JP2018138742A - 被覆構造、被覆方法及び被覆部材 - Google Patents

被覆構造、被覆方法及び被覆部材 Download PDF

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恒久 中村
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Abstract

【課題】設置及び取り外しを容易に行うことができると共に、汎用性を高めることができる被覆構造、被覆方法、及び被覆部材を提供する。【解決手段】一実施形態に係る被覆構造は、アンカーボルトB、及びアンカーボルトBに螺合するナットNを被覆する被覆構造1である。被覆構造1は、アンカーボルトBへの気体の侵入を遮断する遮断層2と、遮断層2を被覆する常温収縮部材4と、を備えている。一実施形態に係る被覆方法は、アンカーボルトB及びナットNに、アンカーボルトBへの気体の侵入を遮断する遮断層2を形成する工程と、遮断層2に常温収縮部材4を被覆する工程と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明の一側面は、被覆構造、被覆方法及び被覆部材に関する。
コンクリートに埋め込まれたアンカーボルトが用いられた構造としては、従来から種々のものが知られている。例えば、高速道路等の街灯は、アンカーボルトが下から挿通される挿通孔を有するベースプレートと、ベースプレートから上方に延びる柱状部とを備える。ベースプレートには柱状部を囲む位置に複数の挿通孔が形成されている。ベースプレートの複数の挿通孔のそれぞれにアンカーボルトを挿通し、アンカーボルトのベースプレートから上方に突出した部分にナットを締め付けることによって、前述の街灯が固定される。
前述した街灯のようにベースプレートから突出するアンカーボルトにナットを締め付ける構造では、アンカーボルトに、雨水、又は塩分(例えば融雪剤に含まれる塩化カルシウム)が混合された水分が長期間付着すること等によって腐食が生じうる。このように、特に長期間が経過したときにアンカーボルトが腐食することが想定されるので、アンカーボルトを保護することが必要となる。
特許文献1には、基礎、及びその上部に位置する基底部から上方に突出するアンカーボルトに取り付けられる防錆容器取付具及び防錆構造が記載されている。この防錆構造は、アンカーボルトに螺合するナットと、アンカーボルトの上方に設けられる延長ボルトと、アンカーボルトの上端と延長ボルトに螺合する付加ナットと、複数のナットを囲むように配置される弾性パッキン及び筒状カバーと、筒状カバーの内側面及びナットの間に充填される防錆剤と、筒状カバーの上端及び延長ボルトの上端を封止する蓋部材と、を備えている。蓋部材の内側には、アンカーボルトの上端が螺合する内ねじ部が形成されている。
特開2001−254718号公報
ところで、前述したアンカーボルトにおいては、腐食の有無が定期的に検査される。この検査を行うときには、前述した防錆構造等、アンカーボルトを被覆する部品を外す必要がある。しかしながら、前述した防錆構造は、延長ボルト、付加ナット、弾性パッキン、筒状カバー、防錆剤及び蓋部材を含んでいるため、部品点数が多く取り外しが困難である。また、この防錆構造の設置は、多くの部品を取り付けて多くの工程を有するため煩雑である。延長ボルトの径はアンカーボルトの径と同一である必要があり、更に、延長ボルトが螺合する内ねじ部を有する蓋部材も必要である。よって、アンカーボルトに合わせて延長ボルト及び蓋部材を製造しなければならないため、部品の準備が煩雑であると共に汎用性において改善の余地がある。
本発明の一形態に係る被覆構造は、アンカーボルト、及びアンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆構造であって、アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層と、遮断層を被覆する常温収縮部材と、を備えている。
この形態に係る被覆構造では、アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を備える。従って、アンカーボルトへの酸素及び水蒸気等の侵入が遮断されるので、アンカーボルトの酸化を抑えることができると共に、アンカーボルトの防湿を実現させることができる。よって、アンカーボルトにおける錆の発生を抑えることができ、アンカーボルトの腐食を抑制することができる。また、この被覆構造は、遮断層を被覆する常温収縮部材を備えるので、常温収縮部材の収縮によって遮断層及びナットを常温下において強く締め付けることができる。従って、より確実に酸素及び水蒸気等の侵入を抑えることができると共に、アンカーボルトを常温収縮部材の収縮によって物理的に保護することができる。また、この被覆構造は、遮断層と常温収縮部材を備えるので、部品点数を少なくすることができると共に設置を容易に行うことができる。更に、この被覆構造は、常温収縮部材を切除して遮断層を剥がすことにより、容易に取り外すことができる。また、遮断層及び常温収縮部材は、アンカーボルトの径と高さに依存せずに設置することができるため、アンカーボルトに合わせて製造する必要がない。従って、汎用性を高めることができる。
別の形態に係る被覆構造において、遮断層は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びニトリルブタジエンラバー(NBR)の少なくともいずれかを含んでもよい。
別の形態に係る被覆構造において、被覆構造は、遮断層と常温収縮部材との間に位置する緩衝層を備えていてもよい。
別の形態に係る被覆構造において、緩衝層は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びニトリルブタジエンラバー(NBR)の少なくともいずれかを含むパテ材を備えてもよい。
別の形態に係る被覆構造において、緩衝層は、パテ材と常温収縮部材の間に位置する非粘着層を備えてもよい。
別の形態に係る被覆構造において、常温収縮部材は、アンカーボルトの根元側の端部で折り返された折り返し部を有してもよい。
別の形態に係る被覆構造において、常温収縮部材は、ナットに密着すると共に、アンカーボルトとの間に空隙を形成してもよい。
本発明の一形態に係る被覆方法は、アンカーボルト、及びアンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆方法であって、アンカーボルト及びナットに、アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を形成する工程と、遮断層に常温収縮部材を被覆する工程と、を備える。
この形態に係る被覆方法は、アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を形成する工程を備える。よって、アンカーボルトへの酸素及び水蒸気等の侵入を遮断することができるので、アンカーボルトの酸化を抑えると共に、アンカーボルトの防湿を実現させることができる。従って、アンカーボルトにおける錆の発生を抑えることができると共に腐食を抑制することができる。また、この被覆方法は、遮断層に常温収縮部材を被覆する工程を備えるので、常温収縮部材の収縮によって遮断層及びナットを強く締め付けることができる。従って、より確実に酸素及び水蒸気等の侵入を抑えることができると共に、アンカーボルトの緩みを抑止し、またアンカーボルトを物理的に保護することができる。また、この被覆方法では、遮断層と常温収縮部材を用いており、部品点数が少ないので、設置を容易に行うことができる。更に、遮断層及び常温収縮部材は、アンカーボルトの径と高さに依存せずに設置することができる。従って、汎用性を高めることができる。
別の形態に係る被覆方法において、常温収縮部材を被覆する工程の前に、常温収縮部材は、引き抜き可能な拡径保持部材によって有底円筒状に拡径されており、常温収縮部材を被覆する工程では、常温収縮部材の底部をアンカーボルトに対向させた状態にして拡径保持部材を引き抜きながら常温収縮部材をアンカーボルトの根元側に移動させることにより、アンカーボルト及びナットを被覆してもよい。
別の形態に係る被覆方法において、遮断層を形成する工程と常温収縮部材を被覆する工程との間に、遮断層の外側に緩衝層を形成する工程を備えてもよい。
本発明の一形態に係る被覆部材は、アンカーボルト、及びアンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆部材であって、アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を形成する遮断層形成部材と、遮断層を被覆する常温収縮部材と、を備える。
この形態に係る被覆部材は、アンカーボルトへの気体の侵入を抑制する遮断層を形成する遮断層形成部材を備える。従って、遮断層の形成により、アンカーボルトへの酸素及び水蒸気等の侵入が遮断されるので、アンカーボルトの酸化を抑えることができると共に、アンカーボルトの防湿を実現させることができる。よって、アンカーボルトにおける錆の発生を抑えることができ、アンカーボルトの腐食を抑制することができる。また、この被覆部材は、遮断層を被覆する常温収縮部材を備えるので、常温収縮部材の収縮によってアンカーボルトに螺合されたナットを強く締め付けることができる。従って、より確実に酸素及び水蒸気等の侵入を抑えることができると共に、アンカーボルトを物理的に保護することができる。また、この被覆部材は、遮断層形成部材と常温収縮部材によって上記の被覆を実現させることができるので、部品点数が少なく、設置を容易に行うことができる。更に、遮断層形成部材による遮断層の形成と、常温収縮部材による被覆は、アンカーボルトの径と高さに依存せず行うことができる。よって、各部品をアンカーボルトに合わせて製造する必要がない。従って、汎用性を高めることができる。
本発明の一形態によれば、設置及び取り外しを容易に行うことができると共に、汎用性を高めることができる。
図1は、実施形態に係る被覆構造を示す縦断面図である。 図2は、図1の被覆構造を示す斜視図である。 図3は、図1の被覆構造を拡大した縦断面図である。 図4は、実施形態に係る被覆部材を示す斜視図である。 図5(a)は、図1の被覆構造を設置する前のアンカーボルト及びプレートを示す斜視図である。図5(b)は、図5(a)のアンカーボルトにワッシャを装着した状態を示す斜視図である。 図6は、図5のアンカーボルトにナットを締め付けた状態を示す斜視図である。 図7は、図6のアンカーボルトの頭部及びナットの上端に緩衝層を形成する状態を示す斜視図である。 図8は、図7の緩衝層に常温収縮部材を被せる方法を説明するための斜視図である。 図9は、図8の常温収縮部材を被せた後の状態を示す斜視図である。 図10は、アンカーボルトの検査を行う方法を説明するための縦断面図である。 図11は、実施例を説明するための縦断面図である。 図12(a)及び図12(b)は、実施例及び比較例それぞれの結果を示す写真である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る被覆構造、被覆方法及び被覆部材の実施形態について詳細に説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。なお、以下の説明において、「アンカーボルト」は、コンクリートに埋め込まれた状態で部材、設備、機器及び構造を固定するボルトを含む。「被覆」は、部材等の全てを覆う場合、及び部材等の一部のみを覆う場合、の両方を含む。「常温収縮部材」は、典型的には常温収縮チューブであるが、チューブ状のものに限らず、種々の形状のものを含む。「常温」は、例えば外気の温度等、冷却されたり加熱されたりしていない温度を含む。
図1は、実施形態に係る被覆構造1、及び被覆構造1が適用される対象の例である照明灯Lを示す縦断面図である。図2は、被覆構造1を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、被覆構造1は、照明灯Lの下端を固定するアンカーボルトBを被覆するために設けられる。
照明灯Lは、例えば、道路の脇に設けられる照明であり、夜間等に道路に光を照らす照明である。照明灯Lは、例えば鉄等の金属によって構成されている。照明灯Lは、上側に照明が取り付けられており鉛直上下に延在する柱部L1と、柱部L1の下端において柱部L1から水平方向に広がるプレート部L2と、を備える。柱部L1は、例えば、円柱状とされており、プレート部L2は、四角形状とされている。
プレート部L2は、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔L3を有する。貫通孔L3は、アンカーボルトBを通すための孔である。プレート部L2の上面には、貫通孔L3を囲むうようにワッシャWが設けられており、アンカーボルトBは、下から貫通孔L3及びワッシャWに通されている。複数の貫通孔L3は、平面視において、柱部L1を囲む位置に配置されている。一例として、4個の貫通孔L3が平面視において正方形状となるように配置されている。
照明灯Lは、プレート部L2がコンクリートCの上に載せられると共に、各貫通孔L3には下からアンカーボルトBが挿通される。プレート部L2から上方に突出したアンカーボルトBの部分にナットNが螺合されることにより、コンクリートCにプレート部L2が固定される。
アンカーボルトBと貫通孔L3の内壁との間には充填剤S1が設けられている。充填剤S1は、アンカーボルトBを保護するために設けられる。前述した照明灯L、アンカーボルトB及びナットNは、一般的には野外に設けられることが多く、風雨に曝されることも多い。よって、プレート部L2、アンカーボルトB及びナットNが雨水等に曝されることにより、アンカーボルトBとプレート部L2(貫通孔L3)の間に水が長期にわたって入り込むことがある。プレート部L2及びアンカーボルトBには、溶融亜鉛メッキが施されているので、水に対するある程度の耐性を発揮することは可能である。
しかしながら、海岸から近く海水の影響を受けやすい地域や融雪剤(主成分が塩化カルシウムであることが多い)が散布される地域では、海水や融雪剤を含んだ水が、アンカーボルトBと貫通孔L3の間に入り込み、それが長期にわたって繰り返されると、アンカーボルトBが腐食することが懸念される。本実施形態では、アンカーボルトBの腐食を防止するために様々な措置を施している。
前述した充填剤S1は、アンカーボルトBの腐食防止のために設けられる。充填剤S1は、貫通孔L3にアンカーボルトBが挿通されている状態で貫通孔L3に充填される。充填剤S1は、例えば、液状の状態で貫通孔L3とアンカーボルトBの間に充填され、その後硬化する。硬化した充填剤S1がアンカーボルトBを覆うことにより、アンカーボルトBの腐食が防止される。
また、充填剤S1は、1液型又は2液混合型のレジンであってもよい。1液型の充填剤S1としては、例えば、湿気硬化するシリコーン又はウレタンを使用することができる。2液硬化型の充填剤S1としては、2液反応型シリコーン又は2液反応型ウレタンを使用することができる。また、充填剤S1は、硬化後において弾性を維持しているものであることが好ましい。この場合、振動等によって充填剤S1が剥がれる可能性を低減させることができる。
被覆構造1は、前述したアンカーボルトB及びナットNをプレート部L2の上で被覆することにより、アンカーボルトBを長期にわたって保護し、アンカーボルトBの腐食を防止するために設けられる。被覆構造1は、アンカーボルトB及びナットNに上から被せられる構造であり、山状に湾曲した外観を有する。
図3及び図4に示されるように、被覆構造1は、ワッシャWの上面W1、ナットNの側面N1、及び、アンカーボルトBの側面B1と天面B2に形成される遮断層2と、遮断層2の上側に被せられる緩衝層3と、遮断層2及び緩衝層3の外側(アンカーボルトBとの反対側)に設けられる常温収縮部材4と、を備える。また、本実施形態に係る被覆部材11は、遮断層2を形成する遮断層形成部材12と、緩衝層3を含む緩衝部材13と、常温収縮部材4とを備えている。
遮断層2は、外部から、アンカーボルトB、ナットN及びワッシャWへの気体の侵入を遮断する層である。遮断層2は、アンカーボルトBの防食のために形成される。遮断層2は、例えば、ブチルゴムによって構成されており、具体的には、ブチルゴム系下塗材であり、ブチルゴムがトルエン等の溶剤で溶かされた液体状のものである。また、遮断層2は、ポリイソブチレン、ポリブテン及びニトリルブタジエンラバー(以下、NBRとする)の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
一例として、遮断層2は黒色を成している。遮断層2は、遮断層形成部材12で吹き付けられることによって形成される。遮断層形成部材12は、例えば、スプレーである。この場合、遮断層形成部材12によって、アンカーボルトB、ナットN及びワッシャWに満遍なく且つ容易に遮断層2を形成することが可能となる。なお、遮断層2を形成する遮断層形成部材12は、例えば刷毛等、スプレー以外の器具により形成される部材であってもよい。
緩衝層3は、遮断層2に接着するパテ材5と、パテ材5の外側(遮断層2との反対側)に位置する非粘着層6とを含む。パテ材5は、アンカーボルトBの天面B2、及び側面B1の上部、並びにナットNの上部を物理的及び化学的に保護するために設けられる。また、パテ材5は、アンカーボルトBへの気体の侵入を遮断するために設けられる。パテ材5と遮断層2が設けられることによって、アンカーボルトBに対するガスバリア性が一層高められている。
パテ材5は、ブチルゴムによって構成されており、高い粘着性を有する。また、パテ材5は、ポリイソブチレン、ポリブテン及びNBRの少なくともいずれかを含むものであってもよく、遮断層2と同一の材料によって構成されていてもよい。この場合、パテ材5と遮断層2との馴染み性が高く、アンカーボルトBに対する高い装着性及び解体性が発揮される。
非粘着層6は、パテ材5の外側に位置しており、パテ材5の常温収縮部材4への粘着を防ぐために設けられている。非粘着層6は、例えば、樹脂製であり、具体的にはポリ塩化ビニル等のビニル樹脂によって構成されている。また、非粘着層6は、紙、又はアルミニウム等の金属によって構成されていてもよい。一例として、非粘着層6は、シート状、又はフィルム状とされている。この非粘着層6がパテ材5の外側に設けられることにより、非粘着層6と常温収縮部材4との間に空隙Kが形成されている。この非粘着層6を備えることにより、パテ材5を剥がしやすくすることが可能である。すなわち、非粘着層6と共にパテ材5を剥がすことができる。
緩衝部材13は、パテ材5と、非粘着層6と、離型層7とを備えたシート状とされている。非粘着層6はパテ材5の一方側に設けられており、離型層7はパテ材5の他方側(非粘着層6との反対側)に設けられている。離型層7は例えば剥離紙である。緩衝層3を形成するときには、離型層7がパテ材5から剥がされて、パテ材5が、遮断層2が形成されたアンカーボルトBの天面B2及びナットNに上から押し付けられる。これによりパテ材5が遮断層2に貼り付けられる。
常温収縮部材4は、常温収縮性を備える。常温収縮部材4は、例えば、常温において収縮特性に優れたゴムで構成される常温収縮チューブである。常温収縮部材4としては、例えば、エチレンプロピレンゴム又はシリコーンゴム等、防水性及び耐候性に優れた材料が用いられる。
常温収縮部材4は、有底円筒状とされており、底部4aが上方に向けられた状態でナットN及び非粘着層6を被覆している。被覆構造1において、常温収縮部材4は、収縮及び縮径された状態となっており、これによりナットNの側面N1が強く締め付けられている。常温収縮部材4の底部4aとの反対側(アンカーボルトBの根元側)には、折り返し部4bが形成されている。
折り返し部4bは、常温収縮部材4を配置するときに、常温収縮部材4の軸線方向(図3では上下方向)の長さがプレート部L2から突出するアンカーボルトBよりも長いことにより、プレート部L2から折り返されて形成される。常温収縮部材4の下端4c(端部)はプレート部L2に接触し、折り返し部4bは下端4cから上方に折り返されている。また、常温収縮部材4には目印部4dが形成されている。この目印部4dは、例えば、常温収縮部材4の軸線方向に延びる直線状とされている。
また、常温収縮部材4は、被覆が行われる前には、例えば、引き抜き可能であって管状に形成された拡径保持部材8によって拡径されている。拡径保持部材8は、全長にわたって壁面上に形成された解体線を有する円筒形の管状中空の部材である。当該解体線として、例えば、拡径保持部材8の軸線の回りを周回しながら、拡径保持部材8の軸線方向に漸進していくように設けられる連続螺旋溝8aが設けられている。拡径保持部材8の材料は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等の樹脂である。
拡径保持部材8は、連続螺旋溝8aに沿って、紐状体であるコアリボン8bとして引き抜くことが可能である。連続螺旋溝8aが形成された部分は、その周囲の部分よりも厚みが小さく、破断しやすい部分とされている。従って、コアリボン8bを引っ張ると、拡径保持部材8は、連続螺旋溝8aの部分で順次破断し、新たなコアリボン8bとして連続的に引き抜かれる。
連続螺旋溝8aは、一定のピッチで形成されているため、引き抜かれるコアリボン8bの幅は一定となる。また、本実施形態において、コアリボン8bは、軸線方向の底部4a側の端部から引き出されている。よって、拡径保持部材8は、底部4a側から順次引き抜かれる。
次に、プレート部L2から突出するアンカーボルトBの被覆方法について説明する。まず、プレート部L2の貫通孔L3に下からアンカーボルトBを挿通させる。そして、図5(a)に示されるように、プレート部L2の各貫通孔L3からアンカーボルトBが上方に突出した状態とする。
次に、アンカーボルトBと貫通孔L3との間に充填剤S1を充填する。その後、図5(b)及び図6に示されるように、アンカーボルトBのそれぞれにワッシャWを掛けて、アンカーボルトBのワッシャWから上方に突出した部分にナットNを締め付ける。このとき、各アンカーボルトBに対して2個のナットNが上下に並ぶようにナットNの締め付けを行う(図6)。
以上のように各アンカーボルトBに対して2個ずつナットNを締め付けた後には、例えば、スプレーによって液状とされたブチルゴムを吹き付けて遮断層2を形成する。一例として、液状のブチルゴムをナットN及びアンカーボルトBに吹き付けると黒色に変化するので、遮断層2が形成されているかどうかを視認可能である。
遮断層2を形成した後には、図7に示されるように、緩衝層3を形成する。緩衝層3は、アンカーボルトBの天面B2に貼り付けられる。緩衝層3を形成するときには、緩衝部材13の離型層7をパテ材5から剥がしてパテ材5を下にし、パテ材5を遮断層2が形成されたアンカーボルトBの天面B2及びナットNに上から貼り付ける。このとき、非粘着層6を上に向けた状態で上から非粘着層6をアンカーボルトB及びナットNに押し付けることにより、パテ材5がアンカーボルトB及びナットNに確実に付着する。よって、パテ材5の手への付着が抑制されると共に、パテ材5を変形させて確実にアンカーボルトBの天面B2とナットNを緩衝層3で覆うことが可能となる。
以上のように、パテ材5及び非粘着層6をアンカーボルトB及びナットNの上に被せて緩衝層3を形成した後には、図8に示されるように、常温収縮部材4によってアンカーボルトB及びナットNを被覆する。このとき、目印部4dが隣接するプレート部L2の天面の位置に、ナットNの緩み確認用の目印M(図9参照)を付してもよい。
常温収縮部材4による被覆では、常温収縮部材4の底部4aをアンカーボルトBの天面B2に対向させる。この状態で、拡径保持部材8のコアリボン8bを引き抜きながら常温収縮部材4を収縮させつつ、常温収縮部材4の表裏を反転させながら、常温収縮部材4をアンカーボルトBの根元側(下方)に向けて移動させる。そして、常温収縮部材4をナットNの側面N1に沿って下方に移動させることにより、反転及び収縮した常温収縮部材4は、アンカーボルトBの根元側に向けて徐々にナットNを被覆していく。
このとき、常温収縮する常温収縮部材4はナットNの側面N1に強く密着するので、常温収縮部材4が密着してからはナットNの緩みが抑制される。具体的には、2つのナットNが相互に拘束された状態において、2つのナットNに対して常温収縮部材4による拘束がかかるため、2つのナットNのうちの一方のみが緩むことを抑制することができる。図9に示されるように、全てのアンカーボルトB及びナットNに対し、常温収縮部材4によって被覆を行うことにより、照明灯Lに対する被覆構造1の設置が完了する。
ところで、前述したように、アンカーボルトBは、長期にわたって水等に曝されることがあるため、定期的にアンカーボルトBの検査が行われる。すなわち、道路の照明灯Lにおいては、アンカーボルトBの腐食の有無が定期的に検査される。従来は、このアンカーボルトBの検査を行うときに、まず、道路等を通行止めにして車両規制を行い、被覆構造を取り外し、ナットをアンカーボルトから外した後に、クレーン等で柱状部を吊り上げてアンカーボルトからプレート部を外し、目視でアンカーボルトの腐食の有無を確認していた。しかしながら、このアンカーボルトの検査方法では、車両規制を行うと共に、多くの作業員の確保及びクレーン等の手配が必要となるため多大なコストがかかるという問題があった。
本実施形態では、図10に示されるように、アンカーボルトBの天面B2に超音波探触子Uを当てて超音波AをアンカーボルトBの側面B1に照射することによってアンカーボルトBの腐食を検査する。なお、図10では、簡略化のため、一部の図示を省略している。例えば、天面B2に対して超音波探触子Uを傾けることにより側面B1に対する超音波Aの照射角度θを徐々に変化させ、側面B1から反射する超音波Aを検出して、側面B1の異常の有無を検出する。
ここで、アンカーボルトBが腐食等によって変形している(痩せている)箇所に超音波Aを照射した場合には、反射される超音波Aが、変形していない箇所に照射した場合と比較して異なっている。超音波探触子Uでは、このように異なる超音波Aの反射波の有無を検出することにより、アンカーボルトBの異常の有無を検出する。
以上のように超音波探触子UによるアンカーボルトBの検査を行うときには、アンカーボルトBの天面B2が腐食しておらず鏡面化されていることが必要である。そこで、従来は、超音波探触子Uの検査を行う度に天面B2を研磨して鏡面化していた。しかしながら、本実施形態の被覆構造1では、天面B2に遮断層2、緩衝層3及び常温収縮部材4が被せられるため、天面B2の腐食を抑制することができ、上記の研磨を不要とすることが可能となる。
また、超音波探触子Uを用いた検査を行うときには、被覆構造1をアンカーボルトBから外す必要がある。以下では、アンカーボルトBから被覆構造1を外す手順について説明する。まず、図9に示される状態において、常温収縮部材4の折り返し部4bに、カッターによって切り込みを入れる。このように折り返し部4bに切り込みを入れることにより、ナットN及びアンカーボルトBに傷がつくことが防止される。
このとき、折り返し部4bの目印部4dの部分にカッターを刺し込むと切り込みが入りやすい。そして、目印部4dの位置と、プレート部L2に予め付した目印Mの位置とが互いに一致していればナットNの緩みが無いことが分かる。一方、目印部4dの位置と目印Mの位置がずれていた場合にはナットNが緩んでいることが分かる。このように、常温収縮部材4に目印部4dが形成されると共にプレート部L2に目印Mが付されることにより、ナットNに緩みがあるかどうかを把握することができる。
折り返し部4bに切り込みを入れた後には、その切り込みから常温収縮部材4を引き裂いて常温収縮部材4を外し、緩衝層3(非粘着層6及びパテ材5)を外す。このとき、パテ材5と遮断層2が互いに同一の材料で構成されている場合には、パテ材5と遮断層2とが馴染んでいる。よって、非粘着層6及びパテ材5を外すときに遮断層2がパテ材5に付着するので、非粘着層6を手で持ってパテ材5に遮断層2を付着させながら、遮断層2を剥がすことができる。
遮断層2を剥がした後には、図10に示されるように、超音波探触子Uにより、前述した方法でアンカーボルトBの検査を行う。その後は、前述した方法により、ナットN及びアンカーボルトBに遮断層2を形成し、非粘着層6を手で持ってパテ材5を遮断層2が形成されたアンカーボルトBの天面B2とナットNに貼り付けて緩衝層3を形成し、常温収縮部材4を被覆することによって、被覆構造1が完成する。
次に、本実施形態に係る被覆構造1、被覆部材11及び被覆方法の作用効果について詳細に説明する。
被覆構造1では、アンカーボルトBへの気体の侵入を抑制する遮断層2を備える。従って、アンカーボルトBへの酸素及び水蒸気の侵入が遮断されるので、アンカーボルトBの酸化を抑えることができると共に、アンカーボルトBの防湿を実現させることができる。よって、アンカーボルトBにおける錆の発生を抑えることができ、アンカーボルトBの腐食を抑制することができる。また、被覆構造1は、遮断層2を被覆する常温収縮部材4を備えるので、常温収縮部材4の収縮によって遮断層2及びナットNを常温下において強く締め付けることができる。
従って、より確実に酸素及び水蒸気等の侵入を抑えることができると共に、アンカーボルトBを常温収縮部材4の収縮によって物理的に保護することができる。また、被覆構造1は、遮断層2と常温収縮部材4を備えるので、従来の被覆構造と比較して、部品点数を少なくすることができると共に設置を容易に行うことができる。
被覆構造1は、常温収縮部材4を切除して遮断層2を剥がすことにより、容易に取り外すことができる。また、遮断層2及び常温収縮部材4は、アンカーボルトBの径と高さに依存せずに設置することができるため、アンカーボルトBに合わせて製造する必要がない。従って、汎用性を高めることができる。
また、遮断層2は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びNBRの少なくともいずれかを含んでいる。ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン又はNBRは、他の材料と比較して、透湿率が低く高い防湿性を備えており、更に高い可撓性を有する。従って、高い可撓性によって遮断層2をナットN及びアンカーボルトBに密着させることができると共に、酸素及び水蒸気等のアンカーボルトBへの侵入を遮断する高いガスバリア性を発揮することができる。
また、遮断層2と常温収縮部材4との間に位置する緩衝層3を備える。この緩衝層3が遮断層2と常温収縮部材4との間に介在することにより、ガスバリア性をより高めることができる。
また、緩衝層3は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びNBRの少なくともいずれかを含むパテ材5を備える。よって、パテ材5と遮断層2を互いに同一の材料とすることができるため、パテ材5と遮断層2をなじみやすくすることにより、パテ材5及び遮断層2を容易に取り外すことができる。従って、ガスバリア性を高めると共に、被覆構造1の解体性を高めることができる。
また、緩衝層3は、パテ材5と常温収縮部材4の間に位置する非粘着層6を備える。この非粘着層6を備えた緩衝層3によって、常温収縮部材4の遮断層2等に対する接着面積を低減させることができる。従って、常温収縮部材4の解体を容易に行うことができるので、解体性を高めることができる。また、非粘着層6を備えることにより、緩衝層3の装着時等にパテ材5が手に付着するのを抑制することができるので、装着性及び解体性を高めることができる。更に、非粘着層6を備えることにより、常温収縮部材4と緩衝層3との間に空隙Kが形成される。このように常温収縮部材4の内側に空隙Kが形成されるので、常温収縮部材4の外側からの衝撃に対する耐性を高めることができる。
また、常温収縮部材4は、アンカーボルトBの根元側の端部(下端4c)で折り返された折り返し部4bを有する。この折り返し部4bを有することによりアンカーボルトBとナットNを確実に被覆することができると共に、折り返し部4bで折り返す長さを調整することによってアンカーボルトB及びナットNに対する長さ調整をすることができる。
従って、アンカーボルトB及びナットNの大きさにかかわらず確実に被覆を行うことができるので、汎用性を一層高めることができる。更に、取り外し時には、この折り返し部4bを切断して引き裂いていくことにより、アンカーボルトB及びナットNを傷つけずに解体を行うことができる。よって、アンカーボルトB及びナットNに入った傷から腐食が進行する事態を回避することができる。
また、常温収縮部材4は、ナットNに密着すると共に、アンカーボルトBとの間に空隙Kを形成している。常温収縮部材4がナットNに密着することにより、ナットNを強く締め付けることができるのでナットNの緩みを抑制することができる。また、常温収縮部材4とアンカーボルトBの間に空隙Kが形成されるので、この空気層により、外側からの衝撃に対する常温収縮部材4の耐性を一層高めることができる。
また、常温収縮部材4を被覆する工程の前に、常温収縮部材4は、引き抜き可能な管状中空の拡径保持部材8によって有底円筒状に拡径されており、常温収縮部材4を被覆する工程では、常温収縮部材4の底部4aをアンカーボルトBに対向させた状態にして拡径保持部材8を引き抜きながら常温収縮部材4をアンカーボルトBの根元側に移動させることにより、アンカーボルトB及びナットNを被覆する。このように、拡径保持部材8によって拡径保持された常温収縮部材4の底部4aをアンカーボルトBに対向させ、拡径保持部材8を引き抜きながら常温収縮部材4をアンカーボルトBの根元側に移動させることにより、常温収縮部材4の被覆を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、被覆構造を構成する各部品、及び被覆部材を構成する各部品の形状、大きさ、数、材料、及び配置態様は適宜変更可能である。また、被覆方法を構成する各工程の順序についても適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、照明灯Lのプレート部L2から突出するアンカーボルトBを被覆する被覆構造1及び被覆部材11について説明した。しかしながら、被覆構造及び被覆部材は、照明灯以外の構造物のプレート部から突出するアンカーボルトを被覆してもよいし、プレート部に挿通されていないアンカーボルトを被覆してもよい。被覆構造及び被覆部材は、アンカーボルト又はナットの数、形状、大きさ又は配置態様が上記とは異なるものであっても適用可能である。すなわち、アンカーボルトを保護する用途であれば、被覆構造及び被覆部材は、種々の構成に対して適用可能である。
また、前述の実施形態では、充填剤S1が設けられる例について説明したが、充填剤S1の材料、形状、大きさ、数及び配置態様については適宜変更可能である。更に、充填剤S1に代替するものがあれば、充填剤S1とは異なるものを配置してもよい。また、充填剤S1を省略することも可能である。
また、前述の実施形態では、遮断層2がブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン又はNBRによって構成される例について説明した。しかしながら、遮断層2の材料は上記の例に限定されず適宜変更可能である。また、常温収縮部材4の材料についても前述の実施形態に限定されず適宜変更可能である。更に、前述の実施形態では、常温収縮部材4が折り返し部4bを有する例について説明したが、アンカーボルトBの長さによっては折り返し部4bが形成されない場合もある。このように、常温収縮部材は、折り返し部を有しなくてもよい。
また、前述の実施形態では、超音波探触子UをアンカーボルトBの天面B2で傾けながら超音波Aを照射しアンカーボルトBの側面B1で反射された超音波Aを検出することによって、アンカーボルトBの検査を行う例について説明した。しかしながら、アンカーボルトBは、上記の例以外の方法、又は、超音波探触子U以外のものを用いて検査されてもよく、アンカーボルトBの検査方法については特に限定されない。
また、前述の実施形態では、被覆前において常温収縮部材4が拡径保持部材8によって拡径保持されている例について説明した。この拡径保持部材8の構成についても前述の実施形態に限られず適宜変更可能である。例えば、拡径保持部材8の解体線は、SZ状に形成されていてもよく、コアリボン8bを引き抜き可能であれば如何なる形状とすることも可能である。
また、前述の実施形態では、連続螺旋溝8aが一定のピッチで形成されていたが、一定でなくてもよい。更に、拡径保持部材としては、拡径保持部材8のようにリボン状でありリボンを解くことにより常温収縮部材4が順次縮径する態様もあれば、拡径保持部材が常温収縮部材に対して摺動し常温収縮部材4から引き抜かれることによって離脱する態様もある。
また、前述の実施形態では、緩衝層3がパテ材5及び非粘着層6を含む例について説明した。しかしながら、緩衝層は、パテ材5及び非粘着層6のいずれか一方のみを含むものであってもよいし、パテ材5及び非粘着層6以外のもので構成されていてもよい。また、緩衝層は、パテ材5及び非粘着層6の2層構造に限られず、1層又は3層以上の層によって構成されていてもよい。更に、緩衝部材13はパテ材5、非粘着層6及び離型層7を備えた構成に限られず、緩衝部材13の構成は適宜変更可能である。また、緩衝層3及び緩衝部材13は、省略することも可能である。
(実施例)
続いて、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例に限定されない。まず、図11に示されるように、前述したプレート部L2に相当する貫通孔P1付きのベースプレートPと、ベースプレートPを収容する容器X1及び蓋X2を用意した。ベースプレートPには溶融亜鉛メッキを施している。
容器X1には、アンカーボルトBを下から挿通させたアライメント板X3と、モルタルX4とを収容した。なお、アンカーボルトBは、アライメント板X3の上面でナットNに締め込まれている。そして、ベースプレートPの下から貫通孔P1にアンカーボルトBを挿通し、貫通孔P1とアンカーボルトBの間に樹脂製の充填剤S1を注入した。また、アンカーボルトBのベースプレートPから上方に突出する部分をナットNで締め込んだ。なお、実施例において、アンカーボルトBはM24ボルトであり、ナットNはM24ナットであり、モルタルX4の体積は2916cm(縦27cm×横27cm×高さ4cm)である。
そして、アンカーボルトBのベースプレートPから上に突出する部分に遮断層形成部材12で遮断層2を形成し、緩衝層3を設けた後に常温収縮部材4を被覆したものを実施例1、遮断層2を形成せずに緩衝層3を設け常温収縮部材4を被覆したものを比較例1とした。実施例1及び比較例1の外観は図9に示されるような形状とされている。以上のように製作した実施例1の被覆構造と、比較例1の被覆構造とを、それぞれ、図11に示されるように、80°の塩水X5に浸漬した。塩水X5の体積は2187cm(縦27cm×横27cm×高さ3cm)、塩水X5の塩分濃度は15%である。
以上のように実施例1の被覆構造、及び比較例1の被覆構造を塩水X5に28日間浸漬し、各被覆構造を外したときのアンカーボルトの天面の写真を図12(a)及び図12(b)に示している。図12(a)は実施例1、図12(b)は比較例1をそれぞれ示す。遮断層2を有しない比較例1では、アンカーボルトの天面が若干黒ずんでいるのが分かる。一方、遮断層2を備える実施例1では、28日間塩水X5に漬けた後であっても、アンカーボルトの天面が殆ど黒ずんでいないことが分かる。従って、遮断層2を備える実施例1では、遮断層2が無い比較例1よりも、ガスバリア性を高めることができると共に、より確実にアンカーボルトの腐食を防げることが分かった。
1…被覆構造、2…遮断層、3…緩衝層、4…常温収縮部材、4a…底部、4b…折り返し部、4c…下端、4d…目印部、5…パテ材、6…非粘着層、7…離型層、8…拡径保持部材、8a…連続螺旋溝、8b…コアリボン、11…被覆部材、12…遮断層形成部材、13…緩衝部材、A…超音波、B…アンカーボルト、B1…側面、B2…天面、C…コンクリート、K…空隙、L…照明灯、L1…柱部、L2…プレート部、L3…貫通孔、M…目印、N…ナット、N1…側面、P…ベースプレート、P1…貫通孔、S1…充填剤、U…超音波探触子、W…ワッシャ、X1…容器、X2…蓋、X3…アライメント板、X4…モルタル、X5…塩水、θ…照射角度。

Claims (11)

  1. アンカーボルト、及び前記アンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆構造であって、
    前記アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層と、
    前記遮断層を被覆する常温収縮部材と、
    を備えた被覆構造。
  2. 前記遮断層は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びニトリルブタジエンラバー(NBR)の少なくともいずれかを含む、
    請求項1に記載の被覆構造。
  3. 前記遮断層と前記常温収縮部材との間に位置する緩衝層を備える、
    請求項1又は2に記載の被覆構造。
  4. 前記緩衝層は、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン及びニトリルブタジエンラバー(NBR)の少なくともいずれかを含むパテ材を備える、
    請求項3に記載の被覆構造。
  5. 前記緩衝層は、前記パテ材と前記常温収縮部材の間に位置する非粘着層を備える、
    請求項4に記載の被覆構造。
  6. 前記常温収縮部材は、前記アンカーボルトの根元側の端部で折り返された折り返し部を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の被覆構造。
  7. 前記常温収縮部材は、前記ナットに密着すると共に、前記アンカーボルトとの間に空隙を形成する、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の被覆構造。
  8. アンカーボルト、及び前記アンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆方法であって、
    前記アンカーボルト及び前記ナットに、前記アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を形成する工程と、
    前記遮断層に常温収縮部材を被覆する工程と、
    を備えた被覆方法。
  9. 前記常温収縮部材を被覆する工程の前に、前記常温収縮部材は、引き抜き可能な拡径保持部材によって有底円筒状に拡径されており、
    前記常温収縮部材を被覆する工程では、前記常温収縮部材の底部を前記アンカーボルトに対向させた状態にして前記拡径保持部材を引き抜きながら前記常温収縮部材を前記アンカーボルトの根元側に移動させることにより、前記アンカーボルト及び前記ナットを被覆する、
    請求項8に記載の被覆方法。
  10. 前記遮断層を形成する工程と前記常温収縮部材を被覆する工程との間に、前記遮断層の外側に緩衝層を形成する工程を備える、
    請求項8又は9に記載の被覆方法。
  11. アンカーボルト、及び前記アンカーボルトに螺合するナットを被覆する被覆部材であって、
    前記アンカーボルトへの気体の侵入を遮断する遮断層を形成する遮断層形成部材と、
    前記遮断層を被覆する常温収縮部材と、
    を備えた被覆部材。
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