JP2018136907A - 見守り装置及びこれを備えた見守りシステム並びに見守り方法 - Google Patents

見守り装置及びこれを備えた見守りシステム並びに見守り方法 Download PDF

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Abstract

【課題】住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出可能とする見守り装置及、見守りシステム並びに見守り方法を提供する。【解決手段】住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部31と、時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データの、直前の電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する活動休止度算出部(電力変化量算出部)32と、時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部33とを備える。居住者に現に異常が発生した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する電力使用量の変化量の指標が、時系列で算出される電力使用量の変化量の指標から排除される。【選択図】図3

Description

本発明は、住居における居住者の異常の発生を検出するための技術に関し、特に、単身で生活する高齢者における異常の発生を検出するのに好適な見守り装置及びこれを備えた見守りシステム並びに見守り方法に関する。
近年、日本では少子高齢化の進展などの人口構造の変化や生活様式の変化にともない、若い世代と離れて生活する高齢者や高齢者世帯が増加している。特に、単身の高齢者にとっては、自らの健康状態を管理することは容易ではなく、また、住居内で高齢者の身体に何らかの異常が発生した場合でも、別居する家族や周辺住民等がそれを早期に発見することは難しい。そこで、そのような高齢者等に異常が発生した場合に、その異常の発生を早期に検出し、離れて暮らす家族等に報知するための見守りの技術が必要とされている。
この種の技術として、例えば、住居の電力量計により計測した全電力使用量の時系列データに基づいて単身者(居住者)の異常を検知するための監視装置を設置し、この監視装置により、全電力使用量の時系列情報の蓄積から抽出される過去の全電力の使用状況のパターンと、現在の全電力使用量の時系列情報から求められる全電力の使用状況との比較に基づいて、例えば、現在の全電力の使用量が少ないことや全電力使用量の変化が少ないことを検知することにより、単身者の健康状態を推定するようにした異常検出方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−216113号公報
上記特許文献1に記載された従来技術では、過去の全電力の使用状況のパターンとして、あらかじめ定められたいくつかのパターン抽出基準の中から、対象住居においてより高い確率で出現しているパターンが特定され、さらに、そのパターンに基づいて一部の所定の時間帯に対して居住者の異常を判定するための判定条件が設定されることにより、それらの所定の時間帯に対して異常の判定が行われる。
一方で、上記従来技術では、対象住居においてより高い確率で出現しているパターンを特定するにあたり、例えば、朝、昼、晩の食事の支度に起因する特徴的な変化などに関する典型的なパターン抽出基準をあらかじめ定める必要があり、そのパターン抽出基準に適合しない生活パターンを有する居住者については、高い確率で出現しているパターンを特定できない場合がある。また、上記従来技術では、そのような高い確率で出現しているパターンを特定できない時間帯については、異常の判定は行われないため、居住者の異常を全く検出することができない。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みて案出されたものであり、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出可能とする見守り装置及びこれを備えた見守りシステム並びに見守り方法を提供することを主目的とする。
本発明の見守り装置は、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部と、前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出部と、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出することが可能となる。
第1実施形態に係る見守りシステム1の全体構成図 図1に示した見守り装置のハードウェア構成図 図1に示した見守り装置の機能ブロック図 図1に示した見守り装置による見守り処理の流れを示すフロー図 図4中のステップST102における活動休止度の算出対象を示す説明図 図4中のステップST103における乖離度の算出対象を示す説明図 図4中のステップST103における乖離度の算出方法を示す説明図 図4中のステップST104における見守り必要度の通知例を示す説明図 図5に示した活動休止度の算出対象の変形例を示す説明図 図7に示した乖離度の算出方法の変形例を示す説明図 第2実施形態に係る見守り装置の機能ブロック図 図11に示した見守り装置による見守り処理の流れを示すフロー図 図12中のステップST104における異常発生の通知例を示す説明図 第3実施形態に係る見守り装置の機能ブロック図 図14中の見守り必要度情報算出部の詳細を示す機能ブロック図 第3実施形態に係る見守り必要度の通知例を示す説明図 外部装置に表示される見守りシステム1の評価画面の第1の例を示す図 外部装置に表示される見守りシステム1の評価画面の第2の例を示す図 外部装置に表示される見守りシステム1の評価画面の第3の例を示す図
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部と、前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出部と、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部とを備え、前記居住者に現に異常が発生した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標から排除されることを特徴とする。
これによれば、居住者における異常の発生を判定するための指標として、所定の時間帯を対象とする現在における電力使用量の変化量の指標と、これに対応する時間帯を対象とする昨日以前の過去における電力使用量の変化量の指標との間の乖離度を用いるため、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出することが可能となり、更に現に異常が発生した際における電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
また、第2の発明では、前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部を更に備えたことを特徴とする。
これによれば、見守り者に対して、居住者における異常の発生の有無をより明確に把握させることが可能となる。
また、第3の発明では、前記電力データ取得部によって取得された前記電力使用量データを記憶する記憶部と、外部装置から前記乖離度に関するユーザの評価情報を取得し、前記評価情報に基づき前記記憶部に蓄積された前記電力使用量データのうち前記電力変化量算出部による前記電力使用量の変化量の指標の算出に用いられる正規の電力使用量データを決定するデータ操作部とを更に備えたことを特徴とする。
これによれば、ユーザの評価情報に基づき適切な電力使用量データを用いて電力使用量の変化量の指標および乖離度を算出することが可能となる。
また、第4の発明は、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部と、前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出部と、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部とを備え、前記異常判定部が居住者に異常が発生したと判定した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する前記電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される前記電力使用量の変化量の指標から排除されることを特徴とする。
これによれば、居住者における異常の発生を判定するための指標として、所定の時間帯を対象とする現在における電力使用量の変化量の指標と、これに対応する時間帯を対象とする昨日以前の過去における電力使用量の変化量の指標との間の乖離度を用いるため、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出することが可能となり、更に異常判定部が、異常が発生したと判定した際の電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
また、第5の発明では、前記現在の対象データには、時系列で連続する複数の単位時間に関する複数の前記電力使用量データが含まれることを特徴とする。
これによれば、複数の単位時間に関する電力使用量の変化量の指標をベクトルとして扱うことが可能となり、居住者における異常の発生を複合的な視点で検出することが可能となる。
また、第6の発明では、前記乖離度は、前記電力使用量の変化量の指標を特徴量とする特徴空間における前記現在の指標と前記過去の指標との距離に基づき算出されることを特徴とする。
これによれば、特徴空間における距離に基づく簡易な手法により、居住者における異常の発生を判定するための指標を算出することが可能となる。
また、第7の発明では、前記時系列で取得される電力使用量データは、あらかじめ設定された所定期間内の電力使用量データのみを含むことを特徴とする。
これによれば、居住者における異常の発生を検出するにあたり、比較的新しい所定期間内の電力使用量データのみを使用する(すなわち、所定期間経過した過去の不適切な電力使用量データを排除する)ことにより、居住者の生活パターンの変化に適切に対応することが可能となる。この場合、所定期間については、対象となる居住者の生活パターンに応じて個別に設定することができる。
また、第8の発明では、前記電力使用量の変化量の指標は、前記電力使用量の変化が小さいほど大きくなる指標であることを特徴とする。
これによれば、居住者に異常が発生している可能性の高い(すなわち、電力使用量の変化が小さい)状況を容易に把握することが可能となる。
また、第9の発明では、前記乖離度をあらかじめ定められた外部装置に対して送信する異常通知部を更に備えたことを特徴とする。
これによれば、外部装置のユーザである見守り者(例えば、居住者と別居する家族その他の居住者における異常の発生を把握すべき者)に対して、居住者における異常の発生の状況を容易に把握させることが可能となる。
また、第10の発明では、上記第1の発明から第9の発明のいずれかに係る見守り装置と、前記見守り装置に対してネットワークを介して通信可能に接続され、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを前記電力データ取得部に送信する電力量計とを備えたことを特徴とする。
また、第11の発明では、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り方法であって、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得ステップと、前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出ステップと、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、前記居住者に現に異常が発生した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標から排除されるステップとを含むことを特徴とする。
第10及び第11の発明によれば、居住者における異常の発生を判定するための指標として、所定の時間帯を対象とする現在における電力使用量の変化量の指標と、これに対応する時間帯を対象とする昨日以前の過去における電力使用量の変化量の指標との間の乖離度を用いるため、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出することが可能となり、更に現に異常が発生した際における電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
また、第12の発明では、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り方法であって、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得ステップと、前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出ステップと、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定するステップと、前記異常の発生の有無を判定するステップにおいて、居住者に異常が発生したと判定した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する前記電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される前記電力使用量の変化量の指標から排除されるステップとを含むことを特徴とする。
これによれば、居住者における異常の発生を判定するための指標として、所定の時間帯を対象とする現在における電力使用量の変化量の指標と、これに対応する時間帯を対象とする昨日以前の過去における電力使用量の変化量の指標との間の乖離度を用いるため、住居での居住者の様々な生活パターンに拘わらず当該居住者における異常の発生を検出することが可能となり、更に異常が発生したと判定した際の電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
また、第13の発明では、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、前記住居で使用される電力使用量の変化量の指標を所定の時間帯毎に算出する電力変化量算出部と、前記指標を記憶する記憶部とを備え、前記居住者に現に異常が発生した場合、異常が発生した時間帯における前記指標が前記記憶部から排除されることを特徴とする。
これによれば、現に異常が発生した時間帯における電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
また、第14の発明では、住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、前記住居で使用される電力使用量の変化量の指標を算出する電力変化量算出部と、前記指標を記憶する記憶部と、前記指標に基づき、前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部とを備え、前記異常判定部が前記居住者に異常が発生したと判定した際に、当該判定に用いられた前記指標が前記記憶部から排除されることを特徴とする。
これによれば、異常判定部が、異常が発生したと判定した際の電力使用量の変化量の指標を排除することによって、本来異常であると判定されるべき状況が異常でないと判定されることを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る見守りシステム1の全体構成図である。
見守りシステム1は、住居2における電力使用量に基づき居住者3の異常の発生を検出するものであり、住居2で使用される電力に関する電力使用量を計測するスマートメータ4と、スマートメータ4によって計測された電力使用量に関するデータ(以下、「電力使用量データ」という。)に基づき、居住者3における異常の発生を検出する見守り装置5と、見守り装置5によって検出された居住者3における異常の発生に関する情報を取得する外部装置6とを主として備える。なお、見守りシステム1において検出対象となる居住者3の異常は、例えば病気やけが等に起因する居住者3の身体的な異常など、住居2の電力使用量に影響を与え得る異常である。
本実施形態において、見守り対象となる居住者3は単身で生活する高齢者であるが、これに限らず、第三者の見守りを必要とする者であれば居住者3の年齢等は問わない。また、居住者3は、単身者に限らず高齢の夫婦や親族同士等のように複数であってもよい。なお、図1では、説明の便宜上、居住者3が生活する1つの住居2のみが示されているが、実用上は、見守りシステム1は、複数の住居でそれぞれ生活する居住者3を見守り対象とすることが可能である。
スマートメータ4は、所定の通信相手に対して電力使用量データを送信可能な通信機能を有する公知の電力量計である。また、スマートメータ4は、ネットワーク10を介して通信可能に接続された見守り装置5に対して所定の時間間隔で電力使用量データを送信する。ここで、ネットワーク10としては、インターネットが用いられるが、これに限らず、他の公知の通信ネットワークを用いることができ、また、ネットワーク10で使用される通信回線についても、携帯電話回線や専用回線などの種類は問わない。
見守り装置5は、種々の情報処理を実行可能なサーバによって構成され、ネットワーク10を介してスマートメータ4や外部装置6などの所定の通信相手と通信可能な公知の通信機能を有する。本実施形態では、見守り装置5は、見守りシステム1の管理者が管理する監視センタ11に設置される。
外部装置6は、見守りシステム1を利用する見守り者(例えば、居住者3と別居する家族その他の居住者3における異常の発生を把握すべき者)が所有する情報機器であり、ここでは、通信機能を有する公知の携帯電話機(スマートフォン)から構成される。また、外部装置6は、ネットワーク10を介して見守り装置5からの各種情報を取得可能である。
なお、外部装置6としては、携帯電話機に限らず、同様の機能を有するタブレットやノートパソコン等の他の情報機器を利用することもできる。また、見守りシステム1では、居住者3に異常が発生したときの救助等の対応を監視センタ11の管理者が行うことが可能な場合には、外部装置6を省略することも可能である。
図2および図3は、それぞれ図1に示した見守り装置5のハードウェア構成図および機能ブロック図である。
図2に示すように、見守り装置5は、公知のハードウェアを有するサーバから構成される。見守り装置5の本体部には、所定の制御プログラムに基づき各種情報処理や周辺機器の制御等を統括的に実行するCPU(Central Processing Unit)等からなるプロセッサ21、プロセッサ21のワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)22、プロセッサ21が実行する制御プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23、及びネットワーク10を介した通信処理を実行するネットワークインターフェース24等が設けられ、それら各構成要素はバス20を介して相互に接続されている。
また、見守り装置5は、周辺機器として、見守りシステム1の管理者が各種命令やデータを入力するためのキーボードやタッチパネル等から構成される入力装置25、後に詳述する見守り装置5が実行する見守り処理に関する各種情報を表示するモニタ26、及びその見守り処理で使用する各種データやそれらデータの演算結果等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)等から構成されるストレージ27等を備える。図3について後に詳述する見守り装置5の各種機能の少なくとも一部は、プロセッサ21が所定の制御プログラム(例えば、見守り処理用のプログラム)を実行することによって実現可能である。
なお、見守り装置5としては、サーバに限らず、同様の機能を果たす他の情報機器(コンピュータ等)を用いることもできる。また、見守り装置5の機能の少なくとも一部を他の公知のハードウェアによる処理によって代替してもよい。
図3に示すように、見守り装置5において、電力データ取得部31は、ネットワーク10を介したスマートメータ4との通信により、電力使用量データを時系列で順次取得する。取得された電力使用量データは、上述のストレージ27等によって構成される記憶部30に順次記憶される。
また後に詳述するように、見守り装置5において、活動休止度算出部(電力変化量算出部)32は、電力データ取得部31によって時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データ(居住者3における異常の発生の検出対象となる最新のデータ)に関し、当該対象データの直前の電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標(以下、「活動休止度」という。)を時系列で算出する。また、乖離度算出部33は、活動休止度算出部32によって時系列で算出される活動休止度において、所定の時間帯を対象とする現在(当日)の活動休止度と、昨日以前における同一の時間帯に対応する1以上の過去の活動休止度との間の乖離度(乖離の度合い)を算出する。それらの算出された活動休止度および乖離度は、それぞれ記憶部30に順次記憶される。
さらに、見守り装置5において、表示部34は、上述のモニタ26によって構成され、乖離度算出部33によって算出された乖離度に関する情報を少なくとも含む見守り必要度情報を見守りシステム1の管理者に対して表示する。この見守り必要度情報は、居住者3に異常が発生している可能性を判断するのに用いられる情報であり、見守り必要度情報には、乖離度に関する情報に対応する時系列の電力使用量などの関連情報を付加することができる。また、異常通知部35は、ネットワーク10を介した外部装置6との通信により、表示部34で表示される見守り必要度情報(またはその情報の一部)を、外部装置6で表示可能なデータに変換して送信する。これにより、外部装置6のユーザは、外部装置6で受信した見守り必要度情報を、居住者3に異常が発生しているか否かを判断するための情報として利用することができ、居住者3の異常発生に関する現在の状況を容易に把握することが可能となる。
なお、上述の構成に限らず、例えば、見守り装置5または見守り装置5の機能の少なくとも一部を実行可能な情報機器を各住居2内に個別に設置する構成としてもよい。その場合、監視センタ11には、例えば、上述の表示部34と同等の表示機能と、異常通知部35と同等の通信機能とを有する情報機器(サーバ等)を別途設置することが可能である。場合によっては、見守り装置5の機能の少なくとも一部をスマートメータ4が実行する構成としてもよい。
図4は見守り装置5による見守り処理の流れを示すフロー図であり、図5は図4中のステップST102における活動休止度の算出対象を示す説明図であり、図6および図7はそれぞれ図4中のステップST103における乖離度の算出対象および乖離度の算出方法を示す説明図であり、図8は図4中のステップST104における見守り必要度の通知例を示す説明図である。
図4に示すように、見守り処理が開始されると、見守り装置5は、まずスマートメータ4から電力使用量データを取得する(ST101)。この電力使用量データの取得は、所定の単位時間毎に(ここでは、30分間隔で)スマートメータ4から順次送信される電力使用量データ(ここでは、30分間に使用された電力の累積値)を見守り装置5が順次受信することにより行われる。受信された電力使用量データは、時間情報(スマートメータ4での計測の日時や、見守り装置5による受信の日時等に関する情報など)が付加された時系列データとして記憶部30に蓄積される。
なお、本実施形態では、電力使用量データは、住居2における全電力使用量に関するものであるが、これに限らず、住居2において電力使用量の変動が比較的大きい所定の1以上の電気器具に関するものであってもよい。また、いわゆるディスアグリゲーション技術によって分離された1以上の特定の電気器具に関するものであってもよい。
また、記憶部30には、あらかじめ設定された所定期間内(例えば、60日間)の電力使用量データのみを記憶する構成とすることができる。これにより、見守り処理において、比較的新しい所定期間内の電力使用量データのみが使用される(すなわち、長期間経過した過去の不適切な電力使用量データが排除される)ことになり、季節変化等に応じた居住者3の生活パターンの変化に適切に対応することが可能となる。また、所定期間については、対象となる居住者3の生活パターンに応じて個別に設定することができる。
次に、見守り装置5は、記憶部30に時系列データとして蓄積した電力使用量データから活動休止度を算出する処理を実行する(ST102)。ここで、活動休止度の算出は、電力使用量データの取得と略同一の時間間隔で(すなわち、新たな電力使用量データを取得する度に)繰り返し行われる。見守り装置5では、シグモイド関数から構成される次の式(1)から活動休止度Nを算出することができる。
Figure 2018136907
式(1)において、ゲインaは、適宜定めることのできる正の実数である。また、xは、時刻tにおける電力変化量E−Et−1(より詳細には、時刻tで取得された電力使用量Eと、その直前の時刻t−1で取得された電力使用量Et−1との差分)の絶対値の逆数であり、電力使用量の変化が小さいほど値が大きくなる。活動休止度Nの算出にシグモイド関数を用いることで、xが無限大に発散したとしても活動休止度Nは1に収束する。
なお、活動休止度Nの収束カーブはゲインaによって調整することができる。ゲインaを大きくするとxの増加に伴って活動休止度Ntは急速に1に漸近し、逆にゲインaを小さくすると活動休止度Ntは緩やかに1に漸近する。
さて、家電機器としては冷蔵庫やエアコン等、常時ONあるいは長期にわたってON状態で動作するものがあり(以下、「家電タイプA」と称する。)、他方、照明器具や電子レンジ等、比較的こまめにON/OFFを切り替えるものがある(以下、「家電タイプB」と称する。)。住居に設置されたスマートメータ4によって30分間隔で電力使用量を計測したとき、これら家電タイプA及び家電タイプBの電力使用量は混在して観察される。
平常時において家電タイプAと家電タイプBとは同時に使用されることが多いため、見守りの観点で重要な点は、家電タイプAが動作している際に居住者に異常が発生した状況、即ち家電タイプAの稼動中に家電タイプBの利用が行われなくなったような状況を的確に検出可能とすることにある。本発明では、上述のようにゲインaを適切に設定したシグモイド関数を用いて電力使用量の変化量の指標(活動休止度)を導出することで、家電タイプA及び家電タイプBの使用が混在する状況においても、家電タイプBの利用が行われなくなった状況を確実に検出することを可能としている。
また、通常、居住者3に異常が生じると、照明器具や家電機器等のON/OFFがなくなることから、電力変化が小さくなる。例えば照明器具の消費電力は比較的小さいことから、見守り処理において電力変化量が小さい状況こそ電力変化をより確実に把握すべき状況であると言える。この観点において、例えばディスアグリゲーションによって、照明器具のON/OFFに伴う電力変化を分離して検出した際においても、活動休止度Nを利用することは大きな意義を持つ。
上述のように、電力変化量の絶対値の逆数をシグモイド関数の入力として得られる活動休止度Nは、小さい電力変化量が増幅され、しかも一定の値(ここでは1)に収束する(すなわち、発散しない)ことから、電力変化量が小さい状況における電力変化の把握に極めて有用である。
他方、活動休止度Nは、電力変化量が大きい場合(すなわち、居住者3が通常どおり活動している状況)は小さな値をとる。後に説明する乖離度Sは複数の活動休止度N同士のユークリッド距離に基づく値であるが、電力変化量が大きい場合に活動休止度Nが小さな値となることで、電力変化量が大きい場合の活動休止度Nは乖離度Sの値に影響を与えにくくなる。
本実施形態では、1日(24時間)当たり30分間隔で48個の電力使用量(30分単位の電力使用量)のデータがスマートメータ4から取得される。例えば図5に示すように、21時(通常は21時を経過した直後。以下同様。)に算出される活動休止度Nは、21時に取得された電力使用量Eとその直前の20時30分に取得された電力使用量Et−1との差分となる。算出された活動休止度Nは、時系列データとして記憶部30に蓄積される。
なお、本実施形態では、電力使用量の変化量の指標として上述のシグモイド関数からなる活動休止度Nを用いたが、これに限らず、他の公知の関数(例えばロジスティック関数)を用いてもよい。ただし、上記活動休止度Nのように、電力使用量の変化が小さいほど大きくなるように電力使用量の変化量の指標を設定することにより、居住者3に何らかの異常が発生している可能性の高い(すなわち、電力使用量の変化が小さい)状況を容易に把握することが可能となる。
続いて、見守り装置5は、記憶部30に時系列データとして蓄積した活動休止度から乖離度を算出する処理を実行する(ST103)。ここで、乖離度の算出は、活動休止度の算出と略同一の時間間隔で(すなわち、新たな活動休止度を算出する度に)繰り返し行われる。見守り装置5では、k近傍法に基づき、新たに算出された活動休止度と、記憶部30に蓄積された過去の対応する時間帯に関する1以上の活動休止度とのユークリッド距離(過去の複数の活動休止度を用いる場合には、ユークリッド距離(以降、「距離」と称する。)の平均値)を乖離度Sとして算出する。算出された乖離度Sは、時系列データとして記憶部30に蓄積される。
例えば図6に示すように、見守り装置5は、乖離度Sの算出にあたり、まず、現在の日付Dにおける最新の(ここでは、1時に算出された0時30分〜1時の間の電力使用量に基づく)活動休止度Nt_dと、記憶部30に蓄積された過去(昨日以前)の日付D−1〜日付D−n(nはあらかじめ定められた日数)の対応する時間帯に関する(すなわち、最新の活動休止度Nt_dが対象とする時間帯に対応する1時に算出された0時30分〜1時の時間帯の電力使用量に基づく)活動休止度Nt_d-1〜日付Nt_d-nとの距離をそれぞれ算出する。
そこで、見守り装置5は、現在(最新)の活動休止度Nt_dと、過去の複数の活動休止度においてその現在の活動休止度Nt_dと比較的近い3つの(ここでは、k近傍法によるk=3とする)活動休止度との各距離の平均値を乖離度Sとして算出する。本実施形態では、活動休止度Nt_dは、所定の1つの電力使用量データ(1つの単位時間に関する電力使用量データ)を対象として算出されるため、例えば図7に示すように、乖離度Sは1軸上における現在の活動休止度Nt_dと比較的近い3つの活動休止度(図7中の円内に示す。)との距離に基づき算出されることになる。
なお、乖離度Sに用いられる過去の活動休止度は必ずしも複数である必要はなく、少なくとも1つの過去の活動休止度(例えば、現在の時間帯に対応する時間帯に関する昨日の1つの活動休止度や、現在の時間帯に対応する時間帯に関する昨日以前の現在と同じ曜日の1つの活動休止度など)が存在すればよい。また、複数の過去の活動休止度を用いて乖離度Sを算出する場合には、上述のような複数の距離の平均値に限らず、他の公知の統計的な代表値(例えば、中央値)をもって乖離度Sとすることもできる。
また、見守り処理を実行するにあたり、予め例えば過去の30日分の電力使用量データを取得・蓄積し、更に活動休止度を算出・蓄積しておき、この蓄積した活動休止度と最新の活動休止度とを用いて乖離度を算出してもよい。過去の活動休止度は実質的に居住者の生活パターンを表す情報であり、一様ではない。例えば、同一の時間帯(例えば12時30分〜1時)であっても、居住者3が在宅している(家電機器等を使用しており、活動休止度は一般に小さい)こともあれば、外出している(家電機器等が使用されておらず、活動休止度は一般に大きい)こともある。このような場合、活動休止度は、在宅中または不在といった二つの生活パターンに基づいて生成される。そして、最新の活動休止度の値が算出されたとき、この値が在宅または不在の際に取得された活動休止度の値と近接していれば、乖離度は小さくなり、他方、在宅および不在の際に取得された活動休止度の値と相違すればするほど、乖離度は大きく算出される。
さて、過去の活動休止度を予め算出・蓄積する過程は、居住者3の生活パターンを学習することに他ならない。この学習は教師あり学習の一種であり、過去に得られた生活パターンには異常がないという前提で、算出された活動休止度には「異常なし」のラベルが付されるとみなすことができる。本実施形態の乖離度算出部33は、同一の時間帯に複数の生活パターンが含まれていても、既に学習の対象となった生活パターンに類似していれば数値として小さな乖離度を、逆に学習の対象となった生活パターンと異なっていれば大きな乖離度を出力することとなる。すなわち、乖離度算出部33は、これまでに学習されていない活動休止度が出現した(既知の生活パターンとは異なる)場合に大きな乖離度を出力するのである。このように本実施形態では、乖離度の算出は非ルールベースで行われる。
次に、見守り装置5は、ステップST103において算出した現在(最新)の乖離度を含む所定期間内の乖離度およびそれに対応する電力使用量を見守り必要度情報として外部装置6に通知(送信)する(ST104)。ここで、見守り装置5は、例えば、見守り必要度情報を含むファイルを添付した電子メールを作成し、その電子メールを見守り者用のメールアドレス宛に所定の頻度で送信することができる。或いは、外部装置6で実行される所定のアプリケーションソフトからのリクエストがあった場合のみ、見守り装置5が外部装置6に対して見守り必要度情報を送信するようにしてもよい。これにより、外部装置6のユーザである見守り者は、ウェブブラウザや専用の閲覧用アプリケーションソフトを介して見守り必要度情報を所望のタイミングで外部装置6のモニタに表示することが可能となる。
また、見守り装置5は、ステップST104の通知と並行して、見守り必要度情報を監視センタ11の管理者に対して表示する(ST105)。これにより、外部装置6のユーザが居住者3における異常の発生に対応できない場合でも、監視センタ11の管理者による対応が可能となる。
上記ステップST104およびST105では、例えば図8に示すように、外部装置6および監視センタ11における見守り装置5のモニタ26に見守り必要度情報が表示される。この図8の例では、現在(7月7日)を含め過去1週間分の乖離度および電力使用量が見守り必要度情報に含まれている。外部装置6のユーザや監視センタ11の管理者は、乖離度の大きさを見守りの必要性を示す指標として、居住者3に異常が発生している可能性を判断することができる。
なお、見守り装置5による見守り処理では、上記ステップST104およびST105の一方を省略した構成も可能である。その場合、見守り装置5において、その省略されたステップを実行する機能やハードウェアについても同様に省略できる。
見守り処理では、スマートメータ4から新たな電力使用量データを取得する度に、上記ステップST101〜ST105が繰り返し実行される。
このように、第1実施形態に係る見守りシステム1では、居住者3における異常の発生を判定するための指標として、所定の時間帯を対象とする活動休止度(現在における電力使用量の変化量の指標)と、これに対応する時間帯を対象とする昨日以前の過去における活動休止度との間の乖離度を用いるため、住居2での居住者3の様々な生活パターンに拘わらず居住者3における異常の発生を検出することが可能となる。
また、第1実施形態に係る見守りシステム1では、居住者3における異常の発生の有無を判定しない(すなわち、居住者3における異常の発生を判定するための指標を見守り者に提供するに留まる)ため、見守りシステム1が異常の発生の有無を誤判定することはなく、居住者3における異常の発生の判断に関する見守り者の自由度が高いという利点もある。
図9は図5に示した活動休止度の算出対象の変形例を示す説明図であり、図10は図7に示した乖離度の算出方法の変形例を示す説明図である。なお、以下で特に言及しない事項については、上述の場合と同様である。
上述の例では、活動休止度Nt_dを1つの単位時間に関する電力使用量データに基づき算出したが、これに限らず、活動休止度Nt_dを時系列で連続する所定の複数の電力使用量データに基づき算出する(すなわち、多次元ベクトルとして扱う)ことも可能である。図9に示す例では、現在の活動休止度Nt_dの算出に用いられる22時の電力使用量Eが、3つの単位時間に関する電力使用量e、et−1、et−2(ここでは、21時、21時30分、22時にそれぞれ取得された20時30分〜21時、21時〜21時30分、21時30分〜22時の間の電力使用量)から構成され、また、その直前の21時30分の電力使用量Et−1が、電力使用量Eに対応する3つの単位時間に関する電力使用量et−1、et−2、et−3(ここでは、20時30分、21時、21時30分にそれぞれ取得された20時〜20時30分、20時30分〜21時、21時〜21時30分の間の電力使用量)から構成される。図9に示す例では、電力使用量Eを3次元ベクトルとして取り扱っている。
この場合、活動休止度から算出される乖離度は、例えば図10に示すように、活動休止度Nt_dの算出に用いられる電力使用量データの数(単位時間の数)に対応する多次元(説明を簡単にするために、ここでは2次元としている)の特徴空間において、現在の活動休止度Nt_dと、比較的近い3つの過去の活動休止度(ここでは、k近傍法によるk=3とし、該当する過去の活動休止度を図10中の円内に示す。)との各距離の平均値として算出される。
このような変形例では、活動休止度Nt_dを、時系列で連続する複数の単位時間に関する複数の電力使用量データに基づき算出するため、電力使用量の変化量の指標をベクトルとして扱う(特徴ベクトル化する)ことが可能となり、より精度良く居住者3における異常の発生を検出することが可能となる。また、乖離度を、特徴空間における現在の活動休止度と過去の活動休止度との距離に基づき算出するため、簡易な手法により、居住者3における異常の発生を判定するための指標を算出することが可能となる。
さて、電力使用量の変化量の指標をベクトルとして扱うことで、過去P時間(例えば24時間)における乖離度をQ時間周期(例えば0.5時間)で算出することができる。更にこれを応用して、例えば過去24時間、過去6時間、過去3時間、過去1時間の乖離度を30分周期で算出することができる。これによって、複合的な視点で見守り必要度情報を得ることが可能となる。
なお、上述の変形例では、1つの活動休止度の算出に用いられる所定数の新たな電力使用量データが蓄積される度に、図4に示したステップST101〜ST105が繰り返し実行されることとなる。
(第2実施形態)
図11は本発明の第2実施形態に係る見守り装置5の機能ブロック図であり、図12は図11に示した見守り装置5による見守り処理の流れを示すフロー図であり、図13は図12中のステップST104における異常発生の通知例を示す説明図である。第2実施形態に関し、以下で特に言及しない事項については、上述の第1実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。なお、図11では、第1実施形態と同様の構成について、同一の符号が示されている。また、図12では、ステップST201〜ST203は、図4に示したステップST101〜ST103とそれぞれ同様である。
図11に示すように、第2実施形態に係る見守り装置5は、乖離度算出部33によって算出された乖離度に基づき、居住者3における異常の発生の有無を判定する異常判定部41を更に備える点において、第1実施形態に係る見守り装置5とは異なる。この異常判定部41により、第2実施形態に係る見守りシステム1では、見守り者に対して、居住者3における異常の発生の有無をより明確に把握させることが可能となる。
より詳細には、図12に示したフロー図において、見守り装置5は、算出した現在(最新)の乖離度を所定の閾値Th(図13参照)と比較することにより、居住者3における異常の発生の有無を判定する(ST204)。この閾値Thは、見守りシステム1の管理者によってあらかじめ設定されるが、これに限らず、居住者3毎に外部装置6のユーザが適宜設定することもできる。
そこで、見守り装置5は、現在の乖離度が閾値Th以上の場合には、居住者3に異常が発生していると判定し(ST205:Yes)、ステップST203において算出した現在の乖離度を含む所定期間内の乖離度およびそれに対応する電力使用量の情報に、居住者3に異常が発生している旨のメッセージ等を付加して異常発生情報として外部装置6に通知する(ST206)。また、見守り装置5は、ステップST206の通知と並行して、その異常発生情報を監視センタ11の管理者に対して表示する(ST207)。一方、ステップST205において、現在の乖離度が閾値Th未満の場合には、居住者3に異常が発生していないと判定され(No)、見守り処理は終了する。
上記ステップST206およびST207では、例えば図13に示すように、外部装置6および監視センタ11における見守り装置5のモニタ26に異常発生情報が表示される。
図13に示す例では、7月2日の深夜に電力使用量の変化が比較的小さい時間帯が存在する(破線で示す領域51を参照)が、このとき、居住者3は通常の就寝中の時間帯であるため、乖離度は閾値Th未満となり、見守り装置5は、居住者3に異常が発生していないと判定する。また、7月4日には、日中にも拘わらず電力使用量の小さい時間帯が存在する(破線で示す領域52を参照)が、このとき、居住者3は通常の活動中である(電力使用量の変化量が比較的大きい)ため、乖離度は閾値Th未満となり、見守り装置5は、居住者3に異常が発生していないと判定する。
一方、図13において、7月5日の夕方に電力使用量の変化が比較的小さい時間帯が存在する(一点鎖線で示す領域53を参照)が、このとき、居住者3は通常とは異なり活動を停止している(電力使用量の変化量が比較的小さく、かつ通常とは異なる)ため、乖離度は閾値Th以上となり、見守り装置5は、居住者3に異常が発生していると判定する。また、7月7日の日中に電力使用量が比較的大きい時間帯が存在する(一点鎖線で示す領域54を参照)が、このとき、居住者3は通常とは異なり活動を停止している(電力使用量の変化量が比較的小さく、かつ通常とは異なる)ため、乖離度は閾値Th以上となり、見守り装置5は、居住者3に異常が発生していると判定する。
このように、見守りシステム1では、上述のような乖離度に基づき居住者3に異常が発生しているか否かを判定するため、電力使用量に関する特定のモデルや条件を設定する必要はなく(例えば、就寝中、在宅活動中、外出中などを明確に区別する必要はなく)、電力使用量の見かけの大小に拘わらず適切に居住者3における異常の発生を検出することができる。また、見守りシステム1では、電力使用量の変化量に関しても特定のモデルや条件を設定する必要はなく、電力使用量の変化量が比較的小さい場合でも、居住者3における異常の発生を精度良く検出することができる。
なお、上記見守り処理では、ST205において、現在の活動休止度が所定の閾値以下(または電力使用量の変化量が所定の閾値以上)であるか否かを判定するようにし、現在の活動休止度が所定の閾値以下(または電力使用量の変化量が所定の閾値以上)である場合には、乖離度の大小に拘わらず、居住者3に異常が発生していないと判定する構成としてもよい。これにより、異常の判定の精度が向上する。或いは、上記見守り処理において、ST202において算出される現在の活動休止度が所定の閾値以上(またはST201で取得された電力使用量の変化量が所定の閾値以上)である場合にのみ、その後のステップを実行する構成としてもよい。これにより、無用な異常の判定の実行を回避することができる。
以降、ST205において居住者3に異常が発生していると判定した(ST205:Yes)場合の処理、特にデータの取り扱いの例について説明する。異常判定部41が「異常が発生している」と判定した場合、この際の乖離度の算出に使用された活動休止度、即ち上述した電力使用量の変化量の指標が記憶部30に蓄積されていくと、将来的にこれと近似する値の活動休止度が算出された状況では、乖離度の値は小さくなる。即ち、新たに算出された活動休止度と空間的に近い位置に、従前に記憶された活動休止度が存在することとなり、当初は異常と判定された状況が繰り返し発生するうちに、異常ではないと判断されることとなる。
「現に異常が発生したか否か」は、最終的にはその状況に関与した者(家族等のユーザ)が判断すべき事項であるが、見守りサービスを事業展開する局面では、特にその導入期においてはユーザの判断が介在しないシステム(即ち、後述する第3実施形態のようなユーザによる評価のフィードバックが存在しないシステム)の試験導入があり得る。また日常の生活パターンが安定している居住者3であれば、評価のフィードバックが不要な場合もあり得る。このようなシステムでは、「仮に誤判定があったとしても、通常とは違う状況が生じれば異常として通知する」安全サイド寄りのシステム設計が望まれる。
従って、本例では、異常判定部41が「異常が発生している」と判定した場合、この判定に用いられた活動休止度を記憶部30から排除することとしている。もちろん、算出された活動休止度を記憶部30に蓄積しないことも、記憶部30から排除することに他ならない。なお、「異常が発生している」との判定に用いられた活動休止度に対応する電力使用量データを記憶部30から排除してもよい。この場合は、削除された電力使用量データが格納されていた記憶領域には削除を示すコードとして、例えばNULLを格納しておくとよい。電力使用量データの一部が欠落することで、データ全体としてみたときに時系列の連続性が確保できなくなることから、NULLは、その前後の電力使用量データを用いた活動休止度の算出を禁止するフラグとして機能する。
このように、活動休止度に対応する電力使用量データを記憶部30から排除することで、それ以降は活動休止度が算出されなくなるため、結果的に活動休止度は記憶部30から排除されることとなる。
また、見守り装置5では、後の第3実施形態において詳述するように、居住者3に異常が発生していると誤判定した回数(見守り者等によって誤判定と指摘された回数)が1以上の所定の回数を超えた場合に、既に記憶部30に蓄積されている全ての電力使用量データ(必要に応じてそれに関連する活動休止度および乖離度を含む)を自動更新(消去を含む)する構成とすることが可能である。これにより、異常の判定の精度が向上する。
また、異常が発生していると誤判定した場合、その判定に用いられた電力使用量データと活動休止度とを積極的に記憶部30に蓄積するようにしてもよい(すなわち、追加学習を行う)。この場合、活動休止度を蓄積する際のデータの個数を、上述したk近傍法で参照する個数(k個)として取り扱うべく、ダミーデータを追加する、或は重みを与えるとよい。このような追加学習を行うことで、見守り者が誤判定であると指摘した状況(生活パターン)に類似する状況が生じても、以降、異常と判断されなくなる(すなわち、追加学習においても、活動休止度を記憶部30に蓄積する処理が、「異常なし」のラベルを付することに相当する)。もちろん、追加学習の際に活動休止度を独立したk個のデータとして取り扱えるようにする措置は必須のものではない。少なくとも誤判定と判断された際の活動休止度を逐一記憶部30に蓄積するようにすれば、誤判定された状況と同様の生活パターンの数が増加すれば、追加学習によって徐々に誤判定は減少していく。
また、見守り装置5では、異常が発生していないと判断された状況において居住者3に現に異常が発生した場合、当該異常発生時に対応する電力使用量データ、あるいは当該電力使用量データに基づき算出される活動休止度に対して、ユークリッド距離が近接する活動休止度に対応する電力使用量データ(以降、「近傍の電力使用量データ」と称することがある。)を、記憶部30に蓄積された電力使用量データから排除(正規のデータから除外)する構成とすることも可能である(電力量使用データを排除あるいは削除するにあたっては、上述のように該当する記憶領域に例えばNULLが格納される。以下、同じ)。これにより、見守り装置5では、異常発生時の不適切な電力使用量データが乖離度の算出に用いられることを回避し、居住者3における異常の発生をより精度良く検出することが可能となる。なお、見守り装置5において、異常が発生していると判断された状況で、居住者3に現に異常が発生した場合、電力使用量データは記憶部30に蓄積されない(この場合も、時系列の連続性を担保するため、上述のように該当する記憶領域に例えばNULLが格納される)。このように、見守り装置5は、現実に異常が発生した状況においては、正判定/誤判定にかかわらず、異常発生時に対応する電力使用量データを記憶部30に記憶することなく、更に近傍の電力使用量データを記憶部30から削除してもよい。以降、この具体例について、第3実施形態において詳細に説明する。
(第3実施形態)
図14は本発明の第3実施形態に係る見守り装置5の機能ブロック図であり、図15は図14中の見守り必要度情報算出部40の詳細を示す機能ブロック図であり、図16は見守り必要度の通知例を示す説明図であり、図17A−図17Cは、それぞれ外部装置6に表示される見守りシステム1の評価画面の第1−第3の例を示す図である。第3実施形態に関し、以下で特に言及しない事項については、上述の第1または第2実施形態の場合と同様として詳細な説明を省略する。なお、図14−図17では、第1または第2実施形態と同様の構成について、同一の符号が示されている。
図14、図15に示すように、第3実施形態に係る見守り装置5では、活動休止度算出部32および乖離度算出部33が、複数の異なるゲインaに基づく乖離度を複数算出するための見守り必要度情報算出部40として機能し、また、外部装置6からの評価情報に基づき記憶部30のデータを操作可能なデータ操作部45が設けられる点において第1および第2実施形態に係る見守り装置5とは異なる。なお、これらの追加された構成による各種機能(その少なくとも一部)は、上述の場合と同様に、プロセッサ21(図2参照)が所定の制御プログラムを実行することによって実現可能である。
活動休止度算出部32は、上述の場合と同様に、電力データ取得部31によって時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、活動休止度を時系列で算出する。ここで、活動休止度算出部32は、図15にも示すように、互いに異なるゲイン(ここでは、a1−a5の5つのゲイン)を設定し、それら各ゲインに基づきそれぞれ活動休止度算出を算出する複数の活動休止度サブ算出部42a−42eを有している。これにより、活動休止度算出部32による活動休止度の算出は、それら全てのゲインa1−a5に関し、電力使用量データの取得と略同一の時間間隔で上述の式(1)に基づき繰り返し行われる。
活動休止度サブ算出部42a−42eにおける各ゲインの値は適宜変更可能であるが、例えば、ゲインa1=1、ゲインa2=5、ゲインa3=10、ゲインa4=50、ゲインa5=100とすることができる。また、活動休止度サブ算出部42a−42eの数(すなわち、活動休止度算出部32で設定するゲインの数)を適宜増減させることも可能である。
ここで、図16は、図13(または図8)に示した電力使用量の推移に関し、図13とは異なるゲイン(図13ではゲインa=1、図16ではゲインa=10とする)を適用して乖離度(活動休止度)を算出した場合の例を示している。ただし、図16の例は、説明の便宜上、図13の場合と対比して示すものであり、居住者3の実際の活動状況は、上述の図13に関する説明とは必ずしも一致しないものとする。また、図16に示す乖離度は、後述するように正規化されたものが示されている。
このようなゲインaの変更により、図16では、図13において乖離度が比較的小さく算出されていた時間帯(領域55、56)において乖離度は閾値Th以上となり、一方で、図13において乖離度が比較的大きく算出されていた時間帯(領域52、54)において乖離度は閾値Th未満となっている。つまり、ゲインの変更により、乖離度に基づく異常の検出パターンが変化するため、各家庭の電力使用状況(使用家電等)に応じて適切なゲインを定めることにより、より適切に異常検出を実行することが可能となる。特に、ゲインの変更により、電力使用状況の変化を検出することが比較的難しい冷蔵庫などの常時電力を消費している家電機器による電力使用状況の変化に基づく異常検出にも対応できるという利点がある。
再び図15を参照して、乖離度算出部33は、活動休止度算出部32における活動休止度サブ算出部42a−42eに対応して設けられ、それら活動休止度サブ算出部42a−42eによって時系列で算出される各活動休止度に基づき乖離度をそれぞれ算出する乖離度サブ算出部43a−43eを有している。
また、乖離度算出部33では、正規化部57は、乖離度サブ算出部43a−43eによってそれぞれ算出された乖離度に対し、各乖離度の相対比較を容易とするための正規化(ここでは、各乖離度に適当なスカラーを掛ける)の処理を実行する。
さらに、乖離度算出部33では、乖離度調整部58は、正規化部57において正規化された後の各ゲインに対応する現在の複数の乖離度において、最大となる乖離度を正規の乖離度として抽出(算出)する。これにより、例えば上述の図13及び図16(ゲインが2つの例)では、領域55に対応する時間帯では、図13における比較的低い乖離度ではなく、図16における比較的高い乖離度が正規の乖離度として抽出され、一方、領域56に対応する時間帯では、図16における比較的低い乖離度ではなく、図13における比較的高い乖離度が正規の乖離度として抽出されることになる。
乖離度調整部58において抽出された乖離度およびそれに対応する活動休止度は、対応する電力使用量データおよびゲインの値の情報とともに記憶部30に記憶される。また、乖離度調整部58において抽出された乖離度に関する情報を少なくとも含む見守り必要度情報は、表示部34および異常通知部35に対してそれぞれ送出される。
このように、第3実施形態に係る見守り装置5では、複数のゲインに基づく乖離度を利用するため、居住者3に異常が発生している場合に、1つのゲインaによって比較的低い乖離度のみが算出されてしまう(すなわち、異常なしと判定される)ことを抑制することができる。また、ディスアグリゲーションによって各電気器具の使用電力を分離して観測可能な状況においては、電気器具に応じてゲインaを調整することも当然に可能である。
また、第3実施形態に係る見守り装置5では、異常通知部35は、見守り必要度情報を送信した外部装置6に対し、見守りシステム1(すなわち、送信した見守り必要度情報)の評価画面(ユーザインターフェース画面)を表示させるための情報を送信することができる。
例えば、図17A−図17Cに示すように、外部装置6のモニタに示される評価画面には、所定日時の各時刻(ここでは、7月1日の10時−12時30分の30分毎)における見守り必要度(乖離度)の大小を示す棒グラフが示される結果表示フィールド61と、ユーザによる評価結果(見守り必要度情報が「役に立った」または「役に立たなかった」)が入力される評価入力フィールド62が含まれる。結果表示フィールド61では、棒グラフの長さがより長いものが見守り必要度(居住者3に異常が発生している可能性)が高いことを示している。
外部装置6のユーザは、見守り装置5から過去に取得した見守り必要度について、実際に居住者3に異常が発生しているか否かの判断に役立ったか(実際の居住者3の異常発生状況と整合しているか)否かを判断し、結果表示フィールド61の入力を行うことができる。
図17Aの例では、見守り装置5からの見守り必要度情報における12時および12時30分において見守り必要度が比較的高い値となっており、このとき、実際に居住者3に異常が発生している(見守り必要度情報が適切である)ことを確認したユーザが「役に立った」と入力した(対応する矩形のチェック欄にタッチして黒塗り状態とした)場合を示している。
また、図17Bの例では、見守り装置5からの見守り必要度情報における10時および12時30分において見守り必要度が比較的高い値となっており、このとき、実際に居住者3には異常が発生していない(見守り必要度情報が適切でない)ことを確認したユーザが「役に立たなかった」(すなわち、見守り装置5による誤判定)と入力した場合を示している。
また、図17Cの例では、見守り装置5からの見守り必要度情報における11時30分および12時において見守り必要度が比較的低い値となっており、このとき、実際に居住者3に異常が発生していること(見守り必要度情報が適切でない)を確認したユーザが「役に立たなかった」と入力した場合を示している。
見守り装置5のデータ操作部45は、上述のユーザによる入力結果を評価情報として適宜受信し、電力使用量データの選択(すなわち、正規の電力使用量データの決定)に利用する。
例えば、見守り必要度(乖離度)が比較的高い(居住者3に異常が発生している可能性が高いことを示す)場合、データ操作部45は、ユーザから「役に立った」と評価された場合(即ち、見守り必要度が高く、かつ現実に異常が発生した場合。図17Aに相当。)には、それに対応する(即ち、現に異常が発生した時間帯の)電力使用量データまたは活動休止度を記憶部30から消去(排除)する。或いは、「役に立った」と評価されたデータに対して「異常あり」のラベルを付する等により、記憶部30に蓄積された電力使用量データまたは活動休止度を排除(正規のデータから除外)する構成としてもよい。なお、「役に立った」と評価されたデータを記憶部30に蓄積しない(すなわち、「役に立った」と評価されなかった電力使用量データ及び活動休止度のみが記憶部30に蓄積される)構成としてもよい。
また例えば、見守り必要度(乖離度)が比較的高い場合、データ操作部45は、ユーザから「役に立たなかった」と評価された場合(即ち、見守り必要度が高いにもかかわらず、現実には異常が発生しなかった場合。図17Bに相当。)には、次回の乖離度の算出(同様の電力使用量の推移の場合)においてその値を低く抑えるために、当該データと同一または比較的近い(上述の図7や図10において、所定のユークリッド距離内にある)1以上のデータを記憶部30に追加することができる。具体的には、対応する時間帯毎に活動休止度を格納する追加領域を記憶部30に設け、この追加領域に活動休止度を蓄積していく。次回の乖離度の算出に際して、時系列に記憶された活動休止度に加えて、追加領域に記憶された活動休止度を併用すればよい。
また例えば、見守り必要度(乖離度)が比較的低い(居住者3に異常が発生している可能性が低いことを示す)場合に、データ操作部45は、ユーザから「役に立った」と評価された場合(即ち、見守り必要度が低く、現実にも異常が発生しなかった場合(通常の状態であり、一般にはユーザは何ら評価を入力しない))には、記憶部30に蓄積された電力使用量データに対し特段の処理を行わない。ただし、データ操作部45は、「役に立った」と評価されたデータにより大きな重み付けを行うために、当該データと同一または比較的近い1以上のデータを記憶部30に追加する構成も可能である。
また例えば、見守り必要度(乖離度)が比較的低い場合に、データ操作部45は、ユーザから「役に立たなかった」と評価された場合(即ち、見守り必要度が低いにもかかわらず、現実には異常が発生した場合。図17Cに相当)には、次回の乖離度の算出(同様の電力使用量の推移の場合)においてその値をより高くするために、当該データと比較的近い(上述の図7や図10において、所定のユークリッド距離内にある)データ(即ち、近傍の電力使用量データ及び活動休止度)の少なくとも一部を記憶部30から消去することが可能である。
この場合、活動休止度算出部32は、データ操作部45によって取得された評価情報(ユーザから「役に立った」と評価された情報)に基づき、例えば機械学習などに基づき、見守り対象の居住者3に適切な1以上のゲインを選択する(例えば、不適切なゲインが設定された活動休止度サブ算出部42a−42eを停止する)ことが可能である。
なお、第3実施形態における見守り必要度情報算出部40の構成は、上述の第1実施形態に同様に適用することができる。また、第3実施形態におけるデータ操作部45を上述の第2実施形態に適用してもよい。
以上、本発明を特定の実施形態に基づいて説明したが、これらの実施形態はあくまでも例示であって、本発明はこれらの実施形態によって限定されるものではない。なお、上記実施形態に示した本発明に係る見守り装置及びこれを備えた見守りシステム並びに見守り方法の各構成要素は、必ずしも全てが必須ではなく、少なくとも本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 見守りシステム
2 住居
3 居住者
4 スマートメータ
5 見守り装置
6 外部装置
10 ネットワーク
11 監視センタ
20 バス
21 プロセッサ
24 ネットワークインターフェース
25 入力装置
26 モニタ
27 ストレージ(電力量計)
30 記憶部
31 電力データ取得部
32 活動休止度算出部(電力変化量算出部)
33 乖離度算出部
34 表示部
35 異常通知部
40 見守り必要度情報算出部
41 異常判定部
42a−42e 活動休止度サブ算出部
43a−43e 乖離度サブ算出部
45 データ操作部
57 正規化部
58 乖離度調整部

Claims (14)

  1. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、
    前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部と、
    前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出部と、
    前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部と
    を備え、
    前記居住者に現に異常が発生した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標から排除されることを特徴とする見守り装置。
  2. 前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の見守り装置。
  3. 前記電力データ取得部によって取得された前記電力使用量データを記憶する記憶部と、
    外部装置から前記乖離度に関するユーザの評価情報を取得し、前記評価情報に基づき前記記憶部に蓄積された前記電力使用量データのうち前記電力変化量算出部による前記電力使用量の変化量の指標の算出に用いられる正規の電力使用量データを決定するデータ操作部と
    を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の見守り装置。
  4. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、
    前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得部と、
    前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出部と、
    前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出部と、
    前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部と
    を備え、
    前記異常判定部が前記居住者に異常が発生したと判定した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する前記電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される前記電力使用量の変化量の指標から排除されることを特徴とする見守り装置。
  5. 前記現在の対象データには、時系列で連続する複数の単位時間に関する複数の前記電力使用量データが含まれることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の見守り装置。
  6. 前記乖離度は、前記電力使用量の変化量の指標を特徴量とする特徴空間における前記現在の指標と前記過去の指標との距離に基づき算出されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の見守り装置。
  7. 前記時系列で取得される電力使用量データは、あらかじめ設定された所定期間内の電力使用量データのみを含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の見守り装置。
  8. 前記電力使用量の変化量の指標は、前記電力使用量の変化が小さいほど大きくなる指標であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の見守り装置。
  9. 前記乖離度をあらかじめ定められた外部装置に対して送信する異常通知部を更に備えたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の見守り装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の見守り装置と、
    前記見守り装置に対してネットワークを介して通信可能に接続され、前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを前記電力データ取得部に送信する電力量計と
    を備えたことを特徴とする見守りシステム。
  11. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り方法であって、
    前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得ステップと、
    前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出ステップと、
    前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、
    前記居住者に現に異常が発生した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標から排除されるステップと
    を含むことを特徴とする見守り方法。
  12. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り方法であって、
    前記住居で使用される電力に関する電力使用量データを時系列で取得する電力データ取得ステップと、
    前記時系列で取得される電力使用量データにおける現在の対象データに関し、当該対象データの直前の前記電力使用量データを基準とする電力使用量の変化量の指標を時系列で算出する電力変化量算出ステップと、
    前記時系列で算出される電力使用量の変化量の指標において、所定の時間帯を対象とする現在の指標と、昨日以前における前記時間帯に対応する1以上の過去の指標との間の乖離度を算出する乖離度算出ステップと、
    前記乖離度に基づき前記居住者における異常の発生の有無を判定するステップと、
    前記異常の発生の有無を判定するステップにおいて、居住者に異常が発生したと判定した場合、当該異常発生時の時間帯に対応する前記電力使用量の変化量の指標が、前記時系列で算出される前記電力使用量の変化量の指標から排除されるステップと
    を含むことを特徴とする見守り方法。
  13. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、
    前記住居で使用される電力使用量の変化量の指標を所定の時間帯毎に算出する電力変化量算出部と、
    前記指標を記憶する記憶部と
    を備え、
    前記居住者に現に異常が発生した場合、異常が発生した時間帯における前記指標が前記記憶部から排除されることを特徴とする見守り装置。
  14. 住居における居住者の異常の発生を検出する見守り装置であって、
    前記住居で使用される電力使用量の変化量の指標を算出する電力変化量算出部と、
    前記指標を記憶する記憶部と、
    前記指標に基づき、前記居住者における異常の発生の有無を判定する異常判定部と
    を備え、
    前記異常判定部が前記居住者に異常が発生したと判定した際に、当該判定に用いられた前記指標が前記記憶部から排除されることを特徴とする見守り装置。
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