャン)」「MFP機能3(ファックス)」「MFP機能1(ボックス)」の各機能ボタンが、MFP100側の機能であるコピー機能、スキャン機能、ファクシミリ機能、ボックス機能を使用するための機能ボタン群である。なお、ボックス機能とはボックスと称される記憶領域を利用した機能であり、例えばスキャンした文書等をボックスに保存したり、ボックスに保存されている文書等を外部に送信等する機能である。
ユーザが何れかの機能ボタンをタッチ操作すると、タッチ操作が操作部303のタッチパネルにより検出される。パネル制御マイコン301は、タッチ操作が、MFP100側が有する設定画面に対する操作かサーバ200側が有する設定画面に対する操作かを判断することにより操作内容を判断する。この例では、図3の画面はサーバ200側の画面であって描画制御権限はサーバ200側にあるから、サーバ200側が有する設定画面に対する操作であると判断し、操作情報をサーバ200の描画制御部211に送付する。従って、MFP100側には操作情報は送付されず、MFP100のスリープモード移行タイマーはリセットされない。
ユーザが例えば「MFP機能1(コピー)」ボタンをタッチすると、その操作情報がサーバ200に送付され、サーバ200は操作されたボタンに応じて図4に示すMFP100側の初期機能設定画面1の表示データを作成し、操作表示装置300のパネル制御マイコン301に送付する。パネル制御マイコン301は、受信した表示データを図4に示すように表示部302に表示する。図4の初期機能設定画面1もサーバ200側の画面であって描画制御権限はサーバ200側にある。
図4の初期機能設定画面1において、ユーザが「用紙設定」、「拡大/縮小」、「枚数設定」、「濃度」、「カラー/モノクロ」の各設定ボタンを押して設定を行うと、設定値が表示された図5の初期機能設定画面2が表示部302に表示される。図5の初期機能設定画面2もサーバ200側の画面であって描画制御権限はサーバ200側にある。図5の初期機能設定画面2において「実行」ボタンが押されると、サーバ200側で保持していた設定値がサーバ200の制御CPU210からMFP100の制御CPU110に送付され、MFP100は受信した設定値に基づいてコピー動作を行う。「キャンセル」ボタンが押されたときは、図4の画面に戻る。
図4及び図5の各設定画面には、「IT機能メニュー切替」ボタンが表示されている。ユーザがこの「IT機能メニュー切替」ボタンを操作すると、サーバ200側の機能を設定可能な図6に示すサーバ機能設定画面が表示部302に表示される。このサーバ機能設定画面もサーバ200側の画面であって描画制御権限はサーバ200側にある。ユーザが各IT機能ボタンを操作することにより、詳細な設定が可能となる。
図6のサーバ機能設定画面には、「MFP機能メニュー切替」ボタンが表示されている。ユーザがこの「MFP機能メニュー切替」ボタンを操作すると、MFP100側の機能を設定可能な、「MFP機能1(コピー)」「MFP機能2(スキャン)」「MFP機能3(ファックス)」「MFP機能1(ボックス)」の各機能ボタンを有する機能設定画面(図示せず)が表示される。この画面もサーバ200側の画面である。
図4及び図5のMFP初期機能設定画面において、ユーザが「応用設定」ボタンを操作すると、操作情報が操作表示部300からサーバ200の描画制御部211に送付される。
しかし、サーバ200はMFP100の応用設定画面の表示データを保持していないため、サーバ200の描画制御部211は、「応用設定」ボタンが操作されたことをMFP100の描画制御部111に通知する。この通知を受けて、MFP100は図7に示すMFP機能応用設定画面を表示するための表示データを作成し、操作表示装置300のパネル制御マイコン301に表示要求を行い、表示部302に図7に示すMFP機能応用設定画面が表示される。図7に示すMFP機能応用設定画面はMFP100側で作成された画面であり、描画制御権限はMFP100側にある。このため、応用設定画面に対してユーザ操作が行われると、パネル制御マイコン301は、MFP100側が有する設定画面に対する操作であると判断し、操作情報をMFP100の描画制御部111に送付する。なお応用設定画面では、カバーシートの追加、ページ間挿入/差込、枠消等の設定が可能となっている。
ところで、MFP100は前述したように、タイマー制御部123により操作がなかった時間を計測しており、所定時間操作がなかったタイミングでスリープモードに移行する。操作表示装置300の操作部303が操作されたときに、MFP100へ操作情報が入力されるとタイマーがリセットされ、操作がなかった時間の計測がその時点から再度スタートする。つまり、タイマーリセットによりスリープモードへの移行が一旦解除される(妨げられる)。
しかし、この実施形態では、操作表示装置300のパネル制御マイコン301が、表示部302に表示された画面に対してユーザにより行われた操作が、MFP100側が有する設定画面に対する操作かサーバ200側が有する設定画面に対する操作か、換言すればMFP100側が描画権限を有している画面であるか、サーバ200側が描画権限を有している画面であるかを判断している。そして、サーバ200側が有する設定画面に対する操作であると判断された場合、操作情報はサーバ200側のみに送付されてMFP100には送付されないから、MFP100のタイマーがリセットされることはなく、スリープモードへの移行解除は阻止される。
一方、MFP100側が有する設定画面に対する操作であると判断された場合、操作情報はMFP100側に送付されるから、MFP100のタイマーがリセットされる。つまり、スリープモードへの移行は一旦解除され、タイマーによる再度の時間計測がスタートする。
また、サーバ200側の画面においてMFP100の機能設定の要求がなされた場合、その要求をサーバ200が処理できる場合はMFP100へ通知は行われず、従ってMFP100におけるスリープモードへの移行解除が阻止される。逆に、MFP100の機能設定の要求をサーバ200側で処理できない場合は、サーバ200からMFP100へ通知されるから、この通知によってMFP100はタイマーがリセットされスリープモードへの移行が解除される。
図8は、図2に示した情報機器10の動作を説明するためのシーケンス図である。
操作表示装置300の表示部302に対する描画制御権限がサーバ200側にある状態において、時間0秒でMFP100側のタイマーがスタートし(ステップS01)、サーバ200側のタイマーもスタートする(ステップS21)。
ユーザが操作表示装置300の操作部(図8ではパネルとも記す)303から、サーバ200側の設定画面の呼び出し操作を行った場合(ステップS11)、描画制御権限はサーバ200側にあり、サーバ200が有する設定機能に対する操作であるから、パネル制御マイコン301は操作情報をサーバ200に送付する。
サーバ200は操作情報であるサーバ機能設定画面の呼び出し要求を検出すると(ステップS22)、サーバ200はサーバ機能の設定であるからサーバ200側のタイマーに対してのみリセット指示を発行し(ステップS23)、MFP100に対してはリセット要求を発行しない。また、サーバ200は、サーバ機能設定画面の呼び出し要求により、サーバ機能設定画面用の表示データを操作表示装置300に送付して表示部302に表示させる。
リセット指示を受けてサーバ200のタイマー制御部223がタイマーをリセットすると(ステップS24)、サーバ200側のタイマーが再スタートする(ステップS25)。
次にユーザが、表示部302に表示されたサーバ機能設定画面において、MFP機能切替ボタン等を操作してMFP100の初期機能設定画面の呼び出し操作を行うと(ステップS12)、サーバ200は操作情報であるMFP初期機能設定画面の呼び出し要求を検出する(ステップS22)。
ここで、サーバ200がMFP初期機能設定画面用の表示データを有していないものとすると、MFP機能設定画面をMFP100側で表示させるため、サーバ200はまずMFP100側のタイマー制御部123に対してリセット指示を発行する(ステップS27)。これは、MFP100側が既にスリープモードに移行しているときは、まずMFP100を起動させる必要があるためである。
MFP100はリセット指示を受信すると(ステップS02)、MFP100側のタイマーをリセットし(ステップS03)、MFP100側のタイマーが再スタートする(ステップS04)。MFP100の機能の使用後、図3の初期画面に戻り、ユーザが再度サーバ設定画面の呼び出し操作を行うと(ステップS13)、サーバ200は操作情報であるサーバ機能設定画面の呼び出し要求を検出し(ステップS28)、サーバ200側のタイマーに対してのみリセット指示を発行し(ステップS29)、MFP100に対してはリセット要求を発行しない。リセット指示を受けてサーバ200のタイマー制御部223がタイマーをリセットすると(ステップS30)、サーバ200側のタイマーが再スタートする(ステップS31)。
MFP100では、機能の使用後、無操作状態のまま所定時間(この例では600秒)が経過するとスリープモードに移行する(ステップS05)。
図9は情報機器10の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS101で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301は、操作部(パネル)303からのユーザ操作を待ち、ユーザ操作があると(ステップS101でYES)、ステップS102で、ユーザ操作の内容を判断する。
ステップS103で、ユーザ操作の内容がサーバ機能の設定かどうかを調べ、サーバ機能の設定であれば(ステップS103でYES)、ステップS104で、サーバ200にのみ操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行解除処理を行わない(禁止する)。サーバ機能の設定でなければ(ステップS103でNO)、MFP100の機能の設定であるので、ステップS105でMFP100に操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行解除処理を実行する。
図10は、情報機器10の動作において、MFP100のスリープモードへの移行解除を、タイマー制御部123に対するタイマーリセットにより行う場合のフローチャートである。
ステップS111で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301は、操作部(パネル)303からのユーザ操作を待ち、ユーザ操作があると(ステップS111でYES)、ステップS112で、ユーザ操作の内容を判断する。
ステップS113で、ユーザ操作の内容がサーバ機能の設定かどうかを調べ、サーバ機能の設定であれば(ステップS113でYES)、ステップS114で、サーバ200にのみ操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。サーバ機能の設定でなければ(ステップS113でNO)、MFP100の機能の設定であるので、ステップS115でMFP100に操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を実行する。
図11は、情報機器10の動作の他の例を示すフローチャートである。
ステップS121で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301は、操作部(パネル)303からのユーザ操作を待ち、ユーザ操作があると(ステップS121でYES)、ステップS122で、ユーザ操作の内容を判断する。この例では、操作の内容の判断を、MFP100が有する設定画面に対する操作かサーバ200が有する設定画面に対する操作かにより行う。
つまり、ステップS122で、設定画面がサーバ200側の設定画面かどうかを調べ、サーバ200側の設定画面であれば(ステップS122でYES)、ステップS123で、サーバ200にのみ操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。サーバ側の設定画面でなければ(ステップS122でNO)、MFP100側の設定画面であるので、ステップS124でMFP100に操作情報を送付し、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を実行する。
このようにこの実施形態では、操作部303に対する操作内容を判断し、判断結果に基づいて、MFP100のスリープモードへの移行を解除するか、操作中であってもスリープモードへの移行を解除しないかを制御するから、サーバ200を使用するために操作部303に対する操作が行われたときに、サーバ200のみならずMFP100へも操作情報が通知されて、MFP100のスリープモードへの移行が解除され移行が妨げられるという問題を解消できる。
図12は、操作表示装置300のパネル制御CPU101から、操作情報の通知を受けたサーバ200が、MFP100に対してタイマーリセット処理を行う場合の一例を示すフローチャートである。
ステップS131で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301から操作情報があったかどうかを調べ、無ければ(ステップS131でNO)、ステップS131に留まる。操作情報があると(ステップS131でYES)、ステップS132で、サーバ200は操作情報はMFP100の機能設定の操作かどうかを判断する。MFP100の機能設定であれば(ステップS132でYES)、ステップS133で、サーバ200側で処理が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS133でNO)、ステップS134で、ユーザ操作によって設定される機能の情報をMFP100へ通知する。
通知を受けたMFP100は、ステップS135で、その機能に関連するユニットを抽出したのち、ステップS136で、関連ユニットに対してのみスリープ移行タイマーのリセット処理を行う。従って、関連ユニット以外のユニットについてはスリープ移行タイマーのリセット処理は行われないから、スリープモードへの移行が妨げられることはない。例えば、ユーザが要求するMFP100の機能が、スキャンされた原稿の画像データを外部宛先に送信する機能であった場合、エンジン部は使用されないから、エンジン部を構成するユニットに対しては、タイマーがリセットされることなく時間計測が続けられる。
ステップS132で、MFP100の機能設定でない場合(ステップS132でNO)や、ステップS133でサーバ200側で処理可能な場合は(ステップS133でYES)、ステップS137に進み、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。
このように、MFP100のユニットのうち、ユーザが使用する機能を実行するためのユニットのみに対してスリープモードへの移行解除を行い、それ以外のユニットに対してはスリープモードへの移行解除は行われないから、MFP100は必要ユニットのみを動作させて最小限の消費電力で機能を実行することができ、省エネルギ性能に優れた情報機器10となる。勿論、機能に関連するユニットを抽出することなく、MFP100の全てのユニットにリセット処理を行っても良い。
図13は、操作表示装置300のパネル制御CPU101から、操作情報の通知を受けたサーバ200が、MFP100に対してタイマーリセット処理を行う場合の他の例を示すフローチャートである。
ステップS141で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301から操作情報があったかどうかを調べ、無ければ(ステップS141でNO)、ステップS141に留まる。操作情報があると(ステップS141でYES)、ステップS142で、サーバ200は操作情報はMFP100の機能設定の操作かどうかを判断する。MFP100の機能設定であれば(ステップS142でYES)、ステップS143で、サーバ200側で処理が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS143でNO)、ステップS144で、MFP100がスリープモードへ移行しているかどうか(スリープ状態かどうか)を調べ、スリープ状態であれば(ステップS144でYES)、ステップS145で、MFP100をスリープモードから復帰させた後、ステップS146に進む。ステップS144で、スリープ状態でない場合は(ステップS144でNO)、そのままステップS146に進む。
ステップS146では、ユーザ操作によって設定される機能の情報をMFP100へ通知する。
通知を受けたMFP100は、ステップS147で、その機能に関連するユニットを抽出したのち、ステップS148で、関連ユニットに対してのみスリープ移行タイマーのリセット処理を行う。従って、関連ユニット以外のユニットについてはスリープ移行タイマーのリセット処理は行われないから、スリープモードへの移行が妨げられることはない。
ステップS142で、MFP100の機能設定でない場合(ステップS142でNO)や、ステップS143でサーバ200側で処理可能な場合は(ステップS143でYES)、ステップS149に進み、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。
このようにこの実施形態では、サーバ200からMFP100へ特定の機能が選択されたことの通知を行う際に、MFP100がスリープモードに移行している場合、サーバ200はMFP100をスリープモードから復帰させた後、操作情報の通知を行うから、サーバ200からMFP100へ操作情報を確実に通知することができる。
図14は、操作表示装置300のパネル制御CPU101から、操作情報の通知を受けたサーバ200が、MFP100に対してタイマーリセット処理を行う場合のさらに他の例を示すフローチャートである。
ステップS151で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301から操作情報があったかどうかを調べ、無ければ(ステップS151でNO)、ステップS151に留まる。操作情報があると(ステップS151でYES)、ステップS152で、サーバ200は操作情報はMFP100の機能設定の操作かどうかを判断する。MFP100の機能設定であれば(ステップS152でYES)、ステップS153で、サーバ200側で処理が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS153でNO)、ステップS154で、MFP100がスリープモードへ移行しているかどうか(スリープ状態かどうか)を調べ、スリープ状態であれば(ステップS154でYES)、ステップS155で、MFP100をスリープモードから復帰させる。
次いでステップS156で、スリープ復帰が完了したかどうかを、MFP100との通信により判断する。スリープ復帰が完了していない場合(ステップS156でNO)、ステップS157で、操作部303の操作状態をサーバ200側で監視し、MFP100側のタイマー更新情報を作成したのち、ステップS157に戻る。このタイマー更新情報は、操作がなされる毎にその操作がなされたタイミングから測定された経過時間の情報を含む。
ステップS156でスリープ復帰が完了すると(ステップS156でYES)、ステップS158に進む。ステップS154で、MFP100がスリープモードに移行していない場合も(ステップS154でNO)、ステップS158に進む。ステップS158では、ユーザ操作によって設定される機能の情報と、タイマー更新情報があれば当該タイマー更新情報とをMFP100へ通知する。
通知を受けたMFP100は、ステップS159で、その機能に関連するユニットを抽出するとともに、タイマー更新情報をタイマー設定に反映する。つまり、スリープ復帰中に新たな操作がなされ、その操作から例えばT秒経過後にMFP100が復帰完了した場合、その操作に対応するタイマーをT秒進めて時間計測を開始する。
次いでMFP100は、ステップS160で、抽出した関連ユニットに対してのみスリープ移行タイマーのリセット処理を行う。従って、関連ユニット以外のユニットについてはスリープ移行タイマーのリセット処理は行われないから、スリープモードへの移行が妨げられることはない。
ステップS152で、MFP100の機能設定でない場合(ステップS152でNO)や、ステップS153でサーバ200側で処理可能な場合は(ステップS153でYES)、ステップS161に進み、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。
このようにこの実施形態では、スリープモード状態のMFP100をまず復帰させるときに、サーバ200は、復帰中になされた操作部303に対する操作情報を一時的に監視するとともに、MFP100がスリープモードからの復帰後に、サーバ200はMFP100へ操作情報を通知し、MFP100は通知内容に基づいてタイマーの設定を更新するから、MFP100がスリープモードからの復帰中であることによるタイマー設定への影響を無くして、適正なタイマー設定を行うことができる。
図15は、操作表示装置300のパネル制御CPU101から、操作情報の通知を受けたサーバ200が、MFP100に対してタイマーリセット処理を行う場合のさらに他の例を示すフローチャートである。
ステップS171で、情報機器10はログインするユーザの認証を行う。ユーザ認証はサーバ200により行われても良い。
ステップS172で、操作表示装置300のパネル制御マイコン301から操作情報があったかどうかを調べ、無ければ(ステップS171でNO)、ステップS171に留まる。操作情報があると(ステップS171でYES)、ステップS173で、サーバ200は操作情報はMFP100の機能設定の操作かどうかを判断する。MFP100の機能設定であれば(ステップS173でYES)、ステップS174で、サーバ200側で処理が可能かどうかを判断する。可能でなければ(ステップS174でNO)、ステップS175で、設定される機能に対してユーザの使用権限があるかどうかを、ユーザ情報を基に調べる。ユーザに対して認められているMFP100の使用権限情報は、ユーザ情報と紐付けられて記憶部240に保存されている。
設定される機能に対してユーザの使用権限がある場合(ステップS175でYES)、ステップS176で、設定される機能の情報をMFP100へ通知する。
通知を受けたMFP100は、ステップS177で、その機能に関連するユニットを抽出したのち、ステップS178で、抽出した関連ユニットに対してのみスリープ移行タイマーのリセット処理を行う。従って、関連ユニット以外のユニットについてはスリープ移行タイマーのリセット処理は行われないから、スリープモードへの移行が妨げられることはない。
ステップS173で、MFP100の機能設定でない場合(ステップS173でNO)や、ステップS174でサーバ200側で処理可能な場合(ステップS174でYES)や、ステップS175で、設定される機能に対してユーザの使用権限がない場合(ステップS175でNO)、ステップS179に進み、MFP100側のスリープモードへの移行タイマーのリセット処理を行わない。
このようにこの実施形態では、サーバ200は、認証手段により認証されたユーザーに対するMFP100の各機能についての使用制限情報を取得するとともに、操作表示装置300から通知された操作情報のうち、使用制限情報によって示される使用が制限されている機能についての操作情報はMFP100へ通知しないから、実行できない機能の使用が操作されることによりMFP100のスリープモードへの移行が無駄に解除されて、スリープモードに移行するのが妨げられるのを防止できる。