JP2018139167A - 出力変換装置、電源装置および制御方法 - Google Patents

出力変換装置、電源装置および制御方法 Download PDF

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智紀 山本
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Abstract

【課題】瞬断と長時間の電力供給の両方に対応しつつ、小型化を実現することが可能な出力変換装置を提供する。【解決手段】出力変換部20は、燃料電池1と二次電池2とを有する電力供給部からの直流電力を交流電力に変換して配電系統250に出力する。停電検知装置10は、電力系統の異常を検知する。燃料電池出力検知装置11は燃料電池の状態を検知する。切替部12は、燃料電池1および二次電池2のそれぞれと出力変換部20との接続を切り替える。制御器18は、停電検知装置10および燃料電池出力検知装置11の検知結果に基づいて、切替部12を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の出力を変換する出力変換装置に関し、特に、非常用電源として用いられる燃料電池の出力変換装置に関する。
停電などによって商用電源からの電力供給が途切れた場合に、商用電源に代わって電力を負荷機器に供給する非常用電源装置が実用化されている。非常用電源装置で使用される電力供給手段としては、従来、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関が一般的であった。しかしながら、内燃機関には、動作音が大きく、排気ガスを放出することから設置場所が限定されるという問題があり、さらには排気ガスを外部に排出するための排出装置などが必要となるため、設置コストが高いという問題もある。このため、近年では、排気ガスを排出せず、比較的静かな電力供給手段として、鉛蓄電池やリチウムイオン蓄電池などの二次電池や、水素ガスを利用した燃料電池が注目されている。
特許文献1には、燃料電池と二次電池の両方を備えた燃料電池システムが開示されている。この燃料電池システムは、商用電源からの電力供給が途切れた場合、燃料電池から負荷機器に電力を供給する。二次電池は、通常、燃料電池システムの制御装置などへ電力を供給する補助電源として使用されるが、商用電源からの電力供給が途切れた状態において、燃料電池の燃料(水素ガス)を貯蔵する貯蔵容器の交換などによって燃料電池からの電力供給が困難な場合に、交換スイッチを操作することで、負荷機器への電力の供給を燃料電池から二次電池に切り替えることができる。
また、特許文献2には、二次電池を備えた非常用電源装置が開示されている。この非常用電源装置は、二次電池の低電圧化を図るために、二次電池からの電力を昇圧して出力する機能を有している。
また、特許文献3には、燃料電池を備えた非常用電源装置が開示されている。この非常用電源装置では、燃料電池の起動時などに瞬間的な非常用電力を提供するためのスーパーコンデンサが燃料電池に接続されている。
特開2015−072879号公報 特開2015−027135号公報 特表2004−530874号公報
しかしながら、燃料電池には発電を開始するまでに時間がかかるという問題があるため、特許文献1に記載された燃料電池システムでは、瞬間的な停電である瞬断に対応することが難しい。また、二次電池を主電源として用いて、商用電源からの電力供給が途切れた場合に二次電池から負荷機器に電力を供給する構成にすれば、瞬断に対応することができる。しかしながら、二次電池は、長時間の電力供給に対応することが容易ではなく、長時間の電力供給に対応するためには装置の大型化を招いてしまうという問題がある。
特許文献2に記載の非常用電源装置では、二次電池の低電圧化を図っているため、二次電池を構成する電池セルの数を減らすことが可能になり、その結果、装置の大型化を抑制できる。しかしながら、二次電池の低電圧化による小型化には限界があるため、特に家屋用などの大規模な非常用電源装置で長時間の電力供給に対応させるためには、十分な小型化を実現することは困難である。
また、特許文献3に記載の非常用電源装置では、瞬断時にスーパーコンデンサから電力を供給することが可能になるため、二次電池を使用しなくても瞬断に対応することができる。しかしながら、スーパーコンデンサの容量は二次電池と比べても非常に小さく、長時間の電力供給に対応するためには装置の大型化を招いてしまう。例えば、燃料電池が起動して発電状態になるまでの時間は、燃料電池の種類や触媒の状況、経時変化などに応じて異なるため、燃料電池が発電状態になるまでの間にスーパーコンデンサからの電力供給を確実に行うためには、スーパーコンデンサの容量を非常に大きくしなければならず、その結果、装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、瞬断と長時間の電力供給の両方に対応しつつ、小型化を実現することが可能な出力変換装置、電源装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明による出力変換装置は、燃料電池と二次電池とを有する電力供給部からの直流電力を交流電力に変換して電力系統に出力する出力変換部と、前記電力系統の異常を検知する異常検知部と、前記燃料電池の状態を検知する状態検知部と、前記燃料電池および前記二次電池のそれぞれと前記出力変換部との接続を切り替える切替部と、前記異常検知部および前記状態検知部の検知結果に基づいて、前記切替部を制御する制御部と、を備える。
本発明による電源装置は、前記出力変換装置と、前記電力供給部と、を備える。
本発明による制御方法は、燃料電池と二次電池とを有する電力供給部からの直流電力を交流電力に変換して電力系統に出力する出力変換部を備える出力変換装置の制御方法であって、前記電力系統の異常を検知する第1のステップと、前記燃料電池の状態を検知する第2のステップと、前記第1および前記第2のステップの検知結果に基づいて、前記燃料電池および前記二次電池のそれぞれと前記出力変換部との接続を切り替えるステップと、を有する。
本発明によれば、電力系統の異常と燃料電池の状態とに基づいて、燃料電池および二次電池と出力変換部との接続が切り替えられるため、状況に合わせて適切な電力供給を行うことが可能になる。したがって、二次電池を用いて瞬断に対応させつつ、燃料電池による長時間の電力供給が可能となるため、瞬断と長時間の電力供給の両方に対応しつつ、二次電池の容量を抑制することが可能になる。このため、瞬断と長時間の電力供給の両方に対応しつつ、小型化を実現することが可能になる。
本発明の一実施形態である非常用電源装置を示す回路構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態の電源装置である非常用電源装置を示す回路構成図である。図1に示す非常用電源装置100は、商用電源200と商用電源200からの商用電力で動作する負荷機器300との間の電力系統である配電系統250に系統連係する。
非常用電源装置100は、配電系統250の異常時に商用電源200の代わりに電力を負荷機器300に供給する電力供給部50を備える。配電系統250の異常は、例えば、商用電源200からの電力供給が途切れた停電、商用電力の電圧超過および商用電力の周波数異常などである。
電力供給部50は、燃料電池1と二次電池2とを有する。燃料電池1は、水素ガスおよび酸素ガスから直流電力を取り出して出力する。燃料電池1は、燃料(水素ガス)を供給するための補機類(図示せず)を備えている。燃料電池1は、一般的に長期間の使用により、触媒特性の影響で起電力(発電力)が低下することが知られている。低下した起電力は、起電力を回復させる再活性化処理を実行することで回復させることができる。燃料電池1の種類は特に限定されない。燃料電池1としては、例えば、固体高分子形燃料電池、リン酸形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池および固体酸化物形燃料電池などが挙げられる。
二次電池2は、充電可能な電池であり、充電された直流電力を出力する。二次電池2は、燃料電池1と並列に接続される。本実施形態では、二次電池2は、後述するように配電系統250の異常が検知されてから燃料電池1が発電状態になるまでの期間と、燃料電池1の再活性化処理による発電停止期間に、電力を負荷機器300に供給する。このため、二次電池2は、これらの期間に負荷機器300に電力を供給できるだけの容量を有していればよい。発電状態は、例えば、燃料電池1が発電している状態または、燃料電池1が定常状態で発電している状態などである。二次電池2の種類は特に限定されない。二次電池2としては、例えば、鉛蓄電池およびリチウムイオン蓄電池などが挙げられる。
非常用電源装置100は、電力供給部50を商用電源200から負荷機器300までの配電系統250に系統連係させる出力変換装置51を備える。出力変換装置51は、電力供給部50からの直流電力を、商用電力と同等な交流電力に変換して配電系統250に出力する。商用電力と同等な交流電力は、例えば、単相3線式100/200Vであり、50Hzまたは60Hzの周波数を有する。
出力変換装置51は、停電検知装置10と、燃料電池出力検知装置11と、切替部12と、入力コンデンサ13と、昇圧コンバータ14と、コンデンサバンク15と、インバータ16と、フィルタ回路17と、制御器18とを備える。入力コンデンサ13、昇圧コンバータ14、コンデンサバンク15、インバータ16およびフィルタ回路17は出力変換部20を構成する。
停電検知装置10は、配電系統250の異常を検知し、その検知結果を示す検知信号を出力する異常検知部である。本実施形態では、停電検知装置10は、配電系統250の異常として、商用電源200からの電力供給が途切れた停電を検知する。このような停電検知装置10としては、例えば、商用電源200に抵抗を介して接続されたフォトカプラと、フォトカプラの出力側に接続された積分回路とを備え、積分回路から商用電源の交流電力波形に同期したパルス電圧を出力する構成などが挙げられる。この例では、停電検知装置10は、パルス電圧の電圧値が閾値以下になった場合に停電を検知する。
燃料電池出力検知装置11は、燃料電池1の状態を検知し、その検知結果を示す検知信号を出力する状態検知部である。本実施形態では、燃料電池出力検知装置11は、燃料電池1の出力特性に関する値を測定することで、燃料電池1の状態を検知する。例えば、燃料電池出力検知装置11は、燃料電池1の出力特性に関する値として燃料電池1の端子電圧と端子を流れる電流とを測定する。そして、燃料電池出力検知装置11は、端子電圧が許容範囲に含まれる場合、または、端子電圧が所定時間連続して許容範囲に含まれる場合、燃料電池1を発電状態と検知する。また、燃料電池出力検知装置11は、出力特性(端子電圧と電流との関係)が許容限界を示す下限特性を下回った場合、燃料電池1を起電力が許容条件を満足しない起電力低下状態と検知する。
切替部12は、燃料電池1および二次電池2のそれぞれと出力変換部20との接続を切り替える。
入力コンデンサ13、昇圧コンバータ14、コンデンサバンク15、インバータ16およびフィルタ回路17は、上述したように出力変換部20を構成する。出力変換部20は、電力供給部50からの直流電力(つまり、切替部12にて接続された燃料電池1または二次電池2からの直流電力)を商用電力と同等な交流電力に変換して配電系統250に出力する。
入力コンデンサ13は、昇圧コンバータ14の2つの入力端子の間に設けられ、電力供給部50からの直流電力を平滑化して昇圧コンバータ14に入力する。
昇圧コンバータ14は、入力された直流電力を昇圧して出力する。昇圧コンバータ14は、高周波インバータ3と、共振トランス4と、共振コンデンサ5と、整流回路6とを有する。
高周波インバータ3は、入力された直流電力を高周波交流電力に変換して出力する。具体的には、高周波インバータ3は、スイッチング素子を用いて直流電力を高周波交流電力に変換する高周波インバータである。本実施形態では、高周波インバータ3は、スイッチング素子で構成されたフルブリッジ回路であり、スイッチング素子を高周波で駆動させることで、燃料電池1および二次電池2の直流電力を高周波交流電力に変換する。
共振トランス4および共振コンデンサ5は、高周波インバータ3からの高周波交流電力を変圧(ここでは、昇圧)して出力する共振回路を構成する。共振トランス4は、高周波インバータ3と接続された1次巻線4aと、共振コンデンサ5と接続された2次巻線4bとを有し、1次巻線4aおよび2次巻線4bとが電磁結合するように配置される。また、共振トランス4は、漏れ磁束のための磁気回路(図示せず)を備える。
共振トランス4の各巻線に生じる巻線電圧Eは、下記の式(1)で表すことができる。
Figure 2018139167
ここで、Kは巻線定数、Bgは磁気回路の磁束密度、Sは磁気回路の断面積、Fは共振トランス4の駆動周波数、Nは巻線の巻数である。
式(1)に示されたように同じ巻線電圧を得る場合、駆動周波数と巻数とは反比例の関係にあるため、駆動周波数を高くすることで巻数を少なくすることができる。このため、共振トランス4では、一般的に高周波で駆動するものが低周波で駆動するものよりも小さくできる。したがって、共振トランス4の前段に高周波インバータ3を配置して高周波交流電圧を生成することで、共振トランス4の小型化を図ることが可能になる。
共振トランス4および共振コンデンサ5で構成される共振回路は、共振トランス4の1次巻線4aの巻数と2次巻線4bの巻数の比によって、1次巻線4aの巻線電圧を2次巻線4bで変圧する。一般的にインバータでは、駆動周波数が高いほど、スイッチ回数が増加し、それによりスイッチング損失が増大する。これに対して共振回路は共振周波数付近で駆動し、共振周波数付近では、電流の位相と電圧の位相と位相差がゼロとなるため、高周波インバータ3に対してゼロ電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)またはゼロ電流スイッチング(ZCS:Zero Current Switching)を行うことが可能になる。したがって、スイッチング損失を抑制することができる。
なお、共振回路を駆動させる共振周波数Fは、下記の式(2)で表すことができる。
Figure 2018139167
ここで、Lは共振トランス4の漏れインダクタンス、Cは共振コンデンサ5の静電容量である。
整流回路6は、共振トランス4および共振コンデンサ5を備える共振回路からの高周波交流電力を整流して出力する。
コンデンサバンク15は、昇圧コンバータ14とインバータ16との間に設けられ、配電系統250からの商用電力を蓄える。具体的には、コンデンサバンク15は、後述するインバータ16が商用電力と同等な交流電力に変換するのに必要な直流電力の電圧よりも高い電圧(例えば、350V)で電力を蓄える。コンデンサバンク15に蓄えられた電力は、停電時に二次電池2からの電力が負荷機器300に供給されるまでの間に消費される。
インバータ16は、整流回路6からの高電圧直流電力を商用電力と同等な交流電力に変換する。具体的には、インバータ16は、スイッチング素子を用いて直流電力を交流電力に変換する。本実施形態では、インバータ16は、スイッチング素子で構成されたフルブリッジ回路であり、スイッチング素子を高周波で駆動させることで、昇圧コンバータ14からの直流電力を高周波交流電力に変換する。
また、配電系統250に異常が発生していない通常時には、インバータ16は、配電系統250からの商用電力を昇圧してコンデンサバンク15に蓄えるチャージポンプとして機能する。
フィルタ回路17は、インバータ16から出力される交流電流に含まれる高周波成分を除去するローパスフィルタである。
制御器18は、非常用電源装置100全体を制御する制御部である。制御器18は、具体的には、停電検知装置10および燃料電池出力検知装置11のそれぞれからの検知信号が示す検知結果に基づいて、電源供給部、切替部12および出力変換部20を制御する。
例えば、停電検知装置10にて停電が検知された場合、制御器18は、出力変換部20を動作させるとともに、燃料電池1が発電状態になるまでの期間、切替部12を用いて二次電池2を出力変換部20に接続する。その後、燃料電池1が発電状態になると、制御器18は、切替部12を用いて燃料電池1を出力変換部20に接続する。
また、停電検知装置10にて停電が検知されている状態において、燃料電池出力検知装置11にて起電力低下状態が検知された場合、制御器18は、切替部12を用いて二次電池2を出力変換部20に接続し、燃料電池1に対する再活性処理を実行する。再活性処理が終了すると、切替部12を用いて燃料電池1を出力変換部20に接続する。したがって、制御器18は、燃料電池1の再活性化処理による発電停止期間、つまり、起電力低下状態になってから再活性化処理が終了するまでの期間、制御器18は、二次電池2を出力変換部20に接続し、再活性処理が終了すると、燃料電池1を出力変換部20に接続する。
なお、制御器18やタッチパネルのようなユーザ操作部(図示せず)などを駆動するための制御電力は、コンデンサバンク15に蓄電された電力からDC/DCコンバータ(図示せず)などを用いて生成してもよい。また、コンデンサバンク15に蓄電された電力からDC/DCコンバータなどを用いて生成した電力を二次電池2に充電してもよい。
また、図1に示されているように本実施形態では、通常時には商用電力をそのまま負荷機器300に供給しつつ、商用電力の一部を分岐して非常用電源装置100に供給する常時商用給電方式が使用されている。
次に出力変換装置51の動作について説明する。
通常時には、制御器18は、切替部12を用いて燃料電池1および二次電池2の両方を出力変換部20から切断しておく。この場合、商用電力は配電系統250を経由してそのまま負荷機器300に供給される。また、商用電力の一部は出力変換装置51に供給される。制御器18は、インバータ16に対して駆動信号を入力して、インバータ16をチャージポンプとして駆動させる。インバータ16は、商用電力を昇圧してコンデンサバンク15に蓄える。なお、コンデンサバンク15に所定の電力が蓄えられた場合、制御器18は、インバータ16への駆動信号の入力を停止する。
停電検知装置10にて停電が検知された場合、停電検知装置10から停電を示す検知信号が制御器18に入力される。制御器18は、昇圧コンバータ14およびインバータ16に対して駆動信号を入力して、昇圧コンバータ14およびインバータ16を動作させるとともに、切替部12に対して二次電池2を出力変換部20に接続させる。
これにより二次電池2からの直流電力が出力変換部20にて商用電力と同等な交流電力に変換され、配電系統250を経由して負荷機器300に供給される。具体的には、二次電池2からの直流電力は、入力コンデンサ13にて平滑化された後、昇圧コンバータ14で昇圧されてインバータ16に入力される。入力された直流電力は、インバータ16で交流電力に変換され、その後、フィルタ回路17で高周波成分が除去されて配電系統250を経由して負荷機器300に供給される。
このとき、二次電池2が出力変換部20と接続されてから、二次電池2からの直流電力が昇圧コンバータ14で昇圧されてインバータ16に入力されるまでには時間がかかる。その間、コンデンサバンク15に蓄えられた電力がインバータ16に入力され、交流電力となって負荷機器300に供給される。このため、負荷機器300への電力供給が途切れることを抑制することができる。なお、コンデンサバンク15の電圧は、徐々に低下するが、二次電池2からの電力が昇圧コンバータ14を経由して供給されると、回復する。
二次電池2を出力変換部20に接続してから所定時間経過しても配電系統250の異常が解消しなかった場合、制御器18は、燃料電池1に動作信号を出力して燃料電池1を駆動する。その後、燃料電池1が発電状態になると、制御器18は、切替部12に対して燃料電池1を出力変換部20に接続させるとともに、二次電池2と出力変換部20との接続を切断させる。これにより、燃料電池1からの直流電力が出力変換部20にて商用電力と同等な交流電力に変換され、配電系統250を経由して負荷機器300に供給される。
燃料電池1を出力変換部20に接続している間に、燃料電池1の起電力が低下して燃料電池出力検知装置11から起電力低下状態を示す検知信号が入力された場合、制御器18は、切替部12に対して二次電池2を出力変換部20と接続させるとともに、燃料電池1と出力変換部20との接続を切断させる。これにより、二次電池2からの直流電力が出力変換部20にて商用電力と同等な交流電力に変換され、負荷機器300に供給される。そして、制御器18は、燃料電池1に対して再活性処理の実行を指示し、その後、再活性処理が終了すると、切替部12に対して燃料電池1を出力変換部20に接続させるとともに、二次電池2と出力変換部20との接続を切断させる。
以上説明したように本実施形態によれば、停電検知装置10および燃料電池出力検知装置11の検知結果に基づいて、燃料電池1および二次電池2と出力変換部20との接続が切り替えられるため、状況に合わせて適切な電力供給を行うことが可能になる。したがって、二次電池2を用いて瞬断に対応させつつ、燃料電池1による長時間の電力供給が可能となる。このため、瞬断と長時間の電力供給の両方に対応しつつ、小型化を実現することが可能になる。
また、本実施形態では、停電が検知されてから燃料電池1が発電状態になるまでの期間、および、燃料電池1が起電力低下状態になってから再活性化処理が終了するまでの期間、二次電池2が出力変換部20に接続され、それ以外の期間、燃料電池1が出力変換部20に接続される。このため、二次電池2が使用される期間を短くすることが可能になるため、二次電池2の容量を少なくすることが可能になる。したがって、出力変換装置51の小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、配電系統250からの商用電力を蓄えるコンデンサバンク15が昇圧コンバータ14とインバータ16との間に設けられているため、停電時にコンデンサバンク15に蓄えられた電力を直ぐに負荷機器300に供給することが可能になる。このため、通常時に昇圧コンバータ14を動作させておくことで、停電時に二次電池2からの電力を直ぐに負荷機器300に供給できるように待機しておかなくてもよくなるため、通常時の電力消費を軽減することが可能になる。したがって、通常時の高効率化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、チャージポンプにより配電系統250からの電力を昇圧してコンデンサバンク15に蓄えるため、高い電圧を有する電力をコンデンサバンク15に蓄えることが可能になる。したがって、商用電力と同等の交流電力を得るのに必要最低限な直流電圧で電力を蓄えるよりもコンデンサバンク15の容量を少なくすることが可能になるため、コンデンサバンク15の小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、インバータ16がチャージポンプを兼用しているため、コンデンサバンク15に電力を蓄えるために新たに回路を追加する必要がない。このため、出力変換装置51の小型化および低コスト化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、昇圧コンバータ14は、直流電力を高周波交流電力に変換して出力する高周波インバータ3と、高周波交流電力を変圧して出力する共振回路(共振トランス4および共振コンデンサ5)と、共振回路からの高周波交流電力を整流して出力する整流回路6とを備える。このため、高周波インバータ3に対してゼロ電圧スイッチングまたはゼロ電流スイッチングを行うことが可能になるため、スイッチング損失を抑制することができる。また、共振トランス4の小型化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、通常時には商用電力をそのまま負荷へ供給する常時商用給電方式が使用されているため、通常時の消費電力を常時インバータ方式などと比べて小さくすることが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1 燃料電池
2 二次電池
3 高周波インバータ
4 共振トランス
4a 1次巻線
4b 2次巻線
5 共振コンデンサ
6 整流回路
10 停電検知装置
11 燃料電池出力検知装置
12 切替部
13 入力コンデンサ
14 昇圧コンバータ
15 コンデンサバンク
16 インバータ
17 フィルタ回路
18 制御器
20 出力変換部
50 電力供給部
51 出力変換装置
100 非常用電源装置
200 商用電源
250 配電系統
300 負荷機器

Claims (14)

  1. 燃料電池と二次電池とを有する電力供給部からの直流電力を交流電力に変換して電力系統に出力する出力変換部と、
    前記電力系統の異常を検知する異常検知部と、
    前記燃料電池の状態を検知する状態検知部と、
    前記燃料電池および前記二次電池のそれぞれと前記出力変換部との接続と切断を切り替える切替部と、
    前記異常検知部および前記状態検知部の検知結果に基づいて、前記切替部を制御する制御部と、を備える出力変換装置。
  2. 前記制御部は、前記異常が検知されている場合、前記異常が検知されてから前記燃料電池が発電状態になるまで、前記二次電池を前記出力変換部に接続し、前記燃料電池が前記発電状態になると、前記燃料電池を前記出力変換部に接続する、請求項1に記載の出力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記異常が検知されている場合、前記燃料電池の起電力が許容条件を満足しない起電力低下状態になってから前記燃料電池の起電力を回復させる再活性化処理が終了するまで、前記二次電池を前記出力変換部に接続し、前記再活性化処理が終了すると、前記燃料電池を前記出力変換部に接続する、請求項1または2に記載の出力変換装置。
  4. 前記出力変換部は、
    前記電力供給部からの直流電力を昇圧して出力する昇圧コンバータと、
    スイッチング素子を用いて前記昇圧コンバータからの直流電力を交流電力に変換するインバータと、を有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の出力変換装置。
  5. 前記出力変換部は、前記昇圧コンバータと前記インバータとの間に設けられた、前記電力系統からの電力を蓄えるコンデンサバンクをさらに有する、請求項4に記載の出力変換装置。
  6. 前記電力系統からの電力を昇圧して前記コンデンサバンクに供給するチャージポンプをさらに備える、請求項5に記載の出力変換装置。
  7. 前記インバータが前記チャージポンプと兼用される、請求項6に記載の出力変換装置。
  8. 前記コンデンサバンクは、前記インバータが前記電力系統に流れる交流電力と同等な交流電力に変換するのに必要な直流電力の電圧よりも高い電圧で電力を蓄える、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の出力変換装置。
  9. 前記昇圧コンバータは、
    前記電力供給部からの直流電力を高周波交流電力に変換して出力する高周波インバータと、
    前記高周波インバータと接続された1次巻線および前記1次巻線と電磁結合する2次巻線とを含む共振トランスと、前記2次巻線に接続された共振コンデンサとを含み、前記高周波交流電力を変圧して出力する共振回路と、
    前記共振回路からの高周波交流電力を整流して出力する整流回路と、を有する、請求項4ないし8のいずれか1項に記載の出力変換装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の出力変換装置と、
    前記電力供給部と、を備える電源装置。
  11. 燃料電池と二次電池とを有する電力供給部からの直流電力を交流電力に変換して電力系統に出力する出力変換部を備える出力変換装置の制御方法であって、
    前記電力系統の異常を検知する第1の検知ステップと、
    前記燃料電池の状態を検知する第2の検知ステップと、
    前記第1および前記第2の検知ステップの検知結果に基づいて、前記燃料電池および前記二次電池のそれぞれと前記出力変換部との接続を切り替える切替ステップと、を有する出力変換装置の制御方法。
  12. 前記出力変換部は、前記電力供給部からの直流電力を昇圧して出力する昇圧コンバータと、スイッチング素子を用いて前記昇圧コンバータからの直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記昇圧コンバータと前記インバータとの間に設けられたコンデンサバンクとを有し、
    前記電力系統からの電力を前記コンデンサバンクに蓄えさせる蓄電ステップをさらに有する、請求項11に記載の出力変換装置の制御方法。
  13. 前記蓄電ステップでは、前記電力系統からの電力を昇圧して前記コンデンサバンクに蓄えさせる、請求項12に記載の出力変換装置の制御方法。
  14. 前記蓄電ステップでは、前記インバータが前記電力系統に流れる交流電力と同等な交流電力に変換するのに必要な直流電力の電圧よりも高い電圧で前記コンデンサバンクに電力を蓄えさせる、請求項11または12に記載の出力変換装置の制御方法。
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