JP2018136401A - 液晶表示装置および光学部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高演色性および高輝度であり、かつ、低コストで実現可能な液晶表示装置を提供すること。【解決手段】本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの視認側に該液晶セル側から順に配置された視認側粘着剤層および視認側偏光板と、液晶セルの背面側に該液晶セル側から順に配置された背面側粘着剤層、背面側偏光板および反射型偏光子と、を備え、液晶セルの視認側または背面側のいずれかに波長選択吸収層を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置および光学部材に関する。
低消費電力かつ省スペースの画像表示装置として、液晶表示装置の普及には目覚ましいものがある。液晶表示装置の普及とともに、液晶表示装置の薄型化、大型化および高精細が継続的に要望されている。さらに、近年、液晶表示装置の高演色化(広色域化)に対する要望が強まっている。しかし、広色域化を実現し得る構成は非常に高価となるので、安価な代替技術が強く求められている。
特開2002−040233号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高演色性および高輝度であり、かつ、低コストで実現可能な液晶表示装置を提供することにある。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの視認側に該液晶セル側から順に配置された視認側粘着剤層および視認側偏光板と、該液晶セルの背面側に該液晶セル側から順に配置された背面側粘着剤層、背面側偏光板および反射型偏光子と、を備え、該液晶セルの視認側または背面側のいずれかに波長選択吸収層を有する。
1つの実施形態においては、上記視認側粘着剤層は上記波長選択吸収層として機能する。
1つの実施形態においては、上記液晶表示装置は、上記反射型偏光子の上記背面側偏光板と反対側に上記波長選択吸収層を有する。1つの実施形態においては、上記波長選択吸収層はアンチブロッキング機能を有する。1つの実施形態においては、上記波長選択吸収層の上記反射型偏光子と反対側の表面の算術平均粗さRaは20nm以上である。
1つの実施形態においては、上記液晶表示装置は、上記反射型偏光子と上記波長選択吸収層との間に、面内位相差Re(550)が100nm〜200nmである位相差層をさらに有する。1つの実施形態においては、上記背面側偏光板の偏光子の吸収軸と上記位相差層の遅相軸とのなす角度は40°〜50°である。
1つの実施形態においては、上記波長選択吸収層は、570nm〜610nmの範囲の波長帯域に吸収極大波長を有する波長選択吸収材料を含む。
本発明の別の局面によれば、光学部材が提供される。この光学部材は、波長選択吸収層と反射型偏光子と偏光板と粘着剤層とをこの順に有し、該粘着剤層を介して液晶セルの背面側に貼り合わせられる。
本発明によれば、反射型偏光子と所定の波長選択吸収層とを組み合わせて導入することにより、高演色性および高輝度であり、かつ、低コストで実現可能な液晶表示装置を得ることができる。
本発明の1つの実施形態による液晶表示装置を説明する概略断面図である。 本発明の別の実施形態による液晶表示装置を説明する概略断面図である。 本発明の実施形態において用いられ得る反射型偏光子の一例を示す概略斜視図である。
A.液晶表示装置の全体構成
まず、液晶表示装置の全体構成について、図面を参照して代表的な実施形態を説明する。各図面において、同一の構成要素は同一符号を付し、重複した説明は省略する。また、見やすくするために、図面における各層の厚みの比率は実際とは異なっている。なお、液晶表示装置の構成要素については、B項〜H項で詳細に説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置を説明する概略断面図である。本実施形態の液晶表示装置100は、液晶セル10と、液晶セル10の視認側に液晶セル10側から順に配置された視認側粘着剤層21および視認側偏光板31と、液晶セル10の背面側に液晶セル10側から順に配置された背面側粘着剤層22、背面側偏光板32および反射型偏光子40と、を備える。本実施形態においては、視認側粘着剤層21が波長選択吸収層として機能する(以下、本実施形態における視認側粘着剤層21を波長選択吸収粘着剤層と称する)。
図2は、本発明の別の実施形態による液晶表示装置を説明する概略断面図である。本実施形態の液晶表示装置101は、液晶セル10と、液晶セル10の視認側に液晶セル10側から順に配置された視認側粘着剤層23および視認側偏光板31と、液晶セル10の背面側に液晶セル10側から順に配置された背面側粘着剤層22、背面側偏光板32、反射型偏光子40および波長選択吸収層50と、を備える。図示例のように、必要に応じて、反射型偏光子40と波長選択吸収層50との間に位相差層60が設けられてもよい。位相差層60の光学特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、厚み方向位相差、Nz係数、光弾性係数、波長分散特性)、数、組み合わせ、配置順序等は、目的に応じて適切に設定され得る。本実施形態においては、視認側粘着剤層23は、波長選択吸収機能を実質的に有さない通常の粘着剤層である。本実施形態においては、波長選択吸収層50は、アンチブロッキング機能を有していてもよい。本明細書において「波長選択吸収層がアンチブロッキング機能を有する」とは、波長選択吸収層50自体がアンチブロッキング機能を有する構成、および、波長選択吸収層50の反射型偏光子と反対側の表面にアンチブロッキング層が形成されている構成を包含する。
上記の各構成要素は、単一のフィルムまたは層として液晶セルに順次積層されてもよく、複数のフィルムおよび/または層の積層体として液晶セルに積層されてもよい。例えば、偏光板と波長選択吸収粘着剤層とを有する光学部材(波長選択吸収粘着剤層付偏光板)を、その波長選択吸収粘着剤層を介して液晶セルの視認側に積層してもよく;波長選択吸収層と反射型偏光子と偏光板と粘着剤層とをこの順に有する光学部材を、その粘着剤層を介して液晶セルの背面側に積層してもよい。したがって、これらの光学部材も本発明に包含され得る。また、粘着剤層付偏光板と、波長選択吸収層および反射型偏光子を含む光学部材と、を液晶セルの背面側に順次積層してもよい。
いずれの実施形態の液晶表示装置も、代表的には、反射型偏光子40または波長選択吸収層50の液晶セル10と反対側にバックライトユニット(図示せず)をさらに備える。バックライトユニットは、任意の適切な構成が採用され得る。例えば、バックライトユニットは、エッジライト方式であってもよく、直下方式であってもよい。直下方式が採用される場合、バックライトユニットは、例えば、光源と反射フィルムと拡散板と上記の光学部材とを有する。エッジライト方式が採用される場合、バックライトユニットは、導光板とライトリフレクターとをさらに有し得る。光源は、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。バックライトユニットの具体的な構成は当業界で周知であるので、詳細な説明は省略する。
上記の実施形態は適宜組み合わせてもよく、上記の実施形態における構成要素に当業界で自明の改変を加えてもよい。
B.視認側粘着剤層
B−1.波長選択吸収粘着剤層
波長選択吸収粘着剤層21は、代表的には、マトリックスとしての粘着剤と、当該粘着剤に分散した波長選択吸収材料とを含む。
B−1−1.粘着剤
粘着剤としては、任意の適切な粘着剤を用いることができる。粘着剤は、好ましくは、低い酸素透過性および透湿性を有し、高い光安定性および化学的安定性を有し、所定の屈折率を有し、優れた透明性を有し、および/または、波長選択吸収材料に対して優れた分散性を有する。
粘着剤の具体例としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、セルロース系粘着剤が挙げられる。好ましくは、ゴム系粘着剤またはアクリル系粘着剤である。
ゴム系粘着剤(粘着剤組成物)のゴム系ポリマーは、室温付近の温度域においてゴム弾性を示すポリマーである。好ましいゴム系ポリマー(A)としては、スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)、イソブチレン系ポリマー(A2)、およびその組み合わせが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS、SISの水添物)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水添物)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等のスチレン系ブロックコポリマーを挙げることができる。これらの中でも、分子の両末端にポリスチレンブロックを有し、ポリマーとして高い凝集力を有する点から、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS、SISの水添物)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)が好ましい。スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)として市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、(株)クラレ製のSEPTON、HYBRAR、旭化成ケミカルズ(株)製のタフテック、(株)カネカ製のSIBSTARが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)の重量平均分子量は、好ましくは5万〜50万程度であり、より好ましくは5万〜30万程度であり、さらに好ましくは5万〜25万程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)の重量平均分子量がこのような範囲であれば、ポリマーの凝集力と粘弾性を両立できるため好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)中のスチレン含有量は、好ましくは5重量%〜70重量%程度であり、より好ましくは5重量%〜40重量%程度であり、さらに好ましくは10重量%〜20重量%程度である。スチレン系熱可塑性エラストマー(A1)中のスチレン含有量がこのような範囲であれば、スチレン部位による凝集力を保ちながら、ソフトセグメントによる粘弾性を確保できるため好ましい。
イソブチレン系ポリマー(A2)としては、イソブチレンを構成単量体として含み、重量平均分子量(Mw)が好ましくは50万以上であるものを挙げることができる。イソブチレン系ポリマー(A2)は、イソブチレンのホモポリマー(ポリイソブチレン、PIB)であってもよく、イソブチレンを主モノマーとするコポリマー(すなわち、イソブチレンが50モル%を超える割合で共重合されたコポリマー)であってもよい。このようなコポリマーとしては、例えば、イソブチレンとノルマルブチレンとの共重合体、イソブチレンとイソプレンとの共重合体(例えば、レギュラーブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、部分架橋ブチルゴム等のブチルゴム類)、これらの加硫物や変性物(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の官能基で変性したもの)等を挙げることができる。これらの中でも、主鎖の中に二重結合を含まず耐候性に優れる点から、ポリイソブチレン(PIB)が好ましい。イソブチレン系ポリマー(A2)として市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、BASF社製のOPPANOLが挙げられる。
イソブチレン系ポリマー(A2)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは50万以上であり、より好ましくは60万以上であり、さらに好ましくは70万以上である。また、重量平均分子量(Mw)の上限は、好ましくは500万以下であり、より好ましくは300万以下であり、さらに好ましくは200万以下である。イソブチレン系ポリマー(A2)の重量平均分子量を50万以上とすることで、高温保管時の耐久性がより優れる粘着剤組成物とすることができる。
粘着剤(粘着剤組成物)におけるゴム系ポリマー(A)の含有量は、粘着剤組成物の全固形分中、好ましくは30重量%以上であり、より好ましくは40重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%以上であり、特に好ましくは60重量%以上である。ゴム系ポリマーの含有量の上限は、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは90重量%以下である。
ゴム系粘着剤において上記のゴム系ポリマー(A)と他のゴム系ポリマーとを組み合わせて用いてもよい。他のゴム系ポリマーの具体例としては、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、EPR(二元系エチレン−プロピレンゴム)、EPT(三元系エチレン−プロピレンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリプロピレンとEPT(三元系エチレン−プロピレンゴム)とのポリマーブレンド等のブレンド系熱可塑性エラストマーが挙げられる。他のゴム系ポリマーの配合量は、上記ゴム系ポリマー(A)100重量部に対して好ましくは10重量部程度以下である。
アクリル系粘着剤(粘着剤組成物)のアクリル系ポリマーは、代表的には、アルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有し、目的に応じた共重合成分として、芳香環含有(メタ)アクリレート、アミド基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーおよび/またはヒドロキシル基含有モノマーを含有し得る。本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。芳香環含有(メタ)アクリレートは、その構造中に芳香環構造を含み、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物である。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、またはビフェニル環が挙げられる。芳香環含有(メタ)アクリレートは、耐久性(特に、透明導電層に対する耐久性)を満足し、かつ周辺部の白ヌケによる表示ムラを改善することができる。アミド基含有モノマーは、その構造中にアミド基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。カルボキシル基含有モノマーは、その構造中にカルボキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。ヒドロキシル基含有モノマーは、その構造中にヒドロキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。アクリル系粘着剤の詳細は、例えば特開2015−199942号公報に記載されており、当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
B−1−2.波長選択吸収材料
波長選択吸収材料の代表例としては、波長選択吸収性色素が挙げられる。波長選択吸収性色素としては、任意の適切な波長選択吸収性色素が用いられ得る。波長選択吸収性色素の具体例としては、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、スクアリリウム系、シアニン系、ポルフィリン系、アザポルフィリン系、フタロシアニン系、サブフタロシアニン系、キニザリン系、ポリメチン系、ローダミン系、オキソノール系、キノン系、アゾ系、キサンテン系、アゾメチン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリドン系、イソインドリノン系、インダンスロン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、キノリン系、トリフェニルメタン系の化合物が挙げられる。
波長選択吸収材料は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。波長選択吸収材料が単独で用いられる場合、波長選択吸収材料は、好ましくは570nm〜610nmの範囲の波長帯域に吸収極大波長を有する。このような構成であれば、赤色光と緑色光の混色が良好に防止され得る。その結果、非常に優れた演色性が実現され得る。2種類の波長選択吸収材料が組み合わせて用いられる場合、代表的には、上記の波長選択吸収材料(第1の波長選択吸収材料)と別の波長選択吸収材料(第2の波長選択吸収材料)とが組み合わせて用いられ得る。第1の波長選択吸収材料は、上記のとおり好ましくは570nm〜610nmの範囲の波長帯域に吸収極大波長を有し、第2の波長選択吸収材料は、好ましくは470nm〜500nmの範囲の波長帯域に吸収極大波長を有する。このような構成であれば、赤色光と緑色光の混色だけでなく、緑色光と青色光の混色も良好に防止され得る。その結果、さらに優れた演色性が実現され得る。第1の波長選択吸収材料としては、例えば、インジゴ系、ローダミン系、キナクリドン系、ポルフィリン系の化合物が挙げられる。第2の波長選択吸収材料としては、例えば、アントラキノン系、オキシム系、ナフトキノン系、キニザリン系、オキソノール系、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の化合物が挙げられる。なお、目的に応じて3種以上の波長選択吸収材料を組み合わせて用いてもよいことは言うまでもない。
波長選択吸収材料は、好ましくは発光性も併せて有し得る。発光性を有する波長選択吸収材料を用いることにより、輝度を向上させ得るという利点がある。
波長選択吸収粘着剤層における波長選択吸収材料の含有量(2種以上を用いる場合には合計の含有量)は、粘着剤の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜100重量部、より好ましくは0.01重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜10重量部である。このような範囲であれば、高輝度と高色域(高演色性)の両立が可能となる。
B−1−3.その他
波長選択吸収粘着剤層(実質的には、粘着剤)は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、光拡散材料、光に異方性を付与する材料、光を偏光化する材料が挙げられる。光拡散材料の具体例としては、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン系樹脂、またはこれらの共重合系樹脂で構成される微粒子が挙げられる。光に異方性を付与する材料および/または光を偏光化する材料の具体例としては、長軸と短軸で複屈折が異なる楕円球状微粒子、コアシェル型微粒子、積層型微粒子が挙げられる。添加剤の種類、数、配合量等は、目的に応じて適切に設定され得る。
波長選択吸収粘着剤層の厚みは、好ましくは10μm〜100μmであり、より好ましくは20μm〜60μmである。
B−2.通常の視認側粘着剤層
通常の視認側粘着剤層23は、波長選択吸収材料を含まないこと以外はB−1項で説明した波長選択吸収粘着剤層と同様である。
C.視認側偏光板
視認側偏光板31は、代表的には、吸収型偏光子と、吸収型偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する。
C−1.偏光子
吸収型偏光子としては、任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、偏光子を形成する樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたもの、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。好ましくは、光学特性に優れることから、PVA系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸して得られた偏光子が用いられる。
上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報に記載されている。当該公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、1つの実施形態においては、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは1μm〜12μmであり、さらに好ましくは3μm〜12μmであり、特に好ましくは3μm〜8μmである。偏光子の厚みがこのような範囲であれば、加熱時のカールを良好に抑制することができ、および、良好な加熱時の外観耐久性が得られる。偏光子の厚みは、別の実施形態においては、好ましくは15μmを超えて30μm以下である。
偏光子は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、上記のとおり43.0%〜46.0%であり、好ましくは44.5%〜46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
上記単体透過率及び偏光度は、分光光度計を用いて測定することができる。上記偏光度の具体的な測定方法としては、上記偏光子の平行透過率(H)及び直交透過率(H90)を測定し、式:偏光度(%)={(H−H90)/(H+H90)}1/2×100より求めることができる。上記平行透過率(H)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が平行となるように重ね合わせて作製した平行型積層偏光子の透過率の値である。また、上記直交透過率(H90)は、同じ偏光子2枚を互いの吸収軸が直交するように重ね合わせて作製した直交型積層偏光子の透過率の値である。なお、これらの透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
C−2.保護層
保護層は、偏光板の保護フィルムとして使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
偏光子の視認側に保護層が設けられる場合、当該保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、当該保護層には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。このような処理を施すことにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、液晶表示装置は、屋外においても好適に用いられ得る。
偏光子の液晶セル側に保護層が設けられる場合、当該保護層は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm〜10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が−10nm〜+10nmであることをいう。ここで、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差であり、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、Re(550)は、式:Re(λ)=(nx−ny)×dによって求められ、Rth(550)は、式:Rth(λ)=(nx−nz)×dによって求められる。なお、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
保護層の厚みは、好ましくは20μm〜100μmである。保護層は、接着層(具体的には、接着剤層、粘着剤層)を介して偏光子に積層されていてもよく、偏光子に密着(接着層を介さずに)積層されていてもよい。接着剤層は、任意の適切な接着剤で形成される。接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水溶性接着剤は、好ましくは、金属化合物コロイドをさらに含有し得る。金属化合物コロイドは、金属化合物微粒子が分散媒中に分散しているものであり得、微粒子の同種電荷の相互反発に起因して静電的安定化し、永続的に安定性を有するものであり得る。金属化合物コロイドを形成する微粒子の平均粒子径は、偏光特性等の光学特性に悪影響を及ぼさない限り、任意の適切な値であり得る。好ましくは1nm〜100nm、さらに好ましくは1nm〜50nmである。微粒子を接着剤層中に均一に分散させ得、接着性を確保し、かつクニックを抑え得るからである。なお、「クニック」とは、偏光子と保護層の界面で生じる局所的な凹凸欠陥のことをいう。粘着剤層は、任意の適切な粘着剤で構成される。
D.背面側粘着剤層
背面側粘着剤層22は、波長選択吸収材料を含まないこと以外はB−1項で説明した波長選択吸収粘着剤層と同様である。
E.背面側偏光板
背面側偏光板32もまた、代表的には、吸収型偏光子と、吸収型偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、を有する。吸収型偏光子および保護層については、視認側偏光板と同様である。ただし、背面側偏光板においては、液晶セル側および背面側のいずれの保護層にも、上記C−2項に記載のような表面処理が施されることはない。
F.反射型偏光子
反射型偏光子40は、特定の偏光状態(偏光方向)の偏光を透過し、それ以外の偏光状態の光を反射する機能を有する。反射型偏光子40は、直線偏光分離型であってもよく、円偏光分離型であってもよい。以下、一例として、直線偏光分離型の反射型偏光子について説明する。なお、円偏光分離型の反射型偏光子としては、例えば、コレステリック液晶を固定化したフィルムとλ/4板との積層体が挙げられる。
図3は、反射型偏光子の一例の概略斜視図である。反射型偏光子は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、このような多層積層体の層の総数は、50〜1000であり得る。図示例では、A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、反射型偏光子の製造方法における反射型偏光子の延伸方向に対応する。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。ポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
反射型偏光子は、A層とB層との界面において、第1の偏光方向を有する光(例えば、p波)を透過し、第1の偏光方向とは直交する第2の偏光方向を有する光(例えば、s波)を反射する。反射した光は、A層とB層との界面において、一部が第1の偏光方向を有する光として透過し、一部が第2の偏光方向を有する光として反射する。反射型偏光子の内部において、このような反射および透過が多数繰り返されることにより、光の利用効率を高めることができる。
1つの実施形態においては、反射型偏光子は、図3に示すように、波長変換層10側の最外層として反射層Rを含んでいてもよい。反射層Rを設けることにより、最終的に利用されずに反射型偏光子の最外部に戻ってきた光をさらに利用することができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。反射層Rは、代表的には、ポリエステル樹脂層の多層構造により反射機能を発現する。
反射型偏光子の全体厚みは、目的、反射型偏光子に含まれる層の合計数等に応じて適切に設定され得る。反射型偏光子の全体厚みは、好ましくは10μm〜150μmである。
1つの実施形態においては、液晶表示装置100において、反射型偏光子40は、背面側偏光板32の透過軸に平行な偏光方向の光を透過するようにして配置される。すなわち、反射型偏光子40は、その透過軸が背面側偏光板32の透過軸方向と略平行方向となるようにして配置される。このような構成とすることにより、背面側偏光板32に吸収されてしまう光を再利用することができ、利用効率をさらに高めることができ、また、輝度も向上できる。
反射型偏光子は、代表的には、共押出と横延伸とを組み合わせて作製され得る。共押出は、任意の適切な方式で行われ得る。例えば、フィードブロック方式であってもよく、マルチマニホールド方式であってもよい。例えば、フィードブロック中でA層を構成する材料とB層を構成する材料とを押出し、次いで、マルチプライヤーを用いて多層化する。なお、このような多層化装置は当業者に公知である。次いで、得られた長尺状の多層積層体を代表的には搬送方向に直交する方向(TD)に延伸する。A層を構成する材料(例えば、ポリエチレンナフタレート)は、当該横延伸により延伸方向においてのみ屈折率が増大し、結果として複屈折性を発現する。B層を構成する材料(例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステル)は、当該横延伸によってもいずれの方向にも屈折率は増大しない。結果として、延伸方向(TD)に反射軸を有し、搬送方向(MD)に透過軸を有する反射型偏光子が得られ得る(TDが図3のx軸方向に対応し、MDがy軸方向に対応する)。なお、延伸操作は、任意の適切な装置を用いて行われ得る。
反射型偏光子としては、例えば、特表平9−507308号公報に記載のものが使用され得る。
反射型偏光子は、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製の商品名DBEF、3M社製の商品名APFが挙げられる。
G.波長選択吸収層
波長選択吸収層50は、代表的には、マトリックスとしての樹脂と、当該マトリックスに分散した波長選択吸収材料とを含む。
マトリックスを構成する樹脂としては、任意の適切な樹脂を用いることができる。具体的には、樹脂は、熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂であってもよく、活性エネルギー線硬化性樹脂であってもよい。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂が挙げられる。樹脂の具体例としては、エポキシ、(メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート)、ノルボルネン、ポリエチレン、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ尿素、ポリウレタン、アミノシリコーン(AMS)、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリフェニルアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、シルセスキオキサン、フッ化シリコーン、ビニルおよび水素化物置換シリコーン、スチレン系ポリマー(例えば、ポリスチレン、アミノポリスチレン(APS)、ポリ(アクリルニトリルエチレンスチレン)(AES))、二官能性モノマーと架橋したポリマー(例えば、ジビニルベンゼン)、ポリエステル系ポリマー(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、セルロース系ポリマー(例えば、トリアセチルセルロース)、塩化ビニル系ポリマー、アミド系ポリマー、イミド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、アクリルウレタン系ポリマーが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、組み合わせて(例えば、ブレンド、共重合)用いてもよい。これらの樹脂は膜を形成後に延伸、加熱、加圧といった処理を施してもよい。好ましくは、熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂である。
波長選択吸収材料は、波長選択吸収粘着剤層に関して上記B−1−2項で説明したとおりである。
波長選択吸収層における波長選択吸収材料の含有量(2種以上を用いる場合には合計の含有量)は、マトリックス材料(樹脂)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜100重量部、より好ましくは0.01重量部〜50重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜10重量部である。このような範囲であれば、高輝度と高色域(高演色性)の両立が可能となる。
波長選択吸収層は、例えば、マトリックス材料(樹脂)と波長選択吸収材料と必要に応じて添加剤とを含む液状組成物を塗布することにより形成され得る。例えば、波長選択吸収層は、マトリックス材料、波長選択吸収材料、必要に応じて添加剤、溶媒、および重合開始剤を含む液状組成物を任意の適切な支持体に塗布し、次いで乾燥および/または硬化させることにより形成され得る。溶媒および重合開始剤は、使用するマトリックス材料(樹脂)の種類に応じて適切に設定され得る。塗布方法としては、任意の適切な塗布方法を用いることができる。具体例としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法が挙げられる。硬化条件は、使用するマトリックス材料(樹脂)の種類および組成物の組成等に応じて適切に設定され得る。
支持体に形成された波長選択吸収層は、液晶表示装置の他の構成要素(例えば、反射型偏光子、位相差層)に転写され得る。
波長選択吸収層は、単一層であってもよく、積層構造を有していてもよい。波長選択吸収層が積層構造を有する場合には、それぞれの層は、代表的には異なる吸収極大波長を有する波長選択吸収材料を含み得る。
波長選択吸収層の厚み(積層構造を有する場合には、その総厚み)は、好ましくは1μm〜500μmであり、より好ましくは100μm〜400μmである。波長選択吸収層の厚みがこのような範囲であれば、特定波長の光の吸収効率および耐久性に優れ得る。波長選択吸収層が積層構造を有する場合の各層の厚みは、好ましくは1μm〜300μmであり、より好ましくは10μm〜250μmである。
波長選択吸収層は、好ましくは、酸素および/または水蒸気に対してバリア機能を有する。本明細書において「バリア機能を有する」とは、波長選択吸収層に侵入する酸素および/または水蒸気の透過量を制御して波長選択吸収材料をこれらから実質的に遮断することを意味する。波長選択吸収層の厚み50μm換算の水蒸気透過率(透湿度)は、好ましくは100g/m・day以下であり、より好ましくは80g/m・day以下である。マトリックス材料(樹脂)を適切に選択することにより、所望のバリア機能を得ることができる。
1つの実施形態においては、波長選択吸収層はアンチブロッキング機能を有する。上記のとおり、波長選択吸収層自体がアンチブロッキング機能を有していてもよく、波長選択吸収層の反射型偏光子と反対側の表面にアンチブロッキング層が形成されてもよい。波長選択吸収層がアンチブロッキング機能を有することにより、波長選択吸収層を含む積層光学フィルムを保管する際に優れたアンチブロッキング性を実現するのみならず、液晶表示装置においてバックライトユニットに起因する傷を抑制することができる(優れた耐傷性を実現することができる)。
波長選択吸収層自体にアンチブロッキング機能を付与する場合、代表的には、上記のマトリックス材料(樹脂)に所望の特性および最頻粒子径を有する微粒子を分散させる。微粒子は、好ましくは透明性を有する。このような微粒子を構成する材料としては、金属酸化物、ガラス、樹脂が挙げられる。具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム等の無機系微粒子、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン、ポリカーボネート等の有機系微粒子、シリコーン系粒子などが挙げられる。微粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましくは有機系微粒子であり、より好ましくはアクリル系樹脂の微粒子である。屈折率が適切だからである。
微粒子の最頻粒子径は、アンチブロッキング層に所望される耐傷性、アンチブロッキング性、ヘイズ等に応じて適切に設定することができる。微粒子の最頻粒子径は、例えば、アンチブロッキング層の厚さの±50%の範囲内である。なお、本明細書において「最頻粒子径」とは、粒子分布の極大値を示す粒径をいい、フロー式粒子像分析装置(Sysmex社製、製品名「FPTA−3000S」)を用いて、所定条件下(Sheath液:酢酸エチル、測定モード:HPF測定、測定方式:トータルカウント)で測定することによって求められる。測定試料としては、粒子を酢酸エチルで1.0重量%に希釈し、超音波洗浄機を用いて均一に分散させた分散液が用いられ得る。
波長選択吸収層における微粒子の含有量は、マトリックス材料(樹脂)の固形分100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜1.0重量部であり、より好ましくは0.1重量部〜0.5重量部であり、さらに好ましくは0.1重量部〜0.2重量部である。微粒子の含有量が少なすぎると、耐傷性またはアンチブロッキング性が不十分となる場合がある。微粒子の含有量が多すぎると、アンチブロッキング層のヘイズが高くなり、液晶表示装置の視認性が不十分となる場合がある。
アンチブロッキング層を形成する場合、当該アンチブロッキング層は、代表的には、マトリックスとしての樹脂と、当該マトリックスに分散した微粒子とを含む。マトリックス材料(樹脂)としては、波長選択吸収層のマトリックス材料(樹脂)と同様のものを用いることができる。微粒子としては、波長選択吸収層自体にアンチブロッキング機能を付与する場合の微粒子と同様のものを用いることができる。アンチブロッキング層は、上述した波長選択吸収層の形成方法と同様の方法で形成され得る。アンチブロッキング層は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。添加剤の具体例としては、反応性希釈剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤が挙げられる。添加剤の数、種類、組み合わせ、添加量等は目的に応じて適切に設定され得る。
アンチブロッキング層の厚みは、好ましくは0.5μm〜2.0μmであり、より好ましくは0.8μm〜1.5μmである。このような厚みであれば、液晶表示装置に所望される光学特性に悪影響を与えることなく、良好な耐傷性およびアンチブロッキング性を確保することができる。
アンチブロッキング層の構成、材料、形成方法等の詳細は、例えば、特開2015−115171号公報、特開2015−141674号公報、特開2015−120870号公報、特開2015−005272号公報に記載されている。これらの記載は、本明細書に参考として援用される。
波長選択吸収層自体にアンチブロッキング機能を付与する場合およびアンチブロッキング層を形成する場合のいずれの場合であっても、その液晶セル側の表面(反射型偏光子と反対側の表面)は、代表的には凹凸表面であり得る。凹凸表面は、微細な凹凸表面であってもよく、平坦部と隆起部とを有する表面であってもよい。1つの実施形態においては、表面の算術平均粗さRaは、好ましくは20nm以上であり、より好ましくは20nm〜50nmである。
H.位相差層
位相差層60は、目的に応じて任意の適切な光学的特性および/または機械的特性を有し得る。
位相差層は、代表的には屈折率特性がnx>ny≧nzの関係を示す。位相差層は、1つの実施形態においてはλ/4板として機能し得る。この場合、位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm〜200nm、より好ましくは110nm〜180nm、さらに好ましくは120nm〜160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。したがって、本発明の効果を損なわない範囲で、ny<nzとなる場合があり得る。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.9〜3、より好ましくは0.9〜2.5、さらに好ましくは0.9〜1.5、特に好ましくは0.9〜1.3である。
位相差層は、上記のような屈折率特性を有する結果として、代表的には遅相軸を有する。1つの実施形態においては、位相差層の遅相軸と背面側偏光板の偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°〜50°であり、より好ましくは42°〜48°であり、さらに好ましくは約45°である。
位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。1つの実施形態においては、位相差層は、逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。
位相差層は、光弾性係数の絶対値が好ましくは2×10−11/N以下、より好ましくは2.0×10−13/N〜1.5×10−11/N、さらに好ましくは1.0×10−12/N〜1.2×10−11/Nの樹脂を含む。光弾性係数の絶対値がこのような範囲であれば、加熱時の収縮応力が発生した場合に位相差変化が生じにくい。その結果、得られる液晶表示装置の熱ムラが良好に防止され得る。
位相差層は、樹脂フィルム(代表的には、延伸フィルム)で構成されてもよく、液晶化合物の配向固化層であってもよい。
樹脂フィルムとしては、上記の特性を満足し得る任意の適切な樹脂フィルムを用いることができる。そのような樹脂の代表例としては、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂が挙げられる。位相差層が逆分散波長特性を示す樹脂フィルムで構成される場合、ポリカーボネート系樹脂が好適に用いられ得る。位相差層は、樹脂フィルムを所望の特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数)に応じた任意の適切な延伸方法および延伸条件で延伸することにより得られ得る。
液晶化合物としては、例えば、液晶相がネマチック相である液晶化合物(ネマチック液晶)が挙げられる。このような液晶化合物として、例えば、液晶ポリマーや液晶モノマーが使用可能である。液晶化合物の液晶性の発現機構は、リオトロピックでもサーモトロピックでもどちらでもよい。液晶ポリマーおよび液晶モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせてもよい。液晶化合物が液晶モノマーである場合、当該液晶モノマーは、重合性モノマーおよび架橋性モノマーであることが好ましい。液晶モノマーを重合または架橋(すなわち、硬化)させることにより、液晶モノマーの配向状態を固定できるからである。液晶モノマーを配向させた後に、例えば、液晶モノマー同士を重合または架橋させれば、それによって上記配向状態を固定することができる。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋により3次元網目構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。したがって、形成された位相差層は、例えば、液晶性化合物に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。その結果、位相差層は、温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた位相差層となる。なお、本明細書において「配向固化層」とは、液晶化合物が層内で所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている層をいう。「配向固化層」は、上記の配向硬化層も包含する概念である。液晶化合物の具体例および配向固化層の形成方法の詳細は、特開2006−163343号公報に記載されている。当該公報の記載は本明細書に参考として援用される。
位相差層の厚みは、λ/4板として所望の面内位相差が得られるように設定され得る。位相差層が樹脂フィルムで構成される場合、その厚みは、好ましくは60μm以下であり、好ましくは30μm〜55μmである。位相差層が液晶化合物の配向固化層で構成される場合、その厚みは、好ましくは0.5μm〜7μmであり、より好ましくは1μm〜5μmである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)正面輝度
色彩輝度計((株)トプコンテクノハウス製のSR−UL1)を用いて測定した。
(2)色域(演色性)
液晶表示装置にて赤、緑、青、それぞれ単色を表示し、上記(1)の色彩輝度計にて各種表示した色の色度(x,y)を測定した。得られた赤、緑、青の座標(x,y)3点を結んで得られる三角形の面積を計算し、DCI−P3の規定色域(三角形)の面積に対する比率を算出した。
(3)耐傷性
エム・ティー・エム社製の商品名「10連式ペン試験」を用い、25mmφの冶具に両面テープにてスチールウール(ボンスター販売社製、商品名「#0000」)を取り付け、荷重300gをかけてサンプル面に冶具を置き、10往復試験後に傷の状態を目視にて確認した。以下の評価基準で評価した。
◎:傷が全く確認されなかった
○:1本以上、10本未満の傷が確認された
×:10本以上の傷が確認された
<実施例1>
(薄型偏光子を有する偏光板の作製)
まず、非晶性PET基材に9μm厚のPVA層が製膜された積層体を一体で延伸に供した。具体的には、当該積層体を延伸温度130℃の空中補助延伸に供して延伸積層体を作製し、次に、延伸積層体を染色に供して着色積層体を作製し、さらに着色積層体を延伸温度65度のホウ酸水中延伸に供した(総延伸倍率5.94倍)。このようにして、非晶性PET基材と4μm厚のPVA層(偏光子)とを含む光学フィルム積層体を作製した。さらに、当該光学フィルム積層体の偏光子の表面にポリビニルアルコール系接着剤を塗布し、塗布面に、けん化処理した40μm厚のアクリル樹脂フィルムを貼り合せた。次いで、非晶性PET基材を剥離して、薄型偏光子/保護層(アクリル樹脂フィルム)の構成を有する偏光板を作製した。
(粘着剤組成物の調製)
1.アクリル系ポリマーの調製
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート82部、ベンジルアクリレート15部、4−ヒドロキシブチルアクリレート3部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチルと共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を60℃付近に保って7時間重合反応を行った。その後、得られた反応液に、酢酸エチルを加えて、固形分濃度30%に調整した、重量平均分子量100万のアクリル系ポリマーの溶液を調製した。
2.粘着剤組成物の調製
上記で得られたアクリル系ポリマー溶液の固形分100部に対して、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(日本カーリット社製)0.002部を配合し、さらに、トリメチロールプロパンキシリレンジイソシアネート(三井化学社製:タケネートD110N)0.1部と、ジベンゾイルパーオキサイド0.3部と、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学工業社製:KBM−403)0.075部と、カネカ社製のサイリルSAT10(数平均分子量4000)0.5部と、ポルフィリン系色素(山田化学工業社製の商品名FDG−007:波長595nmに極大吸収波長を有する)0.25部を配合と、を配合し、アクリル系粘着剤溶液を調製した。
(波長選択吸収粘着剤層付偏光板:視認側偏光板の作製)
上記で得られた波長選択吸収粘着剤組成物を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離基材(三菱樹脂社製 MRF38CK)の表面に、アプリケータで均一に塗工し、155℃の空気循環式恒温オーブンで2分間乾燥することにより、厚さ20μmの波長選択吸収粘着剤層を形成した。この波長選択吸収粘着剤層を、上記偏光板の偏光子の面に転写し、波長選択吸収粘着剤層付偏光板を作製した。
(光学部材:背面側偏光板の作製)
ポルフィリン系色素を配合しなかったこと以外は上記と同様にして、剥離基材上に粘着剤層を形成した。この粘着剤層を上記と同様の偏光板の偏光子面に転写し、粘着剤層付偏光板を作製した。さらに、この粘着剤層付偏光板の保護層表面に、通常のアクリル系粘着剤(厚み23μm)を介して反射型偏光子を貼り合わせ、粘着剤層/偏光板/反射型偏光子の構成を有する光学部材を作製した。なお、反射型偏光子は、LGエレクトロニクス社製の液晶TV(43UF7710)のバックライトユニットから取り出した反射型偏光子から、両面に設けられている拡散層を除去したものを用いた。
(液晶表示装置の作製)
LGエレクトロニクス社製の液晶TV(43UF7710)から液晶パネル(IPSモードの液晶セルを含む液晶パネル)を取出し、さらに、液晶セルの両側の光学フィルム等をすべて取り除いた。除去面(基板表面)を洗浄し、得られた液晶セルを用いた。この液晶セルの視認側表面に、上記の波長選択吸収粘着剤層付偏光板を、その波長選択吸収粘着剤層を介して貼り合わせた。さらに、液晶セルの背面側に、上記の光学部材を、その粘着剤層を介して貼り合わせた。このようにして、IPSモードの液晶パネルを作製した。この液晶パネルにバックライトユニットを組み込み、図1の構成を有する液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を上記(1)〜(3)の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
反射型偏光子を配置しなかったこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2>
波長選択吸収粘着剤層の代わりに通常のアクリル系粘着剤(実施例1の背面側粘着剤層に用いたものと同じ粘着剤)を用いて視認側粘着剤層を形成したこと以外は実施例1と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例2>
波長選択吸収粘着剤層の代わりに通常のアクリル系粘着剤(実施例1の背面側粘着剤層に用いたものと同じ粘着剤)を用いて視認側粘着剤層を形成したこと、ならびに、光学部材の反射型偏光子の背面側に波長選択吸収層を設けたこと以外は実施例1と同様にして、図2の構成を有する液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
なお、波長選択吸収層は以下のようにして形成した。シクロオレフィン(ノルボルネン)系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、製品名「ゼオノアZF16」、厚み40μm、面内位相差Re(550)=140nm)を支持体として用いた。一方、紫外線硬化型樹脂(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」)100重量部に対して、実施例1で用いた波長選択吸収性色素0.75重量を配合して波長選択吸収層形成用樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を支持体に塗布し、紫外線を露光量230mJ/cmで照射し、波長選択吸収層を形成した。得られた波長選択吸収層の厚みは5μmであった。このようにして、波長選択吸収層/支持体(λ/4板)の積層体を作製した。得られた積層体の支持体を光学部材の反射型偏光子に貼り合わせた。
<実施例3>
波長選択吸収層の背面側にアンチブロッキング層を設けたこと以外は実施例2と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
なお、アンチブロッキング層は以下のようにして形成した。シクロオレフィン(ノルボルネン)系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、製品名「ゼオノアZF16」、厚み40μm)を支持体として用いた。一方、紫外線硬化型樹脂(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」)100重量部に対して、アクリル系樹脂微粒子(積水化成社製、商品名「XX−131−AA」、最頻粒子径3μm)5重量部を配合してアンチブロッキング層形成用樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を支持体に塗布し、紫外線を露光量230mJ/cmで照射し、アンチブロッキング層を形成した。得られたアンチブロッキング層の厚みは5μmであった。このようにして、アンチブロッキング層/支持体の積層体を作製した。得られた積層体から、アクリル系粘着剤を介してアンチブロッキング層を波長選択吸収層に転写した。
Figure 2018136401
<評価>
表1から明らかなように、本発明の実施例の液晶表示装置は、正面輝度および色域(演色性)がバランスよく優れている。さらに、実施例3の液晶表示装置は、波長選択吸収層にアンチブロッキング機能を付与することにより、耐傷性が顕著に改善されている。さらに、実施例の液晶表示装置は、例えば量子ドットのような高価な材料を用いることもなく、デバイスの構成を複雑化することもないので、非常に低コストで作製できることを確認した。
本発明の液晶表示装置は、携帯情報端末(PDA),携帯電話,時計,デジタルカメラ,携帯ゲーム機などの携帯機器、パソコンモニター,ノートパソコン,コピー機などのOA機器、ビデオカメラ,液晶テレビ,電子レンジなどの家庭用電気機器、バックモニター,カーナビゲーションシステム用モニター,カーオーディオなどの車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニターなどの展示機器、監視用モニターなどの警備機器、介護用モニター,医療用モニターなどの介護・医療機器などの各種用途に用いることができる。
10 液晶セル
21 波長選択吸収粘着剤層
22 背面側粘着剤層
23 視認側粘着剤層
31 視認側偏光板
32 背面側偏光板
40 反射型偏光子
50 波長選択吸収層
60 位相差層
100 液晶表示装置
101 液晶表示装置

Claims (9)

  1. 液晶セルと、
    該液晶セルの視認側に該液晶セル側から順に配置された視認側粘着剤層および視認側偏光板と、
    該液晶セルの背面側に該液晶セル側から順に配置された背面側粘着剤層、背面側偏光板および反射型偏光子と、
    を備え、
    該液晶セルの視認側または背面側のいずれかに波長選択吸収層を有する、
    液晶表示装置。
  2. 前記視認側粘着剤層が前記波長選択吸収層として機能する、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記反射型偏光子の前記背面側偏光板と反対側に前記波長選択吸収層を有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記波長選択吸収層がアンチブロッキング機能を有する、請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記波長選択吸収層の前記反射型偏光子と反対側の表面の算術平均粗さRaが20nm以上である、請求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 前記反射型偏光子と前記波長選択吸収層との間に、面内位相差Re(550)が100nm〜200nmである位相差層をさらに有する、請求項3から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 前記背面側偏光板の偏光子の吸収軸と前記位相差層の遅相軸とのなす角度が40°〜50°である、請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記波長選択吸収層が、570nm〜610nmの範囲の波長帯域に吸収極大波長を有する波長選択吸収材料を含む、請求項1から7のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 波長選択吸収層と反射型偏光子と偏光板と粘着剤層とをこの順に有し、
    該粘着剤層を介して液晶セルの背面側に貼り合わせられる、
    光学部材。
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