<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を斜め前方から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図2に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が固定されている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図3に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図4参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13における回動基端側の端部には、前扉枠14が回動可能に取り付けられており、同前扉枠14は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13における回動基端側の端部には、図4に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、同裏パックユニット15が正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図3に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を遊技機前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21(図1参照)が形成されており、その窓部21はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
図3に示すように、枠体20には窓部21を囲むようにしてガラスユニット設置部22が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部22は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部21が配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部22に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有するガラスパネル31,32と、それらガラスパネル31,32を保持するガラスホルダ33とを備えている。ガラスホルダ33は、窓部21に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31,32が収容されている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部21の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。より詳しくは、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯する機能が付与されたトップランプ部25が設けられ、窓部21の左右両側には賞球払出中に点灯する機能が付与されたサイドランプ部26が設けられている。また、トップランプ部25の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
図2に示すように、前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿28aが設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿29aが設けられている。上皿28aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿29aは、上皿28a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28において上皿28a(遊技球の貯留領域)よりも前側となる部位には、遊技者らにより手動操作される操作スイッチユニット40が設けられている。操作スイッチユニット40は、後述する図柄表示装置の表示画面等にて所定の演出を行わせることを目的として遊技の進行の過程で遊技者が所定の指示を行うための操作装置である。操作スイッチユニット40の具体的な構成や、その操作に基づく所定の演出については後に詳しく説明する。
下側膨出部29と横並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿28aに通じる前扉側上皿通路と、下皿29aに通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿28aに導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿29aに導かれる。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては、図3と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図2の左側)には、それら支持金具71,72に対応させて軸受け金具57,58が設けられている。支持金具71,72には軸部が形成されており、それら軸部が前扉枠14の軸受け金具57,58の軸受け孔に挿入されることで内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら支持金具71,72及び軸受け金具57,58は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている(図3参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図4に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル31,32によって覆われている。後側のガラスパネル32は、遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。下側の作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物が設けられている。電動役物は、作動口83bへの入球が不可又は困難となる閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、当該閉鎖状態よりも遊技球の入球が容易となる開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替え可能となっており、上記スルーゲート84への入賞に基づく抽選に当選した場合に主制御装置によって開放状態となるように制御される。電動役物の開閉態様としては、上側の作動口83aよりも下側の作動口83bへの入賞頻度が低くなるように設定された低頻度サポートモードと、上側の作動口83aよりも下側の作動口83bへの入賞頻度が高くなるように設定された高頻度サポートモードとが設定されており、各作動口83a,83bへの入球に基づく抽選によって所定の当たり結果となった場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行される構成となっている。
可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、左,中,右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、特別遊技状態へと移行される。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、上段,中段,下段に並べて図柄を表示し、それら図柄を左右方向にスクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95の上部には、第1特定ランプ部96及び第2特定ランプ部97が設けられている。また、センターフレーム95の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部98,99が設けられている。下側の保留ランプ部98は、図柄表示装置94及び第1特定ランプ部96に対応しており、遊技球が作動口83a,83bを通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部98の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部99は、第2特定ランプ部97に対応しており、遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部99の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
また、センターフレーム95において表示画面94aの側方(左側)に位置する部分には、上記操作スイッチユニット40が操作された場合にその操作回数を示唆する操作回数表示部95aが設けられている。操作回数表示部95aは、縦方向に複数の発光体(LED)が並べて実装された発光基板とそれを覆う透明カバーとを有してなり、後述する表示制御装置に対して電気的に接続されている。操作回数表示部95aは、操作スイッチユニット40の操作が繰り返されることで下側の発光体から順に点灯するように、その表示内容が表示制御装置によって制御される。
再び図5を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤80)の下方には、遊技球発射ハンドル45の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が後述する補強プレートを介して樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、後述する遊技領域区画部材と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが隙間を隔てて斜めに対峙するように配置されている。このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図3参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1等に示した下皿29aに排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
また、樹脂ベース60には、遊技盤収容部61からの遊技盤80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置が複数設けられている。ロック装置はロック状態にて遊技盤80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤80の前面に当接することによって遊技盤80の前扉枠14側への変位が抑えられることとなる。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を覆うようにして通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53(図3参照)が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図7を参照して内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図8に基づき遊技盤80の背面の構成について詳細に説明する。図8は遊技盤80を後方から見た斜視図である。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット85(図6参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図6参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
音声ランプ制御装置ユニット142の下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4及び図9に基づき裏パックユニット15について説明する。図9は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示したように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、図9に示すように、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿28a、下皿29a又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿28aに通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿29aに通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。上記主制御装置162には、RAM消去スイッチ166が設けられている。当該RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(操作スイッチユニット40)
次に、図10を参照して前扉枠14に設けられた操作スイッチユニット40及びそれに関連する構成について詳しく説明する。図10(a)は操作スイッチユニット40及びその周辺部位を拡大して示す上側膨出部28の平面図、図10(b)は図10(a)のA−A線部分断面図である。
図10(a)に示すように、前扉枠14の上側膨出部28において上皿28a(遊技球の貯留領域)よりも前側に位置する部分には、操作スイッチユニット40を収容するユニット収容部28bが形成されている。ユニット収容部28bは上方に開放された凹状をなしており、その開放部分を通じて操作スイッチユニット40の一部が上方に露出した状態となっている。
操作スイッチユニット40は、外形がユニット収容部28bの内形に合わせて形成されたハウジング310を備えている。図10(b)に示すように、ハウジング310は、ハウジング310の外郭を構成しユニット収容部28bの周壁部に対して当接する外側筒状部311と、外側筒状部311よりもひと回り小さく形成され外側筒状部311に対してハウジング310の内側から対向する内側筒状部312と、それら両筒状部311、312を繋ぎ外側筒状部311とともにハウジング310の外郭を構成する天板部313とを有してなり、外側筒状部311に形成された爪部(図示略)がユニット収容部28bに形成された受け部(図示略)に引っ掛かることでユニット収容部28bからの取り外しが規制されている。
天板部313はユニット収容部28bにおける開放部分の一部を覆っており、その中央部分には内側筒状部312によって囲まれた領域に連通するようにして中央開口314が形成されている。内側筒状部312には操作部(押圧操作部)としての押しボタン部材320が収容されており、押しボタン部材320の一部が中央開口314を通じて上方に露出している。これにより押しボタン部材320へのアクセスが許容されている。
本実施の形態においては、押しボタン部材320へのアクセス経路としての窓開口OPを形成するシャッタ機構が採用されている。このシャッタ機構が動作することにより窓開口OPの大きさが変更されることとなる。
具体的には、ハウジング310において中央開口314の左右両側には、中央開口314の一部を覆う閉位置と、中央開口314を覆わない開位置とに移動可能なシャッタ部材330が設けられている。シャッタ部材330は天板部313と平行な平板状をなしており、天板部313にはシャッタ部材330を収容可能な横長状のスリット315が形成されている。スリット315は、互いに向かい合う側(中央開口314側)に開放されており、この開放部分を通じてシャッタ部材330が互いに近づく側と遠ざかる側とにスライド移動可能となっている。
つまり、操作スイッチユニット40は遊技者側に露出している部分(押しボタン部材320やシャッタ部材330)が変形可能となるように構成されており、当該露出している部分が変形することで、遊技者が視覚的又は触覚的に操作スイッチユニット40が変形したことを把握することが可能となっている。
ハウジング310には、シャッタ部材330を閉位置へ向けて付勢する付勢手段としてのシャッタ用バネ部材335が設けられており、これらシャッタ用バネ部材335によって各シャッタ部材330が閉位置へ向けて常時付勢された状態となっている。天板部313には、シャッタ部材330に対して付勢方向における先側から当接することによりそれ以上の中央開口314側への移動を規制するストッパ部316が形成されており、これらストッパ部316に対してシャッタ部材330が当接した状態では、シャッタ部材330における中央開口314側の端部同士が当該中央開口314の中央にて当接している(図10(a)参照)。このようにしてストッパ部316に当接する位置(すなわち閉位置)が、シャッタ部材330の初期位置となっている。
図10(a)に示すように、シャッタ部材330において相対峙する側の端部には、半円状をなす切欠き部331が設けられている。各シャッタ部材330が閉位置に配置された状態ではそれら切欠き部331によって、両シャッタ部材330に跨る円形の窓開口OPが形成される。つまり、両シャッタ部材330が閉位置に待機している状態では、この窓開口OPを通じて押しボタン部材320の一部へのアクセスが許容されている。言い換えれば、押しボタン部材320において操作可能となる部位がシャッタ部材330によって制限されている。
また、ハウジング310には、シャッタ部材330を開位置へ移動させる駆動手段としてのソレノイド340と、発生した駆動力をシャッタ部材330に伝える駆動力伝達手段としてギア345とが設けられている。ソレノイド340は、表示制御装置410に対して電気的に接続されており、この表示制御装置410からの駆動信号に基づいて非励磁状態から励磁状態に切り替わる構成となっている。ソレノイド340が励磁状態となることで、シャッタ用バネ部材335の付勢力に抗してシャッタ部材330が開位置へと移動する。これらシャッタ部材330、ソレノイド340、ギア345によりシャッタ機構(可変式の実開口形成手段)が構成されている。
シャッタ部材330が閉位置から開位置へ移動した場合には、窓開口OPが拡張されることで、同シャッタ部材330における操作可能領域(アクセス可能領域)の占める割合が大きくなる。また、本実施の形態においては押しボタン部材320が移動可能に設けられており、シャッタ部材330の動きに合わせて押しボタン部材320の位置も変化することとなる。以下、押しボタン部材320にかかる構成について説明し、その後、押しボタン部材320とシャッタ部材330との関係について補足説明する。
押しボタン部材320は、内側筒状部312の中心軸線CLと同じ方向(上下方向)への移動が許容されているとともに、中心軸線CLと交差する方向への移動が規制されている。具体的には、押しボタン部材320は内側筒状部312の中心軸線方向と同じ方向に延びる筒状の胴体部321を有しており、この胴体部321の外周面が内側筒状部312の内周面に対して当接することで上記中心軸線CLと交差する方向への移動が規制されている。
胴体部321における中央開口314側の端部(上側の端部)には、遊技者による操作対象としての操作面部322が一体形成されている。操作面部322は上方に凸となる曲面状をなしており、操作時に指等に局所的な負荷が生じることを抑制している。
なお、押しボタン部材320を透明又は半透明の合成樹脂材料にて形成するとともに、その裏面側に光拡散板を固着し、さらには当該光拡散板にその裏側から光を照射するLEDなどの発光体を設け、押しボタン部材320の操作面部322を通じて光を放射する構成としてもよい。この場合、押しボタン部材320の装飾性が高められる。また、発光制御を行うことで、操作面部322に、例えば「PUSH」、「押!」、「CHANCE」等の遊技者に押し操作を促すような文字や記号を所定のタイミングで表示する構成としてもよい。
胴体部321には、押しボタン部材320を中央開口314から突出する側へ付勢する付勢手段としてのボタン用バネ部材325が内蔵されている。シャッタ部材330が閉位置に待機している場合には操作面部322に対してシャッタ部材330が付勢方向における先側から当接することで押しボタン部材320のそれ以上の突出が規制されている。
本実施の形態においては、窓開口OPから操作面部322の頂部が露出する構成とが採用されており、シャッタ部材330の端部(例えば切欠き部331)が操作面部322において斜め上方を向いている部分に当接している。このため、ボタン用バネ部材325の付勢力が押しボタン部材320を通じてシャッタ部材330に伝わり、シャッタ部材330が上方だけでなく開位置に向けて押されることとなる。しかしながら、シャッタ用バネ部材335の付勢力はボタン用バネ部材325の付勢力よりも大きく設定されているため、押しボタン部材320によって押されたシャッタ部材330が開位置へ後退することが回避される。このため、シャッタ部材330がストッパとして機能している状態では、押しボタン部材320によって押されたシャッタ部材330が移動することはなく、閉位置に留まり続ける。なお、ボタン用バネ部材325の付勢力の一部を天板部313に分散し、更には複数のシャッタ部材330を採用して同付勢力を分散したことで、シャッタ部材330のストッパ機能が好適に担保されている。
シャッタ部材330が開位置へ移動した場合には、シャッタ部材330が押しボタン部材320の移動経路から外れることで同シャッタ部材330のストッパとしての機能が無効となる。なお、シャッタ部材330によって押しボタン部材320の移動の可否を切り替えることができる点に着目すれば、シャッタ部材330を「可動式のストッパ」と称することも可能である。
ハウジング310には、シャッタ部材330が開位置に配置された場合に、同シャッタ部材330に代わって押しボタン部材320の移動を規制する他のストッパ(固定式のストッパ)が採用されている。詳しくは、胴体部321において中央開口314側とは反対の端部には中心軸線CLの放射方向へ突出するフランジ部323が形成されており、ハウジング310には、同フランジ部323に対してシャッタ用バネ部材335による付勢方向の先側(上方)から当接可能な第1当接部317が形成されている。押しボタン部材320の移動がシャッタ部材330によって規制されている状態では、第1当接部317とフランジ部323とが隙間を隔てて対峙しているものの、シャッタ部材330が開位置へ移動して押しボタン部材320が更に突出した場合には第1当接部317に対してフランジ部323が当接することで、それ以上の突出が回避されることとなる。つまり、シャッタ部材330に代わって第1当接部317がストッパとして機能することとなる。
また、ハウジング310には中央開口314側とは反対(下方)から押しボタン部材320のフランジ部233に当接可能な第2当接部318が設けられており、フランジ部233が第2当接部318に当たることでそれ以上の後退が規制される構成となっている。つまり、これら両当接部317,318によって押しボタン部材320の移動範囲が以下のように規定されている。すなわち、押しボタン部材320は、第1当接部317によって移動が規制されている最大突出位置と、第2当接部318によって移動が規制されている最大押込位置との両位置間での移動が許容されている。シャッタ部材330によって移動が規制された状態では、最大突出位置と最大押込位置との中間位置にて待機する。このように閉位置に配されたシャッタ部材330に対して当接した状態が、操作スイッチユニット40の通常状態である。なお、ボタン用バネ部材325は、押しボタン部材320が上記移動範囲におけるどの位置に存在している場合であっても、付勢機能が担保されるように構成されている。
(操作スイッチユニット40の動作)
本実施の形態では、押しボタン部材320の操作面部322において上方に露出する領域、すなわち直接触れて操作可能となる領域(以下、操作領域AEと称する)を、遊技状況に応じて変更することを特徴の1つとしている。そこで以下、図11を参照して、操作領域AEを変更する際の操作スイッチユニット40の動作について説明する。図11は操作スイッチユニット40の動作説明図である。操作領域AEが拡張される場合には操作スイッチユニット40が図11(a)の状態から図11(b)の状態に切り替わり、操作領域が縮小される場合には操作スイッチユニット40が図11(b)の状態から図11(a)の状態に切り替わる。
先ず、操作領域AEが拡張される場合について説明する。ソレノイド340が励磁されていない場合、すなわち表示制御装置410から駆動信号が出力されていない場合には、シャッタ用バネ部材335の付勢力によってシャッタ部材330が閉位置に待機した状態となっている(図11(a)参照)。かかる状態では、押しボタン部材320の操作面部322がシャッタ部材330に対して下側から当接することで、押しボタン部材320のそれ以上の突出が抑えられている。
ここで、ソレノイド340が励磁されると、図11(a)→図11(b)に示すように、シャッタ部材330がシャッタ用バネ部材335の付勢力に抗して開位置へと移動する。これにより、操作面部322において上方に露出している部分が占める割合が大きくなる。押しボタン部材320については、第1当接部317に対して当接しているわけではなく、突出側への移動の余地が残っている。このため、ボタン用バネ部材325の付勢力によりシャッタ部材330の移動に合わせて最大突出位置へ向けて移動する。これにより、中央開口314からの突出量が増大し、操作面部322へのアクセスが容易化される。また、押しボタン部材320の操作ストロークが増大する。
次に、操作領域AEが縮小される場合(通常状態に復帰する場合)について説明する。ソレノイド340に対する駆動信号の出力が停止すると、ソレノイド340が非励磁状態となり、図11(b)→図11(a)に示すように、シャッタ部材330がシャッタ用バネ部材335の付勢力によって閉位置へ移動する。この際、シャッタ部材330が操作面部322をボタン用バネ部材325の付勢方向とは反対側へ押すことなる。操作面部322を付勢方向と反対側へ押す力は、ボタン用バネ部材325の付勢力よりも大きく設定されているため、押しボタン部材320がボタン用バネ部材325の付勢力に抗して後退する。これにより、操作領域AEが縮小されるとともに、押しボタン部材320の操作ストロークが減少する。
次に、第1の実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成について、図12のブロック図に基づき説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402には、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。また、スイッチ群の一部として、作動口83a,83bや可変入賞装置82等の各種入球部に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU402において入球部への入球判定が行われる。また、MPU402では、入球部のうち作動口83a,83bへの入球に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
ここで、MPU402にて大当たり発生抽選等を行う上での電気的な構成について図13を用いて説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、第1特定ランプ部96の発光色の設定や、図柄表示装置94の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり状態や通常大当たり状態等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置94が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、図柄表示装置94の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1と、第1特定ランプ部96に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置94における図柄の変動表示時間を決定する第2変動種別カウンタCS2と、外れ図柄の組み合わせの設定に使用する外れ図柄カウンタC4とを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタC4は、MPU402内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM404には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口83a,83bへの遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM404の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU402)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいて大当たり状態の発生の有無を抽選する大当たり発生抽選手段を備えている。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態が終了した後に、確変状態(高確率状態)とするか通常状態(低確率状態)とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM404の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU402)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいて大当たり状態の種別を抽選する大当たり種別抽選手段を備えている。
ここで、確変状態とは、大当たり状態の終了後において予め定められた終了条件が成立するまで、大当たり状態の発生確率が通常状態よりも高くなる遊技状態のことをいう。具体的には、通常状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は2個で、その値は「337,673」であり、確変状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は10個で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
また、本パチンコ機10では、大当たり状態の終了後に通常状態となる通常大当たり状態(第1特別遊技状態)と、大当たり状態の終了後に確変状態となる確変大当たり状態(第2特別遊技状態)とで、図柄表示装置94の表示画面において変動表示後に停止表示される図柄の態様が異なっている。具体的には、通常大当たり状態が発生する場合には第1特別表示結果としての通常大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の偶数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示され、確変大当たり状態が発生する場合には第2特別表示結果としての確変大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の奇数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM404の保留球格納バッファに格納される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU402)は、所定の抽選開始条件の成立に基づいてリーチ表示の発生の有無を抽選するリーチ発生抽選手段を備えている。
第1変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。
第1変動種別カウンタCS1によってリーチ表示に際して発生するリーチ演出の種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置94の表示態様が決定される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU402)はリーチ演出の種別を抽選する演出種別抽選手段を備えている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置94を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態となる遊技機において、図柄表示装置94における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置94の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置94の表示画面94a内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
本パチンコ機10では、各種リーチ演出の一部として、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が操作(具体的には、押圧操作)された場合に、表示画面における演出表示を当該操作がされなかった場合とは異なる操作対応演出表示とする操作対応演出が設定されている。
操作対応演出としては、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が初期位置から最大押圧位置に向けて移動した後に(すなわち、往動作した後に)、押しボタン部材320が初期位置に復帰すること(すなわち、復動作したこと)を1回の操作として、押しボタン部材320が1回操作される度に操作対応演出表示とする単発操作対応演出が設定されている。この場合、リーチ表示は、最終的に大当たり状態が発生する状況及び大当たり状態が発生しない状況のいずれにおいても発生するが、単発操作対応演出はいずれの状況においても所定の確率で発生する。但し、大当たり状態が発生する状況と大当たり状態が発生しない状況とでは、単発操作対応演出において最終的に表示される演出表示の内容が異なっている。
操作対応演出としては、単発操作対応演出の他に、押しボタン部材320が1回操作される度に操作対応演出表示とするとともに、大当たり状態が発生する変動表示回(遊技回)において押しボタン部材320が予め定められた規定回数操作された場合に大当たり対応演出表示を行い、大当たり状態が発生しない変動表示回(遊技回)において押しボタン部材320が所定期間内に予め定められた規定回数操作された場合に外れ対応演出表示を行う連発操作対応演出が設定されている。
操作対応演出としては、単発操作対応演出及び連発操作対応演出の他に、押しボタン部材320が1回操作される度に操作対応演出表示とするとともに、押しボタン部材320が予め定められた規定回数操作された場合に特定単発操作を実行可能とし、大当たり状態が発生する変動表示回(遊技回)において特定単発操作された場合に大当たり対応演出表示を行い、大当たり状態が発生しない変動表示回(遊技回)において特定単発操作された場合に外れ対応演出表示を行う連続操作対応演出が設定されている。
さらに、操作対応演出としては、上記各種操作対応演出の他に、押しボタン部材320の操作領域AEをリーチ表示中に拡張する操作領域拡張演出が設定されている。操作領域拡張演出においては、操作領域AEが拡張されている状態にて操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が操作されることで、大当たり状態が発生する変動表示回(遊技回)においては大当たり対応演出表示を行い、大当たり状態が発生しない変動表示回(遊技回)においては外れ対応演出表示を行う。
第2変動種別カウンタCS2によって、第1特定ランプ部96に表示される色の切り替えを行う時間としての切替表示時間が決定される。この切替表示時間は、図柄表示装置94の図柄の変動表示時間に相当する。両変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部96に表示される色の切り替え開始時及び図柄表示装置94による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して両変動種別カウンタCS1,CS2のバッファ値が取得される。
外れ図柄カウンタC4は、大当たり抽選が外れとなった時に左列図柄、中列図柄、右列図柄の外れ停止図柄を決定するためのものであり、所定範囲のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタC4は通常処理内で更新され、外れ図柄カウンタC4の値が、RAM404の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
また、スルーゲート84への入賞が発生したタイミングでその時点での電役開放カウンタC5の値が取得され、その取得した値に基づいて電動役物を開放状態とするか否かの抽選が実行される。
図12の説明に戻り、主制御装置162におけるMPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入球部への入球判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動開始コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。ここで、変動開始コマンド及び種別コマンドは、保留球格納バッファに格納されている情報に基づいて第1特定ランプ部96における切替表示を開始する場合に、音声ランプ制御装置143に出力される。この場合、変動開始コマンドには、図柄の変動表示時間、大当たり発生の有無の情報、リーチ表示の有無の情報、リーチ種別の情報などが含まれており、種別コマンドには、停止表示させる図柄の種類の情報が含まれている。また、停止表示コマンドは、第1特定ランプ部96における切替表示を終了する場合に、音声ランプ制御装置143に出力される。また、大当たり開始コマンドは、大当たり状態に移行する場合に、音声ランプ制御装置143に出力される。また、大当たり終了コマンドは、大当たり状態が終了する場合に、音声ランプ制御装置143に出力される。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置82に設けられた駆動部などが接続されており、大当たり状態においては当該駆動部の駆動制御が実行され、可変入賞装置82の開閉が実行される。このように大当たり状態において可変入賞装置82の開閉が実行されることにより多数の遊技球が遊技者に払い出されることとなる。つまり、特別遊技状態としての大当たり状態を、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態とすることができる。
停電監視基板405は、主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置242は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、上記賞球コマンドを入力した場合には、その賞球コマンドに対応した数の遊技球が払い出されるように払出装置224を駆動制御する。換言すれば、払出制御装置242は、賞球コマンドを入力した場合には、払出制御処理を実行して払出装置224を駆動制御することで、賞球コマンドに対応した数の遊技球を払い出す。つまり、本パチンコ機10は、遊技結果に基づいて遊技球の払出を実行する払出機能を有している。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御基板401から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたスピーカ部や発光部を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410に設けられた表示制御基板411には、MPU412が搭載されている。MPU412には、当該MPU412により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM413と、そのROM413内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM414と、割込み回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU412には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU412の入力側には、音声ランプ制御装置143が接続されているとともに、操作スイッチユニット40に設けられた押しボタン部材320用の位置検出手段が接続されている。位置検出手段は、押しボタン部材320が最大押圧位置へ存在している場合に所定の検知情報(検知信号)を表示制御装置410に出力する位置検知センサ351と、押しボタン部材320が最大突出位置に存在している場合に所定の検知情報(検知信号)を表示制御装置410に出力する位置検知センサ352とによって構成されている。また、MPU412の出力側には、図柄表示装置94が接続されているとともに、操作スイッチユニット40に設けられたソレノイド340が接続されている。また、MPU412の出力側には、図柄表示装置94や操作回数表示部95aが接続されている。
なお、位置検知センサ351は、押しボタン部材320が最大押圧位置に到達することでHIレベル信号を出力し、最大押圧位置から移動することでLOWレベル信号を出力する。表示制御装置410では、LOWレベル信号への立下りに基づいて1回の操作が行われたものと判定する構成となっている。また、位置検知センサ352は、押しボタン部材320が最大突出位置に到達することでHIレベル信号を出力し、最大突出位置から移動することでLOWレベル信号を出力する。表示制御装置410ではHIレベル信号への立上がりに基づいて押しボタン部材320が最大突出位置に到達したものと判定する構成となっている。
MPU412では、主制御装置162から出力され音声ランプ制御装置143を経由して出力されてくる演出用コマンド(変動開始コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンド等)を入力するとともに、入力コマンドを解析し又は入力コマンドに基づき所定の演算処理を行って図柄表示装置94の表示制御を実行する。
具体的には、変動開始コマンドを入力した場合に、図柄表示装置94における図柄の変動表示を開始させるとともに、変動開始コマンドに含まれる情報に対応した態様で図柄の変動表示を行わせた後に、種別コマンドに対応した停止結果を表示した状態で図柄の変動表示を終了させる。上記変動開始コマンドに含まれる情報に対応した態様での図柄の変動表示としては、例えば上述したリーチ表示やリーチ演出を図柄表示装置94において表示させる。また、停止結果を表示する場合には、上記通常大当たり状態が発生することとなる変動表示回においては通常大当たり図柄の組み合わせを表示させ、上記確変大当たり状態が発生することとなる変動表示回においては確変大当たり図柄の組み合わせを表示させる。
また、上記表示制御に際しては、操作スイッチユニット40の位置検知センサ351,352からの検知結果が反映される。また、MPU412では、上記演出用コマンドに基づいて操作スイッチユニット40の制御を行う。
MPU412において、操作スイッチユニット40の位置検知センサ351,352からの検知結果が反映されるように図柄表示装置94の表示制御が実行される際、及び操作スイッチユニット40を用いた操作対応演出を行う際には、表示制御装置410のROM413及びRAM414に設けられた各種エリアが用いられる。
ROM413に設けられた各種エリアとしては、例えば各種テーブル記憶エリア421が設定されている。各種テーブル記憶エリア421は、音声ランプ制御装置143から入力した変動開始コマンドに基づいて図柄の変動表示を開始する場合に、その変動表示回において操作対応演出を行う場合に、その演出内容の詳細を特定するためのテーブルを記憶したエリアである。
RAM414に設けられた各種エリアとしては、各種フラグ格納エリア425、タイミング用カウンタエリア426、連発操作用カウンタエリア427が設定されている。各種フラグ格納エリア425は、例えば音声ランプ制御装置143から入力した変動開始コマンドに基づいて図柄の変動表示を開始する場合に、その変動表示回における演出パターンを特定するための情報を記憶するためのエリアである。タイミング用カウンタエリア426は、各種演出の開始タイミング等を特定するためのカウンタエリアである。連発操作用カウンタエリア427は、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が複数回連続して操作されている場合に、その連続操作回数を計測するためのカウンタエリアである。
(主制御装置162にて実行される各種処理)
次に、主制御装置162のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種センサ検知の監視処理を実行する。具体的には、主制御装置162に接続されている各種検知センサやスイッチ等からの信号を読み込むとともにそれら信号を判定して検知情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、外れ図柄カウンタC4及び電動役物開放カウンタC5の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、外れ図柄カウンタC4及び電動役物開放カウンタC5をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口83a,83bへの入賞が発生していた場合には、保留球格納エリアに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び外れ図柄カウンタC4の各数値情報を保留球格納エリアの保留用エリアに格納する。この場合、保留用エリアの第1エリア〜第4エリアのうち最初の空き保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置143に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留ランプ部98を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート84への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC5の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置143に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部99を点灯させるための処理を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、当該通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信し、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に対して送信する。音声ランプ制御装置143に送信されたコマンドは、音声ランプ制御装置143を経由して表示制御装置410に送信される。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、賞球コマンド設定処理を行う。賞球コマンド設定処理においては、先ずRAM404の各種フラグ格納エリアに格納されている入賞検知に対応したフラグを参照して、一般入賞口81等の各種入球部にて入賞が発生したか否かを判別し、入賞が発生した場合には同入賞に応じて払い出す遊技球の数を決定する。そして、上述した処理で決定した遊技球の数に基づき払出制御装置242へ出力する賞球コマンドの設定を行う。
その後、ステップS204では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置94による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う第1特定ランプ部96の表示制御などを行う。
その後、ステップS205では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行するとともに、開閉実行モードにおいては、大入賞口を開放状態とするよう可変入賞装置82の制御等が実行される。
ステップS206では、下側の作動口83bに設けられた電動役物を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物を開放状態とするか否かの判定などを行う。
続くステップS207では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS208,S209)。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS209では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
次に、表示制御装置410のMPU412にて実行される各種処理のうち、操作スイッチユニット40にかかる操作対応演出の設定に関する処理について説明する。
MPU412では、動作電力が供給されている間、予め定められた複数種の処理を所定の順序で繰り返し実行するための通常処理が実行される。当該通常処理における操作対応演出の設定に関する処理として、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドの種類を特定し、その特定したコマンドに対応した処理を実行するコマンド判定処理と、上記操作領域拡張演出を行うための操作領域拡張演出用処理と、上記連続操作対応演出を行うための連続操作対応演出用処理とが少なくとも設定されている。以下に、これら各処理について説明する。
先ず、図16のフローチャートを参照してコマンド判定処理について説明する。
(コマンド判定処理)
コマンド判定処理では、先ずステップS301にて、変動開始コマンドを入力しているか否かを判定する。なお、音声ランプ制御装置143から入力した各種コマンドは、RAM414に設けられたコマンド格納エリアに格納され、コマンド判定処理において読み出されることで消去される。
変動開始コマンドを入力している場合には、ステップS302にて、変動開始コマンドに操作領域拡張演出にかかる情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、変動開始コマンドに含まれる第1変動種別カウンタCS1の値の情報が、ROM413に記憶された操作領域拡張演出用の値群の情報に含まれているか否かを判定する。
操作領域拡張演出にかかる情報が含まれている場合には、ステップS303にて操作領域拡張演出用の特定処理を実行する。操作領域拡張演出用の特定処理では、RAM414の各種フラグ格納エリア425のうち、操作領域拡張演出フラグ格納エリアに操作領域拡張演出フラグを格納する。
ステップS302において、操作領域拡張演出にかかる情報が含まれていないと判定した場合にはステップS304に進み、連続操作対応演出にかかる情報が含まれているか否かを判定する。連続操作対応演出にかかる情報が含まれている場合には、ステップS305にて連続操作対応演出用の特定処理を実行する。連続操作対応演出用の特定処理では、RAM414の各種フラグ格納エリア425のうち、連続操作対応演出フラグ格納エリアに連続操作対応演出フラグを格納する。
また、ステップS305の特定処理においては、連続操作対応演出フラグの格納とともに以下の処理を実行する。すなわち、取得した乱数値と、ROM413の各種テーブル記憶エリア421に記憶されている規定回数決定テーブル(図16(b)参照)と、大当たりの発生の有無とに基づいて連続操作の規定回数の決定処理を行う。かかる決定処理においては、大当たりに当選している場合には、大当たりに当選していない場合と比較して、規定回数が多くなりやすい。具体的には、大当たりに当選している場合には5/100の確率で「5回」が選択され、10/100の確率で「10回」が選択され、85/100の確率で「15回」が選択される。一方、大当たりに当選していない場合には、85/100の確率で「5回」が選択され、10/100の確率で「10回」が選択され、5/100の確率で「15回」が選択される。
なお、規定回数の上限値(本実施の形態においては15回)については、押しボタン部材320の待機位置への復帰速度や検知情報の読み込みタイミング等を加味して、連続操作対応演出実行期間内に実質的に達成可能な範囲内となるように定められている。
ステップS304にて、連続操作対応演出にかかる情報が含まれていないと判定した場合、ステップS303,S305の特定処理を実行した後は、ステップS306に進む。ステップS306では、変動表示用の特定処理を実行する。当該特定処理では、変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、図柄表示装置94における図柄の変動表示時間、リーチ表示やリーチ演出を含めた図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の種類を特定し、それら特定した情報をRAM414に記憶させる。その後、本コマンド判定処理を終了する。
一方、ステップS301において、変動開始コマンドを入力していないと判定した場合には、ステップS307に進み、その他の特定処理を実行した後に、本コマンド判定処理を終了する。その他の特定処理では、入力しているコマンドが停止表示コマンド、大当たり開始コマンド又は大当たり終了コマンドである場合には、それぞれに対応した処理を実行する。また、その他の特定処理では、コマンドを入力していないと判定した場合には、そのまま処理を終了するとともに、入力したコマンドが解析できない場合にもそのまま処理を終了する。
(操作領域拡張演出用処理)
次に、図17のフローチャートを参照して操作領域拡張演出用処理について説明する。なお、操作領域拡張演出用処理は、約4msec周期で実行される。
操作領域拡張演出用処理では、先ずステップS401にて、操作領域拡張演出が発生する変動表示回中(遊技回中)であるか否かを判定する。当該変動表示回中でない場合には、そのまま操作領域拡張演出用処理を終了し、当該変動表示回中である場合には、ステップS402に進む。
ステップS402では、押圧操作の示唆が行われたか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、操作領域拡張演出を開始する場合、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320を押圧操作するように遊技者に促す押圧操作示唆用画像(押圧操作催促用画像)が図柄表示装置94の表示画面94aにおいて表示される。例えば、当該押圧操作示唆用画像としては、キャラクタの表示内容が示唆に対応したものとなるように動画表示されるとともに、同表示画面94aに「ボタンを押して!」といった文字が表示される。なお、押圧操作の示唆は、図柄表示装置94の表示画面94aにおけるものに限定されることはなく、表示画面94aにおけるものに加えて又は代えてスピーカ部27からの音声の出力により行うようにしてもよいし押しボタン部材320を発光させてもよい。更には、これら各種示唆パターンを組み合わせて用いてもよい。
ステップS402において、押圧操作の示唆が行われた後でないと判定した場合には、ステップS403に進む。ステップS403では、操作領域の拡張開始タイミングであるか否かを判定する。当該開始タイミングは、図柄の変動表示の開始後における所定のカウント値の情報として表示制御装置410のROM413に予め記憶されている。そして、図柄の変動表示の開始後においてステップS401にて肯定判定される度にタイミング用カウンタエリア426に設けられた示唆開始タイミング用カウンタの値が更新され、当該カウンタの値が上記所定のカウント値に達した場合にステップS403にて肯定判定をする。
ステップS403にて操作領域の拡張開始タイミングでないと判定した場合には、そのまま本操作領域拡張演出用処理を終了する。一方、操作領域の拡張開始タイミングであると判定した場合には、続くステップS404にて操作領域拡張処理を実行する。操作領域拡張処理では、操作スイッチユニット40のソレノイド340に対して駆動信号の出力を開始する。これにより、ソレノイド340が励磁され、図11(a)→図11(b)に示したように、シャッタ部材330が閉位置から開位置へと移動する。これにより、押しボタン部材320(詳しくは操作面部322)における操作可能領域が拡張されるとともに(すなわち、操作面部322において上方に露出している部分が占める割合が増大するとともに)、押しボタン部材320の上方への突出量が増大する(操作ストロークが増大する)。
ステップS404の処理を実行した後はステップS405に進む。ステップS405では、押圧操作示唆用画像の設定処理を実行する。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにおいて押圧操作示唆用画像が表示される。なお、当該画像の表示については、操作領域の拡張が完了した後のタイミングで上記メッセージの表示が開始され、当該メッセージは予め定められた示唆期間の経過又は押圧操作の実行によって終了する。
続くステップS406では、押圧操作待ち状態の設定処理を実行する。押圧操作待ち状態の設定処理においては、押圧操作示唆用画像の表示開始タイミングと同じタイミングで、RAM414における各種フラグ格納エリア425の押圧操作待ちフラグ格納エリアに押圧操作待ちフラグを格納するようにフラグ格納のタイミングを設定する。その後、本継続操作対応演出用処理を終了する。
一方、ステップS402において押圧操作の示唆後であると判定した場合には、ステップS407に進む。ステップS407では、RAM414の押圧操作待ちフラグ格納エリアに押圧操作待ちフラグが格納されているか否かを判定することで、押圧操作の示唆後であるか否かを判定する。
押圧操作待ち状態である場合には、ステップS408に進む。ステップS408では、押圧操作待ち状態の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、タイミング用カウンタエリア426における押圧操作待ち期間計測用カウンタの値を参照して、終了タイミングとなったか否かを判定する。押圧操作待ち期間計測用カウンタについては、操作待ち状態の設定処理に合わせて所定の値が設定され、ステップS408にて否定判定がなされる度に更新される。そして、押圧操作待ち期間計測用カウンタが所定の値になっている場合に、ステップS408にて肯定判定する。
ステップS408にて否定判定をした場合には、ステップS409に進む。ステップS409では、押しボタン部材320の押圧操作が行われたか否かを判定する。具体的には、表示制御装置410のMPU412では、コマンド判定処理や操作領域拡張演出用処理などが繰り返し実行される通常処理の他に、当該通常処理に定期的(例えば、2msec)に割り込んで起動されるタイマ割込み処理が設定されている。当該タイマ割込み処理では、操作スイッチユニット40の操作検知センサ351からの検知信号(検知情報)を監視するセンサ監視処理が実行されている。そして、ステップS408においては、センサ監視処理の結果に基づいて押圧操作の有無を判定する。
ステップS409にて否定判定をした場合には、そのまま本操作領域拡張演出用処理を終了する。一方、ステップS409にて肯定判定をした場合には、ステップS410に進む。ステップS410では、復帰待ち状態の設定処理を行う。
復帰待ち状態の設定処理においては、RAM414における各種フラグ格納エリア425の復帰待ちフラグ格納エリアに復帰待ちフラグを格納する。その後、本操作領域拡張演出用処理を終了する。復帰待ちフラグは、押しボタン部材320が最大突出位置へ復帰したか否かの監視を実行する場合に参照されるフラグである。
ステップS410にて復帰待ち状態の設定処理を行った後、又はステップS408にて肯定判定をした場合には、ステップS411にて操作待ち状態の解除処理を実行した後、本操作領域拡張演出用処理を終了する。操作待ち状態の解除処理においては、RAM414における各種フラグ格納エリア425に格納されている押圧操作待ちフラグを消去する。これにより、その後の押圧操作の監視が解除されることとなる。
ステップS407の説明に戻り、同ステップS407にて否定判定をした場合、すなわち操作待ち状態でないと判定した場合には、ステップS412に進む。ステップS412では、復帰待ち状態であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア425の復帰待ちフラグ格納エリアに復帰待ちフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS412にて肯定判定をした場合、すなわち復帰待ち状態であると判定した場合には、ステップS413に進む。
ステップS413では、押しボタン部材320が最大突出位置に復帰したか否かを判定する。具体的には、表示制御装置410のMPU412には上記タイマ割込み処理が設定されており、操作スイッチユニット40の操作検知センサ352からの検知信号(検知情報)を監視するセンサ監視処理が実行されている。そして、ステップS408においては、センサ監視処理の結果に基づいて最大突出位置への復帰の有無を判定する。
ステップS413にて肯定判定をした場合、すなわち押しボタン部材320が最大突出位置へ復帰したと判定した場合には、ステップS414に進む。ステップS414では、操作完了画像の設定処理を行う。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにて押圧操作が完了した旨を示す画像が表示されることとなる。
ステップS414にて操作完了画像の設定処理を行った後は、ステップS415に進み復帰待ち状態の解除処理を実行する。復帰待ち状態の解除処理においては、RAM414における各種フラグ格納エリア425に格納されている復帰待ちフラグを消去する。これにより、その後の押しボタン部材320の復帰の監視が解除されることとなる。
一方、ステップS413にて否定判定をした場合には、ステップS416にて押圧操作解除の示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、タイミング用カウンタエリア426における解除操作示唆タイミング用カウンタの値を参照して、示唆タイミングとなったか否かを判定する。解除操作示唆タイミング用カウンタについては、復帰待ち状態の設定処理に合わせて所定の値が設定され、ステップS416にて否定判定がなされる度に更新される。そして、解除操作示唆タイミング用カウンタの値が所定の値になっている場合に、ステップS416にて肯定判定する。
ステップS416にて肯定判定をした場合には、ステップS417に進む。ステップS417では、押圧操作解除示唆用画像の設定処理を行う。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにて押圧操作の終了を促す画像が表示されることとなる。
ステップS417の設定処理を実行した後、又はステップS416にて否定判定をした場合には、ステップS418に進む。ステップS418では、復帰待ち状態の終了タイミングであるか否かを判定する。復帰待ち状態の終了タイミングは、変動表示回の終了タイミングまでに押圧操作に基づく演出を完了することができる期間を確保できなくなる限界タイミングよりも先のタイミングである。
ステップS418にて否定判定をした場合には、そのまま本操作領域拡張演出用処理を終了する。一方、ステップS418にて肯定判定をした場合には、ステップS419にて操作未完了画像の設定処理をする。これにより、図柄表示装置94の表示画面において操作が未完了であった旨を示す画像が表示される。なお、当該画像の表示は、遊技回の終了時、すなわち遊技結果の確定表示時に終了する。
ステップS419の処理を実行した後は、ステップS415にて復帰待ち状態の解除処理を実行した後、本操作領域拡張用演出処理を終了する。
再びステップS412の説明に戻り、同ステップS412にて否定判定をした場合には、ステップS420に進む。ステップS420では、操作完了画像又は操作未完了画像の表示終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS420にて肯定判定をした場合には、ステップS421にて結果表示画像の設定処理を実行した後、本操作領域拡張演出用処理を終了する。
ステップS421の処理を実行することにより、図柄表示装置94の表示画面94aにおいて結果表示画像が表示される。当該画像の表示としては、例えば、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示され、当該変動表示回が大当たり状態の発生しない変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が、操作示唆用画像が開始される前と同様のものとなるように動画表示される。なお、結果表示画像の設定処理においては、操作完了画像が表示されていた場合には操作完了に対応する結果表示画像を表示するための処理を実行し、操作未完了画像が表示されていた場合には操作未完了に対応する結果表示画像を表示するための処理を実行する。つまり、操作が完了している場合と操作が完了していない場合とでは異なる画像を表示する構成となっている。
ステップS420にて否定判定をした場合にはステップS422に進み、変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングでない場合には、そのまま本操作領域拡張演出用処理を終了する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS423にて終了表示画像の設定処理を実行し、ステップS424にて拡張状態から通常状態への復帰処理を実行した後に、本操作領域拡張演出用処理を終了する。
ステップS423における終了表示画像の設定処理では、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示がなされるように表示設定を行う。この場合に、結果表示画像の設定処理が実行されているとともに、当該結果表示画像の設定処理にて、大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示が設定されている場合には、当該動画表示と一連の内容となるように動画表示の設定が行われる。一方、操作未完画像の設定処理が実行されている場合には、当該操作未完画像から大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示へと劇的に切り換わるような動画表示が介在することとなる。
ステップS424における復帰処理においては、各種フラグ格納エリア425における復帰用フラグ格納領域に復帰用フラグを格納する。上述したタイマ割込み処理においては、この復帰用フラグが格納されている場合に、操作スイッチユニット40を通常状態へと復帰させるための処理を行う。当該復帰処理においては、遊技結果が表示された後のタイミングとなったか否かを判定し、遊技結果が表示された後のタイミングであると判定した場合に、以下の処理を行う。
先ず位置検知センサ352からの検知情報に基づいて押しボタン部材320が最大突出位置に復帰しているか否かを判定する。押しボタン部材320が最大突出位置に復帰していないと判定した場合には、そのまま復帰処理を終了する。つまり、遊技者が押しボタン部材320に手を載せる等して押圧操作を継続している場合には、通常状態への復帰が回避されることとなる。
一方、押しボタン部材320が最大突出位置に復帰していると判定した場合には、ソレノイド340に対する駆動信号の出力を停止し、ソレノイド340を非励磁状態とする。これにより、シャッタ部材330がシャッタ用バネ部材335の付勢力によって閉位置へと移動し、拡張状態から通常状態への復帰が完了する。駆動信号の出力停止処理を実行した後は、各種フラグ格納エリア425に格納された復帰用フラグを消去して、当該復帰処理を終了する。
なお、各種フラグ格納エリア425に復帰用フラグが格納されている場合には、操作領域拡張演出が規制され、操作領域拡張演出が実行される変動表示回においては、それに代わる代替演出が実行されることとなる。因みに、操作領域拡張演出が行われた変動表示回が終了し、次の変動表示回が開始されるまでの間に再度の押圧操作が行われていない場合には、次の変動表示回が開始されるまでに拡張状態から通常状態への復帰が完了するように設定されている。このため、遊技結果が表示された後に、そのまま復帰処理が完了した場合には、当該次の遊技回にて操作領域拡張演出が規制されることはない。
ここで、操作領域拡張演出が実行される場合の図柄表示装置94における表示内容や操作スイッチユニット40の状態について、図18のタイムチャートを参照しながら説明する。
先ず、図18(a)を参照して、押圧操作が行われた後に操作スイッチユニット40から手を離した場合について説明する。
ta1のタイミングにて操作領域拡張演出が実行される変動表示回(遊技回)が開始されると、それまで停止表示されていた各図柄列の変動表示が開始される。その後、先ず左側の図柄列が停止表示され、続いてta2のタイミングで右側の図柄列が停止表示される。この際、上述した有効ライン上に同じ図柄(図18においては「3」の図柄)が停止表示されることで、リーチ表示が開始される。リーチ表示においては、リーチ図柄が表示画面94aの上部に縮小表示され、表示画面94aの中央部分に女の子を模したキャラクタ画像が表示される。その後、ta3のタイミングでは操作スイッチユニット40が通常状態から拡張状態に切り替わる。
操作スイッチユニット40の拡張状態への切り替わりが完了した後のta4のタイミングでは、押圧操作示唆用画像の表示が開始される。その後、ta5のタイミングで、遊技者が押しボタン部材320の押圧操作を行うことで、押圧操作示唆用画像の表示が終了するとともに操作が有効に受け付けられた旨を示す画像が表示される(本実施の形態においては表示画面94aのホワイトアウトする)。
ここで、遊技者が押しボタン部材320から手を離すことで、押しボタン部材320が最大突出位置へと復帰し、続くta6のタイミングでは操作完了画像が遊技結果に応じて表示される。具体的には、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回でない場合には、操作示唆用画像の表示が開始される前の表示内容となり、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回である場合には、大当たり状態の発生に対応した画像の表示が開始される。
その後、ta7のタイミングでは中図柄列が停止表示され、遊技結果が明示されることとなる。具体的には、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回でない場合には外れに対応した図柄の組み合わせが停止表示され、今回の変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には大当たりに対応した図柄の組み合わせが停止表示される。このように、遊技結果が表示されたタイミングにて押しボタン部材320が操作されていない場合(すなわち最大突出位置に待機している場合)には、その後のta8のタイミングにて、操作スイッチユニット40が通常状態へ復帰することとなる。
次に、図18(b)を参照して、押圧操作が行われた場合に操作ユニットスイッチ40が押圧状態で維持された場合について説明する。
tb1のタイミングにて図柄の変動表示が開始され、tb2のタイミングにて通常変動表示からリーチ表示に切り替わる。その後、tb3のタイミングにて操作スイッチユニット40が通常状態から拡張状態へと切り替わり、tb4のタイミングにて表示画面94aに操作示唆用画像が表示される。なお、tb1のタイミング〜tb4のタイミングの流れは、ta1のタイミング〜ta4のタイミングの流れと同様であるため、詳細な説明を省略する。
tb5のタイミングで押圧操作が開始され、押しボタン部材320が最大押圧位置に押し込まれたまま維持された場合には、先ず押し込み操作が有効に受け付けられた旨を示すため、表示画面94aがホワイトアウトする。押圧操作を受け付けてから所定期間が経過しても押しボタン部材320が最大突出位置に復帰していない場合には、当該所定期間が経過したtb6のタイミングにて押圧操作の解除(押しボタン部材320のリリース)を示唆する画像が表示画面94a上に表示される。
押圧操作が解除されることなくそのまま解除待ち期間が経過した場合には、操作が未完了に終わった旨を示す画像を表示画面94aに表示し、変動表示回が終了するタイミングで、表示画面94aの中央に表示されていた女の子の画像が非表示となり、今回の変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回でない場合には外れに対応した図柄の組み合わせが停止表示され、今回の変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には大当たりに対応した図柄の組み合わせが停止表示される。
その後、次の変動表示回がtb8のタイミングで開始されたタイミングにおいても押圧操作が継続されたままとなっている場合には、操作スイッチユニット40の通常状態への復帰が先送りされる。この場合、当該次の変動表示回の開始時に操作スイッチユニット40が通常状態へと復帰していないため、同次の変動表示回にて操作領域拡張演出が行われないように規制されることとなる。つまり、仮に操作領域拡張演出を行う旨のコマンドが主制御装置162から出力されている場合であっても、同操作領域拡張演出に代わる代替演出が実行されることとなる。
その後、tb9のタイミングにて押圧操作が解除されると、押しボタン部材320が最大突出位置に復帰したtb10のタイミングにて操作スイッチユニット40の通常状態への復帰が実行され、以降の変動表示回における操作領域拡張演出の規制が解除されることとなる。
既に説明したように、本実施の形態における操作対応演出としては、上述した操作領域拡張演出の他に、大まかな演出の流れは同操作領域拡張演出と同様であるものの、操作領域の拡張が行われない通常操作対応演出(単発操作対応演出)が設定されている。ここで、図18(a)を参照して、この通常操作対応演出について説明する。
ta1のタイミングにて通常操作対応演出が開始し、ta2のタイミングにてリーチ表示へ移行する。その後、操作領域拡張演出においてはta3のタイミングにて操作領域が拡張するが、通常操作対応演出においては操作領域が拡張することはなく通常状態に維持される。なお、少なくともta3のタイミングまでは通常操作対応演出の表示内容と操作領域拡張演出の表示内容とは完全に同一である。
ta4のタイミングにおいては、拡張操作対応演出では拡張された押しボタン部材320の操作を促す表示が表示画面94aに表示される一方、通常操作対応演出においては拡張されていない(通常状態の)押しボタン部材320の操作を促す表示が表示画面94aに表示される。また、ta4のタイミング以降は、操作領域拡張演出の内容(リーチ表示の態様)と通常操作対応演出の内容(リーチ表示の態様)とが相違することとなる。その後、押しボタン部材320が操作されることで実行される演出の内容については、各演出にて相違している。
このように操作領域が拡張しない演出と操作領域が拡張する演出とを併用することで、遊技者は、演出の進行に伴って操作スイッチユニット40が変形(操作領域が拡張)するか否かに注目しながら遊技を行うこととなる。故に、操作スイッチユニット40に対する注目度の向上が期待できる。
本実施の形態においては、操作スイッチユニット40を用いた演出として、操作領域拡張演出の他に上述した連続操作対応演出が採用されている。そこで以下、連続操作対応演出用処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。なお、当該連続操作対応演出用処理は、約4msec周期で実行される。
(連続操作対応演出用処理)
連続操作対応演出用処理では、先ずステップS501にて、連続操作対応演出が発生する変動表示回中であるか否かを判定する。当該変動表示回中でない場合には、そのまま本連続操作対応演出用処理を終了し、当該変動表示回中である場合には、ステップS502に進む。なお、既に説明したように連続操作対応演出は、連発操作と特定単発操作とが組み合わされてなる。
ステップS502では、連発操作の示唆が行われたか否かを判定する。本パチンコ機10では、連続操作対応演出を開始する場合、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320を複数回繰り返し操作するように遊技者に促す連発操作示唆用画像(連発操作催促用画像)が図柄表示装置94の表示画面94aにおいて表示される。例えば、当該連発操作示唆用画像としては、キャラクタの表示内容が示唆に対応したものとなるように動画表示されるとともに、「ボタンを連打して下さい。」といった文字が表示される。なお、連発操作の示唆は、図柄表示装置94の表示画面94aにおけるものに限定されることはなく、表示画面94aにおけるものに加えて又は代えてスピーカ部27からの音声の出力に行うようにしてもよい。
ステップS502において、連発操作の示唆が行われた後でないと判定した場合には、ステップS503に進む。ステップS503では、連発操作の示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、表示画面94aにおける図柄の変動表示の態様が通常変動表示からリーチ表示に切り替わった後の所定のタイミングであるか否かを判定する。
連発操作の示唆の開始タイミングでない場合には、そのまま本連続操作対応演出用処理を終了する。連発操作の示唆の開始タイミングである場合には、ステップS504にて、連発操作示唆用画像の設定処理を実行する。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにおいて連発操作示唆用画像が表示される。なお、当該画像の表示は、予め定められた示唆期間に亘って継続される。
続くステップS505では、連発操作待ち状態の設定処理を実行する。具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の連発操作待ちフラグ格納エリアに連発操作待ちフラグを格納する。その後、本連続操作対応演出用処理を終了する。
一方、ステップS502にて連発操作の示唆後であると判定した場合には、ステップS506に進む。ステップS506では、RAM414の連発操作待ちフラグ格納エリアに連発操作待ちフラグが格納されているか否かを判定することで、連発操作待ち状態か否かを判定する。
連発操作待ち状態である場合には、ステップS507に進む。ステップS507では、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が操作されたか否かを判定する。押しボタン部材320の操作の有無は、既に説明したように、MPU412におけるタイマ割込み処理のセンサ監視処理にて監視される。ステップS507では、当該監視処理の処理結果が押しボタン部材320の操作が発生しているとする処理結果である場合(具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の操作有りフラグ格納エリアに操作有りフラグが格納されている場合)には、ステップS508に進み、操作受付用画像の設定処理を実行する。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにおいて操作受付用画像が表示される。当該画像の表示としては、例えば、キャラクタの表示内容が操作発生に対応したものとなるように動画表示される。
ステップS508の処理を実行した後は、ステップS509に進み、繰り返しの操作回数が上記コマンド判定処理にて決定された規定操作回数に達しているか否かを判定する。具体的には、RAM414の連発操作用カウンタエリア427のカウンタ値は、ステップS507にて肯定判定される度に「1」ずつ加算される構成となっており、このカウンタ値と規定操作回数とを比較して判定を行う。なお、連発操作用カウンタエリア427の値は、連発操作待ちフラグが消去された場合に初期化される。
ステップS509にて肯定判定をした場合にはステップS510に進み、連発操作完了用画像の設定処理を行う。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aにて連発操作の終了を促す画像が表示されることとなる。
ステップS510の処理を実行した後はステップS511に進み、特定単発操作待ち状態の設定処理を行う。具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の特定単発操作待ちフラグ格納エリアに特定単発操作待ちフラグを格納する。つまり、連続操作対応演出においては、連発操作が完遂されたことを条件として、特定単発操作を特定単発操作が許容される。
続くステップS512では特定単発操作示唆用画像の設定処理を実行する。かかる処理を行うことで、操作スイッチユニット40の押しボタン部材320を1回操作するように遊技者に促す特定単発操作示唆用画像(特定単発操作催促用画像)が図柄表示装置94の表示画面94aにて表示される。例えば、当該単発操作示唆用画像としては、キャラクタの表示内容が示唆に対応したものとなるように動画表示されるとともに、「押しボタンを押して下さい。」といった文字が表示される。なお、特定単発操作の示唆は、図柄表示装置94の表示画面94aにおけるものに限定されることはなく、表示画面におけるものに加えて又は代えてスピーカ部27からの音声の出力に行うようにしてもよい。
特定単発操作用示唆画像の設定処理によって設定された画像については、連発操作完了用画像が所定の期間に亘って表示された後のタイミングで表示される。
ステップS507及びステップS509の各処理にて否定判定をした場合には、ステップS513に進む。ステップS513では連発操作の受付終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、RAM414のタイミング用カウンタエリア426に設けられた連発操作受付期間用カウンタの値を参照して、受付終了タイミングとなっていないかを判定する。この連発操作受付期間用カウンタについては、連発操作待ち状態の設定処理が行われた際に、所定の値が入力され、ステップS513にて否定判定をする度に更新される。そして、この連発操作受付期間用カウンタの値が所定の値となった場合に、ステップS513にて肯定判定をし、所定の値となっていない場合には否定判定をする。
ステップS513にて否定判定をした場合には、そのまま本連続操作対応演出用処理を終了する。一方、ステップS513にて肯定判定をした場合には、ステップS514に進む。ステップS514では、受付終了示唆用画像の設定処理を行う。これにより、表示画面94aに連発操作の受付期間が終了した旨を示す画像が表示されることとなる。
ステップS514又はステップS512の処理を実行した後は、ステップS515にて連発操作待ち状態の解除処理を実行した後、本連続操作対応演出用処理を終了する。連続操作待ち状態の解除処理では、RAM414の各種フラグ格納エリア425に格納された連発操作待ちフラグを消去する。
再びステップS506の説明に戻り、同ステップS506にて否定判定をした場合、すなわち連発操作待ち状態でないと判定した場合には、ステップS516に進む。ステップS516においては、特定単発操作待ち状態であるか否かを判定する。具体的には、RAM414の特定単発操作待ちフラグ格納エリアに特定単発操作待ちフラグが格納されているか否かを判定することで、特定単発操作待ち状態であるか否かを判定する。
特定単発操作待ち状態である場合にはステップS517に進む。ステップS517では、ウェイト期間を経過したか否かを判定する。特定単発操作待ち状態の設定処理を行った際には、タイミング用カウンタエリア426のウェイト期間用カウンタに所定の値が入力される。このウェイト期間用カウンタの値はステップS517にて否定判定される度に更新(「1」ずつ減算)され、その値が所定の値(例えば「0」)となった場合にステップS517にて肯定判定される。このように、ウェイト期間を設定することで、連発操作→特定単発操作の間で押圧操作が無効となる期間が存在している。
ステップS517にて肯定判定をした場合、すなわちウェイト期間中でないと判定した場合には、ステップS518に進む。ステップS518では特定単発操作が行われたか否か、すなわち操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が操作されたか否かを判定する。押しボタン部材320の操作の有無は、既に説明したように、MPU412におけるタイマ割込み処理のセンサ監視処理にて監視される。ステップS518では、当該監視処理の処理結果が押しボタン部材320の操作が発生しているとする処理結果である場合(具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の操作有りフラグ格納エリアに操作有りフラグが格納されている場合)には、肯定判定をしてステップS519に進む。ステップS519にて操作受付用画像の設定処理を実行することで、表示画面94aにて操作受付用画像が表示される。当該画像の表示としては、例えば、キャラクタの表示内容が操作発生に対応したものとなるように動画表示される。
ステップS519の設定処理を実行した後はステップS520に進み、特定単発操作待ち状態の解除処理を実行する。具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の特定単発操作待ちフラグ格納エリアに格納された特定単発操作待ちフラグを消去する。
その後、ステップS521にて結果表示画像の設定処理を実行する。ステップS521の処理を実行することにより、表示画面94aにて結果表示画像が表示される。当該画像の表示としては、例えば、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示され、当該変動表示回が大当たり状態の発生しない変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が、操作示唆用画像が開始される前と同様のものとなるように動画表示される。
ステップS521の処理を実行した後、ステップS516,S518にて否定判定をした場合、ステップS517にて否定判定をした場合には、ステップS522に進む。ステップS522では、変動表示を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS522にて否定判定をした場合には、そのまま本連続操作対応演出用処理を終了する。
一方、ステップS523にて肯定判定をした場合、すなわち変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS523にて終了表示画像の設定処理を実行し、本連続操作対応演出用処理を終了する。
ステップS523における終了表示画像の設定処理では、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示がなされるように表示設定を行う。この場合に、結果表示画像の設定処理が実行されているとともに、当該結果表示画像の設定処理にて、大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示が設定されている場合には、当該動画表示と一連の内容となるように動画表示の設定が行われる。一方、操作未完画像の設定処理が実行されている場合には、当該操作未完画像から大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示へと劇的に切り換わるような動画表示が介在することとなる。
ここで、連続操作対応演出が実行される場合の図柄表示装置94における表示内容や操作スイッチユニット40の操作態様について、図20のタイムチャートを参照しながら説明する。
tc1のタイミングにて連続操作対応演出が実行される遊技回が開始されると、それまで停止表示されていた各図柄列の変動表示が開始される。その後、先ず左側の図柄列が停止表示され、続いてtc2のタイミングで右側の図柄列が停止表示される。この際、上述した有効ライン上に同じ図柄(図18においては「3」の図柄)が停止表示されることで、リーチ表示が開始される。リーチ表示が開始された後は、リーチ図柄が表示画面94aの上部に縮小表示され、表示画面94aの中央部分に女の子を模したキャラクタ画像が表示される。その後、tc3のタイミングでは、表示画面94a上に押しボタン部材320の連打を促すメッセージ(例えば「連打して!」)が表示され、これとともに連発操作待ち状態に切り替わる。
その後、遊技者によって押しボタン部材320の押圧操作が繰り返されることで、表示画面94aの側方に配された連発操作対応の操作受付回数表示部94bの表示が変更される。具体的には、操作回数に応じてそれまで消灯状態となっていた発光体(LED)が点灯状態に切り替わることで、遊技者に操作回数が示唆される。これに合わせて、表示画面94aに表示されている女の子を模したキャラクタ画像には当該キャラクタを囲むようにしてエフェクトが表示され、操作回数が増すことで、当該エフェクトが大きくなるように表示される。
ここで、本実施の形態においては、連発操作が示唆されてから、操作完了となるまでの操作回数が多くなるほど大当たりに当選している期待度が高くなるように設定されている。このため、遊技者は1回でも多く押圧操作ができるように期待しながら操作を行うと想定され、押圧操作に対する注目度の向上が図られている。
繰り返しの押圧操作による操作回数が予め設定された規定操作回数に到達したtc5のタイミングにて、表示画面94aに連発操作が完了した旨を示す画像が表示される。このtc5のタイミングにて、押しボタン部材320の押圧操作が一時的に無効化され、その後tc6のタイミングでは特定単発操作を受け付ける状態に切り替わる。これに合わせて、表示画面94aには特定単発操作(1度の押圧操作)を促す画像が表示される。
特定単発操作を促す画像が表示された後のtc7のタイミングにて、押しボタン部材320が操作された場合には、操作完了画像が遊技結果に応じて表示される。具体的には、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回でない場合には、操作示唆用画像の表示が開始される前の表示内容となり、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回である場合には、大当たり状態の発生に対応した画像の表示が開始される。
その後、tc8のタイミングでは中図柄列が停止表示され、遊技結果が明示されることとなる。具体的には、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回でない場合には外れに対応した図柄の組み合わせが停止表示され、今回の遊技回が大当たり状態の発生する遊技回である場合には大当たりに対応した図柄の組み合わせが停止表示される。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
演出用操作手段としての操作スイッチユニット40は、通常状態と拡張状態とに切替可能に構成されている。遊技状況に応じて拡張状態に切り替えられた場合には、遊技者が直接触れて操作できる(アクセス可能となる)操作領域が拡張される。このように、遊技状況に応じて操作領域を拡張させる構成とすれば、操作スイッチユニット40に対する注目度の向上が期待できる。特に、操作領域拡張演出が実行される場合には、直接触れて操作できる領域を変化させることにより、操作領域が拡張された際にインパクトを強め興趣向上を図ることができる。
遊技者によっては、押しボタン部材320の操作を迅速に行うこと等を目的として、常時押しボタン部材320に手を添えた状態で遊技を行うことがある。ここで、本実施の形態に示す操作スイッチユニット40については、遊技者に対して視覚や聴覚にかかる演出だけでなく触覚にかかる演出を提供することができる。
操作領域拡張演出が実行される遊技回においては、その遊技回にて大当たりに当選している可能性が高くなるため、遊技者は、操作スイッチユニット40が動作することを期待しながら遊技を進めることとなり、遊技に対する注目度の向上に貢献することができる。
操作スイッチユニット40については、通常状態における操作可能領域が拡張状態における操作可能領域に含まれている。通常状態での操作領域と拡張状態での操作領域を別個独立して設けた場合と比較して、遊技者にどの部分を操作すればよいか等の戸惑いを与えにくくしている。
押しボタン部材320については、通常状態から拡張状態へ切り替わることで、上方への突出が大きくなる。これにより、拡張状態となったことを示唆する機能を向上できるだけでなく、操作の容易化を図って拡張状態での操作を促進することができる。
拡張状態となった場合には、押しボタン部材320の操作ストロークが増大する。遊技者は押しボタン部材320を操作している手などによって押しボタン部材320を特定位置まで変位させるのに必要な変位量が変化したと感じることができる。よって、押しボタン部材320の操作量の変化を遊技への注目度を高める演出として用いることで、遊技者に対して視覚又は聴覚による演出だけでなく触覚による演出を提供することが可能となる。
押しボタン部材320の突出方向への移動をシャッタ部材330によって規制する構成としたことで、上述した操作領域の拡張と操作ストロークの増大とを実現するための構成が複雑になることを回避している。また、操作スイッチユニット40を通常状態に復帰させる場合には、押しボタン部材320の操作面部322をシャッタ部材330が押すことで、同押しボタン部材320を退避方向に移動させることができる。これにより、復帰にかかる構成の複雑化を抑制している。
可動式のシャッタ部材330を用いて操作領域を変更する構成においては、遊技者の手等によって復帰が妨げられる可能性が生じる。この点、本実施の形態においては、押しボタン部材320が最大突出位置に待機していること、すなわち押しボタン部材320が押圧されていないことを条件として、操作スイッチユニット40を通常状態に復帰させる構成を採用した。これにより、操作スイッチユニット40の通常状態への復帰が遊技者の手等によって妨げられることを抑制することができる。
特に、操作領域拡張演出が行われている場合に、押しボタン部材320が最大突出位置に復帰していることを条件として押圧操作に基づく演出が実行される構成とした。これにより、押しボタン部材320が押圧状態のまま維持されることを抑制し、通常状態への復帰機能を発揮させやくなっている。
操作スイッチユニット40を用いた演出として連続操作対応演出を採用しており、遊技者が連発操作(規定回数の繰り返し操作)を行うことで、遊技機にて特定単発操作が促される。このように少なくとも連発操作の実行→特定単発操作の催促が行われるため、規定回数への到達を目指して押しボタン部材320を繰り返し操作した場合に同操作に次の操作に繋がる意味を与えることができ、繰り返し操作が無駄であるかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。これにより、操作スイッチユニット40(特定操作)への注目度が低下することを抑制できる。
また、連続操作対応演出においては、規定操作回数の押圧操作が行われることで特定単発操作が可能となる構成を採用した。規定操作回数については、大当たりの当選期待度に応じてその数が多くなるように設定されている。このため、繰り返し操作(連発操作)を行う際に、遊技者は1回でも多く押圧操作が有効に受け付けられることを期待しながら操作を行うこととなる。これにより、押圧操作そのものに対する注目度を向上し、遊技者が機械的に操作を繰り返すことを抑制することができる。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態においては、操作手段としての押しボタン部材にかかる構成が上記第1の実施の形態と相違している。そこで以下、図21〜図23に基づき押しボタン部材にかかる構成について説明する。図21は第2の実施の形態におけるパチンコ機を前方から見た斜視図、図22(a)は上側膨出部及びそれに関連する構成を示す平面図、図22(b)は図22(a)のB−B線部分断面図、図22(c)は図22(a)のC−C線部分断面図である。なお、以下の説明では上記第1の実施の形態と同一符号に係る構成についてはその説明を援用して同構成に関する説明を簡略化又は省略し、主として第1の実施の形態との違いを説明する。
図21に示すように、上側膨出部500は、遊技球を貯留する貯留部としての機能が付与された上皿501を備えている。上皿501は、図22(a)に示すように、底部511と当該底部511の周縁部から上方に起立する周壁部512とが形成された上皿本体510を有している。上皿本体510は、全体として上方に開放された箱状をなしており(図21参照)、この上皿本体510によって遊技球の貯留領域REが区画形成されている。
上皿本体510の周壁部512は、前側壁部513、後側壁部514、右側壁部515、左側壁部516によって構成されており、このうち後側壁部514が前扉枠14の枠体20に対して固定されることで上皿501と枠体20とが一体化されている。後側壁部514には、枠体20に形成された前扉側上皿通路35に連通する遊技球排出口521が形成されており、払出装置224から払い出された遊技球が前扉側上皿通路35→遊技球排出口521を通じて貯留領域REに到達する。
前扉側上皿通路35には、前扉側上皿通路35の所定位置まで遊技球が貯まったことを検知する球検知センサ36が設けられている。球検知センサ36は表示制御装置410に対して電気的に接続されており、表示制御装置410にいては、この球検知センサ36からの検知情報(検知信号)に基づいて、上皿501が満タンになっていることを把握できる構成となっている。つまり、球検知センサ36には、上皿501が満タンになっていることを検知する満タン検知手段としての機能が付与されている。
底部511の中央部分には、底部511から上方に起立する壁状をなし、貯留領域REを前後に仕切る仕切り部522が設けられている。貯留領域REにおいて仕切り部522よりも前側となる領域については複数の遊技球が前後に並んだ状態で待機できるようにして前後幅が設定されており、仕切り部522よりも後側となる領域は、遊技球を後側壁部514に沿って一列に整列した状態で案内する整列通路523となっている。前側領域の前後幅は後側領域の前後幅よりも大きくなっている。
後側壁部514において整列通路523の最下流部分を構成している箇所には遊技球取込口524が形成されている。遊技球排出口521を通じて貯留領域REに流出した遊技球は、仕切り部522を前方から迂回して整列通路523に流入し、その後、整列通路523に沿って移動することで遊技球取込口524に到達する。そして、この遊技球取込口524から取り込まれた遊技球は遊技球発射機構110の球送装置113に案内される構成となっている。
以上詳述した上皿本体510は、その一部(詳しくは前側壁部513)がカバー体530によって遊技機前方から覆われている。図22(b)に示すように、カバー体530は、上皿本体510の底部511に下側から対向する底板部531と、その底板部531に対して前側壁部513を挟んで対向する天板部532と、前側壁部513に対して遊技機前方から隙間を隔てて対向し両板部531,532を繋ぐ前板部533とを有してなり、底板部531が、上皿本体510と枠体20とによって上下に挟まれることで、詳しくは上皿本体510と枠体20との間に形成されたスリット538に底板部531が挿入されることで、更には上皿本体510の前側壁部513を底板部531及び天板部532によって上下に挟み込むことで、上皿本体510に対して前後方向へのスライド移動が許容された状態で取り付けられている。
なお、図23(a)に示すように上皿501の左側の端部においても、スリット538が存在しており、カバー体530の底板部531が上皿本体510と枠体20との間を移動可能となっている。一方、上皿501の右側の端部においては、上皿本体510の右側壁部515がカバー体530内に入り込むことでカバー体530の遊技機後方への移動が許容されている(図22(a)参照)。
上皿501には、カバー体530の遊技機前方への移動を阻止するストッパが設けられている。このように遊技機前方への移動を阻止することで上皿本体510からのカバー体530の脱落が回避されている。上皿501には、カバー体530を前方に向けて付勢する付勢手段としてのバネ部材(図示略)が設けられている。これにより、カバー体530は上記ストッパに対して当接した状態に維持されている。カバー体530については、上記ストッパに対して遊技機後方から当接している位置が初期位置となっている。
また、スリット538の奥部には、カバー体530の遊技機後方へのスライド移動を阻止する阻止状態と、遊技機後方へのスライド移動を許容する許容状態とに切替可能なカバー用ストッパ装置540が設けられている。阻止状態においては、カバー用ストッパ装置540のストッパ片541がスリット538の奥壁539と底板部531の後端部との間に挿入され、同ストッパ片541の一端が奥壁539に当接し、他端が底板部531の後端部に当接することで、カバー体530の後方への移動が阻止されている。つまり、上記ストッパ及びカバー用ストッパ装置540によってカバー体530の初期位置からの移動が阻止されている。
カバー体530の前板部533と上皿本体510の前側壁部513とによって挟まれた領域には略直方体状をなす押しボタン部材550が配設されている。押しボタン部材550は、カバー体530の天板部532と底板部531とによって挟持されており、それら両板部531,532によって上下位置が規定されている。
カバー体530には前板部533と天板部532とに跨るようにして開口部534が形成されており、この開口部534を通じて押しボタン部材550の一部が遊技機正面側に露出した状態となっている。これにより、遊技機正面側からの押しボタン部材550に対するアクセスが許容されている。
押しボタン部材550(開口部534)を挟んだ左右両側には、押しボタン部材550に対して側方から当接する当接部536が形成されている。当接部536は、相対向する一対の板状部によって構成されており、同当接部536に対して押しボタン部材550が当接することで、押しボタン部材550の左右への移動が規制されている。なお、当接部536は各板部531〜533に跨るようにして形成されており、カバー体530を補強する補強部としての機能が付与されている。特に、開口部534の周辺では押しボタン部材550の保持強度等が低下しやすい。これは、カバー体530の歪み等を招来し、押しボタン部材550の移動が妨げる要因となる。この点、本実施の形態においては、当接部536に補強機能を付与することにより押しボタン部材550の操作性の低下を抑えている。
また、押しボタン部材550は、その後面が前側壁部513に隙間を隔てて対向するようにして形成されて前後方向での移動経路が確保されている。これにより、押しボタン部材550は、カバー体530のスライド方向と同じ方向に移動可能となっている。
押しボタン部材550については、その前面部が上記開口部534よりも僅かに大きく形成されており、当該前面部の左右両端部がカバー体530の前板部533に対して後方から当接している。これにより、開口部534からの押しボタン部材550の脱落が回避されている。
押しボタン部材550と前側壁部513との間には、押しボタン部材550を前方へ付勢する付勢手段としてのボタン用バネ部材555が設けられている。このボタン用バネ部材555によって付勢されることで、押しボタン部材550がカバー体530の前板部533に対して押し付けられた状態となっている。なお、押しボタン部材550についてはカバー体530が初期位置に待機している状態にて前板部533に対して当接している位置が初期位置となっている。
カバー体530が遊技機後方へスライド移動した場合には、カバー体530に追従して押しボタン部材550が後方へ移動することとなる。より詳しくは、カバー体530が後方へスライド移動する場合には、カバー体530の前板部533によって押しボタン部材550が後方に押され、ボタン用バネ部材555の付勢力に抗して押しボタン部材550が後方へ移動することとなる。つまり、押しボタン部材550については、単独での後方への移動と、カバー体530に追従した後方への移動との2つの移動パターンが許容されている。
上皿本体510の前側壁部513には、押しボタン部材550の遊技機後方へのスライド移動を阻止する阻止状態と、遊技機後方へのスライド移動を許容する許容状態とに切替可能なボタン用ストッパ装置560が設けられている。ボタン用ストッパ装置560は表示制御装置410に対して電気的に接続されており、表示制御装置410から駆動信号が入力された場合に、許容状態から阻止状態に切り替わる構成となっている。なお、ボタン用ストッパ装置560については通常は許容状態に維持され、遊技状況に応じて(詳しくは予め定められた条件が成立した場合に)阻止状態に切り替わるように制御される。
図22(b)に示すように、ボタン用ストッパ装置560が阻止状態となっている場合には、ボタン用ストッパ装置560のストッパ片561が前側壁部513の前面と押しボタン部材550の後面との間に挿入され、同ストッパ片561の一端が前側壁部513の前面に当接し、他端が押しボタン部材550の後面に当接することで、カバー体530の後方への移動が阻止される。かかる構成を採用することにより、阻止状態にて押しボタン部材550が押圧された場合に生じる応力を、ストッパ片561を通じて前側壁部513に伝えることができ、応力の分散を図っている。
以上詳述した、カバー体530、カバー用バネ部材、押しボタン部材550、ボタン用バネ部材555、ストッパ装置540,560によって上記操作スイッチユニット40に相当する操作スイッチ機構502が構成されている。
ここで、上皿本体510とカバー体530との関係について補足説明する。カバー体530は、初期位置に待機している状態にて、天板部532の後端部分が前側壁部513よりも後方(貯留領域RE側)へ突出しないように構成されている。カバー体530を後方に移動させた場合には、図22(b)の1点鎖線に示すように天板部532が貯留領域RE側へ突出する。このように、初期位置に待機している場合には貯留領域RE側への突出を回避し、後方への押圧操作が行われた場合に天板部532が貯留領域RE側へ突出する構成としたのは、前側壁部513によるカバー体530の保持姿勢の安定化と、カバー体530の移動領域確保に起因した貯留領域REの圧迫の回避とを実現するための工夫である。
しかしながら、天板部532が貯留領域RE側へ突出した場合には、貯留領域REに存在する遊技球によって天板部532の移動が妨げられたり、遊技球の移動が妨げられたりする可能性がある。そこで、本実施の形態においては、それら各種不都合の発生を抑えるための工夫が施されていることを特徴の1つとしている。以下、図22(b)を参照して、当該特徴にかかる構成について説明する。
貯留領域REは、上述した仕切り部522によって前後に仕切られている。このため、仮に天板部532によって貯留中の遊技球(以下「貯留球」と称する)が後方に押された場合であっても、整列通路523に存在する貯留球に対して圧力が伝わることを抑制し、遊技球の発射操作に際して遊技球の供給が停止するといった不都合を生じにくくしている。
このように仕切り部522によって遊技球の取り込み機能を担保する構成を採用した場合には、カバー体530の移動の影響が整列通路523におよぶことを抑制できるものの、貯留領域REにおいて仕切り部522よりも前側となる領域ではカバー体530の移動の影響がおよびやすくなる。そこで、仕切り部522と天板部532とには、そのような影響を抑制するための各種工夫が施されている。
具体的には、図22(b)に示すように、天板部532は仕切り部522の上端部よりも上方に位置しており、底部511に対する天板部532と仕切り部522の上端部との高低差Hは、遊技球の直径寸法よりも大きく設定されている。これにより、天板部532が後方にスライド移動した場合であっても、天板部532によって後方に押された貯留球が仕切り部522との間でつかえるといった不都合を抑制している。
更には、図22(a)に示すように、天板部532の後端部において仕切り部522の前方に位置している部分は左右に延びる直線状をなしているのに対して、仕切り部522の前面は遊技機前方に凸となる曲面状をなしており、天板部532の後端部と仕切り部522の前面との距離寸法が側方へ向けて徐々に大きくなっている。より詳しくは、貯留領域REにおける上流側(遊技球排出口521側)に向けて天板部532の後端部と仕切り部522の前面との距離寸法が徐々に大きくなっている。
このため、仮に天板部532の後方への移動に起因して同天板部532と仕切り部522との間に貯留球が挟まったとしても、同遊技球は仕切り部522の前面に沿って側方、すなわち天板部532の移動方向と交差する方向へ誘導されることとなる。これにより、天板部532の移動が妨げられることを抑制することが可能となっている。更には、仕切り部522の前面に沿って移動する遊技球は貯留領域REの上流側へと押されることとなり、押圧力が下流側の遊技球へ伝わることを抑制可能となっている。
(操作スイッチ機構502の操作態様)
本実施の形態においては、遊技状況に応じて操作スイッチ機構502の操作態様が変化する構成となっている。そこで以下、図24を参照して操作スイッチ機構502の操作態様について説明する。図24は操作スイッチ機構502の操作態様を示す概略図である。
先ず、操作スイッチ機構502の通常状態での操作態様について説明する。図24(a)に示すように、操作スイッチ機構502が通常状態となっている場合には、カバー用ストッパ装置540のストッパ片541が阻止位置に待機しており、カバー体530の押し込み操作が規制されている。一方、ボタン用ストッパ装置560のストッパ片541は許容位置に待機しているため、押しボタン部材550の押し込み操作は許容されている。
押しボタン部材550において開口部534から露出している部分を遊技機後方へ押した場合には、図24(a)→図24(b)に示すように押しボタン部材550がボタン用バネ部材555の付勢力に抗して後方へスライド移動する。そして、押しボタン部材550の後面が上皿本体510の前側壁部513に対して当接することで、それ以上の押し込み操作が規制されることとなる。押しボタン部材550が前側壁部513に当接する最大押圧位置に到達することで、押しボタン部材550が検知センサ557によって検知され、検知センサ557から表示制御装置410に検知信号が出力される。その後、押しボタン部材550から手を離すことで、ボタン用バネ部材555の付勢力によって押しボタン部材550が移動前の位置(初期位置)に復帰する。
次に、カバー体530の操作が許容される場合について説明する。予め設定された条件が成立した場合には、上記通常状態から操作スイッチ機構502における操作領域が拡張される拡張状態へと切り替わる。具体的には、図24(a)→図24(c)に示すように、カバー用ストッパ装置540のストッパ片541が阻止位置から許容位置へ移動し、カバー体530の移動規制が解除されることで、操作領域が押しボタン部材550→押しボタン部材550+カバー体530に変更される。
図24(c)→図24(d)に示すように、カバー体530を遊技機後方へ押すと、カバー体530はカバー用バネ部材の付勢力に抗して後方へスライド移動する。そして、カバー体530の底板部531がスリット538の奥壁539に対して当接することで、それ以上の押し込み操作が規制されることとなる。
この際、カバー体530の前板部533によって押しボタン部材550が押され、押しボタン部材550についてもカバー体530に追従して後方へ移動し、カバー体530の底板部531が奥壁539に当接すると同時に、押しボタン部材550が上皿本体510の前側壁部513に当接する。押しボタン部材550が前側壁部513に当接する最大押圧位置に到達することで、カバー体530の移動(押しボタン部材550の移動)が検知センサ557によって検知され、検知センサ557から表示制御装置410に検知信号が出力される。
その後、カバー体530から手を離すことで、カバー用バネ部材の付勢力によってカバー体530が操作前の位置(初期位置)に復帰し、押しボタン部材550についてもボタン用バネ部材555の付勢力によって操作前の位置(初期位置)に復帰する。このようにして、カバー体530及び押しボタン部材550がそれぞれ初期位置に復帰した後に、図22(d)→図22(a)に示すようにカバー用ストッパ装置540が阻止状態となり、ストッパ片541によってカバー体530の移動が阻止される。すなわち、操作スイッチ機構502が拡張状態から通常状態へと切り替わる。
以上詳述した、通常状態及び拡張状態においては、押しボタン部材550及びカバー体530のうち少なくとも前者の操作が許容される。これに対して、押しボタン部材550及びカバー体530の操作を不可とする状態、すなわち通常状態よりも操作領域が減縮される減縮状態への切り替えが可能となっている。
具体的には、表示制御装置410からボタン用ストッパ装置560に対して駆動信号が出力されることで、図22(a)→図22(e)に示すようにボタン用ストッパ装置560のストッパ片561が阻止位置へ配される。これにより、押しボタン部材550の押圧操作が規制される。かかる状態では、押しボタン部材550の押圧操作及びカバー体530の押圧操作がともに規制されることとなる。
その後、遊技進行に伴ってボタン用ストッパ装置560に対する駆動信号の出力が停止すると、図22(e)→図22(a)に示すように、ボタン用ストッパ装置560のストッパ片561が許容位置へ戻り、押しボタン部材550の操作規制が解除される。
次に、第2の実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成について第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
表示制御装置410(詳しくはMPU412)の入力側には、枠体20の前扉側上皿通路35に配された球検知センサ36、操作スイッチ機構502に設けられた押しボタン部材550用の位置検出手段が接続されている。
球検知センサ36からの検知情報に基づいて、上皿501が満タンとなっているか否かを判別することが可能となっている。
位置検出手段は、押しボタン部材550が最大押圧位置へ存在している場合に所定の検知情報(検知信号)を表示制御装置410に出力する検知センサ557Aと、押しボタン部材550が初期位置に存在している場合に所定の検知情報(検知信号)を表示制御装置410に出力する検知センサ557Bとによって構成されている。
MPU412の出力側には、操作スイッチ機構502に設けられたストッパ装置540,560が接続されている。表示制御装置410から出力される駆動信号によって、各ストッパ装置540,560が動作する。
次に、表示制御装置410のMPU412にて実行される各種処理のうち、操作スイッチ機構502にかかる操作対応演出の設定に関する各種処理を説明する。
先ず、コマンド判定処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
(コマンド判定処理)
コマンド判定処理では、先ずステップS601にて、変動開始コマンドを入力しているか否かを判定する。なお、音声ランプ制御装置143から入力した各種コマンドは、RAM414に設けられたコマンド格納エリアに格納され、コマンド判定処理において読み出されることで消去される。
変動開始コマンドを入力している場合には、ステップS602にて、変動開始コマンドに連続操作対応演出にかかる情報が含まれているか否かを判定する。具体的には、変動開始コマンドに含まれる第1変動種別カウンタCS1の値の情報が、ROM413に記憶された連続操作対応演出用の値群の情報に含まれているか否かを判定する。
連続操作対応演出にかかる情報が含まれている場合には、ステップS603にて上皿501が満タンとなっているか否かを判定する。具体的には、球検知センサ36からの検知情報に基づいて上皿501が満タンとなっているか否かを判定する。
ステップS603にて否定判定をした場合、すなわち上皿501が満タンでないと判定した場合には、ステップS604にて第1連続操作対応演出用の特定処理を実行する。第1連続操作対応演出用の特定処理では、RAM414の各種フラグ格納エリア425のうち、第1連続操作対応演出フラグ格納エリアに第1連続操作対応演出フラグを格納する。
一方、ステップS603にて肯定判定をした場合、すなわち上皿501が満タンであると判定した場合には、ステップS605にて第2連続操作対応演出用の特定処理を実行する。第2連続操作対応演出用の特定処理では、RAM414の各種フラグ格納エリア425のうち、第2連続操作対応演出フラグ格納エリアに第2連続操作対応演出フラグを格納する。
上述したように、上皿501のカバー体530を操作手段として活用する構成においては、当該カバー体530の押し込み操作が上皿501に貯留されている遊技球によって妨げられることは好ましくない。そこで、ステップS603にて、上皿501が満タンで有る場合には、操作領域の拡張に対応する第1連続操作対応演出を行わない構成とすることで、すなわち代替演出として第2連続操作対応演出を行うことで、上記不都合の発生を抑制することが可能となっている。
ステップS604,S605の特定処理においては、連続操作対応演出フラグの格納とともに以下の処理を実行する。すなわち、MPU412にて生成される乱数と、ROM413の各種テーブル記憶エリア421に記憶されている基準回数決定テーブル(図16(b)参照)と、大当たりの発生の有無とに基づいて連続操作の基準回数の決定処理を行う。かかる決定処理においては、大当たりに当選している場合には、大当たりに当選していない場合と比較して、基準回数が多くなりやすい。なお、基準回数については、押しボタン部材の待機位置への復帰速度や検知情報の読み込みタイミング等を加味して、連続操作対応演出実行期間内に実質的に達成可能な範囲で定められている。
ステップS602にて連続操作対応演出にかかる情報が含まれていないと判定した場合、又はステップS604,S605の特定処理を実行した後は、ステップS606に進む。ステップS606では、変動表示用の特定処理を実行する。
一方、ステップS601において、変動開始コマンドを入力していないと判定した場合には、ステップS607に進み、その他の特定処理を実行した後に、本コマンド判定処理を終了する。
なお、ステップS606,S607の各処理については、第1の実施の形態におけるステップS306,S307の各処理と同様であるため、説明を援用する。
本実施の形態においては、上記第1の実施の形態とは異なり、連続操作対応演出が実行される場合には、上皿501が満タンであるか否かによって第1連続操作対応演出と第2連続操作対応演出との何れが選択される構成となっている。両連続操作対応演出については、連発操作を行うことで、その後の特定単発操作が有効化される点については共通しているものの、連発操作→特定単発操作の態様が異なっている。
具体的には、第2連続操作対応演出については、押しボタン部材550の操作回数が規定操作回数に達することで、特定単発操作として同押しボタン部材550の操作が有効化される。一方、第1連続操作対応演出については、押しボタン部材550の操作回数が規定操作回数に達することで、特定単発操作としてカバー体530の操作が有効化される。つまり、第2連続操作対応演出においては連発操作→特定単発操作にて操作領域の変更はないが、第1連続操作対応演出においては連発操作→特定単発操作にて操作領域が拡張されるてんで相違している。
第2連続操作対応演出については上記第1の実施の形態に示した連続操作対応演出(図19,20参照)と同様であるため説明を省略し、第1連続操作対応演出用の処理について説明する。
(第1連続操作対応演出用処理)
図26のフローチャートにしめすように、第1連続操作対応演出用処理では、先ずステップS701にて、第1連続操作対応演出が発生する変動表示回中であるか否かを判定する。当該変動表示回中でない場合にはそのまま本第1連続操作対応演出用処理を終了し、当該変動表示回中である場合にはステップS702に進む。
ステップS702では、連発操作の示唆が行われたか否かを判定する。ステップS702にて連発操作の示唆が行われた後でないと判定した場合には、ステップS703に進む。ステップS703では、連発操作の示唆の開始タイミングであるか否かを判定する。連発操作の示唆の開始タイミングでない場合にはそのまま本連続操作対応演出用処理を終了する。一方、連発操作の示唆の開始タイミングである場合には、ステップS704にて、連発操作示唆用画像の設定処理を実行する。続くステップS505では、連発操作待ち状態の設定処理を実行する。
なお、ステップS702〜ステップS705の各処理については、上記第1の実施の形態におけるステップS502〜S505の各処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS702にて連発操作の示唆後であると判定した場合には、ステップS706に進む。ステップS706では、連発操作待ち状態か否かを判定する。連発操作待ち状態である場合にはステップS707に進み、操作スイッチ機構502の押しボタン部材550が操作されたか否かを判定する。
ステップS707にて肯定判定をした場合には、続くステップS708にて操作受付用画像の設定処理を実行し、ステップS709に進む。ステップS709では、繰り返しの操作回数が上記コマンド判定処理にて決定された規定操作回数に達しているか否かを判定する。ステップS709にて肯定判定をした場合にはステップS710に進み、連発操作完了用画像の設定処理を行う。
なお、ステップS706〜S710の各処理は、第1の実施の形態に示したステップS506〜S510の各処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
続くステップS711では特定単発操作示唆用画像の設定処理を実行する。かかる処理を行うことで、操作スイッチ機構502の押しボタン部材550を1回操作するように遊技者に促す特定単発操作示唆用画像が表示画面94aに表示される。例えば、当該単発操作示唆用画像としては、キャラクタの表示内容が示唆に対応したものとなるように動画表示されるとともに、「押しボタンを操作して下さい。」といった文字が表示される。なお、特定単発操作の示唆は、図柄表示装置94の表示画面94aにおけるものに限定されることはなく、表示画面におけるものに加えて又は代えてスピーカ部27からの音声の出力に行うようにしてもよい。なお、特定単発操作用示唆画像の設定処理によって設定された画像については、連発操作完了用画像が所定の期間に亘って表示された後のタイミングで表示される。
ステップS711の処理を実行した後はステップS712に進み、今回の変動表示回が大当たり対応の変動表示回であるか否かを判定する。ステップS712にて肯定判定をした場合にはステップS713に進み、カバー体530の移動規制解除処理を実行する。具体的には、カバー用ストッパ装置540に対して駆動信号を出力してカバー用ストッパ装置540を許容状態に切り替える。これにより、カバー体530の押圧操作が許容され、操作領域が押しボタン部材550→押しボタン部材550+カバー体530に拡張される。
一方、ステップS712にて否定判定をした場合、すなわち今回の変動表示回が外れ対応の変動表示回であると判定した場合には、ステップS714に進む。ステップS714では、押しボタン部材550の移動規制処理を実行する。具体的には、ボタン用ストッパ装置560に対して駆動信号を出力してボタン用ストッパ装置560を阻止状態に切り替える。これにより、押しボタン部材550の押圧操作が規制され、操作領域が押しボタン部材550→無しに減縮される。
なお、ステップS713,S714によってストッパ装置540,560の駆動処理が実行される場合に、連発操作完了用画像が表示されてから、特定単発操作示唆用画像が表示されるまでの間にストッパ装置540,560の状態切替が完了するように、駆動信号の出力タイミングが設定されている。
ステップS713又はステップS714の処理を実行した後はステップS715に進み、特定単発操作待ち状態の設定処理を行う。そして、続くステップS716にて連発操作待ち状態の解除処理を行った後、本第1連続操作対応演出用処理を終了する。なお、ステップS715,S716の各処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS511,S515の処理と同様であるため、詳細な説明を省略している。
ステップS707,S709の何れかにて否定判定をした場合、すなわち連発操作が行われなかった場合又は連発操作が行われていたとしてもその回数が操作規定回数に達していない場合にはステップS717に進み、連発操作の受付終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、RAM414のタイミング用カウンタエリア426に設けられた連発操作受付期間用カウンタの値を参照して、受付終了タイミングとなっていないかを判定する。この連発操作受付期間用カウンタについては、連発操作待ち状態の設定処理が行われた際に、所定の値が入力され、ステップS707の判定処理が実行される度に又は更新(「1」ずつ減算)される。そして、この値が「0」となった場合に、ステップS513にて肯定判定をし、「0」となっていない場合には否定判定をする。
ステップS717にて否定判定をした場合には、そのまま本第1連続操作対応演出用処理を終了する。一方、ステップS717にて肯定判定をした場合にはステップS718に進み、受付終了示唆用画像の設定処理を実行する。これにより、表示画面94aに連発操作の受付期間が終了した旨を示す画像が表示されることとなる。その後、ステップS716の解除処理を実行したのち、本第1連続操作対応演出用処理を終了する。
再びステップS706の説明に戻り、ステップS706にて否定判定をした場合、すなわち連発操作待ち状態でないと判定した場合には、ステップS719に進む。ステップS719においては、特定単発操作待ち状態であるか否かを判定する。特定単発操作待ち状態である場合にはステップS720に進む。ステップS720では、ウェイト期間を経過したか否かを判定する。
なお、ステップS719,S720の各処理については、第1の実施の形態における連続操作対応演出処理のステップS516,S517の各処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS720にて肯定判定をした場合、すなわちウェイト期間中でないと判定した場合には、ステップS721に進む。ステップS721では特定単発操作が行われたか否か、すなわち操作スイッチユニット40の押しボタン部材320が操作されたか否かを判定するとともに、押しボタン部材550の移動が規制されている状態(上記減縮状態)にて操作待ち期間が経過したか否かを判定する。特定単発操作が行われたと判定した場合、又は減縮状態にて操作待ち期間が経過したと判定した場合には、ステップS722に進む。
特定単発操作の有無は、既に説明したように、MPU412におけるタイマ割込み処理のセンサ監視処理にて監視される。ステップS721では、当該監視処理の処理結果が押しボタン部材320の操作が発生しているとする処理結果である場合(具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の操作有りフラグ格納エリアに操作有りフラグが格納されている場合)には、肯定判定をしてステップS722に進む。
ステップS722では、特定単発操作待ち状態の解除処理を実行する。具体的には、RAM414における各種フラグ格納エリア425の特定単発操作待ちフラグ格納エリアに格納された特定単発操作待ちフラグを消去する。
その後、ステップS723にて結果表示画像の設定処理を実行する。ステップS723の処理を実行することにより、表示画面94aにて結果表示画像が表示される。当該画像の表示としては、例えば、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示され、当該変動表示回が大当たり状態の発生しない変動表示回である場合には、キャラクタの表示内容が、操作示唆用画像が開始される前と同様のものとなるように動画表示される。
ステップS723の処理を実行した後、又はステップS719,S720,S721の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS724に進む。ステップS724では、変動表示を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS724にて否定判定をした場合には、そのまま本第1連続操作対応演出用処理を終了する。
一方、ステップS724にて肯定判定をした場合、すなわち変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS725にて終了表示画像の設定処理を実行し、本第1連続操作対応演出用処理を終了する。
ステップS725における終了表示画像の設定処理では、当該変動表示回が大当たり状態の発生する変動表示回である場合には、大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示がなされるように表示設定を行う。この場合に、結果表示画像の設定処理が実行されているとともに、当該結果表示画像の設定処理にて、大当たり状態の発生に対応したものとなるように動画表示が設定されている場合には、当該動画表示と一連の内容となるように動画表示の設定が行われる。一方、操作未完画像の設定処理が実行されている場合には、当該操作未完画像から大当たり状態の発生が確定した旨の動画表示へと劇的に切り換わるような動画表示が介在することとなる。
ステップS725の処理を実行した後は、ステップS726にて操作スイッチ機構502の通常状態への復帰用処理を実行し、本第1連続操作対応演出用処理を終了する。ステップS725の復帰用処理では、各種フラグ格納エリア425における復帰用フラグ格納領域に復帰用フラグを格納する。上述したタイマ割込み処理においては、この復帰用フラグが格納されている場合に、操作スイッチ機構502を通常状態へと復帰させるための処理を行う。当該復帰用処理においては、遊技結果が表示された後のタイミングとなったか否かを判定し、遊技結果が表示された後のタイミングであると判定した場合に、以下の処理を行う。
先ず位置検知センサ557Aからの検知情報に基づいて押しボタン部材550及びカバー体530が最大突出位置に復帰しているか否かを判定する。押しボタン部材320及びカバー体530が最大突出位置に復帰していないと判定した場合には、そのまま復帰処理を終了する。つまり、遊技者が押しボタン部材550やカバー体530に手を載せる等して押圧操作を継続している場合には、通常状態への復帰が回避されることとなる。
一方、押しボタン部材550及びカバー体530が最大突出位置に復帰していると判定した場合には、ストッパ装置540,560に対する駆動信号の出力を停止し、ボタン用ストッパ装置560を許容状態、カバー用ストッパ装置540を阻止状態とする。これにより、カバー体530の押圧操作が規制されることとなる。駆動信号の出力停止処理を実行した後は、各種フラグ格納エリア425に格納された復帰用フラグを消去して、当該復帰用処理を終了する。
なお、各種フラグ格納エリア425に復帰用フラグが格納されている場合には、操作領域拡張演出が規制され、連続操作対応演出が実行される場合には、第1連続操作対応演出に代わって第2連続操作対応演出が実行されることとなる。但し、操作領域拡張演出が行われた遊技回が終了し、次の遊技回が開始されるまでの間に再度の押圧操作が行われていない場合には、次の遊技回が開始されるまでに復帰処理が完了するように設定されている。このため、遊技結果が表示された後に、そのまま復帰処理が完了した場合には、当該次の遊技回にて操作領域拡張演出が規制されることはない。
ここで、第1連続操作対応演出の流れについて第1の実施の形態における連続操作対応演出との相違点を中心に簡単に説明する。
図柄の変動表示が開始されリーチ表示に移行した後の所定のタイミングにて、図柄表示装置94の表示画面94aに連発操作を示唆するメッセージが表示される。これに合わせて押しボタン部材550の操作が有効化される。押しボタン部材550が繰り返し操作されると、操作回数に合わせて操作受付回数表示部94b及び表示画面94aの表示態様が変化する。操作回数が規定操作回数に達することで、表示画面94aに特定単発操作を促す画像が表示されるが、規定操作回数が多くなればなるほど大当たりの発生期待度が高くなるこのため、遊技者はより多くの操作を行うことができるように期待して操作を繰り返すこととなる。
特定単発操作を促す画像が表示された後は、大当たりに当選している場合には、カバー体530の操作が可能となり、大当たりに当選していない場合には、カバー体530の操作が不可となる。これら2つの場合にて、外観上の差違が生じないため、遊技者は実際にカバー体530を操作するまで大当たりに当選しているか否かを判別することができない。言い換えれば、カバー体530の操作を試みた際に手に伝わる感触によって大当たりに当選しているか否かを判別することができる。特定単発操作が行われた場合、又は特定単発操作の受付期間が経過した場合には、表示画面94aに結果が明示される。
そして、操作領域が拡張された場合には、カバー体530が操作前の位置に復帰していることを条件として、復帰処理が実行される。
以上詳述した第2の実施の形態においては、上記第1の実施の形態に示した効果と同様の効果に加え以下の効果が期待できる。すなわち、遊技者は連発操作を行うことで、特定単発操作(カバー体530)の操作を行う権利を取得することができる。この際、連発操作が何回で規定回数を満たしたかによって特定単発操作の可否が示唆される。これにより、連発操作に対する遊技者の注目度を好適に向上することができる。
更には、カバー体530が移動するか否かは、外観上の差違がないため実際にカバー体530を押してみるまで分からない。これにより、特定単発操作に対する注目度の向上に貢献することができる。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態では、リーチ表示(リーチ変動)中に操作領域を変更する構成としたが操作領域を変更する詳細なタイミングについては任意である。但し、遊技者の注目度向上効果を好適に発揮させるには、少なくとも変動表示中(遊技回中)であることが好ましい。
また、リーチ表示中に演出の一環として操作領域を拡張する構成としたが、これを変更し操作領域を減縮する構成としてもよい。更には、リーチ表示中(遊技回中)に操作領域の拡張→縮小を繰り替えす構成とすることも可能である。
(2)上記各実施の形態では、「操作手段」としての押しボタン部材320,550等の操作態様を操作領域が変更される前後で同様としたが、操作領域の変更に伴って操作態様が変化する構成とすることも可能である。
具体的には、操作領域が相対的に小さい状態(上記通常状態)での操作方向と、操作領域が相対的に大きい状態(上記拡張状態)での操作方向とを異なる方向とすることも可能である。
また、各状態での操作方法を異なるものしてもよい。例えば、上記第1の実施の形態においては、以下の変更を行うことも可能である。すなわち、押しボタン部材を変形可能な膜状部材で構成するとともに、その内部に液体を注入し、更には液体の圧力を調整する調整手段(例えば油圧シリンダ等)と圧力の変化を検知する検知手段とを採用する。通常状態においては液体の圧力を大きくすることで、遊技者が触った際の実質的な変形を不可とし、拡張状態においては液体の圧力を小さくすることで実質的な変形を許容する。拡張状態となった場合には、押しボタン部材が上方に突出することで押しボタン部材を掴むことが可能となる。ここで、押しボタン部材の揉み操作を許容すれば、通常状態での押圧操作→拡張状態での揉み操作に操作方法を変更することができる。これにより、押しボタン部材に対する更なる注目度の向上に貢献することができる。
(3)上記各実施の形態では、「操作手段」としての押しボタン部材320やカバー体530が操作前の位置に復帰したことを条件として操作対応演出を完遂する構成とし、操作後に操作手段から手が添えられたままとなることを抑制したが、かかる条件を必須とする必要はない。少なくとも操作手段が操作前の位置に復帰していることを条件として、拡張状態から通常状態に切り替える構成とすれば足りる。
但し、操作手段に手が添えられる等して、操作前の位置への復帰が完了しない場合には、以降の遊技回においては復帰が完了するまで操作領域拡張演出が規制される。故に、望ましくは、上記実施の形態に示したように、演出完遂の条件に操作前の位置への押しボタン部材320等の復帰を組み込むことで、遊技者に対して押しボタン部材320等のリリースを促し、操作領域拡張演出後の通常状態への切り替えを円滑化するとよい。これにより、操作領域拡張演出が規制されたままとなって操作領域の変更に基づく演出が発生しにくくになることを抑制できる。
(4)上記各実施の形態では、「操作手段」として押しボタン部材320,550を採用したが、これに代えて例えばジョイスティック等のレバー部材を採用してもよい。例えば、レバー部材単独で操作領域の拡張を実現する場合には、レバー部材を設置している台座部等からの同レバー部材の突出量を変更可能とすればよい。また、レバー部材を採用する場合には、その操作方向が複数方向となるように構成するとともに、レバー部材の操作方向を規制する操作方向規制手段を採用し、操作領域の拡張時に操作方向の規制手段による規制を解除する構成とすることも可能である。
さらには、「操作手段」については遊技者の操作に基づいて変位する構成とする必要は必ずしもなく、遊技者の操作を変位無しで受け付ける構成、例えばタッチパネル等を採用してもよい。
(5)上記各実施の形態では、「変更手段」として表示制御装置410を採用したが、表示制御装置410以外の他の制御装置(例えば音声ランプ制御装置143)を採用することも可能である。
(6)上記第1の実施の形態では、操作スイッチユニット40を上側膨出部28に配設したが、遊技者が操作可能な位置に存在するのではあれば操作スイッチユニット40の詳細な配置は任意である。例えば、下側膨出部29に設けてもよいし、膨出部28,29と横並びとなる位置に配置してもよい。
(8)上記第1の実施の形態では、「変更手段」を構成するシャッタ部材330によって「操作手段」としての押しボタン部材320の上方への突出を規制する構成としたが、シャッタ部材330は操作面部322における操作領域の一部を覆うことで操作領域の変更を行うことができば足り、必ずしも上記ストッパとしての機能を有する必要はない。
また、押しボタン部材320においては操作領域が拡張される際に、操作ストロークが増大する構成としたが、通常状態及び拡張状態の両状態にて操作ストロークを同一とすることも可能である。
(9)上記第1の実施の形態では、拡張状態から通常状態への円滑な切り替えを実現すべく、拡張状態にて押しボタン部材320が最大突出位置に待機していることを条件として、通常状態への切り替えを行う構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、押しボタン部材320が最大突出位置にあることを検知する位置検知センサ352に代えて、押しボタン部材320(詳しくは操作面部322)に指等が触れている場合にこれを検知するタッチセンサを採用し、タッチセンサによって操作面部322への接触が検知されていない場合に、拡張状態から通常状態への復帰を行う構成とすることも可能である。
(10)上記第2の実施の形態では、上皿501が満タンとなっている場合には、第1連続操作対応演出(操作領域拡張演出)を行わない構成としたが、これに限定されるものではなく、上皿501が満タンとなっている場合であっても第1連続操作対応演出を行う構成とすることも可能である。但し、この場合には、併せて以下の変更を行うことが望ましい。
すなわち、低頻度サポートモード中であって保留数が上限に達している場合には、上皿501が満タンであったとしても第1連続操作対応演出を行う構成とする。保留数が上限となっている場合には、遊技者は遊技球の発射を停止することが多く(特にリーチ表示時)、更には遊技球の発射を継続できなくなることで遊技者が損失を被る可能性が低い。そこで、このような状況にて第1連続操作対応演出を行った際にカバー体530の移動によって球噛みが生じたとしても、遊技進行への影響を抑えることができる。
また、遊技球の発射操作が行われていない場合には、上皿501が満タンであっても第1連続操作対応演出を行う構成とすることも可能である。遊技球の発射操作を行っていない状況下にて上記球噛み等の不都合が生じたとしても、遊技進行に影響がおよびにくい。
以上の構成の少なくとも何れかを採用すれば、第1連続操作対応演出の実行条件を緩和することができる。
(11)上記第2の実施の形態では、仕切り部522によって貯留領域を前後に仕切る構成としたが、これに代えて、上皿本体510の底部511を手前側の領域よりも奥側の整列通路523が下位となる段差状に形成することも可能である。
但し、カバー体530によって貯留球が押された場合には、貯留球同士の接触部分を介して力が伝播し得る。故に、上記手前側の領域に存在する貯留球と整列通路523に存在する貯留球との接触をできる限り少なくすることで、カバー体530からの力が整列通路523に届くことを抑制することができる。この点を考慮すれば、上記実施の形態に示した仕切り部522を採用することが望ましい。
(12)上記第2の実施の形態では、仕切り部522の前面と天板部532との間隔が貯留領域REの上流側に向けて大きくなる構成としたが、少なくともカバー体530の操作方向(押圧方向)と交差する方向へ貯留球を誘導できるのであれば足り、例えば下流側に向けて大きくなる構成としてもよい。また、天板部532の後端部を直線状、仕切り部522の前面を曲面状としたが、これを逆にし、天板部532の後端部が曲線状、仕切り部522の前面が平面状とすることも可能である。
(13)上記第2の実施の形態では、拡張状態にてカバー体530が操作された場合に押しボタン部材550がカバー体530に追従して移動する構成とすることで、カバー体530の操作を検知センサ557Aによって検知可能とした。これを変更し、カバー体530用の検知センサと押しボタン部材550用の検知センサとを個別に設け、カバー体530と押しボタン部材550とが一体となって移動しない構成とすることも可能である。
(14)上記第2の実施の形態では、遊技者の操作に基づいてカバー体530が後方へ移動した場合に、同カバー体530の一部が貯留領域側へ張り出す構成としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、カバー体530が後方へ移動した場合であっても同カバー体530が貯留領域側へ張り出さない構成とすることも可能である。
(15)上記第2の実施の形態において、連続操作対応演出が実行されている場合(詳しくは連続操作完了後の期間)に、払出装置224からの遊技球の払出を一時的に停止する構成としてもよい。言い換えれば、遊技球の払い出しを連続操作対応演出の終了まで遅延させる構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.遊技者により操作される操作手段(押しボタン部材320等)を備えた遊技機において、
前記操作手段は、第1状態と、当該第1状態よりも遊技者が直接触れて操作できる操作範囲が広く設定された第2状態とに切替可能に構成されており、
遊技状況に応じて、前記操作手段を前記第1状態と前記第2状態とに切り替えることで、前記操作範囲を変更する変更手段(シャッタ部材330や表示制御装置410等)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技者が直接触れて操作できる操作範囲が遊技状況に応じて変更される。これにより、操作手段を操作する際に視覚的に又は触覚的に操作範囲がどのようになっているかを確認する遊技が実現され、操作手段への注目度の向上に貢献することができる。
例えば、前記変更手段が、予め設定された条件が成立した場合に、前記操作手段を前記第1状態から前記第2状態に切り替えることで、操作可能となる範囲を拡張する拡張手段を有する構成を採用するとよい。
なお、本特徴に示す構成を以下のように変更してもよい。すなわち、「遊技機前面側に設けられ、遊技者の操作により操作信号を出力する操作手段と、前記操作信号が入力された場合と入力されない場合とで異なる演出を実行する演出制御手段とを備え、前記操作手段には、遊技者が直接触れて操作することにより前記操作信号が出力される操作範囲が定められており、前記操作手段は、前記操作範囲が各々異なる第1状態と第2状態とに切替可能の構成されており、遊技状況に応じて、前記操作手段を前記第1状態と前記第2状態とに切り替えることで、前記操作範囲を変更する変更手段を備えていることを特徴とする遊技機」としてもよい。
特徴A2.前記第2状態における前記操作範囲は、前記第1状態における前記操作範囲の少なくとも一部を含んでいることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1状態及び第2状態にて共通の操作範囲を設定しておくことにより、遊技者が操作すべき箇所を把握できずに操作機会を逃してしまうことを抑制できる。
特徴A3.前記変更手段は、
前記操作手段における特定部位(例えば操作面部322において中央部分以外の部分)の操作を規制する規制手段(シャッタ部材330)と、
前記規制手段による操作規制を解除する解除手段(ソレノイド340や表示制御装置410等)と
を有し、
前記規制手段によって前記操作規制がなされることで前記第1状態となり、前記解除手段によって前記操作規制が解除されることで前記第2状態となることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1状態となることで特定部位の操作が規制され、第2状態となることで特定部位の操作が可能となる。このように、特定部位の操作を規制/規制解除で切り替える構成とすることにより、操作範囲の変化を遊技者に対して示唆することができる。
特徴A4.前記規制手段は、前記第1状態にて前記特定部位を覆う可動式のカバー部であり、
前記解除手段は、前記カバー部を前記特定部位を覆わない位置に移動させることで前記第2状態とするものであり、
前記第2状態においては、当該特定部位が露出することで、当該特定部位を直接触れて操作可能となることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3によれば、規制手段(カバー部)によって特定部位を覆う第1状態と覆わない第2状態とに切り替える構成とすることにより、操作範囲がどのように変化したかを遊技者に対して明確に示すことができる。
また、カバー部を移動式とすることにより、上記操作範囲の変化を遊技への注目度を高める演出として好適に利用することができる。なお、遊技者は操作手段に対して手を添えた状態で遊技を行うことがあるが、この場合、遊技者に対して視覚又は聴覚による演出だけでなく触覚による演出を提供することが可能となる。
特徴A5.前記操作手段は、操作面(操作面部322)を有する操作ボタン(押しボタン部材320)であり、
前記規制手段は、前記第1状態では前記操作面の押圧操作を許容するようにして当該操作面の一部を覆い、前記第2状態では記第1状態よりも覆う範囲が小さくなるように又は前記操作面を覆わないように構成された可動式のカバー部(シャッタ部材330)であり、
前記解除手段は、
前記カバー部を前記第1状態となる位置及び前記第2状態となる位置を含む所定の範囲で移動させる駆動手段(ソレノイド340やギア345等)と、
前記カバー部が前記第1状態又は前記第2状態となるように前記駆動手段を制御する駆動制御手段(表示制御装置410)と
を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A5によれば、操作面においてカバー部により覆われる範囲が変わることで、操作範囲がどのように変化したかを遊技者に対して明確に示すことができる。
また、カバー部を移動式とすることにより、上記操作範囲の変化を遊技への注目度を高める演出として好適に利用することができる。なお、遊技者は操作手段に対して手を添えた状態で遊技を行うことがあるが、この場合、遊技者に対して視覚又は聴覚による演出だけでなく触覚による演出を提供することが可能となる。
特徴A6.前記操作ボタンは、遊技者によって操作されることで所定方向に変位可能に設けられており、
前記カバー部は、前記所定方向と交差する方向に移動可能に設けられており、
前記駆動制御手段は、前記第2状態となっている状況下で前記操作ボタンが操作前の位置に復帰したことに基づいて、前記操作手段を前記第1状態に切り替えるように前記駆動部を駆動制御することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
カバー部の移動によって操作可能な範囲を拡張する場合には、操作可能な範囲を減縮する際にカバー部を円滑に移動させる構成とすることが好ましい。この点、本特徴においては、第2状態から第1状態に切り替わる場合に、操作ボタンが操作前の位置に復帰していることを条件としてカバー部が移動する構成とした。これより、手(指等)にカバー部が干渉する等して、第1状態へ切り替えが妨げられるといった機会を減らすことができる。
特徴A7.前記第2状態にて前記操作ボタンが操作された場合に、当該操作ボタンが操作前の位置に復帰することで所定の演出を実行する演出実行手段(表示制御装置410において演出を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、指等で操作ボタンを押圧した後、同操作ボタンから指等を離すことにより、所定の演出が実行されることとなる。これにより、遊技者に対して押圧操作後に操作手段から指を退けるように促すことができ、第1状態への切り替えの円滑化に貢献することができる。
特徴A8.前記操作手段は、
第1操作部(押しボタン部材550)と、
前記第1操作部とは別に設けられ、操作に基づいて変位可能な第2操作部(カバー体530)とを有し、
前記変更手段は、前記第1状態では前記第2操作部の変位を規制し、前記第2状態では前記第2操作部の変位規制を解除するものであり、
前記第1状態にて、前記第2操作部の操作を促す第1催促手段と、
前記第2状態にて、前記第2操作部の操作を促す第2催促手段と
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技者は第2操作部を操作した感触から操作範囲が変化したか否かを把握することができる。具体的には、第2操作部の変位が規制されているか否かを操作を試みることで把握可能となっている。上記操作範囲の変化を遊技への注目度を高める演出として用いることで、遊技者に対して視覚又は聴覚による演出だけでなく触覚による演出を提供することが可能となる。
特徴A9.遊技機前面部に遊技機前方に膨出するようにして設けられ、遊技球を貯留可能な貯留皿(上皿501)を備え、
前記貯留皿は、前記遊技機前面部に固定され貯留領域形成部(底部511や周壁部512)が設けられた本体部(上皿本体510)を有してなり、
前記本体部の前面部分に沿って設けられているとともに当該前面部分を遊技機前方から覆い、当該本体部に対して相対移動可能に設けられた前面可動パネル部(カバー体530)を備え、
前記第2操作部は、前記前面可動パネル部によって構成されており、予め設定された条件が成立した場合に前記変位規制が解除されることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
遊技機には、操作部(例えば押しボタン)へのアクセスを容易化したり、目立たせたりすることを考慮して、貯留皿の前面部や上面部に操作ボタンが配設されたものがある。このような遊技機においては、操作性を担保しつつ操作範囲の変更を実現しようとした場合、例えば同貯留皿に他の操作ボタンを追加するといった構成を採用し得る。しかしながら、かかる構成では操作ボタンの配設領域の確保によって貯留皿の遊技機前方への張り出しが大きくなったり貯留領域が圧迫されやすくなったりする。そこで操作ボタンを追加するのではなく、前面可動パネル部(例えば貯留皿の外郭形成部)を第2操作部とすれば、上記不都合の発生を抑えつつ操作領域を拡張することができる。
特徴A10.前記第1操作部は、前記第2操作部の変位方向と同じ方向に変位可能に設けられており、
前記第1操作部の変位に基づいて、同第1操作部が操作されたことを検知する検知手段を備え、
前記第1操作部が操作された場合には、当該第1操作部が前記第2操作部とは独立して変位する一方、前記第2操作部が操作された場合には、当該第2操作部に追従して前記第1操作部が変位するように構成されていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1操作部及び第2操作部のどちらが操作された場合であっても、操作が行われたことを検知手段によって検知できる。かかる構成によれば、検知手段を共用し、電気的構成の簡素化に貢献できる。
特徴A11.前記前面可動パネル部は、遊技者の操作に基づいて遊技機後方へ移動することで、前記貯留領域に対して上方から重ならない位置から同貯留領域に対して上方から重なる位置へ移動するように構成されていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
特徴A9に示したように第2操作部として前面可動パネル部(例えば外郭形成部)を採用した場合、貯留領域から離れた位置で前面可動パネル部を移動可能とすることにより、前面可動パネル部を操作した際の貯留球との干渉を回避することができる。しかしながら、このような構成では貯留皿の遊技機前方への張り出しが大きくなり遊技者に対して圧迫感を与える要因となり得る。一方、前面可動パネル部の動作領域を確保すべく貯留領域形成部を小さくした場合には、貯留量が減少することで貯留皿の利便性が低下する。
この点、本特徴に示すように、演出実行時にのみ外郭形成部が貯留領域に対して上方から重なる構成とすれば、貯留量を確保しつつ圧迫感の高まりを抑えることができる。
特徴A12.前記貯留領域における後部は、遊技球を整列させた状態で取り込む取込通路(整列通路523)となっており、
前記前面可動パネル部の移動範囲は、後方への最大変位位置へ到達した場合に、前記取込通路に対する上方から重なりが回避されるように設定されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、取込通路に存在する遊技球が前面可動パネル部によって押されることを抑制し、外郭係止部の後方への移動が遊技球の取り込みの妨げとなることを抑制することができる。
特徴A13.前記貯留領域には、底部から起立し、前記取込通路と、同取込通路よりも前方となる領域とを仕切る壁部(仕切り部522)が形成されており、
前記壁部の上端部は、前記前面可動パネル部の上面部(天板部532)よりも下側に位置していることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、前面可動パネル部によって貯留球が後方へ押されても、その影響が取込通路におよぶことを抑制できる。
なお、例えば壁部の上端部と外郭係止部の上面部との高低差を遊技球の直径寸法よりも大きくするとよい。
特徴A14.前記壁部と前記前面可動パネル部の上面部との何れかが遊技機側方に傾斜することにより、それら壁部と前面可動パネル部との間隔が側方に向けて大きくなっていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、前面可動パネル部と壁部との間に存在する貯留球が前面可動パネル部の操作によって壁部側へ押された場合に、それら貯留球を壁部又は前面可動パネル部に沿って側方へ移動するように促すことができる。これにより、押された貯留球が前面可動パネル部の操作方向と交差する方向に逃げるので、前面可動パネル部の押し込み操作が妨げられにくくなる。
特に、貯留球の逃げ方向を側方とすることで、押された貯留球が壁部を乗り越えて取込通路側へ流入することを抑制することができる。
特徴A15.前記変更手段は、
前記貯留皿又は当該貯留皿に遊技球を案内する案内通路(前扉側上皿通路35)にて遊技球を検出する遊技球検出手段(球検知センサ36)と、
前記遊技球検出手段の検出結果に基づいて、前記貯留皿又は前記案内通路における特定位置まで遊技球が貯留されているか否かを判定する貯留判定手段(表示制御装置410において上皿501が満タンとなっているか否かを判定する機能)と、
前記特定位置まで遊技球が溜まっていると前記貯留判定手段により判定された場合に、前記第2状態への切り替わりを規制する特定規制手段(表示制御装置410においてステップS603の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴A11乃至特徴A14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11に示したように、遊技者の操作によって貯留領域側へと前面可動パネル部が移動する構成においては、貯留皿が満タンとなっている場合に操作が行われることで、貯留球による操作の妨げが発生しやすくなると懸念される。そこで、本特徴に示すように貯留皿が満タンとなっている場合に第2状態への切り替わりを規制すれば、上手く操作が行えなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴A16.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球する入球部(作動口83)と、
所定の発射操作に基づいて前記遊技領域へ前記貯留皿に貯留されている遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における作動口用の入賞処理)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162における保留球格納エリア)と
を備え、
前記変更手段は、
前記取得情報記憶手段によって記憶されている特別情報の数が前記規定数に達している場合には、前記特定規制手段による規制を無効とする無効化手段を備えていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特別情報の記憶数が規定数に達している場合には、遊技球の発射操作を行わなくても遊技者が不利益を被る可能性が低く、発射操作が妨げられたとしても実害がない。そこで、満タン時には、特定規制手段による規制を無効とすることにより、外郭形成部を操作対象とした演出が発生されにくくなることを抑制することができる。
また、前面可動パネル部の操作については仮に両手で行われると、発射操作が行われなくなり遊技機の稼働率が低下し得る。この点、特別情報の記憶数が規定数に達している場合に特定規制手段による規制を無効とすれば、稼働率の低下を好適に抑制できる。
なお、「遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球する入球部(作動口83)と、所定の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162における作動口用の入賞処理)と、前記所定の発射操作が行われているか否かを判定する操作判定手段とを備え、前記変更手段は、前記操作判定手段によって前記所定の発射操作が検知されていないと判定された場合には、前記特定規制手段による規制を無効とする無効化手段を備えている」構成を採用することも可能である。
特徴A17.前記貯留皿に遊技球を払い出す払出手段(払出装置224等)と、
前記第2状態となっている場合には、少なくとも前記第1状態となるまで払出を遅延させる遅延手段と
を備えていることを特徴とする特徴A11乃至特徴A16のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A17によれば、貯留皿への遊技球の払い出しが前面可動パネル部によって妨げられたり、払い出された遊技球によって外郭形成部の操作が妨げられたりすることを抑制することができる。
特徴B1.遊技者により操作される操作手段(押しボタン部材320等)と、
前記操作手段の操作に基づいて演出を実行する演出実行手段(表示制御装置410)とを備えた遊技機において、
前記演出実行手段は、繰り返し操作としての第1特定操作が前記操作手段にて行われた場合に、遊技者に同操作手段に対する第2特定操作を促し、
前記第1特定操作が行われたことに基づいて前記第2特定操作を可能とする手段を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、遊技者が第1特定操作(例えば規定回数の繰り返し操作)を行うことで、遊技機にて第2特定操作が促される。このように少なくとも第1特定操作の実行→第2特定操作の催促が行われるため、操作手段を繰り返し操作した場合に同操作に次の操作に繋がる意味を与えることができ、繰り返し操作が無駄であるかのような印象を遊技者に与えにくくすることができる。これにより、操作手段(特定操作)への注目度が低下することを抑制できる。
なお、例えば通常遊技状態から遊技者に有利な特別遊技状態へ移行する期待度等を第2特定操作が行われる場合に示唆する構成を採用するとよい。かかる構成を採用すれば、上記規定回数を実質的に到達不可能な回数又は実質的に到達可能な回数となるように設定して規定回数への到達の有無により期待度を示唆しなくても、期待度の示唆を行うことができる。規定回数を実質的に到達不可能となり得る構成を採用した場合には操作が無駄になったかのような印象を遊技者に対して与えやすくなるが、第2特定操作が行われる場合に期待度等を示唆する構成を採用することにより、そのような不都合を好適に解消することができる。
特徴B2.通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置162の抽選機能)を備え、
前記演出実行手段は、予め定められた規定回数の繰り返し操作としての第1特定操作が前記操作手段にて行われた場合に、遊技者に同操作手段に対する第2特定操作を促すものであり、
さらに、前記演出実行手段は、
前記規定回数を設定する回数データを前記特別遊技状態が発生する期待度に応じて複数記憶する記憶手段(表示制御装置410のROM413)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記複数の回数データのうち1つを前記規定回数として設定する設定手段(表示制御装置410においてステップS305等の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1特定操作を行う場合に、何回目の繰り返し操作で規定回数に到達したかによって特別遊技状態の発生期待度が変化することとなる。これにより、第1特定操作(繰り返し操作)に対する注目度の向上に貢献できる。
特徴B3.前記設定手段には、前記期待度が高くなるにつれて前記回数データに対応する前記規定回数が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特別遊技状態が発生する期待度が低い場合には規定回数が少なくなり、期待度が高い場合には規定回数が多くなる。このため、第1特定操作を行う場合には、遊技者は規定回数に到達しないことを期待しながら操作を繰り返すこととなり、同繰り返し操作を好適に促すことができる。
特徴B4.前記第2特定操作は、前記第1特定操作に対して操作方向及び操作対象の少なくとも何れかが異なっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、遊技者が連続操作の勢いのままに意図しないタイミングで第2特定操作をしてしまうことを抑制することができる。
特徴B5.前記第2特定操作を規制する状態から当該規制を解除する状態に切替可能に設けられた規制手段(カバー用ストッパ装置540等)と、
前記規制手段による操作規制を解除するか否かの判定を行う判定手段(表示制御装置410においてステップS712の処理を実行する機能)と、
前記判定手段によって規制を解除する判定がなされた場合に、前記規制手段による操作規制を解除する解除手段(表示制御装置410においてステップS713の処理を実行する機能)と
を備え、
前記演出実行手段は、前記判定手段による判定がなされた場合に、その判定の結果に関係なく前記第2特定操作が可能となっている可能性がある旨を報知することを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1特定操作の実行を条件として第2特定操作に挑戦する権利が発生する。ここで、第2特定操作ができるか否かが分かれるため、第2特定操作後の演出等だけではなく、第2特定操作そのものへの注目度を好適に向上させることができる。故に、操作が単調になって機械的に一連の操作が行われることを回避し、遊技への積極的な参加を促すことができる。
なお、特徴B1に示す「前記第1特定操作が行われたことに基づいて前記第2特定操作を可能とする手段」と本特徴に示す「判定手段」及び「解除手段」とはいずれも操作許可手段に相当する。
特徴B6.前記演出実行手段は、予め定められた規定回数の繰り返し操作としての第1特定操作が前記操作手段にて行われた場合に、遊技者に同操作手段に対する第2特定操作を促すものであり、
前記規定回数を設定する回数データを前記操作規制が解除される可能性に応じて複数記憶する記憶手段(表示制御装置410のROM413)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて前記複数の回数データのうち1つを前記規定回数として設定する設定手段(表示制御装置410においてステップS305等の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第2特定操作が可能となる可能性に応じて第1操作にかかる規定回数が決定される。このため、第1特定操作を通じて第2特定操作の可否を予測するという遊技が追加され、特定操作にかかる演出への注目度を好適に向上することができる。
なお、例えば複数種の規定回数を、同回数が多くなるに連れて操作規制が解除される可能性が高くなるように設定するとよい。これにより、第1特定操作(繰り返し操作)を好適に促すことができる。
特徴B7.遊技者により操作される操作手段と、
前記操作手段を操作できないように規制する規制手段と、
前記規制手段による操作規制を解除するか否かの判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定の結果に関係なく、同判定がなされた場合に第2特定操作が可能となっている可能性がある旨を報知する報知手段と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B7によれば、報知に従って操作手段を操作しようとした場合には、実際に操作できるか否かが分かれることとなる。かかる構成によれば、操作手段の操作結果のみならず、操作そのものに対する注目度を向上することができ、遊技者によって操作が機械的に行われることを抑制できる。これにより、遊技への積極的な参加を促すことができる。
特徴B8.前記規制手段は、前記操作手段の操作を規制する規制状態と前記操作手段の操作を規制しない規制解除状態との両状態において外観が同様であると認識されるように構成されており、
前記報知手段は、前記判定手段による判定の結果に関係なく同様の報知を実行することを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、実際に操作手段を操作するまで、外観や報知内容から規制状態か規制解除状態かを判別することが困難又は不可になる。このようにして遊技機の外観等からの操作可否の事前予測を困難又は不可にすることで、操作手段(操作)に対する注目度を好適に向上することができる。
特徴B9.前記操作手段は、初期位置から所定方向へ変位可能に構成されており、
前記規制手段は、前記初期位置に配置された前記操作手段に対して前記所定方向における先側から当接することで同操作手段の当該所定方向への変位を規制するものであることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、操作手段を操作する場合に、規制状態と規制解除状態とでは遊技者に触覚的な差違を伝えることが可能となり、操作手段に対する注目度を一層好適に向上させることができる。
また、特徴B7に示した技術的思想を具現化するには、操作(変位)を許容するが、それを有効に受け付けない構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成においては、操作したにも関わらず反応がないことで、あたかも故障しているかのような印象を遊技者に対して与えることになりかねない。この点、本特徴に示すように動きそのものを規制してしまえば、そのような誤解を与えることを回避できる。
なお、特徴B8及び特徴B9にて、規制手段として操作手段をロックするロック機構を採用した場合には、当該ロック機構を遊技者側(遊技機正面側)から視認不可とするとよい。
特徴B10.遊技者により操作される操作手段と、
前記操作手段が予め設定された規定回数操作されたことに基づいて所定の演出を実行する演出実行手段と、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選手段と
を備えた遊技機において、
前記演出実行手段は、
前記規定回数を設定する回数データを前記特別遊技状態が発生する期待度に応じて複数記憶する記憶手段(表示制御装置410のROM413)と、
前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記複数の回数データのうち1つを前記規定回数として設定する設定手段(表示制御装置410においてステップS305等の処理を実行する機能)と
を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B10によれば、操作手段を繰り返し操作する場合に、何回目の操作で規定回数に到達したかによって特別遊技状態の発生期待度が示唆されることとなる。これにより、第1特定操作(繰り返し操作)に対する注目度の向上に貢献できる。
特徴B11.前記設定手段は、前記抽選手段による抽選の結果が当選結果となっている場合には、外れ結果となっている場合と比べて、前記複数の回数データのうち対応する規定回数が相対的に少ないものよりも相対的に多いものを選択しやすくなるように設定されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、特別遊技状態が発生する期待度が低い場合には規定回数が少なくなり、期待度が高い場合には規定回数が多くなる。このため、第1特定操作を行う場合には、遊技者は規定回数に到達しないことを期待しながら操作を繰り返すこととなり、同繰り返し操作を遊技者に対して好適に促すことができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル45)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。